Be inspired!がお届けする新着記事一覧 (8/30)
ソウルよりこんにちは、カミーユ綾香です。
2018年01月09日伝統的なお茶から、“遊び心”を感じるアレンジされたお茶まで、無限とも思えるラインアップをもっている伊藤さん。お店に行くと、「今日はどんなものが飲みたい?どういう気分?」と、まるでカウンセリングをしてくれるかのようにお茶を出してくれる。そんな、驚きや穏やかさを届けてくれる一杯が、未来の地球を守る一歩にもなっているのはダブルでうれしい。カウンターの席で会話も楽しみながら、お茶を通じた地球の未来を一緒に夢想してみてはどうだろうか。来週の『TOKYO GOOD FOOD』もお楽しみに!***LUVOND TEA SALON(ラボンド・ティー・サロン)Website|InstagramAddress:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F 銀座大食堂 内Tell:0570-001-432営業時間:11:00 – 23:30(営業日はGINZA SIXに準じます) All photos & text by Ai Ayah ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!16店目:「日本人の魚の食べ方には偏りがある」。食べても地球を傷つけない、千歳烏山のサステナブルシーフードレストラン、BLUE。| フーディーなBi編集部オススメ『TOKYO GOOD FOOD』 フェアトレード、ダイレクトトレード、オーガニック、ベジタリアン、ビーガン、ゼロウェイスト、昆虫食、未来食…。東京の街に日々増えていく、お腹をただ満たすだけではない...
2018年01月07日人間は古くから食料を「粉」にする技術を持ち、小麦を粉にしてパンを焼いたりうどんを打ったりしてきた。また現代では粉末に熱湯を注ぐだけで食べられるカップスープなどが、その便利さから一般的になっている。だが平成も終わりに近い2018年は、食料を粉末にして使う「粉もの」に違う視点から注目できそうだ。世界や日本で増える「粉もの」の“スーパーフード”ここ数年で話題になった「粉もの」といえば、Be inspired!でこれまでに紹介した“完全栄養食”として世界的に注目されたソイレントや、廃棄されてしまうおそれのある野菜を使用した、手軽に栄養がとれるNICE n EASY(ナイスンイージー)がある。
2018年01月05日日本で大学入学は18歳、そして卒業は22歳。そう決められているようなものだから、もし“決められた年齢”より1歳でも上だったら、すぐに「浪人したの?それとも留年?」と聞かれてしまう。だから日本でその年齢を超えても学校に通っているという人の数はほかの国と比べると少ないのだ。けれど、今回紹介するスウェーデンは、大学以外に成人向けの教育機関が充実しており、年齢を気にせず学び続ける人も少なくないのだという。Be inspired!は今回、スウェーデンに住んだことのある若者6人にインタビューを実施し、スウェーデン事情に加え、日本がスウェーデンから学べることがないか質問した。本記事ではその回答の後編を紹介する。M(23歳、会社員)
2018年01月04日スウェーデンと聞いてあなたは何を思い浮かべるだろうか?IKEAやH&Mなどのグローバル企業、社会保障制度が充実している、ジェンダー間格差が他国と比べて小さいなどのポジティブな印象を持っている日本人が大半かもしれない。だが、そんな「先進的で憧れの的」というイメージが強いスウェーデンで実際に生活すると、どんなことが見えてくるのか。また、スウェーデンなど北欧諸国は「北欧」というカテゴリーで一括りにして語られることが多いのも事実。これについてはどう考えたらいいのだろうか。Be inspired!は今回、スウェーデンに住んだことのある若者6人にインタビューを実施。彼らにはスウェーデン事情に加え、日本がスウェーデンから学べることはあるのかを聞いてみた。本記事ではその回答の前編を紹介していく。片波見 せるさ(学生、24歳)
2018年01月04日「セックス」の話をしよう。あなたのソレはどんなふうに始まった? 思い出してほしい。それぞれ悲喜こもごもあっただろうが、初めての実践は何かと気を使っただろう。ちなみに筆者は、「なんで先生は人間の身体について雄しべだの雌しべだのと遠回しに教えるんだ」なんて憤慨した口だ。詳しくは聞かないで。あなたが受けた性教育も、多くは同じように曖昧なものだっただろう。だからこそ、本稿で紹介する試みには驚かされた。ノルウェーの国営放送「NRK」が、ネットにあふれているポルノとは違う、「ありのままのセックス」を放映したのだ。ターゲットは性知識に乏しい子どもたち。「間違った知識をネットのポルノで身につけがちな若者の現状」に、NRKはこのようなかたちで一石を投じた。この社会実験に対し、SNSでは賛否両論が巻き起こっている。今回はこの試みをなぞりつつ、日本の性教育の問題点に触れ、私たちにいま何ができるのかを考えていきたい。
2018年01月02日皆様、あけましておめでとうございます。元日に引き続き、去年とってもお世話になり、今年もいっぱいお世話になるつもりのBe inspired!連載者様から今年の抱負、抱負に込められた想い、そして今年の連載への意気込みを伺いました。「社会派」を軸に、様々な人や企業、団体を日々紹介しているBe inspired!ですが、2018年もたくさんのストーリーを発信し、多くの方をインスパイアできるように頑張りたいと思います。読者のみなさま、連載者のみなさま、今年も何卒よろしくお願いいたします。田代 伶奈(たしろ れいな)“社会の普通”に馴染めない人のための『REINAの哲学の部屋』2018年の抱負47都道府県にデニムを届ける抱負に込めた想い2018年からキャンピングカー”えぶり号”で全国を周ります。自分たちが移動し、今まで僕らの声が届かなかった人たちにも会いに行って想いを伝えたい。色んな地域でみんながEVERY DENIMを履いてくれるように。頑張ります。連載への意気込み日本の地方にたくさんいる「誇りを持ってものづくりする同世代」をどんどん発信していきたいです。カミーユ 綾香(かみーゆ あやか)カミーユ綾香の「マイノリティ爆弾」2018年の抱負More Divestments!! Plant More Green!!抱負に込めた想い2017年はダイベストメントが大きく飛躍した一年でした。一年の初めの方に開催したイベントで「ダイベストメントは日本では効果的ではないように思います」というコメントが会場からありました。一年が過ぎ振り返ってみて、決してそうではなかったと胸を張って言うことができます。世界ではダイベストメント運動はさらなる拡大を続け、日本では「レッツ、ダイベスト!」キャンペーンに合わせて、120人以上の個人と、7つの団体がダイベストメントし、「地球にやさしい銀行」に口座を移しました。NHK にも出ました!2017は、350 Japan にとって「ダイベストメント元年」と言える大きな一年だったと思います。2018 年は、世界から吹き寄せるダイベストメントへの追い風を掴みながら、団体、そしてキャンペーンとしてさらなる成長を遂げたいと思っています。目指せダイベストメント1000人!ボランティアメンバー随時絶賛募集中です。興味ある人はいつでも連絡してください!続いて、個人的に豊富に込めた思いについて・・・現代に暮らす私たちはテクノロジーの進歩に支えられた豊かな「暮らし」をしています。テクノロジーが人類を幸せにする!これは素晴らしいことだと思います。でも私たちの「生存」は太古から変わらず、大地や海が育む命や、木々が吐き出す酸素、つまり「自然」そして自然を育む「循環」に依存しいるのです。あらゆるものごとが断片的にしか見えない都会では中々感じにくいし、気づきにくいですが、「自然」と「循環」に依存する構図は今もかわりません。しかし、人類は今この「循環」を滞らせてしまっています。自然を「消費」し続けているにもかかわらず、自然に「返す」ことをほとんどしていないからです。自らを循環の外に置いてしまっています。お世話になってる人がいつか循環を意識しない社会を「やりっぱなし」の社会と表現していました。その通りだな、と思います。取るのに、返さない。地球を食料庫と置き換えたら、そのやばさが少し想像しやすいかもしれません。今までずーっと自然の恩恵を受け続けてきたんだから、そろそろ自分も返さなきゃ!こういう思いをしばらく持ってきました。去年一年の反省は、僕も「やりっぱなし」で「返す」ことをほとんどしなかったことです。なので来年はちゃんと返したいと思います。とりあえず木を植えたい!そう思ってます。あとは、自然や循環ついてより深く学びたい。それが僕の個人的な抱負です。とりあえず年始は1/9からツバルに行ってきます!小さな島国ほど、「循環」がどのように作用していて、今どのように変わってしまっているのか、露骨に見えるところはないだろな〜と思っています。あとはツバルで「アホな走り」を撮影するのがなにより楽しみ。これについてはまた今度!連載への意気込み来年も環境のフィールドで活動で活躍する人や、ボランティア達をガンガン紹介して行きたいと思います!2018年もよろしくお願いします!感謝を込めて、清水イアンTop illustration by mokaText by Be inspired!編集部ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!社会変革のために行動する8人。「2018年の抱負」を皆様とシェアします!VOL.1 皆様、あけましておめでとうございます。今日は元日。あっという間に2018年は訪れましたね。年々一年が短くなっているように感じているBe inspired!...
2017年12月31日皆様、あけましておめでとうございます。今日は元日。あっという間に2018年は訪れましたね。年々一年が短くなっているように感じているBe inspired!編集部です。さて、本日は元日ということで、去年とってもお世話になり、今年もいっぱいお世話になるつもりのBe inspired!連載者様から今年の抱負、抱負に込められた想い、そして今年の連載への意気込みを伺いました。Be inspired!の連載者の方は、どの方も本当にユニークで、信念を行動に移している方々なのでいつもインスパイアされています。読者の皆様、連載者の皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。木村 昌史(きむら まさし)ALL YOURS木村のLIFE-SPECの作り方2018年の抱負よく寝て、よく動く!抱負に込めた想いどんなに楽しい予定や貴重な瞬間も寝不足ってだけで全ての質が落ちるから!身体も心も元気な状態でインプット/アウトプットしたい!超基本だけどずっと出来てないから(笑)。あとは、じっとしている安定じゃなくてプロペラみたいに一定のスピード保って回転し続けたい。それには体力が必要だから、やっぱり寝るの大事。連載への意気込み見てくれた人がぼんやりと自問しちゃうような、想像力の一片を生みだせることが書けたらいいなと思います!アーヤ藍(あーや あい)過去の連載マイノリティに目を向ける。UNITED PEOPLE アーヤ藍の「シネマアイ」新連載今年スタート!2018年の抱負「安価よりも感化を」抱負に込めた想い 2018年は、今まで自分が考えてきたことや取り組んできたことをより様々な形でアウトプットしていく年。私たちが提案するファッションが好きだといってくださる人たちに、真正面から正直に向き合う一年にしたいです。 連載への意気込み様々な分野で活躍する方の「思い出の服」とそれに纏わるエピソードを、連載で発信したいと思っています。 ファッションは内面の一番外側。ゲストや読者の皆さんの、内側を掘り下げられるような連載にしていきたいです。Top illustration by mokaText by Be inspired!編集部ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!社会変革のために行動する8人。「2018年の抱負」を皆様とシェアします!VOL.2 皆様、あけましておめでとうございます。元日に引き続き、去年とってもお世話になり、今年もいっぱいお世話になるつもりのBe inspired!連載者様から今年の抱負、...
2017年12月31日私たちの暮らす社会では、短い期間に多くの「新商品」が生み出されている。それは消費の中心となっている人たちが、基本的な衣食住には特に困ることがなく、何か目新しいものに楽しみを見出したい、そんな気持ちを持っているから。だから彼らの消費欲求に合わせ、メーカーが消費者の注目を集めることばかりに目を向けてしまうことがある。そこで生まれたものには、たとえば棒付きアイス「ガリガリ君」を製造する赤城乳業が数年前に発売した「ナポリタン味」のアイスバー。それ以前の「コンポタージュ味」や「シチュー味」は世間の注目を集めただけでなく売り切れが続出した。だがナポリタン味にいたっては思うように売れず、なんと3億円もの赤字を出したという。これは立派な“失敗作”ではないだろうか。同商品は所蔵されていないものの、似たようにヒットすることがなかった、むしろ「失敗した商品」ばかりを集めた博物館が今年、スウェーデンにオープンした。この一風変わった博物館から、「失敗」との付き合い方を少し考えてみたい。
2017年12月28日みなさん、お家のキッチンはきれいに保たれていますか?昨日使ったお皿が置きっぱなしというあなた、筆者もです。来年こそは「その日の汚れは、その日のうちに」精神を身につけ、美しいキッチンで朝食を作る毎日を始めたいもの。 しかし、疲れて帰宅して食事したあと、ソファに倒れずにキッチンシンクに向かうのは至難の技ですね(違う人もいますが)。でもそんなことでは、幸運も逃してしまうかもしれません。そこで、年末大掃除に向けて、怠惰な気持ちから目を覚ましてくれる、あるデータをご紹介します。ファストフード店、5つ星レストラン、一般家庭。もっとも雑菌が多いのは?やはり、最も雑菌が検出されるのは、多くの人が出入りして、返却コーナーにゴミが散らかり、店員が忙しそうにハンバーガーを包み続けるファストフード店と考えがちですが、アメリカでスタイリッシュかつ、再生、再利用、生分解が可能な飲食店用雑貨を販売するウェブサイト「Restaurantware」の調査で、意外な事実が判明しました。 当サイトは、ファストフード店、5つ星レストラン、一般家庭の雑菌量を比べるため、ファストフード店としてフライドチキン、タコス、ハンバーガーのチェーンを、そして高級レストランとして寿司屋、ステーキハウス、イタリアンレストランを調査。加えて、一般家庭3軒を調査対象としています。すると、なんともショッキングな結果が。なんと、5つ星の高級イタリアンレストランにはファストフードのハンバーガーショップの約60倍もの雑菌がいたのです。そして、群を抜いて雑菌だらけだったのは、一般家庭。キッチンを清潔に保つのに大事なのは習慣づけ。調味料置き場など、細かいところのキッチン掃除は、時間を割く曜日を決めてルーティンワークにすれば、忘れませんね。ムラン准教授によると、食器ふきの布などは、電子レンジで温めると殺菌効果抜群なのだとか。ここまでは、雑菌が一般家庭のキッチンにどれほど多いのか、その問題に対してどう対処すればいいのかを簡単に書いてきましたが、先ほどの調査はあくまでも「使い捨て食器」の卸売をするブランドの行なったものです。つまり自社商品の宣伝のための、ある意味で極端な調査だと言っても過言ではないでしょう。また、ここで指摘しておきたいのが、除菌しすぎると雑菌との接触が減ることで、体の免疫力を下げるということです。手洗いの際に殺菌剤を含む「抗菌せっけん」を使うのも、よさそうに見えて実は健康リスクになるとのこと。(参照元:東洋経済オンライン, PRESIDENT Online)したがって、雑菌を気にしすぎるのではなく「使ったお皿は、まめに洗う」くらいの心がけでいいのかもしれません。Text by Miroku HinaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!9人目:“満たされない物欲”から離れることで見つかる「幸せな生活」への4つのステップとは|Bi が選ぶ今週のGOODTUBER(グッチューバー) 世界最大の動画プラットホームYOUTUBEでは、誰も挑戦したことのないことを動画にしたり、自作の映画や音楽を違う国に住んでいる人と共有できる。そんなYOUTUBEのなかには、「...
2017年12月28日2017年、SNSがさらなる進化を遂げていったのと同時に、「若者のフェイスブック離れ」という言葉が聞かれたように特定のSNSを使わなくなった人もいれば、複数のアカウントを用途によって使いわける人も少なくないなど、人々のSNSとの付き合い方も多様化している。だがハッシュタグは、個人がSNSに投稿をするときはもちろん、企業や団体などがキャンペーン自体の名称をハッシュタグにし、活動を広めるときに広く使われている。さらには意見を主張したり人々に議論をするよう呼びかけたりするハッシュタグ・アクティビズムも盛んだ。今回Be inspired!では、2017年に紹介したハッシュタグ・アクティビズムから、2018年を迎える前にもう一度考えてほしいものをピックアップし、改めて紹介することにした。①紙カップはリサイクル不可能。コーヒーをテイクアウトするなら再利用可能な選択肢を。#Oceanrescueメンタルヘルスの次は生理に対するタブーをなくそうとする活動、#MenstrualMovement(生理ムーブメント)。ホームレスの人たちは生理用品の支給を受けることが少なく、不衛生な代用品を使わざるをえないことを知ったハーバード大生は、その背景にある「生理に対するタブー」と人々の認識の不足に気づく。ホームレスの人たちに生理用品を配布する活動と同時に、生理についてオープンに話すことの必要性を訴えた。④「男は泣いちゃいけないの?」“男らしさ”という古臭い常識を覆すグローバルキャンペーン。#isitokforguys※動画が見られない方はこちら4つめに、男性にのしかかっているジェンダー観念“男らしさ”のプレッシャーをなくしていくキャンペーン#isitokforguys(男性が〜〜してもいいの?)。「ジェンダーレス普男子」という言葉もあったように、ジェンダー表現の多様性は比較的若者の間では広がっているが、これからさらに浸透していくべきもの。男性の多様性を否定する“男性とはこうあるべき”という考え方を壊していくことで、ほかのジェンダーの人たちも生きやすい社会を目指すというアプローチだ。⑤日本でも日常的に起こる「ボディ・シェイミング(体型の誹謗中傷)」の危険性。#TheySaid
2017年12月28日「私たちはサイボーグになったけどロボットや機械より、自然や動物に近づいたと思っています」。サイボーグになった人間、と聞いたらどんな人を思い浮かべるだろうか。SFファン?テクノロジーマニア?世界初の政府公認サイボーグに話を聞くと返ってきたのが意外にも冒頭の言葉だった。サイボーグなのに自然や動物に近づいたとはどういうことだろうか。正直、イメージとは正反対。今回Be inspired!はリアル・サイボーグの実態に迫る。左・ムーン真ん中・ニール右・絵美さん「やっぱりSFファンですか?」草野絵美がニール&ムーンに出会った。草野絵美(以下、絵美):小さい頃からサイボーグになるっていう構想があったのか気になります。二人は幼馴染で子どもの頃からサイボーグになりたいっていう話とかしてたのかな?やっぱりSFとかアニメとか?ムーン・リーバス(以下、ムーン):それがまったくそうでもなくて、SFに興味があったわけではなく、サイボーグになろうなんて考えたこともありませんでした。アートに夢中でしたね。それと自然。動物。地球に興味があったんです。アートを通して、リアリティと自然を新しい視点から見るようになりましたね。絵美:意外。動物や自然にインスパイアされているんですね。ニール・ハービソン(以下、ニール):そうなんです。たとえば地震って動物は探知できる。像は骨で地球の振動を感じることができます。アンテナだって多くの虫にあるもの。紫外線だって多くの動物が感じることができるもの。つまり僕たちは生き物にインスパイアされています。絵美:音とか振動って直接脳で感じるものだからビジュアルと違っていて面白いですね。アートを作るプロセスも知りたいです。どうやって自分の視点を作品に取り込んでいるんですか?ニール:新しい感覚を既存のアートを使ってアウトプットできます。僕の場合は色から音を作るカラーコンサートや、聞いた音を色にする絵のプロジェクトもできる。あとは僕のアンテナはインターネットにつながってるからオーディエンスが色を送るプロジェクトもしました。ムーン:私の「Invitation to Earthquakes(地震への招待)」という作品では、鑑賞する人に一緒に座ってもらって、地球の音を一緒に聴きました。私が生きる彫刻みたいな形で。地震の大きさによって私が動くから、地震の振動がなければ私も動かない、という感じで。そうすることでオーディエンスを「地震へと招待」したのです。地球が生きていることを感じてもらえた作品だと思っています。あとは、一つの場所で起きた地震の音を楽譜にまとめたり。最初の作品はメキシコで発表したのですが、過去50年間のメキシコの地震の音を10分にまとめました。地球が作曲家で、自分自身を媒体として使いました。絵美:作品を通してあなたたちが感じているものを伝えたいという強い気持ちがあるんですか?ムーン:はい。もし自分の感覚を増やせれば、みなさんのリアリティが広がり、地球やほかの種への共感が増えるから。私たちはサイボーグになったけど、ロボットや機械より自然や動物に近づいたと思っています。地球が生きていることを感じられるから。絵美:トランススピーシーズだからこそ、妬まれることとか、ネガティブな反応を受けることはありますか?ムーン:はい。ニールは特に、ね。宗教への信仰が強い人とか?神が人間を完全に作ったと考える人もいますし、テクノロジーを恐ろしいと感じる人もいる。でもテクノロジーを使うのは人間であって、使い方は私たちが決めればいいんです。ニール:そうですね。単純に倫理的でないと感じる人もいます。でも、私たちは倫理にかなっていると思っています。人間は、自分が住みやすい環境にするために、何千年もの間、地球を変えてきました。僕たちはこれが間違っていると考えている。地球を変えるのではなく、自分たちが変わるべきだと。たとえば、僕たちが暗視を持ち合わせていれば、夜中に電気をつける必要はない。これはどの感覚についてもいえることで、もし体温を調整することができたら冷暖房を使う必要はないでしょう。環境破壊を続けなくてすむ。ムーン:環境に身体を適応させるということは、どんな生物も今までしてきたことなんです。絵美:なるほど。それでもサイボーグになるうえでタブーってあると思いますか?制限を設けるべきとか。ムーン:自由に自分の身体をデザインできて、どのように地球を感じたいか考えることはとても楽しいことだと思います。自由にできるということが大切。ただ、他人に悪影響を及ぼすようなことがあったら規制をかけるべきかな。ニール:どのような感覚を持っていいか、ではなくて問題はそれをどう使うか、だと思います。視覚を持っていても、見てはいけないものもある。視覚を制限するのではなく、何を見てはいけないかを私たちは制限しているのと同じで、どんな感覚を持つかではなく、どう使うことが倫理的かというのを国ごとに規制を設けるべきではあると思います。絵美:私たちにもつけられるデバイスがあって、気軽に自然を感じられたらサイボーグへ近く一歩になりそうですね。2人の会社でサイボーグになるためにはどういうプロセスがあるんですかね?ムーン:私たちがやっているのはアートプロジェクトなんです。学生や大学とコラボレーションしています。ニール:2017年12月28日、新しい感覚に興味がある人たち向けのイベントやワークショップを行う場として、「Trans-Species Society(トランススピーシーズ・ソサエティ)」をバルセロナで立ち上げます。新しい感覚が欲しいと思う人には、それを作るプロセスにも関わってもらいたいと思っています。ムーン:それぞれが欲しいと思う新しい感覚探しも私たちが手伝います。どの感覚を欲しいかを決断するには長いプロセスが必要となるでしょう。絵美:今後、サイボーグを社会に増やすうえで、心配事はありますか?ムーン:将来的には、人種にもセクシュアリティにもあるように、新たなダイバーシティの枠となると思います。ニール:今の社会はまだ受容できないかもしれない。最初はサイボーグに対する差別があると思います。もう一つ問題になりうるのは、新しい感覚を売ろうとする人が出てくること、感覚を通じて人をコントロールしたり、人の動きを監視したりしようとする人が出てくること。もし企業が人の脳と体をコントロールするようなことが起きたら問題です。だからこそ、僕たちは自分の新しい感覚を作るプロセスには自分自身が関わるべきだと思っています。絵美::手術って普通に病院でできるんですか?ニール:アンダーグラウンドで、匿名の医師がやっているんです。50年代、60年代にトランスジェンダーの性転換手術が違法だった時代、デンマークやほかの国でされていたように、今のトランススピーシーズの手術は匿名の医師がやっている。僕のも同じです。絵美:私は光合成がしてみたい。ムーン:そういうプロジェクトしましたよ!フランスのアート大学で。最終的にその子は植物とつながって、植物が水を必要としているときに彼女はそれが感じられるようになりました。絵美:すでにいた〜(笑)。最後になぜアートなのか知りたいです。どうしてアートでアウトプットするのか。ムーン:アートは自由だから。自分の感覚をデザインすることもアートだと思うから。実用的なことのために使っているわけではないというのもあるかな。哲学やリアリティの問題だから。自分の体験をデザインすることはアーティスティックな実験だと思います。ニール:アートにルールはない。サイボーグになるのにルールはない。だからアートが最適なスペースなんです。彫刻にも似ているかな。彫刻家が石から作品を生み出すように、僕たちは自分たちの身体から感覚や考え方を創り出している。ただ体外ではなく、体内で起こっているだけ。絵美:あなたの存在がアートなんですね。ニール:うん。僕たちの体験がね。人生とアートをわけてない。僕たちにとっては同じことなのかもしれません。***Neil HarbissonWebsite|Facebook|Twitter|Instagram***Emi KusanoWebsite|Twitter|Instagram
2017年12月28日「環境活動=まじめ=つまらない」。そんなイメージを吹き飛ばす環境NGOが日本に存在する。それが「国際環境NGO 350.org Japan (以下、350)」だ。年齢、職業、性別、人種もとにかく多様。下は6歳の子どもから上は70代のおばあちゃんまで。また、シングルマザーや障がいをもった人、外国人もメンバーにいる。そこで主体的に動いているのは主にミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭までに生まれた世代)の若者たち。少しでも多くの人に、楽しみながら環境活動ができることを知ってもらいたい!そこで、Be inspired!では、以前本誌でも紹介した350のフィールド・オーガナイザー イアンが、350の活動に関わる人をインタビューする連載をお届けする。その名も『「世界は気候変動で繋がっている」。若き環境アクティビストのリアルな声。by 350.org』。連載3回目の今回は、350 Japanのボランティアメンバーである、あんなと日南子(ひなこ)にイアンがインタビュー。2人に共通するのは「ビーガン」として生きていること。食と社会の関わりを考え、敢えて「肉」を食べない選択をしている2人には、社会がどんなふうに見えているか、そして食の選択と350の活動との共通点について話を聞いた。
2017年12月27日社会の暗黙の了解事項ー女の子はわき毛を生やすべきじゃないー。でも、「剃らなきゃいけない」のが女の子だけなのはなんでだろう?別に剃らなくてもいい、そのことに気づいた日本に住む6人の女の子に話を聞くBe inspired!オリジナル・フォトプロジェクト、『わたしがわき毛を剃らない理由』。わたしがわき毛を剃らない理由美佳 モデル/主婦Instagram私は物心ついたときから高校を卒業するまでずっと水泳をやっていて、部活のときに見えてしまうわき毛、体毛が恥ずかしくて2日に一度は処理をしていました。それが当たり前でしたね。わき毛を剃らなくなったのは海外アーティストのインスタグラムがきっかけでした。わき毛ってこんなに可愛いの!?って。それからです。好きな日本人モデルさんも実は伸ばしてるって知って余計に剃る理由が見つからなくなりました。今では彼と「どう?伸びてる?」「うーん、まだまだだね」なんて会話しています(笑)。アニー トラベルライターBlog/Instagramたいていの女の子と一緒で、人生のほとんどは毛処理にすごいこだわってた。いまだに自分の体毛の全てを愛してるって言ったら嘘になるけど、わき毛のことはだんだん好きになってきたよ。最初は怠けてただけだったけど、そのうちそもそも自分が剃っていたのは「剃らなくちゃいけない」って思ってただけだったって気づいた。ステレオタイプに挑戦するのは好きだから、ちょこっとわき毛見せびらかすだけで人を驚かせられるしね。わき毛っていう人間の体にとって自然なものが、議論を生むなんてびっくりじゃない?レイニー デザイナーInstagram私がわき毛を剃らない理由を簡単に説明するなら、めんどくさいから(笑)。でも子どもの頃に母親に影響を受けたのは大きいかな。体毛は自然なもので、剃らなくてもいいって教えてくれた。個人の好みの問題で、自分が一番だと思うことをそれぞれがすればいい。大きくなるまで、それが女性の権利とかと繋がっているなんて思ってもみなかったけど、重要なことだよね。女性として、みんなが力を感じれるのが一番。Photo by Mathias AdamStyled by Mirano Suzuki Make-up by Laurène Baudin Text by Noemi Minami ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「メイクはマナー」という日本社会の“理不尽な常識”に反抗する日本人女性たち。 日本では「女性=メイクをする」という事柄が定着している。でも思い返してみれば子供の頃、メイクに興味を示したら両親からは「不良のすることだ」と言われた。中学高校ではメイクは...
2017年12月26日子どもの頃の楽しかった記憶を思い返してみてほしい。あなたの思い出のなかに、ハンバーガーやフライドポテト、アイスクリーム、ドーナツ、フライドチキンなどの、ファストフードが登場するワンシーンはあるだろうか。もちろん全くない人もいるだろうが、現在この悪しき食習慣「ファストフード」は、日本を含む世界中に染み付き、小児肥満と呼ばれる未成年の肥満を急増させているという。その代表的な都市である英国ロンドンの市長が、ファストフードという小児肥満のタネから子どもたちを守るためにとった、“攻めた行動”が話題になっている。Photo by Gerard Stolk世界人口の3人に1人が太りすぎ。今後は肥満が標準体型になる?実は、今年の医学誌「New England Journal of Medicine」で発表された調査の結果によると、今世界で1/3に相当する22億人が太りすぎで、10人に1人が肥満だという。2015年には、太りすぎが原因で、400万人もの人々が命を落としているほど。特に問題視されている小児肥満は、将来的に太りやすい体質を招くばかりではなく、心臓病や糖尿病、がんなどの深刻な病気になってしまうリスクを高めると懸念されている。研究家たちは「食にまつわる環境やシステムの変化」がその大きな原因だと捉えており、具体的には消費者が手軽に安価で高脂肪な食品を手に入れられるようになったこと、そしてそれらの商品のマーケティングに影響されていることだとしている。貧困コミュニティに密集するファストフード店「貧困コミュニティに集中するテイクアウトの店が、食生活の不平等を引き起こしているのではないか」と同研究所のパブロ・モンシヴァイス博士は、そう指摘する。実際にイギリス国内において、低所得者層の人々が暮らす地域では、経済的に豊かな人々の住む地域に比べ、約5倍のファストフード店が存在するという。例えば、ロンドン市内にある学校から400メートル圏内でのファストフード店の平均数は6店舗だが、それに対し、低所得者層の人々が暮らす地域では、8店舗以上。一方で、富裕層の地域では2店舗未満だ。大切なのは、自分で選び、決められるということそもそも「健康に悪いから」という理由で禁止されるだけで、人々の行動はすぐに変わるのだろうか。ロンドンの例にしても、この対策で改善を実現しようとする一方で、年々ファストフード店は増え続けるばかりではなく、様々な新しい嗜好品は魅力的な宣伝と共に、絶え間なく消費者の目の前へ送り出されてくる。そして経済的事情や忙しさなどの理由から、安価で早く手に入る食品を必要としている人たちがいる。健康のためファストフードに全く手を出さないというのならそれで良いし、時には罪の意識のなかで楽しむことがあったとしても、悪くないだろう。本来もっとも重要なのは、どんな人々も「選択肢」を持てるという環境だ。環境そのものをすぐに変えることは、現実的ではない。しかし私たちはいつでも、自分にとって必要な知識を得ていくことで、少しだけ意識を変えることはできる。そこから自分なりの均衡の取り方を模索していくことが、これからの時代を生きていく上で、必要なのかもしれない。Text by Sara Sugioka ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!体に悪いのは「中身」だけではなく「外側」も。ファストフードやコンビニ食品の容器に隠された有害物質の真実。 「ファストフードは体によくない」。そんな言葉はもう聞き飽きたかもしれない。だが、ファストフードが危ない理由は、その原料や添加されている化学物質だけではない。今年の2月に...
2017年12月25日従来の「エシカルファッション」というと、なんだか真面目なものを想像するかもしれない。しかし北欧、デンマークではそんなイメージが覆させられる。そこではもう、エシカルであるということは、ブランドの「目的」ではなく「条件」にしか過ぎないから。「服をただ着るのではなく、マニフェスト(宣言)として着よう」というモットーを持つBe inspired!の編集部がセレクトしたブランドの詰まった「人や環境、社会に優しく主張のあるWARDROBE(衣装箪笥)」を作り上げる連載『GOOD WARDROBE』。今回紹介するのは、デンマーク発の洗練されたミニマルサステイナブルブランド「By Signe(バイ・シーヌ)」。同ブランドの創設者であり、デザイナーであるシーヌさんに話を聞いた。ーどうしてサステイナブルなブランドにしようと思ったのですか?自然とそうなったという方が正しいかもしれません。私自身がそういうことをとても気にしているので、ブランドを作るときに100%自信を持って売れるプロダクトにするためには、原材料からブランドのコンセプトまで一貫してサステイナブルなものにせざるを得なかった。ひとつ屋根の下でブランドを成功させることで、ファッション業界に対してデザイン&手作りでエシカルなビジネスが可能だと示したいです。また、サステイナブルに、深く、正直で、魂のこもったブランドが成功できるということも。ブランドは輪のようなものです。生産方法がエシカルでも原材料がそうでなければ意味がないし、逆もそうです。環境に優しい服を地球に残そうと、ケミカルなものは一切使わないですし、それぞれの服に温もりが感じられるように心かげています。正直に活動しているから、自分たちのストーリーを消費者とオープンにシェアできるのも好きなんです。ーこんなに深く考えているけれど、ウェブサイトに“サステイナビリティ”というページがあるだけで、ホームページやSNSをパッと見ただけでは、「エシカルなブランド」とは思わないようなミニマルで情報の少ないスタイリッシュなビジュアルですよね。それはブランディングの一貫ですか?まず、そう思ってくれたならすごい嬉しい!私はデザイナーとして、デザインを最優先しています。サステイナブルというのは、個人的に気にしているからと、それがファッション業界の未来だと思っているからだけど、一番重要なことではないんです。理想では、みんなが私たちの服を、デザインが好きだから買ってくれて、そのうえで、サステイナブルだという事実がさらなる価値を生んでくれれば嬉しいです。ーバイ・シーヌは日本からでも買えますか?今こうやって話している間にも、日本とのすごく面白いプロジェクトを進めています!だからもう少しで買えるようになるはず。それまでは、ウェブサイトからインターナショナルに郵送しています。日本からのオーダーもすごく多いんですよ。ウェブサイトはこちらから。All photos by By SigneText by Noemi MinamiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#5:ファストファッションの正反対を行く。1足のサンダルを1ヶ月かけて作るブランドが現代人に訴えたいこと。|Bi編集部セレクト『GOOD WARDROBE』 従来のブランドのように、「伝統的なファッションアイテムから着想を得て、安い労働力で大量生産する」のではない。若者たちがインドの熟練の職人たちとともに作り続ける、社会や環境を大...
2017年12月22日WHERE IN TOKYO今回は、東京都心から少し西に離れた京王線千歳烏山駅から徒歩10分程度の場所にある「BLUE」。今年9月に東京にオープンしたばかりのサステナブルシーフードレストランです。サステナブルシーフードとは、漁法や漁獲量等において、持続可能性に配慮して獲られた魚のこと。なぜサステナブルシーフードにこだわりをもっているのか、代表の松井 大輔さんにお話をお聞きしました。BLUE代表の松井さんWHAT’S GOODーオススメの一品を教えてください。フィッシュ&チップスです。オススメの一品、フィッシュ&チップスーなぜですか?MSC(海洋管理協議会)というイギリスに本部のある国際認証を取っているアラスカ産のスケソウダラを使っているからです。また、衣にはトルコ料理のカダイフという、小麦粉ととうもろこしの粉を混ぜた糸状のものを巻いて揚げています。だから、皆さんが想像するフィッシュ&チップスとは異なる見た目で、インパクトがあると思います。 このお店は「サステナブルシーフードレストラン」としてやっているのですが、サステナブルシーフードのムーブメントが世界でも早く起きたのがイギリスです。海外って食べる魚種が少ないんですが、限られた魚種を大量に採っていたら、まずスケソウダラがなくなりそうになって、フィッシュ&チップスを作れなくなる危機が生じたんです。そこから魚を守る動きが始まったので、フィッシュ&チップスはある意味サステナブルシーフードの原点みたいなものなんです。一方で、お店で「サステナブル」というコンセプトをあまり前面に押し出すと頭でっかちになってしまう。それは嫌なんです。フィッシュ&チップスはボリュームもあって、The魚料理感が強くないし、まず見た目のインパクトで楽しんでもらえる。おいしく味わってもらったうえで、店内にちりばめている認証マークから関心を持ってもらえたら、「さっき出した魚はこうこうで…」と伝えたいと思っています。CONCEPT & PHILOSOPHYーBLUEでは、MSCとASCという認証マークがついている魚を扱っていらっしゃるんですよね。そもそもMSCやASCとは何ですか?簡単にいうと、MSCは「天然魚に対する認証」で、ASCは「養殖魚に対する認証」です。たとえば天然魚だと、必要量以上を漁獲することで特定の魚種が絶滅の危機に陥ったり、あるいは漁法や労働環境に問題がある場合もあります。養殖魚のほうでは、養殖場を建設する際に自然環境が壊されることや、設備が整っていないと、養殖場から魚が逃げ出して周辺の生態系を壊したり、病害虫を外に広げてしまうこともあります。そういった問題がおきないように、きちんと配慮し管理しているものに対して、認証が与えられます。こうした認証ラベル、実は世界的に乱立していて、中には認証条件がゆるいものもあります。そんななかで、GSSI(グローバルサステナブルシーフードイニシアチブ)という機関が正しい認証マークを選ぶ活動をしていて、MSCとASCもこのGSSIに選ばれています。また、昨年のリオデジャネイロオリンピックでは、選手村等で提供するシーフードはほとんどMSCかASCの認証がついているものとされていました。ーお店を通して、どんな風に社会を変えたいと思っていますか?日本人の舌の感覚って、シーフードに対してレベルが高いと思うんです。一方でオーガニックやエコを謳っているものは、高いとか、美味しくなくても仕方がないという認識も少なからずあるような気がしています。そんな固定観念を崩したいので、とにかくまずは「おいしい」と思ってもらいたいですね。海外ではNGOの力が強いので、マイナスのプロモーションというか、「やらなきゃやらなきゃ」って煽る形でサステナブルシーフードが広まっていったのですが、毎日普通にスーパーに魚が並ぶ日本では、危機感をもてなくてうまくいかないと僕は思っているんです。だから逆においしいものを食べた後に、この素晴らしい魚食文化を子どもや孫の世代にも伝えたいですよねって、ポジティブな形で、お客さんに理解してもらいたいと思っています。たとえば今は日本でMSC認証の魚を扱っているスーパーはかなり限られています。でもこういうマークがあると知ったお客さんが、スーパーの人に「MSC認証の魚はありますか?」って聞くようになったら、そこの責任者の人も、おそらく2~3回聞かれたら、定例会であげなくちゃって思うと思うんですよ(笑)。そういう消費行動から変えられることは結構あるんじゃないかと思っています。オススメのランチメニュー「シーフードの濃厚アメリケーヌソースドリア」MSC認証のついている海産物を使っていますー今後さらにやっていきたいことはありますか?サステナブルシーフードを扱う飲食店は、海外ではすでに結構あって、これから日本でも増えていくと思います。そのときに自分たちが味わった苦労は絶対してほしくないんです。たとえば調達先が分からなかったり、マークの打ち出し方も、結構難しい話になってきます。一部の担当者しか理解できていなくて、お客さんにちゃんと伝えられなかったりすると勿体無いし、逆に間違った形で伝えてしまっては怖いとも思っています。そういう困難をなるべく減らせるように、僕らのノウハウを伝えていきたいです。「あそこができているなら、自分のところでもできるかもしれない、やってみよう」って思ってくれる人が現れて、横の繋がりが広がっていけばうれしいですね。あと、僕個人としては、BLUE以外に株式会社シーフードレガシーという会社にも所属していて、そちらでもサステナブルシーフードに関する取り組みをしています。たとえば今だと企業の社員食堂もサステナブルにしようという動きがあって、その認証取得やマニュアルづくりのサポートをしたり、今後オリンピックに向けて海外のお客さんが増えていくなかで、ホテルでもサステナブルなシーフードを提供できるようにしようと、調達方針や調達ルートのコンサルティングやネットワーキングもしています。その時に気をつけているのが、「絶対にサステナブルシーフードじゃないとダメ」と一気に切り替えようとはしないことです。それでは今漁業をやっている人たちの生活がサステナブルでなくなってしまう。海のそばで育っているから、彼らの苦しみも結構分かっているんです。だから、そのあたりの折り合いをつけながら「2020年までに何%ずつサステナブルシーフードの割合を増やしていきましょう」とか、「この魚はこちらに代替していきましょう」といった形で進めています。なんとなく「国産の魚であればいいのではないか…」と思ってしまいがちでしたが、地球全体の海の状況や資源量のバランスは、個人レベルではとても測り知れず…。第三者的機関が調べてくれていて、「食べても資源や環境を傷つけないよ」と教えてくれるのであれば、罪悪感少なく、安心して、おいしく食べられそうですよね。ちなみに店内の内装も端材や廃材を活用していたり、メニューの紙は木の資源に関する認証マークがついているものを使っていたり、チョークボードは松井さんの手書きだったり…こだわりとDIYさが詰まった、ストリート精神いっぱいのお店です。ぜひすべてを”味わい”に訪れてみてください!来週の『TOKYO GOOD FOOD』もお楽しみに!***BLUEWebsite|Facebook|InstagramAddress:東京都世田谷区北烏山9-2-4Tell:03-5969-8558営業日:11:30-14:00、18:00-24:00(月曜定休)
2017年12月22日2ヶ月に1度美容院へ行くと、脇にある机に2〜3冊のファッション雑誌が用意される。客の年齢や服装から美容師がこちらの好みを判断し、合いそうなものが用意され、私の場合大体いつも20代後半〜30代向けの少しモード目なのが一冊と、ピンクやベージュがベースの甘めで「女の子らしい」表紙のものが1〜2冊そこに置かれる。雑誌なんて長いこと自分で買っていないし、アパレル販売を辞めてからはトレンドのアイテムも意識しなくなったから、「今はこういうのが人気なんだ」とか「これ可愛いな」とか、新しい情報に刺激されるのは楽しい。ただひとつ引っかかるのは、どの雑誌を読んでいてもほぼ確実に登場する「モテる」という言葉。こんにちは、紅子です。今回の連載のテーマは「モテる」について。まず「モテるってなに?」という疑問の答えを探すため、辞書を引いてみました。も・てる [2] 【持てる】( 動タ下一 ) 〔「持つ」の可能動詞から〕 ① 人気があって,ちやほやされる。 「女に-・てる男」 ② 長くその状態を保つ。維持する。もちこたえる。 「共通の話題がなくて座が-・てない」三省堂 大辞林よりこれだけ見てもしっくりこないので、まずは美容院の雑誌で感じたことから綴っていきます。日常のひょんなところに溢れている「女が男に選ばれる」瞬間先週の土曜日に女友達と二人で飲みにいったときのこと。どこにでもあるような普通のバーだったが、たまたまその日はサッカーの試合だったらしく、店内はスポーツバーと化していてとても騒がしかった。そんな雰囲気のなか私たちが二人で話してると、やたらとナンパ目的の男たちが声を掛けてきた。「彼氏がいるから」と指輪を見せると(友達はこういう面倒くさい場面に備えて、周到に薬指にはめるカモフラージュのための指輪を用意していた)、声をかけてきたうちの何人かがこう言った。「えーナンパ待ちじゃないならなんでこんなとこきてんの?」「彼氏いるのになんで飲みに来てんの?」一体いつからバーは男のための場所になったのか。All photos by Jun HirayamaText by Beniko HashimotoーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#006 女子生徒の地毛の黒染めを強要し裁判沙汰になった事件と実体験を照らしてわかった「校則の無意味さ」。| 橋本 紅子の「常識」と「パンク」の狭間で、自由を生み出すヒント。 こんにちは。紅子です。少し前に、大阪府の女子高生が生まれつきの髪色にもかかわらず「黒くないから」という理由で学校側から黒染めを強要され、不登校となったのちに裁判へ...
2017年12月22日All photos by Chihiro Lia OttsuLocation provided by HAIGHT&ASHBURY & OkidokeiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!保守的な国ケニアで“出る杭”として活躍する姉弟クリエイティブ起業家から学ぶ「日本人に欠けていること」 日本で今、どれだけの人が自分らしくいることができているのだろう?日本に自己表現の選択肢は多い。2016年の時点でGDPは世界三位、経済的に比較的恵まれた国だから、...
2017年12月21日日本で今、どれだけの人が自分らしくいることができているのだろう?日本に自己表現の選択肢は多い。2016年の時点でGDPは世界三位、経済的に比較的恵まれた国だから、そのぶん消費の選択肢も広がる。でも文化的には「出る杭は打たれる」と言われるように、突出したものを煙たがる風潮があることも事実。マスメディアが作り出す大きな流れに身を任せることが“普通”なのだと、日本に住んでいれば肌で感じるはず(そのおかげでカウンターカルチャーが盛んなのもまた事実だけれど)。今回、Be inspired!は「自分らしくいてもいい」という選択肢を保守的なケニア、ナイロビに生み出した姉弟クリエイター2manysiblings(トゥー・メニー・シブリングス)に取材した。選択肢はあるものの「自分らしさ」を追求できていないことがある私たち日本人は、彼らの言葉から学べることがあるかもしれない。ローカルな「好きなことの追求」が、SNSを介して世界へ左・姉ヴァルマ右・弟オリバー2manysiblingsはケニア・ナイロビを拠点に活動する姉のヴァルマ・ロッサと弟オリバー・アシケによるクリエイターデュオ。2013年、大学と仕事のために住んでいた南アフリカから帰ってきたヴァルマと大学を卒業したばかりのオリバーがナイロビで再会。「企業の人形になりたくない、好きなことをやりたい」と、それまで取り上げられることのなかったナイロビのアーティストやストリートスタイルを記録し、Tumblrに投稿し始める。自分らしくいることに徹底した彼ら自身のスタイルや視点は国際的に注目を浴び、現在ではSNSだけでも約7万人を超えるフォロワーを世界中に持つ。これはケニアのクリエイターとしては異例の規模だそう。ヴァルマ:Tumblrにはバイラルを生む力がある。しかも多くの人に長い間リーチする。2年前に私たちが撮ったものが未だにシェアされたりするぐらい。そうやって私たちに興味を持ってくれる人が増えていくの。SNSは成功の大切な要素だったと言えるわ。今回2manysiblingsを日本に連れて来たのは以前Be inspired!でも取材した、デザインを通じて、アフリカのクリエイティブな視点を発信する革新的なブランド、Maki & Mpho(マキ & ムポ)。ブランドのビジュアルストーリーの共同製作を目的に、来日プロジェクトを立ち上げた。「アフリカ的でなくても、日本的でなくてもいい。2ManySiblingsという彼ら個人の視点、そしてナイロビという特定の環境がおもしろいと感じた」と共同創設者のマキさんは話す。左から、PRや新しいコレクション作りに参加している友人のティム、オリバー、ヴァルマ、マキさん気づいたらケニアの「自由な自己表現」の象徴となっていた姉弟「アフリカは保守的」と口を揃えて言うヴァルマとオリバー。ヴァルマ:アフリカでは慣れていないことを歓迎しない傾向があるの。「自己表現の方法は変わっても私は同じ人間だよ」って証明しないといけない。でも国際的に関心を持たれ、成功したあとケニアに戻るとクリエイティブシーンのアンバサダーみたいになった。これまで自由に自己表現をすることに抵抗を感じていた人たちに「大丈夫だよ」って示せたんだと思う。意外だけれど、「出る杭は打たれる」という精神は日本とケニアに共通しているのかもしれない。そのなかで生きづらさを感じている人たちが日本と同じようにケニアにもいて、2manysiblingsは図らずともそんな人たちの希望となった。活動を通してどんなことを人々に伝えたいの?と聞くと、弟のオリバーからこんな答えが返ってきた。オリバー:自由。自由に自己表現できるというアイデア。自分らしくいられること。箱に押し込まれないこと。ケニアには保守的な人が多い。ファッションでは特にね。みんな同じ「普通」なことをしていた。誰も自由に正直に自己表現をしている人がいなかった。2manysiblingsは“オーガニック”なアフリカ的視点を持っている。「他のメディアの取材でアフリカの伝統的な模様をいまどきに着こなすと言っていたけど…」と質問しようとすると、オリバーがすぐに「俺そんなこと言った?テキトーなこと言ったかもね(笑)」と一言。取材に立ち会っていた友人のティムが「お前いつも着てるじゃん」と笑いながら言うなか、ヴァルマが冷静に上手くまとめてくれた。ヴァルマ:でもそう、(オリバーがアフリカ的な服を選んでいると自覚がないくらい)私たちが選ぶものは“あえて”ではないってことは真実よ。全てオーガニックなの。つまり、いうまでもなくアフリカのカルチャーが自然と彼らの「自分らしさ」に影響しているということ。ファッションデザイナー・イベントオーガナイザー・写真家、そういった肩書きに縛られたくないという2manysiblings。今後のプランを聞くと、「アップサイクル」という言葉が出てきた。ヴァルマ:ケニアにきてみればわかると思うけど、ケニアは欧米からたくさんのものがくる。まるで欧米のゴミ箱みたい。クレイジーなの。長い目で見たときの目標は、そういうものをアップサイクルして、全く新しいものと価値を生み出すこと。オリバー:それで循環を作る。西洋から古着がケニアに来るから、新しい服を作る代わりにその古い服を使って作り変え、それを西洋に売り返す。弟の言葉を聞いて「それできたらジョークだよね、“ハハハ!”って感じじゃない?」といたずらに笑うヴァルマだが、アフリカに対する真摯な思いが二人の言葉から伝わってきた。***Maki & MphoWebsite|Facebook|Twitter|InstagramMaki & Mpho(マキエンドムポ)は、南アフリカ人テキスタイルデザイナーによるオリジナルの柄デザインを使ったインテリア・ファッション雑貨のブランド。デザインを通じて「アフリカの視点」届けることで、オルタナティブな文化や価値観を世界に発信する。まだあまり知られてないアフリカ人クリエイターたちの視点を紹介する活動の一貫として、今回ナイロビ発のクリエイティブ・ユニット2ManySiblingsとのコラボレーションプロジェクトをプロデュースした。
2017年12月21日今年も残りわずか。年越しは家族と過ごそうと、すでに故郷へ帰るチケットを予約した人もいるだろう。実家で待つ祖父母や、こたつのことを考えると、今から心が温かくなる。しかし、何年も前から故郷へ帰れない人が、世界には数多くいる。今年、世界の難民支援を行う国連機関UNHCRは、世界中の、難民、避難民、難民申請者の数が、過去最高の推計6,560万人(‘16年末時点の統計)に達したことを発表した。(参照元:UNHCR)昨今、世界的に難民受け入れ問題が議論されるなか、「難民」という言葉に「負担」や「危険」といったイメージが加わりつつある。受け入れ費用や、難民に紛れて事件を企む者が入国するおそれがあることへの心配は自然だが、統計や問題だけに目を奪われると大事なことを見逃してしまう。そこで、国連UNHCR協会が、10月にGoogleと開設したウェブサイト「Searching for Syria(シリアを探して)」を紹介したい。
2017年12月20日“私”のなかの世界を全部知ることすらまだできていないのに、大好きな“あなた”の世界を知りたいとどんなに近づいてみたって、その人がどんなことを思っているのかを言葉で聞いたって、半分も理解できなくて、それなのにこの世界はどんどん広くなるばかり。今回vol.4を迎える東京の最先端カルチャーイベント「Making-Love Club」では、「you and I 私とあなたの世界」について考える。「Making-Love Club」は、感度の高いユース世代に向けたカルチャーコンテンツを魅せながら、本当はカルチャーと密接な関係にあるにも関わらず若者たちの話題にされにくい「セックス」や「政治」について若いクリエイターたちが本音でトークセッションを行うイベントだ。今回のテーマ、「you and I 私とあなたの世界」。ものすごく小さいようで、ものすごく大きいこのテーマ。自分のことを自分は本当に分かっているのか、“私”ではない“あなた”のことをどこまで知っているのか、そしてどこまでが“あなた”で、“私とあなたの世界”が幸せでいっぱいになるために今何をすればいいのか…。まだ生まれて20年程しか経たない若者たちが若者たちなりに「自己理解」「他者理解」を深く考える。“私”と“あなた”が生きるこの世界のことをみんなで考えてみよう。<イベント詳細>Making-Love Club Vol.4「you and I -私とあなたの世界について-」vol. 4 & issue no.2 launch party2017年12月21日(木)時間:19:30-23:00会場:LOFT9〒150-0044 東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS1階料金:door ¥1000 with 1 drink前売りチケットはこちらTALK SESSION:「you and i;私とあなたの世界」登壇者:モデル 中川えりな、HIGH(er)Magazine編集長 haru.、Emotional Love編集長 綿貫大介、映像作家 UMMMI.、モデル・スタイリスト 清水文太LIVE:Dos MonosDJ:SUPANQ BANQUEFilm Screening:Julien LevyVJ:Play Back Boys Text by Foo ShojiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!中川えりな、20歳。今、彼女は「ファッション」で政治と日本の若者の距離をどう近づけるのか。 ”私おしゃれでモデルやってて、政治も考えてる頭いい子なんです”って自分をアピールするために活動してる訳じゃないそう言い放ったのは中川えり...
2017年12月20日食料廃棄は、私たち人類が抱える大きな社会問題だ。大きすぎて、少し距離を感じてしまうかもしれない。だがそれを社会問題と捉えず、新しい製品が生まれるチャンスと捉えたら、どんな世界が広がるのだろう。身近で、かっこよく食料廃棄を減らしているFOODTEXTILE(フードテキスタイル)の取り組みを取り上げたい。あなたは、買い物するときどんな基準で商品を選んでいるだろうか。もしあなたの気に入っている商品を販売する企業が、不正を働いたり環境に悪影響を及ぼす事業に資金提供したりしていたらどうするだろう。企業や商品作りにおける考え方に賛同できない場合、その企業やブランドの商品を「ボイコット(不買運動)」するという方法がある。これは買い物が「投票」に例えられるように、消費者の力で信頼や賛同のできない企業の商品にお金を出すのをやめ(票を入れるのをやめ)、企業の経営を成り立たなくさせ社会をより良くする(より良い企業に投票する)というもの。そこであなたがボイコットしたいとき、またはボイコットとは関係なく単純に人や環境に良い商品が欲しいときに、参考となる商品カタログをBe inspired!が作成することを決意。その名も「GOOD GOODS CATALOG(グッド グッズ カタログ)」。今回紹介する食料廃棄に対する新しい取り組みは、廃棄される食物を「染料」の原料と捉えて洋服の色付けをするというものだ。古来から日本には、「草木染」という天然の植物を染料とする染色技法がある。FOODTEXTILEではその草木染の原料に、廃棄される食物を使用しているのだ。さらに、様々な大手食品メーカーと組み、インパクトを大きなものにしている。例えば、カフェチェーンTully’sのコーヒー豆を使用し「茶色」、飲料メーカーKAGOMEのトマトを使用した「赤」、調味料を製造するキューピーの紫キャベツやレタスなどを使用し「紫」や「黄緑」の色をつくり出している。キャベツを使用したグリーンのエプロンフードロスの、アパレル業界への広がりFOODTEXTILEによって染色された洋服は、現在様々な店やイベントで取り扱われている。メゾンキツネ、URBAN RESEARCH DOORS、ABCクッキングスタジオ、三越伊勢丹 ✖︎SkinAware、音楽フェスKNOCKING ON THE DOORS TINY GARDEN FESTIVALなどだ。コーヒーで染色したメゾンキツネのエコバックURBAN RESEARCH DOORS OYASAI BAG三越伊勢丹 ✖︎SkinAware 「グローバルクリーンキャンペーン」ABCクッキングスタジオ エコバッグ音楽フェスKNOCKING ON THE DOORS TINY GARDEN FESTIVAL Tシャツ、バッグ、バンダナ世界に溢れる大きな社会問題は、個人の切り取り方次第これまで「食料廃棄」というと、食品業界だけが取り組むべき課題として認識されていたかもしれない。しかし、自分が「着れるもの」が食料廃棄を減らしていると知ったらどうだろう。身近なことのようには感じないだろうか。地球に住む私たちが地球人として今必要なのは、どんな問題にも「他人の畑」と突き放すのではなく、自分ごととして捉え、広げていくことなのではないだろうか。All photos by FOODTEXTILEText by Ayane KumagaiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!p.19「“ブサイク野菜”をインド料理へ」。チャツネで年間700kgもの廃棄野菜を救うファミリー。「Eat Me Chutneys」|『GOOD GOODS CATALOG』 あなたは、毎日スーパーマーケットに並ぶ、完璧で欠陥がなく色艶の良すぎる野菜に、違和感を持ったことはないだろうか。インド出身でオーストラリア在住のアンキット・チョプラ氏...
2017年12月19日副業や兼業が珍しいことではなくなりつつある昨今だが、これほど多彩な顔を持つ人物もそういないだろう。Beatrix Ost(ベアトリクス・オスト)。モデル、俳優、インタビュアー、台本作家 、脚本家、画家、ライター、デザイナーなど、さまざまな職業を横断しながら生きる、御年77歳のアイコンである。彼女の活動に対し多くの人が共感を示し、インスタグラムのフォロワーは5万人。たびたび 世界的なファッションメディア「Vogue」や「Harper’s Bazaar」、「Vanity Fair」などで取り上げられている。じゃあなんで“77歳のおばあちゃん”が支持されるのか。彼女がデザイナーとして関わった「Peace Bomb(平和の爆弾)」の愛称で知られる、ある気鋭のジュエリーブランドの試みと合わせて紹介する。
2017年12月18日男と女。長い歴史において、性別はその二つで語られることがほとんどだった。それも今変わろうとしている。社会派なアーティストを紹介するBe inspired!の連載GOOD ART GALLERYでは今回、男でも女でもないagender(エイジェンダー)のアーティスト、akina arakakiを紹介。Photo by Carolina Martinezまず最初に確認しておきたい「性別」というコンセプト。社会のなかでは一般的に生まれてきた体と心の性別は一致していることが前提で話されることが多かったが、それは間違い。男性の体に生まれてきても、女性の心を持つ人や、女性の体に生まれてきても、男性の心を持つ人たちがいる。体とのギャップに違和感を感じ、身体的治療を望む人が「性同一障害」と呼ばれたりするが、体と心の性別が一致していない人が必ずしも手術をしたいわけではない。手術を必要とする人、しない人を総称してトランスジェンダーと呼んだりする。「ジェンダー」という言葉は日本語でいうところの性別を意味するが、日本語の「性別」にはないニュアンスが含まれる。「社会的・文化的に形成された性別」を意味するからだ。つまり、ジェンダーについて話すときに体の性別は関係ない。今回紹介するAkinaのジェンダーは、男性・女性どちらにも当てはまらないエイジェンダー(ジェンダーがないというような意味合いを持つ)と呼ばれる。日系アルゼンチン人であり、このエイジェンダーであるAkinaは言葉では表せない思いや自身のアイデンティティをアートを介して表現する。ーエイジェンダーの意味をあなたの言葉で教えてもらえますか?まず言いたいのは、女性と男性という二極を超えてジェンダーにはたくさんあるってこと。恋愛や性的趣向はまた別の話ね。好む色や、服、髪型もジェンダーと関係ない。そのなかでもエイジェンダーは既存のどのジェンダーにも属していないということ。自分の名前(自分の名前が自分の名前だとは思えないけど)や日系だということ、沖縄に先祖がいるけれど違う国に生きているということと自分のアイデンティの繋がりについても特別な感情を持ってる。ーエイジェンダーであることとはどんな感じですか?1年前に大学のためにジョン・ピーター・バージャーの視覚とメディアという本を読んだ。美術史についての本だけど、そのなかの文章が心に突き刺さった。「裸はドレスの一部である」。確か、こんな感じだった。これは自分についてうまく説明できてるフレーズだと思ったんだよね。社会やメディアや人々は個人が「どんな見た目じゃないといけないか」「どんな風に感じるべきか」「付き合いのなかでどんな人でいるべきか」を見た目で判断する。誰も裸になることはできない。それはドレスの一部だから(自分の性別を理由に人から期待されることが必ずある)。このフレーズがあった章に(記憶力悪いからたぶんだけど)、女性がどう社会に見られるかによって、時代ごとに絵が異なるって話もあった。でも最初はエイジェンダーでいることは辛くて混乱した。人に「彼女は」って女性の三人称を使われるたびに精神的にも身体的にも荒らされたような気持ちになった。家族がサポートしてくれないのも、苦痛。でも自分について知らなかったことを知れたから幸せと言えるかもしれない。社会に押し付けられることなく、自分らしくいられていると思うし。 All images by Akina Arakaki unless otherwise stated. Text by Noemi MinamiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#8「デブでブスだと認めることが自分を愛する第一歩」。一風変わった“ポジティブ”な考えを持つ22歳の画家。| GOOD ART GALLERY 「ある日鏡を見て自分が醜いと感じてしまうことは、誰にでもある。ひどい下痢をしているからかもしれないし、冬太りしてじゃがいもみたいだからかもしれない」。じゃがいも…。...
2017年12月15日友達と政治の話をしようとすると空気が悪くなる。社会に関心がある人はすぐ“意識高い系”というレッテルを貼られる。ただ、目の前に広がる社会のことを知りたくて、周りとああでもないこうでもないと話したり意見を交換したりしたいだけなのに、すぐそばにあるはずの「生きていること」と「社会や政治」が遠く感じる。そんな風に思っている若者はきっと多いはず。そんな世代のためのイベント「Youth Conference (ユース・カンファレンス)」が12月17日(日)に上智大学で開催される。若者たちが集って政治や社会のことをじっくり考え、語る場だ。主催するのは「市民のためのシンクタンク ReDEMOS」。これまで政策解説ムービーを制作したり、女性の権利やLGBTQなどのテーマでイベントを開いてきた、元SEALDsメンバーが設立した団体である。未来の社会は若者がつくっていくもの今回なぜ若者向けのイベントを企画したのか、ReDEMOS代表の奥田愛基(おくだあき)さんに聞いた。発端は、高校生や大学生から同世代が集まる場をつくってほしいと言われたことです。社会や政治のことって学校ではなかなか話しにくい話題だけど、みんなどこかで考えなきゃいけないと思っている。考えなきゃいけないっていうか、いまの若い世代だったら考えちゃうめっちゃ大事なこと。これまで色々なシンポジウムを企画してきたけど、実は来る人の年齢層は高め。でも、未来の社会は若者がつくっていくもの。みんなが日々どんなこと考えているか、どんな社会を作りたいかを自由に語ったり、学べる場を作りたいと思って企画しました。だから、今回のイベントの対象は中学、高校、大学生にしたという。ReDEMOSメンバーの高野千春(たかのちはる)さんは「テーマは社会や政治だけど、身構えないでふつうの感覚で来てほしい」と語る。生きづらさは誰しもが感じているもの。社会を変えたいとかそこまで強く思わなくても、何かしたいけどどうやって関わっていいかわからない人とか、関心があるけど誰と話していいかわからない人とか、そんな若い世代が集う場になればいいなと思います。ふつうの感覚でふらっと来てくれたらいいな。申し込みフォームはこちら
2017年12月15日先日、コオロギをふんだんに使ったパンがフィンランドで発売された。「虫が入ったパンなんて絶対に食べたくない」と嘆く人もいるかもしれない。なかには、見たくもないとか、思わず拒絶反応を示してしまう人は多いだろう。そもそも「虫を食べる文化」がない人々にとっては、まず虫を食べようという発想すら浮かばないものである。でもそれ以前に今、なぜ虫を食べる必要があるのだろう?そのストーリーを知れば、あなたの固定観念が少しだけ揺らぐかもしれない。「虫は有益な食材になり得る」と国連機関が決めたワケ実は「虫を食べる」という行為は各国で古くからある慣習。今後それが私たちの日常食になるとして、近年世界的に注目されている。2050年、地球で暮らす人口は90億人を超えるとされ、人類は食糧危機を迎えるといわれている。食糧危機を引き起こす数多くの要因のうち、人口増加、気候変動がもたらす異常気象による農作物の不作などがあるが、その解決策の一つとして国連食糧農業機関(FAO)が2013年に昆虫食を「有益な食材になり得る」と推奨したことをきっかけに、世界的に見直されることになった。今年5月スイスでは法律が改正され、特定の虫を食用として販売することが認められたほか、2018年1月よりEUでは昆虫の取引が自由化されるという。その一方で、ここ日本で実際に試してみようと思う人は、まだ多くはなさそうだ。それでは、虫の気配を感じさせない、こんなお洒落なパンだったらどう思われるだろうか。フィンランドの朝ごはんの新定番は「コオロギ・トースト」?実際にいまでも世界では、1900種以上の昆虫を摂取する人が、すでに20億人存在するという。つまり、その20億人にとっては、虫を食べるという行為は「常識」なのだ。自分にとっての「普通」は、必ずしも他者にとってそうではないばかりでなく、時代や状況、経験などとともに少しずつ変化していく。なにより、そんな私たちの意思とは関係のないところで、現在多くの人間たちに忌み嫌われている虫たちが、将来私たちの救世主となる時代がやってくる。とはいえ、ゴキブリや蛆、カブトムシの幼虫、シロアリの卵を口に入れる場面を想像するだけで、筆者はやはり身の毛がよだつ。しかしそれはおそらく、ステレオタイプな昆虫食のイメージが強く染み付いているからで、その実体験がないからかもしれない。現在は日本国内でも様々な昆虫料理が考案され、料理店もでき始めている。たとえば以前「TOKYO GOOD FOOD」で紹介した新宿区高田馬場にある「米とサーカス」。このような虫を使った食品や料理がどんどん生み出されていけば、きっと虫を食べるという行為自体が、新たな価値観やライフスタイルとして、今後私たちの生活に取り入れられていくかもしれない。少しでも興味を持った方は、一度試してみてはどうだろうか。***FazerWebsite | Facebook | TwitterAll photos by FazerText by Sara SugiokaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「未来のごちそうは、虫ごはん」。スイスから学ぶ、人類が「肉」を「虫」と入れ替えなきゃいけない理由。 スイスの大手スーパーに並ぶのはなんと…“虫”バーガーに“虫”団子。「気持ち悪い」が多くの人の素直な感想なのではないだろうか。しかし、私たちの意思に関係なく、日本の...
2017年12月15日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第4弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。レディファーストは嬉しいレディファーストに対し、「そもそもの起源が女性蔑視だからダメ」とか「女性が何も出来ないから男性がしてあげるという風潮が女性を見下す女性差別だ」と批判することができると思う。逆に「女性の優先権を認めるのは男性差別だ」と反論する人もいるでしょう。欧米ではこのような理由から、時代に合わないレディファーストが見直されているという話も聞きます。どれもわかる気がするんだけど、喉に何かがへばりついて飲み込めない。「素直にどう思いますか?」という問いかけなので、わたしの意見を書きます。わたしは、レディファーストされたら嬉しいし、好きな人が奢ってくれたらふつーに喜ぶ。けど、この喜びは「女性は奢られるべきだ」という信念や「相手が男性だから」という理由に基づくものではありません。いや、むしろもっと浅はかで、その相手に優しくされたらうれぴー! ジェントルマンってステキー!程度のものかもしれない。だって、レディファースト、誰も損してないじゃん、とか思っている。やばい、フェミニズムの波に乗り遅れている。なんとかイズムにとらわれずにもう少し考えてみます。「男性はこうすべき」「女性はこうすべき」という性別を根拠にした規範を、社会や他者が押し付けるのは間違っていると思います。間違っていると思う理由は、そうできない(したくない)人の自由を奪うから。そして、「女ー男」社会の終焉を迎えるべきこのご時世で「性別」を主張の根拠に持ち出すのは愚かだから。というか、「男だったら荷物を持てよ」とか「女だから払わなくていいよ」は、差別というか、根拠不十分なハラスメントって感じ。女性の解放を求めて戦った20世紀フランスの哲学者ボーヴォワールの言葉を紹介します。女性を優先し、責任を解放することで、結局相手の自由を奪うことになっているという指摘。どうでもいいときには男が女を立てて一等席を譲るべきなのはお決まりのこと。原始社会のように女に重い荷物を背負わせる代わりに、つらい仕事や心配事の一切を急いで女から取り除く。それは同時に、女を一切の責任から解放することである。こうして女は自分の立場の安易さにだまされ、心をそそられて、男が女を閉じ込めたがっている母や主婦の役割を受けいれるよう期待されるのだ。田代 伶奈ベルリン生まれ東京育ち。上智大学哲学研究科博士前期課程修了。「社会に生きる哲学」を目指し、研究の傍ら「哲学対話」の実践に関わるように。12月から自由大学で「未来を創るための哲学」を開講。Be inspired!ライター。Twitter: photos by @hello.itsnoemiText by Reina Tashiro ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#003 「死ぬのが怖いんです」。ある高校生の普遍的な悩みに、28歳の彼女が出した答えとは。| “社会の普通”に馴染めない人のための『REINAの哲学の部屋』 こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第3弾。一方通行ではなくみん...
2017年12月14日すべてのクラブ、またクラブに来ているすべての人がそうではない。でも「クラブ=外では許されない卑猥な行為も許される空間」なんて思い込んでいる人たちもいる。そんな空間で誰かが「痴漢にあった」と訴えたら、どんな言葉が返ってくるか、想像できるだろうか?NEW ERA Ladies(新時代のレディース*1、以下NEL)は、ある女性がクラブで痴漢被害を受けたことをきっかけに始まった、フェミニストのzineだ。彼女はTwitterですぐに怒りを表した。「勘違いじゃないの?」「クラブはそういうもの」なんてセカンドレイプ、「告発されたことで楽しい気持ちが台無し」と黙らせようとする人もいた。だが、同じ経験をした人から「私も!」といった共感も届き、男女を問わず「応援してます」という賛同の声もあった。友達同士で話し合うきっかけにもなった。女性のことでも、ひとりでは気づかない視点が沢山ある。
2017年12月13日新大久保よりこんにちは、カミーユ綾香です。
2017年12月11日