ダメなところだけを見て、わが子の資質を判断してはいけない(伸び続ける子供が育つママ特集2)
■外遊びは、子供の「見える力」を身につける「将来、仕事ができる人になって欲しい」ということは、親なら誰もが思うこと。高濱さんいわく、「仕事のできる人とは、すなわち勘がいい人。言われた通りに仕事をすることはできても、それだけではダメだという発想ができる人が今、世の中に求められています。」
この「言われたこと以上のものが見える力」とは、実は図形問題で問われる能力と同じなのだそう。問題が示している図形の中に、自然に見えてくる線を「補助線」という。問題が解決できるかどうかは、適切な補助線が引けるかどうかにかかってくる。
そして、その補助線が引ける能力は、子供の将来の仕事の仕方にダイレクトに結びついてくるらしい。
「『見える力』をつけるためには、ドリルをどれだけやるかよりも、体全体を使ってイメージする経験を豊富にすることが大切です。体全体を使ってイメージする経験の最たるものが、外遊びなんです。」
外遊びが大切ということは、何となく頭ではわかっているつもり。
でも、周りがお稽古事を始めると、「うちも何か始めなきゃ!」と、気ばかり焦ってしまうことも。そんな時には、思い出したい一言だ。
■親が子供の授業参観で見るべき、たったひとつのポイント高濱さんが、幼稚園から小学校低学年にかけての子に対し、親がやって欲しいことは、人の話が聞けるようにすることだそうだ。
人が目の前に立ったら、その人を見て、その人の「言いたいこと」に焦点を当てて集中して聞けること。後伸びする子は、こうした聞く姿勢がいい子が多いという。
だからこそ、小学校低学年の子を持つ親が、授業参観で見るべき点は、たったひとつ。それは、「先生の話をちゃんと聞けているか?」だ。
小学校に入ると、子供の学校での様子はあまりわからない。
なので、ついノートやテストを見ては、「きちんとした字を書きなさい」「この点数は何なの?」とガミガミやってしまいがちだ。
でも、高濱さんに言わせれば、「低学年時代のテストの結果は、目の前の人の話がちゃんと聞けていれば点数はとれます。聞く力、姿勢があれば、できるようになるのですから。」
親はできていない点ばかりに目がいきがちだが、むしろ「人の話を聞く力が培われているか?」という一点に、親自身も集中した方が得策なのかもしれない。「アレもできていない」「コレもダメだ」と思うよりも、ずっと心が安定するからだ。
次回は、「ここだけは、何としても頑張って!」という、子育ての頑張りどころについて話を聞こう。
国際バカロレア初等教育プログラム導入幼稚園。3つの特徴と3つの教育効果。