ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、ミラノ・ファッションウィーク最終日である2017年2月27日(月)に発表された。美しい色彩が感じられるシーズンである。ルビーレッド、アメジストパープル、エメラルドグリーン、宝石のように希少性を持ったジュエルカラーがランウェイに舞い降りている。キルトサテンやベルベットの上に乗れば輝きは増し、柔らかなモヘアの上に乗ればよりラグジュアリーに変化を遂げる。ドレスラインへ移り変わる頃、これらの色彩は装飾になり、ビジューやスパンコールとなって服地を彩る。繊細なピースから生まれる抽象的なモチーフは、詩的で絵画のような魅力を持つ。鮮やかな色彩とエレガントなテキスタイルにこだわりを持った今季は、模様は控えめだ。代わりに、生地そのものの立体感や光沢感は際立ち、間に差し込まれたジャカードが一層プレシャスな存在へと昇華する。反してシルエット遊びは、自由にのびのびと。四方八方にスリットを配したスカートは流動的に動きながらも丸みを帯びた佇まい。パンツは、タイパンツのように一枚布をかませたものや、前から見るとプリーツスカートのように生地をあてがったモデル、ロングスカートほど量感のあるフレアタイプなど、様々なフォルムが揃っている。合わせたジャケットは、ショート丈でコンパクト。前下がりのシュッとしたカッティングが洗練さへ繋げていて、袖口にプリーツ地を立体的にあしらった装飾性を持ったものも存在する。
2017年02月27日アンテプリマ(ANTEPRIMA)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、ミラノ・ファッションウィーク2日目の2017年2月23日(木)に発表された。「スタンダードからは遠いスタンダード」一つの矛盾の中に存在する、新しい定番を追い求める旅が、今季の起点である。シーズンピースはカシミヤを筆頭とした上質な素材で仕立てられていて、ブラック・ホワイト・キャメル・ブラウンといった落ち着いた色味を基調としている。そのためか、群を抜いた奇抜さはない。しかし、前から見て後ろから見て横から見て……角度を変えて観察するととてもユニークな仕掛け満ち満ちている。まずはシルエットの遊びだ。キーワードの一つはボリュームと不均衡さ。筒のようなビックアームのジャケット、四方に広がった襟のダウンジャケットなど、一部分をデフォルメしたアウターしかり、前後または左右で長さを変えたアシンメトリーコートももちろんその仲間である。シンプルなイエローワンピースなどは、アーム部分を長方形型に整え、アンチスタンダードに。背中からまるで羽根のようにひらひらと布地を貼り付けたドレスなども存在する。また、エイティーズを彷彿とするグラフィックも一役担う。モノトーンで描かれたストライプ、横縞に並べたトライバルパターン。ボリュームシルエットの中で色柄がうごめけば、それだけでシーズンピースはエクスクルーシブな印象へと変わる。アンテプリマのアイコンともいえる、ワイヤーバッグは今季控えめで、代わって登場したのはレザーバッグである。ジャバラ柄のラウンドシルエット、素材違いのポケットを付けたショルダーストラップバッグ。また、ビッグサイズのトートバッグは、光沢素材が用いられていて、一際存在感を放っている。
2017年02月27日フェンディ(FENDI)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、ミラノ・ファッションウィーク2日目の2017年2月23日(木)に発表された。今シーズン、フェンディのミューズとなったのは夜明けの街に佇む女性である。シーズンを彩るのは、数々のジオメトリックパターン。オーストラリア・ウィーンのレンガ作りに着想を得たものから、18世紀のイタリアで生まれたペーパーデザイン、さらにはダフルFを筆頭としたフェンディを象徴する伝統的なグラフィックまでがデザインとして用いられている。ニットにはカットアウトとしてくり抜くにようにそれらを描き、ファーコートにはパッチワークの技法でエレガントに模様を添える。シーズン全体は落ち着きがあり、かっちりとした印象。プリンス オブ ウェールズやヘリンボーンのウールで仕立てたスクエアショルダーのジャケットやコートが多く登場していて、すっきりとしたシルエットのパテントレザーのコートやファーコートと交わっている。アウターと合わせたトップスやスカートなどは、シースルー素材やフレアなラインが取り入れられ柔らかいタッチ。サイドに切り込みを入れたシフォンブラウスは、前身頃のみをタックインしてバックスタイルをふんわりと。ノースリーブドレスも脇下をカットして、綺麗なAラインを作り出している。花刺繍を添えたオーガンザドレスやチュールのドレスは、布地が風にたなびき、より透明感が増しているようだ。ほんのりと夜の香りを残すのは、パテントレザーのレッドブーツ。ほぼ全てのルックに起用されていてシーズンを象徴する存在となっている。ニューバッグは、ダブルハンドルのボックス型バッグ。フェンディアイコンの「キャナイ」「ピーカブー」なども新デザインと素材で展開されている。
2017年02月27日トッズ(TOD’S)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、イタリア・ミラノで発表された。今季は、馬具のエッセンスをベースに、アウトドア・ストリートの感覚を交差させ、トッズのオーセンティックなスタイルをフレッシュに昇華させる。主役となるのは程よく味の出たヴィンテージ、ナッパ、ヘアカーフなど様々なレザーたちで、キルティング加工を施した新素材・マトラッセへと変化させたり、アクティブ素材を溶け込ませたりして、シーズンドラマを繰り広げていく。アイコンとなるのは、ビッグサイズのアウターだ。ボーイフレンドのを借りて着ちゃった!そんな可愛らしいシチュエーションをイメージしたピースは、ビッグショルダーで重量級。レザー仕立てのダウンコートや、アームだけレザー×ボディはナイロンというミックス素材のスキージャンパー風アウター、フード付きロングコートなど、フォルム・素材違いでバリエーション豊富に揃っている。ただ、ジグザグと可愛らしいステッチや色の切り替えなどによって、メンズライクになりすぎず程よい女性らしさを保たせたのがポイントだ。合わせたのは、細みのレザーパンツが主流であるが、中にはフェミニンなアイテムも存在する。美しいドレープの効いたスカートは、ナイロン素材で仕立てたもの。赤色でアクセントを効かせたレザースカートも、膝下レングスで上品な印象だ。シューズラインからは、トッズの冬の定番となったラバーソールシューズ・ブーツがラインナップ。また、馬具をイメージした人気の「セラ」バッグは、異素材・カラーミックスで華やかにアップデートされている。
2017年02月26日エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)の2017-18年秋冬コレクションが、ミラノ・ファッションウィーク3日目の2107年2月24日(金)に発表された。今シーズンの起点となったのは、多様性。都市に住む女性たちの様々な思考やテイストを考慮しクリエーションに励む。シーズンウェアはバリエーション豊かで、クラシックとモダンがコントラストを描くように融合。そこに、スポーツテイストやヤングジェネレーションを捉えるアイキャッチな要素を取り入れている。しかしながら、ベースとなるのはアルマーニの定番であるジャケットスタイルである。男性的でありフェミ二二ティも備えたパンツスーツ。ジャケットには、大きなボタンやリボンのアップリケを飾り、レッドやフューシャピンクなどのビビットカラーを取り入れて、デザインの幅を広げる。定番アイテムから新たな可能性を抽出するのは、質感での遊びである。ベルベットやパテントといった光沢素材、シースルーのPVC、様々な毛足の長さのファー。そして、それらを素材のキャラクターに関係なく、一着の中で、また時にコーディネートの中でミックスさせる。ファーのホワイトコートにはシースルーパンツを、シンプルなウールコートにビッグファーの帽子を。そこに加えたフレッシュさが、ロゴ・キャラクターウェアである。ブランドの頭文字EAをアーティーに描いたトップス、くまモチーフのジャケット、7のロゴ入りニット。また男女ペアルックで登場した、ポンチョ型ダウンも新鮮な印象だ。フィナーレへ向けてはドレスの提案を。シーズンムードを反映した、ポップなカラーリングで種類豊富なウェアを揃えた。シャンデリアのように輝くスパンコールの装飾がポイントになっていて、エレガントなドレスの中で流れるように配され、流星のような輝きを放っている。また当ショーには日本からのセレブリティとして佐々木希が来場した。エンポリオ・アルマーニ2017年春夏コレクションの軽やかな赤いシフォンドレスと同じく今期のアイテムであるスタッズのついたハードなレザージャケットを合わせた姿でショーに華を添えた。
2017年02月26日エトロ(ETRO)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、ミラノ・ファッションウィーク3日目の2017年2月24日(金)に発表された。テーマは「エトロのペイズリートライブ」。今シーズンのエトロは、テーマにはっきりと明記されている通り、民族的なエッセンスに溢れている。曼荼羅や蓮の花、龍のモチーフといったメッセージ性の高いアイコンが、ペイズリーと交わっている。また、ブランドのシグネチャーであるペイズリー柄も、今季は一際鮮やかだ。ホットピンクやブライトグリーンといったサイケデリックな色彩で描かれ、万華鏡のように色柄が混じり合った美しい世界に、斬新さを投じる。また、トライバルの着想から、日本文化にもフォーカスされている。まずは着物。ミニ丈のワンピースなどには、着物スリーブが採用されアーム部分がふわふわと揺れ動いている。また、キルト地のパンツには柔道着のムードを投影。さらには、リボン刺繍をあしらった甲冑風ドレスも仲間に加わり、裾をひらひらとさせたロングプリーツドレスなどと列をなしている。シーズンムードは、エトロが継承する伝統的な美学を保ちつつも、若々しい印象を受ける。というのも、機能性を重視したスポーティウェアが多く用いられているからだ。ツイードパーカーやジャカードのダウンジャケット、シアリングジャケットなどが好例で、どれもオーバーサイズに仕立てられている。合わせたのは、クロスボディのポストマンバッグ。また、スーパーミニ丈のボトムスやフラットブーツといった類も、フレッシュさへ繋げる役割を担っている。
2017年02月26日N°21(ヌメロ ヴェントゥーノ)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、ミラノ・ファッションウィーク1日目の2017年2月22日(水)に発表された。デザイナー・アレッサンドロ デラクアの新しい挑戦を感じた。幾重にも素材を重ね、アシンメトリーにカッティングし、不均衡さを保ちながらレイヤードする。複雑性の中から見出す女性性のようなものが、昨シーズン(まで)は打ち出されていたように感じたが、今季はいい意味でシンプルで潔い。フェミニニティを象徴するワンピースで直球勝負に出ている。情熱的な赤色、背中をばっくりみせたカッティング、テーマ性のある模様。そこにリボンやプリーツ、フリルといった装飾を飾り、一枚の服地の中にドラマを作っている。仕上げは、ソックスとサンダルのコンビ。洋服にカラートーンを合わせるのではなく、足元だけで独自の物語を綴る。ヌードカラーのドレスにビビットなソックスを合わせたり、サンダルにビジューをデコレーションしたり……と遊びを交えながら。また、今季はウエストマークしたスタイリングがムードだ。ワンピースには、大振りなバングル付きベルトがヒットしている。全体的にテイストミックスは控えめで、ストリートに馴染みやすい印象。際立っていたのはラインデザインを用いたスポーティウェアとの融合である。
2017年02月26日アルベルタ フェレッティ(Alberta Ferretti)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、ミラノ・ファッションウィーク1日目の2017年2月22日(水)に発表された。昨シーズンに引き続き、フェミニニティの中に強さと大胆さをうまく溶け込ませている印象である。ベースとなるのはマキシ丈のドレス。テキスタイルはシースルー地のもので、フリルや長くのびたフリンジで流動性をもたせたり、絵画のようなフラワーモチーフをあしあったりして女性性を打ち出している。保たれた高貴さとエレンガンスの均衡の中で投じる遊び。それは、ミリタリーを感じさせるセーラーシャツやマリンパンツ、ロゴ入りのクルーネックニット、リラクシングなガウンコートといった類。また、レッドやパープルといったビビットカラーや、目の周りをブラックとレッドなどで囲んだアイメイクも好例で、ラグジュアリーな世界に面白みと斬新さをもたらしている。シーズンアイコンといえるのは、翼を持ったライオンだ。イタリア・ヴェネツィアの象徴「有翼の獅子」を想起させるモチーフは、金刺繍で表現され、ニットやコート、バックパックなどに登場している。特に、煌びやかなライオンが鎮座したウール地のマントは、シースルードレスとのコントラストが美しく描かれ、内側に官能性を秘めた強い女性像を具現化しているようであった。フィナーレは、月曜から日曜までを意味する“MONDAY”から“SUNDAY”までの文字を配したウィークニットと共に。2017年プレフォールコレクションとリンクする演出で、モデルたちが集結。トップバッターを飾ったモデルのジジ・ハディットも、ドレスにカジュアルなニットを合わせて颯爽とランウェイに現れていた。
2017年02月26日グッチ(GUCCI)は、メンズ・ウィメンズを統一した初の合同ショーを2017-18年秋冬ミラノ・ファッションウィーク1日目の2017年2月22日(水)に発表した。記念すべき新体制のデビューは、グッチ新社屋が舞台。会場は神秘的な雰囲気だ。中央にひかれた紫色のカーテンをピンク色のライティングが怪しげに照らしている。ショーが始まると、ゆっくりとこのカーテンが開きピラミッド型のオブジェが顔を出した。周りを取り囲むように広がるランウェイは、ガラスに包まれていて前後左右からモデルを確認できる。ショーチケットに記されていた一つの問い―「我々はこれから先の未来へ向けて何をするべきか」。アレッサンドロ・ミケーレは、その答えを今季のテーマである「THE ALCHEMIST’S GARDEN」に用意した。そして副題として「anti-modern laboratory」と綴り、エジプトの古代シンボル「ウロボロス」をキーワードに据えた。己の尾を噛み輪の形となった、ヘビのモチーフ「ウロボロス」は、錬金術(alchemy)と同じように、始まりも終わりものない完全なものを示すという。境界線を払い一つのものにする、ミケーレのクリエーション精神は、これらのキーワードが指すように、新体制になっても変わらず受け継がれ、一つの完成形を目指している。男性性と女性性、華美と質素、陰と陽、身体と精神……相反するものの対峙と融合。その方法に決まりはないし、シーズンムードのようなものも色濃くは存在しない。ガーデンに生息する花々、昆虫類、動物たち。グッチを象徴するGGやウェブといったモチーフとブランドロゴ。ミケーレをこれまで支えてきたアイコンたちが溢れている。クラシカルなスーツ、煌びやかなドレス、ストリート色の強いTシャツ。番傘のようなアンブレラやどこかの皇帝のようなジャカードコート、キルトを想起させるメンズ用チェックスカートといった民族性・文化性の強いもの。スタッズを全面に敷き詰めたジャケット、鎖を繋いだチョーカー、鼻ピアスなどのロックや反逆性を象徴するアイテム。統一性のないものたちが同じ舞台に上がる。視覚的な華やかさ、ミックスマッチによる大胆さ、世代・性別・国境といったボーダーを越えた奔放さが招く、強烈なインパクトと鋭い個性を持って。ただ一つ共通点といえば、グッチの名のついた一つの世界に存在していることと、本当に楽しんでデザインしているクリエーターの手によって生まれている点である。
2017年02月25日モスキーノ(MOSCHINO)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、ミラノ・ファッションウィーク2日目の2017年2月23日(木)に発表された。毎シーズン異なるテーマと演出で、アミューズメントパークさながらの驚きと興奮を届けてくれるジェレミー・スコット率いるモスキーノ。2017年春夏シーズンは、ペーパードールをモチーフに、2次元のだまし絵にあえて表現を留めることで、ファッション業界への強いメッセージと痛快な娯楽を観客へ届けていた。ジェレミーは引き続き、皆に向けてメッセージを打ち出している―Couture is an attitude&It’s not a price point。この魂を具現化させたのは、本来ファッションから遠い存在、日の目を見ないゴミたちだ。洋服を梱包するはずの段ボールやプチプチ(空気の入った透明ビニール)モチーフの素材をビニールテープ風ディテールで留めて、レディトゥウェアへと昇華させる。しかしデザインはクラシックで、2ピースのスーツやドレス、トレンチコートなどが打ち出されている。インスピレーションの名残を残すのは、あちらこちらに散りばめらたリサイクルのロゴや割れ物注意のマーク、注意(CAUTION)のタグなど。途中からはアドビジュアルを想起させる、ロゴ入りカラフルペーパーをベースに。日本語で記された”秋冬コレクション”の文字やブランドロゴ、モスキーノ ベアが描かれたカラフルなパーツを組み合わせて洋服へと構築。序盤に比べて、ニーハイブーツやショート丈ブルゾンといったアグレッシブな雰囲気へとスタイルも変わっていく。音楽の転調とともに現れたのは、モスキーノナイトを彩るモデル・アンナ・クリーブランドだ。ステージ中央の金色フリンジ付きレッドカーテンを引っ張り引っ張り……なんと衣裳へ転身させてランウェイに登場。そこからは、コメディショーでも見ているかのような、スピーディーで劇的な展開で、ハンガーとクリーニング後のビニールラッピングを模したドレスや、レジ袋風ワンピース。紙ごみや空きボトルをコラージュしたドレスが行進。ゴミバケツのふたや車輪はヘッドドレスとなり、トイレットペーパーは帽子へ。サイズ違いのショップバッグもテープで繋ぎ合わせればニューバッグへと早変わりしている。
2017年02月24日G.V.G.V.(ジーヴィージーヴィー)の2017年秋冬コレクションが、2017年2月20日(月)に東京・恵比寿のリキッドルームで発表された。ディスコから新しい音楽が生まれる時代の過渡期のような、既存カルチャーと新カルチャーがミックスする混沌とした時代を描いた今シーズン。ランウェイはまさにパーティータイムさながらであった。始まりは虹色のグリッターが輝くセットアップ。パワーショルダーのジャケットに、浅いスリットの入ったワイドパンツがリズムを刻む。続くカクテルドレスにはレースをレイヤードして、艶やかな表情もプラスしている。ブラックのカラーパレットの中で引き出されたセンシュアルな魅力は、刺激的なカラーと模様が投入され、パーティーの盛り上がりとともに変貌を遂げる。アニマル柄だけでなくファーやカラーレース、スパンコールが導かれ、パーティーはより一層熱を帯びる。特にベルベットのゴシック柄は、古典的な模様のはずなのに、この会場では新鮮そのもの。パープルとピンクの鮮やかなカラーでグリーンのパイソン柄を合わせたかと思えば、フェイクファーのラグジュアリーなヒョウ柄のガウンコートの中に忍ばせて。あるいは、ポップなオリジナルキャラクターのニットなど、ファンシーな組み合わせでも披露されている。花柄のカットジャカードは過激なワードローブにフェミニンなエッセンスを加える手段だ。ラッフルの踊るブラウスやボリュームのあるドレスルックが先ほどとは異なる形で女性らしさを届ける。また、ミラーボールのようなスパンコールと共存させることで、エッジィな中にエレガンスを残している。パーティーの最後を飾ったのは水原希子。身に着けたのはスパンコールのオールインワンだ。ライナーの赤をチラつかせ、モノトーンストライプのファーガウンを大胆に羽織って歩く姿は、力強い女性像そのものである。ランウェイを堂々と歩く彼女には、大きな歓声が上がった。
2017年02月23日エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)が2017年秋冬コレクションを日本時間の2017年2月23日(木)23:00より、イタリア・ミラノで発表。ショーの模様は、ファッションプレスでも生中継する。先シーズンの2017年春夏コレクションでは、ジャージ素材を駆使し、Iラインドレスやロンパース、繊細なチュールを重ねたようなどレスなどを創り上げた。そんなエレガントなドレスルックに、ビーチを想起させるスイムウェアやブルマなども提案。イエローやオレンジ、パープルといったエネルギッシュな色合いが特徴であった。【詳細】エミリオ・プッチ 2017年秋冬コレクション配信時間:日本時間 2017年2月23日(木)23:00※現地時間:2017年2月23日(木)15:00
2017年02月23日ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)の2017年春夏ウィメンズコレクションは、メンズコレクション同様に、ドイツのムードがキーワードとなっている。キーカラーは、レッド、イエロー、ブラック。ドイツ国旗の3色が、深みのあるバーガンディやシックなマスタードへと変化しながら基軸として進行している。また、ドイツを示す文字も登場。ハイネックトップスやスウェットシャツには「deutsch」のロゴが添えられ、過去に存在したドイツのタイポグラフィもデザインとして取り入れられている。ドイツ建築や音楽から得たヒントは、ユニークなシルエット形成を手助けした。ここ数シーズンビック&ワイドなシルエットが続いていたジョン ローレンス サリバンであったが、今季はフレアがポイントに。クロップドパンツもワンピースの袖もパンツスーツの裾も、どれも左右に広がるゆるやかなラインを描いている。また、ディテールによってフレアになるような工夫も。ストライプシャツは、バックスタイルに並んだボタンを開閉させることで広がるように設計。ベルベットのボンバージャケットは、背中にあしらったジップを上下に開くことでシルエットのアレンジが楽しめる。素材は、ぎゅっと詰まったようなしっかりしたものが多い。カシミヤと同じ織り方で仕上げた光沢あるウールや厚地のサテン、毛並みのよいヘアカーフレザー。また、ベルベットはコーディングを施して、ひび割れしたようなアンティーク調の風合いに。パテントレザーやパイソンなど力強い面子も揃っている。
2017年02月19日ヴェルサス ヴェルサーチ(Versus Versace)が2017年秋冬コレクションを日本時間の2017年2月19日(日)午前6:00より、イギリス・ロンドンで発表。ショーの模様は、ファッションプレスでも生中継する。先シーズンの2017年春夏コレクションでは、ロックやミリタリーテイストを感じさせるスタイルを提案し、レザージャケットやタイトワンピース、ミニスカートなどを展開。ダメージが効いたデニムシリーズもポイントであった。【詳細】ヴェルサス ヴェルサーチ 2017年秋冬コレクション配信時間:日本時間 2017年2月19日(日)午前6:00※現地時間:2017年2月18日(土)21:00
2017年02月19日ブルーガール(blugirl)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、ミラノ・ファッションウィーク3日目の2017年2月24日(金)に発表された。クラシカルなフェミニンルックから幕を開けた、今シーズンのブルーガール。ミニ丈のドレスやフレアラインのドレスに、パールやブラックリボン、フリルなどを飾り、ヴィクトリアンスタイルを想起させるほど、とことん可愛らしく仕上げている。素材はベルベットとレース、チュールなどがメインとなっていて、シースル素材から覗かせた、スイムウェア風のニットアイテムやランジェリーが刺激となり、モダンさへと繋げる。女性らしい世界観からは一変、ショーが進むごとにスタイルがぐっと変化を遂げる。ビビッドカラー、アニマルプリント、マニッシュスタイル。序盤とは相反する要素がランウェイを占領していく。鮮やかなグリーンやオレンジ、ライオンや鳥など動物達が描かれたサファリプリントは、パンツスタイルのセットアップにのせた。ただ肩肘張るかっちりとしたものではなくて、パジャマ風シャツやガウン風コートなどに登場している。足元にはフラットサンダルを。さらにショーは転調を繰り返し、フェミニンルックと相反するものが豊かなコンビネーションを成していく。プリンセスのようなドレスも刺激的な配色やアニマル刺繍で彩られ、先ほどとは印象を変えていく。統一されているのは、大粒パールをのせたベルトでのウエストマークと尾の生えたファーハットの起用である。
2017年02月18日ブルマリン(Blumarine)の2017-18年秋冬コレクションが、ミラノ・ファッションウィーク4日目の2017年2月25日(土)に発表された。ブルマリンのウィンターシーズンは、寒さを吹き飛ばすほど温かい仕上がりだ。イエロー、ピンク、グリーン、続くのは華やかな色彩ばかりである。スカートはフレアに、ロングドレスは大きくVの字に胸元を開かせスカート部分は大胆なスリットを境に左右に広げ、楽し気に揺れ動かす。ジャケットはベルトでウエストマークしてヘムラインで遊びを効かせた。トップスもボトムスも共通するのは、たっぷりとした生地感とジャンプするように羽根動くフリルたちである。キーポイントとなるのはテキスタイルの対比。秋冬らしいファーが、軽やかなレースやシフォンと交わる。ビッグボリュームのファーコートには、引き算の思考でシフォンブラウスやレーススカートを合わせ軽さを引き出した。ただただ穏やかな世界で終わらせないのが、ブルマリンらしさ。デコラティブな要素は今季スパンコールが主役を担った。ビッグサイズのスパンコールは鱗のように敷き詰められてドレスやスカートを彩る。スキントーンのスカートにはレースを一枚かませ、その上からスパンコール刺繍をさらにデコレーションする。フィナーレはブランドロゴのカラフルニットの行進で。タートルネック・クルーネック2型用意したニットには、キラキラのストーンでブルマリンの文字を。合わせたブロークンデニムにも同様にストーンを配して、華美なブランドイメージの完成へと繋げる。
2017年02月18日ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)の2017-18年秋冬コレクションより、新作スニーカーが登場。2017年8月より店頭にて発売予定だ。オンラインストアでは先行予約を受け付けている。スニーカーはホワイトのレザーに黒のシューレースを合わせたもので、ウィメンズとメンズ異なるデザインで展開される。メンズシューズは、手書き風のプリントやハートのベルベットパッチなどの装飾を散りばめ、シュータンにブランド創立年の“84”を示すビーズモチーフを配した遊び心あふれるデザイン。ウィメンズも同様のデザインコンセプトで、音符マークのビーズモチーフやパールをあしらい、シュータンにはハートのベルベットパッチが付けられている。ソール後方の側面には、メンズとウィメンズでデザインの異なるスタッズ装飾を飾りアクセントにしている。本シューズは2017-18年秋冬コレクションのランウェイにも登場し、光沢のある贅沢なファブリックで仕立てられたスーツスタイルや、カジュアルでシンプルなパンツなどに合わせられ、万能に活躍していた。なお、店頭展開に先立って、公式オンラインストアでは予約注文を受付けている。3月下旬から4月上旬に配送される予定だ。【アイテム詳細】ドルチェ&ガッバーナ 2017-18年秋冬コレクション 新作スニーカー発売日:・店頭 2017年8月※予定・オンラインストア 先行予約受付中。3月下旬~4月上旬配送予定。価格:129,000円+税【問い合わせ先】ドルチェ&ガッバーナ ジャパン カスタマーサービスTEL:03-6419-2220 (10:00-18:00 土日祝を除く平日のみ)
2017年02月18日プロエンザスクーラー(Proenza Schouler)が、2017年秋冬コレクションを日本時間の2017年2月14日(火)午前3:00より、アメリカ・ニューヨークで発表。ショーの模様は、ファッションプレスでも生中継する。2017年春夏コレクションでは、クチュール技術と現代的アイデアを融合した。大胆に穴を空けたトップスや胸の前で布を結んだり交差させるワンピース、さらにフェザーが裾に織り込まれたワンピースなど、挑戦的なウェアを提案。派手なグラフィックやカラー使いがポイントとなっていた。今シーズンはどんな世界を描くのか、ぜひ注目したい。【詳細】プロエンザスクーラー 2017年秋冬コレクション日本時間:2017年2月14日(火)3:00 / 現地時間:2017年2月13日(月)13:00
2017年02月13日トリー バーチ(TORY BURCH)の2017-18年秋冬コレクションが、アメリカ・ニューヨークで発表された。映画『フィラデルフィア物語』の中で、キャサリン・ヘップバーンが演じる大胆不敵で傲慢なキャラクターがインスピレーション源。魅惑的な外見と自信にあふれた女性らしさが、トリー・バーチ本人のルーツであるフィラデルフィアで馴染みのあるスタイルとが溶け合い、現代的に解釈された。映画の中の世界を書き出したような渋みのある色使いと、可憐ながらも力強い花柄、時折ディテールから漂うマスキュリンなムードがミックス。少しゆとりのあるパンツやスポーティなボンバージャケットなどを使いながら、コーディネートにはプリーツスカートを合わせフェミニンな要素を忘れないなど、遊びの中にも知性や理性が漂っている。カラーだけでなく、柄や素材感にもクラシカルな気配をもたらした。プレイドチェックは、ウールからシリング、ルーレックスヤーンとシルクの刺繍に至るまで、様々な方法で表現されている。その他、ノスタルジックな印象を与えるフェアアイルやエドガー・ドガの作品を参考にしたバレリーナプリントなどもワードローブをより豊かにしている。コレクションをグッと押し上げているアクセサリーにも柄や素材感は統一。ギリシャ領のイタキ島をイメージしたプリントのブリーフケースはトリー一族の歴史に捧げるオマージュであり、繊細なイヤリングやインダストリアルなイヤリングは、コレクションを締めくくるにふさわしい存在だった。
2017年02月12日タダシ ショージ(TADASHI SHOJI)が2017年秋冬ウィメンズコレクションを、日本時間の2017年2月10日(金)AM6:00よりアメリカ・ニューヨークで発表。ショーの模様は、ファッションプレスでも生中継する。2017年春コレクションでは、シフォンやレース、ファー素材を使用し、エレガントかつスタイリッシュなコレクションを展開した。ボディラインにぴったりと添うような繊細なレースのドレスや、真っ白な生地に浮かぶピンクやグリーンの花々の刺繍。フェミニンさの中に、都会的なクリーンさを備えたルックは、現代的な女性持つの美しさを感じさせる。【詳細】タダシ ショージ 2017年秋冬ウィメンズコレクション日本時間:2017年2月10日(金)AM6:00現地時間(ニューヨーク):2017年2月9日(木)16:00
2017年02月07日ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)が、 2017年セミクチュールブライダルコレクションと2017年クチュールブライダルコレクションを発表した。セミクチュールのオーダーメイドブライダルコレクションでは、アイコニックな8スタイルを用意。ソフトジョーゼットやシルクサテン、シルクタフタ、ダッチェスなどの素材を数色のカラーバリエーションで展開する。一方、クチュールブライダルコレクションには、新たに6型のドレスが登場する。なお、ヴィヴィアン・ウエストウッドのクチュールドレスは完全オーダーメイドのサービスとなっており、それぞれの花嫁のシルエットに合わせたデザイン画をもとにテイラーが花嫁の体に合わせて組み立てていく。コレクションは、オーダーメイド、クチュールいずれもロンドンとニューヨークの旗艦店で購入することができる。
2017年02月07日メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)が2017年秋冬メンズコレクションのルックを公開した。クリエイティブディレクターのジルダ・ロアエックと黒木理也による同コレクションは、アメリカンポップカルチャーと、パリを拠点に活動するニューヨーク出身アーティストであるウィリアム・クラインのオーセンティックな創造力からインスパイアされた。アメリカのスーパーヒーローを反映したプレイフルなエッセンスは、クラシックなニュアンスをそこら中に忍ばせており、ジャガードセーターには星が飾られ、ウール素材のジャガードスーツにはサイケデリックなコミックの吹き出しが取り入れられた。レインコートには溢れんばかりの色彩の重なりが刺繍された。クラシックとミリタリーのアンサンブルなディテールがコレクションを通して繊細に描かれており、ウールのオフィサーコートでは赤いキルティング素材で思い切って遊び、キャメル色のスウェットパンツと合わせている。ワークコートはコットンツイル素材で再解釈され、モチーフのキツネがカモフラージュ柄の中に同化し、ベルクロ素材を使用したロゴパッチは取り外しが可能となっている。スローガンとして“勇気”(Courage)と“威力”(Formidable)を掲げた同コレクションは、ファブリックとボリューム感に遊び心を取り入れながら、着心地と機能性が追求されている。
2017年02月03日ラマルク(LAMARCK)が2017年秋冬コレクションを2017年1月30日(月)、東京・青山で発表した。今期のテーマはメトロポリス。都市、街に生きる女性像を服に昇華し、表現した。都会の喧騒、ノイズが聞こえる中で、オールブラックのルックでショーは幕を開けた。ストンと落ちるジャケット、胸元に空間を作ったドレスなど、カッティングやフォルムで1つ1つのアイテムに個性を与える。ショーが進むにつれ、徐々に彩度と強度が増していく。ショッキングピンク、オレンジ、グリーン…イメージは都会の夜のネオンだ。シースルーのトップスは暗闇の中で肌の露出をチューニングし、怪しさ、ミステリアスな雰囲気を漂わせる。フェザーのパンツや、立体的な模様のトップスを纏って朝を待つのだ。肩を通さず纏ったニットや、コードロックをリボンのようにして留めるシャツ。歩くたびに揺れる袖や紐が可能にするのは、個性を持った着こなしだ。リラックスな印象を受けるが、足元にはハイヒールをスタイリング。素足が透けて、自由で気品溢れる女性を想起させる。シルエットに注目するとストレートなラインのスラックスもあれば、前身にボリュームを持たせ緩やかなカーブを描くスカートも。ラストルックのドレスは、輝くスタッズ付きのはぎれを縫い付け、綺麗なものにあえてつぎはぎを施す。女性らしい丸みと、男性的な直線。強さと儚さ。デザイナー森下慎介は相反するものの交錯地点に、都市の女性のアイデンティティを見出していた。
2017年02月02日チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ2017(Salon du Chocolat2017)」が、有楽町・東京国際フォーラムで2017年2月2日(木)から5日(日)まで、京都、大阪、福岡、札幌、名古屋、仙台で2月1日(水)から14日(火)まで開催される。今回は各出店ブランドが提案するテイクアウト&イートインメニューから“ひんやりスイーツ”をピックアップ。各種チョコレートと合わせて、熱気あふれる会場内でクールダウンできる冷たいアイスやドリンクをチェックしてほしい。<ショコラティエ パレ ド オール>からは、白いのにカカオの風味がするなんとも不思議なソフトクリーム「ソフト パレ ド オール ブラン プリュス」が登場。コーンの中にはサロン・デュ・ショコラ限定の味わいが隠れているとのこと。サロン・デュ・ショコラ参加10回目となる<ヨシノリ・アサミ>の新作スイーツは、アップルパイを砕いて、練り込んだミルクアイスとビターチョコレートを組み合わせたアイス「クレーム グラッセ ショコラ アップルパイ×ビター」。定番のミルクチョコレート×アールグレイもラインナップ。また会場ではショコラのドリンクも充実。鎌倉の生チョコレート専門店<ca ca o>が提案するのは、カカオの香りがふんだんに愉しめるショコラのフローズンドリンク。飲み始めはしっかりとしたカカオ感がありながら、後味はすっきりとした一杯に仕上がっている。ストロベリーソースをかけたホワイトチョコレートのフローズンドリンクにも注目だ。“森のキャビア”と呼ばれている「フィンガーライム」の果肉を使用した珍しいドリンクを考案したのは、<トーキョーチョコレート>。カカオパルプスムージーに果肉を「フィンガーライム」トッピング。甘みと酸味のハーモニーと、プチプチ食感で後引く美味しさに。【イベント開催概要】■サロン・デュ・ショコラ2017 東京会期」2017年2月2日(木)~5日(日)午前10時~午後8時会場」東京国際フォーラム ホールE住所:東京都千代田区丸の内3丁目5番1号<問い合わせ先>伊勢丹新宿店大代表TEL:03-3352-1111■サロン・デュ・ショコラ2017 京都、大阪、福岡、札幌、名古屋、仙台会期:2017年2月1日(水)~14日(火)会場:・札幌会場:丸井今井札幌本店 大通館9階催事場TEL:011-205-1151(代表)・仙台会場:仙台三越 仙台三越本館7階ホールTEL:022-225-7111(大代表)・名古屋会場:名古屋栄三越 7階催物会場TEL:052-252-1111(大代表)・京都会場:ジェイアール京都伊勢丹10階=催物場TEL:075-352-1111(大代表)・大阪会場:イセタン フードホール ルクアイーレ店 9階 LUCUAホール※大阪は最終日 19:00終了TEL:06-4301-3802(イセタン フードホール直通)・福岡会場:岩田屋本店7階=大催事場TEL:092-721-1111(大代表)
2017年02月02日メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)が2017年秋冬ウィメンズプレコレクションのルックを公開した。ルックヴィジュアルの撮影は、ニコル・マリア・ウィンクラー(Nicole Maria Winkler)、アートワークはジョン・ココ(Jon Koko)によるもの。今シーズンは、アメリカンポップカルチャーと、パリを拠点に活動するニューヨーク出身アーティスト、ウィリアム・クライン(William Klein)のオーセンティックな創造力から着想を得て、毎日気まぐれにジャンルをミックスしながら洋服を合わせ楽しむ女性像を描いた。アメリカのスーパーヒーローを反映したプレイフルなエッセンスは、クラシックなニュアンスをそこら中に忍ばせ、白い星のモチーフが入った大胆な赤が際立つウールスーツやアメリカからインスピレーションを得て、象徴的なニューヨークのビル群がリバーシブルのジャガードセータードレスへと落とし込まれている。繊細なラッフルを取り入れたトップスはサイケデリックなコミックの吹き出しモチーフでデザインされ、星条旗からインスパイアされたストライプがデザインされている。さらに、繊細なラッセルを取り入れたトップスにはストライプがデザインされた。ネイビーブルーのベレー帽には、同色のイナズマの刺繍が施され、ブランドアイコンであるキツネのモチーフはアメリカの国旗と同様の色調となっている。アイテムのディティールにはクラシックとミリタリーのアンサンブルが繊細に描きこまれた。軍の将校からインスパイアされたジャンプスーツは、シェブロンコットン地とゴールドボタンにより再解釈されている。また、ブランドアイコンであるキツネモチーフは、エッジの効いたカモフラージュプリントの中へと入り込んでいる。スローガンとして“勇気”(Courage)と“威力”(Formidable)を掲げた同コレクションは、ファブリックとボリューム感に遊び心を取り入れながら、着心地と機能性が追求されている。
2017年02月01日ジュリアン デイヴィッド(Julien David)は、2017年秋冬コレクションをフランス・パリで発表した。メンズ・ウィメンズ合同ショーとなって2シーズン目を迎える今季は、男女ともにミリタリールックにフォーカスを当てた。MA-1、モッズコート、M-65。ミリタリーカルチャーを代表する面々がランウェイに連なっている。サービスドレスを想起させるフラップポケット付きのジャケットや肩章のついたアウター、空軍帽風の帽子といったアイテムは力強さを主張し、男性性香る独自の世界へと繋いでいく。ミリタリーウェアは本来の趣はそのままに、モダンにアレンジされているのもポイント。ウエスト周りに配されたギャザーや、身幅をゆったりととったゆるやかなシルエットが好例で、ボトムスもクロップド丈に整えたり、折り返しの部分から色柄をのぞかせて都会的なムードに一新されている。ウィメンズラインは、軍服の世界へヴィクトリアンを想起させるフェミニンなムードを投下。襟元にフリルをあしらったドレスや、パフスリーブのブラウスがカーゴパンツなどとミックスされている。マスキュリンなムードの中でふわりと舞う、シースル素材はずいぶんと可愛らしく、繊細さが増して映る。足元はトレッキングシューズで。タイツ&ソックスのレイヤードでオリジナルの“山スタイル”を演出。中には、足先だけオープントゥにしたサンダル風ブーツも登場している。
2017年01月31日ニウク(NÏUKU)の2017-18年秋冬コレクションが2017年1月22日(日)にフランス・パリで発表された。ニウクは、2016年秋冬シーズンより日本本格上陸を果たしたパリの新鋭ユニセックスブランド。今シーズンより従来あったニウク デニム(NIUKU DENIM)、コレクションラインに加えて、「バスクチュール ニウク(BASSCOUTUR NIUKU)を始動する。新ライン「バスクチュール ニウク」で提案するのは、ヴィンテージアイテムをアレンジした唯一無二のワードローブ。ショーの中でも象徴的であったヴィンテージのデニムやアルファ(alpha)のMA-1などがそれにあたる。元はごく普通のかたちであったデニムジャケットの身頃中央を、横断するように切り裂いて、ジッパーで荒々しく止めている。決して余計なものは足さず、解体と再構築によって完成するのがこのラインの良さだ。アディダス(adidas)のジャージ、ショート丈のブルソンなども新ラインのひとつである。コレクションラインは、ところどころにストリートやミリタリーの要素が強く反映されているがおおむねクリーンな印象。冒頭に登場したラップコートやノーカラーのキルティングダウンなどのアウター類、クロップド丈のテーパードパンツをはじめとしたボトムスなど。コレクションの中ではそこに新ラインが加わり、それぞれのルックがより個性的なものとなって提案されている。
2017年01月29日ケンゾー(KENZO)の2017-18年秋冬コレクションが2017年1月22日(日)にフランス・パリで発表された。今シーズンのパリファッションウィークの最後を飾るケンゾーのショーは盛大に行われた。ブランド初のメンズ・ウィメンズ合同ショーでもあり、観客の期待は一層高まる。それを助長するのは、ランウェイのバックステージが真ん中に配置されたダイナミックな会場構成だ。いつもなら見えないはずのモデルたちの着替えまでがステージの真ん中で行われている。まずはメンズからのスタート。近未来的なスーツルックがブルーやイエローといった原色で表現されていく。合わせたニットは淡いグラデーション。鮮やかなカラーパレットが続々と提案される。対照的に奇抜なアニマル柄も登場している。ニットなどとはテクスチャーの全く異なるメッシュ素材にのせたトラ柄は、ミリタリーパンツとレイヤードさせて組み合わせた。そこに加わる幾何学模様は徐々に規則性を為しはじめ、私たちになじみ深いアーガイル柄へと変貌を遂げる。これが今シーズンのキーテキスタイルと言えるだろう。そこから派生するようにチェック柄が提案されているのだが、マウンテンパーカーの中にダウンを着たステレオタイプを崩壊させるスタイリングによって、トラッドな模様がおのずと近未来的な柄に見えてくる。そして、ウィメンズも同様のエッセンスが注入されている。序盤からチェック柄は昇華され、紐を編み込んだ立体的かつ躍動的なものとなって現れている。トラッドなチェックをフューチャリスティックな柄に見せる手法、ボリュームのあるダウンをインナーとして採用する発想が冴えわたっていた。紐のディテールは、チェック柄以外にも今シーズンのアイコニックなデザインとして採用されている。タイトスカートのスリットから舞い踊るように短冊状のファブリックが靡いていたのが印象的だ。異質的なレイヤードを繰り返す中でも、ウエストのドローコードやベルトによって女性らしいシルエットは維持されている。中にはコルセットのような太いベルトで滑らかな体のラインを強調しているルックも見受けられた。それとは逆に、袖をデフォルメしたコートで女性の力強さを示唆するスタイルも提案されいてる。
2017年01月26日