子育て情報『家族に何ができる? 入院中の寝たきり高齢者の「低栄養」を防ぐサポート』

家族に何ができる? 入院中の寝たきり高齢者の「低栄養」を防ぐサポート

主治医の先生はお立場上、今のお母様のご様子を黙って見過ごし、生命の危険にさらすわけにはいきませんから、ご相談者様に、お母様の鼻腔からチューブを入れて体に栄養を注入する経鼻栄養法を奨められたのだと思います。

ただ、ご相談者様が言うように、まだ自分の口で食べ物を食べて飲み込む力を完全には失っていない今の段階で経管栄養に切り替えてしまうというのも、残念ではあることに違いありません。

●家族の介助で再び食べるようになった例は多い

筆者にも、長きにわたって療養病床に入院し寝たきりの母親がおりますが、いっときご相談者様のお母様と同じように病院食を何も食べなくなってしまったときがありました。

これではまずいと思った筆者の妻の発案で、栄養的にはさほどではないものの、母が好きなコーヒーゼリーを細かくして食べさせてあげると、意外に食べてくれました。

翌日から2日に1度のペースで筆者の姉が夕食時に病院を訪れ、食べさせてあげるようにしたところ、それまでほとんど食べようとしなかったのが6~7割は食べるようになっていった のです。

もちろん主治医の先生はじめ、看護師さん、ヘルパーさんといった病院スタッフの皆さんには了解をいただいたうえでのことです。

『食べる喜びは生きる喜びのうちの最も大きなものの一つです 。医師や医療スタッフにきちんと相談しながらであれば、入院中でも食事のときにご家族が介助していただいてかまいませんので、仕事のご都合がつくのであれば、ぜひそうしてさしあげてください。


高齢者における低栄養の最大の原因である食事量の減少は、これまで一緒に食事をしてきた家族と食卓を共にできなくなってしまった という“精神的要因”も関わっていますので、その点に注意すると低栄養に陥らないためのヒントと出遭えるかもしれません』(40代男性/前出・医師)

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
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