老人が老人を騙す!? 近年横行している『老老詐欺』の手口と対処ポイント
と言われ、男性は言う通りに渡してしまいます。
そのことを不審に思った男性の娘が相手の女性について調べると、女性の名前や住所が全てデタラメだったことが判明 。
また、他にも女性あての請求書の束が男性宅で見つかりました。
普通ならこれで女性が逮捕されて終わりですが、老老詐欺の怖いところはここから。
家族が男性に対して「騙されてるよ」といくら説得しても、本人は「騙されてない」の一点張り。
もちろん、本人も詐欺に遭っていることは理解しているのですが、ここで詐欺を認めるとまた一人になってしまうため、孤独を恐れて詐欺を否定しているのです。
高齢者の孤独につけ込んだ、非常に悪質な手口と言えます。
●(2)若者とグルで
老老詐欺の中には、若者とタッグを組んで行われるものもあるようです。
手口は以下の通り。
まず高齢者(Aさん)の住んでいる家へ若者が訪問販売に伺います。もちろん、販売する商品は100万円の布団など明らかな高額詐欺商品です。
Aさんは当然商品の購入を拒否しますが、販売員はAさんが商品を落としたり傷つけたりするようにわざと仕向けます。
そして、弁償代として商品の代金を要求するのです。もちろん、この段階ではAさんも拒否を続けます。
すると若者が電話で上司を呼び出します。現れたのは同世代の上司(老人)。
いきなり若者を怒鳴りつけ、Aさんに丁重にお詫びします。
すっかりAさんの警戒心を説いた上司は、「この歳になると、腰が痛くて困りますね〜」などと“年寄りあるある”で盛り上がります 。
そして完全にAさんが心を開いたときに、再度商品を勧めるのです(今度は半額くらいの値段で)。
すっかり上司を信頼しているAさんは勧められるままに購入してしまいます。
しかし、叱られた若者と上司はグル。Aさんはそのことに一切気づかずに詐欺の被害に遭ってしまったのです。
●老老詐欺を防ぐためには
老老詐欺を防ぐためには、“高齢者の詐欺師もいる” ということを認識してもらうことが重要です。
高齢者の方の中には、自分と同世代というだけで仲間意識を持つ人も少なくありませんから(本来は悪いことではないのですが……)、自分の両親や祖父母にしっかりとそのことを伝えましょう。
また、金銭にまつわることで少しでも不審な点があれば一旦話を止めておき、周囲に相談してもらうことも大切です。
【参考リンク】
・最新の手口(実音声付き)