■育休中の生活をサポート「育児休業給付金」
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▼育児休業給付金とは?
「育児休業給付金」とは、仕事を続けるママやパパが育休でお給料が出ないときに、雇用保険から生活をサポートする目的でもらえるお金です。
▼「育児休業給付金」のもらえる金額は、いくら?
もらえる金額は、次の表のとおりで2ヶ月分の金額がまとめて振り込まれます。ただし上限があり、それを超えた分は支給されません。
たとえば月額100万円のお給料をもらっていたとしても、育休前6ケ月間の額面月給給与額の平均がおよそ45万円を超えると、その67%分(上限額30万円)までしか支払われないことになります。
基本的には子どもが1歳に達する日(法律的には誕生日の前日)までの支給となります。保育所の入所待ち、あるいは配偶者の死亡や病気などの特別な理由がある場合、申請すれば赤ちゃんが1歳6ヶ月に達する日まで、さらに同様の状態が続く場合は最長2歳に達する日の前日まで支給されます。
●育児休業給付金給付額一覧表
(ウーマンエキサイト編集部作成)
▼「育児休業給付金」をもらえる人は、どんな人?
次の条件を満たしていると「育児休業給付金」がもらえます。
●雇用保険に加入していて、育児休業開始日前2年間に、11日以上働いた月が通算で12カ月以上ある人
●かつ「育児休業期間中の各1カ月ごとに、休業開始前の1ヶ月当たりの賃金の8割以上のお金を勤務先からもらっていないこと
●かつ「休業している日数が各支給対象期間ごとに20日以上あること」といった要件もある。
社会保険の給付を受ける要件については、素人判断は難しい部分もあるので、会社の窓口の人に直接聞いてみるのがベター。
▼「育児休業給付金」の手続きの概要
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①産休に入る前に、勤務先に育休期間の目安を伝えて用紙をもらう
産休に入る前に、会社に育児休業期間の目安を伝えて「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」の用紙を受け取ります。保育園に入れなかったことが延長の理由になる場合は、申請する時点で不承諾の通知書が必要になることに、注意が必要です。
②必要事項を記入して勤務先に提出
会社の就業規則で決められた期限までに、申請書に必要事項を記入して会社に提出します。このときに、振込先の金融機関の銀行印と通帳の表紙のコピーも必要となります。
③振込み・2カ月ごとに追加申請
産休明けに会社からハローワークに各種書類を提出し、2ヶ月ごとに給付金が振り込まれます。
給付金の追加申請は2ヶ月ごとに必要。多くの場合は会社で対応してくれますが、自分で申請する場合には申請期限をチェックしておきましょう。
◆アドバイス1:育児休業給付金はパパでもOK!◆
育児休業はパパでもとれるし、条件を満たしていればパパでも育児給付金を受け取ることができます。
たとえば、ひとりの子に対して、前半はママ、後半はパパというふうに育休をとり、それぞれ給付金を受け取ることも制度の上では可能です。もちろん職場の理解があってこそ! という部分も大きいのも現実。まずは職場の担当者などに事前に相談してみましょう。
◆アドバイス2:「パパ・ママ育休プラス」◆
「パパ・ママ育休プラス」は、両親とも育児休業を取る場合の特例。パパも育休を取得する場合、休業可能な期間が1歳2ヶ月に達する日(2カ月分はパパかママのプラス分)に延長できます。
》厚生労働省:
両親で育児休業を取得しましょう!(pdf)
▼「育児休業給付金」DATA
●申請のタイミング
初回は育児休業開始日から4カ月を経過する日の属する月の末月まで。
それ以降はハローワークから申請期間を指定される(自分で手続きの場合)
●申請窓口
勤務先または勤務先の住所地を管轄するハローワーク
●支給される時期
申請から1週間~10日後
■医療費が高額になった場合「高額療養費」
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▼高額療養費とは?
「高額療養費」とは、1ヶ月の医療費が限度額(自己負担限度額)という一定の金額を超えた場合、その超えた分を加入している健康保険が負担してくれる制度のことをいいます。
▼「高額療養費」を使った場合に支払う金額はいくら?
「医療費総額」−「健康保険制度が負担してくれる金額」=「自己負担限度額」
自己負担限度額は、標準報酬月額によって異なります。次の一覧表を目安としてください。
●自己負担限度額一覧表
(ウーマンエキサイト編集部作成)
▼「高額療養費」をもらえる人は、どんな人?
●1ヶ月の医療費が、自己負担限度額を超えそうな時に、事前に健康保険限度額適用認定証を取得した人
●高額療養費分を立て替えたのち、加入先の健康保険に支給を申請した人
なお「1ヶ月」とは1日~月末までのことをいい、月をまたいでかかった場合は「2ヶ月に分けて」計算します。
<「高額療養費」の対象となるケース>
・つわり(重症妊娠悪阻)による投薬、入院治療など
・流産・早産による投薬治療、入院治療など
・子宮頸管無力症
・妊娠高血圧症候群
・逆子・前置胎盤の超音波検査
・児頭骨盤不均衡の疑いでのX線撮影
・止血のための点滴
・鉗子分娩・吸引分娩(病院によっては自由診療となるケースもある)
・頸管損傷・会陰裂傷II度以上による縫合術
・赤ちゃんの新生児集中治療室への入院 など
▼「高額療養費」の手続きの概要
「事前」と「事後」、2種類の申請方法があります。「事後」だと差額が戻ってくるまでに1~3ヶ月かかるため、一時的に高額な医療費を支払う必要があります。
<予定帝王切開の場合>
帝王切開など事前に医療費が高くなる場合は「健康保険限度額適用認定証」を交付してもらうのがおすすめ。限度額適用認定証の有効期間は原則1年間だが、国民健康保険では8月に切り替えがおこなわれるため、7月末になります。
●事前の場合
健康保険限度額適用認定証を交付してもらう
加入先の健康保険に「健康保険限度額適用認定証」を交付してもらい、医療機関の窓口に限度額適用認定証を提示すると、自己負担額のみを病院の窓口で精算すればOK。
●事後の場合
高額療養費の申請をする
医療費の2割か3割を支払った後、高額療養費の支給を申請する。約1~3ヶ月後に、支払った金額から自己負担限度額を差し引いた分が還付される。
▼「高額療養費」DATA
●申請のタイミング
診察日の翌月1日から2年以内(事後の場合)
●申請窓口
勤務先の健康保険の窓口、国民健康保険の人は市区町村の役所
●還付時期
申請から1~3ヶ月後