2018年6月3日 20:00|ウーマンエキサイト

ママ友ヒエラルキーの頂点に立ちたい! 見下しママ代表:香織の場合【リアル・モンスターワイフ、再び 第15回】


■タワーマンション最上階に住む“敵”

夢のお城を手にした私に集まる、羨望(せんぼう)のまなざし…香織は優越感にひたっていた。幼稚園のママ友の中にいる、たった一人の“敵”を除いては…。

「あら、茉奈ちゃんママ。こんにちは」

井戸端会議に参加していたママの一人が声を上げた。茉奈ちゃん一家は、香織のマンションの最上階の住人だ。41階。マンションの販売前から説明会に参加していた香織は、最上階の部屋のびっくりするような価格を知っている。

茉奈ちゃんママはいつも流行とは無縁だけれど、ひと目で上質なものと分かるものを身に付けている。
肌など白雪姫のように真っ白で、幸せそうな顔。専業主婦。おっとりした話し方は、「人生で忙しかったことなど一度もございません」と言わんばかりだ。

別のママがたずねた。

「茉奈ちゃんのバレエ教室、どうですか?」

バレエ? 茉奈ちゃんはピアノも英会話も習っていたはず。それに加えて、今度はバレエ? うちの恵里菜は英会話だけだ。顔の引きつりを無理やりほぐすように笑顔を作って、香織は言った。

「いいねぇ、茉奈ちゃん。
頑張ってね。うちも習い事を増やしたいのは山々なんですけど、私の仕事がさらに忙しくなってしまって。大きな案件を任されたもので…おかげでまたやつれてしまって」
ママ友ヒエラルキーの頂点に立ちたい! 見下しママ代表:香織の場合【リアル・モンスターワイフ、再び 第15回】

ⓒDaisuke Morita-stock.adobe.com


「仕事で忙しい」「やつれてしまう」というのは、香織の常套句だった。ある日の井戸端会議で、有閑マダムのママ友たちが「子どもが幼稚園に行っている間、何をして過ごすか」と話し合っていた時、「私は仕事が忙しくて」と言うと「まだ子どもが小さいのにすごいわね」と言われたからだ。

彼女たちの持っていないもの、それは仕事だ。社会でハツラツと働き、経済参加をしているという事実が彼女たちには憧れのフックになる。

そして、ママ友たちがダイエッの話題で盛り上がっているのを聞いて、一番細身だった香織は「私は仕事が忙しくて、やつれてしまうんです」と付け足した。すると、ママ友たちからは嫉妬のまなざし。
それからというもの、香織は「仕事で忙しい」「やつれてしまう」をキーワードに、ママ友社会で闘っている。

■ママ友ヒエラルキーの闇「すべて一番じゃないと気がすまない!」

その晩、香織は夫の秀樹が帰宅するなり切り出した。

「習い事、やっぱり英会話だけじゃ恵里菜がかわいそうよ。ほかのお友だちはみんな、いろいろ習っているのに」
「恵里菜が何かやりたいって言ってるのか?」
「そういうわけじゃないけど…。でも、親が機会を与えてあげなくちゃ」

何か言おうとした秀樹をさえぎるようにして、香織が続けた。

「それから新しい車のこと。やっぱりファミリー向けの国産車なんてダメよ。習い事の送り迎えの時にうちだけそんな車だったら、恵里菜が恥ずかしい思いをするわ。
国分寺のおとうさんに言って、アウディを買ってもらおうかな」

秀樹はいつも実家をあてにする香織の態度に嫌気が差していた。まるで自分の稼ぎが少ないことを馬鹿にされているような気がする。

「恥ずかしい思いをするのは、恵里菜じゃなくて、おまえだろ」

そんな言葉を秀樹は飲み込んだ。言おうものなら「私は恵里菜のためを思って!」「あなたは恵里菜がかわいくないの?」と、ものすごいけんまくでお決まりの反論が始まるのが分かっていたからだ。


ママ友社会のヒエラルキーの上位に君臨するのに必死な香織さん。経済的マイナスを実家に頼る幼稚さ。そんな彼女に、夫はウンザリしています。

同年代の女性が集まるママ友社会では、女性の虚栄心や、同性に負けたくない気持ちが刺激されます。
そこでつい、何かにつけて相手より上に立とうとしたり、「幸せなフリ」合戦を始めてしまったり…。夫から見ると「イヤな女」まっしぐら、という危険が潜んでいます。

次回ご紹介するチェックテストで、あなたが抱える「マウンティング系モンスター 見下しママ」リスクを確認してみてください。


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