元主婦マーケティング会社経営。夫婦仲、恋仲に悩む女性会員1万3千名を集め、恋人・夫婦仲相談所 運営。所長を務める。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察。恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。著作、講演、メディア取材多数。NHK離婚特集番組、セックスレス問題を考える番組等に出演。
「恋人・夫婦仲相談所」所長・三松真由美が妻の中に見出した“モンスター”の実際の事例を分類し、リアル・エピソードをべースにしたフィクション。すべての既婚女性に送る、女性のうちに秘めるモンスターの実態を解明。
読者の方からのセックスに関するお悩みをセックスレスカウンセラーで、まじめにセックスレス、ED問題に取り組む三松真由美がアドバイスします。
男女にまつわる数々のお悩みから、女性、とりわけ妻の中に“モンスター”を見出した「恋人・夫婦仲相談所」所長・三松真由美さん。その実態を明かした人気連載「モンスターワイフ」の続編「リアル・モンスターワイフ、再び」では、三松さんが実際に遭遇したモンスターワイフの身の毛もよだつリアルエピソード、そしてあなたのモンスターワイフ度を明らかにします。
数々のお悩みから、ドス黒い闇の共通点が女性にあると感じる「恋人・夫婦仲相談所」所長・三松真由美さんによる衝撃の考察。共通する闇とは? 全ての既婚女性に送る、女性のうちに秘めるモンスターの実態を解明。
「恋人・夫婦仲相談所」の所長として、さまざまな角度から夫婦仲改善のためのアドバイスをする三松さんによるシリーズ。離婚を選択したほうが幸せになれた、つまり『ポジティブな離婚』を選択した方の実例を紹介。
結婚してから、もしくは赤ちゃんが生まれてから、それまで気合を入れていた“美”への執着が日々薄れていく…。 「ビジュアル系モンスター 産後ボーボー」 に変身し、産後セックスレスに悩むことになったモンスターワイフ、美里さん(仮名)はこのタイプ。「自分もこのタイプかも?」、そう気づいている妻は、どのくらいいるでしょうか。 初めての育児は、わからないことだらけで大変です。ミルクを吐かれて服が汚れることもしばしば。それに何度も向き合うことになるオシッコくんやウンチくん。母になると、それらが少々手についても平気になってきます。 子どもが成長してくると、ママの髪の毛をクイクイ引っ張ったり、頬をなめたり、かわいいけれどおしゃれしてもなんだかムダ。夫が帰宅するのは夜遅いし、メイクフェイスを見てくれるわけでもないし、そんな気持ちになるのはごもっともです。 しかし、その油断や安心感が、毎日毎日たまっていくと、 美意識欠如 の「ビジュアル系モンスター 産後ボーボー」という モンスターが生まれる のです。 ■「ビジュアル系モンスター 産後ボーボー」度チェック ここで、あなたの「ビジュアル系モンスター 産後ボーボー」度をチェックしてみましょう。以下の質問で、〇はいくつありますか? 1. 日焼け止めクリームだけ付けて、スーパーや公園に行くことがある。 2. 伸びるジャージ素材など楽チン服を1日7時間以上着ている。 3. 外出時、赤ちゃんが泣きやまないので、かげに隠れておっぱい(母乳)を飲ませたことがある。 4. 合コンに着ていた勝負服のウエストが入らなくなって、お蔵入りになっている。 5. 夫がたまに早く帰宅すると、ねぎらいの言葉をかける前に「子どもをお風呂に入れて!」など、育児や家事をすぐに頼んでしまう。 6. 誰も見ないと思い、脇毛&アンダーヘアの処理を3カ月以上怠っている。 7. ヘアスタイルは、ゴムでくくるかバレッタで留めるだけの色気なしヘアしかなくなった。 8. 授乳用ブラジャーに慣れてしまい、断乳してからも地味な色の楽ちんブラを着用。 9. 夫とエッチしそうな夜にも、へそ上おばちゃんパンツを履いている。 10. 夫と赤ちゃんの前でゲップやおならをするのが平気になってきた。 次のページで、あなたの「ビジュアル系モンスター 産後ボーボー」度を判定します! ■あなたは、まだ愛されるレベル? それとも…「モンスターワイフ」判定結果 「ビジュアル系モンスター 産後ボーボー」度をチェックする質問に、あなたはいくつ〇がありましたか? 下の判定結果と照らし合わせて、自分のモンスターワイフ度を確認しましょう。 ○の数が3個以上はボーボーレベル「C」(まあ、まだ愛されるかも) ○の数が6個以上はボーボーレベル「B」(夫はそっぽを向き始める) ○の数が8個以上はボーボーレベル「A」(夫はもはや妻に色気を感じない) 連載第1回で登場した美里さんの場合、結婚前はとても外見に気をつかい、美意識が高いきれいな女性だったので、祥太さんが変貌のギャップに戸惑ってしまいました。 パステルトーンの服をやめて、ジャージ姿・すっぴんで夫と接することは、よく言えば「家では気をつかわず過ごせる関係」。しかし、夫と接するたとえ1日わずか30分の間でも、きれいな笑顔の妻を見せることで、夫は男でいることができます。赤ちゃんが泣く度にイライラしたり怒鳴ったりする、 すっぴんジャージの妻は見たくない のです。 また、モンスターワイフの名前にある「産後ボーボー」は、毛という毛すべてを指しています。 髪の毛、脇毛、アンダーヘアは女の命 。このスリーヘアへの美意識を失くすということは、セックスレスになってもいいと開き直ることと一緒です。 子どもを何人生もうが、スリーヘアはつねに男性に見られているという意識を持って過ごしてください。ただし、男性の中には「ボーボー」に燃えるタイプもいますので、そこは寝室での話し合いの元、スタイルをフィックスさせてくださいね。
2018年01月27日前作「モンスターワイフ」の連載コラムをきっかけに、「知らず知らずのうちにモンスターワイフになっていたかもしれません」「私はがんばってるのに・・と思い込んでいました」「夫を責めてばかりでした」という声をいただくようになりました。 自分の内にあるモンスターの卵に気づくか気づかないかで、結婚人生は180度変わっていきます。心当たりがあったとしても「でも、やっぱり夫が悪い」と受け入れられない方もいることでしょう。そこで、この新連載 「リアル・モンスターワイフ、再び」 では、実際の事例を分類し、リアル・エピソードを交えてお伝えしましょう。 「人のふり見て我がふり直せ」 の格言通り、一日でもはやくモンスターワイフの卵を握りつぶすことが大事です。 ■容姿に磨きをかけ「白馬の王子様」を手に入れたはずが… 「ビジュアル系モンスター 産後ボーボー」代表:美里(仮名)31歳の場合 美里は有楽町にあるファッションビルで、ピンク地に小花のプリントがほどこされているフェミニンなブラウスを手に取った。 「かわいいー! 買っちゃおう」 今の美里には、目に映るすべてのものがパステルトーンのおとぎの世界に見える。それほどに気持ちは華やぎ、舞い上がっていた。 同じ会社に勤めている3歳年上の後藤祥太にプロポーズされ、ハッピー気分は最高点。気分は、まるでプリンセス。ピンクの服を買いたい衝動にもかられた。 同僚たち全員が狙っていたイケメンの祥太は学生時代、カヌー部に所属し、ほどよく筋肉がついた女子ウケする体型。プロジェクトリーダーを任されるほど仕事もできる。将来、スター部署に行くことは目に見えている。 この理想の結婚相手を落とすまで、美里はかなり頑張った。 自分の外見、動作にこだわり続けた。 夜は必ずヘアトリートメントと目の下パック。早起きしてクルッと流れ落ちる巻き髪を作る。洋服もカチッとしたキャリアファッションではなく、ゆるふわのパステルトーン。給料の半分を服とコスメとネイルサロンに使うが、もちろん仕事にも手を抜かず、まじめに取り組んできた。 美里はそれを 「理想の結婚相手をゲットするための投資」 と割り切っていた。自分が理想の女性になれば、必ず素敵な彼が見つかるという信念を持っていたのだ。 結婚が決まってからは結婚情報誌に付箋を何枚もつけて、ウェディングプランにこだわった。ウェディングドレスはもちろんこだわりのオーダーメイド。父親に「人生最後のお願い」とねだり、その費用を捻出するという意気込みだ。ウェディング当日は、祝福と同時にうらやましがる同僚、学生時代の友人たちに向かって、満面の笑みをこぼした。 確かに美里は群を抜いてきれいだった。「お前の彼女、読モとかやってる?」と友人たちから聞かれ、祥太もまんざらではなかった。 結婚して 息子のタケルが生まれるまでは…。 ■孤独な子育てで、美里の心が「プツン」と切れた 結婚した年に妊娠がわかり、美里は会社を辞めて専業主婦になった。 息子のタケルが生まれ、初めての育児。タケルは夜泣き体質で、すぐに熱を出す。ミルクを吐き出してしまうことも多い。美里は寝不足にくわえ、慣れない育児で腰痛が出始めた。すべてがわからないことだらけ。実家は広島なので、 母に頼ることもできない。 スマホの育児サイトとにらめっこでタケルの世話をする毎日だ。 夫の祥太は、会社で責任ある仕事を任されたので残業続き。早朝会議もあり、平日は ほとんど家にいない ため、タケルのオムツ替えも入浴も手伝う暇はない。たまの休日は疲れ果てて遮光カーテンを締め切って寝てばかりで。タケルが泣くと 「眠れないから隣の部屋行ってくれ」 とうるさがる始末だ。 美里はなんとも言えぬ孤独を感じた。タケルが生まれて、理想通り若いうちにママになれた。タケルはよく熱を出すがとてもかわいい。でも、祥太はほとんど自分たちをかまってくれない。むしろ仕事にやりがいが出てきて、結婚前よりも張りがある生活を送っているようにも見える。 そんな祥太を見て美里もまた仕事をしたくなっていた。マーケティングの基礎はわかるし、会計もできる。「保育園にタケルを預けて仕事をしたい」と言うと祥太は「いいよ、美里の好きにすれば」とものわかりのいい言葉を返した。 だが、よくよく調べると保育園は待機人数が多く、すぐに入園するのは難しいようだ。美里は、マンションの一室でタケルと2人っきりで向き合っているうち、何にも束縛されず自由に動き回り、職場で活躍する祥太がうらやましくなっていた。祥太が飲み会のあと上機嫌で帰宅したり、休日に学生時代の仲間とラグビーに出かけることが続いた時、美里の中で 「プツン」と何かが切れた。 「私、バカみたい…。結婚前はあんなにチヤホヤしてくれたのに、今では全然、女性として見てくれない。タケルの世話も1日30分手伝ってくれればいいほう。 私、お手伝いさんみたい。 それなら、きれいにメイクしたり、キラキラしたママファッションをする必要なんてないよね」 ■気づけば2年間もセックスレス、しかし夫は… 開き直ってからの美里は、 女性であることを放棄 し、彼女の女子度はガラガラと崩れていった。 タケルに授乳しやすいように、いつもゆったりしたトレーナーと動きやすいジャージ。髪の毛はゴムで一括りで、もちろんブローなどしない。かろうじてシュシュをつける程度だ。 イライラを鎮めるために、甘いおやつをむさぼる毎日。以前はとても気を遣っていた 脇毛、アンダーヘアも伸ばし放題 になった。下着はもちろん締め付けないゆるい実用タイプ。 タケルの育児にはもってこいの動きやすいスタイルは、楽だった。ママタレントのブログで「育児中のママファッション」などを見ても「ふん! そんなきれいにしたって、誰にもほめられないわよ。てか、メイクしても子どもがなめたらどうするのよ」と毒づいた。 そして、タケルが2歳になった時、ふと気づいた。 「もしかして…私たち、セックスしてない…。これが、話題の セックスレス っていうのかな」 土曜の夜、久しぶりにタケルが早く寝付いたので、祥太におそるおそる話しかけてみた。 「ねえ、私たちさ、朝晩のキスはしてるけど、 エッチしてないよね? 2年も…なんで? 祥太くん、性欲ないの?」 祥太は口ごもる。 「いや、その…。タケルが横に寝てるのに、ちょっとそれはないなあって思って…」 「じゃあ、隣の和室におふとん敷くけど」 「あ…そうだね。でも、わざわざそこまでしてすることないよ。タケルが小学校に上がって、子ども部屋を作ってからでもよくないか?」 「小学校…6歳までしないってこと?」 美里は途方に暮れた。 祥太の本心は「美里にはもうセクシャルな魅力を感じない」。パステルカラーの服を着て、天使のような笑顔で肩に持たれてくる美里はもういなかった。ちょっと太ももに触ると恥ずかしがってピクリとする可憐な美里は、もうこの家にはいない。 すっぴん、ジャージ、下腹ぽっこり。遅く帰ると必ずしかめっつらをして皮肉を飛ばす。一度、タケルを2人で風呂に入れた時に見た美里の股間は、黒い密林のようにゴワゴワヘアが生い茂っていた。正直、萎えた。あまりにも、出産前と違いすぎる。 きれいだった美里は産後、別人になってしまった。 祥太も家事や育児を手伝う時間が少なかったことを悪いとは感じているが、美里の変貌にとまどっていることも事実だった。 「ビジュアル系モンスター 産後ボーボー」のモンスターワイフとなった美里。彼女の過ち、間違いはどこだったのでしょうか? 祥太の愛を再び取り戻し、セックスレス解消となるのでしょうか? 「リアル・モンスターワイフ、再び」第2回では、あなたの「ビジュアル系モンスター 産後ボーボー」度をチェック、判定! 「第二の美里」とならないためのアドバイスをご紹介します。
2018年01月26日前回は、夫婦間の問題改善に何よりも大切なのは、お互いの考え、気持ち、要望を理解すること。「モンスターワイフ」から「愛され妻」に変身していくためには、夫の要望を叶える最大公約数的なテクニックをお伝えしました。 今回は、さらに凝り固まった夫婦関係をもみほぐすための「愛され妻の褒め力・笑顔力」についてご紹介しましょう。 ■愛され妻がやっている「夫褒めテクニック」 「人間は褒められれば伸びる」。教育の分野では耳にタコができるほど聞く言葉です。これは夫婦関係においてもまた然り。誰だって褒められたいものではありませんか。 自分がして欲しいことは、相手もして欲しいことです。褒められてうれしくなった相手は、確実に良い方向に変わっていきます。とはいえ、一度冷え固まった夫婦において、今さら褒めるとか、笑顔で話しかけるなど至難の業。わざとらしいと思われるのではないか? と二の足を踏んでしまうでしょう。 しかし、たとえわざとらしくても、それでも相手に向き合う行動にギアチェンジしなければ、何も変わらないどころか夫婦仲はますます悪化。モンスター度数は沸騰点に向かって上昇するのみです。 セックスレス改善にも「今さら…」とう言い訳をするな! と私は相談者にレクチャーしています。モンスター度数を下げるために「今さら…」は禁句。褒める場合は、具体的に集中して褒めましょう。 「晴れてる休日に、お布団をベランダに干してくれるとすっごく助かるの。腰の調子が悪いから、本当にうれしい。家族3人分の敷布団を運ぶとかなりつらいけど大丈夫? フカフカの布団は気持ち良いもんね。ありがとう」 こんな具合に、何をしてもらってどううれしかったかを言葉に出すと、かなり相手の心を揺さぶります。ほかにも「お風呂上がりにバスタブをきれいに流しておいてくれてありがとう」など、相手の行動を言葉にしてみましょう。 面倒くさがらない、言葉を惜しまない、「今さら」という気持ちをを封印することが肝心です。 具体的に褒めることが、相手にプラスの影響を及ぼし、その影響が巡り巡って自分に返ってくるという好循環が生まれます。これを、夫婦の間に確立しなければなりません。夫婦仲を改善するには、相手を自分の希望通りに変えようとするのは間違い。自分自身が変わらなければ、相手も変わりようがないと腹をくくることが必須です。妻の傲慢(ごうまん)ではなく、妻の行動によって夫を変えることができる唯一の方法が、「夫を褒める」ことなのです。 夫を褒めるには、まず「褒めポイント」を見つけるために、夫を注意深く観察することが不可欠。夫婦仲がうまくいかないケースの多くは、相手を見ているようで実は全く見ていないことが原因です。 夫を褒めるためのプロセスには、「夫に関する無知」というモンスターの卵を排除する手段も含まれているのです。ここでは「夫だって私のこと全くわかってない!」という反論はしません。反論し始めると、さらにややこしくなってしまうので、反論モンスターは封印。今はただ、妻側のモンスターを退治して夫婦関係を円滑にすることに注力しましょう。 ■モンスターワイフとはサヨナラ! 笑顔ですべてを浄化 夫に対する褒め言葉とともに、妻が絶対に忘れてはならないのが「笑顔」です。 ここでまた「ああ、また同じことの繰り返しだわ。わかってるわよ、それくらい。テレビ番組でも同じようなことを言ってた。夫婦円満には笑顔が大事なんてわかりきってる!」という声が聞こえます。そのふてぶてしさをも打ち消しましょう。「ハイハイハイ…そんな当たり前のこと…」という思春期の反抗的態度では、きれいな笑顔は生まれません。 悩める妻たちは「夫が何をして欲しいのか分からない」と嘆きますが、難しいことは何もありません。夫にとって最高の癒しとは、妻の笑顔なのです。 一歩家を出れば、そこは厳しい現実社会。仕事でつらい思いをすることもあるでしょう。けれども、帰宅すれば妻が笑顔で迎えてくれるならば、夫は頑張れます。これこそ、いつもピリピリしたモンスターワイフとは対極にある、愛され妻の姿です。 笑顔は本来、自然に出てくるものですが、モンスターワイフに変幻している妻の場合は練習を要します。毎朝毎晩、鏡に向かって、下がりきった口角を元に戻す練習を。顔は笑っているのに、目だけ笑っていない人もいます。目を大きく開けたり360度回転させたり、左右に動かしたりする運動も忘れずに。「目は口ほどにものを言う」という言葉をしっかり胸に刻みましょう。 愛くるしい妻は、視線使いが上手です。上目遣いに夫を見つめたり、フッと色っぽい流し目をしたり。そして笑うときは心から笑う。 悩みが深い妻ほど「そんなに簡単にうまくいかないわ」「そんなの理想論。理想と現実は違うのよ」と思うかもしれません。確かに理想と現実は異なりますし、努力が簡単には報われないこともあります。けれども、努力しなければ報われることは絶対にありません。そして、継続すること。やりきる力、あきらめない気力、まさに人間力が試されるときです。夫への怒りの積み重ねを手放した時、きっと気持ちがフワリと浮いてきますよ。 忙しさやストレスに押しつぶされそうな日々の暮らしに振り回され、理想を放棄してしまった時に、妻のモンスター化が始まることを忘れないでください。 全9回にわたってお送りしてきた連載「モンスターワイフ」、いかがだったでしょうか? 一人でも多くの妻がモンスターを撃退して、夫婦関係を改善できることを願ってやみません。 来年1月からは、実際に存在するモンスターワイフの驚愕エピソードをご紹介する連載「リアル・モンスターワイフ、再び」を予定しております。ぜひ、お楽しみに。
2018年01月07日前回は、「紙に書き出して悩みを整理」することで漠然としたイライラ・モヤモヤを一掃して冷静になり、「寝室会議で本音を語り合う」ことで夫との有意義な意思疎通を図るという、モンスター撃退のための基礎となるテクニックをお伝えしました。 今回は一歩進んで、「モンスターワイフ」から「愛され妻」に変身していくための方法をご紹介したいと思います。 夫婦間の問題改善のために何よりも大切なのは、本質的な会話を通じてお互いの考え、気持ち、要望を理解すること。「愛され妻」になるために最も必要なことは、夫との会話を通して、妻に対する希望を理解していくことです。 つまり、夫に愛されるための方法は、夫の要望の数だけ存在するのです。今回は、最大公約数的なテクニックをご紹介します。 ■すべての夫が必ず喜ぶもの…それは「妻からの癒し」 癒しは、現代を象徴するキーワード。昨今、競争が激化し、社会全体がギリギリまで効率をあげることを求められ、「余裕」は「ムダ」と呼ばれて徹底的に排除されます。ギスギスした現代社会に生きる私たちは、癒しを渇望しています。 街にマッサージ屋やネイルサロン、リフレクソロジー、大型スパが増えているのもニーズがあるからです。夫と毎日顔を合わせる妻が癒しを提供してあげることができたら? 夫は少しでも早く家に帰りたくなり、自分を癒してくれる妻を大切にしたくなります。これぞ「愛され妻」への最短ルートです。 マイホーム=癒やしの場。漠然としていますが、具体的に落とし込んでいきましょう。 ■【愛され妻の習慣1】夫の胃袋をつかみ直す! 食卓は「晴れの場」として演出 「もっともらしい見出しだけど、そんなことはわかってる! 陳腐…」という声が聞こえてきそうですね。でも、わかっていることができないから夫は背を向け始めるのです。 「理想の妻」の条件として、常に上位に上がるのが「料理上手」。紙でも何でもいいので、夫の好みを20種類、書き出してみます。これに基づいた料理のレパートリーを増やしていければ、夫の帰宅時間は自然と早くなり、夫の笑顔と食卓での会話が増えます。 しかし、フルタイムで働いて日々忙しい妻は、そこまでできない。おっしゃるとおりです。では、せめて週1回でも子どもが好きなものより、夫の好きなものを優先しましょう。好みの味とは、長年慣れ親しんだ「おふくろの味」であることが多いものです。お姑さんから料理のコツを教わるくらいの姿勢を持てれば、妻としても嫁としても100点満点です。 「レパートリーを増やすどころか、毎日仕事で帰りが遅く、夕飯はスーパーで買ったお惣菜ばかり」という大忙しの妻もいるでしょう。そんな場合でも、できるだけ夫の好きな料理を選ぶこと。ついつい自分や子どもの好みを中心に選んでしまいがちですが、それは意識的におさえましょう。 テイクアウトのコロッケでもきれいなお皿に盛り付ける、テーブルクロスは日替わりにしてみる、週末作っておいた手作りソースをかける、プチトマトを切ってのっける…というように、時短で見栄えをよくするのが演出です。 特別な日には、普段より品数を増やしたり、時間が許せばスーパーではなくデパ地下のお惣菜を選んでみたり。同じできあいのお惣菜でも、おいしく見えるよう盛り付け方を工夫しましょう。スーパーのお惣菜が突然、手料理に変わらなくとも、妻の努力と気配りは、必ず夫に伝わります。 最近は、Picard(ピカール)のような本格冷凍フレンチのテイクアウトショップもあります。電子レンジでパリ気分。常に食卓を「晴れの場」にできますね。 ■愛され妻の習慣2】演歌を地でいく「一歩下がって夫を立てる」妻に変身 見出しから「何を前時代的なことを…」と、この先を読むのをやめようと思ったあなた、ちょっと待ってください。決して、妻はひたすら夫にへつらうべきだなどと言っているわけではありません。男性の性質を理解したうえで夫への気配りを心がければ、夫婦の双方にとって幸せな関係を築けるということをご説明したいのです。 女性を精神的にも肉体(性)的にも支配したいと思うのが、男性の本能的な欲求です。セックスレス夫婦は、この関係性が逆転している場合が多々見受けられます。 「頼りないうえ、妻に尊敬されるようなことは何もできないウチの夫が妻を支配したい、妻の上に立ちたいだなんて、虫が良すぎる話だわ」「上に立ちたいと言うのなら、立てるだけのことをして見せてちょうだいよ」…そんな声が聞こえてきそうです。 現代は、夫が自力で妻の上に立つのが難しい時代です。昇給や昇進のチャンスは限られる一方で、女性の活躍の場はどんどん広がってきており、妻のほうがお給料が良かったり、昇進が早い夫婦も存在します。そして、女性は子どもができても働く時代。忙しくなった妻たちは、家でのんびり過ごす夫に、家事や育児の手伝いを命じられる時代です。そこでも妻のほうが手際が良かったりすると、夫はダメ出しの嵐に…よって夫は、妻の顔色をうかがってビクビク。 こんな去勢されたような状態で、男性本来の男性性を発揮しろと言われてもムリな話です。そしてこんな状況にもかかわらず妻は、夫には一家の長としてもっとしっかりして欲しい、セックスについてもこちらから誘うばかりではなく、夫からも誘ってきて欲しい、夫にリードして欲しい…と主張します。これも負けず劣らず「虫が良すぎる話」ではないでしょうか。 夫が自力で妻の上に立つのが難しいのなら、さてどうするか。答えは簡単です。妻が一歩下がってあげるのです。一歩下がるのは、上を目指すよりずっとラク。「私は自分で何でもできるわ。夫に頼んだほうがミスは多いし時間はかかるし、かえって足手まとい」などと言わずに、夫が得意な分野で夫に花を持たせましょう。 演歌の歌詞を読んでみてください。あなたのためにつくします、あなたのためなら苦労に耐えてみせます、という一歩下がった女性像が見え隠れしています。 夫に活躍の場を与えてあげ、やってもらったら感謝感謝。もちろん、ダメ出しは禁止です。家事も育児もご両親とのやりとりも、PTA関連も夫に任せてみませんか? ダメ出しばかりされていた時にはひたすら萎縮していた夫も、いくつか成功体験を重ねるうちに、自信を取り戻します。 自分は妻に頼られている、自分は妻を喜ばせることができる。夫にそう確信してもらうのです。夫は、さらに妻から尊敬されるよう動き、頼りがいのある大人の男に変身していくでしょう。 古き良き時代の演歌に歌われるような、男を立てる女。日本男子のDNAは「立ててくれる妻が好き」とインプットされていました。時代が流れ、女性の社会進出が激化したので、「そうも言ってられないかあ…」とそのDNAは影を潜めてしまったように思えます。さて、皆さんの旦那さんの本心はいかに?? 次回は、「愛され妻の褒め力・笑顔力」についてご紹介しましょう。
2018年01月06日前回まで、さまざまな種類のモンスターワイフをご紹介してきました。いよいよ、モンスターワイフ撃退のための方策を説明します。 自分の中のモンスターの存在を常に自覚し、「これは夫の目にどう映るだろう」「同じことを自分がされたらどう感じるだろう」と予測しながら、改善策を実行に移していってください。 ■感情より理性で導く、「紙に書き出す」で悩みを整理 悩んでいる妻たちの悩みごとは、一つではありません。複数の悩みや心配ごとが頭の中で渦を巻き、何に悩んでいるのかさえ分からなくなっています。 イライラ・モヤモヤはモンスターの卵。 夫のやることすべてが気に障ります。本当に問題なのは何なのか。その点をクリアにするためには、グチャグチャになった頭の中を整理しなければなりません。 そこで私が悩める妻たちにすすめているのが、「悩みを紙に書き出す」という方法。スマホやPCに書き出すより、自分の筆跡で書き残す! 怒りが強い案件は無意識に筆圧が増します。怒り狂った文字になります。わかりやすいですね。 「3年間セックスレス」「夫が目を合わせてくれない」「姑にいちいちむかつくのに夫はスルーしてる」「家計が苦しいのに夜中にタクシー使うな…」「人前でニコニコしてるくせに人がいなくなると態度豹変」etc…。 最初は思いつくまま、頭の中にあることをすべて紙に書き出します。次に書き出した項目をランキング形式にして、許せない順に並べ替えていきましょう。こうして自分の悩みを整理したら、最後に「どこまでなら許せて、どこからが許せないか」という境界線を引きます。 イラ立ちの原因にはレベルがあり、夫が話を聞いてくれるだけで気持ちがスっとしてオールクリア! になる場合もあります。 この方法で、自分を思い悩ませているものの正体が浮き彫りになります。 それは、はたから見れば「どうしてそんな単純なことに、今まで気づかなかったの?」というようなことかも知れません。けれども、混沌とした状況下ではそんなことも全く見えなくなってしまっていることがよくあるのです。問題の本質がクリアになれば、その改善のための対策も考えることができます。 また、悶々と悩んでストレスを増大させていくのではなく、「紙に書き出す」という理性に基づいた作業にシフトすることで、感情的になっていた頭が冷静さを取り戻していきます。 自分のイライラやモヤモヤを文字にして書き出していくと、あら不思議。 「これは物理的に仕方のないことだから、怒ってもムダよね」「これは夫が原因で発生している問題ではない。○○の条件を改善すれば、状況は変わりそう」「この問題については、私の態度も悪かったかも…」と、問題が劇的に解決されるわけではなくても、問題に対する認識が変わり、心がラクになることはよくあります。 自分が抱える問題について、頭の中の分類箱に整理されていれば、漠然としたストレスを抱えて「売り言葉に買い言葉」のハチャメチャな夫婦ケンカを繰り返すことも激減します。 ■2人だけの空間だからこそ「寝室会議」で本音を語り合う 問題を抱えた夫婦に圧倒的に不足しているのは、「本質的な会話」です。多くのモンスターワイフに共通する特徴は、自分と夫に関する無知と激しい思い込み、思い込みをベースとした妄想の暴走です。これらを防いでモンスターを抑え込むには、夫婦間の会話が不可欠。 相談者の中には「会話なら毎日している」という方が多数。しかし、その会話の内容が、子どものことやお金のこと、テレビニュースのテーマだけでは、それは夫婦のための「本質的な会話」とは言えません。 「私はいつも、自分の考えや気持ちを夫に伝えているのか」と自問自答してください。果たして夫側の意見を聞く場も設けられているでしょうか? 「本質的な会話」とは、夫婦の価値観や将来のビジョン、さらには二人のセックスのことなど、夫婦関係に関する本質的なテーマを含んだ意見交換です。そして、そんな意見交換に最適の場所が、夫婦の寝室です。 夜寝る前に寝室で話すのであれば、急に邪魔が入ったり、子どもに聞かれたくない内容を避ける必要もなく、会話に集中できます。普段は照れくさくてなかなか話せないことも、ベッドの上だと不思議とお互い素直になれます。 夫婦の寝室事情についても、話をそらしたりそらされたりすることなく、意見を交換しやすくなるでしょう。寝室にワインを持ち込むことはもちろん賛成です。 寝室会議を成功させるためにも、話したい内容をあらかじめ「紙に書き出して整理」しておく手法を。不用意に感情的になってしまうことを防げますし、せっかく意見交換をするつもりが、話が脱線してそれがケンカの火種になってしまうような失敗も減らせます。 そして、寝室会議はただ自分の意見を主張するだけの場ではなく、夫の意見を聞く場でもあるという意識と、夫への思いやりを常に忘れないでくださいね。 今回は「脱・モンスターワイフ」のための、最も基本的な方策をお伝えしました。これらは、夫婦間の問題のどんな局面でも活用できるテクニックですので、どうぞ今すぐお試しください。 次回は「脱・モンスター」から、”愛され妻”になるための方法をご紹介しましょう。
2018年01月05日「恋人・夫婦仲相談所」所長・三松真由美さんが、結婚後に露わとなる、女性がうちに秘めるモンスターの実態を紹介してきましたが、モンスターの紹介は今回が最後になります。最終回を飾るのは、「バイオレンス系モンスター」たち。 これまでご紹介してきた数々のモンスターたちの中でも、特に攻撃性の高いモンスターです。もしも思い当たる節があれば、夫の心はすでにモンスターから逃げ出そうとしているかも知れません…要注意! バイオレンス系モンスター 鬼子怒神(きしどじん) 電車の中やスーパーの店内など、公共の場であるにもかかわらずヒステリックに我が子を怒鳴りつけるママ、見かけたことがありませんか? これまでにご紹介してきたモンスターの多くは、人前には姿を現さないのがほとんどですが、鬼子怒神は人目をはばからずその醜態を露わにします。 このモンスターは、妻から理性を奪い去ります。泣きわめく子供に余計に激昂し、最終的には子供に手を上げることすらあります。 そんな妻の目には、横で小さくなっている夫の姿など入ってきません。一度このモンスターに心を乗っ取られると、怒りの沸点がどんどん低くなります。日常の何気ない物言いにすら怒気が混じるようになるのが、何とも恐ろしいところ。 忙しい現代社会では、誰もがストレスを抱えています。けれども子供にガミガミ、夫にキーキーでは、家庭の雰囲気は悪くなる一方。 修羅婆(しゅらばあ) 夫の携帯に届いた女性からのメールに「私は○○の妻ですが、あなたは?」などと勝手に返信したり、夫を尾行して浮気現場に乗り込むなど、埋まっている地雷をすべて踏みつけながら歩く危険なモンスター。 攻撃性ばかり高く、理性や計画性はゼロなのが困りもの。後先も夫の社会的立場も考慮しないため、夫婦関係のみならず、周囲の人間関係まで壊滅状態にしてしまうこともある恐ろしいモンスターです。 浮気相手に電話をかける妻からの相談を何度も受けたことがありますが…聞く耳持たず怒り狂うかたがほとんどです。 大噴火 溜まりに溜まったネガティブなエネルギーが臨界点を超え、ある日いきなり大爆発を起こして登場するモンスター。 このモンスターは手のつけようのない大惨事を引き起こします。夫にヒステリックに罵詈雑言を浴びせ、さらには夫への暴力にまで発展してしまうことも。 加えて多くの場合、家事放棄までワンセットになってついてきます。夫の服を全部はさみで切り裂いた妻もいます。夫の腕の骨にヒビを入れた妻もいます。 事態がどうにか収拾した後も、夫はまたいつ大噴火するかわからない活火山に怯えて暮らすことになります。 そして残念ながら多くの妻は、大噴火して醜態をさらした後も、悩みや不満を溜め込んでばかりいてはいけないと学習せずに、惨事を繰り返してしまうことになります。 だれでもモンスターになる可能性が……あなたの中のモンスターは? 代表的なモンスターをご紹介してきましたが、いかがでしょうか? あえてきつい、インパクトのあるネーミングにしてみました。 かわいらしいものでは固まってしまったネガティブな気持ちに響かないと思ったからです。 たとえ思い当たるモンスターがいなかったとしても、まだまだ油断はできません。なぜならここでご紹介したモンスターは、氷山の一角に過ぎないからです。 自分を知るための手段として、自分の中のイヤな部分、モンスター的な部分に、モンスター名を与えてみてください。 ・夫との時間を楽しむことよりも、インスタ用の写真撮影に夢中で、夫をイライラさせているモンスター ・仕事が忙しい時は夫に家事を押しつけっぱなしなのに、感謝の言葉がないといつもケンカになるモンスター ・育児に追われて、鏡も夫の顔も最後に見たのがいつだか思い出せないモンスター といった具合です。長い名前になっても構いません。思い当たるモンスターに片っ端から名前をつけて、自分の中の「イヤな女」の部分を総点検してみてください。 自分を変えられないのは、短所や弱点の輪郭がおぼろげだから。漠然としていると「悪いのは分かってるけど、それも私の性格だし、性格ってそんなに簡単に直るものでもないし…」という開き直りに終わってしまうのです。 目を背けてはいけません。 自分の短所にモンスター名をつけて、問題の実態をより具体的に認識できれば、「この弱点を直すのには時間がかかりそうだけど、ここだったら少し気をつけるだけで、今すぐ変えられるかも」と、種類やレベル別に線引ができるようになるのです! 問題の認識こそが、その改善への第一歩です。 「モンスターワイフ」というツールを使って、自分が抱える問題をしっかり把握してみてください。 それでは次回からはいよいよ、「脱・モンスターワイフ」のための方策をご説明していきましょう。
2017年11月19日「恋人・夫婦仲相談所」所長・三松真由美さんが、女性に共通する闇を暴きます。結婚後に露わとなる、女性がうちに秘めるモンスターの実態を解明します。 今回ご紹介するのは、「セクシャル系モンスター」です。 「モンスターは、そんなプライベートな分野にまで侵入しているの!?」と、ショックを受けたあなた。現代の妻たちの最大のお悩みであるセックスレスを回避するためにも、このモンスターについて知っておくことは非常に重要です。 それでは早速解説していきましょう。 ■セクシャル系モンスター 1. エロゾンビ: 男性は多くの場合、年齢とともにED気味になり、性欲が落ち着いてゆくことが多いです。ところが女性では、育児が一段落した頃に突然、それまで忘れかけていた性欲が盛り返してくるケースがあります。 こうした妻の変化を夫が受け入れてくれれば、夫婦仲はとっても安泰。ところが夫たちの多くは、ゾンビのように突然蘇った妻の性欲に困惑してしまいます。 それは子育て期間のセックスレスが長引くうちに、夫が妻を性的対象として見ることができなくなってしまったから…。すでに「かあさん」化した妻にどうやってエロスを感じればいい?と悩むわけです。 一方妻は…、家事・育児や仕事の両立もどうにか軌道に乗ってきた。やっと一息つけたその時に、湧き上がってくる不安感や焦燥感…。「そう言えば、もう何年もセックスレス。私の人生、もう二度とセックスすることなく終わるのかしら」と。 「子育ても家のことも、その上仕事まで必死で頑張ってきたのに、ようやく時間にも心にも余裕ができた時には『ゾンビ』扱いだなんてあんまりだわ!」というその気持、よーく分かります。 夫たちも、そんな妻側の事情を分かっていないわけではないのです。事情を頭では分かっていても、下半身はエロゾンビから逃げ出そうとする…、そんな悲劇に直面しないためにも、出産や育児、家事が忙しいことを理由にセックスを中断してはいけないのです。 2. ダイダラボッキ: セックスを拒まれたエロゾンビは、ダイダラボッキに進化。勃たない夫をどうにか勃たせようとして、夫をますます困惑させます。 「愛」という言葉をさかんに口にしますが、このモンスターは巨大に膨れ上がった妻の性欲の化身。いかにもなセクシー下着を身に付け、夫には強壮剤を飲ませ、猫なで声で必死に夫に迫ります。 しかし努力が報われないと分かるやいなや、「なんで勃たないのよ!」と怒り狂う。お決まりの捨てゼリフは「もう私を愛してないのね!」…愛や癒しとは無縁の、肉欲に支配された惨めな妻の姿…夫にとっては恐怖でしかありません。 3. 昭和的カマトト狐: 男性の気を引こうとウブを装う「カマトト」は、関係の初期段階においてのみ有効な手段。妻がベッドの上でまでカマトトでは、セックスはつまらなくなる一方です。 いつまでもセックスフルでハッピーな夫婦でいるためには、意識的にセックスを育てていく必要があるのです。それなのに、夫からちょっぴりエッチな提案が出るたびに「イヤだ!」「恥ずかしい!」と片っ端から拒絶していては、二人のセックスは育ちようがありません。 決まりきったパターンの退屈で義務的なセックスは、セックスレスへの第一歩です。 4. 冷凍マグロ・エロの邪鬼(じゃく): 女性が積極的にセックスについて考え、発言する機会が増えた現在。それでも「セックスは男性が頑張るもの」という固定観念に縛られた妻が意外に多いのは、非常に残念なことです。 こうした妻はベッドの上で固まったように、セックスをすべて夫任せにします。その態度は「なんで女の私が、何かしてあげなきゃいけないの?」と、ふてぶてしいまでに非協力的。 互いが「相手にも気持ち良くなってもらいたい」という優しい気持ちを持って自発的に協力し合うからこそ、セックスから癒しや幸福感が生まれるのです。 しかしこのモンスターは「女の私のほうから動くだなんて! 私はAV女優でも風俗嬢でもないのよ!」と、女性がセックスに積極的になることに嫌悪感を抱いてます。 また「エロの邪鬼」は、自分の性欲にフタをして、気持ちとは正反対の行動を取ってしまうモンスター。 その背後には閉鎖的なセックス観や、セックスに対する過度の禁忌感があります。このモンスターも、夫婦間のセックスを幸せなものにすることを妨げてしまいます。 重要なコミュニケーションであるセックスを夫婦で楽しめるようになるためには、凍りついて固まった頭とカラダを溶かしていかなければなりません。 ■セクシャル系モンスターについて 今日「セックスレス」という言葉は完全に私たちの社会に定着していますし、「友達夫婦」などという言葉もできて、夫婦間にセックスがなくても当たり前のような風潮が出来上がりつつあります。 良い時も悪い時も、長い時間を共にするのが夫婦。時には相手にイラついてしまい、それがケンカに発展してしまうことだってあります。 けれども長い時間と生活のあらゆることを共有する夫婦という間柄だからこそ、何もかもハッキリ白黒つけるのは不可能ですし、仮に白黒つけてしまったらそれはそれで、二人の関係はギスギスしたものになっていってしまいます。セックスはなくても仲良しという定義付けを振りかざしてはいけません。 そんな時にこそ、セックスやスキンシップは大きな効果を発揮するのです。さっきまでは相手にイラついていたけれど、パートナーと優しく触れ合ったり抱き合ったら、自分がどうしてあんなに怒っていたのか、自分でもおかしくなってしまうことだってあるでしょう。 セックスは夫婦仲を良好に保つための重要なツールのひとつです。セックスレスに陥らないために、一刻も早くあなたの中のセクシャル系モンスターを退治しましょう。 最後にご紹介するモンスターは、「バイオレンス系モンスター」です。
2017年11月18日前回 の6パターンに続き、メンタル系モンスターの例を解説します。「モンスター」とは、女性の内に潜む「イヤな女」の部分。当てはまったらアウトかもしれませんよ。 ■1.イライラ妻 「不機嫌な私」をあえて夫に見せつける、タチの悪いモンスター。 「なんで不機嫌なのかって?それを考えるのが夫の仕事でしょ」「もっと私にやさしくしてよ」という不満げな態度で、常にブツブツ文句を言っています。このモンスターは実のところ、単に未熟で夫に甘えているだけの「察してちゃん」。 けれども夫のほうは、常に眉間にシワを寄せている妻が、自分に甘えているなどとは思いもよりません。きちんと言葉にしなければ、男性には女性の気持ちが伝わりません。しかし自分の気持ちが伝わらないことで、妻はさらにイライラし、モンスターはレベルアップしていくのです。 ■2.夜泣き妻 このモンスターは、とにかくメソメソとすぐに泣きます。 「男は女の涙に弱い」と言いますが、それは普段涙を見せない女性が堪えきれずに流す涙のことです。四六時中メソメソされていては、夫もたまりません。 涙を流すことには、ストレス解消効果があります。泣いてスッキリしたら、冷静になった頭で状況を分析して、次の行動に向かう。それが健全な姿なのですが、このモンスターは際限なく泣き続けます。 自分は世界一不幸な妻だと、「不幸な自分」に浸って、思考も行動も完全に停止。夫婦仲は悪化するばかりです。家に毎日泣いている妻がいる・・これはもう恐怖の館です。 ■3.恨み妻・皮肉妻 非常に粘着質な性格のモンスター。 一度夫が罪を犯そうものなら、夫がどれほど反省しようが、夫婦関係修復のためにどれほど努力しようが、いつまでもその罪を許そうとしません。 夫の罪を「死んでも許さない」という気持ちでいるならば、離婚を選ぶべきです。「許せないけれど、離婚も選択できない」という中途半端な状態で悶々としている妻が、いつまでもネチネチと恨みつらみを言う恨ミーナと化すのです。同じく粘着質な姉妹モンスターの皮肉リーナも、夫にいつまででもチクチクと皮肉の言葉を浴びせます。 夫がテレビでアイドルを見ているだけで「あら、やぱり若い女好きは治らないのねえ…」などチクチクつつき始めます。 これらのモンスターに延々責められ続けたら、過去を反省してよい未来を目指そうとする夫の前向きな気持ちもコッパ微塵に。家庭に夫の居場所はなくなってしまいます。 ■4.妬み妻 しょっちゅう自分と他人の生活レベルを比べては、妬んだり、羨ましがったり、卑下したりと、大騒ぎしているモンスターです。 大切なのは自分の現実の生活に目を向けることなのに、このモンスターがいつも気にしているのは、隣の奥さんやママ友の暮らしぶり。自分と他人を比較して、どちらが幸せかなどと優劣をつけることで頭がいっぱいです。 他人を妬んでは、無意味な背伸びをしようとしてみたりします。時に刃が夫に向き「あなたがろくな大学出てないからうちの子が負けるのよ」「稼ぎが少ないからいい塾に行かせられないのよ」と夫のせいにしてしまいます。 先にご紹介した「セレブ憑き」同様、このモンスターもSNSの普及により増殖・パワーアップ中です。 ■5.育児天狗妻 「育児」を楯に、慢性的に夫を放ったらかしにしている自分を正当化するのがこのモンスター。 子供はとにかく手がかかります。特に初めての子育ては、初体験の連続。子供のことでいっぱいいっぱいになってしまい、夫には「育児が大変なんだから、ちょっとくらい我慢して」という態度になってしまうことも、時には仕方がないかも知れません。 産んだからには責任を持って子供を育てるのは、母親の務めです。そして、結婚したからにはちゃんと夫を支えるのが妻の務めです。 ところがこの後者の部分をすっかり忘れてしまう妻が多く、育児に気を取られ、肝心の夫婦の絆が崩壊していく例が後を絶たないのです。セックスレスになる時期の第1期は、出産後の妻の対応の仕方です。赤ちゃん優先で夫の手を振り払った経験はありませんか。 ■6.耳なし妻 夫の意見はまったく耳に入らず、話の中心が常に「私」のモンスターが「耳なし妻」。 自分の気持ちを一方的にまくし立て、夫の気持ちや考えはまったく理解していません。夫婦が支え合って生きていくには相互理解が必要で、そのためにはコミュニケーションが不可欠です。 ところが耳なし妻は、一方的に自分の意見をしゃべり倒すことで「コミュニケーションは取れている」と勘違いしたり、自分の気持ちが伝わらないことを、一方的に夫のせいにしたりします。 ■7.仕切り妻 「仕切り妻」も夫の意見などお構いなしで、何事も自分が決めなければ気が済まないモンスターです。 妻もしくは母という地位を楯に権力を振りかざし、家の中のことをすべて一人で仕切ります。妻たちに言わせれば、自分が何もかも仕切らなければならないのは、「夫が頼りないから」。 しかし、夫に何の相談もなく妻があらゆることを決定してしまっては、夫の立場がなくなってしまいます。またこうした状況は、夫が「頼りがいのある夫」に成長するチャンスを、わざわざ根こそぎにしているようなものなのです。 とはいえ、最近は自分で決めるのが苦手な男性も増え、妻にしきってもらうことで楽チンという夫もいます。私の経験からすると、年を重ねてからセックスレスになりやすい傾向にあります。ベッドも妻が仕切るので、雄のプライドがたもてなくなります。 以上が代表的なメンタル系モンスターです。 自分にもあてはまるものがあると感じたあなたは、ぜひとも後にご紹介するモンスター撃退法もお読み頂き、脱・モンスターワイフを目指してください。 モンスター撃退法をお伝えするその前に、ご紹介しておかなければならないモンスターのカテゴリーがあと2つあるのですが、次回ご紹介するのは「セクシャル系モンスター」です。 「えっ?セクシャル系?」と思われた方もいらっしゃるかも知れません。しかし先に触れたように、妻たちのお悩みトップ3は「夫の浮気」、「セックスレス」、「ED」です。夫婦仲改善のために、セクシャル系モンスターは避けて通れないトピックなのです。
2017年10月20日今回は「メンタル系モンスター」をご紹介します。 「モンスター」とは、女性の内に潜む「イヤな女」の部分。わがまま、欲張り、見栄っ張り。煩悩の数だけイヤな部分がありそうです。 メンタル系モンスター 「そう言えば私も…」と身に覚えがあるようなら、現実から目を逸らさず、自分の中のイヤな部分、弱い部分としっかり向き合ってみてください。これから紹介する6パターンに当てはまってはいませんか…? ■1. カバン荒らし・携帯のぞき 夫が遊んでいるのではないか。浮気をしているのではないかという猜疑心に駆られて、こっそり夫のカバンの中身や携帯を盗み見するモンスター。浮気の心配がサラサラないのに、見てしまう妻も存在します。夫が外で何をしているか知りたくてしょうがない。 人の持ち物を隠れてチェックする権利など、誰にもありません。しかしこうしたモンスターは、「悪いのは、疑われるような態度や行動を取る夫のほう!」と、自分の行為を正当化します。 浮気の9割以上がスマホから発覚する現在、特に「スマホのぞき」が大量発生中です。一般的な妻たちの二人に一人は、このモンスターと化してしまった経験があるのではないかという、恐ろしい現実。 妻たちは、「浮気は夫婦間の信頼関係を破壊する裏切り行為!」と言い、夫がそんな大罪を犯していないか、夫のカバンや携帯を躍起になってチェックします。けれども相手の持ち物やプライバシーを、相手に隠れて盗み見するという行為も、信頼関係を覆す裏切り行為であるという点では、浮気と同じこと。 カバン荒らしもスマホのぞきも、夫婦仲に壊滅的なダメージを与える非常に危険なモンスターです。今すぐに退治しましょう。 ■2. ティッシュ嗅ぎ セックスレスに悩む妻たちの心を乗っ取る、恐ろしいモンスター。「ティッシュ嗅ぎ」は、夫が一人でマスターベーションをしていないか確かめるために、夫の留守中にパソコン部屋のゴミ箱を漁り、丸まったティッシュを嗅ぎ回ります。 チェック魔もここまで来ると、もはやホラーレベル。 そして必死のチェックの末に「証拠」をつかんだとしても、湧き上がる怒りをどこにもぶつけられないのが、このモンスターの悲しいところ。ひとりエッチにまで嫉妬するなど、神様がみていたら嘆かれることでしょう。 ■3. グラドル夜叉 「グラドル夜叉」は、夫が読む週刊誌に登場するグラビアアイドルや、夫がこっそり観ているアダルト動画に出演するAV女優、果ては通りすがりの若い女性にまで敵意を抱くモンスター。 その背後にあるのは、自らの老いに対する過剰なコンプレックスです。夫の目が少しでも若い女性の姿を追いかけようものなら、「若いコなら誰でもいいんでしょ。悪かったわね、オバサンで」などと、「イヤな女」感タップリの皮肉が飛び出します。 かわいらしい嫉妬ならいいのですが、もはやかわいらしい姿はどこにもありません。そんな行為は即刻やめて、後の回にご紹介する夫婦関係改善のための建設的な努力を始めてください。 ■4. 妄想暴走族 ネガティブ思考と被害妄想に取りつかれ、激しい思い込みも相まって、最悪の事態を限りなく現実の出来事のように妄想してしまうのが「妄想暴走族」。 例えば、夫の携帯に届いた女性からの一通のメール。女性は夫の同僚で、仕事上の待ち合わせのためのメールかも知れないのに、一瞬にしてその女性と夫がホテルの一室で密会している光景をありありと妄想してしまいます。 あんなことやこんなこと、いやらしいこといっぱいしている! キーッ! 悔しい! 自ら作り上げた妄想に追い詰められて、ヒステリーやうつ状態に陥り、夫を悩ませる妻もいます。不安に思うことがあるのなら、妄想を暴走させる前に落ち着いて夫と話をする。まずは冷静になってください。 ■5. つもり満点妻 ネガティブ思考の塊のような妄想暴走族も困りものですが、「自分は完璧」と思い込んでいる「つもり満点妻」もまた、かなりキケンです。 「理想の妻」を目指して、家事にも育児にも美容にも全力投球。それなのに、夫婦仲がうまくいかない…それは「完璧!」だと思っているのは妻のほうだけで、夫が望む「理想の妻」とはかけ離れた姿だからです。 例えば夫は、妻にオーガニック料理教室だ、子供の習い事だと駆けずり回ってもらうことよりも、家族で素朴な家庭料理を囲み、のんびり過ごすことを求めているかも知れません。 ところがつもり満点妻は、自分は完璧だと思い込んでいるため、自分が期待するような反応が夫から得られないと、途端に夫を責め始めるのです。自分が思う「理想の妻」だけに向かって爆走しているあなたは、要注意。 チェックポイントは「私はこんなに頑張ってるのに認めてよ」という感情が湧いたことがあるかどうかです。頑張る方向が違うと、夫は褒めるどことかため息をつくようになります。 ■6. セレブ憑き 何かに憑かれたようにプチセレブのマネごとに躍起になり、お金も夫の愛も目減りしてゆくのに、それでも惨めな演技をやめられないモンスター。 女性は同性に負けたくないと、虚栄心を出しやすい生き物。女同士で話していると、つい「幸せな自分」を演じたくなります。 とは言え夫婦仲は冷戦状態なのに、「うちは今でもラブラブで」などという真っ赤なウソは、さすがにつきづらい。そこで妻たちは、「経済的に不自由していない自分」を演じるのです。 無理をしてブランド品を買い揃えたり、明らかに分不相応な旅行を強行してみたり、家計を圧迫してまで必死にプチセレブを装う妻の姿は、夫にとってはモンスターでしかなく、幸せなフリを続ける妻本人も、本当の幸せに背を向けて突っ走っているような状態なのです。 私の周りにもセレブ憑き妻がいまして、ゴージャスな生活をしていましたが、借金地獄に陥り引っ越してしまいました。「誰にも内緒で」と5人以上のママ友からお金を借りていたセレブ憑き妻もいました。 ■今回のまとめ 昨今のSNSの普及により、誰もが自分の暮らしぶりをネットで披露し、また他人のライフスタイルをのぞき見することもできるようになりました。 セレブ憑きが今後ますます増殖し、さらにパワーアップしてしまうのは間違いないでしょう。インスタセレブモンスターも登場しやすい時代です。インスタ借金に注意しましょう。夫の気持ちだけでなく、本当の友人も離れてゆく可能性があります。 恐ろしい「メンタル系モンスター」たちに、背筋が凍る思いのあなた。 けれどもこの分類のモンスターは、まだまだいます。「もうやめて!」と目を背けずに、もうしばらくお付き合いください。
2017年10月19日夫婦関係において最も危険なのが、妻本人に自分がモンスター化しているという自覚がない状態。自分を変えるための最初の一歩である「気づき」を得るためのヒントとして、自分がモンスター化していないかのチェックポイントをぜひ参考にしてください。 前回 は、幸せな結婚生活を長期に渡り続けるためには、まず自分の短所を認識し「モンスターワイフ」という概念を理解するのが大事というをお話ししました。今回は早速、典型的なモンスターワイフの具体例をご紹介します。 代表的なモンスターワイフ:ビジュアル系モンスター ■ポイント1.スッピン 忙しさを言い訳に、いつでもどこでもスッピンな女性。大人の女性のスッピンは、怠惰な心の表れです。 いつまでも夫に愛される妻になるためには、キレイでいようとする努力が不可欠。外出時はもちろん、家の中でもときにはナチュラルメイクを習慣化しましょう。 スキンケアを朝晩しっかりしているかたは、もちろん素肌美人で大丈夫でしょう。 シミ・シワ・そばかす・くま・くすみを毎日食卓に腰掛けて見ていると、夫も「妻は美を保とうとする意欲がないんだなあ、俺も手を抜くか」と思ってしまいます。 そして意外に見落としがちなのがヘアケア。艶がないゴワゴワ髪をゴムでくくっているだけではいけません。白髪もちらほら…カラリングをさぼってはいませんか。 ■ポイント2.ムダ毛ボーボー 恋人・夫婦仲相談所に寄せられる、妻たちのお悩みトップ3、それは「夫の浮気(キャバクラ、風俗を含む)」、「セックスレス」、「ED」です。そしてムダ毛は、夫の「その気」を根こそぎ奪ってしまいます。 「どうせ今日はセックスしないし」などと肌をさらさないことを前提に、お手入れを怠ってしまう。ムダ毛そのものよりもむしろその図太さこそが、夫から女性として見られなくなる大きな原因になってしまいます。 ムダ毛ボーボーモンスターは、ゴムがゆるくなったパジャマ、ヨレっとするまで履きふるしたパンツを履いているのとイコールとみなされます。 夫婦間に「男女の緊張感」がなくなると、夫婦の寝室事情は大打撃を受けることをお忘れなく。図太くなってはいけません。 ■ポイント3.どこでもジャージ とにかく「楽チン」を重視して行動している妻は、自分のおばさん化を疑わなければなりません。 「楽チン」だから、いつでもどこでもジャージ姿。ジャージで外出までしてしまう。さらに、お腹まわりが「楽チン」な服ばかり着ていると、ウエストサイズの変化にも鈍感になり、おデブ系モンスターへまっしぐらという恐ろしい事態に。 ジャージなどは運動着であって、普段着でも寝間着でもないのに、常にジャージでフラフラ…これでは女性らしさも色気も、これっぽっちもありません。 ゴムのスカートやパンツもニアイコールです。ゆるい服を着始めると、動作と言葉ががさつになります。男が抱く気も失せる男っぽい女性。体育会系モンスターに…。 ■ポイント4.三段腹 もとはスリムな女性であっても、妊娠・出産によりお腹のお肉が増え、緩んでしまうのは避けられないこと。 けれども出産後半年を目途に、できる限り体型を戻す努力を怠らないようにしてください。これを意識して行わないと、あっという間に取り返しのつかない状態になってしまいます。 セックスレス状態に陥ると、満たされない性欲の代わりに食欲を満たすという行動に走る妻が非常に多いのですが、それは負のスパイラルに飛び込む行為。 「出産してから太りやすくなった」といった言い訳やスナック菓子から身を遠ざけて、スタイルをキープしましょう。 注釈:「ぽっちゃりした女性にしか萌えない」というタイプの旦那さんもいます。そこは夫の好きなタイプを見極めて、微調整してください。太めではあるが、ウェストのくびれはあるというのがかなり重要です。 ■ポイント5.楽だからショート 女性が長い髪をかき上げる色っぽい仕草を好む男性は多いもの。しかし妻たちの中には、育児が始まった途端「楽だから」と、自慢だったロングヘアをバッサリとショートにしてしまう人がたくさんいます。 おばさん化の兆候である「楽チン」。「楽チン」を重視して物事を選択する妻たちの耳に、「髪、切っちゃうの?」、「僕はロングヘアが好きなんだけど…」という残念そうな夫の声は届きません。 「だってショートのほうが楽だから」、「私の髪なんだから、どうしようと私の勝手」と、夫の好みや意見をバッサリ切り捨てて我が道を行くエゴイズムは、まさにモンスターワイフのそれです。 注釈:吉瀬美智子さんや吉高由里子さん、新垣結衣さんは短いじゃないか。はい。美しい小顔女優さんは別世界の女性と思いましょう。言いたいことは、夫の好みを無視するのはかわいそう、ということです。 以上がビジュアル系モンスターワイフの例の一部ですが、いかがでしょうか? 「そう言えば私も…」と、あなたをドキッとさせるモンスターはいましたか? 真の問題はビジュアルの背後で病む精神! 「ビジュアル系モンスター」だけに外見に焦点を当ててご紹介していますが、外見以上に問題なのは、モンスター的外見の背後にあるその精神です。 「子どもがいて忙しいんだもの、自分のお手入れどころじゃない。キレイになんてしてられない」という、開き直った怠惰な態度。 「楽チンが一番! 今さら夫の目なんか気にしたって…」という、夫の気持ちや意見を無視したエゴイズム。 これこそが夫たちを大きく失望させているのです。実際夫たちから話を聞くと、「外見のモンスター化はまだ我慢できる。耐えられないのは内面のモンスター化」だといいます。 そこで次にご紹介するのは、「メンタル系モンスター」です。「ビジュアル系モンスター」以上にあなたを震撼させること間違いなしですが、自分と向き合うことから逃げてはいけません。 どうぞ自分の胸に手を当てて読み進めてください。 三松さんの著書 『モンスターワイフ ― 幸せなふりはもうしない』 (講談社)は、ウーマンエキサイトページのプロフィールから。
2017年09月18日寄せられる数々のお悩みから、女性側にドス黒い闇の共通点があると感じる「恋人・夫婦仲相談所」所長・三松真由美さん。彼女たちに共通する闇とは? 全ての既婚女性に送る、女性がうちに秘めるモンスターの実態を解明します。 「モンスターワイフ」という本を書いた理由 夫婦仲相談所に寄せられるお悩み相談を読んだり、対面相談に来られるかたの様子を見つめていると「わかる、あなたの気持ちは痛いほど伝わります…」とうなづいて共感する反面、心の闇の奥底にひとつ、漆黒でカチコチに固い玉のようなイメージの「怖さ」を感じ取ることがありました。 夫と平和に暮らしたいのに、新婚の頃の仲良い二人に戻りたいのに、どんどん夫と遠ざかるジレンマ。鬼気迫る様子…。私の目の前で、きれいな奥さんが子供のように声をあげて泣いている。 でも、旦那さんは、この苛立ちが、少し怖くなっているのではないだろうか。だから、距離を置こうとする。会話がなくなる。表面的な気遣いしかしなくなる。この「怖さ」に自分で気づいてもらうには? とずっと考えていました。 そして、言葉は強くなりますが、夫とうまくいかない妻の心のなかには小さなモンスターが生まれ始めていると表現しました。それが拙書『モンスターワイフ ― 幸せなふりはもうしない』(講談社)を書いた理由です。 わかりやすく伝えないと、悩める妻の方々は「すべてを夫のせい」にしてしまうのです。「私も悪いところがあるんですけど」という枕詞に「ほんとにそう思ってる?」と問い返したくなるほど「夫だけが悪い」の迫り方。 そこに気づいてもらいたくて、モンスターというとんがった表現にしました。 だれでも「モンスターワイフ」に変身してしまう危険性 『モンスターワイフ ― 幸せなふりはもうしない』を出版し、10年経った今でも「ものすごい衝撃を受けました」、「人生が変わりました」という読者の皆さんからの声が寄せられています。 「モンスター」だなんて、ひどい言われよう…と思われるかもしれません。しかしどんな妻も、「モンスターワイフ」に変身してしまう危険性を孕んでいます。 もちろん私自身もモンスターワイフでしたと、著書の前書きで猛省を伝えました。そう、どんな女性でも多かれ少なかれ潜む「イヤな女」の部分。 これが暴走を始めた時、妻はモンスターワイフに変身し始めるのです。 モンスターを退治して封じ込めよ 不幸な結婚生活を送っていると思っている妻たちは、「かわいそうな私」像に気を取られ、「被害者」たる自分の短所は棚に上げてしまいます。そして夫ばかりを責め立てます。 けれども問題をすべて相手の責任にして、相手を責めてばかりいては、状況は悪化する一方。問題を解決するためには、自分が変わるべき…というのは自己啓発書でよく目にする表現ですね。 しかし、これは軟弱な表現です。私的表現は「モンスターを退治して封じ込めよ」です。自分のうちに秘めたモンスターは何か?と目を向けるほうがわかりやすいです。 自分の中にいるモンスターは何だ!を知り尽くす。自分のどこを変えるべきか、そこをしっかりと具体的に認識しないまま、ただ漠然と「変わらなきゃ」と思っても、夫婦仲改善に向けての成果が上がるはずがありません。 そしてモンスターがいなくなり、エンジェルが飛び始めれば夫婦関係も幸せなものへと戻ってゆきます。 自分の中の「モンスター」を発見することが、夫婦仲改善の最初の一歩 夫婦仲がうまくいかず、改善のための努力を続けている妻はたくさんいます。 そして残念ながらその多くが「一生懸命頑張っているのに、何の変化もみられない」と感じ、そうした妻たちの苦悩が、私が運営する夫婦仲相談所に続々届いています。あきらめる直前で夫婦仲相談所を見つけてくださるので、内容はかなりヘビーなものばかりです。 たしかに悩める妻たちは、努力を重ねているのです。女性誌を参考に「キレイな奥さん」を目指したり、夫の心を惹きつけるセクシーさを身につけようとしてみたり、家事を完璧にがんばったり。 けれども夫の愛を遠ざける「モンスターワイフ」と化してしまった妻の「努力」は、夫の目にはモンスターの悪あがきにしか映りません。だから当然、夫婦仲は改善されない。 すると妻たちは「私はこんなに頑張っているのに!」と苛立ち、さらにモンスター度を増していくという悪循環。だからこそ、自分の中のモンスターの卵を発見し、退治することが第一なのです。 なぜそう言い切ることができるのか? 現在、再婚してラブラブの生活を楽しんでいる私ですが、最初の結婚では大失敗を経験しました。当時の自分を振り返ってみて思うのです。あの頃の私は人間らしい優しい気持ちはありませんでした。 自分のことや相手の状況を客観的に分析できる冷静さを失ったモンスターだったのだと。いま思えば、ひどい言葉を吐き散らし、怒り、不満げな顔を見せつけ、愚痴を言い、つねに不機嫌な妻でした。 自分自身の苦い経験を踏まえ、長年にわたり多くの妻たちの相談にのる中で私が生み出した概念、モンスターワイフ。 嫉妬心、猜疑心、依存心、エゴイズム、怠惰、無責任、無知、未熟さ、粘着質、見栄…こういったものが、モンスターワイフの卵です。 こうした卵から生まれる典型的なモンスターワイフの具体例を、以降ご紹介していきます。 あなたはモンスターワイフになっていませんか? あるいは、モンスターワイフの卵を抱え込んでいませんか? 「私は大丈夫?」と、ぜひ自分で自分をチェックしながら読んでみてください。 三松さんの著書 『モンスターワイフ ― 幸せなふりはもうしない』 (講談社)は、ウーマンエキサイトページのプロフィールから。
2017年09月17日最後にご紹介するのは、非常に不幸な結婚生活を送ってきたにもかかわらず、「子どものために…」と離婚に踏み切れなかった女性のケースです。子ども側の意見を聞き出しました。 H美さん:子どもの存在を理由に離婚に踏み切ることができなかった女性の娘 どれほど切望していても離婚を決断できない理由として、多くの女性が挙げるのが「子どもがかわいそうだから」というもの。 けれど望まない結婚生活を続けることが、果たして本当にお子さんのためになるのでしょうか? 「子どものために」と離婚を選択しなかった女性のお嬢さんからお話を聞くことができました。 「あなたがいなければ離婚してたのに」と言われた子どもの苦しみ H美さんはいわゆる結婚適齢期の女性。整った顔立ちにスラリとした長身、仕事もできる素敵な女性です。 彼女の父親は大企業で重要な役職に就き、いつも忙しい方だったそうです。母親はというと、夫は滅多に家にいないし娘も優秀で手がかからないからと、長い間趣味の世界に生きていました。 ところが父親の役職が変わって長期出張や単身赴任がなくなり、家で過ごす時間が急に長くなり母親にとって非常に大きなストレスになりました。 週末、あまりに露骨にイライラしているので、父親は身の置きどころに困り、好きでもない散歩にできるだけ出かけ、近所をブラブラしては申し訳なさそうに帰って来るようになります。 そんな家庭の雰囲気がとてもイヤだったというH美さん。一番イヤだったのは母親が娘であるH美さんに、結婚生活に関する愚痴をこぼし始めたことだと。 「パパが家にいるようになって、憂鬱で仕方がないわ」、「また単身赴任してくれたらいいのに」。「顔もみたくない」そしてH美さんにとって聞くのが最もつらかった言葉はこれです。 「あなたがいなければ、パパとなんてとっくに離婚してるのに」 親が子どもを愛するのと同じくらい子どもも親を愛しています。大好きなママが自分のせいで不幸な生活に甘んじていると知ったら、子どもはどれほどつらい思いをするでしょう。 「親が不幸なのは わたしのせい?」 実家から十分通勤できる距離の会社に就職したH美さんですが、両親の間の不穏な空気と頻繁に聞かされる母親の愚痴に耐えられず、就職と同時に実家を出ます。 大人になった現在のH美さんは「母はいつも、離婚をしないのは私のためだって言ってましたけど。こうして私が自立した今でも、『大嫌いな父』と一緒に暮らしているんですよ。子どもがどうこう以前に、結局自分一人で生きていく覚悟がなくて、離婚に踏み切れないだけなんじゃないでしょうか…」とため息をつきながら言います。 「あなたさえいなければ離婚している」。母親から子どもに向けられる言葉として、これは反則というべき言葉です。けれどH美さんのお母様もわざわざ娘を傷つけたくて言っていたわけではなく、不満だらけのつらすぎる結婚生活が、彼女にこんなことを言わせていたのでしょう。 親の結婚ネガティブ思考は子どもに伝染するかもしれない 母親の不幸な結婚生活は、H美さんの心の深いところに影を落としました。 若くてきれいで頭も良いH美さんですが、真剣にお付き合いをした恋人は一人もいないといいます。現在も交際相手はおらず、結婚願望もなし。 「でも、きれいだねって言われるでしょう?すごくモテるんじゃない?」と聞くと、「外見や仕事について褒められたり、食事に誘われたりすることはありますけど…でもなぜか、それ以上のことはないんです、本当に全然」とのこと。 彼女は自分の恵まれた資質を鼻にかけて、ツンケンしているタイプの女性ではありません。非常に礼儀正しく、むしろ腰が低すぎるくらい低い印象です。それでも彼女の「(親密な交際は)本当に全然ない」という言葉を聞いて、何となく分かる気がしました。 礼儀正しく友好的な彼女ですが、心のパーソナルスペースが広く、人を自分の心の深いところまで立ち入らせない印象です。特に男性は近寄りがたいのではないかなと感じました。 身近な男女関係がボロボロだと恋する気持ちが萎えるのか H美さんは幼い頃から一番身近にあった、最も近い男女関係である両親の関係に絶望しており、だからこそ恋愛や結婚といったものに希望を持てずない。「恋も愛も男もいらない」という男性に近寄るスキを与えない雰囲気を放っているのではないかと思いました。 若く美しい女性が、恋愛やその先にある結婚にまったく希望を持てずにいるというのは、何とも悲しい話です。それでも彼女のお母様の「子どものために離婚しない」という選択は正しかったと言えるでしょうか? このケースとは逆に、離婚後幸せな再婚を果たした女性のお子さんが自分の実の父親とだけでなく、自分の母親を幸せにしてくれている母親の再婚相手とも良い関係を築いている例も私は知っています。 そしてドキッとする事例ですが、子どもの頃から両親の不仲を見ていたので自分を求めてくれる男をすぐ好きになってしまう、セックス依存症になってしまった女性の話も多数聞いています。 「ママはパパに指一本触れられたくないって言ってたけど、私はそんなみじめな女になりたくない!」という言葉を聞きました。 「夫との生活は不満だらけだけれど、子どもがいるから離婚など考えられない」そう思って夫を憎みながら日々を過ごし、老いてゆくかたは熟考の余地ありです。 将来、子どもが恋愛に夢を持たなくなるor派手な男女関係を求める可能性もあるということです。 ○離婚をしないのは、本当に子どもが不幸になると確信しているからか ○自分がその後の生活、世間体に不安を抱いているだけではないのか ○精神的に不幸な結婚生活を続けていくことが、本当に子どものためになるのか ○子どもに「あなたもママみたいな恋をして幸せな結婚をしなさい」と背中を見せることができるか 慰謝料・養育費など経済的なこと、仕事のこと…課題は山積みです。しかし、そこに目をつむるとポジティブ離婚は逃げてゆきます。 以上、4回にわたり『ポジティブな離婚』の実例をご紹介してきました。 離婚というとつい、離婚後の生活の変化や経済的な問題、もう一度「おひとりさま」になること、「バツイチ」になること、子どもへの影響等々、ネガティブな想像ばかりしてしまいがちです。 けれど離婚を新たな幸せへの第一歩とすることができるケースもたくさん存在することを、決して忘れないでください。 離婚はもちろん大変な作業ですが、そこを通過してこそ得られる大きな幸せがあなたを待っているかも知れないのです。 三松さんの離婚&再婚に関する著書『堂々再婚』(WAVE出版)は、ウーマンエキサイトページのプロフィールから。
2017年09月03日今回は前回ご紹介したA子さんとSさんのケースとは異なり、結婚前から二人の間に問題があることが認識されており、それを克服するために努力したものの、力尽きてしまった女性のケースをご紹介します。 Rさん:結婚したら忍耐がつく!と思うなかれ。我慢できないものは我慢できない Rさんの場合は、結婚前から自分の結婚生活のネックになるであろう要因を認識していました。二人の生活スタイルが真逆なのです。 Rさんは仕事でもプライベートでも世界中を飛び回る生活。対する夫は郊外のマイホームで、妻と二人の子供と落ち着いた幸せな家庭を築くことが長年の夢。 「家のことは僕がするよ」は本当か 自分は彼の夢を一緒に叶えていける妻になれるだろうか…Rさんは不安に思っていました。それでも熱烈な恋愛の末に「家のこと、子供のことは、僕ができるだけ頑張るよ」という彼の言葉に背中を押され、ついに結婚に踏み切ります。この駆け引きは、一般的に女性ほとんどが陥るプロポーズです。 庭付き一戸建ては、閉じ込められたラプンツェルの塔そのもの 結婚後すぐに、二人は一軒家を購入。「僕の夢だから」と新居にかかる費用は夫のほうが多く負担してくれました。 Rさんも以前のように気ままに旅行三昧というわけにはいきません。また都市中心部のコンパクトなマンションでの生活に慣れ切っていたRさんにとって、郊外の庭付き2階建ての維持は、夫がかなり頑張ってくれたとはいえ、想像以上に時間もエネルギーも奪われる作業でした。 そして、夫の最大の夢である子供の問題。なかなか子宝に恵まれないRさんは、不妊治療を始めます。 それまで以上に時間とエネルギーを奪われる毎日。そこに夫の期待に応えたいというプレッシャー、さらには孫を心待ちにしている夫の両親からのプレッシャーまで加わることに。 夫と義父母からのダブルプレッシャーは妻を4倍疲弊させるものです。Rさんには次第に夫の夢のお城が、自分を閉じ込める牢獄のように思えてきます。 家や庭の手入れに追われる。孫の誕生を待つ夫の両親に作り笑いを浮かべる。Rさんは独りぼっちになったような気がしていました。 相手を好きだという気持ちだけでやっていけると思っていた結婚生活。フタを開けてみれば思ったよりもずっと大変で我慢の連続。 子供に恵まれず、そのせいで夫の両親のみならず、夫までもが自分を急き立てる敵のように見えることになるとは。 アクティブな国際派のRさんと、穏やかで幸せな家庭を何よりも望む旦那さんとの結婚は、うまくいくのだろうかと仲間内でも心配されていました。 このまま結婚生活が破綻したら「ほら、やっぱりね!」「だから言ったのに…」と、みんなに愛想を尽かされてしまうのではないか。Rさんはどんどん自分を追い詰めてしまい、うつ状態に陥って専門家のカウンセリングを受けるようになります。 このままでは自分が自分でなくなってしまう…Rさんはついに離婚を選択。 同じ生活スタイルの男性が出現 離婚はRさんを心身ともに疲弊させましたが、それでもようやく再び自由の身になった時、Rさんは自分の人生を取り戻した安堵感で一杯になったといいます。 もう一度自由に生きることができればそれだけでいいと思っていたRさんですが、離婚後しばらくして素敵なパートナーが現れました。 彼はRさんよりひと回り年上の離婚経験のある男性で、Rさん同様仕事に旅行にあちこち飛び回るライフスタイルを愛する人。結婚や子供を持つことに特別な憧れを抱いておらず、Rさんにプレッシャーを与えることもありません。 現在二人は同棲という形を取っていますが、彼とならいつか再婚という話になってもいいとRさんは考えています。 「好き」という気持ちが永遠に継続するかは心がけ次第 相手を好きだと思う気持ちだけで結婚に飛び込むことはできるかも知れません。しかしその最初の気持ちだけで結婚生活を維持していく夫婦はわずかです。 夫婦は運命共同体。二人を取り巻く環境変化やアクシデントに「好きだから」という気持ちはしぼんでゆく場合があるのです。 二人の間での選択や決断が、自分の人生にダイレクトに影響を及ぼします。夫婦として家族になった以上、相手の家族が自分の人生に立ち入ってくることも避けられません。 そして、そうした状況が結婚前の想像をはるかに超えて困難なものである場合、Rさんのように精神の不調につながってしまうことも。 またRさんのように真面目で責任感の強い人ほど、「自分で考えて自分で決めた結婚なのに、離婚を選んだりしたらまわりに何と思われるか…」と思い悩んでしまう傾向があります。 けれど人にどう思われるかをどれほど気にしても、他人はあなたが苦しんでいる責任を取ってくれるわけでも、あなたを幸せにしてくれるわけでもありません。 世間体は捨てる! 自分にとってよりよい未来を追求することを選択してください。 離婚&再婚に関する著書『堂々再婚』(WAVE出版)は、ウーマンエキサイトページの三松さんのプロフィールから。
2017年09月02日相手への“妥協”を我慢と捉えるか、「まあいいか」と流せるかが大きな分かれ道となります。 前回 に引き続き、次の幸せをつかむための投資となるポジティブな離婚についてご説明していきます。 A子さん:インドア派vsアウトドア派、最初は合わせていてもずっとは辛い A子さんとSさんご夫妻は学生時代から交際しており、就職とほぼ同時に結婚しました。 物静かで優しい夫と明るくフレンドリーな妻A子さんの結婚生活は、はじめの数年間はうまくいっていましたが、次第にお互いに不満を抱き始めます。 夫の趣味は一人で楽しめるインドア派ものが多く、対するA子さんの趣味は大勢で賑やかに楽しむものばかり。夫の趣味の中にA子さんが興味を持てるものはなかったので、夫が妻の趣味に付き合うという形が自然にでき上がっていました。 それでも学生時代や社会人経験が浅いうちは、自由に使える時間がまだ十分にあり、そうしたライフスタイルを続けていくことが可能でした。 しかし会社で重要な仕事を任されるようになった旦那さんは、もっと勉強のための時間が欲しいと考えるようになります。また忙しい仕事と勉強の合間には、自分の趣味を楽しんでリフレッシュしたいという思いもありました。 そんな夫の変化に妻のA子さんはショックを受けます。いつでも自分のために時間を割いてくれ、自分の趣味に付き合ってくれた理想の夫が、別人のように変わってしまった。 それでも夫との時間を大事にしたいA子さんは、自分から夫の趣味に付き合ってみることにしました。けれどもやはり、楽しいと思えません。 彼女のそんな思いは旦那さんにも伝わり、一緒に楽しむ時間はなくなりました。一緒に時間を過ごそうとすればどちらかが大きな妥協を強いられるという現実を、認めざるを得ない状況に。 またちょうどその頃、二人の間に大きな問題が持ち上がっていました。 子どもはいらないということで長年合意していた二人ですが、友人たちに次々に子どもが生まれ、自身の年齢を切実に意識し始めたA子さんが突然、子どもが欲しいと言い出します。 旦那さんのほうは寝耳に水で、仕事に勉強、自分の趣味に、妻の趣味にも付き合わなければならないし…と、ただでさえ大忙しなのに、さらに育児が加わった生活など想像もつきません。 互いに憎み合っているわけではなかったので二人は長い間悩みましたが、結局子どもの問題が決定打となり、夫婦は離婚を選びました。 離婚後の二人 その後二人はどうなったか。 長い付き合いのパートナーと別れてさぞ落ち込んでいるだろうという周囲の心配をよそに、二人はともに、程なくして新たなパートナーに出会いました。 そしてA子さんは、トントン拍子に念願のママに。 旦那さんのほうも、彼の仕事にも趣味にも協力的な女性と再婚。そんな彼女とは未来のビジョンの共有も非常にスムーズだったそうで、今では良きパパになっています。 離婚から二人が学んだこと 元仲良しカップルのA子さんとSさんが自分たちの結婚の結末から学んだことは、まったく同じことだったそうです。 ○一緒にいるために妥協しなければならないことが多すぎる関係は、長くは続かない ○自分がどうしても譲れないものがハッキリ分かって、パートナーに求めるものが明確になった 最初の結婚から得た教訓があったからこそ、二人には次の幸せへの最適・最短ルートがクリアに見えており、だからこそすぐに幸せな再婚をすることができたのでしょう。 こうしたケースは比較的若いうちに結婚したご夫婦や、結婚後に夫婦のどちらか、または双方が人生の大きな転機を迎えたご夫婦によく見られます。 人は変わります。環境も変わります。自分も相手も変わっていきます。 そして変わった自分と相手が一緒にやっていこうとした時に妥協せねばならないことが出てきます。「妥協」=「すり合わせ」です。目をつぶって相手を優先する。 妥協によって、一方に“我慢”という意識が芽生えます。この積み重ねを不満のかたまりにするか、“我慢”と思わず昇華できるかで大きく変わってきます。 離婚を望むかたの言葉で定番があります。 「私だけが我慢してきた」 「僕はずっと目をつむっていた」 “我慢”になると限界が見えてきます。 妥協が自分と相手の人生を苦しいものにしてしまうものならば、二人の関係を解消して、それぞれが望む未来を追いかけたほうが、グッと幸せに近付けます。 次にご紹介するのは、二人の間の問題を認識していながら結婚に踏み切るも、結婚生活の現実の重圧に耐え切れなくなってしまった女性のケースです。
2017年08月27日私は「恋人・夫婦仲相談所」の所長として、相談者の皆さんに日々さまざまな角度から夫婦仲改善のためのアドバイスをしています。皆さん、離婚ではなく改善を目指して訪ねて来られます。 お話を聴いていると、中には関係改善を目指すのではなく、夫婦関係の解消という道を選択したほうがお互いに幸せになれるかもしれないと推測できるご夫婦もいらっしゃいます。 ポジティブな離婚!? 次の幸せをつかむための『ステップ1』としての離婚ととらえる 夫婦の3組に1組が離婚するという現実もあり、離婚に関するネガティブなイメージは一昔前よりもだいぶ薄らいできたように思います。 それでもいざ自分自身の問題として、離婚を考えるようになったら…その時にはきっと、離婚後に起こりうる問題、デメリットばかりを想像してしまい、離婚によって手に入れることができるかもしれない幸せな未来やメリットは打ち消されてしまう方が多いです。 私自身2度の離婚を経験しています。様々なことを学習し、猛省しました。現在は3度目の結婚をして、とても幸せな毎日を送っています。まさにポジティブ再婚成功者です。 そんな私から、離婚を選択したほうが幸せになれた方、つまり『ポジティブな離婚』を選択された方の例をご紹介したいと思います。 Jさん:「手がかからない女だと思って結婚したのに…」と 言われた女性 Jさんは仕事熱心で、プライベートではかなりドライな感覚の持ち主でした。 結婚についても、「長い人生何が起こるか分からないので、いざという時に助け合える相手がいたほうがいい」と考え、まだ若いうちにいわゆる『3高』男性との結婚をあっさり決めました。 旦那さんはいつも仕事で忙しく、二人で過ごす時間はほとんどありませんでしたが、Jさん自身仕事が充実しており、友達が多く実家との行き来も多かったので、「結婚なんてこんなものだろう」と思っていたそうです。 ところが旦那さんの転勤でまったく馴染みのない地方に引っ越すことになり、新天地でJさんが見つけた仕事は以前ほどやりがいのあるものではなく、以前ほど忙しくもありません。 友達とも実家の家族とも遠く離れて、それまでに感じたことのない寂しさに悩まされるようになったJさん。 新生活について、新しい仕事について、自分が抱える寂しさについて、一緒に暮らしている旦那さんに相談したくても、彼は自分の仕事で手一杯。 話を聞いてもらおうとしても邪魔者扱いされ、「手がかからない女だと思って結婚したのに…」などと言われてしまう始末。 そうこうしているうちに妊娠・出産についても考えなければならない年齢になってきたJさんがそうした話題を切り出しても、「こんなに忙しいのに、子供なんて考えられない」の一点張りで、話し合いに持ち込むことすらできません。 そしてようやく、Jさんは気づきました。 「私は自分の話を聞いてくれる人、困った時や悩んでいる時に、味方になってくれる人を求めているんだ! 今後そういう人とめぐり会えるかどうかは分からないけれど、一緒に暮らしていながら私の存在を無視し続けている夫と夫婦でいるよりは、一人になったほうがずっと寂しさも惨めさも小さくなるはず」と。 仕事で忙しく、家で過ごせる時間が限られることは仕方がないにしても、困っている妻の話に耳を傾ける気がまるでない夫。そのことがはっきりと分かったJさんは、離婚を選びました。 その後地元に戻り、再びバリバリ仕事を始めたJさん。しばらくすると素敵な出会いがあり、今ではお子さんにも恵まれ、とても幸せそうです。 もしもJさんが ○私の結婚生活はまったく幸せなものではないけれど、経済的にラク ○もう若くないし、『バツイチ』って言われちゃうし、世間体が悪い ○子供にパパがいないのはかわいそう ○離婚したところで、幸せな未来が待っているわけでもない と、自分の不幸な現状に甘んじる道を選んでいたら? 彼女の今の幸せはあり得ません。 Jさんの離婚はまさに、『ポジティブな離婚』の好例と言えるでしょう。 自分が何を食べたいのかきちんと認識しないまま、何となくお蕎麦屋さんに入ってしまった。入ってみてから、自分はカレーライスが食べたいんだと気付いた。 お蕎麦屋さんでどれだけ待ったところで、カレーライスは出てきません。 自分の望むものが手に入らない場所で延々不満を募らせよりも、自分が本当に欲しいものを探しにその場を後にしたほうが、幸せな未来への『足がかり』になることは言うまでもありません。 次回は結婚前にお互いのこと・お互いが求めているものを理解していたものの、時が経つにつれて夫婦としてやっていくことが難しくなってしまったご夫婦の例をご紹介します。
2017年08月26日夫婦喧嘩がつのりつのって大喧嘩に。そしていつの間にか、喧嘩をするのも馬鹿らしくなり「夫はただの同居人」なんていう事態にならないように、 前編 から引き続き、夫婦喧嘩を建設的な話し合いに変えるためのコツをご紹介していきます。 感情的にならない 感情が高ぶってくると、つい声を荒げてしまいがち。すると相手も負けじと声を張り上げるようになり、意見交換のための「話し合い」だったはずのものが、いつしか「怒鳴り合い」に…こうなってしまうと、冷静に意見を交換することなどできません。 また相手への暴力や物に当たるのは、言うまでもなく厳禁です。一方が他方を威圧するような雰囲気の中で、お互いを理解することなど不可能です。 こうした事態を避け、夫婦喧嘩を単なる傷つけ合いに終わらせないために、お互いヒートアップしてきたなと感じたらタイムアウトを取るようにしましょう。 一度喧嘩を中断してお茶を飲んだり、深呼吸をしたり。相手を目の前にしているとどうしてもイライラが治まらないという場合には、トイレや洗面所に一時避難所したり、キッチンで額に氷を当てたりするのも一つの手でしょう。 喧嘩にもコーヒーブレイクを設ける。「ちょっと、駅前のスタバに行かない?」と場所替えを提案するのもありです。外に出ると、気分が変わります。 芋づる式に他の問題を持ち出さない 喧嘩の真っ最中に平静を保つのは、なかなか難しいこと。 ましてや自分が相手に責められている気分の時には、「あなたがそれを言うなら、こっちだって言わせてもらいますけどね!」と、売り言葉に買い言葉で、相手を非難するために現在進行中の喧嘩には関係のない問題まで持ち出してきたり、過去の問題を蒸し返したり。 『戦況』が自分にとって不利になってきた時に、やってしまいがちな行動です。 でも、夫婦喧嘩を『戦い』ではなく意見交換の場とすることを、いつも心に留めておいてください。 自分はこの喧嘩の中で、何を相手に伝えたくて、どんな問題を解決したいと思っているのか。その点に意識を集中するようにします。 感情的になればなるほど、さまざまな不満を一度にまくし立ててしまいそうになりますが、それでは相手の心に響きませんし、問題の解決につながりません。 お互いに不満をぶつけ合って不機嫌になるだけで、喧嘩は徒労に終わります。そして問題は解決されていないわけですから、遅かれ早かれ同じような喧嘩を繰り返すことになります。 いつも喧嘩ばかりしているご夫婦は、このパターンに陥っています。1つの喧嘩にテーマは1つ。これをいつも心がけましょう。 夫婦喧嘩中でも「聞き上手」 どれだけ自分の主張が正しいと思える時でも、それを一方的にまくし立て、ぐうの音も出ないところまで相手を追い詰めるのは、有意義な夫婦喧嘩の作法に反します。 こうしたやり方でいかに自分が正しく、相手が間違っているかを見せつけ、相手を完膚無きまでに論破したところで、相手の反発を招くだけで、理解や共感は得られないからです。 繰り返しになりますが、夫婦喧嘩は意見交換のチャンス。 自分の主張を一方的に押し付けるのではなく、相手にも発言の機会を与え、きちんと相手の言い分に耳を傾けましょう。そして自分が聞き手に回る時には、相手の話の腰を折らず、最後まできちんと聞く『聞き上手』に徹することが大切です。 そうすることで喧嘩の最中であっても、相手は自分の意見が尊重されていると感じることができ、無益な罵り合いに陥ることを避け、有益な話し合いを展開することができるのです。 夫婦喧嘩後は気持ちを切り替えて 自分の意見を話し、相手の言い分も聞いて、問題の解決案も見つかり、喧嘩は一応の終結をみたとします。 それでも、喧嘩中に自分が責められたような気分になったことや、自分の主張を全面的に通せたわけではないことを思い出し、いつまでもイジイジと根に持ったり、不機嫌な態度を取ってしまったりすることはありませんか? それではせっかくの有意義な夫婦喧嘩も、その価値が半減してしまいます。 「喧嘩によってまた少しお互いを理解することができた」と、終わった喧嘩を前向きに捉え、新しい気持ちで相手に向き合いましょう。 喧嘩の後は、お互いに何となく居心地が悪いもの。そんな時にあなたのほうからサッパリした顔で明るく接していけば、旦那様も内心ホッとし、あなたのことを見直すはず。 腹を割って話し合った後は、速やかに平常モードに戻る。これも賢い喧嘩のための大切な作法です。 前編・後編と2回にわたって、夫婦喧嘩を有効活用するための作法をお伝えしてきました。 上手な喧嘩で二人の関係の『ガス抜き』をしつつ、お互いの理解を深めていける、永遠にラブラブ夫婦を目指しましょう。
2017年08月16日素敵な男性と出会って結婚する…それはとても幸せなこと。 けれども育った環境も価値観も性別も異なる赤の他人同士が一つ屋根の下で、長期間にわたって生活を共にすることになれば、衝突を避けることはできません。 相手の行動や習慣に「あり得ないーー!」と心のなかで叫ぶこともあるでしょう。宇宙人と暮らし始めるようなものなのです。 現在は、3組に1組の夫婦が離婚という結末を迎える時代です。 愛し合って結婚した男性との関係が、結婚したことですれ違ってくる。恋愛期間と結婚後では、男女間の関係はガラリと変わります。 家族になる使命があるのですから、愛だの恋だのだけでは乗り切ることができない場面が多々出てきます。そしてそのつど衝突が起こります。プチ喧嘩です。 プチ喧嘩がつのりつのって大喧嘩に。そしていつの間にか、喧嘩をするのも馬鹿らしいという無視状態に。こうなってくると「夫はただの同居人」という発言をする妻たちも出現します。 夫婦喧嘩は犬も喰うと思え! プチ喧嘩を放置してはいけません。夫婦喧嘩を通して見えてくる真実があるのです。夫婦喧嘩について知っておきたいことを、一緒に考えてみましょう。 被害者はどっちだ? 問題 日々の暮らしの中でストレスを感じることがあってもそれを相手に伝えず、うやむやにする。小さな我慢を重ねた末に、最後の最後の小さなキッカケによって大爆発! というタイプの女性が増えてきています。 女がキレる瞬間。 「それなら爆発する前に言ってくれればいいだろう!」という男性サイドからの意見が聞こえてきそうですが、女性は「察してほしい」生き物。ついつい「言わなきゃ分からないわけ!?」と反論したくなってしまいます。 また喧嘩になることを恐れて、言いたいことをグッと我慢してしまう女性もいます。あえて口論を避けたいタイプです。 妻の突然の大爆発から始まった夫婦喧嘩では、ちょっとしたことで突然激怒されたと夫は思うのですから自分は奇襲攻撃にあった被害者だというスタンスになります。 妻の方からしてみれば、ずっと我慢してきたのに、夫は自分のつらい状況をちっとも理解してくれない。ずっとイライラさせられてきた自分こそが被害者だ、ということになります。 お互いに自分こそが被害者だと思っている状況では、話は平行線をたどるだけ。このような喧嘩を繰り返していては、夫婦仲は悪化する一方です。 被害者意識はお互い同じくらい持っているものと思いましょう。突然キレられた夫も被害者なのです。 具体的な言葉で不満を説明 夫が妻である自分の思いを察してくれないのは「男女の違いのせい」と割り切って、妻の側からまず一歩、歩み寄るのをすすめています。 女性が男性から何でも理詰めで説き伏せられたら苦しくなってしまうのと同じように、男性にとっても自分には分かりづらいものを分かれ、察しろ、と要求されることは、大きなストレスになるのです。 いきなりドアをバタンと大きな音をたてて閉めたり、お茶碗をドン!と置いたり、家事を放棄したり。怒りのアクションは「やな感じ」をリビングに蔓延させます。 自分が何に怒っているのか、相手の言動のどこが嫌だったのか、態度でイライラをアピールするのではなく、言葉にして説明する。 「私の不満を察してくれないなんて、こいつは私のために努力する気がないんだ」という情けない気持ちが、「私がきちんと話せば夫も理解・改善のための努力をしてくれる!」と、変わっていきます。 一度は愛した異性です。期待しましょう。それでもダメなら、ダメ男を愛した自分がアホだった…と反省するのです。 このように、夫婦喧嘩を価値観も性別も異なる相手との「意見交換」の場とすることができれば、喧嘩も夫婦関係の改善に役立てることができます。夫が嫌がる事、妻が嫌がる事を少しずつ直していけばよいのです。 たとえ喧嘩の真っ最中でも肝に銘じておかなければならない夫婦喧嘩の「作法」をご紹介していきます。 喧嘩の作法1:相手を非難するだけの口撃は避ける 喧嘩がエスカレートしてきて頭に血が上ってしまっても、相手を攻撃するだけの悪口や暴言は避けましょう。まず一呼吸。 お互いの意見を交換することを目的とした夫婦喧嘩なのに、頭ごなしに相手を非難・中傷していては、建設的な会話など成り立つはずがありません。 カッとなって攻撃的な言葉を相手に投げかけそうになった時には、少し冷静になって一呼吸置き、その喧嘩の中で自分が相手に伝えたかったことは何なのか思い出しましょう。 喧嘩の作法2:主語は「私」で喜怒哀楽を伝える そのためには、自分の意見を主張する際に「私」を主語にして話す方法が有効です。 「あなた」を主語にして話すと、「あなたはいつも○○ね」「あなたが○○してくれないのがいけないのよ」などと、相手を責めるような口調になってしまうことが多いのです。 「私はあなたが○○してくれると嬉しい」といった言い方に変えれば、相手を非難するような調子が消えて、不必要に相手を刺激してしまうこともなくなります。 いかがでしょうか?「思い当たる節がある…」というあなたには、喧嘩を夫婦仲改善のツールに変えるチャンスがあるのです。ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてください。 後編でもさらに、喧嘩を有意義な意見交換の場として活用するためのコツをお伝えしていきます。
2017年08月13日パパやママへ実態調査結果をみると、なんと80%以上がパートナーに嘘をついたことあるという結果に! …ですが「相手のことを思いやる嘘」「家族関係が潤滑になる嘘」など、基本は平和な嘘が多いことがわかりました。嘘にもいろいろ種類があるようです。 パートナーに嘘ついたことある? ある 86.4% 5387票 ない 8.5% 528票 わからない 5.1% 318票 ■相手を傷つけないための大人の嘘は許される? 本心を言うと相手が傷つくと予想できる場合「THE大人の嘘」というのが登場します。機転を利かせ、波風をたてないようにする大人の知恵です。 「正直に言うと、相手が怒りそうなときは嘘をつきます」 (鳥取県 40代女性) 「必要な嘘もあるから。円滑に家庭を回すには大ごとでない限りは嘘もありだと思う」(福島県 30代女性) 「夫婦関係にヒビが入るような大きな嘘はつきませんが、ちょっとしたものなら…」(茨城県 40代女性) 「嘘で丸く収まるならいくらでも。うちは安いお肉に裏技をして高い肉だと…(笑)」(東京都 40代女性) ■少数ながら絶対に嘘はNG! の人の意見 夫婦間で隠し事はすべきでないという人は、隠し事が発覚したときの”裏切られ感”が嫌だからとのことでした。最初から全部正々堂々と披露しておこう!というカップル、これはこれで明るくていいですね。また、嘘をつくと表情に出る、おどおどするという嘘が苦手なタイプの人は正直にいくしかないですね。 「嘘を言わなければいけないような後ろめたいことはしていない。気分を害するようなことは敢えて口にしない」 (千葉県 40代女性) 「嘘をついてもろくなことはない。基本嘘はつきません。嘘を上手につけずに顔に出てしまうので、すぐばれてしまいます」 (鳥取県 30代女性) 「優しい嘘が、人を傷つけないと信じてる人って、信用できない。嘘をつき合うことが、夫婦円満だなって悲しいね」(神奈川県 40代女性) ■大きな嘘は離婚につながる可能性大 中には深刻な事態になっているコメントもありました。バレたら関係が終わるような嘘(お金に関すること)は、離婚につながる可能性が高いです。 「しかたなく自分のために嘘ついたことがある。っていうかパートナーにかなり嘘つかれててお金関係でかなり騙されて。離婚してやった。子供は皆私についてきた。」 (北海道40代女性) 「離婚したかったので離婚届を出したと嘘をついた。」(福島県 30代男性) そして、まさに自己啓発本から飛び出たような心に残るコメントはこちら。しみじみします。 「知らないほうが幸せなことはいっぱいある」(千葉県 30代女性) さて、英国で行われた3000人調査では男性は1日に3回、女性は1日に2回嘘をつくという結果が。「今日はそれほど飲んでない」「風呂掃除はもうやった」「このパソコンは安かったんだ」などは男性特有の嘘とのこと。対して女性は「怒ってないわ」「気にしてないわ」という感情のはぐらかしが多いようです。嘘だとわかってもどこまで許せるかは人によって差があると思いますが、細かいことは気にしすぎない方が、夫婦仲にはよいでしょう。 Q.パートナーにうそ、ついたことある? アンケート回答数:6233件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年11月01日リビングのテーブルの上で旦那さんの(または奥さんの)携帯電話が震えています。さあ、どうする?「絶対見ない!」と即答できた人はどのくらいいるでしょうか?「最近、やけに帰りが遅い」「日曜のゴルフってほんとかしら」と少しでも思うところがあるとしたら…。鳴り終わってから「着信履歴かTOPに出る通知画面だけでも見てしまえ」なんていう悪魔の誘いがつぶやかれるかもしれません。 パートナーの携帯電話チェックしたことある ある 49.1% 5728票 ない 48.5% 5656票 わからない 2.4% 283票 なんと、「ある/なし」は半数にきっかりと分かれました。世の夫婦の半数がパートナーの携帯電話を見ているという事実は、不安を感じている人がそれだけ多いということでしょうか? 夫婦仲相談所に寄せられる相談では、主にLINEやSNSで浮気や夜遊びが発覚する傾向があるようです。 ■浮気経験アリの場合はチェックする傾向に これはもはや仕方ないことかもしれません。禊(みそぎ)として携帯電話を見られても、パートナーとの早い信頼回復に努めたいもの。 「浮気の前科があるのでたまにチェックしています。信頼していただけにショックがでかすぎ。夫婦関係、再構築中ですが、疑うのはつらい。不安で潰れそうになったら、少しでも安心が欲しくて携帯を見ます。」 (千葉県 30代 女性) 「前の旦那の携帯は見たことがあります。怪しい行動をしていたので浮気かなと。そして本当に浮気発覚。離婚しました。今の旦那さんのは一度も見たことはありません。見てしまった罪悪感が一番つらいから。だから一生見ません」 (千葉県 30代女性) ■絶対見ない派 「いくら夫婦でもプライベートはプライベート」(愛知県 40代 男性) 「怪しいと思って見て、もし何か合ったら自分が傷つくだけだから。見ないのが一番」(北海道 50 代 女性) 「やはりプライバシーは大事。信頼してるからこそ夫婦円満になると思う。疑うようになったら終わり」 (岩手県40代女性) 「親しき仲にも礼儀あり!自分がされると嫌だからしません」 (滋賀県 50代 女性) 携帯電話を覗いたことによって、不信感を抱かれてしまった人、つらい思いを経験したことがある人、見てしまった自分が嫌になってしまったという人たちは見ることはしないようです。携帯電話を見るということは、他人の手紙の封をはさみで切って読むことと同じ行為。人としてのマナー、プライバシー尊重の基本を考えれば、見ないに越したことはありません。 パートナーのグレーな行動、怪しい外出が気になる場合は携帯電話を見るよりも「堂々と話し合う」が夫婦仲円満継続法としてはGOODチョイス。 ちなみに夫婦仲赤信号がピコピコ点滅した状態と感じたコメントはこちら。 「昔、ホステスの女から連絡が入って大喧嘩。今はどうでもいいので見ません。浮気してても気になりません」 (三重県 30代女性) 逆に夫婦仲花丸と感じたコメントはこちら。 「互いにオープンなので見たり見られたりしてます。やましいことはないので」 (埼玉県30代 女性) 携帯電話をチェックしたくなる気持ち=不信感の芽生えととらえ「あなたのスマホ、覗きたい気分だけど理由わかる?」と見る前に相談してみてはいかがでしょう? 自分がされて嫌な行為、携帯電話をのぞくことをしても幸せにはなれないのです! パパママの本音調査は、平日毎日更新中!
2016年10月12日毎日の食事作り、大変ですよね。さらに夏休みになると、子どものお昼ごはんも増えます。そうめん、焼きそば、レトルトカレー、なんとか手がかからないお昼ごはんを至難の業で考え出し、あっという間に夕食の時間。 ワーキングマザーの場合は「晩ごはんの残りをあたためて食べて」「今日のお昼は買って食べて、お金置いとくね」と猛烈に忙しい朝になります。 主婦業の負担を軽減する外食のメリットとは 次から次へと来る食事の準備に「ゆっくり外食したい!」と思って当然なのです。外食のよいところは普段と違うもの、家では作らないものを味わうだけではありません。 買い物をしなくてもよい 献立で悩まなくてよい 食器やお鍋やフライパンを洗わなくてよい パパでもママでも「ごはんを作る人」にとって、この3大要素は大きなメリットです。特に食後の片づけは、少しビールを飲んでほろ酔い気分になった大人には「一番さけたい家事」になることも。 できれば食べ終わったらゴロンと横になりたい、のんびり家族と会話を楽しみたい、たまに心の底から「外食したい」と思うのです。 しかし、外食はお金がかかります。お財布と相談して「行くべきかあきらめるべきか」厳しい選択をしなければなりません。 Q.「贅沢した」と感じる外食費はいくら? ¥1,500以上 28.7% ¥3,000以上 28.8% ¥5,000以上 34.6% わからない 0.6% 今回アンケートで「贅沢した」と感じる外食費はいくらかたずねたところ、5,000円以上が34.6%でトップでした。各家庭の構成人数でも違いがありそうです。 5人家族ならば、1人1,000円とすると全員で5,000円。コメントではファーストフードでも、まわるお寿司でも5人で行くと贅沢な金額になるとあります。おじいちゃんやおばあちゃんがごちそうしてくれる、ママがフルタイムで働いているのでダブルインカムだからなんとかなるなど、各家庭によって外食費に対するとらえ方はさまざまであることがわかりました。 「5人家族でそのうち3人が男の子なので、ファミレスでも8,000円くらいになってしまい十分贅沢ですが、食べ放題じゃない焼き肉や、回らない寿司屋は「贅沢した~」ですね。」(静岡 40代男性) 「高校3年 中学3年の息子がいます。子どもたちもいろいろ忙しく、そろうことが難しくなってきました。金額もそうですが、そろってゆったりと食事をすることが、贅沢に感じます。外だと話をしてくれたりするので、いいコミュニケーションになっています。」(三重県 40代 女性) 「1週間分の食費の買い物分を、1回の食事で消費したと考えるだけで、贅沢しすぎたと感じます。」(東京40代 女性) 手間が省かれるだけじゃない、外食をすることの喜びはここにある 食事代に代えられない「無形の幸せ」を見出すコメントも特徴的でした。子どもたちがとても喜ぶ。日常とは違う空間で、いつもと違うごはんを食べる。ママはなんだか楽ちんみたいでご機嫌。それだけで子どもはワクワクします。 お寿司が回っていようが止まっていようが関係ありません。100円のハンバーガーでも1,800円のハンバーガーでも家族一緒に出かけていることが嬉しい。家族が喜ぶ顔を見てパパも嬉しいそんなコメントが目立ちました。 外食をすることで得られる子どもたちの社会性 外食は、子どもたちに食事のマナーも教えることができます。また、接客という仕事があることも学びます。年頃の子どもにはアルバイト意欲が芽生えるかもしれません。そして「高いものを頼むとパパとママが困った顔をする」のを察知する能力、気づかいのスピリッツも養われます。プチ贅沢で家族のハッピーと子どもにマナーと気づかいを教える。そう考えると、「外食というイベントのために頑張って働こう! 」と意欲が湧いてくる気もします。 一人5,000円以上なら贅沢と答えた方もいました。これはこれで教育の一環であると思います。知らない世界を垣間見る、高級店の味を知ることで子どもたちが夢を見るきっかけを作る。「子どもたちよ! 仕事をたくさんして、これぐらいの食事を自分で食べることができる大人になりなさい。上質の空間と味を知っておいて損はないんだよ」。こんなことを言える親もかっこいいかもしれませんね。 Q. 「贅沢した」と感じる外食費はいくら? 集計期間:2016.08.23 ~ 2016.08.29 アンケート回答数:6665件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年09月01日この夏、ポケモンGOのアプリ配信が始まり、街の風景がガラリと変わったと実感した人も多いのでは。 夜の公園も駅前の商店街も祭りのような人出。しかも全員スマホとにらめっこ。ある意味、異様な光景です。 13歳以上を対象に作られたアプリですが、こんなおもしろそうなゲームを子ども達が指をくわえて見ているはずありません。 「ママ、僕も(私も)したい」という声が各家庭で聞かれたことでしょう。でも事故や犯罪に巻き込まれては大変。大人としてどう対応するかパパママの意見を聞いてみました。 Q. ポケモンGO、子どもに遊ばせる? 遊ばせる 24.5% 遊ばせない 56.0% わからない・どちらとも言えない 19.5% 遊ばせない人が全体の半分以上に。ゲームに夢中になって事故に遭う、犯罪に巻き込まれるというニュースが日々流れるため、子どもには遊ばせたくないのが保護者心理のようです。 ■歩きスマホ反対! 否定派のパパママが多い? 反対派の理由は「わが子が事故に遭うのを避けさせたいから」という理由が多数。さらに、勉強をせずにゲームに夢中になる。見知らぬ人に狙われる可能性がある。言葉づかいが悪くなるなどの理由があげられました。 「ニュースになるほどトラブルになっているのに、子どもにやっていいよと言えません。楽しいゲームが大参事なったら遊びではすまされません」(茨城県 40代女性) 「明らかに事故を起こす要因があるのに、楽しさだけを理由に子どもたちを危険にさらすのはおかしいと思う。ただでさえ歩きスマホの危険性が高いのにそれを助長するようなアプリには反対」(神奈川県40代女性) 「こんなに歩きスマホが問題視されているのに…。『歩きスマホしてください』と言っているようなものですね~。子どもにどう説明したらよいか悩みます」(東京都 40代女性) 「やらせたくないです。テレビなどで取り上げられているように、事故などが気になります。あまり好印象はもてないですね」(千葉県30代女性) ■ルールを決めて親子でやるならOK 反対に反対ではない派の意見はある一定のルールを設ければやってもいいとの声も。いくつかの声をご紹介します。 「ルールを決めて親子でやってます。もちろん、私の携帯で監視の下やっています。基本ポケモンがいる時はバイブで知らせるので、歩きスマホにならないよう、それまでは画面を見ないこと、周囲を確認すること、道の端に寄って立ち止まることを前提としています。今後も続けるかは分りませんが、気をつけながら楽しんでます」(神奈川県40代女性) 「公園の遊具でも、事故があったら全国の公園からその遊具がなくなるというご時世ですが、私はどんなふうにしたら安全に遊べてどんなことをしたら危ないかをちゃんと大人が教えてあげながら、子どもはいろいろなことを覚えて成長していくものだと思っています。このゲームに関しても、安全に遊べる方法を子どもと考えて楽しく遊べたらいいと思います」(三重県40代 女性) ■重要なのは家族でルールを築けるかどうか 否定派の意見が多い中、ルールとマナーを守れば良いという意見もあります。「親子の会話が増えた」「引きこもっていた子が外に出て遊びだした」などの例も報告されています。さらに東北・熊本の4県がポケモンGOを活用した観光集客に乗り出すことが発表され、ゲームによる復興の後押しが期待されています。 ゲームやテクロノジーは良い面も悪い面もあります。最初から禁止するのではなく「我が家なりのルール」を考えるきっかけになればいいのではないでしょうか。例えば、家庭の方針や事情で禁止したいのであれば「ママもやりたいことひとつ我慢するから」と、親子で一緒に「我慢する力」を養うことも、ひとつの方法かもしれません。 これを機会にポケモンGOとの向き合い方をパパとママで話し合って、各家庭のルールを築いていけるといいですね。 Q. ポケモンGO、子どもに遊ばせる? 集計期間:2016.07.22 ~ 2016.08.03 アンケート回答数:9643件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年08月18日結婚前のお付き合いの期間、夢あふれる時期です。さて、どれくらいお付き合いしてから結婚するのが平均だと思いますか? スピード婚のカップルも目立ちますが人口問題研究所の調査結果では平均4.3年です。「4年!?」と驚く方も多いと思いますが、この「4年」という数値は、私が長年取り組んでいるセックスレス問題では重要な数値です。 以前行った主婦層の性意識調査では結婚後4年以降でセックスレスになるカップルが多いという結果が出ました。また、アメリカの人類学者ヘレン・フィッシャー博士の「愛は4年で終わる」という説も有名です。人は飽きるものなのです。 恋愛ホルモンと呼ばれるPEAは付き合い始めて2年で出なくなるという説もあります。ということは、ラブラブカップルはお互いマンネリを感じる頃に結婚するという起爆装置を抱えていると思いませんか? そしてその飽きる最大の要素に「カラダの相性」があります。男女間の相性の良し悪しの中でカラダ=SEXは重要なファクターです。こっぴどい喧嘩をしたり、ののしり合いをしていてもカラダの相性がばっちり合っていればけんかの後、極上のセックスができます。そして喧嘩魂が沈静化します。年齢を重ねても仲がよいカップルはスキンシップを怠りません。「妻のカラダに飽きた」など思わないのでしょう。結婚前にカラダの相性を確かめておく事はそれはそれは重要なことなのです。 ■カラダの相性ってどういうこと? 数多くのセックスレス問題を解決してきた経験をもとに、二松まゆみ流の分類をしました。 ・肌ざわり 彼女のスベスベの肌に触れているだけで幸せを感じるという男性の声は数多し。女性側も彼の胸板の上に頭を乗っけてあたたかさを感じると幸せです。心地よい肌のあたたかさに直接触れることで人は安心します。とくに男性は自分にはない胸の膨らみに至極の幸福感を味わいます。お互いの肌触りがいいということは必要です。 ・臭い 男女は遠い遺伝子の臭いを好きになるという論文があります。しかし、そんな難しい事は考えずとも「あっ!好きな匂い」「ジンジンする匂いだわぁ」というのは生理的にわかるものです。離婚直前の夫婦は「夫の匂いがある空間にいるだけで虫酸が走る」「妻の匂いがすると鳥肌が立つ」とまでいうほど相手の匂いを嫌います。結婚前に彼の匂いが嫌というかたは、要注意。彼のうなじ、脇周辺に鼻を近づけ、クンクンして確認しましょう。 ・性器官の形 これは持って生まれたものなので変える事はできません。大きさ、角度、位置など…。でも安心してください。スタイルの工夫によってこちらはリカバリー可能です。 ・性の欲求 これが一番やっかいな相性です。私が運営する恋人・夫婦仲相談所に来られる方々には性の欲求が著しく離れているカップルが相当多いのです。これはかなり深い話し合いをして、擦り合わせをしないとラブラブには戻る事はできません。私は「性欲曲線のすれ違い」といっています。なぜしたいのか、なぜしたくないのかを相手に伝えて、理解しなければ平行線のままです。性欲が高い女性と低い男性の組み合わせ、またその逆の場合も、結婚後に同レベルの性欲にするには努力が必要になります。数年セックスがなくなるとあきらめるカップルが非常に多いのが我が国の現状です。 ・性の嗜好 彼とのエッチは最高! と思っていても、じつは彼は本性を見せていないかもしれません。「本当はこんなことやあんなことしたい」という男性の本音を汲み取ることができるような心が広い女性を目指してください。多少のことで驚いてはいけません。 カラダの相性を結婚前に確かめておくのは恥ずかしいことではなく、超重要なことです。結婚式や新生活の話がはずむラブラブの時期にこそしておくべき話題ですので、避けずに明るく話してみてください。もしいま悩んでいる場合は、彼に即刻伝えてください。彼に改善する兆しが見えたら結婚しても大丈夫! そこでドンビキして「女性がそんなことをいうなんておかしい」と拒否するような発言が出たら、いま一度彼との将来は考え直すくらいの勇気を持ってください。年齢を重ねても手をつないで出かけたり、寒い夜に抱きしめてくれる旦那さんを理想とするなら、「カラダの相性」を軽く考えてはいけません。いつまでもハグできる夫婦をめざしましょう。 カラダの相性も確認できて、「彼となら!」と思えた人は、迷わず次のステップに進みましょう。どんなウエディングをしたいのか、話すきっかけ作りにもなるのが、結婚情報サイト「東京ウエディングコレクション」。カラダの相性と同じく、お互いの理想をよく話し合うことは大切。「東京ウエディングコレクション」でステキな将来を描いてくださいね。 ・結婚したくなったら“ウエコレ” 結婚準備・結婚式場選びなら東京ウエディングコレクションにおまかせ! 公式サイト ※出典:人口問題研究所調査 ※参照:「新・抱かない男の見分け方」(スターツ出版)
2015年04月03日慎吾の背中はあたたかい。 右の頬をぴたっと背中にくっつけたまま桃香は唄う。 「メリークリスマス。世界中が今日を祝うスペシャルデイ。私はあなたに伝えたい。愛してる。あなただけ。あなたは私のスペシャル。」 慎吾はじっと動かずに桃香の歌を聴いた。 「あの、桃香さん…桃香って呼んでいいかな」 「うん、もちろん」 「僕のこと、外に連れ出してくれてありがと。桃香がいたから、ボールをまた蹴る気持ちになった。桃香がいたから、専門学校に行って社会人になる覚悟ができた」 桃香は抱きついたままコクっと頷く。 「僕の…僕だけのスペシャルになってください」 紙袋から真っ白の手袋を取り出し、桃香と向き合った。ハアと桃香の冷たくなった手に息を吹きかけ、新しい手袋をつける。そして手袋越しに桃香の手にキスをした。 「まだ指輪ははめてあげられないけど、これが僕の今の気持ち。ずっとそばにいてください」 桃香は、今までのこんがらがっていた思いをやっとひとつにまとめることができた。昨日の揺らいだ自分をちゃんと罰する。もう迷わない。慎吾のために愛の歌を作る。慎吾のために愛の歌を唄うと揺るぎない気持ちが芽生えた。真正面から慎吾の首に抱きつき、 「ありがとう、慎ちゃん」 とつぶやいた。桃香の目から流れる涙が慎吾のうなじに届いた。ふたりを包む冬の空気はキンキンに冷えているけれど、ふたりの心は暖炉が燃えるように暖かい。白いフカフカの手袋の上にはらりと雪の粉が舞い散った。 「桃香はいろんなシーンを歌にするだろ。雪が降って来たクリスマス。僕たちのスペシャルな冬の日の歌を一緒に作ろうよ。僕、唄うから」 「ええ? 慎ちゃん、歌なんか唄えるの? 嘘だあ。ぜったい音痴だよ」 桃香が涙目で笑いながら笑う。慎吾は聞き取れないような小さな声でワンフレーズを唄った。 「白い手袋のように、僕は桃香をいつもあっためてあげる」 粉雪が舞う自由が丘で、桃香は世界一幸せな冬を感じていた。 (完) 【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』】 目次ページはこちら
2015年03月30日クリスマスはどうしてこんなに街が色づくのだろう。 みとれてしまうほどのイルミネーション。キリストの血の色の赤と永遠の命を表す緑を持つポインセチアが自由が丘の軒先に並ぶ。花や靴下や松ぼっくりが飾られたクリスマスリースがワゴンを占領する。 思わず手に取りたくなるようなかわいいキャンドルが棚にズラリと並ぶ。そしてスイーツの街自由が丘。「このシーズンが一番華やぐわ」とデコレーションされたケーキ達が独り言を言っている。大井町線の線路沿いの住宅街。 「慎ちゃん、こんなわかりにくい場所にお店あるの?」 前をスタスタ歩く慎吾の背中に向かって話しかけた。昨夜のわだかまりでもやもやしたまま迎えたクリスマス。こんな気持ちで慎吾の愛にこたえていいのかまだ迷いがある。 「うん、見つけた。ネットじゃわかんないから、ちゃんと下見もしたんだ。駅周辺のレストランは、女子率9割で、なんか恥ずかしい感じだから…」 慎吾が振り向いて答えた。いつものはにかむような笑顔。 「女子率9割。たしかにそうだね。慎ちゃん、そんな街でバイトしてるんだね。仕事場で声かけられたことない?」 桃香が質問すると慎吾は困ったような顔をした。 「…ある。何人も。LINEおしえてって言われる…」 桃香はドキっとした。そうか、慎吾は背も高くて、かっこいい。顔も寂しそうな目元が女性達にはグっとくるものがあるにちがいない。慎吾は自分のことをずっと好きでいてくれるという安心感がチラっと揺らいだ。 そうだ、慎吾に恋心を抱く女性は自分ひとりじゃないんだ、東横線に乗っている人達それぞれに恋物語があるってこの前思ったばかりなのに。 「慎ちゃん!」 桃香は慎吾の背中に急に抱きついた。慎吾は驚いて立ちすくむ。 「どうしたの…周りに人、歩いてるよ…」 人一倍恥ずかしがり屋の慎吾は照れてしまい、どうしていいかわからないような妙な顔つきになる。 (続く) 【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週月・水・金曜日配信】 目次ページはこちら
2015年03月27日「気にすんなよ。慎吾にフットサルは続けるように言えよな。俺、ぜーんぜん気にしないから。あのな、フットサルやってると女子に注目されるから恋のチャンスはやっばいほどあんだぞ。試合の後に応援に来てくれた女子達と飲みに行けるから」 「冬馬…」 「あ、ってことはお前の慎ちゃんも狙われるぞう。あの寂しげな甘い横顔がたまんないって応援団のリーダーが騒いでたから」 「冬馬、ありがと。私、ずっと考えてて…」 「ま、好みの問題だよな。桃香は支えてあげたくなるようなフワっとした男が好きなんだからしょうがない」 「ええ? フワっとした男…? 慎ちゃんがいきなり逞しいオオラオラマッチョになったら、嫌いになるのかなあ?」 「そしたら、俺んとこへ来いよ」 「そんな都合よくいかないよ。冬馬、クリームついてるよ。ここんとこ…」 冬馬のあごを人差し指でつつこうとした瞬間、冬馬が桃香の人差し指を握った。 「ずっと友達ではいてくれよ。練習も試合も見に来いよ」 「…うん。もちろん」 冬馬は最後まで男っぽい。かっこよかった。カフェを後にして、駅まで並んで歩いた。街灯の光は冬になるとやけに冴えてキラっとしている。ふたつの影がくっつきそうでくっつかない距離を保つ。人通りが少ないところで、冬馬が立ち止まった。 「桃香、1回だけ」 「なに?」 「キスしたい」 「え?」 「俺へのクリスマスプレゼントってことで」 立ちすくむ桃香を抱き寄せ、冬馬は唇を重ねた。桃香はとまどったが、なぜか心地よく感じてしまい逃げることができなかった。 「ばか、桃香のばか。なにやってんだ私」 桃香はその夜、また自分を責めた。ラブバージン。男の人に振り回される弱い自分。髪の毛をかきむしり「生まれ変わらなきゃ」と何度も叫んだ。 (続く) 【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週月・水・金曜日配信】 目次ページはこちら
2015年03月25日職場に向かう東横線の中で桃香は旋律を組み合わせながら考えた。 冬馬と慎吾に対するもどかしさを、父親のように音にしたいと思った。周りを見るとむずかしい顔をしたサラリーマン、早起きは苦手で眠そうなOLがつり革を持って立っている。この車両にいる人達もみんな恋に悩んだ経験があるんだろうな、みなとみらいでデートしてる確率100%だろうなと想像する。恋物語を抱えるひとりひとり。そんな人たちが乗り込んでいる東横線は曲作りには最適の空間と思えて来た。 夜、作りかけた曲を部屋にある電子ピアノで弾いてみた。そして気持ちを上に乗せて言葉にしてみた。 「あなたを失うと今の世界の灯りが消える。私の足下をほんのり照らしてくれるあなたのともしび。あなたといると心がほのかに桃色に染まる。Loving you missing you…」 自分の名前と同じ桃色の光に包み込まれた気分になる。うす桃色の光が射す世界で微笑む「あなた」は慎吾だった。 クリスマスの前日、桃香は冬馬が働いているデザイン会社の近所のカフェで冬馬を待った。 冬の日の午後8時。とっぷり黒い闇に包まれ、風が頬に痛かった。カフェでちぢこまった身体をあたため、伝えるべきことを整理した。冬馬が小走りで入って来る。寒い中を走ってきたので頬が赤くなっている。 「おう、待たせた?」 「お疲れさま。あったかいココアおいしいよ。」 「で、明日、俺と過ごすことに決めたって言いに来た?」 本当に自信があるのか、自信がなさの裏返しなのか恋の経験が少ない桃香にはわからない態度だ。もし自信たっぷりなのだとしたら、こんな自信がある男の人と付き合えば頼りになっていいのかもしれない。 でも自分はちょっぴり心が弱い慎吾をサポートしてゆくことを決めたのだ。スッと背筋を伸ばし、冬馬を見つめた。冬馬は察したかのように、店員を呼んだ。 「すみませーん、俺もココア。クリーム浮かべてくださいねー」 ココアの上にちょこんと座ったホイップクリームをスプーンですくいながら冬馬はそっと声を出した。 (続く) 【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週月・水・金曜日配信】 目次ページはこちら
2015年03月23日クリスマス1週間前、慎吾が電話をしてきた。 「あのさ、クリスマスプレゼント渡したいから、24日は会えるかな。話したいことがあるし」 「慎ちゃん、わたし、慎ちゃんのことずっと見ててあげたいけど、もしかするとそれは鮎子と同じ気持ちで弟みたいに思ってるからかもしれない。そんな気持ちのまま会ってもいい?」 少し沈黙が流れた。 「それでもいいから会って欲しいんだ」 いつになく小さな声で慎吾が答えた。1時間後、今度は冬馬からメールが届いた。 「そろそろ答え聞かせてくれてもいいんじゃない? ぐだぐだ言わずに俺と付き合えって!」 桃香は背筋を伸ばして、窓の外の冬景色を見つめた。雲が低く、もしかすると雪になりそうな寂しそうな夜だった。街灯の下に猫が1匹うずくまって震えていた。恋人もいないひとりぼっちの猫。横に身体を寄せ合う彼女がいたらきっとあったかいだろうに。寂しい猫の歌を桃香は口ずさんだ。 「こんな寒い夜は誰かとくっついていたいけど、僕には誰もいないんだ」 歌った息でガラス窓が曇り、猫の姿がぼやけて見えなくなった。 翌日、リビングで楽譜を書いていると、母の美里がめずらしくピアノを弾き始めた。 昔は仕事でジャズを歌っていたが今でも週に3日、友達のライブハウスを手伝いながら唄っている。 「ママ、何弾いてんの?いい曲ね」 「陽平と出会った頃、陽平がプレゼントしてくれた曲。作詞作曲は陽平っていう凄い曲よ」 「まじで? パパ、そんなきざなことしたんだ。今はおっちゃんなのにね」 さびの部分になると不安定な音の運びが、切ない気持ちを表している。どうしていいのかわからないような切ない旋律。 「ねえ、愛の歌なのになんでそんな寂しいメロディなのかな」 フフっと美里が鍵盤をたたきながら笑った。 「ママには好きな人がいたの。お付き合いしてた。陽平は後から出てきて、ママを略奪。だから、煮え切らないママを思って書いたメロディなの。ロマンチックでしょ」 「そうなんだ。初耳。パパが帰ってきたらひやかしちゃおう」 「で、ママはその曲で陥落ってことね」 美里がにっこり微笑んだ。 「ママ、いま、私、恋に悩んでるんだけど落ち着いたら話すね…」 音は不思議だ。気持ちをそのまま織り込むことができる。言葉にならないもどかしさを相手に伝えることができる。キザな父親とロマンチックな母親。音が好きな両親の子供に生まれてよかったと感じた。 (続く) 【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週月・水・金曜日配信】 目次ページはこちら
2015年03月20日「桃香、クリスマスまでに答えくれよな。その日をふたりで過ごすか、サッカー友達とやけ酒を飲むか。天国と地獄みたいでスリル満点だ」 桃香は頷いた。自分でも恋に答えを出さなければならない時期なのだ。宇宙の要塞のライトがチカチカと点滅して、桃香にそろそろ答えを出すようにせかしている気がした。白い強力なライトが線になって夜空に溶け込んだ。 桃香は恋愛に関してはカオル先生が言ったようにまだまだビギナーだと自分なりに思う。慎吾を守ってあげたい気持ちと冬馬に守られたい気持ち、どちらも心地よくどちらも大切でひとりに決めることができない。 恋愛の意味がわかるまで誰とも付き合わない方がいいかもしれないと思い始めた。冬馬を選べば鮎子との友情が壊れてしまうかもしれない。慎吾がまた引きこもるかもしれない。慎吾を選べば冬馬に頼ってしまうことはできなくなる。くる日もくる日も考えて迷路にまぎれこんだようだった。 数日後。鮎子に誘われた。慎吾のことで喧嘩して以来、職場でもそっけない態度で気になっていた。 「ねえ、桃香、自由が丘にフレンチトースト専門店できたみたい。ネットで見たよ。行ってみない?」 桃香は驚いた。同時に自分が気持ちを決めないと鮎子との友情をなくしてしまうと思った。 「行く行く! 甘いの食べたい」 ふたりは久しぶりに向かい合って座った。ふわふわのトーストの上にシロップがかかり、甘い密の香りを漂わせた。卵とミルクはどうしてこんなに相性よく混ざり合い、おいしいものを生み出すんだろう。人を幸せにする香りも生む。 卵とミルクのような恋ができればいいのになと桃香は思った。自分は全然だめだけれど、迷いがふっ切れなくて周りを傷つけてしまうかもしれないけれど。今度の歌は卵とミルクの恋の歌にしょう、白いナフキンにささっと、アイデアをメモした。 鮎子が覗き込んで「作詞はじまったあ。ロマンチストなアーティストだね」とつぶやく。 「ううん、最近、作詞や作曲に意欲なくなってるんだ。歌のレッスンやバイトは楽しいけど、本気になれない。こんなんじゃプロになんてなれない」 「本気になれないって?」 「プライベートで悩むことが多くて、自分のわがままさや弱さが悔しい…」 鮎子は一瞬黙り込み、すぐに話を続ける。 「慎吾のことだけど。この前、私、きれちゃって悪かったなと思ってる。会社でも無視したりしてごめん。桃香の気持ち考えると、あんなこと言っちゃいけなかった。私に強要されて慎吾と付き合わなくちゃになっちゃうよね。それ、おかしいもん」 「鮎子、強要なんて、そんなことない。私がどっちつかずで煮え切らないから鮎子は言ってくれたんでしょ」 「あのさ、自分の気持ちに正直になってね。私は桃香が誰と付き合っても文句言わない。友達でいるから。慎ちゃんにも、ふられる厳しさは若いうちに味わえって今なら言える」 「鮎子、そんな…」 「慎吾だって悪いのよ。桃香に甘えてばっかで、男らしいところ見せてないしさ。彼女になってってはっきり言ってないでしょ。あいつ。恥ずかしがってそんなこと言えないタイプなのよ。でもフットサル誘ってもらって本当によかったと思ってるよ。うちらきょうだいは」 「ありがと。そんなふうに言ってくれて」 「だから、遠慮しないで、いい恋をして」 「うん。もすこし考えてみる」 桃香はつかえていたものがすっと降りた。 「ところで鮎子は? 合コンの成果はあったの?」 「あったら報告するわよー。はずしまくり。8試合8連敗。フットサルなんて観てる暇ないし」 鮎子は残念ポーズをしながら笑った。 「そっか、じゃあプリンも頼もうよ! 鮎子のゴーコン勝利を願って」 ふたりは卵とミルクの甘い香りの中で、ラブトークに花を咲かせた。自由が丘はガールズトークには最適の街。悩める乙女達をやさしく包んでくれる。喧嘩の仲直りもさせてくれる。 (続く) 【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週月・水・金曜日配信】 目次ページはこちら
2015年03月18日15号線をひたすらまっすぐ走り、車は工業地帯へ着いた。京浜コンビナート。 巨大な工場の群れに白いレーザービームのような灯りが点灯し、まるで宇宙の要塞だ。SF映画を観ているような無機質で不思議な景色だった。 「こんなところドライブしたの初めて。幻想的ね。停まって! ゆっくり見てみたい」 「いいよ。ちょっとマニアックな夜景だろ。ツァーとか組まれてて、意外に人気らしいんだけど。女の子でも好きかな、こういうの。デートっぽくはないけど」 「どうしてここ知ってるの?」 「俺、父親の影響でスターウォーズ系が好きだからさ。おやじ、フィギアとか持ってんだよ。小学校の頃から、ビデオも一緒に観てた。で、ここ、夜通ったとき、宇宙の基地みたいだって思ったんだ。クールな景観だろ」 「そうね。連れて来てくれてありがと。未来の世界にいるみたい」 道路の端っこに車を停めて、ふたりはまた高校の頃にタイムトリップした。図書館で大声で喧嘩して司書さんに怒られたこと、バスに乗り遅れた冬馬がかわいそうになってバスから降りて付き合ってあげたこと。 絵が得意な冬馬に似顔絵を描いてもらったけれど、あまりに似てなくて泣きそうになったこと。ふたりの共有できる思い出が泉のように湧き出てくる。 「もしかしたら俺、告白はしてなかったけど、桃香の彼氏気分でいたんだと思う。思い込んでただけってところが情けないけど」 「私はあの頃、受験勉強しなくちゃって、自分なりに恋愛禁止のストッパーをかけてた」 「で、ストッパーがはずれて、大学で誰かと付き合ったんだったよな」 「そう、学部の先輩とね。趣味が合わなくてすぐ別れちゃったけど」 「で、次の相手が慎吾ってわけ? 俺は入り込む余地ないかな」 桃香はうつむいた。慎吾の名前が出て、ふと思い出してしまった。今頃、携帯ショップでどの機種にしようか悩んでるんだろうなと。慎吾の困った顔は大好きだ。 「冬馬、私わからない。慎ちゃんのことは大事。私がいないとダメになっちゃう気がする。でも冬馬のことも気になってしょうがない。こういうの浮気症っていうのかな」 「いいんじゃない。モテ子ってことで」 冬馬が桃香の髪の毛をチョコっと引っ張った。桃香も冬馬の前髪を引っ張り返した。冬馬が桃香の手を取り「冷たいな」と言って、ハアっと息を吹きかけた。暖かかった。冬馬はどんな時も自分を守ってくれる、昔からそうだったんだ。急に頼りたい気持ちになった。 ときめいた。と同時に手袋を買う約束をした慎吾の顔もちらついた。あの日、初めて手をつないでくれた恥ずかしがり屋の慎吾。それなのに、また冬馬がキスしてくれないかと思う欲張りな女心。その日、冬馬はキスをせず、桃香の手をギュっと握りしめただけだった。 (続く) 【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週月・水・金曜日配信】 目次ページはこちら
2015年03月16日桃香と冬馬は車に乗り込み、ふたりきりになった。 ハンドルを握りながら冬馬は黙り込み、桃香ははがゆいような複雑な気持ちになった。気分をまぎらわせようと歌を口ずさんだ。この前、カオル先生に褒められた恋の歌だ。慎吾が横目で見て笑った。 「こりゃいいや、ipodいらないな。便利だー。リクエストしたら何でも歌ってくれる?」 「ダメだよ。カーオーディオじゃないんだから」 「あのさ、もうじきクリスマスだろ。だから決心したんだ。自分の気持ちにケリつけるにはいい機会だ。クリスマスでもなけりゃ、こんなこと言えない」 「ケリつけるって?」 「慎吾とおまえが付き合ってるのかどうかよくわからない。だったら、お前らがあやふやなうちに言ってしまおうと思って。早いもの勝ちだ。桃香、俺とつきあってくれよ。慎吾じゃなくて俺と」 「冬馬…」 「言っただろ。高校ん時から思ってたって。あんときはいくじなしのガキだったから言えなかったけど、今なら自信ある。桃香を幸せにする。クリスマス、俺と会ってくれれば誰と過ごすより楽しい日にしてやる」 「ちょっとびっくり…」 桃香は頬が熱くなるのを感じた。日中は慎吾の動きにドキドキしていたくせに。女心は厄介だと感じた。 「慎吾と約束があるかなんて俺には関係ないから。もし慎吾と付き合うならはっきり断ってくれていいよ。潔くゆずる。スポーツマン精神にのっとって」 冬馬の言い方がおかしくて、桃香は急に力が抜けてリラックスした。フフっと笑いながら答えた。 「オリンピックみたい」 「そうだな。ちょっと俺、馬鹿だな」 冬馬がクシャっと笑った。緊張していた空気がスっとゆるんだ。 「遠回りしないか。夜景が見えるところに連れてってやるよ。俺のナンバーワン夜景スポット」 (続く) 【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週月・水・金曜日配信】 目次ページはこちら
2015年03月13日