子どもの放置は虐待?「子どもだけで留守番禁止」条例案取り下げ!本当の意味で子どもを守れる社会とは
政治と市民の認識が大きくかけ離れているという本質的な課題を感じます。
そもそも政治が目指しているものは、子どもたちの育つ環境の悪化を防ぎ、子どもとその保護者が安心して生活ができるようにすることです。今回の条例は、その前提の取り組みが不十分な中で、市民のみに負担を押し付けるような構図が見られました。
つまり、放置しないための環境作りは保護者に丸投げしていたということ。それが多くの保護者や関係団体などの反発を招いたのでした。
批判して終わりじゃない!今できることは…
小崎先生
今回の騒動では、子育て環境の不整備や待機児童対応の量的不十分さなどが、より鮮明化されました。これらの責任の一端は政治にもあるはずなのですが、そのことを棚に上げている状況も批判の対象となっています。
「子どもは社会の宝」「子育ては未来への投資」という視点を持つことが、より一層求められています。
それは保護者のみならず、また自治体や行政だけでなく、すべての人が「子ども」という存在の意味や大きさに気づき、その子どもを育てる「子育て」を支える文化の構築が必要なのです。
まずはその一歩として、自分の身近にいるすべての子どもに笑顔を向けてほしいと思います。子どもに温かくやさしい社会を作りましょう。
誰もが『子育て』を自分ごとに
「埼玉県虐待禁止条例」の改正案では、子どもがひとりでいることを『放置』と定義し、「放置=虐待」という考えが根底にあったようです。子育て環境の実体と政治家の感覚の食い違いは、この点にあるような気がしています。
また、子どもが健やかに育つ環境を本当に作りたいのであれば「子どもだけで留守番させてはならない」のではなく「子どもを留守番させずに済む環境や制度を整えなければならない」はずです。
今回のケースでは、条例に直接関係のない埼玉県外や子育て層以外の人も問題視していたことがSNSを見てもわかりました。中には瞬時に声をあげ、署名を集めた保護者もいたようです。
たくさんの声があがったことが、改正案の取り下げにつながったのではないでしょうか。
子どもたちの育つ社会環境をよくするためには、すべての人が子育てを自分ごとと捉え、動くことが大切です。ベビーカレンダー編集部でも、子育て環境の向上を目指し今後とも発信を続けていきます。