3人産んでもふつうに働き続けられる、フランスの子育て事情
このほかにも、子どもが増えたり年齢が上がったりすると増額される家族手当や、3歳以上の子どもが3人以上いる家庭への補足手当(所得制限あり)、新学期手当(所得制限あり)など、さまざまな場面で家族手当が出ます。
こうした手厚い家族手当に必要なお金は、フランス全国家族手当金庫(CNAF)という独立した機関で管理されます。おもな財源は、企業が労働者の賃金に5%上乗せして納める「社会保障拠出金」で、個人や国の負担は少なく抑えられています。
■週35時間労働、残業なしが普通
フランスでは週35時間労働と、そもそも労働時間が短く、残業をする人は一部。フルタイムでも午後7時には帰宅して家族と夕食を囲むのが一般的です。男性も60%以上が父親休暇を取得し、産後は家で赤ちゃんと母親のサポートのために会社を休む人も増えているそうです。
日本とフランスは学校の制度や所得配分のしくみ、労働環境などあらゆる面で異なっていて、子育て観や人生観もだいぶ違っています。日本もいまはだいぶ待遇が改善されてきてはいるので、まずは自分がどうしたいか、どう育てたいかをよく考えて、周りの人の協力を得ながら主体的に子育てする人が増えると、子育てしやすい環境が整っていくのではないでしょうか。
(参考)
・『産める国フランスの子育て事情』(牧陽子・著/明石書店)
・『フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由』(横田増生・著/洋泉社)
・『経済のプリズム』No,131「フランスにおける子育て支援」』
「泣きのアピール」あきばさやかの「笑うしかない育児」Vol.40 | HugMug