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正しい自己認識を持つこと。つまり、発達障害についての基本的な知識を持っておくことで、当事者(母や子ども)は、随分と楽になる。それは私が実体験を通じて感じていることだ。そこで「発達障害って、何?」という基本的な疑問について、軽度の発達障害専門クリニックの院長である、司馬理英子先生にお話を伺った。
■発達障害は、いわば「発達のかたより」
育てにくいわが子。私の気にし過ぎかもしれないけれど、ちょっと心配。ママ友に相談すると「うちもそうよ。大丈夫」なんて言われて、「そうかな?」と安堵する。
けれども、また別の日には、「これって、やっぱり普通じゃないよな」と思う。「でも、これはこの子の個性で、私の我慢が足りないのかもしれない」。そんな無限のループを、頭の血管が擦り切れるほど何年もグルグルと考え続けていた私。
そうした状況にあった私に、司馬先生の発達障害の説明は、非常に腑に落ちるものだった。
まず、発達障害の定義だが、
「
発達障害とは、いわば“発達のかたより”です。最近の考え方としては、全体的な知能の発達には問題がなく、以下のような特徴がある子どもを発達障害としています」(司馬先生)
1.不注意・多動性・衝動性が目立つ 「ADHD(注意欠如・多動性障害)」
2.人との関わりが難しい「アスペルガー症候群」など「自閉症スペクトラム障害」
3.特定の領域の学習がうまくいかない「LD(学習障害)」
「発達障害のわが子」と向き合う本(司馬理英子/大和出版)
発達「障害」と書くと、「障害」という言葉から重々しい感じがするが、症状の度合いは重いものから、「診断名をつけるほどではないけれど、特徴が見られる」という軽いものまで幅がある。