連載記事:実録・ポジティブな離婚
【実録・ポジティブな離婚 】 A子さんも…別れを決意する人から出る共通の言葉
相手への“妥協”を我慢と捉えるか、「まあいいか」と流せるかが大きな分かれ道となります。
前回に引き続き、次の幸せをつかむための投資となるポジティブな離婚についてご説明していきます。
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A子さん:インドア派vsアウトドア派、最初は合わせていてもずっとは辛い
A子さんとSさんご夫妻は学生時代から交際しており、就職とほぼ同時に結婚しました。
物静かで優しい夫と明るくフレンドリーな妻A子さんの結婚生活は、はじめの数年間はうまくいっていましたが、次第にお互いに不満を抱き始めます。
夫の趣味は一人で楽しめるインドア派ものが多く、対するA子さんの趣味は大勢で賑やかに楽しむものばかり。夫の趣味の中にA子さんが興味を持てるものはなかったので、夫が妻の趣味に付き合うという形が自然にでき上がっていました。
それでも学生時代や社会人経験が浅いうちは、自由に使える時間がまだ十分にあり、そうしたライフスタイルを続けていくことが可能でした。
しかし会社で重要な仕事を任されるようになった旦那さんは、もっと勉強のための時間が欲しいと考えるようになります。
また忙しい仕事と勉強の合間には、自分の趣味を楽しんでリフレッシュしたいという思いもありました。
そんな夫の変化に妻のA子さんはショックを受けます。いつでも自分のために時間を割いてくれ、自分の趣味に付き合ってくれた理想の夫が、別人のように変わってしまった。
それでも夫との時間を大事にしたいA子さんは、自分から夫の趣味に付き合ってみることにしました。けれどもやはり、楽しいと思えません。
彼女のそんな思いは旦那さんにも伝わり、一緒に楽しむ時間はなくなりました。一緒に時間を過ごそうとすればどちらかが大きな妥協を強いられるという現実を、認めざるを得ない状況に。
またちょうどその頃、二人の間に大きな問題が持ち上がっていました。
子どもはいらないということで長年合意していた二人ですが、友人たちに次々に子どもが生まれ、自身の年齢を切実に意識し始めたA子さんが突然、子どもが欲しいと言い出します。
旦那さんのほうは寝耳に水で、仕事に勉強、自分の趣味に、妻の趣味にも付き合わなければならないし…と、ただでさえ大忙しなのに、さらに育児が加わった生活など想像もつきません。
互いに憎み合っているわけではなかったので二人は長い間悩みましたが、結局子どもの問題が決定打となり、夫婦は離婚を選びました。