連載記事:「幸せ力」の育て方

子どもの英語習得に欠かせないこととは(「幸せ力」の育て方 Vol.5)

「幸せ力」の育て方

「幸せ力」の育て方

自分の子どもが大人になったとき、「勉強はできるけれど、就職できない」「就職したけれど、仕事がつらくて病気になりそう」「収入は高いけれど、友だちがいなくて孤独」などという状態にはなってほしくありません…

早期英語教育はデメリットが多いというお話を、前回ご紹介しました。
それでも、「子どもにキレイな発音を身につけさせたい。そのためにはやっぱり幼いうちから英語教育を始めるのがいいのでは?」と考えるママもいるようです。
本当にそうでしょうか。
子どもの言語習得や発達心理について研究を行っている内田伸子先生にお話を伺いました。

本当に使える英語を身につけるにはどうしたらよい?

© Sergey Nivens - Fotolia.com


赤ちゃんは、発音の違いを聞き分けられる

日本人は「R」と「L」の発音が苦手で、聞き分けることもできない人が多いといいます。
ところが、赤ちゃんは「R」と「L」の違いを聞き分けることができています。

「赤ちゃんは『バ』と『パ』を聞き分けているか、という実験をしました。

赤ちゃんに『バーバーバーバー』という音を聞かせたあと、『パーパーパーパー』という音を聞かせると、おしゃぶりを吸う速度が変わりました。音が変わったと気づいたのです。
同じように、『R』と『L』は違う音だとわかっています」

赤ちゃんの耳はすごいのですね。

「ただし、『R』と『L』の違いを聞き分けられるのは、生後12ヵ月までです。
日本語に毎日触れている赤ちゃんは、1歳を過ぎると『R』と『L』は同じ音だと思うようになります」

1歳ごろになると赤ちゃんの言語聴覚が固まり、日本語だけを聞き分けるように特化していくのだそうです。

CDやDVDでは英語力は身に付かない

「じゃあ、0歳のうちから英語のCDやDVDの音声を聞かせればいいんじゃない?」と思うママもいるでしょう。
ところが、それではダメなのです。

生活にかかわりなくメディアから一方的に流れる音声は、赤ちゃんにとって雑音でしかありませんから、発音の聞き分けや英語を身に付けることには役立ちません。


それどころか、長時間DVDを鑑賞させると脳が萎縮し、知能が低下するという怖いデータもあります。

「心配しなくても、発音は後から覚えることができます」と内田先生は言います。


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