不倫に身を染めるのは“悪女”ではない“馬鹿女”だ… 「泥棒猫」【カレー沢薫 アクマの辞典 】
漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!
■第28回アクマの辞典ダ行
【ド】
➤「泥棒猫」(どろぼうねこ)
…おキャット様は人間の男などわざわざ盗らない
今回のテーマから「泥棒猫」である。
これは、本物の泥棒のおキャット様にではなく、人の男を盗る不埒な人間のメスに対して使われることが多い言葉だ。
この言葉には大きな問題がある。まずおキャット様への不敬罪で世が世なら使った時点で斬首だ。
まず人間を、人間より遥かに優れた生き物であるおキャット様に例えている時点で全く悪態として成立していない、カニカマに対し「この松葉ガニ野郎!」と言っているようなものだ。
よってそういう不貞の輩に出会った時は「この泥棒人間」と誤解がないように表現すべきである。
また「泥棒猫」という言葉を使うことにより、ただの盗人から「猫のように悪い女だが魅力的」というイメージにすり替わってしまう恐れがあるのだ。
泥棒でも怪盗とか義賊とか表現してしまうと、カッコよく思えて真似しちゃう奴が出てくるのである。