あんふぁんがお届けする新着記事一覧 (46/46)
入園・進級おめでとうございます!幼稚園の醍醐味(だいごみ)は何といっても「遊び」。そこには成長のための「学び」が秘められています。ママたちから寄せられた、遊びに関する心配事にお答えしながら、子どもたちがどんな学びをしているのか見ていきましょう。年少ママの心配事Q:お迎えに行くといつも一人で遊んでいます。友達ができないのかと心配です。A:不安解消のための大切な過程。一人遊びも大事な時間です。ママたちには、「せっかく幼稚園に入ったんだから、早くお友達と遊んでほしい」という思いがあるかもしれません。でも、入園したての年少児は、ワクワクの一方で不安がいっぱい。自分の好きな遊びに打ち込むことで安心感を得ようとしています。一人でとことん没頭して遊ぶこと、遊びに夢中になることはとても大切です。自分の思いや好奇心が満たされる経験は、子どもたちの興味をいろいろな方向へと広げていくからです。園での生活に慣れてくると、興味を持った子から声を掛けられたり、「みんなで遊ぶのも楽しいかも」と気が付いていきますから、もう少し待ってみてください。一人で寂しそうにしていたり、他の子と遊びたいのにうまくいかなかったりしていたら、保育者がタイミングをよく見て援助していきます。Q:お絵描きなど、室内で遊ぶことが多いみたい。外でも遊んでほしいのですが…。A:自分が「やりたい」と思ったことに熱中する時間が学びのチャンスです。他にしたいことがなくてお絵描きばかりしているのは問題ですが、子どもが自分から進んでお絵描きに打ち込んでいるなら、それは素晴らしいことです。ママたちからすると「絵ばっかり描かずに他のこともしてほしい」と思うかもしれませんが、子どもは一つの遊びに継続して打ち込むことで、「次はこんな色を使ってみよう」と発想を膨らませたり、「お店屋さんごっこの看板の絵を描こう」と他の遊びにつなげたり、たくさん学びのチャンスを得ています。これらは、自分から「やりたい」と思っているからこその学びです。保育者は、他にしたいことが見つからないなら遊びの提案をしたり、得意なものに没頭しているなら、さらに深められるように環境をつくったり、その子に合わせた援助をしていきます。Q:お友達とけんかしたりおもちゃの取り合いをしたりしないか心配です。A:けんかは人間関係を学ぶ機会。親は「お互いさま」の気持ちを持ちましょう。子どもたちは時にぶつかり合うことで、自分と違う意見があることを知り、折り合いの付け方を学んでいきます。その中で、たたく・たたかれるの問題が出てくることもありますが、ママたちには、これも一つの学びの機会なんだと捉えて、「お互いさま」の気持ちを持ってください、とお願いしたいですね。もし、お子さんが「◯◯ちゃんにたたかれた」と言って帰ってきても、相手の親に問いただすのはトラブルの元になるので避けましょう。お子さんの気持ちはしっかりと受け止めて、詳しい事情は担任の先生から聞くようにしてくださいね。子どもたちの遊びには正解もゴールもない雨どいを使って遊び始めた子どもたち。水を運ぼうとしてこぼしたり、穴を掘る道具として使ったり、水を流したり…。子どもたちにとっては、その一つ一つが遊びであり、場面ごとに楽しさを見出しています。子どもたちの遊びには、正解もゴールもありません。保育者は、遊びが広がらず堂々巡りになっていると判断したときだけ助言しています。「見ているだけ」の子も学んでいる遊びの周りにいる子たちを見て、ママは「うちの子も遊びたそうなのに、先生は声を掛けてくれないのかしら?」と思ってしまいがちですが、実は見ている子どもたちは学びの最中。お友達の姿から遊び方を学んだり、楽しい雰囲気を感じたりしています。互いに意見を出し合い遊びを発展させていく複数の子どもたちが関わり合って、一つの作品を作り上げる経験もします。同じ作品に継続して取り組むことで、さまざまな意見が出て、「迷路を大きくしよう」「僕がガムテープ切るよ」というように、協同的に発展していきます。遊びの中には失敗や挫折の経験も園庭で「かき氷屋さん」を開いているところ。しかしなぜか1人もお客さんが来ず、結局閉店することに…。遊びには楽しい経験だけでなく、こうしたうまくいかない場面もたくさんあります。しかし彼らの遊びは、やがて色水遊びへと変化。かき氷のシロップで色水を使った経験を元に、遊びを発展させたのです。色を混ぜるとどう変わるか、夢中になって調べていました。年中ママの心配事Q:女の子のグループができていて違うお友達を仲間に入れません。A:悪気はなく、仲良しのお友達を独占したい気持ちの表れです。年中の秋ごろから、特に女の子はグループができてくることがあります。ママたちに分かってもらいたいのは、これは「いじめ」ではないということ。自分中心だった年少に比べ、お友達への興味や、大好きなお友達を取られたくないという独占欲が出てきているんです。これ自体は悪いことではなく、成長の表れです。一方、相手の気持ちを想像する力はこれから伸びてくるものです。保育者は「◯◯ちゃんは仲間に入れてもらえなくて悲しかったんじゃないかな?」と相手の気持ちを伝えたり、「2人だけでおままごとするより、大勢の方がいろんな役がいて楽しいんじゃない?」と声掛けしたりしていきますが、みんなで遊ぶ楽しさを家庭でも伝えていってほしいです。Q:勝ち負けにこだわる気持ちが強くかるたやトランプをやりたがりません。A:ルールのある遊びを通じて「負けても次がある」ことを学んでいきます。「負けて悔しい」という気持ちが芽生えたのは、心が成長している証拠です。無理強いして遊び自体が嫌いになってしまってはつまらないので、今は無理にやらせなくていいと思います。年中から年長にかけて、例えば鬼ごっこでも、ドロケイや色鬼などルールのある遊びを楽しむ中で、子どもは「負けても次がある」「みんなで同じルールを守って遊ぶって楽しい」ということを学んでいきます。その経験を積み重ねて、「他の遊びも同じかな?」と思えるようになれば、かるたやトランプにも、自分から「やりたい!」と気持ちが向かっていくはずです。年長児の姿から大きくなることへの憧れを感じる園庭でドッジボール。最初は保育者が教えながら、徐々に自分たちだけで楽しめるようになります。たまに年少児が交じり、ルールは分からなくとも楽しい雰囲気を感じています。(写真右)リリアン編み。いろいろな場面でとてもうまい年長組を見て、「年長さんになったらやりたい!」と思えるのも大事な気持ちです。外からの刺激を受けて遊びが生まれるクリスマス会で保育者が披露したチアダンスに刺激を受け、「私たちも!」と、子どもたち自ら結成したダンスグループ。自分たちで音楽をかけて踊っています。これも楽しい遊び。年長ママの心配事Q:外で遊ぶ所がなく家で電子ゲームをする時間が長くなります。A:電子ゲームはコミュニケーションのない遊び。最長でも1日30分に。幼児期に大事なことの一つに、コミュニケーションを取り合い、工夫しながら遊ぶという経験があります。電子ゲームでは、そうした対話や工夫が生まれないので、できればやってほしくないというのが私の考えです。それが無理ならば、最長で1日30分とルールを決めましょう。お友達を家に呼んだときには、お友達にもそのルールを守らせます。そして、親自身もルールを守りましょう。どうしてもという場合は、子どもが寝てからに。できることなら、同じ室内遊びでも、トランプやボードゲームなど、リアルにコミュニケーションを取れる遊びを増やせるといいですね。Q:戦いごっこが本気モードに。力が強くなっているので心配です。A:戦いごっこで終わるのではなく発展性のある遊びへ広げていきましょう。いくら遊びが大事といっても、ただ遊んでいればいいというわけではありません。私は、遊びには「質の高い遊び」と「質の低い遊び」があると考えています。「質の高い遊び」とは、一つの遊びがいろいろな方向へ発展し、膨らんでいく遊びのこと。一方、「質の低い遊び」とは、子どもたち自身が遊び方をどう工夫すればいいか分からず、堂々巡りになってしまっている場合です。おそらく、たたき合う以外に遊びを膨らませられないから、けがを心配するほど過激になるのではないでしょうか。園ではそうなる前に保育者が、「武器を作ってみよう」「秘密基地はどこにする?」などとヒントを与え、遊びの質を高めていきます。ご家庭で声を掛けるときの参考にしてみてくださいね。得意を伸ばした子は互いを認められるようになる木登りが得意な子、工作が得意な子…、いろいろいます。遊びの中で得意なことを伸ばして仲間に認められるうれしさを実感した子は、自信が付くだけではありません。「◯◯ちゃんはお絵描きが得意だよね」というふうに、他の子のことも認められるようになっていきます。田澤先生から「遊びの大切さ」について「面白い」「楽しい」「うれしい」遊ぶことで育まれる感情は生きる上での根っこです遊びの中には、その子にとっての「学び」があります。「これって何だろう?」と面白がる気持ち、遊びを工夫して楽しむ気持ち、試行錯誤の末にうまくいったときのうれしさなどのたくさんの感情を感じ取ることが学びなのです。そしてそれが、その子の一生を支える根っこになります。こうした感情は、大人から「これをやりなさい」と遊びを押し付けられたり、「こうすればうまくいくのよ」と正解を教えられていては生まれないものです。失敗して、うまくいって、また失敗をして…という経験を繰り返す中で、子どもたちはそれぞれが考え、意見を出し合い、いろいろなことを感じながら成長していきます。園はまさに試行錯誤の機会を子どもたちに提供していく場だと私は考えています。ですからどの園でも、保育者は子どもたちが遊びに打ち込める環境はしっかり整えますが、遊び方にまでは細かく口を出さないようにしているはずです。ただし、遊ぶことがなくて困っているなど、サポートが必要な場合には援助しますし、遊びが広がり、さらに学びが深まるような環境の工夫もします。おうちの方には、プロとしての保育者の目を信じて、園での学びを見守ってほしいと思います。園での成長を楽しみにしていてください!お話を聞いたのは:田澤里喜先生 たざわ・さとき東一の江幼稚園(東京都江戸川区)園長。玉川大学教育学部准教授。副園長を経て2015年に園長に就任してからは、遊びの時間をいっそう増やすなど、園児たちが自分の好きな遊びに集中できる環境づくりを行っている。監修/西東桂子(あんふぁんサポーター) 写真協力/東一の江幼稚園
2016年04月13日駄々をこねる子どもが泣いたりぐずったりして本音を出すのは「心のガス抜き」のために必要なこと。子育てアドバイザーの萩原光さんにお話を聞きました。Q、初めての体験や場所を嫌がるときは?3歳の息子は初めての体験や場所が苦手です。連れていこうとすると、泣いて「嫌~!」と駄々をこねます。でも、先日おじいちゃんと初めての理髪店に行ったときはお行儀良くしていたらしく、びっくりしました。そばにいる人によって子どもが対応を変えることはあるのでしょうか?[大阪府和泉市・そうママ]A,、嫌な気持ちを認めながら頑張る気持ちを育てよう一緒にいる人によって子どもの様子が変わるのは、珍しいことではありません。おじいちゃんと一緒のときはお行儀良くしていたと聞いて、お母さんは自分の対応が間違っていたと思ったかもしれませんが、そんなことはありませんよ。お子さんは、お母さんには安心して本音を出せるけれど、おじいちゃんには自分の気持ちを出しづらくて緊張していたのでしょう。無理して頑張っていたのかもしれません。感受性が強く繊細な子どもにとって、初めての体験や、初めての場所というのは緊張や不安が高まります。「初めて」を避けられる場合もありますが、成長していく上では慣れていくことも必要です。そこでお母さんとしては、「嫌がらないの!」ではなく、「嫌だね~。でも頑張ってみよう」とか、「泣かないの!」ではなく、「泣いてもいいからチャレンジしようね」と声を掛けて、子どもの気持ちに共感しつつ応援することが大切です。泣いたりぐずったりして不安や緊張を吐き出すことは、心のガス抜きになります。本音が出せなくて気持ちをため込みながらチャレンジするよりも、心のガス抜きを認めてもらいながら乗り越える方が子どもは楽なんです。そうして経験を重ねていくうちに、初めてのことにもだんだん慣れていくと思います。Q、「できない~」とぐずるとき自分でやるよう促すべき?5歳の長女は、時々、明らかにできることや今までできていたことを「できない~」と言って、泣いてぐずります。ただ構ってほしいだけなのでしょうか。私が代わりにやったり手を貸したりした方がいいのでしょうか。それとも、「できるでしょ」と自分でやるように促した方がいいのでしょうか?[神奈川県秦野市・でんでん]A、「できるよね」と促したり手を貸したり、バランスが大切子どもがこういう行動をするときは、理由があるものです。例えば園でプレッシャーを感じる場面が増えると、赤ちゃん返りのような行動で心のバランスを取ろうとすることがあります。お子さんも、もしかすると何か不安なことがあるのかもしれませんね。でも、原因を無理に探ろうとすると逆効果になる場合もあります。原因を探るより、「子どもなりに何かストレスを抱えているんだろうな」という姿勢で見守ることが大切です。理解あるまなざしは必ず子どもに伝わり、それだけで気持ちが楽になるものです。お母さんの接し方ですが、どちらかに偏るのではなく、時には手を貸してあげたり、「できるよね」と促したり、バランスが大事です。泣いてぐずるという行為はストレス解消に必要不可欠です。すでにお子さんは自分でストレスを吐き出すことをしていますから、「泣きたくなっちゃったんだね」とか、「いつも頑張っているから、たまにはヤダヤダって言いたいよね」と共感してあげれば大丈夫。心行くまで泣いた後は、すっきりしてまた元気が出てきますよ。illustrationKAWAZOE Mutsumi
2016年04月13日“魚の食べ方”なんて気にしなかった子ども時代、しかし大人になってから「魚を上手に食べられない」とコンプレックスを抱く人も多いのだとか。わが子が苦手意識を持ってしまう前に、魚の食べ方の練習を始めてみませんか。まず、どんな魚を選べばいい?大人でも敬遠しがちな魚、「一人できれいに食べられた!」という達成感を味わいながらステップアップしていってもらいたいもの。それにはまず“魚選び”と“部位選び”が重要となってきます。・小骨が少なく、身ばなれがよい魚小骨が少なく、骨から身がはなれやすい魚を選びましょう。スーパーで手に入れやすい、サバ・カレイ・ホッケなどがスタートには向いています。・骨のついた切り身、しっぽ側を与えるどの魚にも腹部には多くの骨があります。(写真:青の部分)人間の肋骨のように内臓を守るための骨ですが、この骨の扱いが結構難しい。その部分を避け、しっぽ側から与えます。(写真:黄色の部分)まずは身の開き方と骨を探すことに慣れるのが大切、苦痛に感じさせない程度の大きさでチャレンジしてみましょう。魚の食べ方1.2.31.大きな骨(背骨)に沿って箸先を入れる「人間の背骨のように、魚も頭からしっぽに向けてまっすぐ大きな骨があるのよ。その背骨にそって箸を入れてみようか」と、魚の体の説明も加えながらやっていきます。実はこの説明が意外と大切。どこにどのような骨があるのかイメージを抱けると、解体するのが楽になります。実際に背骨を中心に身を開いていくと、身がきれいにはなれて骨も見つけやすく、食べやすくもあります。2.背中の身を開いて、食べる箸を入れたラインから上側の身を開きます。骨が見つかれば骨を外しながら食べていきます。口の中でも骨がないかを確認しながら、ゆっくり食べます。もぐもぐ、ごっくん!と勢いで飲み込まないように気をつけましょう。3.骨から下の部分の身を開き、食べる前述したように、骨より下の部分の腹部に近いところは骨が多いので、注意して食べます。骨やあらなどはお皿の上側の一か所に集めておくと、食べている途中に骨が混じることがなく、食べ終わりも美しい。4.しっぽの方から大きな骨を外すしっぽの方から頭に向かって骨を外し、その後は2.3.と同じような順番で食べていきます。ひれの部分など、食べられない部位はお皿の端によせて。やってしまいがちなのが魚をひっくり返すこと。魚の頭は基本左側、頭なしの場合は背側を上にしてお皿に盛ります。半身食べて裏にひっくり返すというのは実はマナー違反。しっぽ側から骨をはずしましょう。その他のメリット魚の食べ方トレーニングには、いろいろなメリットが隠れていました。・箸の使い方が上達する箸をうまく使えなければ、きれいには食べられません。魚の身をほぐす作業は、箸の使い方の練習にもなります。・集中力もアップ魚の解体、骨探しには集中力を要するので、そういう面でも良いトレーニングに。・魚好きに変身何よりも魚はおいしくヘルシー。苦手意識がなくなり魚にプラスのイメージを持つことで魚好きになる!これが最大のメリットとも言えます。我が家では子どもが4~5歳の頃から骨付きの魚で挑戦し始めました。子どもに説明しながら手伝わなければならない、いつもの食事よりも時間がかかってしまう、と最初はとても面倒に感じました。けれどこの練習は子どものため!そして数年後に親の私が楽をするため!と月に1回だけ辛抱して付き合うことに。その結果、最近ではサンマ一尾、煮魚一尾を嫌な顔をせず一人で食べるまでに成長!おまけに魚の日は「やったー!」と言うくらい魚好きになりました。外食やおよばれで魚料理がでてきても、もう怖くない!これからも“魚”と“食”をめいっぱい楽しみながら、大きくなってほしいな。<文・写真:フリーランス記者林未香>
2016年04月07日親は子に、「自立した大人になって、社会に貢献してほしい」と願うもの。でも、毎日子どもと接するなかで、知らず知らずのうちに子どもの芽を摘み取ってしまっているとしたら?子どもたちに向けて、生きる力をはぐくむキャリア教育を提供している「NPO法人キーパーソン21」代表理事、朝山あつこさんに話を聞きました。キャリア教育とは、わくわくできる生き方を応援すること3人の男の子を育てた朝山さんにキーパーソン21を立ちあげた経緯を聞きました。「長男が通う中学校で学級崩壊が起こりました。子どもたちが無気力だったり暴れたりする様子を見て、子どもたちがわくわくと主体的に生きていくには、どうしたらいいだろう?と考えました。日本中の子どもたちと社会のために、学校教育とは違う方法で子どもたちにアプローチしようと決意し、2000年にキーパーソン21を立ちあげました。キーパーソン21では、自分の好きなもの・大切なものが世の中の仕事とつながっていることに気づかせ、子どもたちの主体性を引き出す<夢!自分!発見プログラム!>を開発。学校や教育施設で、35000人近くの子どもたちに向き合い、好きなことを職業意識に結びつけ、自信を持たせる活動をしてきました。キーパーソン21が掲げるキャリア教育の理念は、大切なのは、なりたい職業を探すことだけではないということ。キャリア教育というと、大人はすぐに、将来よい職業につくための教育という発想になりますが、それだけではなく、子どもが何が好きなのか、どう生きたいのか、何なら一生懸命がんばれるのかを見つける応援をすることです。自分は、どんなことにわくわくできるのかという本質がわかれば、特定の職業につくことだけに縛られず、より広い意味での自分の夢や生き方を発見できます」「○○が好き」の裏に潜む子どもの本質を見極めよう朝山さんは親があることを心がけるだけで、日常生活のなかで、子どもの”好き”の本質を見極めることができると言います。そのあることとは、子どもが何かに夢中になっているときに、なぜ”○○が好き”なのかをひも解くこと。「たとえば、子どもが野球が好きという場合、大人が安易に言いがちなのが『野球選手になればいいね!』という一言。でも、野球選手になれる人はほんのわずかです。子どもたちは、野球選手にはなれないと知った時点で、挫折感を味わうだけ。ここで、なぜ野球が好きなのか?に着眼することができれば、可能性がぐっと広がります。実は”好き”の理由はさまざま。”好き”のキーワードは、<野球>という名詞かもしれませんし、<チームで>という形容動詞かもしれないし、<上達を感じる>という動詞かもしれません。つまり同じ野球でも、A君は<作戦や戦略を立てることが好き>、B君は<チームのために役立つことが好き>、C君は<素振りなどで日々の上達を感じることが好き>ということかもしれません。親がそれを感じることができれば、たとえばA君には家族旅行の計画を考える機会をあげる、B君にはお手伝いをしてもらう、C君には毎日の上達がわかるグラフを作ってあげるなど、わくわくする機会を与えて、自信をつけてあげればいいのです。自分はチームプレーが好きだと気づき自信がついた子は、将来職業を選択する際に、チームでプロジェクトを作っていくような職業を幅広く視野に入れることができます。親が、子どもの”○○が好き”に潜む理由をキャッチする力を備えているか、広い可能性を感じてあげられるか、それが子どもを伸ばせるかを左右するのです」多様な仕事や生き方があることを伝えよう「さらに親ができることとして、子どもが小さいうちから、多様な価値観や生き方、仕事があることを伝えることです。たとえば上の例では、3人に共通するキーワードとして野球があります。野球が好きな子には、選手になる以外にも野球に関わる仕事はたくさんあるという可能性を示してあげることで、子どもたち一人ひとりが自分なりの夢を持つことができます。キーパーソン21でも、<夢!自分!発見プログラム!>の一貫として、さまざまな仕事で活躍する大人が、自分の人生や仕事について語る、<おもしろい仕事人がやってくる!>というプログラムを提供しています。子どもたちからは『今をがんばることで、未来につながっていくことがわかった』『大人になるのもおもしろいかなと思った』などの感想が寄せられています」子どもは親とは別の人間。親も自立する準備を最後に、朝山さんからママ達にメッセージをいただきました。「子どもはいつか親から自立し、言う通りにはならなくなるものです。親は小さいうちからそのことを覚悟し、子どもは自分とは違う人間なのだと意識しておくことが必要です。子どもが自立する時期は、親が第二の人生を考える時期とも重なりますが、くれぐれも子どもを追いかけることがないように(笑)。子どもの自立が怖いのであれば、その気持ちを認め、どうして怖いのか考えてみること。すると、子どもを自分とは違う一人の人間として見ていなかったということに気づくと思います。子どもの自立はさみしい面もありますが、一人の人間として成長した子どもが、どんな考えを持ち、どんな仕事をする大人になるのか、幼い頃とは違う楽しみがあります。今はお子さんを信じて、幸せな時間を存分に楽しんでほしいと思います。どんな子にも、わくわくする未来があるのですから」朝山さんの話を聞いていて、じんわり心に響くものがありました。子どもの職業選択に関して、親は勝手な夢を描きがちですが、子どもがわくわくする人生を選ぶ姿を、わくわくと見守れる親になりたいですね。取材協力:認定NPO法人キーパーソン21<文:フリーランス記者鯰美紀>
2016年03月31日朝の準備時間で、子どもの行動が遅くて焦ったり、イライラしたり、思わず「早く!」と叱ってしまうことはありませんか?「今よりさらに早起きするのではなく、朝の余裕が生まれる他の方法を知りたい!」というのが忙しいママの本音ですよね。今回は、そんなママにおすすめの、子どもを動かす声掛けテクニック、読者ママの実践アイデアを紹介します!Q平日の朝時間を余裕を持って過ごせていますか?9割り近いママがバタバタしている!Qバタバタしてしまう原因は何ですか?(複数回答)子どもの行動がバタバタの原因の上位に。※あんふぁんぷらす調べ (実施期間:2015年11月10日~12月8日/回答数:328)急かす、叱るはかえって子どもの動きを遅くする朝が忙しいというのは、「大人の都合」。自分のペースで「親の時間を食べて大きくなる」のが子どもです。何でも「大人の2〜3倍は時間がかかる」と心得つつ、時短の工夫をしていきましょう。また、子どもは不安や怒りなど〝負の感情〞が強いと、スムーズに動けません。だからママが「早く!」と急かしたり叱ったりすると、かえって動きが遅くなってしまうのです。日頃から子どもの話をじっくり聞いたり、スキンシップをとったりして不安感を減らしておくことも、朝をスムーズにする大事なポイントです。実況中継の〝承認〟で気持ち良く動けるように子どもを動かすには〝承認欲求(他人に認められたいという欲求)〞を満たしてあげるのがコツ。「ママの思い通りに動いて当然、動かなければ叱る」ではいけません。よくできたことを褒めるのはもちろん、「起きたね」「食べ終わったね」など、やったことを実況中継してあげるだけでも承認したことになり、「やることに価値がある」と感じてくれます。ノロノロしていても「◯◯しなさい!」は避けて。2〜3歳なら「ママは何を手伝う?」「どっちの服がいい?」などと選ばせるのが効果的です。4歳頃からは、「何をするときかな?」「次は何をする?」と考えさせましょう。こうして自主性を育むと、自分でできることが増えていきます。CASE1食事に時間がかかる食べやすいもの、好きなもので楽しく食欲は個人差が大きく、食の細い子や食にあまり興味がない子は、食事に時間がかかる傾向があります。そうしたタイプでは、栄養バランスよりも、「食べやすいもの、好きなものを、楽しく食べる」を優先しましょう。好きでないものを食べるのは「苦行」となり、余計に時間がかかってしまいます。保育園で栄養バランスの良い昼食を食べるのですから、朝はごく簡単なものでOKと割り切って。「バナナとヨーグルト」や「おにぎりと前日のみそ汁」など、作るのも食べるのも時間がかからないメニューにしましょう。朝食を食べたがらないタイプなら、「ご飯かパンか」「パンに塗るのはバターかジャムか」など、簡単なリクエストを聞いてあげるのがおすすめです。また、全部食べられなくても叱らないで。「よくかんでるね」「もうおしまいかな?」「ごちそうさまだね」など、承認の声掛けをして、「食べて良かった」という気持ちにしてあげてください。ママの乗り切り術時計を見ながら「ここまでに食べようね」と時間を意識させるようにしています。(0歳、4歳のママ)パンにキャラクターの絵を描いてあげると食事がはかどります。(0歳、2歳のママ)メニューをおにぎりや果物など、子どもが食べやすいものにしています。(1歳のママ)飲み物などの自分でできる準備はやってもらうことに。コップを食器棚の手の届く高さに置いておくことで、進んで準備するようになりました。(6歳のママ)CASE2身支度に時間がかかる競争やカウントは必ず子どもに勝たせる2歳頃からは「自分でやりたい!」が強くなりますが、技術が伴わないので時間がかかりがち。ママが手伝おうとすると嫌がってかえって時間がかかるので、ボタンなど難しい部分をさり気なく手伝って「自分でできた!」という気持ちにさせてあげましょう。服を選びたがる子なら、ママが「どれを着ても大丈夫」と思えるものだけをタンスに入れておいて、自分で選ばせるとよいでしょう。自分でできるけどモタモタするという場合は、「ママが食器を洗い終わるのと、どっちが早いか競争だよ!」などと誘うとスピードアップ。「10数えるうちにできるかな?」なども乗せやすい方法です。コツは、毎回必ず子どもに勝たせてあげること。勝てば気分が良くなって、次の行動もスムーズに進みやすくなります。「着替えさせて〜」などとグズグズするのは甘えたいとき。ママとしては自分でやらせたいところですが、そんなときは手伝ってあげてくださいね。心が満たされないと、その後もグズグズが連鎖してしまいますよ。ママの乗り切り術保育園グッズと服をリビングのかごに入れて、自分で準備できるようにしています。(0歳、3歳のママ)「このテレビ番組が終わったら着替えるよ」と決めると、グズらず動いてくれます。(3歳、5歳のママ)私と着替えの競争をするとスムーズにいきます。乗ってくれる日ばかりではありませんが…。(4歳のママ)子どもが2人なので、上の子は夫、下の子は私と、分担して準備しています。(2歳、小学校低学年のママ)CASE3子どもがなかなか起きない手間はかかっても優しく起こして子どもの睡眠は体内リズムに基づいているので、そもそも「◯時◯分だから起きる」というコントロールは難しいもの。まずは必要な睡眠時間がとれるように、就寝時間に気を付けましょう。睡眠不足でないのに寝起きが悪いのは、体質が影響している場合もあります。前夜、泣きながら寝入ったりすると寝起きが悪くなるという子もいるでしょう。朝は、多少手間がかかっても、〝気持ち良く目覚めさせる〞のが鉄則。体をさすりながら優しく名前を呼んであげましょう。体をペタペタ触ってあげたり、甘えるときはリビングまで抱っこしてあげたりするのもいい方法です。避けたほうがいいのは、「早く起きなさい!」と遠くから大声で呼び掛けたり、大きな音で起こすこと。覚醒していないときに突然大きな音がすると大人でもビックリするものですが、子どもはなおのこと。イラっとして目覚めることになり、起床後の行動もスムーズにいかなくなってしまいます。ママの乗り切り術大好きな戦いごっこを仕掛けて遊びながら起こしています。(2歳、4歳のママ)前日に朝食のリクエストを聞いておくと、食べたいものだから早く起きてくれます。(1歳、4歳のママ)寝起きに泣くと引きずるので、くすぐって笑わせながら起こしています。(4歳のママ)【東さんのおすすめ!】朝の身支度 子どもにやらせるひと工夫3歳頃からは、自分でできることを増やしていきましょう。朝ごはん、着替え、トイレ、歯磨きなど、朝時間の流れを絵で描いて、壁に貼ってみてください。目に見えるかたちになっていると、「どこまでできた?」「次は何する?」などの声掛けだけで動きやすくなります。5~6歳なら、自分で描かせるとやる気がアップします。もちろん絵は下手でもOK。それを見ながら準備を進めてくれるようになると、ママもグッとラクになりますよ。CASE4出がけ&登園中にモタモタする夜の親子時間でメンタルを整える「保育園に行きたくない」とグズる場合、多くは保育園が嫌いなのではなく、「ママと離れたくない、もっと甘えたい」が本音でしょう。ママから無理に離そうとすると不安感が増して、余計にすがりつくので、ギュッと抱っこして「大事な◯◯ちゃん♪」「今日は◯時にお迎えに行くよ。晩ご飯は何にしようか?」などと優しく話し掛け、気持ちを安定させてあげましょう。そして「今日は保育園で◯◯するんだよね」「◯◯ちゃんと遊べるね」などと、楽しいことをイメージさせて。そうしても別れ際に泣くことはありますが、そこは先生にパッと預けてしまいましょう。ママの心は痛みますが、別れた後、ほとんどの子は園で楽しく過ごせるので大丈夫です。帰宅したら園でどんなことがあったか話を聞いて、「楽しかったね」「すごいね」などと気持ちを共有し、スキンシップもたっぷりとってください。家庭で使える時間で子どものメンタルを整えてあげると、保育園に行く朝もスムーズになっていくでしょう。ママの乗り切り術その日に保育園で楽しみにしていることを「今日は◯◯の日だよ」と教えてあげると、張り切って出かけてくれます。(4歳のママ)子どもがグズらないように、とにかく褒めます。(5歳、小学校低学年のママ)今日帰宅したら何をして遊ぶかを話しています。(0歳、4歳のママ)読者ママはこうしているママ自身でコントロールできる、家事や身支度の時短テクニックを紹介!朝食はメニューを決めて献立に悩まないように。みそ汁は前日に野菜とだしを器に入れて冷凍しておき、朝はレンジにかけてみそを混ぜるだけです。(1歳のママ)朝食で使う食器は前日の夜からテーブルにスタンバイ。(3歳のママ)洗濯は前日の夜にしてしまいます。(3歳のママ)洗濯物をベランダではなく、洗濯機の隣のお風呂場に干すようにして、移動時間を短縮。換気扇で意外と乾きます。(0歳、3歳のママ)自分の支度は子どもが起きる前に済ませる。(5歳、小学校低学年のママ)自分が着る服も前日に決める。選ぶのに時間がかかるので…。(6歳のママ)東さんからのアドバイス子どもは、「正しいママ」よりも「機嫌のいいママ」が好き。「できないところ」を頑張ろうとしないで、「できそうなところ」を工夫しましょう。朝ご飯は手抜きでもいいんです。子どもができないときは、さりげなく手伝ってしまっていいんです。肩の力を抜いて、朝時間を乗り切りましょうね。お話を聞いたのは:東ちひろさんひがしちひろ/幼稚園、小学校教員など教育に30年近く携わり、現在は「一般社団法人子育て心理学協会」代表理事。心理学とコーチングを使った独自のアプローチ法で2万人以上の子育てママの電話相談を受ける。著書に『子どもが伸びる!魔法のコーチング』(学陽書房)。illustrationHARA Atsushi
2016年03月29日子育ての最終目標は、自立。「自立=親離れ」は、同時に「親の子離れ」も意味します。近い将来、必ずやってくる子どもの巣立ちに向け、親も少しずつ心の準備をしておきませんか。大冒険、子ども一人で実家に帰省習い事や遊びのとき以外はほぼ一緒に生活をしている我が家。親と子が離れる機会はなかなかありません。ある日ふと「私と子が離れてみる経験も必要かも……」と思い、長女が小学2年生の夏休みに、私の実家に一人で帰省させてみることにしました。10日間の滞在、子どもにとっては大きな冒険、親の私にとっても初めての挑戦です。祖父母となる私の両親が60代前半とまだ若く、妹家族も快く受けてくれたこともあり受け入れ態勢はバッチリ。滞在日程のアレンジと、移動手段の手配だけすればOKでした。移動手段は子ども一人でも安心して乗れる飛行機を選びました。ANAの「キッズらくのりサービス」を利用、手続きはネット上で済ませることができてとても簡単です。当日はチェックインカウンターまで子どもを連れて行くと搭乗までお世話してくれますし、保護者も搭乗口まで同伴できました。到着する空港でも同じ、事前に知らせた引き渡し人の元まで連れてきてくれるので安心です。親の目標は2つこの企画での私の目標は「子どもを信じて我慢する」「子どもの経験は子ども自身のものと考える」の2つ。1.子どもを信じて我慢大冒険に向かう娘の後姿を見送りながら「こちらからは電話しないでみよう」と決心した私。必要になったとき、さびしくなったときに電話してくるはず、心配して先回りはしないと決めました。最初の電話は到着して数日後、突然思い出したかのように「かあさーん、げんきー?」と明るい声の電話。泣きもしないし、さびしいとも言わない(笑)。なんだ平気なんだ、とほっとしたのを覚えています。2.子どもの経験は子ども自身のものこの経験が子どもに何かを大きく残したのではと期待しない、親の主観で判断しないことにしました。子どもの経験は本人のもの、彼女の記憶、心に残っていればそれで良しです。帰ってきたときの笑顔とお土産話から、たくさん遊んできたこと、楽しかったことがよく伝わり、行かせて本当によかったと思いました。親の変化自立のイメージがもてた一つのことをやり遂げた娘の表情から、娘がひと回り大きくなったように感じた私。少しずつ大人になっていくんだな、私から離れていくんだなと、成長・自立していくイメージをうっすらと持つことができました。子どもは子どものままではなく、いずれ親と対等な大人になり、いつか離れていく。そのイメージは常に頭の隅に持っておくべきものなのかもしれません。子どもを信頼することができた子どもを信じて先回りせず預け先に任せることができたのは、親の私にも自信となりました。日常生活ではついつい口を出してしまいますが、物理的に離れることで待たざるをえない状況、これもよかったのかもしれません。大きな気持ちで子どもを見守り、待つということがとても大切だと再認識しました。子の変化、大きな自信と自己肯定感「一人で東京から来たの?すごいね!」「お手伝いが上手だね!」と、親以外の大人からほめられる機会も多く、とてもうれしかったと娘。ほめられることは自己肯定感を生み、やがて自信となります。一人でやれた!という実体験と、人に認められたことも強く心に残ったのではないかと思います。お迎えの日、空港に向かうときの私たち家族のウキウキ感といったら、言葉では表現できません。「おかえり!!」と娘を迎えたときの喜び、みんなで一緒に過ごせるありがたさを改めて感じました。本人はもちろん、帰ってくるのを楽しみに待っていた妹たちのうれしそうな表情、三人が抱き合う姿に涙した母、このシーンは私の一生の宝物になりそうです。<文・写真:フリーランス記者林未香>
2016年03月29日産むのはあなたじゃなく私です!お義母さまに振り回された出産エピソード!!お義母さまにとって、孫の誕生は特別な出来事ですよね。喜んでくれるのはいいのだけれど、はしゃぎすぎて空回りすることも!? また、産前・産後のサポートに来てくれたはずなのに、余計な仕事を増やされただけだった…なんて話もききます。今回は、うれしいはずの出産を混乱に陥れた「お義母さまに振り回された出産エピソード」を紹介します。イラスト:春吉86%何かと揉めがち… 名付け問題!名前をつけるのに姓名判断にこだわられて、結局親から提案された5つの候補から選ぶことになった…(いいtこ、39歳)義母が子どもの名前を勝手に考えて、名前入りのタオルを注文してきた! まだ性別もわからないのに、気が早すぎて振り回された(サリー、36歳)生まれた後、夫と決めていた名前を内々に伝えたところ、「その読み名じゃ将来からかわれる」だの「長男なのに次という漢字を使うのはよくない」だの、双方の親からグチグチ言われた。出産後で精神的に不安定だったので産院の部屋でひとり号泣…。結局、双方の意見を取り入れ微修正をして、今度は先に出生届を出した(あのしゃ?、45歳)祝☆孫誕生! うれしいのはわかるけれど…初めての出産の時、義母も初孫ということで興奮していたらしく、いよいよ生まれるというタイミングで貧血になり倒れてしまった。目覚めたのは、生まれた2時間後…。どうして起こしてくれなかったのよ!と言われたけど、揺すっても何しても起きなかったの!(りんご、37歳)夜11時過ぎに息子が誕生。出産の興奮でなかなか寝付けず、やっと眠りにつこうとしたその時、病室のドアが開く気配が…。なんと早朝5時に義母登場?! 初孫見たさに待ちきれずに来たとのこと。結局、夜の面会時間が終わるまで15時間以上ずーっと居た。信じられないことに、次の朝もその次の朝も6時前に現れた。少しは休ませて!?(困ったちゃん、26歳)初孫誕生がうれしい義母。親戚・ご近所などに触れ回り、出産祝いがたくさん届いた。ありがたかったが、初めての出産育児で精神的・肉体的にも余裕がない時期に、会ったこともなく趣味嗜好の分からない人たちへ内祝いを選ぶのがとっても苦痛だった(むう、38歳)立ち会い出産トラブル!出産前の助産師さんとの打ち合わせで、立ち会いは実母だけと決めていた。いざお産になり、分娩室に移動したら… 右に実母、左に義母というダブル母立ち会い!! トホホな出産だった(チョコ好きママ、30歳)第一子出産時、立ち会い予定の夫が遅れていて、実母と義父母が分娩室にいた。義父は気をきかせて出ていってくれたが、義母と実母は分娩室に残ったまま。やがて実母は私の気持ちに気付いて退出しようとしていたが、義母は立ち会う気満々。事前にそんな話はしていないし、夫以外に立ち会ってほしくないので、出ていってほしいと頼んだが…。義母にはデリカシーないのかとイライラした(ゆびこ、30歳)初めての出産時、夫が立ち会うことに。初産ということもあり約20時間かかってしまい、ずっと夫が側にいることもできず…。気が付いたら義母と義父の両方が入ってきて、気持ちはありがたいけどほんと勘弁と思った!(なゆひ、32歳)余計なおせっかいはやめてっ!冬生まれの息子。青森県だからストーブガンガンなのに、寒いからと赤ちゃんをタオルや毛布でぐるぐる巻きにする義母。おかげで生後2週間で汗疹が大量にでき、小児科へ行くはめに。昔と今は部屋の作りも環境も違うのっ!(てやんでぃ、37歳)結婚5年目にしてやっと授かったわが娘。出産前から、将来は宝塚に入れたいだの、女子アナがいいだの言いたい放題。とにかく孫ドリームがすごかった。いざ、生まれてきた娘を見て一言。「お嫁ちゃんにそっくりだから無理か…(笑)」あきれてものが言えなかった!(ねねでぶ。、42歳)生まれたばかりの息子を抱きながら、「次は女の子ね」とのたまう義母。いやいや、今産んだところなのに?。ええと… 1人でいいです!(ちょび、41歳)お、お義母さま! 空気を読んでください?出産後、病院に義父母がお見舞いに来たのが退院当日。自宅に一緒に帰宅したものの、義母は何も手伝ってくれず、赤ちゃんもほったらかしに。おかげで退院当日から義父母のおもてなしや部屋の掃除をするはめになり散々だった。何もしてくれず、逆に手がかかるぐらいなら来てくれないほうがよかった(かみなりぴかたん、53歳)義母が突然心配になったらしく、予定日1週間前に泊まりに来た。臨月のお腹で家を大掃除することなり、泣きそうだった(モコモコ、39歳)予定帝王切開での出産だったため、親戚には当日病院にくるのは遠慮して下さいと伝えていたのに、義母が初孫を自慢したいがために親戚を連れて病院へ来てきてしまった。初めての手術で緊張していた上に、気を遣わなくてはいけなくて困った(いくっこ、31歳)【番外編】実家の父母に振り回されたエピソード実母が子どもを抱っこしている時に「おまえのママはしょうがないねー」と言ったので、「そんなこと言うなら抱かせないよ」と返したところ、頭にきたようで「じゃあ帰りなさい」と売り言葉に買い言葉。産後里帰りで1ヶ月お世話になるはずが、結局1週間で自宅へ戻ることに(よっちゃん、45歳)次男を出産する時、遠方の実母が「お兄ちゃん(長男)が可哀想だから入院中面倒をみたい。でも旦那さんと家に泊まるのは嫌だから一緒に入院する」と言いだした。もちろん病院に断られ、実母は激高…。「大変なのは産後で、どちらかというと入院してる時は楽なの」と伝えてもスルー。これがきっかけで、三男の出産時は場所を教えなかった(うちゃこたん、40歳)出産前に面倒見てあげると言われ、里帰り3日目。父に「家に居場所がなくなるから帰れ」と言われ、出産前に帰された。結局、自分と上の子と2人で産前産後を乗り切った(ららら、42歳)
2016年03月16日授乳・おっぱいおっぱいを求めるとき、子どもの心には「ママともっと一緒にいたい」という気持ちも隠れています。小児科医の川上一恵さんにお話を聞きました。Q、2歳を過ぎたら断乳した方がいい?2歳すぎの息子は、いまだに夜寝るときと朝方のおっぱいがやめられずにいます。断乳を決意できず卒乳を待っていたのですが、なかなか卒乳してくれず、このままではいけないと焦っています。無理にでもやめた方が良いのでしょうか。[神奈川県・kuri]A、おっぱい以外の方法で安心感を与えて生活リズムが整っていて、朝ご飯をしっかり食べられるなら、急いで断乳しなくても良いと思いますよ。卒乳を待つ場合は、子どもが求めてきたときにだけ、おっぱいをあげるようにしましょう。昼間たくさん体を動かして遊び、疲れ切って布団に入るように心掛けると、いつの間にかおっぱいがなくても眠れるようになっていきます。しばらくの間、寝かしつけをパパにお願いしてもいいですね。その代わり、ママは寝かしつけ以外の時間に、たっぷり抱っこしてあげましょう。卒乳の目安は年齢ではなく、おっぱい以外の方法で子どもが安心感を得られるかどうかです。例えば抱っこで十分安心できるようになれば、不安なときは「ママ抱っこ」と言うようになります。そんなときは、子どもが満足するまで抱っこしましょう。多くのお母さんは「おっぱい」と言われると15分くらい抱っこするのに、「抱っこ」と言われたときは1分くらいなんですよね。これでは、子どもはおっぱいの方が良いに決まっています。優しく抱っこしたり、手をつないだり、添い寝したり、子守歌を歌ったりして、子どもがママから守られていると安心できるようになれば、無理なく卒乳できると思います。Q、おっぱいを続けながら食に興味を持たせるには?保育園に通う1歳5カ月の息子。おっぱいが好きで、食事は1食につき平均3口くらいしか食べません。おっぱいは私もまだ続けてあげたいですが、もっと食に興味を持ってもらいたいです。現在の体重は11.5㎏で小さくはないです。[東京都・YayoG]A、ご飯を少しでも食べたら褒めて食べる楽しさを教えてもし夜中におっぱいを飲んでいるせいで、朝ご飯が食べられないのだとしたら、夜中のおっぱいはやめた方が良いですね。夕ご飯前のおっぱいも、小腹を満たして食べる気力をなくしてしまいます。朝も夜も、あくまでもご飯が先、おっぱいはその後という順番を守ることが大切です。食事は初期食レベルからもう一度仕切り直してみましょう。少しでも食べたら「よく食べたね。おっぱいにしようね」と褒めて、食べられる量を一口ずつ増やしていきます。園では頑張って自分で食べているのですから、おうちではママが食べさせてあげて構いません。また、味付けや固さが発達に合っていないせいで食べない可能性もあるので、時にはベビーフードを参考にしてみましょう。食に興味を持たせるには、ママも一緒にテーブルに着いて、「おいしいね」と食べることが一番です。おなかがすいていて、ママがおいしそうに食べている姿を見たら、自分も食べてみたくなりますよ。ママの気持ちに余裕を持たせるため、下準備に時間のかかる根菜類は休日にまとめてゆでる、ご飯は炊いて冷凍などしておくといいでしょう。illustrationKAWAZOE Mutsumi
2016年03月09日「道路には飛び出さない」「ママのそばから離れない」など、安全のためにお子さんとしている約束はたくさんあると思いますが、気になるのは、子どもがしっかり理解できているかどうか。子どもに伝わるように約束するためのポイントを安全教育の専門家である宮田美恵子さんに聞きました。交通事故【ママが難しいと感じていること・困ること】● 何かに夢中になるなど、他のことに気を取られると道路に飛び出しそうになる。● いくら約束をしても忘れてしまう。約束ポイント1約束を守れない年齢であることを忘れずに就学前の子どもの交通事故で一番多いのは、「飛び出し」です。あんふぁん読者アンケートにも「ヒヤッとした体験」として「飛び出し」がたくさん挙がっていました。この年頃の子どもたちは、道路の向こう側にパパが見えたらパパしか見えなくなるし、ボールが転がっていったらボールしか見えません。自分とパパだけ、自分とボールだけの世界になってしまい、走っている車は目に入らないのです。自己中心的な世界に生きているので、「飛び出しちゃだめ」といくら約束をしても、守るのがまだ難しい年齢なんですね。これは交通ルールの約束に限ったことではありません。安全の約束をすることはとても大切ですが、そういう年齢だということを頭に入れて、大人が先回りして子どもを守ることも忘れないでください。約束ポイント2守ってほしいことをその場で教える交通安全の約束については、よく遊びに行く公園や歩く道を「交通」という観点を持って、親子で実際に歩くのがお勧めです。年長さんだったら、小学校までの通学路を一緒に歩いてみましょう。交通安全では、「止まる・待つ・見る」の3つが大切です。横断歩道があったら、「ここでは、この位置で止まって待つんだよ」と、その場で具体的に教えてください。子どもに歩道と車道の境界線の所で待つように言うと、本当に線ギリギリの所で待つことが多いんです。車に巻き込まれることがあるので、「一歩下がって待つ」など、安全な位置を教えましょう。次に「見る」ですが、子どもたちは「右・左」を見ているようで見ていないことが多いもの。頭は動かしているのですが、車やバイクなどが来ていないかを確認しようという意識がないのですね。そこで、横断歩道を渡るときは、「運転手さんの顔を見て渡ろうね」と教えてあげてください。アイコンタクトを送ることでドライバー側の注意も呼び起こせます。約束ポイント3子どもの目線で危険ポイントを探す親子で実際に歩くときに気を付けてほしいのが、大人と子どもの身長差です。大人にとっては見通しのよい交差点でも、身長の低い子どもにとっては植え込みが視界を遮ってしまい、車が見えない危ない交差点ということがよくあります。交差点などでは、一度しゃがんで子どもと同じくらいの目線で周囲を見てみましょう。町歩きは、子どもにとってどんな所が危険なのか親が気付くためのものでもあります。連れ去り・迷子【ママが難しいと感じていること・困ること】● 知らない人に話し掛けられたときの対応の教え方。好意で話し掛けてくる人にはどうしたらいいか。● 困った人を装って近づいてくる人への対応の教え方。● ほんのちょっと目を離した隙に見失ってしまう。● いくら約束をしても忘れてしまう。約束ポイント1危険回避の約束だけでなくマナーも一緒に教える例えば「あいさつをちゃんとしようね」「困っている人には親切にしようね」と教えているのに、「知らない人に声を掛けられたら無視するんだよ」と約束をすることは矛盾しますね。子どもに疑問を感じさせる約束は望ましくありません。まず、あいさつをすること自体は問題ありません。小学生になって登下校の途中で道を聞かれることがあった場合は、知っていれば答えるように教えていいのです。子どもに守らせたい約束は、「付いていかないこと」です。悪いことをする人は、子どもを移動させようとしますから、「一緒に来てほしい」と言われても付いていってはいけないことを、しっかり伝えましょう。もし本当に困っている人だったとしても、「ママにだめだって言われているから」と断るのは許されること。失礼にはなりません。約束ポイント2子どもが迷わなくて済むようにできるだけ簡単に子どもが守りやすい約束は「これだけ守っていればいい」というもの。「知らない人に付いていってはだめよ」という約束は、「知らない人」の判断が難しいものです。例えば、いつも公園のベンチに座っているおじいさんは、子どもにとって「知っている人」になっているかもしれません。子どもの「知っている人」が安全な人とは限らないのです。「ママとパパ以外の人に付いていってはだめよ」と、一つのことだけ守ればいいようにしましょう。「ママは他の人にあなたを連れてきてほしいと頼むことはしないから、『ママの所に連れていってあげる』と言われても付いていってはだめ」と丁寧に教えてあげてください。ママ友にお迎えなどを頼むときは、事前に「今日は◯◯ちゃんのママにお迎えを頼んだから、一緒に帰ってね」と子どもに伝えておきましょう。ショッピングモールやデパートなどで迷子になると、近くにいた人が、迷子センターに子どもを連れていくことがありますね。でも「ママ以外の人に付いていかない」約束と矛盾させないようにするならば、係の人を呼んで、その場で迷子がいることが分かるような対応をしてもらうことが理想です。現実的に難しい問題もありますが、子どもが混乱しないよう周囲が共通認識を持つように努力していきたいですね。約束ポイント3子どもの目線で危険ポイントを探す子どもたちが自分自身を守るために、知っておいてほしいことに「パーソナルスペース」があります。これは「自分の縄張り」のようなもの。普通の会話をするとき、相手に近づき過ぎると違和感がありますね。相手とのちょうどいい離れ具合というのがあって、それを「パーソナルスペース」と呼びます。悪いことをしようとする人は、子どものパーソナルスペースに侵入してきますから、この感覚を持っていることが、危険回避につながっていきます。私は「自分のふうせん」と名付けたプログラムを作り、子どもたちに次のように教えています。「自分の体が全部入るくらいの風船があると思ってみて。外を歩くときは、◯◯ちゃんはその風船の中に入っているんだよ。風船が割れちゃうくらい近くに寄ってくる人がいて、◯◯ちゃんが怖いな、嫌だなと思ったらその人から離れるんだよ」。パーソナルスペースの感覚を持つことは、危険回避だけでなく、相手の空間を尊重できる力、状況に応じて空間を縮めたり広げたりできる力、つまりコミュニケーション能力の獲得にも関係します。実は安全教育というのは、自分を守るとともに、相手に配慮する、嫌な気持ちにさせないという大事な側面があるんですね。安全に関する約束をするときには、ぜひこのパーソナルスペースも一緒に教えてみてください。あんふぁん読者アンケートQ1.ママのうっかりで、子どもが迷子になった、連れ去られかけたなど、ヒヤッとしたことはある?Q2.ヒヤッとしたのはどんなこと?園のお友達と「よーいどんっ」と急に走り出して、勢い余って国道まで出ていきそうになったことがあります。必死に走って止めました。北海道/年中ママ駐車場でバックしてきた車にひかれそうになりました。子どもは身長が低く、運転席から見えにくいので、注意しなくちゃと思いました。埼玉県/年少ママ信号が赤なのに渡ろうとしたことがあります。「赤は止まる」と理解していると思っていたのですが…。岐阜県/年長ママ連れ去り・迷子駅で上の子をトイレに連れていくため、「荷物を見てて」と下の子を少しだけ一人にしました。その間に見知らぬおばちゃんに話し掛けられ、「ママはあっちだから」と連れていかれそうになったことがあります。東京都/年中ママ子どもがトイレに一人で行くと言うので、出入り口で待っていたのですが、知らないうちに子どもが出てきていて、お互い見つけられず焦りました。宮城県/年中ママアドバイス買い物中の見失いを防ぐために子どもを退屈させない工夫を今回のアンケートでは、「買い物中に迷子になって青ざめた」という声がとても多くありました。ショッピングモールやデパートなど、子どもにとって誘惑の多い場所では、そこに入る前に「手をつなごうね」など、その場であらためて約束をしましょう。できれば、「最初にママの洋服を買って、ご飯を食べて、最後におもちゃのコーナーに行こうね」など、子どもに予定を話してあげるといいですね。何をするのか分からない状態で引っ張り回されていると、子どもは楽しくありませんし、暇な状態です。興味を引くものがあったら、見に行ってしまう気持ちになるのも分かります。「ここでは長靴を買うよ」など、子どもに話し掛けながらの買い物は、見失いを防ぐ一つの方法になります。(宮田さん)お話を聞いたのは:宮田美恵子さんみやた・みえこ日本こどもの安全教育総合研究所理事長、順天堂大学医学部協力研究員。幼児・児童・生徒を対象にした安全教育の他、成人を対象とした市民安全のための生涯学習活動にも力を入れている。illustrationFUJII Megumi
2016年03月04日