■使い終わったノートは、どうする?
―教科書のほか、使い終わったノートのその後も悩ましいところです。授業内容を上手にまとめられたノートなら、もしかしたら見直しに役立つかな? とも思うのですが…。
(後藤先生)「ノートは今週習ったところのおさらいなど、短いスパンでの復習には活用できます。しかし、例えば中学校に進学するときは、基本的に小学校で学んだ科目は数学を除いてイチから学び直しますので、
小学校時代のノートをとっておいても出番はないと考えた方がよいでしょう。
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また中学の数学は算数からの引き継ぎになりますが、算数のノートには、計算したり、問題を解いたりした跡が残っていますので、あとから見直しするものとしては使いにくいでしょう。ですから、算数のノートも不要です。
つまりまとめると、
総復習のためにノートをとっておく必要はありません。
ただし記念としてとっておくのはOKです。
各学年、各科目1冊ずつでも保存しておけば、数年後、あるいはもっと経ってから、家族団らん時の話のネタになりそうですね」
―高校以降も同じように考えてよいですか?
(後藤先生)「そうですね、中・高生が学習の見直しにノートを使うのは、主に定期テスト前でしょう。ですので、
定期テストが済めば、ノートのそこまでの記述は役割をほぼ終えます。
そして、高校の学習は中学のものとまったく異なりますので、中学時代のノートを見直し用に保存しても出番はないでしょう。
しかしながら、きちんと使いきったノートは自信につながります。大学受験が終わるまで手元においておき、不安になったときは開いてみるようにすると安心感を与えてくれるかもしれません」
―ノートは「短いスパンでの見直し用」に役立つもの、と考えるとよさそうですね。
■小学生のうちに身につけたい! ノートのとりかたのコツ
―数多くの子どもたちを導いてきた後藤先生の経験のなかで、これだけは小学生のうちに身につけておきたいノートのとり方があれば教えてください。
(後藤先生)「先にお伝えした通り、ノートはテスト前など短いスパンでの見直しに役立ちます。そのためには、見やすいことが大切です。
まず、ノートのページに
日付をつける習慣をつけましょう。板書をした日、問題を解いた日を入れておけば、復習するときにいつ習ったのかがすぐわかります。中学生なら正式発表より先に定期テストの範囲を予想することも可能です。そして、数日後に自分や他の人が見ても
読める文字・数字を書くよう心がけましょう。
もうひとつ、ノートには
十分なスペースをもうけることも意識します。見やすくなりますし、あとから問題を解き直したり、補足を書き込むこともできますよ。これらのクセを、小学生のうちから身につけておくのをおすすめします」
―ありがとうございました!
■まとめ
後藤先生のお話をまとめると
・教科書は、とっておかなくてもさしつかえないが、記念や大人の実用書としてとっておくのはあり
・ノートは基本的には「短期スパン」での復習に役立てるもので、こちらも長期保存は必要なし。記念としてとっておくのはあり
とのことでした。
学年の総復習や、受験対策用教材としては活用しにくい教科書ですが、子どもにとっては思い入れがあったりするものです。ノートもまたしかりです。
年度末に教科書やノートを整理するときは、保管スペースはもちろん、
お子さんの声にも耳を傾けながら行えるとよさそうです。
役目を終えた教科書やノートも、たとえばリビングの本棚など目につくところに置いておけば、ふとしたときに手にとって懐かしんでいる子どもの姿が見られるかもしれません。
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