嫌ならやらなくていい…「レス」カップルでなにが悪い?【カレー沢薫 アクマの辞典】
である。
何事も「する」「しない」が問題ではない、そこで意見が割れてしまうのが問題なのだ。
よって「深刻なセックスレス問題」とか「セックスレスは不和の原因」などというのは、顔を犬のツバだらけにして仲良くやっているレスカップルを「脅迫している」とも言える。
そういうカップルが無理してセックスしても、多分良いことにはならない。
セックスだろうが綱引きだろうが、やりたくないことを無理にやっていたら、仲良くなるどころか、悪くなるに決まっているのだ。
パートナー間だけではなく、女性誌などの「セックス特集」は評価される一方で、「セックスしないとあっという間に更年期ヒスババアになっちゃうぞ」と、セックスしない女を脅す内容であるといった批判もある。
娯楽やコミュニケーションが多岐に渡る現代において、セックスとは、人生をより良くするための選択肢の一つでしかなく、魅力を感じなければ無理に選ぶ必要はない。クリスマスイブはセックスしている人間が一番偉く、1人で明石家サンタを見ているヤツはかわいそう、という発想はすでに前時代的なのだ。
人によっては、セックスより優れた明石家サンタがそこにあるのである。
だが、片方は猛烈にセックスしたいが、もう片方は痛烈にしたくないといった「セックスレス」