教科書を捨てるタイミング…終わった学年の教科書は復習に役立つか?

まもなく新年度がスタートします。みなさんは、前学年の教科書や使い終わったノートはどうしていますか? 学校からは「当分の間とっておくように」と言われるものの、結局開かずじまいのご家庭は少なくないかもしれません。

古い教科書やノートはとっておいたほうがいい? 上手な活用法はあるの? そんな疑問をミリオンセラー作家としても知られる教育評論家の後藤武士(ごとう・たけし)先生にお聞きしました。

教室で授業を受ける小学生

(c) milatas - Fotolia.com



お話を伺ったのは、後藤武士(ごとう・たけし)先生
後藤武士先生
1967年岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。作家。教育評論家。児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象とし、全国津々浦々を講演する日本全国授業ライブ「GTP」主宰。代表著書に『読むだけですっきりわかる』シリーズがある。また、わかりやすく実践しやすい学習法本も多数執筆。

■小学校の教科書は「自習用教材」としては不向き?

―小学校からはとっておくように言われる前学年の教科書ですが、我が家では出番はゼロです。
春休み中のおさらいなど、活用する手立てはありますか?

(後藤先生)「結論から言うと、小学校の教科書は復習や中学受験対策用の教材としては不向きです。

小学校の教科書は教師が授業で指導しやすいようにつくられています。そのために細かい説明は割愛されています。お子さんの自習用としてはつくられてないんですね」

―では、とっておいても使い道はなさそうですか?

(後藤先生)「子どもの復習教材としては使い勝手はよくありませんが、教科書には想い出がつまっているでしょう。記念にとっておくのはありです。

また、地図帳は大人の実用に重宝しますし、小5、6年生の社会の教科書は、その分野をすっかり忘れてしまった大人にとっての学習書になりますよ」

―では、スペースがあればとっておいてもよさそうですね。

■中学校の教科書、とっておくべき教科は?

―中学の教科書は、とっておいて高校受験の勉強に役立てるべきでしょうか?

(後藤先生)「英語と国語の教科書は言ってみれば『題材集』です。自習者向けの説明はほとんど載っていないので、高校受験対策用の教材としては、ほぼ使えません。


数学、理科、社会の教科書は使おうと思えば使えますが、実際に活用するシーンは少ないでしょう。なぜなら高校受験用の学習を自分で教科書を使ってやろうとすると膨大な時間がかかってしまうためです」

―なるほど、やはり高校受験対策となると、教科書だけでは心もとないのですね。

「最近の公立中学校では、各教科別に中学3年間の学習内容をまとめた教材を購入希望者に斡旋(あっせん)していることが多いのですが、その教材のほうが使い勝手がよかったりします。また、塾や模試などに通っているお子さんなら、そちらで入手できる教材のほうが受験に特化されています。

ただし、これらをやってみて、できなかった単元を見直す際には教科書が役立ちます。子どもが自分だけでは理解できない部分を親が教えるときにも活用できるはずです」

―小学校の教科書同様、記念や実用書の意味でとっておく価値はありますか?

(後藤先生)「国語と英語以外の教科書にはひととおりの説明は載っているので、大人の公務員試験や資格試験対策、一般教養履修のための参考書としての用途はあります。

また、理・社・国の資料集や年表、地図帳、便覧などは、コンパクトにまとまっていて文体も容易なので市販されているものより見やすかったりしますよ」


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