2016年7月22日 20:37
西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第三十二回目。
私がよく行くスーパーの青果担当ナガイさんは、みんなから愛されている。
「今日は小松菜が安いよ!小松菜、持って行っちゃってー!」と元気な声を出すナガイさん。
本当に持って行っちゃったら万引きになってしまうのだけど、ナガイさんの声にのせられたお客さんたちは、次々と小松菜をカゴに入れる。
ナガイさんの周りには、いつも人がいる。
奥様方に料理方法の質問をされて丁寧に答えるナガイさん、小さな少女に「ナガイさん、お母さんが呼んでるから、こっち来て!」と手を引かれるナガイさん。
逆に、一人のおばあちゃんに「久しぶりだね!最近来てなかったから心配したよ!」と声をかけているナガイさんを見かけたこともある。
30代前半、いたって普通の容姿。
しかしナガイさんはすごく魅力的だ。
メディアでは『モテ』というキーワードをやたらと目にする。モテるための服装、モテるためのメイク、モテるためのしぐさ。確かにその瞬間はモテるかもしれない。
しかしモテると、愛されるはまったく違うものである。
モテるのは努力で何とかできるけど、愛されるのは生まれながらにしてもった素質が必要なんじゃないかと思っている。
私の母は、とても綺麗な人だ。