子育て情報『在宅医療のイロハ! 混同されがちな「訪問診療」と「往診」の違い』

2016年4月12日 19:00

在宅医療のイロハ! 混同されがちな「訪問診療」と「往診」の違い

その在宅医療を担う診療の二本柱が訪問診療と往診であるということです』(40代男性/都内在宅療養支援診療所院長・内科医師)

このような政策的な意味合いの他にも在宅医療には、「大切な家族の顔を見ながら住み慣れた家で穏やかに暮らしていきたい」という高齢者の希望に応えるには最も適した医療だという側面があります。

医療は、それを受ける場所によって外来医療、入院医療、在宅医療の3つに分かれるのですが、高齢者が“生き甲斐”を失わずに受けられる医療形態という意味では、やはり在宅医療に優るものはない でしょう。

なお、参考までに申し上げますと費用的な面では、在宅医療は入院するよりは安いですが、外来に通うよりは高くつくのが普通です。

●“在宅療養支援診療所”の表示がある診療所で訪問診療を受けると安心

さて、このような在宅医療ですが、ご相談者様がいま気になることは、「訪問診療については分かったけれど、いざ急に母親の具合が悪くなったときには往診もしてもらえるのだろうか」ということではないでしょうか。最後にそのご心配にお答えしておきましょう。

『2006年の健康保険法の改正で、“在宅療養支援診療所”が診療報酬上の制度として整備されました。訪問診療を受ける場合は、この表示がある診療所だと安心です』(40代男性/前出・内科医師)

この在宅療養支援診療所とは、次の5つの要件を満たしている診療所のことです。

(1)主治医が365日×24時間対応で連絡を受け、緊急往診することができる
(2)主治医が対応できない場合は連携医が往診することができる
(3)24時間対応で訪問看護ステーションの看護師の訪問看護を受けることができる
(4)緊急時に入院先の手配を行うことができる。
入院できる病院が確保されている
(5)他科の医師や歯科医師、薬剤師、理学療法士、ケアマネージャーなどと連携している

このような要件を満たしている診療所は“在宅療養支援診療所” と呼ばれ、医療を受ける患者の家族としては、安心です。

ただし、在宅療養支援診療所でなければ訪問診療や往診ができないということではありませんので、誤解のなきようにお願いいたします。ご相談者様の場合でしたら、相談員さんが紹介してくださる在宅医療の診療所の主治医に直接尋ねてみるのがよろしいのではないかと考えます。

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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