「親友の“裏アカ”投稿に傷つけられている」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第25回
ただ、内容自体は彼女や周囲の人間の言動に事細かに触れているので、知り合いには見せたくないのだと思います。私も見つけたくなかったです。
私が彼女に送った言葉や、共有した本や音楽について、そして私自身の内面についての指摘などが、私の見知らぬところで詩的な断片として誰かに消費されていることに、言いようのない気持ち悪さを感じます。
決して悪口ではないんです。私のことを大事な友人だと思ってくれていることが、私の目に触れないように書かれた文章であっても伝わってくることがあります。でも私が、彼女にだからこそ話してきた私の女としてのこじれや恋愛の近況が、一種の詩のような、フィクションのようなきれいな短文となって、ときには私が彼女に送ったLINEの文章がまるっきりそのままで、インターネットの海に流されていること。場合によっては彼女の(私に向かっては言ってこなかった)あけすけな感想が付いていること。それらに見知らぬ人が星をつけていくこと。
こうしたこと全部に「まいったなあ」と苦笑いしています。私は傷ついているのかもしれません。自分の気持ちがもうなんだかよくわかりません。このアカウントを見つけてからも、彼女のことは嫌いではないですし、顔を合わせると嬉しいし一緒にごはんも食べに行きます。