急に相手を罵倒する!? 小学生に多く見られる「トゥレット症候群」の知識
●トゥレット症候群の主な症状
上述している通り、トゥレット症候群には音声チックと運動性チックによる症状が見られます。
●音声チック
音声チックには単純な音声(「アッ」「ウッ」など)」、奇声、汚言(「死ね!」「クソ」など)、咳払いなどの症状が見られ、とくに咳払いの症状が出る人が多い と言われています。
音声チックは運動性チックと違ってあまり世間に認識されていないことも多く、とくに汚い言葉を発してしまう『汚言症(コプロラリア)』 は誤解されてしまうケースが多いです。
葬式などの社会的に許されない場であっても大声で汚い言葉を発してしまうため、周囲から不快な感情を抱かれることが多いのです。
この『汚言症』はトゥレット症候群と診断された人の3分の1以下の割合で発症するとされています。
●運動性チック
運動性チックの特徴としては、
・まばたきを頻繁にする
・顔をしかめる
・肩をすくめる
・頭や手足を小刻みに振る
・口をゆがめる
などがあります。動作の大きいチックを持っている人は他人の目を気にするようになりますが、やめようと思ってもやめられないので悩む人が多いようです。
また、手の筋肉を動くといったチックを持つ人は文字が書けないなど日常生活へ支障をきたす場合もあります 。
●トゥレット症候群の治療法はあるの?
トゥレット症候群の治療には、いくつかのアプローチがとられます。
まずは患者本人や家族、学校側などの周囲の人間にチック症の正しい知識を学んでもらい、チック症を持ちながら社会生活を送れるように環境の調整が行われます。
それでもチック症の問題が解決されないようであれば、抗ドーパミン作用のある薬 などを使用しながらチック症状を抑えていきます。
薬による治療で10代後半には改善するケースが多いとされていますが、それでも軽快しないような重度のチック症の場合は外科治療が行われることもあります。
チック症状は多くの場合成人までには改善される傾向にありますが、完全には完治しないことが多いようです。
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いかがでしたか?
トゥレット症候群になる原因はまだ完全には解明されていませんが、多くの場合は成人期までには改善するケースが多いようです。
いきなり発症することもある障害なので、気になる症状が子どもに見つかった場合は、専門家へ相談することをオススメします。