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現代はテレビがあるのがほぼ当たり前の時代であり、多くの人が毎日の生活に必要な情報をテレビを通じて受け取っています。テレビが子どもにどんな影響を与える可能性があるのかについて、少し考えてみましょう。
文部科学省によれば、平成25年度の小中学生の不登校は約12万人であり、前年度に比べると7,000人程度増加しています。さらに詳しく見ていくと、小学生の不登校は24,175人で、前年度比較で2,932人増加。中学生の場合は95,181人で、前年度比較で3,932人増加という結果になっています。このように不登校になってしまう子どもは増えてきていますが、自分の子どもが不登校に陥ってしまわないようにするためにはどんな点に注意すればいいのか、一緒に考えていきましょう。
子育て中の悩みとして筆頭に挙げられるものに、子どもの食についてのことがあるのではないでしょうか。食が細い、好き嫌いが激しい、食べ過ぎるなど、いろいろな悩みがあるようです。すが、一番大切なことを念頭においておけば、子どもの食についての悩みが少しは解消するはずです。子どもの食について大切にしたいこととは何か、一緒に考えていきましょう。
子どもが2歳にさしかかったころ、何に対しても「イヤ!」と駄々をこね、言うことを聞かなくなるようになります。これは「魔の2歳児」とか「第1次反抗期」などと呼ばれる現象で、たいていの子どもが示すものです。「反抗期」というと何か悪いことのように捉えがちですが、実際にはこれは子どもにとっては大事な成長のプロセスです。この第1次反抗期をはじめ、反抗的になった子どもにどう接していけばいいかについて見ていきましょう。
子どものために手間暇をかけていろいろと世話を焼くことこそが親の役割で、子どもに愛情を示す方法だ、というような考え方をしている親は結構たくさんいます。しかしこれはある意味では間違った考え方で、そのようにしていると子どもの自立心の芽を摘んでしまうことになりかねません。子どもの自立心を育んでいくためにはどうすればいいのかについて見ていきましょう。
叱ることには意味がある(子どもを叱ったら実行するまで見届けよう・前編) の続きです。 有効性の低い叱り方を続けていると、子どもは親の注意や言うことを聞かなくなってしまう、ということを前編でお話ししました。 では、子どもに聞き流されない叱り方とは、一体どんなものなのでしょうか。 実行させないと叱った意味がない 大事なのは、子どもを叱った時には「その場で」まちがいなくやらせることです。状況をきちんと見て取った上で必要なことを注意したのであれば、子どもの口答えに筋が通っていようがいまいが、後回しにすることを許してはいけません。 ところが、注意を口にするだけではなく実際に実行までさせる、という親は意外に少ないのが現実のようです。特に、子どもが勉強を理由に持ち出して口答えをした時には、その傾向が高くなるようです。 また、子どもが男の子の場合には部屋の片付けなどについてはあきらめてしまっている親も多いようで、たびたび部屋を片付けるよう注意はするものの、片付けを放っておいても特に対処しない親は多くいます。 このようなかたちで、 注意だけしてそのままにするということを続けていると、子どもはだんだんと親の注意を聞き流すようになっていきます。つまり、親はいちいち小うるさいことを言うけれども、適当な言い訳をして流しておけばそのうち忘れる、などと考えるようになる のです。 そうならないようにするには、常日頃から「親に注意されたらその場でしっかりやらないと許されない」というかたちで叱る必要があります。 親は「今すぐやる必要のあることだけ」を注意するよう気をつける そんな叱り方をすると、子どもをガチガチに縛ってしまいそうで嫌だ、と感じる人もいるかもしれません。仮にそう感じるのであれば、常日頃、今すぐやらなくても大丈夫なことまでいろいろ叱りつけすぎていないかを自問してみてください。 子どもに何かを注意する際には、 言ったことは必ず実行させるという意識をきちんと持つことも大事ですが、もう一方で今すぐやる必要のないことまでくどくど言わないようにするという自制も大事 になってきます。 付け加えれば、子どもが混乱するほどたくさんのことを一気に注意することもよくありません。「手洗いとうがいはしたの? あ、靴はきちんと揃えたかしら? 手を洗う前にカバンをちゃんと片付けなさい。それから連絡のプリントがあるなら出すのよ。宿題もちゃんとやりなさい」などと、次から次へとお小言をぶつけていないでしょうか。そんなことをされても、子どもはてんてこ舞いしてしまうだけです。 言うべきことに優先順位を付け、今この瞬間には何を言うべきなのかを判断するのは、親の側の仕事です。その上で、親が口にした注意は必ずその場でやらせること。そうすれば、子どもは親の言葉をちゃんと実行するように育ってくれます。 (子育ての達人)
2015年11月24日おそらく、ほとんどの母親は「なるべくならば子どもを叱らずに優しく接していたい」と考えていると思います。しかし実際にはそうはいかず、ふと気がつくと一日中子どもに小言を言っていた、というような経験のある人も多いのではないでしょうか。 子どもを上手に叱り、注意にしっかりと耳を傾けてもらうために大事なポイントについて見ていきましょう。 なぜ叱る? 叱ることは親心 子どもがなかなかベッドから出ないと言っては「早く起きなさい」と叱り、やっと起きてくると「朝ご飯を食べなさい」「顔を洗いなさい」「遅刻するから早く支度しなさい」…といった感じでずっと叱り続け、子どもが学校に出かける頃にはすっかり疲れ切って、しばらくぐったりして何も手につかない、という人もいるかもしれません。 そして、子どもが学校から帰ってくると、 「遊んでばかりいないで宿題しなさい」 「予習復習をちゃんとやりなさい」 「塾や習い事に行きなさい」 「夕食を早く食べてしまいなさい」 「お風呂に入りなさい」 「夜更かしはやめてさっさと寝なさい」 ……。毎日こんな感じで叱ってばかり、などという声が聞こえてきそうです。 さて、ではどうして親は子どもに小言を言うのでしょうか。それは、子どもがちゃんと育ち、しっかりした大人になって欲しいからではないでしょうか。間違ったことをした時に、ちゃんとそれを理解した上できちんと反省し、同じことをもうしないようにしてほしいと思うからこそ、叱るのだと思います。 逆に言えば、たとえばフラストレーションがたまっているだとか、人目が悪いだとか、親個人の都合と合わないだとかいったような理由で子どもを叱りつけるのは、良くない叱り方ということになります。 こんな叱り方は有効性が低い 親の側は子どもがきちんとした大人になるようにと思って叱っていたとしても、それが子どもに伝わらないのでは無意味になってしまいますし、またそうした叱り方は有効性が低くなります。 有効性の低い叱り方とは、どんなやり方かというと、「口先だけ」の叱り方です。 具体的な例で見てみましょう。 子どもが学校から帰宅しました。この時に「ちゃんと手を洗ってうがいもしなさい」と、子どもに注意したとしましょう。それに対して子どもが、「友だちのところに遊びに行きたいから、急いで宿題終わらせなきゃ」と返したとします。それに対して、それなら仕方ないかなと注意をやめてしまってはいないでしょうか。 または、子どもの部屋が散らかっているのを見て、「部屋はきれいにしときなさいって言っているでしょ!」と叱ったとします。それに対して子どもが「今時間がないから後でやっとくよ」と言ったとして、そのまま「じゃあ、ちゃんとやっときなさい!」と言って、その場を終わりにはしていないでしょうか。 なるべくなら叱ってばかりいたくない、と思いがちな親としては、こういう事例のように子どもが一見筋の通った口答えをした時に注意を引っ込めたり、宙ぶらりんなままにしてしまったりすることがよくあります。言うべきことはきちんと言ったから、という意識もあるからでしょう。 しかしながら、こういうことを続けていると、子どもは親の注意や言うことを聞かなくなってしまいます。 では、子どもの心に届くように叱るには、どうすればよいのでしょう? それは 後編 でお話しします。 (子育ての達人)
2015年11月23日親の愛情は、子どもにきちんと伝わっているか? 突然ですが、子どもにきちんと愛情を伝えられているかどうかを、一度見直してみたほうがよいかもしれません。 「子どもを愛していますか?」と聞かれれば、まともな親であれば「当然でしょう」と答えを返すことでしょう。そして、得てして親というものは、自分の子どもには愛情がきちんと伝わっているはずだ、と思い込むものです。しかしながら、中学生を対象にした調査によると、「自分が親から愛されていない」と感じている子どもが相当数いることがわかっています。 子どもが親の愛情を実感できていなければ、親がよかれと思ってした「しつけ」も効果を発揮せずに終わってしまいます。子どもの「自立したい」という考えは、親の愛情を基盤に芽生えていくものですから、この点は非常に重要だと言えます。 子どもが小さいうちは親に甘えたいものです。しかし、注意したいのは、子どもが甘えてきた際には十分にそれを与えてやる必要がありますが、それは子どもを「甘やかす」こととは別物だということです。子どもを「甘えさせること」と「甘やかすこと」の区別がついていない親は、実はかなり見受けられます。 親に甘やかされた場合でも、子どもは親に愛情をかけられているとは感じないことが多いのです。しかし、子どもを甘やかしている親は、得てして愛情をたっぷりかけていると勘違いしているものです。子どもの認識と親の認識にずれが生じているわけで、これが双方の間に不信感が生まれる源になるのです。 「甘やかす」と「甘えさせる」の違い たとえば、子どもが親とのスキンシップを求めて近寄ってきた時や、何か親に話をしたくて近寄ってきた時、「ちょっと手が離せないからあっちに行っててね」とか「お利口さんにしててね。そしたら後で、ほしかったおもちゃを買ってあげるからね」といった具合で追い払ったりはしていないでしょうか。もしそうしているのなら、それは「甘えさせる」ではなく「甘やかす」でしかありません。 子どもは親とのスキンシップを求め、そのぬくもりをほしがってきているのですから、ほんとうに「甘えさせる」には抱っこをして、しっかりとその気持ちを受け止めてあげることが必要なのです。 子どもが話を聞いて欲しいと思っているようなら、どんなにくだらない話でも、叱ったり批判したりしないで、まずは子どもの話をきちんと聞いてあげることが必要です。そうする代わりに物を与えるようなことはしてはいけません。そして、抱きしめたり、ふれあったりして甘えさせるという行為には、してもしすぎるということはないと覚えておくべきでしょう。 このように、子どもを「甘やかす」というのは、子どもが親に甘えたい時にそうさせず、受け入れないことによって起きるものです。そして、親とのふれあいを求めている子どもにも物を与えてしまうと、子どもは自分が本当は親と存分にスキンシップがしたかったのだ、ということに気づけなくなってしまいます。 容易に物を与えることが、別の問題を招くことも 人間というのは、物によって心を満たすことが、なかなかできない存在です。最初はちょっとした物でも大丈夫だったとしても、次第にもっともっと欲しがるようになっていきます。そして、それがエスカレートするとしまいには、家庭内暴力に走ってしまったり、何かを万引きしたりするようなことにつながってしまうケースもあります。 また、親との精神的なふれあいを求めていた子どもに代わりに物を与えていると、子どもはわがままに育ってしまいます。子どもにしてみれば、いくつ物をもらったところで、本当に欲しかった親のぬくもりを得ることはできません。 物をいくつあげたところで親の愛情は子どもには伝わりません。毎日忙しくてなかなか子どもに構ってやれないという場合には、ぜひ注意したいところです。 子どもは親との精神的なふれあいを望んでいる 子どもは何より、親とのスキンシップや精神的なふれあいを望んでいます。そういう点からしても、子どもが良くないことをしたり、約束を破ったりした時には、本気で叱り、本気で教え諭して欲しいと思います。 また、子どもが甘えてきた時にはきちんと受け止めてあげること。抱きしめ、話に耳を傾け、子どもの心に寄り添って共感を示して欲しいところです。 そのようにして毎日を過ごすことができた子どもは、自分が親から確かに愛されていると全身で感じ取ることができます。そういう状態であれば、間違ったことをした時に叱ったとしても、素直に聞き入れてくれます。 子どものあるがままを受け容れ、子どものあり方を認めて褒めること。そして間違いがあったら心からしっかりと叱ってあげること。それが真の愛情を持った接し方だと言えるでしょう。 (子育ての達人)
2015年11月21日子どもの反抗心には、2つの種類がある 反抗期などに子どもが親に示す反抗的言動には、実は2つの種類があります。ひとつは「自立したい」という心からくるもの。もうひとつは、自立したい云々とはまったく関係なく、単純にわがままな思いから出てきているものです。 自立心とは関係のない反抗=わがままを子どもが示したときには、まずもって親が子どもに本気になって相対するということが、大切です。わがままによる反抗は許さない、パパもママも本気だぞ、ということを、子どもにはっきりとわからせる必要があります。 こうした点について、幼い頃に子どもに対してきちんと相対しておかないと、子どもは何歳になっても自立できなくなってしまいます。 そもそも、こういった自立心とは関係のない反抗というのは、それまで子どもがわがままを言っても、親が見逃してきたからこそ発生するものなのです。思い当たる節がある方は、今まで子どもを甘やかし放題で育ててきていなかったかを振り返ってみてください。 たとえば、子どもがおもちゃをしつこくねだってきた場合、「買わないとしつこいから」という安易な理由で、「値段も安いし、まぁ、いいか」と買ってあげてはいなかったでしょうか。そんなふうにして、子どもが欲しいといったものを言いなりになって与えていると、その子どもは何かを「我慢する」という考え方ができない子どもになってしまいがちです。 何かをしたいと思った時、本来ならばそれを我慢して、やるべきことをやらねばならないような場面であっても自分のしたいと思う気持ちを制御することができなくなってしまうのです。 何かをしたい、何かが欲しいという衝動を我慢するというのは、幼い頃から、日々の生活の中で実際に我慢をした経験がないと身につきません。しつけというのは、子どもを罰するということではなく、このような「我慢の経験を通して、感情のままに行動したり、衝動的に行動したりしないように教えていく」ということなのです。 「体罰はしつけではない」と言われる理由 とはいえ、厳しく子どもをしつける必要があるからといって体罰を使うのは良くないことです。しつけと称した体罰を日常的に受けて大きくなると、その子どもは「自分の意志を相手に通すには、暴力を使うと効果的」という間違ったメッセージを受け取ってしまいます。 このため、しつけをしていて叱りつけた時に、子どもが言うことを聞きそうにない場合であっても、決して手を上げずに、落ち着いて言って聞かせるようにするべきです。そのようにするには親の側の根気や我慢も必要になりますが、本当の意味で自立した人間に育てたければ、避けては通れない対応だと言えます。 子どもの自立心を育てるためには、体罰のほかにもしないほうがいいことがあります。たとえば、子どもに対して何かをさせようとする時に、命令形の言い方(「○○しなさい」「○○しちゃだめ」)を頻繁にするのはよくありません。こうした強い言い方でばかり行動を指示されていると、子どもは自分で何かを考えたり判断したりすることができなくなってしまう傾向があります。 当然ながら、最初のうちはある程度は仕方ない部分もあります。子どもの判断力では、一から十まで任せきりにするのが心配なのは当然です。それでも命令のような言い方ではなく、子どもと話しながら、共同でどうしたら良いかを考えていくのが理想的なあり方です。 また、子どものものの考え方は系統立っていなかったり、自己中心的であったり、幼稚で荒唐無稽だったりするかもしれません。だからといって、子どもが考えたことを完全に否定するような言動をしたり、馬鹿にしたりしてはいけません。 子どもの考えた結果に問題があるのであれば、どうしてそんなふうに考えが進んでしまったのかということを、子どもと一緒になって話し合い、また、そうした考え方の何が問題なのかということをじっくりと話してあげることが大事なのです。 (子育ての達人) 次回は最終回、子どもをわがままに育てないための押さえるべきポイントを紹介します。
2015年11月20日子どものわがままを注意したり、禁じたりするのが「しつけ」 近頃、子どもが感情的になって駄々をこねている時に、「何か言うとよけい悪化するから」ということで子どもの言いなりになってしまう親が多いといわれます。 子どもが自立心を出して何かを自分1人でやりたいと言い始めた時にそれを認めてやらせてみるのとは違い、こういうかたちで子どものやりたいままに行動させるのは、あまり良い結果をもたらしません。 こうした経験をたくさんした子どもは次第にわがまま放題になり、最終的には自己中心的な厄介な人物に育ってしまう傾向があります。 子どもがある程度言葉を使えるようになってきたのであれば、子どもがわがままを言い始めた時や、感情を爆発させて騒ぎ始めたような時には、きちんとわかりやすい言い方で言葉を使った注意をしたり、そういう行いを禁じたりする必要があります。これこそがいわゆる「しつけ」なのです。 場合によっては、親に何か言われると、余計に騒ぎ立てたり、より感情的になったり、果ては泣き出してしまったりするかもしれません。しかし、いったん何かについて注意したり、禁止したりしたのであれば、「いま時間がないから」「面倒だから」といった理由で、親のほうが折れてはいけません。それではしつけにならないからです。 ここで注意したいのは、子どもの言うことをまったく取り合わなかったり、何かあるたびに口うるさくお小言ばかり言ったりしないようにしなければならないということです。そんなことになれば、子どものほうもストレスをため込む結果になってしまいます。 子どもがやって良いことと、やっては駄目なことを明確に分け、その基準に従って、しっかりとしつけをすることが大切なのです。こんなことをするのは、「何でもかんでも自分のしたいようにはできないものなのだ」ということを、子どもに身をもってわからせるためでもあります。 「ここだけは自由にやってもいい」という、きまりを作る 別の作戦として、ここだけは自由にやってもいい、というものを1つ作る、という手もあります。たとえば、子どもにおもちゃを買ってあげるのは誕生日などの何か特別な時だけ、という家庭内のきまりごとを作ったとしましょう。その上で、「ただし、本だけはいつでも欲しい時に買ってあげる」という例外規定を作るのです。 こうすれば、子どもがお出かけ先でおもちゃを欲しがっても、「特別の日じゃないと、おもちゃは買えないって約束でしょ」と拒否できる一方、子どもをたくさん本に触れさせることができるようになります。 このように、例外規定に子どもの発達のために役立つことをうまく仕込んでおくのは、おすすめのやり方です。各家庭の事情に合わせて、何か考えてみてください。 (子育ての達人) 次回は、子どもの自立心とわがままの違いについて解説します。
2015年11月19日子どもと同じレベルで対応したら、大人の負け 反抗期に入った子どもに「イヤ!」「自分でやる!」を連発された時、忙しいとどうしてもイラッときてしまいがちです。しかし、ここで感情的になって、子どもと同じレベルで怒鳴りあったのでは、ますます反抗が長引いてしまいます。 ここは、自分の子どもが「思いや感情を周りに言葉で伝え始めるほど成長したんだ」といった捉え方をして、少しおおらかに対応するように心がけたほうがよいでしょう。 たとえば「お風呂に入る?」と聞いたところ、「イヤ!」と返されたとします。このまま入らなかったらどうしようと思うと、焦って叱りつけてしまいそうですが、実際のところ、1回ぐらいお風呂に入らなかったからといって、どうということはありません。「そう言うなら1回ぐらいお風呂抜きでもいいか」というように、一歩引いて考えてみることです。 また、別に子どもはお風呂に入りたくなくて「イヤ!」と言っているわけではないので、「○○ちゃんは入らないんだよね?」と逆のことを言うと、「やっぱり入る!」などと手のひらを返したりします。 それでも「入らないもん!」などと言うようであれば、「ふ~ん。お風呂はすっごく楽しいんだけどな~。お母さん、もう入っちゃうよ?」と言いながら、お風呂に入る素振りをすればいいのです。 はじめのうちこそ「入らない!」などと言っていても、実際にお母さんがお風呂の用意をし始めれば、そのうちに「楽しいの?」などと尋ねてきたりします。そこを捉えて、「~ちゃんといっしょに入れれば、もっと楽しいんだけどな~」などと誘えば、ほとんどの場合、お風呂に入ろうとします。 大切なのは、「イヤ!」と返された時に叱りつけないことです。子どもと同じレベルで対応したらこちらの負けだ、と考えるようにしましょう。 同様に、「イヤ!」の後で感情的になって怒り出してしまったり、泣き出してしまったりするような場合にも、周囲の大人まで感情的にならないようにすることが大切です。叱りつけたりせずに、何か別のことに気持ちを向けさせるような工夫をすれば、そのうちに収まります。 「だいっきらい!」と言われても、成長を喜ぼう ここで注意したいのは、子どもが感情的になって、「お母さんなんかだいっきらい!」などと口走った時です。「そんなこと言う子はうちの子じゃありません!」などと言い返すような場面も時折目にしますが、これは一番やってはいけないことです。大人にとっては些細な売り言葉に買い言葉かもしれませんが、子どもはこうした言葉を真に受けて真剣にとらえてしまうからです。 子どもにこういうことを言われて感情的になってしまうのは、親の側も子どもと同レベルで相手をしているからに、ほかなりません。子どもに「お母さんなんかだいっきらい!」と言われたら、「もう『嫌い』なんて言えるぐらい成長したんだなあ」と、逆に喜ぶぐらいでいいのです。それが大人というものです。 基本的に、これぐらいの年齢の子どもがお母さんを嫌うなんてことはまずありません。これぐらいの子どもにとってお母さんは世界で一番好きで大事な人です。それでも「嫌い」と言うのは、お母さんがどう反応するか見たいだけだったり、「嫌い」という概念や言葉を理解したので、それをただ使ってみたかったりというだけのことなのです。 子どもの「嫌い」に惑わされず、逆に「お母さんはあなたが大好きよ」と言えるぐらいの余裕を持ってください。子どもがそうしたお母さんの態度に安心すれば、反抗期も短く終わるものなのです。 (子育ての達人) 次回は、子どもをわがまま放題にさせないための方法について解説します。
2015年11月18日意欲があるならやらせてみるほうが、反抗心は収まっていく 2、3歳ぐらいから始まる第1次反抗期は、半年から1年程度続いた後、だんだんとおさまってきます。4歳ぐらいになってくると、子どもは自分の考えたことや感じていることを、きちんと言葉を使って、他人に伝えることができるようになってきます。 また、運動をしたり手足を使ったりする能力も向上し、手足を使って思った通りの動きをすることが、どんどんうまくなります。このため、服のボタンかけや食事といった細かい作業をさせても1人で問題なくこなすことができるようになります。 こうなれば、単なる「イヤ!」というかたちではなく、意思表示をしっかり行い、いろいろなことを子どもに1人でやらせてもさほど問題ではなくなってきます。子どものほうも、うまくいかなくてイライラするということも減ってきて、いわゆる「反抗」は収まっていくのです。 このように、子どもは反抗期を通して精神的に親から自立し、母子分離を始めます。そういった意味で、反抗期は子どもの成長に欠かせない過程であると言えるでしょう。 ですから、反抗期をうまく乗り切ることができれば、それ以降の親と子どもの間の関係がよいものとなりますし、子どもが思春期・青年期と成長して自立を深めていくという点から見ても、非常に大切な時期になってくるわけです。 子どもの自立心を摘み取らないよう、工夫しよう 子どもは3歳ぐらいになると、「何かを自分でやりたい」という意欲を持つようになってきます。しかし、意欲はあっても常識やルールというものがよくわかっていませんので、自分の心が命ずるままに行動すると、家庭内の決まりごとや社会常識といったものから逸脱してしまうことがあります。 規範から外れがちであるとはいえ、子どものやろうとする行動は、すなわちその意欲の表れでもあります。ですから、この時期に子どものやることや、「やりたい」という意見をむやみに抑圧してしまうことはよくありません。 そうなると、子どもは自分の思いを通したくて怒ったり泣いたり暴れたりします。そして、長期間そのように抑圧された場合、子どもは個性をうまく伸ばせなくなってしまい、将来的にトラブルに見舞われる可能性も出てきます。 よって、子どもが何かを「自分でやる!」と言い出したときには、なるべく思い通りにさせてあげましょう。たとえば、1人でパジャマを着ると言い出し、ボタンかけに時間がかかりそうだと思うのであれば、ボタンの数が少ないパジャマを用意した上でさせてみればいいのです。 間違ってボタンをはめたのを全部直したりするのは面倒だと思うからこそ、子どもがパジャマを着ようとするとつい手を出してしまうわけですから、逆に間違いようがないぐらいの状態に準備をしてしまえば良いということです。 あまり周囲からあれこれ言い過ぎると、自主的に何かをすることが嫌いになってしまいかねません。子どもの自立心を摘み取ってしまわないように、いろいろと工夫をしてあげることも親の役割ではないでしょうか。 (子育ての達人) 次回は、子どもが「おかあさんなんてきらい!」と言い出した時の対応についてです。
2015年11月17日子どもの「やりたい!」気持ちを見守ろう 子どもが第1次反抗期にさしかかった場合、子どもがやりたがっていることはできるだけ自分でやらせるようにしてみてください。ぐずぐずしているので苛立つかもしれませんが、そこはぐっとこらえて、子どもがやり遂げるのを見守ってください。 また、親は直接的な手助けをせずに側面支援に回るとよいでしょう。たとえば、「ボタンをかける」という動作はかなり難しい作業です。そのため、最初のうちはやってのけたいという思いがあるのになかなかうまくいかず、子どもはかなりイライラするかと思います。 親ができることは、子どもの代わりに手を出すのではなく、そもそもボタンかけのしやすいような服やパジャマを準備することです。見た目がどんなにかわいいものであっても、ボタンホールが背中にあるような服や、細かいボタンが数多くついているような服はやめたほうが無難です。 また、うまくできずにイライラしてカンシャクを爆発させそうになったら、そこでちょっとだけ手助けしてあげる、という手もあります。この時、親がやるのは「ちょっとだけ」にして、あくまで主導権は子どもにあるようにするのがコツです。 大切なのは、子どもがいらついてきたタイミングで手を貸すことです。子どもの様子をきちんと観察できていれば、難なくわかることでしょう。 子どもが満足感を得られれば、感情の爆発は減っていく 子どもが自分1人で全部やり遂げた時も、親がちょっとだけ手助けをした時も、いずれにしてもできたところで、手放しで褒めてあげるようにします。 反抗期で「イヤ!」「キライ!」ばかり言ってはいても、この年齢の子どもは、親に褒められるとうれしいものです。何かを自分1人でやり遂げたという充足感を得るとともに、「ほかにも何かやってみよう」という意欲にもつながっていきます。 それから、子どもがやり遂げて得意そうな顔をしている時は、できばえが少々微妙であっても、それを指摘しないことも大事です(そして褒めるのです)。 もしかするとボタンをかけ違っているかもしれませんが、そこですぐに直してしまうと、感じていた充足感が傷ついてしまいます。そうなると、子どもは落ち込んだり、不機嫌になったり、怒り出したり、果ては泣き出してしまうかもしれません。どうしても直したいと思うのなら、しばらく時間をあけてからそっと直してあげるようにしましょう。 このようなかたちで、「自分1人でできた!」という充足感を感じ、親に褒められて良い気分になるといったことを繰り返すうち、子どもが感情を爆発させる場面は減っていきます。 (子育ての達人) なぜ、子どもが「やりたい!」と言ったら、やらせたほうがいいのか? 次回、詳しく解説します。
2015年11月16日第1次反抗期になった子どもは「イヤ!」を連発しては親を困らせますが、子どもは別に反抗するために反抗的な言葉を発しているのではありません。 この言葉は、子どもの「自律したい(※)」という気持ちの現れなのです。もしも、子どもが「パパ、ママ、私はこんなふうにやりたいの。私のやり方でやらせて」というふうに、きちんとした言葉で意志を示してくれれば、言われたほうも「じゃあ、やってごらん」と反応を返すことができるのではないでしょうか。 ところが、第1次反抗期頃の子どもは、まだそういう表現のしかたをすることができません。そのため、口にするのは「イヤ!」や、「自分でする!」になってしまうのです。こういう表現で言われてしまうと、親にしても「反抗的」、「親の言うことに従わない」と感じてしまうわけです。 反抗期は大きく2回ある 子どもが大人になっていく過程で、そのようなかたちで親に対して「反抗」する時期というのは、大きく2回あるとされています。はじまりは2歳~4歳ぐらいの時期であり、この時期は第1次反抗期と呼ばれます。 次は12歳~14歳ぐらいの時期で、この時期は第2次反抗期と呼ばれています。第1次反抗期の子どもの反抗心は「自律(※)」したいという思いによって起きるものであり、第二次反抗期の反抗心は「自立」したいという思いから起きるものです。 (※)自律=自分で考えて(自分の意志で)行動する/自立=他者(親)からの支配・援助を受けずに存在する、行動する 「たかがボタンかけ」でも、子どもには重要なこと 第1次反抗期に入った子どもは、親がなにかお世話をしようとするとあらゆる局面で「イヤ!」を連発します。歯を磨かせようとしても「イヤ!」、服を着替えさせようとしても、「イヤ!」といった具合です。 そして、たいていの場合「自分でする!」と言い出しますが、やってみてもうまくいきません。たとえば服の着替えですが、ボタンのかけはめというのは、かなり高度な動作を要求するものです。手の動きとしても複雑な上に、顔を下に向けてもなかなかボタンホールが見づらいことも動作の難易度を上げています。 いつまでもモゾモゾとやっているのにしびれを切らして、親が脇から手伝おうなどとしようととすると、子どもはどんどん不機嫌になります。親が無理にボタンをかけてしまったりしようものならば真っ赤になって怒り出し、しまいには泣き出してしまうでしょう。 親にしてみれば「ボタンかけの何がそんなに重要なのか?」といったところでしょうが、当の本人にしてみれば、ものすごく大切なことなのです。 (子育ての達人) 子どもが「イヤ!」と言い出した時、親はどう対処するのがよいのでしょう? 次回は、親の対処法を解説します。
2015年11月15日子どもが2歳にさしかかったころ、何に対しても「イヤ!」と駄々をこね、言うことを聞かなくなるようになります。これは「魔の2歳児」とか「第1次反抗期」などと呼ばれる現象で、たいていの子どもが示すものです。「反抗期」というと何か悪いことのように捉えがちですが、実際にはこれは子どもにとっては大事な成長のプロセスです。この第1次反抗期をはじめ、反抗的になった子どもにどう接していけばよいかについて見ていきましょう。 「魔の2歳児」がやってくる 子どもは2歳から3歳ぐらいの時期になると、それまで素直に言うことに従っていたのとは打って変わって、親が言うことに対していちいち反抗するようになります。この時期の子どもには以前よりも知恵がつき、自分のことを自分でしたいという意識、すなわち自我が表れ始めてきています。それによって、このような反抗をするようになるのです。 ただでさえ育児や家事で大変なところに駄々をこねられたら、親は疲れてしまうものです。しかし、親からすればただの反抗的態度に見えるものも、子どもにとっては成長していくために欠かせないもの。子どもの反抗を「悪いこと」「やめさせるべきこと」ととらえずに、子どもと同じ次元でやりとりしてしまわないように注意したいものです。 子どもの反抗に対して対応する際に注意したい点を3つほどあげてみましょう。 反抗期が来たことをむしろ喜ぶ 子どもが反抗するのは、覚えた言葉も増えて、知恵がついてきたからです。つまり、すくすくと成長してきた結果なのです。子どもの駄々を悪いものと捉えるのではなく、「無事にここまで成長したんだなあ」という思いを持って見るようにしてみてください。 ただし、子どものわがままの言いなりになるような対応は後に禍根(かこん)を残しますので、「子どもがもっと成長していけるように」という点を考えて対応をすることが、大切になってきます。 子どもと同じ次元で怒らない 子どもの成長をより促すための対応として大事なのは、子どもが反抗した時に、親も一緒に感情的になって怒らないように気をつけることです。それでは子どもの駄々こねと同じ次元で怒っているだけのことになってしまいます。 子どもとは違って、親は成熟した大人であるわけですから、子どもの反抗の理由や背景についても冷静に考えることができるはずです。どうして「イヤ!」なのかについてちゃんと理由を尋ね、子どもの主張にも一理あると感じたのであれば、子どもに共感を示してみせることも必要です。 守らなければならない社会のルールがあるのであれば、共感を示すのとは別に、教え諭せばいいわけです。 親子でよく考え、納得させる 子どもがわがままを言い出した時に、頭ごなしに「ダメ!」とやってしまうのではなく、どうしてそういうわがままを言うのかをきちんと聞いた上で対応するというやり方です。たとえば、子どもが店頭でドーナツを食べたがって駄々をこねた時、「とにかくダメなものはダメ!」とはせずに、何故ドーナツを欲しがるのかの理由を尋ねるようにします。 「今日は、おうちに帰ってからケーキを食べようって約束したはずだけど、今じゃないとダメなの?」であるとか、「さっきアイス食べたいって言ってたんじゃないの?」といったように、子どもにいろいろと尋ねながら、ドーナツを欲しがる理由を探っていくようにしてみてください。 ただし、注意点として、矢継ぎ早に次から次へと質問をしたり、厳しい口調で問い詰めたりしてはいけません。また、何か1つの正しい結論を出すことが目的ではないので、そこそこの答えが見えてきたところで切り上げるようにするといいでしょう。 そういったやりとりを通して、場合によって子どもの立場でものを見たり、親の気持ちを子どもに伝えたりすることが大事なのです。 (子育ての達人) 次回は、子どもの反抗期について、掘り下げていきます。
2015年11月14日子供が留守番ができないのには理由がある の続きです。 子どもが自らやろうとしたらやらせ、褒め、励ます 日本の大人に「いい子とはどんな子どもか」というアンケートを取ると、昔も今も変わらず「素直な子」「親の言いつけに従う子」といった答えが上位に上がってきます。しかし、他の人から言われるまま、唯々諾々(いいだくだく)と従うというのは、果たしていいことなのでしょうか。 いい大人になっても、「あれをしろ」「これをしなさい」と、誰かに指示命令をされないと何もできないという人が増えてきています。要するに自立心、自主性というものが育っていないわけですが、これは幼い頃から親にあれこれと世話を焼かれ、学校生活では校則や教師の指導にがんじがらめにされた結果ではないのでしょうか。そんな状態では自立しようとする気持ちも自主性も育たなくても当然です。 こうした傾向は、現在子育て中の親世代にも見られます。中には、子育ての電話相談などに何度も何度も電話をかけてくるような親もいます。「育児書にはこれこれこういうふうに書いてあるけど、うちの子はその通りにしない。うちの子は大丈夫だろうか?」といったような内容の相談が多く寄せられています。 子どもは1人ひとり違っており、育児書に書いてあるのはあくまで平均的な事柄であるという判断ができず、不安に駆られて相談をしてくるのではないかと思われます。核家族化が進み、身近に子育てについてアドバイスをもらうこともできずに不安の中で子育てをしているという事情はあるかと思いますが、そこを考慮に入れても自分で物事を判断したり決めたりする経験が圧倒的に足りないのだろうと思わざるを得ません。 概して、親が子どもに求めることといえば、「ちゃんと」「すぐに」「他の人と同じように」ものごとができるようにということでしょう。子どもにそんな行動を求めるため、何度も教えたり一定の枠の中にはめこんだりしてうまくできるように工夫するわけです。そうはいっても子どもはまだまだ考え方も幼く、身体も器用には動かせませんのでうまくいかないことも多いでしょう。 子どもが何かをうまくやれないというのは、そうした活動をした経験が乏しいからです。このため、 子どもにはとにかく経験をたくさん積ませるということが大切 になってきます。経験を積めば、最初はうまくできなかったことでもどんどんとうまくできるようになっていきます。 従って、子どもが自ら考えて自分から何かをしようとしたような時には、親はなるべくそれを邪魔しないでやらせてみるようにしましょう。そして、失敗したことを責めたりしないことが大事です。 子どもは失敗を重ねることによって成長していくのですから、 失敗しても別に構わないのだ、というとらえ方をし、自発的に何かをしようとした点をクローズアップして褒めてあげる ようにしましょう。そして次はこうすればうまくいくよと助言をし、次はうまくできるといいねと励ましてあげてください。子育てをする時には親の忍耐力も試されるのです。 (子育ての達人) 「自立心のある子どもに育てるためのポイントと手助けの仕方」特集をまとめて読む ・ その1 ・ その2 ・ その3 ・ その4 ・ その5 ・その6(最終回)
2015年10月07日過度な親の干渉が、忘れ物の多い子供を作る の続きです。 お留守番 小学生になってもまだ1人でお留守番するのを嫌がる子どももいます。それをわがままと断じてしまえばそれまでですが、子どもなりに1人でお留守番するのが嫌な理由があるはずです。そうした理由に目を向けずに、子どもに無理矢理お留守番させたりしても問題の解決にはなりません。 まずは、その子どもがなぜ1人でお留守番ができないのかをつかむことから始めましょう。もしかすると、1人でお留守番をしているときに泥棒が来るかもしれなくて怖い、と考えているのかもしれませんし、1人の時に誰かが来たらどうすればいいんだろう、と不安なのかもしれません。 そういった子どもの不安に対して、「鍵がかかってるから泥棒は入って来れないし大丈夫よ」であるとか、「誰か来ても出なくていいわよ」などと言ったところであまり意味はありません。そういう子どもは感性が鋭かったり想像力が豊かなことが多く、「そうは言っても相手が窓やドアを壊して入ってくるかもしれない」などとどんどん怖くなってしまいがちだからです。いくら口で「怖くない」と言いきかせてもあまり効果はありません。どうしたって怖いものは怖いからです。 こうやって怖がっている子どもを逆に励まして留守番させようとする親もいますが、これも逆効果です。親が期待や信頼をかけてくれているのに、怖くてどうしようもないということで、さらに自信を失ってしまい、自分はダメな子なんだと感じてしまいかねません。 では、一体どうすればよいのでしょう。こういったケースの場合、叱ったり励ましたりしないで、まずは子どもが感じている怖さに親が共感してあげることが大切になります。 子どもが感じているのは「不安や怖さ」ですから、親がそれに寄り添ってあげるのが一番なのです。「自分の思いを分かってもらえた」と感じることで、安心感を得ることができるからです。 子どもの不安や怖さに共感を示したなら、次は「どうやればお留守番ができるのか」ということを、子どもと一緒になって考えるようにします。子どもと一緒に家中を回り、入り口や窓など鍵がかかっているかを全部チェックして回ってもいいかもしれません。 その上で、「テレビやラジオを大きめの音でつけておいて、中に大人がいるんだぞということが分かるようにしたら、泥棒もはいってこないんじゃない?」といったふうに、子どもの不安を軽くできるような方法を示してみます。 子どもがある程度、怖さを克服してきたら、まずはほんの数分のお留守番からチャレンジしてもらうようにするといいでしょう。たとえば親がゴミ捨てをしに行く数分間だけお留守番をすることから始めて、それができるようになったら今度は近くのお店に買い物に行っているだけお留守番をさせ、というかたちでだんだんと慣らしていくのです。 もちろん、帰宅した後は子どもの不安を解消するために抱きしめてあげて、頑張りを褒めて感謝を示してあげるようにすることも必要です。 (子育ての達人) 「自立心のある子どもに育てるためのポイントと手助けの仕方」特集をまとめて読む ・ その1 ・ その2 ・ その3 ・ その4 ・その5 ・ その6(最終回)
2015年10月06日片付けを身につけさせたい時の手助けのポイント の続きです。 忘れ物 幼稚園に通い出したり、小学校に上がるようになると増えてくるのが忘れ物です。自分の子どもが、提出すべきプリントを忘れていたり、宿題をやるのを忘れたりすることが頻繁に起きるような場合には、子どもを叱りつける前に今までの子育てを振り返ってみてください。 忘れ物が多い子どもがどんな子育てをされてきたかを調べてみると、親に過保護に育てられていたり、親が子どものことに干渉しすぎるきらいがあったりすることが分かってきています。 親が子どもの世話をまめに見れば見るほど、子ども本人が自分で何かすることを考えたり、判断したりすることができなくなっていきます。親の言うことに従っていれば、自分が何もしなくても物事が片付き、子ども本人は何の判断もせずやり方に悩んだりすることもないからです。 あるいは、子どもが何かをしようとする時に、親がきまって脇から口出ししたり、指図したりしては来なかったでしょうか。朝から晩まで「早く~しなさい」「~しちゃいけません」などと言われつけていれば、いくら子どもであっても嫌な気分になります。細かく言われることをいちいち真剣に考えていたら身が持たないので、適当なところで聞き流すという悪い癖を身につけるようになります。 そのようなかたちで他人の話を話半分にしか聞かないような習慣が身についてしまうと、学校に上がってからも教師の話を身を入れて聞けなくなってしまい、成績が伸び悩むことにつながってしまいます。 また、忘れ物をしやすくなるような悪い癖や習慣が出来上がっていないかチェックする必要もあります。たとえば、子どもがよく忘れ物をする場合、その日に学校に持っていったものをその日中に整理整頓し、次の日に必要なものをあらかじめ準備するということができているかどうかをチェックしてみましょう。 帰宅後に、ランドセルをその辺に投げ出したまま遊びに行ってしまうような癖が付いていると、翌日の準備を忘れることも多くなりがちですし、子どもの代わりに親が時間割を揃えてあげていたら、その子どもはいくつになっても忘れ物をする子どもになってしまうでしょう。自分で揃えてランドセルに入れるのでなければ、どこに物が入っているのかも覚えることができません。 他にも、机や本棚、部屋の内部がゴチャゴチャになってはいないでしょうか。必要な物がしまわれているはずのところが整頓されていなければ、次の日必要な物を探すのにも時間がかかりますし、見落としや忘れ物も起こりやすくなってしまいます。 子どもが小学校に行くようになったら、自分に関することかたちで構いません。最初のうちはできなくてもあまり叱ったりせず、とにかく自分でやるという習慣をつけさせることが大切です。 最初から上手にできなくとも、親が手を貸してくれないということさえ理解できれば、子どもは自分で何とかしなければならないということを理解し始めます。少々時間がかかっても焦らずに、少し離れたところから見守ってあげましょう。 (子育ての達人) 「自立心のある子どもに育てるためのポイントと手助けの仕方」特集をまとめて読む ・ その1 ・ その2 ・ その3 ・その4 ・ その5 ・ その6(最終回)
2015年10月05日妊娠・出産は病気ではありませんので、健康保険が適用になりません。しかし、お母さんの身体に合併症が発生するなどの問題が起こり、検査や治療・投薬が行われたような時には健康保険が適用されます。そしてその場合、医療費が高額になってしまった場合には高額療養費の制度を利用できます。そのあたりを少し詳しく見ていきましょう。 そもそも高額療養費って何? 高額療養費制度とは、月初めから月末までの医療費が高額になった場合に、一定の自己負担額を超えた部分が払い戻してもらえるものです。健康保険法等に基づく制度で、医療機関に支払う医療費を一定額以下にとどめてくれるものとなっています。 ある人が同じ月に2つ以上の病院にかかった場合や、同じ病院で外来診療と入院治療を行ったような場合、条件さえクリアすればそれを合計して計算することができるようになっています。 どれぐらい戻ってくるの? ある月に支払った医療費のうち、自己負担限度額(その人の所得に応じて決まります)を超えた分が後で払い戻されます。 70歳未満の人の場合、医療費が高額になることが事前にわかっている場合には事前に申請を行い、「限度額適用認定証」をもらっておくというやり方もあります。 そうすれば、医療機関で支払いをする際に、かかった療養費の総額が自己負担限度額を超えていても自己負担限度額までの支払いをするだけで済むようになります。 平均的な所得がある70歳未満の人の場合を例に取ると、高額療養費の自己負担限度額は、 80,100円+(その月の医療費の総額-267,000円)×1% という形で計算で求めることができます。 例えば、ある月の医療費が総額で600,000円となったケースでは、自己負担限度額は『80,100円+(600,000円-267,000円)×1%=83,430円』となります。 健康保険の適用による自己負担額は『600,000円の3割=180,000円』となるため、従って、高額療養費として戻してもらえる額は、『180,000円-83,430円=96,570円』となります。 前述の通り、70歳未満の人の自己負担限度額は所得に応じて決まっており、詳細は以下の通りです。 ・住民税非課税の人:35,400円 ・年収約370万未満の人:57,600円 ・年収約370万円~約770万円の人:80,100円+(その月の医療費の総額-267,000円)×1% ・年収約770万円~約1160万円の人:167,400円+(その月の医療費の総額-558,000円)×1% ・年収約1160以上の人:252,600円+(その月の医療費の総額-842,000円)×1% 事前の申請をしなかった場合、普通の時と同じように医療機関で医療費の総額の3割を支払い、その後で高額療養費を申請します。申請が受理されると、およそ2ヶ月から3ヶ月後に支払金額と自己負担限度額との差額にあたる金額が戻ってくることになります。 どうやって申請するの? 高額療養費の申請手続きは、診察日を含む月の翌月1日から行うことができます。ただし、申請は2年以内に行わねばなりません。必要な書類は、高額療養費支給申請書、健康保険証、医療機関で発行してもらった領収書などとなります。 これらの書類を揃えた上で、職場の健康保険に加入している場合には健康保険組合ないし全国健康保険協会に、国民健康保険の加入者は自治体の窓口に直接または郵送で提出することになります。職場の健康保険に加入している人の場合、どこに提出すればいいのかについては職場の担当に相談するとよいでしょう。 ■メモ 高額療養費の制度の話からは少々ずれてしまいますが、医療特約のついている生命保険や医療保険を個人で契約されているということはないでしょうか。そうした契約の保険があれば、入院したことによって給付金が出たり、手術に関する補償や通院時の補償などがついている場合があります。高額な医療費が発生しそうになったときには、念のためしっかり契約内容を見直し、申請し忘れたというようなことのないようにしましょう。
2015年10月05日早寝早起きが子供の自立心を育てる の続きです。 お片付け 自分の玩具や衣服をきちんと片付ける、というのは、性格ではなくて「そういう習慣が身についているかどうか」で、できるかどうかが決まります。 幼い頃から ・使った玩具はお片付けをする ・服は脱いだらたたむ ・靴は脱いだらきちんとそろえる といったことについて、きちんとしつけられていれば、大きくなってから部屋をもらった時などに自然とお片付けをすることができるようになります。 自分の使ったものを片付けるというしつけは、幼児期に教えないともう間に合わないという性質のものではありません。小学校に入ってからでも大丈夫ですので、しっかり片付けをするというよい習慣をしつけるようにするとよいでしょう。 子どもの部屋だからといって、物を収納する空間がまったくない家はないと思います。学習机、本棚、もしかしたら子ども用の服を入れるタンスなども置いてあるかもしれません。このように、子どもに物を片付けさせるにはまず物をしまう場所を用意することが必要です。 とはいえ、あまりに細かく、あるいはあまりにたくさんの収納スペースがあっても混乱するだけです。収納とそのルールはシンプル・イズ・ベストと心得ましょう。 子どもがまだ小学校に上がっていないような幼い場合には、難しいルールを作ってもまだ無理なもの。まずは一つ大きな箱を準備し、使った物は何でもそこにしまう、というルールを作ってみましょう。ごく簡単なルールですが、それでもこの年齢の子どもにいきなり片付けをやらせようとしてもうまくいきません。まずは親が一緒になってお片付けをし、どんなふうにすればいいのかをやってみせる必要があります。 始めたばかりの頃は、子どもよりも親のほうがメインで片付けをすることになるでしょう。子どもができるのはちょっとしたお手伝い、といったところかもしれません。しかし、使った物は片付けなくちゃいけないんだ、という意識づけが大事なわけですから、最初はそれで十分です。しばらく続けているうちに、だんだんと片付けを上手にできるようになってきます。 そうすればしめたもので、小学校に上がるぐらいになるころには自分1人でほとんど片付けられるほどになるはずです。 ここで注意したいのは、「あまりしつこく片付けを要求しない」ことです。 ちょっと遊ぶたびに神経質に「片付けなさい」とやっていたのでは、子どもは片付けを嫌なことだと認識してしまいかねません。 家のスペースなどにもよるとは思いますが、最低でも1日1回、寝る前にはお片付けをする、というところから始め、慣れてきたら頻度を増やしていくようにすると良いでしょう。 幼い頃は、子どもは玩具も自分と同じく命を持っていると考えていたりするものです。それを利用すれば、寝る前のお片付けをスムースに習慣づけすることができます。「~ちゃんはおねんねの時間だから、玩具さんたちもおねんねさせましょうね」といった感じでお片付けをさせるようにするわけです。 あとは、適当でいいので「お片付けのうた」でも作って子どもといっしょに歌いつつ、用意した箱に玩具を全部入れるようにします。 真面目で几帳面な性格の親の場合少々我慢が難しいかもしれませんが、そこはぐっとこらえて「玩具はこの大きな箱に放り込めばそれでお片付け終了」というところから始めるようにしてください。 「雑然とした片付けではどうしても気になってしまう」という場合には、子どもが寝てしまってから、もう一度片付け直せば済むことです。これを子どもがまだ見ている時にやってしまうとしつけの効果がなくなってしまいますので注意してください。 また、子どもがお片付けを頑張ってお部屋が片付いた後は、きれいに片付けができたということで子どもを褒めてあげることも大切です。 子どもが小学校に行くようになれば、玩具以外にも学校で使う教科書やノートその他の道具なども毎日整理をする必要が出てきます。次の日の時間割で必要なものを揃える時に、スムーズにできるように整えておき、忘れ物がないようにするためです。そうした必要性が出てきたなら、今度は物を出したりしまったりしやすいように使いやすい収納スペースを用意する必要があります。 いずれにしても、使った物の片付けや整理をする時には、親が指示して子どもにそれをやらせるのではなく、片付け方を子どもと相談しながら進めるようなかたちを取るようにしましょう。というのも、片付け方を自分で考え、自分自身でやってみないことには、いつになっても1人で片付けができるようにはならないからです。 なるべく子ども自身に考えさせ、片付けをさせるように工夫してみてください。 (子育ての達人) 「自立心のある子どもに育てるためのポイントと手助けの仕方」特集をまとめて読む ・ その1 ・ その2 ・その3 ・ その4 ・ その5 ・ その6(最終回)
2015年10月04日自立させたければ、まずは目標を立てよう の続きです。 早寝早起き 近頃は、1歳ぐらいの幼児であっても遅くまで起きたままでいることが増えてきています。場合によっては、深夜と言えるような時間まで起きている子どももいるというから驚きです。子どもの成長という観点から見ればこれは由々しき事態と言えます。 というのも、たとえ10時間の睡眠時間を確保できたとしても、「深夜0時に就寝し、明朝10時に起きるという10時間」と、「夜8時に床に就き、明朝6時に目覚める10時間」とでは、子どもの身体に与える影響、成長に及ぼす影響が大きく違ってくるからです。そして、子どもの身体のためには早寝早起きのほうがよいため、そうした良い生活習慣を身につけられるようにしてあげたいものです。 朝、起床してから人間の頭脳がきちんと働き始めるまでには、およそ2~3時間必要であるとされています。つまり、ぎりぎりまで寝ていて、目覚めてすぐに登校したとしても、はじめの1時間目、2時間目ぐらいまでは脳がきちんと働いていない状態で授業を受けることになるのです。 それに加えて、朝起きるのが遅いせいで朝食も抜いているようだと、さらに脳が栄養不足の状態でその時間帯を過ごすことになります。これでは集中力も出ませんし、学習効果も上がりません。 このような状態にならないように、子どもが小学校に上がるぐらいになったら、自分1人で朝起きられるように頑張らせてみましょう。 とはいえ、今朝まで親が起こしてあげていたのに明日からいきなり1人で起きるように、と言ってもうまくいくはずがありません。まずは子どもとの間で「朝1人で起きられるようになる」という目標を立てましょう。その上で、子どもと一緒にどうやったらそれができるようになるかを考えます。 この時、子どもが主体となって努力することが大事になってきます。たとえば、まずは目覚まし時計を自分でセットするところからやらせてみてはどうでしょうか。小学校低学年ぐらいの子どもの場合、どうやってセットするのか親がやって見せて教えなければならないかもしれません。 目覚まし時計はアラーム音が大きく、1回止めても数分後にまた鳴り出すようなタイプのものを選ぶとよいでしょう。そうやって工夫した上で、実際に1人で起きることができた時には、子どもが成し遂げたことを絶賛してあげてください。 一旦早起きができるようになれば、早く眠るほうは割合すんなり身につきます。というのも、朝早く起きれば夜は早く眠くなるようになるからです。ここで注意したいのはお昼寝の習慣がある場合です。まだお昼寝をする必要がある小さい子どもの場合、お昼寝の取り方に一工夫しないといけません。 子どもを夜早く寝かせたい場合、お昼寝は午後の早い時間にし、しかも長時間とらせないようにすることが大切です。どれだけ早起きしたとしても、日没近い時間帯に昼寝を取ってしまったら、夜は目がさえてしまいます。また、1日4~5時間も昼寝した場合も同様です。 さらには、夜よく眠ることができるように、昼間に身体を動かすことも重要です。毎日1~2時間程度は外で遊ばせるようにしたり、散歩する時間を設けましょう。 一昔前よりはましになってきましたが、日本企業の残業偏重の就労慣行が、父親が早く帰宅することを妨げています。このため、サラリーマンの父親が家に帰るのは毎日遅くなりがちで、子どもと父親が遊ぼうとすれば夜しかない、という家庭も多いことかと思います。 最近は父親が育児に参加することをよしとする風潮があり、このこと自体はよいことなのですが、だからといって毎日夜遅くなって帰宅してから子どもとの時間を作ることまではしなくても大丈夫です。たまたま早く帰宅できた日であったり、休みの日に子どもとの時間を取れば済むことです。 最後に、夜眠る前に子どもを興奮させるようなことをするのも控えましょう。何か良くないことをしでかしたからといって、ひどく叱るのもよくありません。また、子どもが早く寝ようとしないことに親が苛立ち、それを態度に出してしまうのも避けたほうがよいでしょう。 子どもが眠る時間になったら、リラックスして床に就くことができるようにしてあげたいものです。 (子育ての達人) 「自立心のある子どもに育てるためのポイントと手助けの仕方」特集をまとめて読む ・ その1 ・その2 ・ その3 ・ その4 ・ その5 ・ その6(最終回)
2015年10月03日子どものために手間暇をかけていろいろと世話を焼くことこそが親の役割で、子どもに愛情を示す方法だ、というような考え方をしている親は結構たくさんいます。しかし、これはある意味では間違った考え方で、そのようにしていると子どもの自立心の芽を摘んでしまうことになりかねません。 子どもの自立心を育んでいくためにはどうすればいいのかについて見ていきましょう。 自立させたければまずは目標を立てることから 大人である親から見ると、子どもは危なっかしい存在に見えるものです。特に小学生以下の子どもの場合、まだ幼いためにいろいろと心配になってしまうものかと思います。そうすると、いきおい「こうしなさい」「そういうことをしてはだめ」といったように、命令口調になってしまうことが多いものです。 しかし、親が何かにとなく手を出し口を出して育ててしまうと、何かをする時には誰かに指図されないと動けない子どもであったり、誰かにいろいろと手伝ってもらわないと自分1人では何もできない子どもになってしまいかねません。 たとえば、小学校に入り、次の日の時間割に合わせて教科書やノートを準備するのは子どもの毎日の日課ですが、常に親が手伝ってしまったりすると、何かを忘れていった時に子どもがそれを自分のミスだと考えなくなってしまいます。 それが「自分のしなければならないことだ」という考え方が育たないため、忘れ物をしても親のせいにしてしまい、次は気をつけて準備するようにしよう、といった考え方に至らないのです。 子どもが死ぬまで親が面倒を見られるのであれば良いのかもしれませんが、普通、子どもより長生きできる親はいません。ですから、自分の子どもが親の手を離れて自立することができるようにしつけをすることが必要なのです。 一方で、現代は昔のように子どもの数が多かった時代とは違い、ずっと少なくなった子ども1人ひとりを大事に育てるという子育てに変わってきています。家にいる子どもの数が少ない分、親の目が1人ひとりの子どもに行き届きすぎてしまうのです。そうなると、大人よりも何事もうまくできない子どものやることを見ていると、思わず手助けしたくなってしまうというわけです。 小学校などでは、教師が次にすべきことを指示してくれるだけでなく、毎日忙しいカリキュラムをこなさねばなりません。このため子どもたちは次に何をするか、何をしたいかという考えを抱くことなく毎日の学校生活を送ることになります。従って、自分で考えられる子どもに育てたいのであれば、家の中でそうした環境を与えてやる必要があるのです。 自分の子どもに自立心を持たせたいのであれば、まずは何か目標を立てるように導きましょう。 「あることを、この日までに、1人でできるようになる」というような目標にするとよいでしょう。目標を立てさせたら、最初から「1人でできる」わけもないので、まずは子どもと親が一緒になってプランを立てます。どのようにすればその目標を成し遂げられるかを考えるのです。 この時、親が主導するのではなくて、子ども自身に考えさせるようにします。親は「どうやったらできるようになるかな?」という具合に子どもの考えを手助けし、横からヒントを出したりして子どもの自主的な思考を促すようにします。その上で、計画がスタートして子どもがだんだん上手になりはじめたなら、それに反比例して親が手を出す部分を減らすように工夫します。 「今できないことをできるようにしよう」というわけですから、最初のうちはできないのが当然です。あまり焦らず、目標の期日までにできればいいのだとゆったり構えて見守るようにしましょう。子育てについてはなんでもそうですが、親に必要なのは我慢することです。親は子どもの傍らに控えて、子どもの成長を信じてじっと我慢して見守るということが必要なのです。 どんな事柄について目標を立てたら良いのか、それぞれに親ができる手助けにはどんなものがあるのか、次の回からいくつか例示してみたいと思います。 (子育ての達人) 「自立心のある子どもに育てるためのポイントと手助けの仕方」特集をまとめて読む ・その1 ・ その2 ・ その3 ・ その4 ・ その5 ・ その6(最終回)
2015年10月02日人間は、ほかの哺乳動物ほどの体表面の毛がないため衣服を身につけていますが、肌に直接触れるという意味では、衣服は人間にとって一番近くに存在する外的環境だと言えます。そんな衣服と子どもの発達との関係について見ていきましょう。 一番身近な外的環境「衣服」の身体への影響 普段衣服を着ていてもあまり意識することはないかもしれませんが、皮膚が衣服から受ける触覚は、思っている以上に光やにおいといったものと同じく自律神経や中枢神経、体の免疫機能に影響を与えています。 幼稚園に通う児童に、柔らかい肌触りのものとかたい肌触りのものにわけて木綿の肌着を着せた実験があります。この実験では、 かたい肌着を着せられた児童はそれがストレスとなり、尿の中のコルチゾールという物質が増加 しました。コルチゾールは成長ホルモンの働きを抑える物質です。 一方、 柔らかい肌着を着せられた児童では、人間の免疫システムにおいて病原体を攻撃してくれる免疫グロブリンの増加 が見られました。体が病気とたたかう能力が上がったということができます。 かための肌着を身につけたとしても、人間の皮膚感覚は10分ほどもすると麻痺してしまい、不快に感じることもなくなります。しかし、同じ実験を大人に対して行ったところ、 たとえ不快さを感じなくなったとしても体温をコントロールする機能や中枢神経系の機能が鈍化する といった結果が見られたといいます。 こどもの体温の状態を調べることができるマネキンを使った実験では、幼い子どもはまだ体の体温調節機能が未熟であるため、気温が氷点下付近や40℃付近になるような極端な気温条件下にある場合、大人以上に注意を払う必要があることがわかっています。 このように、大人以上に子どもにとっては衣服の性能は重要であることが分かります。しかし、一方で販売されている子供服に関する快適さや機能性の科学的な研究はあまりなされていないのが現状です。 服選びは自己表現の手段 人間にとって衣服は肉体的な影響を与えるだけのものではありません。社会的な規範であったり自分を表現するための手段というような意味合いも含まれるため、衣服は人間の心理にも大きな影響を与えます。 特に子どもころは、“自分”というものを形成している時期ですので、社会的な規範や自分を表現するということに影響を与える衣服の側面は大人よりも重要である、といえるかもしれません。 衣服の選択にはその人の内面であったり心的な特徴が反映されます。そういう観点から見ると、 子どもにとっても自分の着たい服を選ぶというのは自分自身を表現する手段であり、さらには自立のためのはじめの一歩 であると言えます。 そのため、仮に親の目から見て趣味ではなかったり、多少規範から外れたような服の選び方をしたとしても、それを頭から否定してしまうのはよくありません。そういうことが続けば子どもの自尊心が傷つき、子どもの自己肯定感に深刻なダメージが及びかねないからです。 最近、小さな子どものブランド志向や流行の追求が話題になっていますが、こうした考え方が出てくるのは自然な心理だとする専門家もいます。 しかし、自分の考え方や価値観がきちんとできあがっていない段階においては、雑誌に掲載されているモデルと自分の体型を比べてしまってコンプレックスを持ってしまうといったようなマイナスの影響を受ける可能性もあります。そうなってしまうと、衣服を選ぶ際にも、自分らしさの表現という意味合いではなくそうしたコンプレックスを隠すための手段になってしまいかねません。 子どもが自分自身を好きだと思えることはかなり重要です。そのためには親や周囲の人たちがその子どもが自分自身をありのままに表現できるように、子どもの考えをきちんと認めてあげることが大事になってきます。子どもが自分を好きになることができれば、衣服を選ぶことそのものを楽しむことができるようになり、自分を表現する手段として衣服を利用することも上手になっていきます。 服を着ることは子どもの発達を促す 子どもたちがお昼寝をする時に、自分でパジャマに着替えるという取り組みを行っている保育所が増えています。 子どもたちは床に座り、上のパジャマの首を自分の膝の方に向けて床に置きます。そのまま手で首のあたりを持って背中にはおるようにすると、手を通した後に上着の表裏が違ったり上下逆さまに着てしまうことがなく上手に着ることができます。 うまくはおることはできたものの、ボタンをはめる段になってちょっと困ってしまう子もいますが、そこは保育士さんたちが上手にアドバイスをすることでなんとか自分でやり遂げます。子どもたちはパジャマが自分一人できちんと着られたといって得意そうです。 パジャマをはじめ、服の脱ぎ着というのは子どもの発達にとってものすごくプラスになります。手や指の複雑な動きを訓練するにはうってつけだからです。また自分一人でできた、という達成感は子どもたちをより意欲的にさせることができます。子どもたちが夜寝るときにも、いらいらしないで子どもにやらせてあげることには大きな意味があります。 30年ほど前、NHKで「パジャマでおじゃま」という番組が始まり、子どもたちが悩みながらパジャマを着る姿が人気を呼びました。この番組を企画したプロデューサーは、子どもにパジャマを着させることが子どもにとって知育効果があるということに気づいたといいます。 大人から見ればパジャマを着るというとなんでもないことのように思えますが、例えばパジャマのボタンを間違えずにすべてはめるという行動ではボタンとボタンの穴がそれぞれ対応するという概念が確立されていなければなりませんし、ボタンをはめる順番を理解している必要があるだけでなく、平たいパジャマを体にまとうには立体としての認知力が必要になる、といった具合です。 動物と対比し、人間が特有に行う行動としては、言葉や道具を使うといったものがありますが、この衣服を身につけるという行動もそうした本質的な行動の1つです。子どもがなかなか上手に服を着ることができないといらだつかもしれませんが、そこは自分の子どもが知的な面で成長している過程なのだといったように見方を変えて、楽しんで観察してみてはどうでしょうか。 子どもはいつ頃から自分で服を選ぶのか 子どもが自分の考えで服を選び始める時期についての調査があります。それによると、小学校の高学年になってくると子どもは自分の存在を客観視できるようになってきますが、それと共に自分の着る服を選び出しはじめるということが分かっています。 子どもがシチュエーションごとにどんな服を着るのか、その服を誰が選んでいるかを調べたところ、結婚式や葬式、入学式といったような公の場面では母親という結果が多く、より日常的な、例えば通学する時や休日に外出する時などは自分で選ぶという結果が多くなっています。 ある場面でどんな服を身につければいいかという社会的な規範については、子どもは親を通じて身につけていっています。女の子は母親の服装の好みをモデルに、男の子は父親の言動をモデルにしてそうした規範を身につけていっているようです。 (子育ての達人)
2015年10月01日赤ちゃんを寝かせるとき、特に意識せずにあおむけに寝かせる方も多いと思います。赤ちゃんのほうもそれで嫌がるようなこともなく、こうした光景はごく普通のことのように思えますが、実はこの「赤ちゃんをあおむけに寝かせる」ことが人間の知能の進歩に大きな影響を与えているのではないかという考えがあります。 どういうことなのかについて少し詳しく見ていきましょう。 あおむけ姿勢は人間に特有の現象 人間ならばごく普通の光景である、赤ちゃんのあおむけ姿勢ですが、実はこれは他の霊長類には見られない独特の特徴です。例えば一番人間に近いといわれるチンパンジーや、その他のサルについてみると、生後間もない赤ちゃんをあおむけに寝かせる種は存在しないのです。 そうした種の赤ちゃんは一人で行動できるようになるまでの間は一日中お母さんザルにしがみついたまま過ごすことが多く、お母さんザルのほうも子どもをしっかりと抱いて一日のほとんどを過ごします。 あおむけの状態に寝かせると赤ちゃんは四肢をバタバタさせて不安そうな様子を見せるのが普通なのです。 人間とそれ以外の霊長類についてその行動を比較すると、人間の赤ちゃんは生後5カ月目ぐらいであおむけの状態から左右の手で自分の足先をつかむという行動を始めます。そして7カ月目ぐらいにお座りを始め、9カ月目ぐらいからハイハイ歩きを始め、1年以上すぎてからようやくしゃがむようになります。 対して、例えば日本ザルの赤ちゃんの場合、産まれてから1週間程度で這うようになり、1カ月目ぐらいでしゃがみ、お座りをするようになるのはその後(生後4カ月目ぐらい)であるという違いがあります。 なお、人間の赤ちゃんが最初に見せるあおむけから手で自分の足先をつかむという行動は行いません。 このように、人間とサルとでは行動の発達の順番が違っています。人間はあおむけになってからお座りをするように、胴の部分で自分の体を支える姿勢になるような行動が先に出現するのに対し、サルは四肢を使って自分の体を支える姿勢になるような行動が先に出現するのです。 あおむけは知性発達の鍵 人間の赤ちゃんは5カ月目ぐらいからあおむけの状態になるため、他の霊長類よりも早い段階から2本の手を自由に使うことができるようになります。 そしてそれが、他の霊長類には見られない行動(指しゃぶりや手合わせ、そして足先をつかむという行為)をすることにつながっています。 このことは人間が他の霊長類にはない高度な知性を発達させるキーとなっており、人間の赤ちゃんは他の霊長類の赤ちゃんに比べ、物をつかんだり動かしたり積み上げたりといった、手を使って何かを取り扱うような動作が早くできるようになります。 また、人間の母親は赤ちゃんを床にあおむけに寝かせ、愛情のこもった視線で見つめたり、微笑んだり、いろいろと話しかけたりします。これは、実際には赤ちゃんを抱いていなくても心理的に抱いているというべき状態をもたらし、早い段階から赤ちゃんとの間で相互の意思疎通を行うことになります。 そして、このことは、表情や声を使った意思の伝達や言葉の学習になくてはならないことなのです。 このように、赤ちゃんをあおむけに寝かせるという独自の行為により、人間は知性を発達させるきっかけを得たと考える研究者は増えてきています。二本の足で立って行動する、という今までよく言われてきた行動よりも、あおむけに寝かせる、お座りをする、といった行動こそが人間が人間たる最初のきっかけなのかもしれません。 (子育ての達人)
2015年09月25日絶対音感という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。一般的な常識とは異なり、絶対音感は訓練で身につけることができるものです。絶対音感とそのメカニズムについて見ていきましょう。 絶対音感は小さい頃の訓練で獲得できる 絶対音感は、正確には、ある音を単独で聞いた際に、その音の高さを記憶に基づき絶対的に認識する力のことをそのように呼びます。この能力を持っている人は、ピアノの音を聞いたときにそれがドであるとかソであるとかがすぐに分かるのです。 これまで絶対音感を獲得するのは遺伝的な要因か偶然性によることが大きいと考えられてきましたが、今では訓練次第でどんな人でも獲得できるという考え方が主流になってきています。 実際、ある音楽スクールでは3歳ぐらいの子ども1万人ほどが、2年半程度の訓練を積むことによってこの絶対音感を獲得したという実績があります。 訓練を積むことによって、5歳であれば90%以上の子どもが、6歳後半ならば50%程度が絶対音感を獲得できますが、8歳を過ぎてしまうと訓練しても獲得できなくなる といいます。 絶対音感を訓練するにはピアノのように決まった音を出せる楽器を使います。バイオリンのように調弦などで音が変化してしまう楽器は向いていません。 絶対音感を身につけるための訓練では、普通の音楽スクールで行うピアノなどでの訓練の他に、数分間の音感訓練を実施します。音を聞いたときに相対的な音程(音の上下方向の高さ、トーン・ハイトという)で比べるのではなく、音名に対応する特有の響き(トーン・クロマという)を聞き分けるような癖をつけさせるのです。 絶対音感を持っていると、例えばオクターブが違う2つのソの音を聞いた場合でもそこに同じ特有の響き(トーン・クロマ)を聞き取ることができます。絶対音感を持っていなければ2つの音は音程の違う音にしか認識できません。 絶対音感に対し、音を相対的な高低(トーン・ハイト)で捉えるやり方は相対音感と呼ばれます。たいていの人がそうであるように、相対音感であって旋律を認識することはできます。しかし、絶対音感を獲得したい場合には相対音感が邪魔になってきます。 というのは、絶対音感では相対音感と違って音を1つ1つ認識することになりますから、脳の中で行われる情報処理としては相対音感よりも効率が悪いやり方だからです。このため、発育の途中の子どもが訓練するのでないと身につけることができないのです。 これを裏付ける例として、自分より上の兄姉がいるなどして知能の発育が早い子どもは絶対音感を身につけにくかったり、逆に知的障害を持っている子どもの場合は9歳でも獲得できたといった事例が知られています。 このように、まだ脳の発達がすんでおらず子どもの年齢が低い時にしか身につかないと言われる能力はいろいろとあり、その分野も言語、運動、数学的な力など多岐にわたります。そして習得の限界となる年齢のことを臨界期ないし感受性期といいます。 この臨界期に絶対音感のような能力を身につけたとしても、それがずっと身についたままとは限りません。臨界期はそうした能力を身につけることができるだけでなく無くしてしまう時期にも当たるからです。3歳から訓練を初めて絶対音感を獲得しても、途中で訓練をやめたたために絶対音感がなくなってしまったり、また訓練を再開して取り戻したりといったことも起きる時期なのです。 絶対音感のしくみとは 最近になってfMRI(磁気共鳴機能画像法)などの技術が発達してきたおかげで、絶対音感のしくみも解明が進んできています。1995年、アメリカの科学誌であるScience誌に、絶対音感を持つ音楽家の左脳が普通の人の左脳よりも大きいという内容の論文が掲載されました。 通常、音楽のように直感や感性に属する情報は感情をつかさどっている右脳で処理されます。しかし、絶対音感を獲得している人の場合は左脳で処理されているというのです。普通、左脳は論理、理性、言語をつかさどっている部分だと言われています。 平成13年に、国立精神・神経センターで絶対音感に関する調査が行われました。絶対音感の持ち主である音楽家とそうでない学生を集めてバッハの曲を聴かせ、そのあいだ脳がどのように働いているのかをfMRIを使って撮影したのです。すると、絶対音感の持ち主では、左脳にある2つの部分が学生たちよりも明らかに機能していることが判明しました。 機能していた2つの部分とは左側頭平面と左背外側前頭前野と呼ばれている部分で、それぞれ言語を処理する働きとものごとを関連づける働きを持っています。このことにより、音を耳にすると同時に音の名前が頭に浮かぶという絶対音感の音の認識を裏付けられた格好です。 また、平成11年に北海道大学で行われた実験では、絶対音感の持ち主をMEG(脳磁界計測法)とよばれるやり方で調査しました。 すると、絶対音感の持ち主が音楽を聴いている場合に活性する左脳の位置は、一般の人のそれよりもおおよそ1cmほど後ろ側にずれているということが判明しました。幼い頃からの音楽的なトレーニングを通じて左脳にある聴覚をつかさどる皮質が鍛えられて面積を増し、そのためにこうしたずれが生じたのではないかと考えられています。 こうしたことから、生まれつき人間には耳にした音に対する絶対的なものさしが備わっていて、耳にした音程をそのまま覚えて区別することができるのではないかとされています。しかし脳や知能が発達する中で相対的なものさしを磨きはじめ、もともと持っていた絶対的なものさしを使わずに音程を区別できるようになっていくのではないかと考えられています。 絶対音感の遺伝子 日本では他の国々よりもピアノ教室が多くあるためか、世界の中でも絶対音感の持ち主が多いと言われています。幼い頃からの訓練によって絶対音感を獲得している人が多いのかもしれないというわけです。 しかしこれとは逆に、遺伝的な性質によって絶対音感を獲得していると思われるような事例も存在するとされています。アメリカのカルフォルニア大学の調査によれば、音楽大学に通う学生のうち絶対音感を獲得している人では親族にも絶対音感を持っている人がいる割合が48%にのぼり、絶対音感のない学生では12%に過ぎなかったという結果が出ているのです。 また、7番染色体上の遺伝子欠失に伴って起きる疾患であるウィリアムズ症候群の患者を調べると、絶対音感の持ち主が多いという研究結果もあります。ウィリアムズ症候群の患者は手先があまり起用ではないのですが、音感に優れていることが多いというのです。 このように、絶対音感は環境や遺伝によって獲得することがあるようですが、はたしてそれを身につけることが必要なのかどうかという点も含め、音楽教育という点からも今後議論になっていきそうです。 絶対音感ははたして必要か? 絶対音感は、音楽を職業としている人の間では全体の5%程度、一般の人での間では1%程度いると言われます。また、作曲家や指揮者といった仕事をしている人の中には相当数いるようです。 絶対音感を持っていると、たとえば音楽大学の入試などで行われる聴音試験には有利になります。また、概して空間認識や数学的な能力が高い子どもも多いと言われています。日本は世界の中でも絶対音感の持ち主が多いと言われている国ですが、絶対音感を訓練しているのもまた日本ぐらいです。 音楽を音楽として鑑賞するためにはむしろ絶対音感は必要ないという意見もありますし、あまり能力が強すぎると生活の中の雑音さえ音の名前で聞き分けられてしまってうるさく感じることもあるといいます。はたして訓練してまで獲得する必要があるのかは何とも言えないところです。
2015年09月21日