Alteraは11月17日(現地時間)、IBMのCoherent Accelerator Processor Interface(CAPI)を使って、POWER 8 CPUにFPGAをコヒーレント接続したFPGAベースのアクセラレーションプラットフォームを発表した。AlteraとIBMは、OpenPOWER Foundationを通じて協力し、POWER 8システムに卓越した性能および効率をもたらす、柔軟なヘテロジニアスコンピュータソリューションを開発している。FPGAによって、高速化されたPOWER 8システムは、データ圧縮、暗号化、画像処理、および検索などの次世代ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)およびデータセンターアプリケーションで必要とされる、多くの演算および処理が求められる作業に対応できるよう最適化されている。さらに、CAPIを使ってFPGAアクセラレータをPOWER 8プロセッサのファブリックおよびメインシステムメモリにコヒーレント接続させたことにより、FPGAは単にPOWER 8プロセッサの新たなコアとして認識される。これにより、ソフトウェアコードの行数が減り、従来のIOに接続されたアクセラレータと比べて、プロセッササイクルが低減したことで、開発期間を短縮することが可能になる。また、1つのFPGAで高速化されたPOWER 8サーバは、業界最高水準の効率で動作することが可能であるため、データセンターの面積を半分に縮小することができるという。なお、Altera SDK for OpenCLは、カスタムFPGAベースのアクセラレータを開発し、市場投入期間、消費電力、および性能面での優位性を得るために必要なリソースを提供する。この他、リリースされたOpenCL 2.0仕様は、プログラマがCAPIを使ってホストおよびアクセラレータでメモリを共有できる仮想メモリ機能に対応している
2014年11月19日日立製作所は10月22日、UNIXサーバであるエンタープライズサーバ「EP8000 シリーズ」のハイエンドならびにミッドレンジサーバに、最新のPOWER8プロセッサを搭載した新モデルを追加し、10月24日から販売すると発表した。「EP8000シリーズ」は、オペレーティングシステムに最新のAIX V7.1をサポートしたUNIXサーバで、金融機関や製造業をはじめとする企業の基幹業務システムや、電力、交通などの社会インフラ向けシステムにおいて、多くの稼働実績があるという。今回販売を開始するのは、最新のPOWER8(4.35GHz)を最大64wayまで搭載可能なハイエンドサーバ「EP8000 E880」と、POWER8(4.02GHz)を最大64wayまで搭載可能なミッドレンジサーバ「EP8000 E870」。POWER7+プロセッサを搭載した従来モデルと比較では、トランザクション処理性能をそれぞれ最大約1.8倍に向上。また、メモリは従来モデル比で2倍となる最大8,192GBまで搭載可能。さらに、I/O帯域幅を従来モデル比で約3.2倍にまで高めている。「EP8000シリーズ」の特長であるCUoD(Capacity Upgrade on Demand)機能を利用して、訂正可能なメモリエラーが閾値(しきいち)を超えた場合、予備メモリの領域に動的にメモリ交替を行う機能を今回新たにサポートし、メモリ障害によるサーバダウンを未然に回避することが可能だという。また、サーバリソースを監視するサービスプロセッサと、サーバ内の処理時間の同期確保に重要なクロックモジュールについて、従来、複数筐体構成で冗長化していたものから、最小構成を含む全てのシステム構成で冗長化を図り、信頼性を高めている。さらに、電源モジュールは4台を標準搭載して2台+2台の冗長構成を可能としている。価格(税別)は、「EP8000 E880」が7,488万7,100円~、「EP8000 E870」が4,087万7,900円~で、いずれも2015年1月30日の出荷開始を予定している。
2014年10月22日米IBMは現地時間の10月3日、x86サーバよりも約20%優れた価格性能比を持つPOWERサーバ「Power S824L」を発表した。新サーバは、大量の構造化/非構造化データを超高速処理するために設計、開発されたプロセッサー「POWER8」を搭載。さらに、IBMの技術と2013年末に法人化したOpenPOWER FoundationメンバーであるNVIDIAの「GPUアクセラレーター」を組み合わせることで、金融機関のより正確なリスク分析や、エネルギー企業のより的確な石油埋蔵量の調査、研究医のより迅速な病気治療方法の特定などを可能にする。同GPUアクセラレーターは、数百万のデータ計算を平行処理する能力を備えており、アプリケーションの処理速度を大幅に高められるように設計されている。IBM POWERアーキテクチャに基づくOpenPOWERスタックで構築されたIBM Power S824Lは、GPUアクセラレーターによる高い計算処理能力を活用することで、より高速かつ効率的に「POWER8」プロセッサーで大量データを処理できるという。IBMでは、「IBM Power Systems」上で稼動する分析エンジン“BLUアクセラレーション”を搭載する「IBM DB2」などの関連アプリケーションも、GPUアクセラレーターを活用できるよう進めている。加えて、SOAP3、NAMD、GROMACS、FFTWライブラリ、Quantum Espressoなど、GPUアクセラレーターを活用している生命情報科学、防衛、金融、分子力学、気象モデル作成などの広範な分野で使用されるアプリケーション「IBM Power Systems」への対応にも取り組んでいるという。なおIBM Power Systemsは今後、NVIDIA NVLinkのテクノロジーを採用予定で、PCI ExpressインタフェースでのCPUとGPU間のデータ転送が不要になるという。これによりNVIDIA GPUが「IBM POWER」プロセッサーのメモリーへ全ての帯域幅を使ってアクセスすることが可能となり、様々なアプリケーションの性能を高められる。同システムは、2016年始めに提供開始予定。
2014年10月06日