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「俺の子供が欲しいなんていってたくせに、馬鹿野郎!」短歌に学ぶオトコ心

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■恋の終わりを感じさせる水族館での逢瀬


「水族館(アカリウム)にタカアシガニを見てゐしはいつか誰かの子を生む器(うつは)」坂井修一(『ラビュリントスの日々』)

この作者は、恋の終わりを予感しているのでしょう。深い海に棲む「タカアシガニ」を見るのと同じまなざしで、彼女を眺めています。


「あいつは、いつか誰かの子を生むのだろう。でも、それはきっと、僕ではない誰かだろうな」。そんな、つぶやきが聞こえてきそうです。あくまで、情感を抑えた冷静な言葉の選び方に、センスが光っています。

とはいえ、うちに秘めるだけが短歌ではありません。次の1首も、恋人との別れを詠った作品ですが、切なさよりもパワーがみなぎっています。

■ときには、叫びたくなることも…


「俺の子供が欲しいなんていってたくせに、馬鹿野郎!」佐佐木幸綱(『群黎』)

青春映画のクライマックスを見ているかのような、ダイナミックな構図です。おとなになると、おもいっきり感情を相手にぶつけることは、なかなか難しいもの。


でも、この作者はやりきれない胸の内を大胆に表現しました。だからこそ、「馬鹿野郎!」と絶叫するこの作品に、ひかれるのではないでしょうか。

これから展開していく恋。客観的にうたう作品、おもわず叫びたくなる歌。1000組のカップルがいたら、1000通りの恋愛のかたちがあります。

時代をこえて通じあう「想い」をエネルギーにかえて、きらめく相聞歌(恋愛のうた)。ときには静かに、ときには激しく恋をうたっています。ぜひ、男性の心を理解するヒントにしてみてください。

 
 
 
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