連載記事:子どもの食について、これだけは押さえておきたいこと
「好き嫌いなく食べる」のが難しいのはなぜか(子どもの食について、これだけは押さえておきたいこと Vol.3)
「食べ物を残さない」のではなく「食べられる量を把握」させようの続きです。
子どもが嫌いな食べ物は?
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子どもは一人一人違いますから、すべての子どもが同じ量を食べられるわけがありません。ですから子どもには、残さず食べることよりも、好き嫌いなく何でも食べることを教えたいものです。
子どもたちの中で「嫌いな食べ物がない」という子は珍しいほうでしょう。では、子どもたちはどんなものが嫌いなのでしょうか。
ある調査によれば、子どもたちの嫌いな食べ物ワースト10のうち、8つが野菜類でした。
野菜が苦手な子どもが多いということですね。一方好きな料理は何かという問いには、お寿司やカレー、ラーメン、ハンバーガー、ピザなど、外食でよく食べられるような、味付けのはっきりしたものが続きます。
子どもたちの中には、嫌いな食べ物にはまったく口をつけられないと、かたくなに思っている子どももいます。嫌いなものだけでなく、食べた経験のないものも敬遠しがちのようです。食べず嫌いというのでしょうか、経験のない味には手が出せないのです。このように子どもたちには、はっきりとした好き嫌いがあるというのが現状のようです。
好き嫌いなく食べることのメリットとは
ですが、好き嫌いなく何でも食べることは、とても大切なことなのです。それは、バランスよく栄養をとることができ、健康になれるというメリットがあるからです。
「そんなの知っているよ」と言われてしまいそうですが、知っていても、実際は偏りなく食べることができないことが多いのです。
たとえば、野菜をたくさん食べると繊維質をたっぷりとることができますから、お通じがスムーズになります。青魚に含まれるDHAは血液をサラサラにし、脳を活性化させます。そのようなことは情報としては入ってきても、なかなか実際の食生活に結びつかないのです。
これはなぜかというと、食べたものの効果は、すぐに目に見えてはっきりと表れてこないからです。昨日青魚を食べたから今日のテストで100点取れるかと言うと、それは無理な話です。大人ですら、すぐに見える効果が出ないとやる気が起きないのですから、子どもならなおのことそうでしょう。
人間以外の動物は、自分の体に必要な物を本能的に知っているので、嫌いだから食べないということはありません。
でも、人間はそのような本能がなくなりつつあるのか、嫌いなものがあり、そういうものは拒否してしまいがちです。ですから、健康になるために食べるには、すぐに結果が出なくても、これを食べたらこんないいことがあるということを想像し、しっかりそのイメージを頭に焼き付ける必要があるのです。
<次回に続く>
(子育ての達人)