今回の「やさしいママのひみつ」は、インテリア&フードスタイリストとして活躍しながら、吉祥寺でカフェ&デリ『ORIDO(オリド)』を営む
江口恵子さん。3人のお子さんのママです。
3人の子育てと仕事。どちらも笑顔で楽しむため、江口さんが辿り着いた方法とは? お話をたっぷり伺いました。
■子育てと仕事の両立に必要な “段取り”
まずは、江口さんの1日のスケジュールを見てみましょう。
6:00〜6:30: 起床。洗濯、朝ごはんの準備をしつつ、メールのチェック
6:30〜7:00: 子どもたち起床。掃除など、家事を済ませる
8:00: 太一くん、照ちゃんが小学校へ。一緒に仕事へ出かける
14:30: 太一くん帰宅
18:00: 照ちゃんが学童から帰宅
19:30: 家族4人で夕食。子どもたちの宿題を見る
21:00: はなちゃん帰宅。夕食
21:00〜21:30: 子どもたち就寝。残った仕事をする
24:00: 就寝
さまざまな仕事をこなす江口さん。ほぼ毎日、経営する店『ORIDO』に顔を出し、オープンの準備をしてからスタッフに任せ、撮影やケータリングなど、ほかの仕事にとりかかるといいます。お子さんがいなくても十分に忙しいですが、時間を作るために必要なのは、
“段取り”だといいます。
「体質的に徹夜はできないから、平日の午前中にどれだけ仕事を終わらせられるのかがポイント。午後になると、どうしてもペースダウンしてしまうから、手当たり次第手をつけるのではなく、“今日はこれとこれのここまでを、午前中に絶対終わらせる”と決めて、そのための段取りを組みます。
時間が本当に限られているので、そのなかでやらなくてはいけないことをちゃんとやるために行き着いた方法。とりあえず目につくものからやっていた時期もあったし、何も考えないで来た順番にこなしていくこともありました。でも、それでは仕事が回らないし、ずっと急かされている感覚が抜けなくて。できなかったり忘れて、
自己嫌悪に陥ったり、ミスも多くて、とにかく気持ちに
余裕がなかったんです」
最近では、お子さんたちより遅く帰宅することも多く、長男の太一くんと次女の照ちゃんには、留守番してもらっている間、2人でできることはしてもらうようにしているそう。
「お風呂は入ってもらっています。その後夕食なので、洗濯物も増えてしまうのですが、何もしないで待っているよりは、その後の段取りもスムーズにいきますよね」
長女のはなちゃんは、小学校2年生から始めたバレエに夢中。朝早く家を出て、夜も遅いため、夕食ははなちゃん以外の4人で食べることが多いのだそう。
「毎日レッスンに行っていて、友達と遊ぶよりバレエ。本当に楽しいことを見つけたんですね。『いいからやりなさい』じゃなくて、
自分で選択してもらう。それでもやると言ったことは踏ん張ることができることを、長女から教えてもらいました」
■子どもの力を伸ばしてくれる料理
江口さんの著書。右の『季節の食しごと』は、子どもたちと一緒に、普段作っている料理をまとめた思い出深い一冊
江口さんは、インテリアスタイリストを目指して上京。スタイリストのアシスタントを経て独立しました。
「食べることも作ることもずっと好きだったので、絶対に両方やる人になろうと、アシスタントの頃から思っていました。インテリアスタイリストの師匠に相談したら、『単に料理が上手なだけだと、仕事にはならない』と、フードコーディネーターの方を紹介してくれて、途中から両方のアシスタントをしていました。今は料理家さんがスタイリングを手がけることも多いですが、当時は完全に分かれていたんですね」
今は主にフードスタイリスト、料理家として活躍する傍ら、9年前に世田谷で料理教室と完全予約制のカフェをスタート。2年前には吉祥寺に移転して、旬の野菜をたっぷり使ったデリやスイーツの店『ORIDO』をオープンしました。
糖質制限のメニューも揃う『ORIDO』には、食の意識が高い人が集まる (c)keiko eguchi
さらに今年4月からは、
子ども向けの料理教室もスタートさせた江口さん。料理は、子育てにも役に立つといいます。
江口さんが主宰する、子ども料理教室の様子。お母さんと離れられて、コミュニケーションが取れれば参加が可能 (c)keiko eguchi
「料理を通して、
段取り力や
自主性が身につくと思っています。失敗しても、料理は
リカバリーしやすく、失敗が失敗で終わらないんですよね。後でリカバリーすれば何とかなるというのが、自然と身につくんです。『なんでそんなことしたの?』ではなく、『じゃあ次はどうする?』と聞くと、子ども自身も考えることができます。子どもは大人が思っているよりも何でもできるから、どんどんやらせた方がいいですね」