ヘンテコ頭で登校!?非日常が日常なオーストラリアの学校生活
ドネーションとセットでいろいろな販売やイベントが
そのほかに特徴的なのは、ドネーション(寄付金)集めのために、日常的にさまざまな物の販売が学内で行われていること。
PTA主催で特製ドリンクを販売したり、生徒会がホットドックを販売したり、クラスや学年の生徒が書いた似顔絵入りのティータオルを販売したり…。非日常感のあるバザーやお祭りが、日常に組み込まれているかのような不思議さです。
日本だと考えにくいのですが、健康づくりの縄とび大会だってドネーション制です。
日本だと、学校の授業の一環として、参加費などはかからず、縄跳び大会が行われますよね。
オーストラリアでは、ドネーションを持っていくことで参加でき、その金額によってもらえる賞品が違うということがよくあります。
最近では、コロナの影響もあってか、親が指定サイトでアカウントを作り、自分で選んだ金額を支払うことで、その金額に応じたイベントが楽しめたり、商品がもらえたりする仕組みもあります。
このように、私服での登校日を含め、ほとんどのイベントにはドネーションが絡んできます。
その都度最低ゴールドコイン(1-2ドル)か5ドルくらいのお金を持参する必要があるのですが、上限はなく、この縄跳びイベントでは、最高470ドルほど寄付している保護者もいました。
最低金額でも数百円、イベントの回数も多く、きょうだいも多いわが家では結構な負担ですが、自分の子どもだけ参加できないというのは、ちょっとかわいそうだなと思う心理がみな働くのか、ほとんどの子どもが参加しています。
それでも、学校生活自体が大きなお祭りのようなものと考えると納得がいくのかもしれません。
日常を楽しむ習慣は大人になっても
はじめのころ子どもたちは、「こんな服装で登校していいの?」「学校でことあるごとに飲み食いするなんて不真面目なのでは?」と怪訝そうな様子で、恐る恐る参加していましたが、今ではイベントをとても楽しんでいます。こうした子ども時代を送ったオーストラリアの大人たちは、ロックダウンになり家から出られないときに、自主的にコスチュームを身につけ仮装して家のゴミ出しをしていました。
ハロウィーンでは、コスプレして出社するビジネスマンが街にあふれるようです。
いくつになっても日常を非日常にして楽しむ習慣が、学校生活からしっかりと培われているのを感じる毎日です。
<文・写真:ライター結生>