獅子座生まれのあなたへ贈る詩「まなざしの記憶」【文月悠光 12星座の恋愛詩】vol.12
黄色い太陽、
わたしから目を離さないで。
燃える瞳で見抜いてよ。
頼りないわたしの肩を
力いっぱい照らして、抱き寄せるの。
あなたは、全物語の宛先なのだ。
言葉や、ちょっとした仕草も
あなたが見ることで完成する。
確かにわたしの一部であった、
そのまなざしだけが
今も胸に焼きついて離れない。
終わらない記憶のとびらを叩き、
不意にわたしの名を呼ぶことがある。
☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。
プロフィール
文月悠光(ふづき・ゆみ)
詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。
コイズミリカ
イラストレーター。1989年生まれ。
2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。