StudyHackerこどもまなび☆ラボがお届けする新着記事一覧 (1/27)
「この子、賢いねえ」約10年間の教員生活のなかで、私がそう感じる子どもたち。意外かもしれませんが、それは必ずしも、「テストが得意な子」でもなく、先生の言うことをよく聞くいわゆる「いい子」でもありませんでした。じつは、先生たちが「賢いな」と感じる子どもには共通点があるのです。今回は、教室での何気ないエピソードを通して、私たち教師が感じている「本当の賢さ」についてお話ししたいと思います。きっと、お子さまの新たな魅力に気づくヒントが見つかるはずです。先生たちが「賢い」と感じる子どもの5つの特徴約10年間の教員生活で出会った数多くの子どもたち。そのなかで「この子は賢いな」と感じる瞬間は、意外にも思いがけない日常の場面で訪れることが多いのです。5つの特徴を見ていくと、それがテストの点数とは違う部分にあることがわかると思います。特徴1:独自の視点をもっている「春の学校探検はどうでしたか?何か見つけましたか?」2年生生活科での学習の場面です。この問いかけに対して、多くの子は「虫がいたよ」「チューリップがきれいでした」という無難な答えを返します。でも、ときどき、こんな答えが返ってくることがあります。「チューリップ、この前はまだつぼみだったのにね」「あったかくなってきたんだね」「虫も嬉しそうにお花にたくさん集まっていたよ」これは暗記した知識や、大人の期待に応えようとする発言ではありません。自分の目で見て、自分なりに考えた素直な感想です。こんなふうに、誰も指摘していない些細な変化に気づき、自分なりの言葉で表現できる視点をもっている子はとても少数ですが、そういう子こそ「賢い」と感じます。特徴2:「空気を読む」のではなく「状況を理解している」「給食のとき、同じ班のAさんが元気なかったから、声をかけました。でも、今日はひとりで静かに食べたいって言うから、そっとしておきました」3年生を担任していたとき、お昼休みにクラスの子がそう教えてくれました。一見、何気ない出来事の報告に聞こえます。でも、この発言には重要な要素が含まれています。「友だちを気づかう優しさ」と「その子の気持ちを受け入れる判断力」です。「みんなで仲良く」が大切なのもわかる、そして、ときにはひとりの時間も必要だと理解できる。これは、単なる「いい子」の行動とは違う、深い思いやりの表れです。場の空気を読んで同調するのではなく、相手の気持ちを理解したうえで適切な判断ができる子は非常に珍しく、じつは彼らこそが本当の意味で「賢い」子どもたちなのです。特徴3:「考える力」が育っている算数の文章題を解くとき、多くの子は答えを見つけたらそこで満足してしまいます。一方で、「もっと別の解き方はないかな」「どうしてこうなるんだろう」と考え続けたり、それを友だちに説明したりする子がいるのです。「先生、この問題の別の解き方を見つけました」「Bさんの説明を聞いて、もっと簡単な方法を思いつきました」問題をよく理解している子は、すばやく正解にたどり着きます。でも、その後もさまざまな角度から考え続け、より深い理解を目指そうとするのです。そういう子は、限られた授業時間を最後まで有効に使って学び続けています。答えを見つけてからも、そこから更に「なぜ?」を追求し、友だちと一緒に考えを深められる――そんな「熟考型」の子どもたちこそ、本物の「賢さ」をもっているのだと実感します。特徴4:知識の「つなぎ合わせ」ができる「先生、前に習った漢字と似てるね」「この計算、前の問題と似てる気がする」教科書の内容を上手に暗記できる子はたくさんいます。でも、習ったことを自分の言葉で説明したり、以前の学習と結びつけたりできる子は、より深い理解に近づいていると言えます。学びとの出会いのなかで、過去の知識と新しい知識をつなぎ合わせられる子は、じつは多くありません。しかし、こうした子どもたちのなかに、確かな「賢さ」を感じるのです。特徴5:「なぜ?」を大切にしている「先生、雨のあとにどうして虹が出るの?」「どうして言葉は国によって違うの?」4年生との休み時間の会話のなかで不意に出てきたこの何気ない質問。授業内容からは少しずれた質問かもしれません。でも、こうした素朴な疑問こそ、学びの原点です。与えられた日常を当たり前に受け入れるのではなく、自分で考える習慣は、とても価値があると思いませんか。目の前のことをただ受け入れるのではなく、純粋な好奇心から「なぜ?」を発する子どもは意外と少なく、そんな素直な問いかけができる子こそが、確実に「賢く」育っていくのです。要注意!親が勘違いしがちな「賢さ」のサイン「ごみの分別は大切だと思います。私も家でしっかり気をつけています」「温暖化防止のために、エアコンの設定温度に気をつけたいです」「食べ物は残しません。食品ロス問題のことを学んだからです」特に高学年になると、こうした模範的な発言をする子どもを、大人は「賢い」と高く評価しがちです。確かに、学んだことをきちんと理解して実践しようとする子は「いい子」かもしれません。また、社会問題について関心をもっているように見えることから、意識が高いと感心する保護者も少なくありません。しかし、こうした発言の多くは、授業や教科書で学んだ内容、または大人から聞いた言葉をそのまま覚えているだけかもしれないのです。テレビで見聞きした内容を、うまく引用しているだけの可能性もあります。本当に大切なのは、その子なりの考えや気づきではないでしょうか。「なんでプラスチックでも燃えるごみに入れるものがあるか調べてみよう」「教室のエアコン、冬と夏で設定温度が違うよね」「給食の野菜ってどこから届くのかな」前出の意見と比べると、ときとして稚拙に聞こえるかもしれない、でも子どもらしい純粋な疑問や考察のほうが、その子の知的な成長を物語っています。なぜなら、これらの問いかけは、実際に目にしたことや体験したことから生まれた「自分ごと」としての思考だからです。教室で出会う子どもたちを見ていると、立派な意見を言える子より、素朴な「なぜ?」を発する子のほうが、着実に考える力を育んでいると感じることが多いのです。知識をそのまま覚えるのではなく、自分の頭で考えようとする姿勢のほうが、はるかに価値があるのかもしれません。本当の知性を育むために親ができること子どもの「賢さ」は、大人が意図的に育てようとするほど、むしろ伸びにくくなってしまうものです。大切なのは、子どもの小さな気づきに寄り添い、のびのびと考えられる環境をつくること。そのために親ができる3つのポイントをご紹介します。【親ができること1】子どもの「違和感」を大切にする「おかしいな」「なんでだろう」――子どもが感じる小さな違和感。それは新しい発見の種です!でも、つい私たち大人は「そうじゃなくて、こうだよ」と正解を急いで教えてしまいがち。そんなとき、こんな言葉をかけてみてはどうでしょうか。「どうしてそう思ったの?」「〇〇ちゃんなりの考え方があるんだね」「そうやって考えるのは、おもしろいね」「その考え方は、お母さん(お父さん)も思いつかなかったよ!」子どもの「違和感」に寄り添うことで、考える力は着実に育っていきます。大切なのは、子どもなりの「なぜ?」を否定せず、むしろその気づきを認めてほめること。たとえ、大人から見ると筋違いな疑問でも、子どもの思考の芽を育てるチャンスだと考えてみましょう。その小さな「違和感」こそが、やがて創造性や探究心につながっていくのです。【親ができること2】「正解」を求めすぎない学校のテストには確かに正解があります。でも、生活のなかのさまざまな場面では、必ずしもひとつの正解があるわけではありません。むしろ、答えが複数あることのほうが多いのです。そんなときは、こんな言葉をかけてみましょう。「そうかもしれないね」「違う考え方もできそうだね」「その方法でうまくいったね。ほかのやり方も試してみる?」「正解じゃなくても、よく考えたね」大切なのは、子どもが自分で考えるプロセス。必ずしも「正解」にたどり着かなくても、考える過程で気づきや学びがあれば、それは十分価値のあることです。子どもの柔軟な発想を認めることで、思考の幅は着実に広がっていくのです。【親ができること3】「考える時間」を確保する習い事や学習で忙しい毎日。「少しでも多くの経験を」と、つい予定を詰め込んでいませんか。じつは、ソファーでぼんやりしたり、ただ積み木を並べたりといった「何もしていないように見える時間」も、子どもの知性を育む大切な栄養になります。そんな時間を大切にするために、こんな声かけを意識してみましょう。「今日は何して遊びたい?」「急がなくていいよ。ゆっくり考えてみよう」「自分の好きなようにつくってみたら?」「つまらなそうにしているけど、何か考えごと?」スケジュールに追われるのではなく、「ただボーッとする時間」「じっくり考える時間」「夢中になれる時間」を確保することが、子どもの思考力を育てる重要な土台となるのです。***これからの時代に必要な「賢さ」とは?知識を詰め込み、テストで高得点をとることは、確かにひとつの力です。でも、これからの時代に本当に必要なのは、自分で考え、気づき、新しいものを生み出していく力ではないでしょうか。その意味で、子どもの素直な疑問や、ときには大人の予想を超えた発想にこそ、未来につながる「賢さ」の芽が隠れているのかもしれません。私たち大人にできることは、その芽を見つけ、そっと育んでいくこと。そして、子どもたちが自分らしい「賢さ」を伸ばしていけるよう、温かく見守っていくことなのだと思います。【ライタープロフィール】未来先生(みらい・せんせい)教育学科で学び、小学校免許や中学校英語免許を取得。小学校にて担任や英語専科教員として約10年間勤務、子どもたちの学びを支えてきました。現在は、2人の男の子の育児に奮闘しながら、これまでの知識と経験を生かして、子どもの成長と学びに役立つ情報をお届けしています。
2024年11月21日「もっと上手に描けるようになってほしい」「友だちと比べて絵が稚拙なのが心配」子どもの絵をめぐって、親たちの悩みは尽きません。でも、AIの進化が加速する時代だからこそ、子どもの自由な発想を大切にしたい。むしろ「変な色」や「へんてこな形」こそが、将来を生き抜く力になるかもしれないのです。アート教育の専門家たちは、子どもの創造性を伸ばすために「親がすべきこと」「してはいけないこと」について、さまざまな提言をしています。その知見をもとに、子どもの個性を伸ばすヒントを探ってみましょう。「発想力の豊かな子」は将来AIに負けない人材になる私たちの子どもたちが生きていく未来では、すでに確立された知識や手法をもっているだけでは通用しない時代になっています。なぜなら、純粋な知識量では、私たち人間はもはやAIに太刀打ちできないからです。これからの時代を生き抜くために必要なのは、AIにはない「人間らしい発想力」です。そして、その土台となるのが子どもの頃から育む「好奇心」なのです。たとえば、砂場で遊ぶ子どもが、ただの石ころを見つけたとき、発想力豊かな子どもは「これは恐竜の化石かもしれない!」と想像をふくらませます。また、公園で拾った落ち葉は、大人には単なるゴミかもしれませんが、子どもの自由な発想力があれば、色の違いを楽しんだり、穴を開けてお面をつくったりと、すばらしいおもちゃに変身するのです。このように、「なにものでもないもの」から新しい価値を生み出す力は、将来的なイノベーション能力の基礎となります。それは単に知識を詰め込むだけでは得られない、創造的な経験の積み重ねによって培われるのです。教育評論家の本山勝寛氏は「子どもの『好き』を大切にすることが、イノベーション能力を伸ばすためにもっとも重要」と断言しています。たとえば、ハムスターが大好きな子どもは自らハムスターを主人公にした絵本をつくり、ザリガニに夢中な子どもは「ザリガニオリンピック」という独創的な自由研究を行なう――。このように、子どもの興味から始まる自由な発想と創造的な活動が、将来のイノベーション人材を育てる礎となるのです。*1子どもの自由な発想に蓋をしないことが大切子どもの自由な発想を育むために、私たち大人が気をつけるべきことがあります。それは、子どもの発想に「これはダメ」という否定的な言葉をかけないこと。子どものアート教室を主宰するデザイナーの當原容一郎氏は「否定したらアイデアが出なくなってしまう」と指摘します。たとえば、粘土遊びをしているとき、子どもが予想外の形を作り出したとしても、それを否定する必要はありません。「失敗したら一度壊して、またつくればいい」というように、むしろチャレンジを後押しすることが大切なのです。*2また、美術教育の専門家である後藤和人氏は、アートのおもしろさについて、料理にたとえて説明します。「カレーのルーがなければカレーはつくれませんが、アート的な観点で考えると、ルーがなかったら味噌を入れて豚汁にしてしまえばいい」と言うのです。つまり、アートには正解がないからこそ、むしろ材料が足りないような状況でこそ、子どもたちの創造性が育まれるチャンス。「これがない」「あれが足りない」という状況を、私たち大人はつい否定的に捉えがちです。しかし、そんなときこそ「これを代わりに使ってみよう!」という発想の転換が生まれます。そして、この「ある物をうまく利用する」という経験は、単にアートの創造性を育むだけでなく、将来的な「生きる力」にもつながっていくのです。*3私たち大人に求められているのは、子どもの予想外の発想や行動を否定せず、むしろその自由な発想を受け止め、伸ばしていくこと。そうすることで、子どもたちは自分の創造性に自信をもち、新しいアイデアを生み出す喜びを知っていくでしょう。4つのNGワードと、創造力を伸ばす “声かけの魔法”子どもの絵を見たとき、私たち親は「上手だね」「これは何を描いたの?」と、つい同じ言葉を繰り返してしまいます。でも、そんな何気ない一言が、子どもの創造力の芽を摘んでしまうことも……。そこで、アート教育の現場から、子どもの感性を解き放つ “新しい声かけ” のヒントを探ってみました。NGワード1:「上手だね」「上手だね」とほめられ続けると、子どもは「ほめられるために絵を描く」ようになってしまいます。その結果、「これ、上手?」と常に承認を求めるようになり、絵を描く本来の楽しさを見失ってしまうかもしれません。(アトリエ・ピウ 知育こどもアート教室主宰・今泉真樹氏)こう言い換えてみよう!「個性があるね」「楽しい気持ちになるよ」「この色、きれい。どうやってつくったの?」工夫した点を具体的にほめるほかの子と比較せず、作品への感想を丁寧に伝えるNGワード2:「これは何を描いたの?」子どもは必ずしも何かを描こうと思って描いているわけではありません。また、色の選び方に正解もありません。たとえば、あるコンクールでは、夏を赤色で表現し、青い水と対比させた大胆な配色の作品が受賞しています。空や海にだって、さまざまな表情があり、見る人によって感じ方は違います。子どもが選んだ色を「大正解」として受け止める姿勢が大切なのです。(海外で美術教室を主宰・YUKA氏)こう言い換えてみよう!「どんな色が『ワクワク』した気持ちに似合うかな?」「この色の組み合わせ、おもしろいね!」子どもの選んだ色を否定せず、その選択を尊重するNGワード3:「まずはね……」「こうやって描くんだよ」一から手順を説明しながらの制作は、おすすめできません。親の手が入った絵は、どんなに上手に描けても「親の言う通りに描かされた」「僕(私)の絵はダメだったんだ」という気持ちにさせてしまうからです。(海外で美術教室を主宰・YUKA氏)優しさから手を貸しすぎてしまう親御さんを見かけますが、もう少し子どもの力を信用して見守ってあげてほしい。完成したもののクオリティよりも過程が楽しめることが大切です。きっと自分の力でつくったものには愛着が生まれ、ものを大切に思う気持ちも育めるでしょう。(イラストレーター・サタケシュンスケ氏)こう言い換えてみよう!子どもの感性を信じて、好きなように描かせる色の選び方は子どもに任せる「失敗しても大丈夫!」その方が学びが大きいと伝えるNGワード4:「汚しちゃダメ」子どもたちは常に好奇心でいっぱい。でも「汚してはダメ」と制約されがち。たまには、ブルーシートを広げて「今日は汚してもいいよ」と、好奇心の赴くままに楽しませてあげましょう。(アトリエ・ピウ 知育こどもアート教室主宰・今泉真樹氏)ただし、完全な自由ではなく、「使っていい場所」「使っていい道具」は最初に決めておくことが大切。ルールを途中で変更するのは避けましょう。そうすることで、子どもは安心して創作に没頭でき、親も笑顔で見守れます。(美術教育専門家・後藤和人氏)こう言い換えてみよう!「今日は汚してもいいよ!」「この場所で描いてもいいよ」「この道具を使ってね。こっちは使えないよ」「正解」を求めない時間から生まれた、娘の自由な発想「今日は好きな色を使って、自由に描いてみようか」そう声をかけて、5歳の娘に新しい画材を渡してみました。これまでは「空は青、おひさまはオレンジ」と、つい色の指定をしてしまっていた筆者。でも今日は、専門家の先生方のアドバイスを思い出しながら、娘の好きなように描いてもらうことにしました。すると驚いたことに、キャラクターの白目の部分を青で塗り始めたのです。「え!?」と思わず声が出そうになりましたが、ぐっと我慢。すると娘は楽しそうに、次々と自分の好きな色を重ねていきます。紫と赤とピンクの歯の熊、ピンクと赤を組み合わせた猫……。私の想像をはるかに超える色使いに、娘はとても満足そう。「ママ、できたよ!」という声に、いつもなら「上手だね」と言っていたところを、「ピンクと赤の猫さん、かわいいね。熊さんの歯の色もすてき!」と、具体的に感想を伝えてみました。すると娘は「次は違う色で描いてみる!」と、さらに意欲的に。これまで「正しい色」を教えようとしていた私でしたが、子どもの自由な発想を信じることで、こんなに楽しそうに描けるんだと、新しい発見がありました。たしかに、前出の今泉氏が言うように、「写真のように正確に描くこと」が正解ではありません。むしろ、子どもならではの自由な発想こそが、将来のイノベーション能力につながっていくのですね。今日の経験を活かして、これからも娘の創造性を伸ばしていきたいと思います!***今回使用したのは、コピックから新登場した水性の不透明カラーマーカー「コピック アクレア」です。裏うつりの心配がなく、乾くと耐水性になるため、子どもでも安心して使えました。重ね描きができ、紙以外の素材への着彩も可能。印刷されたイラストや写真の上にもきれいに発色するので、絵や模様、文字を描き足すこともできます。なお、現在「あつまれ!アクレアフレンズ」キャンペーンを実施中。絵本作家のtupera tuperaさんがデザインした個性豊かなキャラクターたちのワークシートがもらえ、自由に描き込んでオリジナルキャラクターをつくれます。(参考)*1 参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「ただの石でも化石に見える」?自分で新たに生み出す経験が育むイノベーション能力*2 参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|“発想力”と“プレゼン力”を重視する『こどもデザイン教室りねあ』、アイデア無限の「陶芸レッスン」*3 参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|材料たったの2つ!想像力がぐんぐん育つ「X’masデコレーションアート」STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|つい言ってしまう「上手だね」。もっとお絵かきが純粋に楽しくなる大人の言葉STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「汚してもいいよ」で子どもの好奇心を発揮させる!未就学児から楽しめるアート活動STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|創作意欲と感性が溢れ出す!夏休みポスターの描き方テクニック【小学生向け】STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|【プラス クリエイティブな生き方】 多様化のすすむ世の中で自分らしさを感じる大切さとはコピックコピック アクレア
2024年11月14日厳しい寒さのなかにこそ、子どもの成長のチャンスが隠れています。雪の結晶に触れ、凍てつく空気を感じ、仲間と協力して冬の自然を楽しむ――そんな体験が、子どもたちの「生きる力」を育てます。北国では「雪育」という言葉があるほど、冬の自然体験には子どもの成長を促す豊かな可能性が秘められているのです。今回は、冬ならではの自然体験がもたらす、すばらしい効果と厳選した15の体験プログラムをご紹介します。この冬、お子さまの新しい冒険を応援してみませんか?自然体験がもたらす教育効果が多すぎる!自然のなかでのびのびと遊ぶことは、子どもにとって何物にも変え難い体験です。嬉しいことに、自然と触れ合う時間は楽しいだけではなく、教育効果も抜群なようです。専門家も認めるその効果を見てみましょう。【教育効果1】「たくましく生きていく力」が育つ国立青少年教育振興機構元理事で子ども教育のスペシャリストである鈴木みゆき氏は、自然体験は子どもたちの「たくましく生きていく力」を育てると断言しています。その力を具体的に説明しましょう。「たくましく生きていく力」とは「感じる力」:複雑な自然音(木々の葉のこすれる音、せせらぎ、虫や鳥の声)や光、闇などを通じて、子どもの感性が確実に高められます。「やり抜く力」:山登りやカヌーなどの体験活動を通して、困難に立ち向かう力が育まれます。「関わる力」:野外炊事などの集団活動を通じて、仲間との協力が必要となり、話し合いや励まし合いによる問題解決能力が培われます。 これらの力は相互に関連し合い、「耐える力」や「乗り越える力」の獲得にもつながるのです。また、自然のなかでの活動は、室内での同様の活動よりも子どもの興味を引き出し、より効果的な学びの機会となるでしょう。*1鈴木みゆき氏|自然体験についてのインタビューはこちら『「体験」が、子どもたちのやり抜く力や感じる力を育んでいく――子どもに自然体験をさせることの教育効果』【教育効果2】「新しいことに挑戦する力」が育つ佐藤初雄氏が理事長を務めるNPO法人国際自然大学校では、夏のキャンプ、冬のスキーだけでなく、川遊び、地図を見ながらの探検、アウトドアクッキング、10kmのチャレンジハイクなどの活動を提供しています。これらの自然体験を通して子どもたちは、「自分に自信をもつこと」「『やればできる』という気もち」「新しいことに挑戦する力」「人との関わり方」を育んでいくのです。注意すべきは、欲張りすぎないこと!大人はせっかくだからといろいろやらせようとしがちですが、子どもたちが過ごしたいように過ごさせてあげる――それだけで十分に教育効果があります。家族で行くキャンプなら、ただテントを張ってご飯を食べるといったことでもいいし、その近くを散策する程度でも十分。自主的で自由な体験こそが、最高の学びにつながるのです。頭で考える前の「感性で動く」子どものうちに、なるべく多くの体験をさせてあげてください。*2佐藤初雄氏|自然体験についてのインタビューはこちら『キャンプに「せっかくだから」は不要!子どもが自ら学ぶ、自然のなかでの“シンプルな”過ごし方』『“日常的に”自然で遊ぶメリット。「感性で動く」幼少期に多くの自然体験をすべき理由』次項では、教育効果抜群のおすすめ冬プログラムをご紹介します。冬のおすすめ自然体験1:人気のスキーキャンプ!冬のアクティビティの筆頭がスキー。「雪育」*を勧める長野県はスキーなどの雪体験に次のような効果があると紹介しています。(*)「雪のある自然環境を活用しながら、子どもの発達を促す教育的関わり「雪育」の教育効果4つ■「非日常的な感覚運動体験」雪に触れる冷たさや滑走の爽快感は、普段の生活では体験できない特別な感覚です。ときとして厳しさを感じる雪との出会いも、日常では得られない体験として、子どもの成長に大きな価値をもたらします。■「『自律性』の発達」スキーやボードでは、周囲の状況を見ながら、自分で「止まる」「曲がる」「速さを変える」などの判断が必要です。うまく動けないときも、さまざまな方法を試して乗り越えなければいけません。自ら考え工夫する過程と、できたときの達成感は、子どもの自律性を大きく育てるでしょう。■「親との豊かな体験の共有」雪上スポーツや雪遊びを家族で楽しむと、子どもは親との絆を感じ、共通の話題が生まれます。親も一緒に遊ぶことで自然と会話が増え、子どもへの理解が深まるでしょう。親子一緒の雪遊び体験が、よりよい親子関係を築くきっかけとなります。■「友達とのふれあいや切磋琢磨」スキー教室や子ども向けキャンプへの参加は、友だちとの交流だけでなく、互いに高め合う機会となります。この経験は、子どもの心の成長において、かけがえのない要素となっていくのです。このような仲間との時間が、子どもの豊かな人間性を育みます。*3【2024年冬】スキーキャンプ10ツアーでは、この冬のスキーキャンプ10ツアーをご紹介します!未就学児も参加可能なプログラムもありますので、チェックしてくださいね。【菅平エンジョイスキー】(NPO法人 国際自然大学校)日程:2024/12/26~29(3泊4日)対象:小1〜中3※スキー経験者(初級〜中級)詳細は→【スキーキャンプ|薮原プラン】(アルプス子ども会)日程:2024/12/22~26(4泊5日)対象:小2〜中3※一定経験のある小1は参加可能詳細は→【公式ライセンスが取得できるスキースクール】(プラスワン教育)日程:2025/1/3~1/5(2泊3日)対象:小1〜中3詳細は→【雪の教室】(ハイジキッズアカデミー)日程:2024/12/24~26(2泊3日)対象:小2〜高3詳細は→【スキーキャンプ(冬休み) エンジョイスキー】(ヤックス自然学校)日程:2024/12/28~12/30(2泊3日)対象:小1〜中3 ※初心者参加可能詳細は→【関西出発 そらまめ冬のスキーキャンプ 5days≪マンツーマンコース≫】(そらまめキッズアドベンチャー)日程:2024/12/26~12/30(4泊5日)対象:小1〜中3詳細は→【スキッズ・キャンプ】(八幡平リゾートスノーアカデミー)日程:2024/12/21~2025/3/23(スキー場営業期間中)のデイキャンプ※半日(2時間)、1日(4時間)レッスン/6段階のステップアップ方式対象:3歳〜小6詳細は→【WC2 フレッシュスキーキャンプ(初心者)】(東京YMCA)日程:2025/1/4~1/7(3泊4日)対象:年長〜小学4年生詳細は→【年末/年始プラン―志賀高原中央エリアスキー場】(キャンプシップアカデミー)日程:2024/26~29(3泊4日)/2024/12/28~30(2泊3日)/2025/1/3~1/6(3泊4日)対象:キッズコース/年長〜小3 ※前後年齢相談可能ジュニアコース/小4〜中3詳細は→【富士山1DAYスノーツアー】(TSS KIDS)日程:[1]2024/12/22~12/23 [2]2025/1/25~1/26(1泊2日)対象:雪遊びコース/年中〜小6スキーコース/小1〜小6詳細は→冬のおすすめ自然体験2:スキー “じゃない” 雪プログラム冬遊びはスキーだけではありません。雪に触れるだけで教育効果が期待できます。国土交通省のガイドブックでは、雪を体感する自然体験について、「子どもたちの自主性や想像力、協調生、好奇心を引き出すなどの教育効果もあり、雪は豊富な教育的素材」と明記しています。*4さあ次は、スキー “じゃない” 雪プログラムをご紹介しましょう!【夜空に輝くスカイランタン&スノーラフティング・冬のキラキラキャンプ2days】(そらまめキッズアドベンチャー)日程:2025/2/1~2/2(1泊2日)対象:年長〜中3詳細は→【WC1 冬のふじさんぽ】(東京YMCA)日程:2024/12/26~2024/12/28(2泊3日)対象:年中〜小6詳細は→【あそびのかんづめ】(アルプス子ども会)日程:[A] 2024/12/22~12/26 [B] 2024/12/26~30 [C] 2025/1/3~1/7(4泊5日)対象:[A] 年中〜小4 [B] 年長〜小4 [C] 年長〜小2詳細は→【南魚沼とことん雪遊びキャンプ】(NPO法人 国際自然大学校)日程:[1] 2025/1/5~7 [2] 2025/2/22~2/24 (2泊3日)対象:年長〜小3詳細は→【赤城山スノーエンジョイキャンプ】(プラスワン教育)日程:2025/2/8~2/9 (1泊2日)対象:小1〜小6詳細は→気になるプログラムやツアーがあったら、ぜひ参加を検討してみてください。***「頭で考える前に『感性で動く』子どものうちに、なるべく多くの体験をさせてほしい」と前出の佐藤氏は強調しています。吸収力のある子どものうちに、充実した冬の自然体験をさせてあげたいものです。「すごく楽しかったから、また来年も行きたい!」と、毎年スキーツアーに通う子どもも一定数います。今年の冬は、お子さまに最高の自然体験をプレゼントしましょう!(参考)*1 参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「体験」が、子どもたちのやり抜く力や感じる力を育んでいく――子どもに自然体験をさせることの教育効果*2 参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|キャンプに「せっかくだから」は不要!子どもが自ら学ぶ、自然のなかでの“シンプルな”過ごし方STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|“日常的に”自然で遊ぶメリット。「感性で動く」幼少期に多くの自然体験をすべき理由*3 参考・カギカッコ内引用元:GoNAGANO長野県公式観光サイト|雪と教育*4 参考・カギカッコ内引用元:環境に優しい雪国づくり研究会(発行:国土交通省)|雪に学び雪を楽しむ
2024年11月13日ボーディングスクールが日本で増えつつあるのをご存じですか? ボーディングスクールは、グローバル化が進む現代社会に相応しい人材育成の場として、いま注目を集めています。ボーディングスクールといえば、イギリス王室のウィリアム皇太子が通ったイートン・カレッジなどが有名ですが、子どもたちがそこで何を学び、どんな生活を送っているのかを知る人は、意外と少ないのではないでしょうか。今回は、ボーディングスクールの特徴と日本国内にあるボーディングスクールについてご紹介します!ボーディングスクールとは?ボーディングスクールは、生徒が寄宿しながら学ぶ全寮制の教育機関です。ほとんどのスクールが「全人教育」をめざす方針を掲げています。*1全人教育とは、学校法人玉川学園創立者の小原國芳氏によって唱えられた教育理念で、知識・技能教育だけに偏ることなく、感性・徳性なども重視して、人間性を調和的、全面的に発達させることを目的とする教育のこと。まさにいまの時代にマッチしている教育と言えるでしょう。*2そして世界には約600校の国際的に認定されたボーディングスクールがあります。その多くが英語を公用語とし、IB(国際バカロレア)などの国際的なカリキュラムを採用。また、ボーディングスクールには、全寮制(フルボーディング)、選択制(ハーフボーディング)、通学制(デイスクール)など、さまざまな形態があります。今回はおもに、全寮制のフルボーディングスクールについて詳しく見ていきましょう。*3ボーディングスクールのメリット3つ最近は日本でも認知されてきたボーディングスクール。そのメリットは大きく3つあります。メリット1:自立心と社会性が育まれるフルボーディングスクールの最大の特徴は、24時間の教育環境です。全寮制の生活で、常に「自分のことは自分でする」「人と関わる」ことにより、子どもたちの自立心や社会性はしっかりと育まれていきます。ボーディングスクールは、授業だけでなく、生活全般を通じて次世代のリーダーを育成することを目指しているのです。メリット2:グローバル感覚が身につく多様な背景をもつインターナショナルな生徒や教職員との交流を通じて、グローバルな視野と人脈を養うことができるのも、ボーディングスクールの魅力のひとつ。ボーディングスクールは、生涯にわたる貴重なネットワークを構築できる場所でもあるのです。メリット3:国際的に通用する学びが得られるボーディングスクールは、多彩な教育プログラムを提供しています。英国式、国際バカロレア、STEM教育など、各校独自のカリキュラムがあり、子どもの適性や将来の目標に合わせて選択可能。どの学校も国際的視野に立った教育を重視しているため、海外大学への進学率が高いのも特徴です。ボーディングスクールで子どもたちがどんな生活を送っているのか、保護者としては当然気になるでしょう。事項では、スクールでの暮らしについて詳しく解説していきます。*3ボーディングスクールでの生活ボーディングスクール入学で、初めて親元を離れて暮らす体験をする子は多いはず。落ち着いた生活ができるのか親御さんは不安ですよね。全寮制の学校では、前述したように生活全般を教育と捉えているため、子どもたちにとって安心できる環境が整えられています。たとえば、イギリスのボーディングスクールでは、世界中から集まった18歳までの子どもたちが「ハウス」と呼ばれる寮で、男女別に暮らします。寮には「ハウスペアレント」という大人が常駐し、子どもたちをサポート。年少の子どもは最大6人で部屋を共有し、年長になると1人か2人部屋になります。それぞれに自分の空間があり、プライバシーも確保できるようになるそうです。寮には、みんなで集まってくつろげる共用スペースもあり、なかにはおやつを作れる小さなキッチンがあるところも。勉強だけでなく、共同生活を通じて成長できる環境が提供されているのです。*4ボーディングスクールでの1日(平日・週末)子どもたちの1日のスケジュールも知りたいですよね。ボーディングスクールでは、子どもたちがわが家にいるような心地よさを感じられる環境づくりと、規則正しい生活リズムを確立するためのサポート体制が充実しています。さらに、子どもたちの多様な興味関心に応える機会も、豊富に用意されています。日本初の一条校全寮制小学校である神石インターナショナルスクール(JINIS)の1日のスケジュールを見てみましょう。(画像提供:神石インターナショナルスクール)上記のスケジュールを見てわかるとおり、ボーディングスクールの教育は、通常の授業に加え、自然体験や多様なスポーツ活動など、バランスの取れたプログラムが特徴です。週末には世界の文化体験やフィールドトリップなど、楽しみながら学べるイベントが充実。自然豊かな場所にある学校では、地域との繋がりも深いため、生徒たちは日常的に社会貢献やサステナビリティについて考える機会に恵まれます。ボーディングスクールでの生活は、環境、暮らし、教育、すべての面で、子どもたちの成長を後押しする条件が整っていると言えますね。*5親元を離れた子どもたちが過ごす、ボーディングスクール側が大切にしていることはどんなことなのでしょう?神石インターナショナルスクールに聞いてみました。こどもまなび☆ラボ読者のみなさまへ当校では、家庭のような安らぎのある環境を大切にしながら、基本的な生活習慣を身に付ける手助けをし、多分野への好奇心に応える場を提供しています。寮での規則正しい生活は、学力向上に直結するとともに、自己理解を深め、他者を認める広い心を育むことにもつながります。また、自然豊かな環境を活かし、農園や牧場を利用したアクティビティから、消費者教育やフィールドワーク、ゴルフ、スキー、サイクリングを含むさまざまなシーズンスポーツなど、全寮制の環境を生かしたプログラムを実施しています。さらに、スポーツや音楽などのプライベートレッスン(習い事)も可能です。第二の家庭として、プロフェッショナルが24時間体制で児童の成長を見守っています。(詳しい教育カリキュラムはコチラ)国内のボーディングスクールボーディングスクールといえばまだ海外が主流で、「ボーディングスクールには興味があるけど、海外はちょっと……」と不安に思う親御さんも少なくないでしょう。それは無理もありません。子どもにとっても家族にとっても人生の大きな決断になるのですから。そんな要望に応えるように、ここ数年で日本にいながら国際教育が受けられる学校が増えてきました!最後に、国内にあるボーディングスクールを10校ご紹介しますので、学校選びの参考にしてください。学校名所在地対象年齢/学年Webサイト備考北海道インターナショナルスクール〒062-0935北海道札幌市平岸5条19-1-553〜18歳公式サイト全寮制・通学制選択可ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン〒028-7306岩手県八幡平市安比高原180-811〜18歳公式サイト–ラグビースクール〒277-0882千葉県柏市柏の葉6-2-511〜18歳公式サイト全寮制・通学制選択可UWC ISAK Japan〒389-0111長野県北佐久郡軽井沢町長倉5827-136高校生公式サイト–白馬インターナショナルスクール〒399−9201北安曇郡白馬村神城27425-125中・高公式サイト–国際高等学校〒470-0193愛知県日進市米野木町三ヶ峯高校生公式サイト–海陽学園〒443-8588愛知県蒲郡市海陽町三丁目12-1中・高公式サイト–神石インターナショナルスクール(JINIS)〒720-1603広島県神石郡神石高原町時安5020-77小学生公式サイト–広島叡智学園〒725-0303広島県豊田郡大崎上島町大串3137-2中・高公式サイト–インフィニティ国際学院中等部北海道キャンパス北海道上川郡上川町(住所非公開)中・高公式サイト高等部には固定キャンパスはなく、国内外を移動しながら学ぶスタイルインフィニティ国際学院中等部奄美大島キャンパス鹿児島県大島郡大和村(住所非公開)中・高公式サイト高等部には固定キャンパスはなく、国内外を移動しながら学ぶスタイル※募集要項なども変わる可能性がありますので、詳細や最新情報については各スクールに直接お問い合わせください。***世界のグローバル化が加速するいま、日本の教育体制も潮目を迎えつつあるのかもしれません。ボーディングスクールの増加はその流れを表しているともいえるでしょう。保護者としては、視野を広げて、子どもの未来のいろいろな可能性を探っておきたいものですね。(参考)(*1)参考・カッコ内引用元:海外教育研究所|ボーディングスクールとは(*2)参考:学校法人玉川学園|全人教育(*3)参考:国際高等学校|ボーディングスクールとは(*4)参考:BRITHISH COUNCIL|イギリスでのボーディング・スクール(寮制学校)での生活(*5)画像引用元:神石インターナショナルスクール|第二の家庭として
2024年11月11日子どもの笑顔を思い浮かべながら「充実した毎日を過ごしてほしいな」と願う気持ち。理想は、人間関係の悩みを極力抱えることなく、周りのお友だちから好かれる人間になってほしい――。親ならば誰もが願うことでしょう。わが子が友だちに囲まれて楽しそうに過ごす姿を想像しただけで、心が温かくなるはずです。また、親御さん自身も、友人が多いことで人生がより豊かになったと感じているかもしれません。今回は、そんな親御さんの気持ちに寄り添いながら、お子さんが自然と周りから好かれる存在になるように、私たちができることを一緒に見つけていきたいと思います。決して焦る必要はありません。ゆっくりと、でも確かな歩みを進めていきましょう。「なぜか人に好かれる子」の特徴「クラスの人気者」と聞いて、どのようなタイプの子をイメージしますか?みんなをまとめてくれるリーダータイプやスポーツ万能タイプ、いつもみんなを笑わせてくれるお調子者タイプなどに代表される、いわゆる “目立つタイプ” を思い起こす人が多いのではないでしょうか。実際に、学研教育総合研究所の「小学生の日常生活・学習に関する調査(2021年)」によると、小学生が考える「人気者の条件」第1位は、低学年から高学年まで一貫して「面白いこと」、次いで「運動神経が良いこと」という結果が出ています。*1ですが、目立つ活躍や個性がなくても、なぜかクラスの大半の子どもたちから好かれている子もいます。そういった子は、誰に対しても態度を変えることなく、友人同士のトラブルが極端に少ないという特徴がありますが、その根底にはどのような性質が備わっているのでしょうか。専門家の意見をもとに、具体的に見ていきましょう。特徴1:素直である獨協医科大学名誉教授などを務め、のべ4,000人もの学生たちを指導してきた永井伸一氏は、著書『「なぜか好かれる人」に育つお母さんの習慣』(青春出版社)で、クラスで誰からも好かれる子の特徴をいくつか提示しています。そのなかでも、「優しい」「一緒にいて楽しい」「前向き」など人に好かれる特徴の根底にある「素直さ」に注目すると、なぜ人に好かれるのかが見えてきます。「物事をあるがままに素直に受け入れ、人のアドバイスを聞き入れられる耳を持つ子どもは、人に好かれる力につながる性質を獲得していける素地がある」とのことからも、素直さゆえに優れた対応力を発揮できる柔軟性こそが、人に好かれるために必要な要素であると言えるでしょう。*2特徴2:思いやりがある「クラス中から好かれている子の多くは、いつも相手の気持ちを考えて話したり行動したりしている」と断言するのは、教育評論家の親野智可等氏です。ただし、そういった子はいつも大勢の友だちに囲まれているとは限りません。むしろ、一見地味で目立たないタイプのようにも見えるでしょう。このタイプは周りをよく見ているからこそ、クラスメイトが何かを失くしたら一緒に探してあげるなど、困っている子にさっと手を差し述べることができます。そうした言動の積み重ねによって、その子の存在はクラス全体によい影響を与えるのだそう。「このような子はめったにいないと思われがちだが、必ずクラスに数人はいる」と親野氏が指摘していることからも、家庭での接し方次第で、思いやりのある子どもに育てることは可能です。*3特徴3:一人ぼっちを恐れないまた親野氏は、「思いやりをもって相手に接すると同時に、ときには友だちから離れて『一人でいる力』を身につけるのも大事」と述べています。一人ぼっちになると不安になる子や、誰でもいいから友だちと一緒にいたいという欲求が強い子は、自分の意思よりも集団行動を優先するようになります。すると、意に反して集団的ないじめに加担することにもなりかねません。一人でいる力のある子は、人をいじめるようなグループから離れても不安を感じることはありません。一人でいても不安を感じず、自分らしくいるには、「熱中できるなにか」が必要です。周りの雰囲気に流されずに、夢中になれることをマイペースで楽しめる子は、クラスメイトからも一目置かれる存在になるでしょう。*3親は子どもにとって一番身近なお手本!ほとんどの親御さんは、わが子がクラスの人気者になってほしいと願いながらも、「うちの子はいい子なんだけど、そういうタイプじゃないのよね……」と思い込みがちです。もちろん、もともとの気質や、本人が人気者になることを望んでいるかにもよりますが、人に好かれる人間を目指すことは今後の人生において大きなプラスになるはず。それならば、いまからできることを始めましょう。ビジネス心理学の専門家である内藤誼人氏は、「親がどんな育て方をするかによって、子どもが学校で人気者になれるのか、なれないのかが決まってしまう」と指摘します。なぜなら、子どもはほかの人とどのように付き合えばよいのかを、親との付き合いによって学ぶから。子どもにとって、一番身近で最も長い時間接する親は、重要な「見本」なのだと言います。*4みなさんも、「いつの間にか自分の口癖が子どもに移ってる!」という経験があるのではないでしょうか。よくも悪くも、子どもは親の姿を見て影響を受けているものです。よい手本となるように、親としての振る舞いを見直してみましょう。次項では「人に好かれる子」の親の特徴について解説していきます。親としてどんなことを意識して習慣化しているのか、また心がけるべき言動など、すぐにでも取り入れられることをまとめているので、ぜひ参考にしてくださいね。「なぜか人に好かれる子」の親が習慣化していること「人に好かれる子の親」になるには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。■親自身が「素直でいること」を忘れない素直であることが人に好かれる子の必須条件であるなら、「親自身が素直でいることを意識し、自分の言動によって素直な性質を伝えていくことが大事」と前出の永井氏は述べています。どんなに子どもに素直さを求めても、親自身がストレートに感情を表現しなければ、子どもは「それが正しいんだ」と認識してしまうでしょう。たとえば、親と子の軽い口約束であっても、もし忘れてしまったら素直に謝ることが大事です。また、普段は恥ずかしくて口にできない子どもへの愛情を素直に伝えるなど、どんなに照れくさくてもできる範囲で素直な親の姿を見せるように心がけましょう。*2■ポジティブな言葉がけを意識する親の子どもへの接し方が子どもの友だち関係にダイレクトに影響するのは、先述の通りです。たとえば、こんな場面はありませんか? 朝の準備で焦っているとき、つい子どもを急かして『早くしなさい!』と声を荒げてしまう。すると数日後、お友達が準備に手間取っているときに、同じように声を荒げる我が子の姿を目にして……。子どもは親の姿を映す鏡のようなもの。その子は親が自分にするのと同じようなやり方でクラスメイトと接するようになるため、キツイ言葉づかいで相手を責めてしまう危険性も。逆に、「親が子どもに対して絶えず笑顔を見せ、楽しいことを口にし、子どもが嬉しくなるような言葉がけをしていれば、学校でも他の子に同じことをしてあげるようになる」(内藤氏)ため、その結果、クラスでの人気も高くなるというわけです。優しくポジティブな言葉がけを意識すれば、子どもは自然と他人への正しい接し方を学んでくれるでしょう。*4■積極的にあいさつをする昨今では地域のつながりも減少傾向にあるため、自分から積極的にあいさつする機会も減りつつあります。しかし、あいさつは自分のことを印象付けて好感度をアップするのに役立つので、子どもの前でもしっかりとあいさつすることが大事です。子どもは親をよく観察しています。どんな場面であいさつするかなど親を手本にしながら覚えていくため、よいお手本になるように心がけましょう。なぜあいさつが重要かというと、マーケティング用語として有名な「ザイオンス(ザイアンス)効果」、いわゆる「単純接触効果」が期待できるから。つまり、「同じ人やモノにくりかえし接触すると、好感度や印象がアップする」法則に則っているため、何度も自分からあいさつすることに意味があるのです。*5■子どもが仲間はずれになることを過度に怖れない先述した通り「一人でいる力」がある子は、自分らしさが確立しているため周りからの人気を得やすい傾向があります。しかし、精神科医の和田秀樹氏によると、昨今の親は「子どもが仲間はずれにされることに対して過剰反応しがち」なのだそう。親の仲間はずれへの恐怖は必ず子どもに伝染するため、「仲間はずれにされたくらい問題ない」と腹をくくる覚悟が必要です。*6また親野氏も同様に、「『友だちと遊ぶだけではなく、自分ひとりで楽しむ時間も大切だよ』と語りかけ、その子が好きなことや熱中できることに取り組めるような環境を作ってあげてほしい」と述べています。何よりもまず、子ども自身の個性を認め、ほめてあげましょう。それが自信につながり、一人でいられる強さと、友だちに好かれる要素を育む素地となるはずです。*3みんなに好かれる子どもに育つ親が習慣にすべきこと✓ 素直な感情表現✓ ポジティブな言葉がけ✓ 積極的な挨拶✓ 個性の尊重✓ 自立心の育成✓ 思いやりの心をもつ1日の生活シーン別 実践ポイント ◆朝の時間「おはよう」の挨拶は、目を見て笑顔で。子どもの表情を見てから「よく眠れた?」と一言添えてみましょう。準備に手間取っているときも「あと何分でここまでやろうね」など、具体的な目標を示して励まします。「早くしなさい」ではなく「靴下が履けたね!」など、できていることに注目して声をかけましょう。◆学校から帰宅後まずは「お帰り」を笑顔で。「今日はどんなことがあった?」とゆっくり話を聞く時間を作りましょう。友だちの話が出たときは「〇〇くんと遊べて楽しかったんだね」など、関係性に着目した言葉をかけます。宿題や片付けの前に、軽い間食とおしゃべりの時間を確保。心が落ち着いてから次の行動に移れるようにしましょう。◆夜の時間お風呂では、その日にあった友だちとの出来事を聞いてみましょう。リラックスした場所だと本音も出やすいものです。就寝前の10分は、スキンシップをとりながら「明日は〇〇だね」と楽しみな予定を話すなど、ポジティブな会話を。「おやすみ」の挨拶とともに「今日も〇〇できたね!」など、その日の頑張りを具体的に認めます。 このように場面を区切って考えると、限られた時間のなかでも実践できるポイントが見えてきます。すべてを一度に始める必要はありません。まずは、あなたの生活リズムで「これなら続けられそう」と感じる場面から、少しずつ始めてみましょう。***最近では「人気者」といっても型通りのタイプではなく、それぞれの個性を認められた多様なタイプが増えてきています。お子さんの個性や好きなことを認め、活かしたうえで、周りから好かれる子になるために、親として精一杯のことをしてあげたいですね。文/野口燈(参考)(*1)参考:学研教育総合研究所 小学生白書Web版|「小学生の日常生活・学習に関する調査」(*2)参考・カギカッコ内引用元:ダ・ヴィンチWeb|「なぜか人に好かれる子」に備わっている“7つの気質”とは(*3)参考・カギカッコ内引用元:親力講座|子どもの友達力は親子関係から~その1~(*4)参考・カギカッコ内引用元:ダイヤモンド・オンライン|「クラスの人気者」の親がやっている習慣とは?【最新研究を心理学者が解説】(*5)参考:AERA dot.|「みんなに好かれる子」の親がしている1つの習慣(*6)参考・カギカッコ内引用元:THE GOLD ONLINE|発覚!子どもの「仲間はずれ」…悩める親がとるべき対応とは
2024年11月08日(この記事はアフィリエイトを含みます)お子さんの学習意欲って、不思議なものですよね。「自分から勉強したい!」という気持ちが芽生えるまでには、やっぱり親御さんの優しい後押しが必要なんです。というのは、お家での学習時間が日課になっているお子さんと、そうでないお子さんとでは、テストの点数はもちろん、勉強に向かう時の気持ちにも差が出てきてしまうから。だから、小さい頃から、お家でちょっとずつ学習する時間をつくってあげられたらいいなって思います。専門家によると、本格的な反抗期を迎える前の10歳までが、学習習慣を身につけるチャンスなのだとか。そこで今回は、忙しい毎日を送っている親御さんに向けて、「子どもがひとりでも楽しく取り組める教材」をご紹介します。おなじみのドリルはもちろん、最近ではすっかり学習パートナーになったタブレットまで、お子さんが「ワクワク」しながら学べる教材を集めてみました。お子さんの興味と成長に合わせた教材選びのヒントになりますように!自立学習、学習の習慣化は小さいうちに!仕事や家事で毎日忙しくしていると、「子どもの勉強をちゃんと見てあげたいけど、時間がなくてつい後回しになってしまう……」と、日々後悔や反省を繰り返してしまいがちです。理想は「ひとりでも集中して学習する習慣」を身につけてくれることですが、現実ではなかなかうまくいきません。最近では、未就学児でも楽しく学べるドリルなどの学習教材も充実しており、遊びの延長として勉強に取り組めるアイテムも続々登場しています。便利で役立つアイテムを活用しながら、就学前から「楽しく学ぶ習慣」を身につけさせたいですね。子育て心理学協会代表理事の東ちひろ氏は、「学年が上がるにつれて、自分で学習する『自立学習』の力は欠かせなくなるが、高学年になってあわてて学習習慣を身につけさせるのは難しい」と指摘したうえで、「本格的な反抗期に突入する10歳までがチャンス」と、低学年から家庭学習の習慣を身につけることが重要だと述べています。*1では子どもの自立学習を習慣化させるにあたって、親はどのようなサポートをしてあげればいいのでしょうか?元開成中学校・高等学校校長の柳沢幸雄氏は、「好奇心こそ、自ら積極的に学ぶためにもっとも必要なもの」と述べています。だからこそ親は、「子どもの興味関心に目を向けて、その延長線上に勉強の要素につながるようなものがある経験をさせてあげること」を心がけ、子どもの好奇心や「やりたい」という気持ちにできる限り寄り添う必要があるのです。*2たとえば、電車好きの子なら一緒に電車を見に行くだけでなく、路線図を片手に電車に乗って各駅に着く度に駅名の漢字を確認するなど、学びにつながるきっかけは身近にあります。お子さんがいま一番興味をもっているのはなんなのか、じっくり観察しましょう。子どもが学習に興味をもってくれないことには学習習慣はつきません。そこで次項では、子どもがワクワクしながら学習を進めてくれるような自立学習教材を紹介しています。しかも、親の見守りは基本的には不要です。なかには「おうちの方は絶対に教えないでください」注意書きがあるドリルも……!ひとりでできるドリル7冊(2歳~小学校高学年)それでは、親がそばについていなくても子どもがひとりで取り組めるドリルを紹介します!2歳~小学校高学年を対象に、年齢・学年に応じたおすすめの7冊をピックアップしているので、お子さんの年齢に合った自宅学習に役立ててくださいね。【1】『2歳 まるごとこれ1冊 できるかな』(学研の幼児ワーク)初めてのドリル選びにおすすめ!年齢に合った難易度で、2歳でやっておきたい定番のおけいこができます。ひとりで楽しめるぬりえやめいろなどの遊びが満載です。1ページごとにごほうびの「がんばりシール」が貼れるので、やる気が続きますよ。【2】『2~4歳はじめてのおけいこ』(学研の幼児ワーク)2〜4歳のクレヨンや鉛筆にまだ慣れていないお子さん向けのドリルです。運筆(鉛筆で線などを引く練習)中心の内容で、早いうちから机に向かう習慣をつけるのにぴったりの1冊。幼児向けワークやドリルが初めてでも、ひとりで集中して進められます。【3】『おすしドリルシリーズ4歳』(学研プラス)おすしにまつわる問題だけを詰め込んだ、おすし好きのお子さんにはたまらないドリルです。イラストや写真がふんだんに使われているので、絵本感覚でひとりでも楽しめるでしょう。おすしを通して「もじ・かず・ちえ」をバランスよく学べます。【4】『ひとりでできる!かんがえるパズルめいろ・てんつなぎ・まちがいさがし〔5・6歳〕』(世界文化社)「子どもにつきっきり」から解放!わかりやすいヒントが満載で、ひとりで取り組める工夫が凝らされたドリルです。スタンプラリー付きで達成度がひと目でわかります。ひとりでできた経験が目に見えるので、お子さんの自信にもつながるでしょう。【5】『ドラゴンドリルけいさん小1』(学研プラス)こんなドリルが欲しかった!かっこいいもの好きの子どもたちにぴったりの、勉強をワクワクの冒険に変えるドリルです。解けば解くほどレベルの高いドラゴンがゲットできるので、どんどん進めたくなりますよ。公式のアプリもあり、ゲーム感覚でひとりでも楽しめると人気です。【6】『賢くなるパズル 入門シリーズ 数字・やさしい』(Gakken)卒業生の多くを難関中学に合格させてきた「宮本算数教室」の小学校全学年向けのパズル教材です。「最高の教材を渡して放っておくだけで子どもは伸びる」というメソッドに基づいているため、おうちの方は絶対に教えないでください。正解するまで自分で見直す習慣がつくので、粘り強さが育まれますよ。【7】『算数と国語の力がつく天才!!ヒマつぶしドリルちょいムズ』(Gakken)楽しく読んで遊んでいたら、いつの間にか算数と国語の力がついてしまう不思議なドリル。ヒマつぶしがてら遊び感覚で始めたところ、だんだんと夢中になって問題を解いてしまう子どもが続出!ほったらかしにしていても、子どもが自分から進んで楽しみながら勉強してくれます。ひとりでできるタブレット・オンライン学習最近ではタブレット学習もすっかり定着し、楽しみながら学習に取り組めると子どもたちからも人気です。ここでは編集部おすすめのタブレット学習教材を紹介します。各教材の特色について解説しているので、お子さんに合いそうな学習法を見つけてくださいね。◆ひとりで学べて考える力がつく【こどもちゃれんじタッチ】◆ベネッセコーポレーションが運営する幼児向け通信教育サービスの「こどもちゃれんじ」は、「スキマ時間にサクッと遊びながら学べる」「家事で手が離せないとき、自分から進んで映像を見てくれていた」「子どもがひとりで集中して取り組めるので助かる」など、忙しい保護者から絶大な人気と信頼を得ています。年中・年長さん向けのタブレット学習「こどもちゃれんじタッチ」は、タブレットの利点を活かしてお子さまのひとり学習をサポート!正解だけでなく考える過程を大切にした学びを中心に、これからの時代に必要な力を育む充実した学習内容となっています。◆どんどん算数が好きになるタブレット教材【RISU算数】◆「ゲーム感覚で楽しめるので子どもが自ら進んで学習するようになった」という利用者の声にあるように、自発的に取り組みたくなる仕組みが満載のオンライン学習サービス・RISU算数は、データ分析を活用して、個々の得意・苦手ポイントに応じた問題とレッスン動画を提供してくれます。つまずきを早期に感知したうえで、即座にフォローアップを行なうため、算数が苦手なお子さんも安心して学習に取り組めるでしょう。24時間365日の無料フォロー相談体制を整え、やる気や学習習慣づけまでサポートしてくれるので、ひとり学習にぴったりですね!RISU代表・今木智隆先生 インタビュー記事一覧はこちら第1回:子どもを「算数嫌い」にしない大原則。幼児期からできる“算数好きの基礎”の築き方第2回:子どもが勉強で成果を出せないのは、親の「勘違い」が原因かもしれない第3回:10億件のデータを調べてわかった、小学生が「ずば抜けて苦手」な算数の単元と例題第4回:「算数の文章題が苦手」な子どもが、ひねった応用問題でも解けるようになる教育法◆楽しすぎて毎日レッスンを入れたくなる! 【Kimini英会話】◆Kimini英会話は、学研が提供する子どものひとり学習に適したオンライン英語学習サービスです。月額1,210円から始められ、AIを活用したアダプティブラーニングにより、個々の理解度に応じた最適なレッスンを提供。年齢別のコースや英検対策などが用意されており、子どもでも自分のペースで学習を進められます。さらに、24時間利用可能なスキル別トレーニングや予習・復習コンテンツにより、子どもが自主的に学習を進められる環境が整っています。受講生保護者の声どの講師も明るくフレンドリー。とにかく子どもをほめるほめるほめる!子どもも、レッスンが楽しすぎて英語の勉強という意識がまったくないため、毎日自分でレッスンを入れています。受講して半年ですが、リスニングだけでなく、使える単語や熟語が急に増えたことにも驚いています。「今日は先生に〇〇について話すんだ!」とレッスン前に和英辞典で単語を調べることもしばしば。まさに「英語にハマっている」という状態です。(こどもまなび☆ラボ編集 T)***「親がしっかり見ていないと、勉強をサボってしまうのでは?」と大人は心配しがちですが、楽しく学習できる環境と正しい目標設定があれば、多くの子どもは熱心に取り組んでくれます。ぜひお子さんに合う学習教材を見つけてあげてくださいね。文/野口燈(参考)(*1)参考・カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|元小学校教員が語る!低学年のご家庭でやっておきたい3つのことって?(*2)参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの話をしっかり聞くと「あとが楽」。勉強に必要な集中力の育て方こどもちゃれんじこどもちゃれんじタッチRISU算数Kimini英語
2024年11月07日朝の慌ただしい時間。保育園の玄関で「イヤだよ」「行きたくない」と泣くわが子を前に、胸が締め付けられる思いをしているママやパパ。そんなあなたの気持ち、よくわかります。小さな子どもにとって、大好きなママやパパと離れて過ごすのは、とても勇気のいることです。入園したばかりの慣れない時期はもちろん、成長の過程で誰もが通るイヤイヤ期など、さまざまなタイミングで登園を嫌がることは自然なこと。それは、お子さまが健やかに成長している証でもあるのです。でも、急がなければいけない朝に限って、こんな状況になってしまいますよね。「このままでは仕事に遅刻してしまう」「ほかの子は泣かないのに」と焦る気持ちもわかります。ただ、今日はちょっと立ち止まって、お子さまの気持ちに寄り添ってみませんか?今回は、登園しぶりの理由や対応方法について、一緒に考えていきましょう。完璧な解決策はないかもしれません。でも、あなたとお子さまに合った、無理のない方法が必ず見つかるはずです。「ママがいいー!」泣き叫ぶ、子どもの登園しぶり登園しぶりとは、通っている保育園や幼稚園に子どもが行きたがらない様子のことです。行きたくない気持ちからママにしがみついて離れなかったり、泣き叫びながら家に帰りたがったり……。また、気持ちをうまく伝えられず、保育士やパパを叩いて暴れる子どもも少なくありません。登園しぶりは、新しい環境に戸惑いがちな入園当初や、登園が久しぶりとなる長期休み明けに多く見られます。そのほか、イヤイヤ期などのタイミングで感情が爆発してしまい、登園しぶりになってしまう子も……。0歳児はただ泣くばかりですが、1歳児は逃げだそうと体全体で嫌がり、2歳児にもなれば言葉で行きたくない気持ちを表現するようになります。そして子どもの年齢が上がるほど、体も大きくなり力も強くなるので、パパやママは本当に大変なのです。なお、登園しぶりは特別なことではありません。大人が不意に「今日は仕事行きたくないな……」と思う気持ちと同じだと考えれば共感できるのではないでしょうか?登園しぶり、なぜ起こる?原因は〇〇だった登園しぶりの原因は、子どもによって違いがあります。ここからは、よくある登園しぶりの原因をご紹介していきます。原因1:ママやパパといっしょにいたい最も多いのが「ママやパパと離れたくない」という寂しさからくるものです。必ずお迎えにきてくれることや、保育園でも楽しく過ごせることがわかれば、徐々に解決してくるでしょう。幼児期になっても寂しさから登園を嫌がる場合は、母子分離不安の可能性も。家庭だけでなく、保育園と連携した対応が求められます。原因2:入園したばかりで環境に慣れていない入園したばかりは、慣れない場所で不安がいっぱいです。そのため「ここにいるのが怖い」などの恐怖心から、登園しぶりが起こります。ある意味、想像力が豊かであるとも言えるでしょう。なお、入園当初に自分の置かれた状況を把握できず、数週間経ってから泣く子どもも少なくありません。保育士と信頼関係ができれば、少しずつ改善すると考えられます。原因3:家庭環境に変化があった家庭環境になにか変化があったときは、情緒が不安定となり登園しぶりが見られる可能性があります。しかもこの場合、子ども本人も「なぜ登園したくないのか?」が理解できていません。ですから、引っ越しやきょうだいの誕生など、なにか思い当たることがないか思い起こしてみましょう。心が安定するまで見守る必要があるため、登園しぶりが長引いてしまう可能性があるといえるでしょう。原因4:保育園で過ごす時間が楽しくない単純に、以下のような理由から保育園での生活に嫌悪感を抱き、登園を嫌がることも多くあります。参加したくない苦手な活動がある大きな行事が近づきプレッシャーを感じている自分の好きな遊びを楽しむ時間がないお友だちに叩かれたり噛まれたりする厳しく叱る保育士のことを苦手と感じている保育園で起きたイヤな出来事が、登園しぶりのきっかけになることも。このような理由で起こる登園しぶりは、原因がハッキリしているため対応しやすいとも言えるでしょう。原因5:体調がすぐれない体調がいつもと違うと感じ、登園をしぶるケースもあります。子どもは自分の症状をうまく言葉で伝えられないため、発熱などがないかぎり、親が子どもの体調の変化に気づかないことも。緊張や疲れで体に異変を感じていたり、長期休み明けに生活リズムが崩れていたりと、病気と言うほどではないけれど、「なんとなく体調が悪い……」という場合があるのです。登園しぶりへの対処法は?じつはNGだった「あの行動」仕事に遅刻しそうなとき、登園しぶりがあると本当に大変ですよね。子どもの不安や葛藤に寄り添ってあげたいと思っても、朝の忙しさで余裕がなくなってしまう人も多いはず。そこでここからは、すぐに取り入れられる対処法を解説していきます。■登園しぶりがある子どもの送り出し登園しぶりの理由や子どもの性格によって対応は異なりますが、基本はイライラせず時間が許す限り子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。なるべくスムーズに登園できるよう、家庭から登園までの子どもとの接し方をまとめてみました。以下の流れのなかで、できることがあれば取り入れてみてくださいね。登園しぶり「送り出しのコツ」子どもに疲れや緊張、病気などがないか確認するぎゅ~っと抱きしめて安心感を与える好きなキャラクターの服や靴を身につけるお気に入りのおもちゃやタオルケットなどを持参する登園カードを自分でタッチするなど特別感を与える行きたくない気持ちに共感する公園に行くなどお迎え後の予定を約束する別れの儀式を決めて切り替えられるよう促す諦めがつくよう笑顔で潔く離れる保育園での楽しかった出来事を思い出せるように関わる 子どもは親の表情をよく観察しています。そのため「保育園に預けるなんてかわいそう」「こんなに泣いているし休ませようかな」などと親が考えてしまうと、子どもはその気持ちを察知してしまいます。保育園は安心できる場所であると伝えるためにも、登園しぶりにはあっけらかんと笑顔で対応することが大切です。また、家を出る前にイヤイヤのスイッチが入ってしまうと、そのまま流れるように登園を拒否されることがあります。そのため、もしものときは「パジャマで行きたい」「長靴を履きたい」などの子どもの要望に応える姿勢も必要です。服や運動靴など、必要なものはすべて持参して保育士へ預けましょう!■これだけは避けたい……登園しぶりのNG対応逆に、親御さんにしてほしくないNG対応は「嘘をつくこと」です。以下のような嘘をついて保育園に連れて行くようなことがあると、登園しぶりが長引いたり、親子の信頼関係が崩れてしまったりする恐れがあります。登園しぶり「NG対応」今日は保育園じゃなくて買い物に行くよ保育園に行かないなら注射に連れて行くよ今日は保育園をちょっと見に行くだけだから今日は給食より前に、早くお迎えに行くね登園カードを自分でタッチするなど特別感を与えるお迎えのあとにおもちゃ買ってあげるから 休めるものなら休ませてあげたいと思うのが親心。しかし、仕事は仕事。「無理に登園させるのはよくない」とわかっていても、簡単に休ませてあげられないのが現実です。とはいえ、焦りから嘘をつくことはおすすめできません。仕事に遅刻しそうでどうしようもないときは「保育園に行くよ」と事実だけ伝え、とりあえず玄関まで連れて行って保育士に任せてしまうのが得策です。そのためには、保育士との連携が欠かせません。■保育士と連携して登園しぶりを見守ろう登園しぶりを家庭だけで対応するのは、とても大変です。保育園での過ごし方が原因になっていることもあるため、なるべく連携して見守れるようにしましょう。とはいえ、すべての責任を保育園に押しつけるのはNG。あくまでも相談ベースで、家庭から送り出しまでで困っている状況を伝えましょう。なかには、登園しぶりは一瞬だけでママやパパが見えなくなった瞬間に「せんせ~!」「あそぶ~!」と、切り替えている子どもも……!一種の儀式のようにとりあえず泣いて別れるという子どももいます。保育士と連携することで知ることができる姿もあるため、ぜひ保育士に「わが子の本当の姿」を確認してみてくださいね。***いつ落ち着くか、そしていつ始まるかわからない登園しぶり。理由はそれぞれ異なるため、まずはその原因を知り、共感することが大切です。また、保育園での活動内容やお迎えの目安を伝えると、見通しが立って不安が減少するかもしれません。さまざまな対応を試し、子どもが安心して楽しく保育園生活を送れるようにしたいですね。【ライタープロフィール】山本あやか(やまもと・あやか)児童学科で4年間学び、保育士資格や幼稚園教諭一種免許を取得。保育士として約10年勤務。現在、小学生2人を育てながら「働きながら子育てする大変さ」と対峙中。ワーキングマザーが安心して子どもを預けられるよう、さまざまな情報を発信します。
2024年10月30日「お母さん、見て見て!」遊び終わったおもちゃを片付けながら、わが子が誇らしげに振り返ります。そんなとき、あなたならなんと声をかけますか?「えらいね!」 「すごーい!」 「賢いね!」私たち親は、わが子の成長を喜び、その気持ちを言葉にして伝えたいと思うもの。「子どもをほめて伸ばそう」という考え方は、いまや子育ての基本とされています。子育て書やネットの記事でも、「子どもの自己肯定感を高めるためにほめましょう」「たくさんほめて、やる気を引き出しましょう」といったアドバイスがあふれています。でも時々、こんな不安がよぎることはありませんか?「これって、ほめすぎかな……」 「いつも同じ言葉になってしまう」 「本当にこれでいいのかな」じつは最近、教育現場から気になる報告が上がってきています。それは「ほめられることに依存的な子どもが増えている」という声です。教師たちの間では「ほめられ中毒」という言葉さえ聞かれるようになってきました。今回は、子どもの心理に詳しい専門家たちの知見をもとに、「効果的なほめ方」について一緒に考えていきましょう。記事の最後に、「正しいほめ方」をまとめました。ぜひ参考になさってください。「ほめられ中毒」の子どもが増えている!?ノンフィクション作家の石井光太氏による著書『ルポ スマホ育児が子どもを壊す』(新潮社)では、「ホメてホメて症候群」とも呼べる子どもたちの増加が教師たちを悩ませている現実に警鐘を鳴らしています。具体的には、休み時間のたびに教員のところへやってきては、「こんなことできるんだよ」など繰り返し言ってきて、「すごいね」「えらいね」とほめてもらわなければ気がすまない子どもが増えたのだと言います。もちろんこの程度なら、誰もがもっている承認欲求の一例とも言えるでしょう。より深刻なのは、「この類の子どもたちは、極端に甘えたがりな一方で、何もしないでほめてもらおうとする傾向がある」ということ。つまり、ほめられること自体が目的になっており、なかにはクラスメイトを貶めることでほめてもらおうとする子もいるのだと言います。友だちのミスを告げ口するだけにとどまらず、その先の「友だちの悪いところに気づいた自分を認めてほしい。ほめてほしい」という気持ちが高まり、際限なくほめてもらいたがるのです。*1これは決して極端な例ではありません。現状において、このような子どもが増えている背景には、どのような原因が潜んでいるのでしょうか。理由のひとつとして、物心がついたときから周りの大人から過剰にほめられ続けていることが挙げられます。みなさんも本やネットの記事などで、「ほめて子どもを伸ばそう!」「子どもの自己肯定感を高めるためにたくさんほめよう!」といった言説を頻繁に見たり聞いたりしていると思います。もちろん、ほめることによるメリットは多く、実際に効果を実感した経験もあるでしょう。問題は「ほめる」を通り越して、わが子を過剰におだてたり、わざわざ成功体験を用意してあげたりと、不自然なかたちでの「極端なほめ」が日常化してしまうこと。*1このような環境で育っていれば、学校でも教師やお友だちから称賛されなくては気がすまない「ほめられ中毒」に陥ってしまうことは、容易に想像できるはずです。「ほめられ中毒」に陥るメカニズム「ほめられ中毒」に陥るメカニズムについて、『子どもを否定しない習慣』(フォレスト出版)の著者で「否定しない専門家」である林健太郎氏は次のように説明しています。ほめられることは、ポジティブで強い刺激となり常習性があります。そのため、ほめられると嬉しい→もっとほめられたい→ほめられることを率先してやろう、というパターンが生まれやすいのです。これは、脳内にドーパミンやセロトニンが駆け巡って快感を得るため起こる現象です。適度ならよい刺激になりますが、快楽中毒になると、家の外でも常にほめてもらわなければ気がすまなくなる危険性もはらんでいるのが難しいところ。つまり、結果的に「ほめられればやるけど、ほめられなければやらない」というマインドが醸成される可能性があるのです。*2ですが、親としてはポジティブな言葉がけによって子どもを伸ばしてあげたい気持ちもあります。子どもをほめ続けることは、学力を伸ばしたり社会性を育んだりするうえで、どの程度影響を与えているのでしょうか?過度な「ほめ」は逆効果教育経済学者の中室牧子氏は、「ほめて自尊心を高めるという主張があるが、科学的には証明されていない。それどころか、大人による子どもの自尊心を高めるような介入は、もともと学力の低い学生にとっては大きな負の効果をもたらすという研究結果がある」と、ほめて伸ばす教育や子育てに懐疑的な見解を示しています。その研究とは、1980~90年代にかけて、アメリカの学校で子どもの非行防止や学力を伸ばすことを目的に、「とにかくほめる」という大規模な研究プロジェクトが発足したことを指します。「子どもたちの自尊心を高めれば学力や意欲が高まり、反社会的行為を未然に防止することができるのではないか」と期待して指導した研究ですが、思いもよらぬ結果になりました。ひとつは、ほめられ過ぎた結果、自尊心が高まるどころか「ほめられ中毒」になったこと。そしてもうひとつ、実力がともなわないのに「自分はすごい、えらい人間なんだ」という「カラの自己肯定感」が高くなるという意外な結果が出たのです。中室氏は、「『あなたはやればできるのよ』などと言って、むやみやたらに子どもをほめると、実力のともなわないナルシストを育てることになりかねない」と苦言を呈しています。特に、悪い成績をとった学生に対して、自尊心を高めるような「過剰なほめ言葉」を与え続けると、悪い成績をとってもなお根拠のない自信に満ちた人間になる恐れがあるので、注意が必要です。*3次に「ほめられ中毒」の子どもの未来を考えてみます。「ほめられ中毒」の子どもが大人になったとき、どのようなデメリットが表れるのでしょうか。教育心理学者の遠藤利彦氏によると、「ほめられ中毒になると、『常にいい自分でいたい』と思い、親ががっかりするような自分は見せたくないと考えるようになる」のだそう。その結果、難しい課題に挑戦するのに臆病になってしまうと言います。*4さらに前出の林氏によると、「ほめられ中毒になると、より強い言葉でないと反応しないようになる」ことから、このような環境で成長した子どもが社会に出ると、「上司から言われたことしかやらない大人」や「ほめられないと不安になる大人」へと成長してしまう可能性が高いと指摘しています。*2ここまでの事例をふまえて、中室氏は「ほめてはいけないのではなく、重要なのはその『ほめ方』である」と結論づけています。次項では、子どもを「ほめられ中毒」にしないほめ方について、詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。*3子どもをほめられ中毒にしない「正しいほめ方」中室氏が指摘するように、重要なのは「ほめ方」です。では具体的に、どのようなほめ方をすればよいのでしょうか。 お子さんをほめるとき、何も考えずに、何も考えずに「すごいじゃん!」「えらいね!」などと言っていませんか?もちろんそれだけでも本人は喜び、「もっとがんばろう」とやる気になってくれるはず。ですが、お子さんが「ほめられ中毒」にならないように気をつけたいなら、ちょっとだけ言い回しや伝え方を変えてみましょう。▼ 重要ポイント1:「ほめる」より「承認」を子どもをほめるのではなく「承認」してあげることが何よりも重要です。できたことに対して「えらいね」「すごいね」とほめてばかりだと、できた・できないが評価の対象になってしまうので注意が必要です。具体例:「おもちゃを片づけられてえらいね」「おもちゃを片づけてくれたんだね」「〇〇したからえらいね」という主観の入った言葉ではなく、やってくれた事実を承認するだけでOKです。▼ 重要ポイント2:承認+気持ちの表現「ちょっと物足りない」「冷たいように感じてしまうのでは?」と不安なら、まずは事実である出来事や行動を承認してから、プラスアルファで自分の思いを伝えるとよいでしょう。具体例:「おもちゃを片づけてくれたんだね」「おもちゃを片づけてくれたんだね。うれしいよ」ポイントは、ありのままの子どもの言動を承認したあとに、自分の素直な気持ちを添えてほめてあげること。「毎日一生懸命課題をこなしているよね。感心するよ」など、日常の些細なことでも、プロセスをきちんと認めてほめてあげましょう。*2▼ 重要ポイント3:適切なタイミングでほめる回数よりも、ほめるタイミングのほうが大切です。子どもが好奇心をもって取り組み、がんばって成し遂げ、喜んでいるタイミングなどがチャンス。その「根拠とともに」しっかりほめましょう。具体例:「毎日自主練がんばってるの見ていたよ。ついにレギュラーに選ばれたね!」親が子どもの自発性を認めてほめてあげることで、子どもは「自分がやりたいこと・がんばりたいことを、お母さん(お父さん)は認めてくれた!」と感じ、自己肯定感が育まれていきます。▼ 重要ポイント4:比較は絶対NGほめる時に周りと比較しないことも大切です。具体例:「△△くんにはいつも勝てないのに、今回は速く走れてすごいね」「先週よりもタイムが速くなったんだね。よかったね」このように、誰かと比べてほめるのはNG。遠藤氏によると、「小さな変化を認めてあげるような親のほめ方は、子どもの個性を伸ばすと同時に、社会に順応していける力を育む」とのことなので、日頃から子どもの様子をよく観察して、小さな変化に気づいてあげたいですね。*4▼ ポイントまとめ評価」ではなく「承認」を基本に事実の承認+気持ちの表現で温かみをタイミングを重視し、根拠を添えて比較は避け、個々の成長に注目***子どもをほめることは大事です。しかし、ただ闇雲にほめているだけでは「ほめられ中毒」になってしまう可能性もあるため、ほめ方や「ほめること」への向き合い方を見直す必要があるでしょう。子どもの成長のチャンスをつぶさないためにも、ほめ過ぎには十分注意してくださいね。文/野口燈(参考)(*1)参考・カギカッコ内引用元:Yahoo!ニュース|ホメてもらうため先生に級友の告げ口をし…ルポ学級崩壊「子どもたちが秘密警察化する」快楽中毒の現実(FRIDAY)(*2)参考・カギカッコ内引用元:プレジデントオンライン|「偉いね」「いい子だね」の声かけが子供をダメにする…「褒められ中毒」になった子が大人になって直面する困難(*3)参考・カギカッコ内引用元:プレジデントオンライン|「あなたはやればできるのよ」が呪いの言葉に…「ほめる子育て」が子どもにもたらす意外な影響(*4)参考・カギカッコ内引用元:Z会おうち学習ナビ |「根拠あるほめ方」で子どもの成長のチャンスを逃さない!参考:コクリコ|子どもを「褒められ中毒」にしない 根拠ある「褒め方」「なぐさめ方」
2024年10月29日子育ては予想外の連続です。特に、小学校入学前の時期は、親として様々な選択を迫られます。ここでは、2019年生まれの娘をもつ一般的な母親の体験をお伝えします。「こどもちゃれんじ」との出会いと再会、そこで得た気づきの数々です。迷いのなかでの再会「ママ、これ、またやりたい!」娘の目が輝いていました。画面に映るしまじろう。5年前、新米ママだった私は初めて「こどもちゃれんじ」と出会いました。娘はしまじろうに夢中で、私も「こどもちゃれんじ」を楽しんでいました。でも、ある日「もういいや」と思ってしまったのです。当時の私には、それなりの理由がありました。育児書やまわりの意見に振り回され、「これをしなくちゃ」「あれをやらなくちゃ」という思いに駆られていたのかもしれません。結果として、子どもの興味や成長のペースよりも、親の焦りが先行していたように思います。そして訪れたコロナ禍――。私たちの日常は一変しました。コロナ禍による影響は、子育て中の家庭に特に大きな変化をもたらしました。保育園の休園、児童館のイベントや幼児向け習い事もすべて休止。学びの場がほとんどなくなり、焦りの気持ちが生まれました。終わりが見えない日々に、家でしっかり教育をしなければと思い、知育玩具や、いま思えば「早期教育すぎる」別教材を選択。「こどもちゃれんじ」は、やめてしまいました。この時期、多くのパパママたちが同じような不安を抱えていたのではないでしょうか。家での時間が増えたことで、子どもの教育に対する責任を強く感じる一方で、何をどうすればいいのかわからない……そんなジレンマに陥っていました。↑娘のお気に入りだった、しまじろうのソフトトイ。どこに行くにも必ず一緒でした。5年後、変わる教育観。進化した学びの形との出会いと驚き娘は今年5歳になりました。5年前、余裕のなかった私が、知育玩具や早期教育教材を選んだことは、いまでも正しかったのかわかりません。「こどもちゃれんじ」=おもちゃ寄りだと当時は思っていたけれど、あのとき、もう少し月齢・発達に合ったことをしていたほうがよかったのかもしれないと頭をよぎることもあります。子育ては、特に新米ママにとっては、試行錯誤の道のりでした。5年という時間は、私自身の価値観や教育に対する考え方も少しずつ、でも確実に変化をもたらしていました。以前の私は「教育は紙の教材でするべき」という強い信念をもっていました。子どもの集中力を育てるには、じっくりと紙に向かい合うことが大切だと信じていたのです。自分自身が慣れ親しんできた方法に知らず知らずのうちにこだわっていたのかもしれません。また、いろいろなことが小さい頃からできるほかのお子さんの情報を目にすることもあり、「早ければ早いほどよい」と考えていた部分もありました。しかしいまは、子どもの興味や発達段階に合わせることの大切さを実感しています。――あれから5年経ち、私はここ「こどもまなび☆ラボ」で編集の仕事をしています。5歳の子どもがいるということで、体験記事担当になった私(と長女)。5年ぶりのしまじろうとの再会は、タブレット学習の体験でした。驚いたのは、今回体験した「こどもちゃれんじ」(年中さん向けのすてっぷ教材)では、入会する人の約9割がタブレット学習を選んでいるという事実。想像していたより多くの人が、子どもの学びにタブレット学習を取り入れていたのです。そして、実際に学習を始めてみると、タブレットだけでなく、毎月届く紙の教材やエデュトイも一緒に楽しめることがわかりました。タブレット学習でインタラクティブに学び、紙の教材にじっくり取り組み、かわいいおもちゃで体験的に理解を深める――。デジタルとアナログ、それぞれのよさを上手に組み合わせながら、子どもの成長に寄り添う学びが広がっていました。デジタル技術の進歩とともに、教育のあり方も豊かに進化していることを実感しました。↑「ママ、見て!書けたよ!」と嬉しそうな顔。ひらがなが大好きになったみたいです♪でも、タブレット学習への不安も……でも、タブレット学習には、やはりまだ抵抗がありました。理由は2つ。1つめは、現在、紙のドリルやワークに喜んで取り組んでいる娘が「タブレットしかやりたくない!」と変わってしまうのではないか、という不安。2つめは、5歳という年齢にタブレット学習が本当に必要なのか、それこそ早すぎるのではないか、という疑問。この不安や疑問に共感してくださる同世代のパパママも多いのではないでしょうか。デジタルネイティブと呼ばれる世代の子どもたちと、アナログ時代を経験してきた私たち親世代とのギャップ。それが、こういった不安を生み出す要因のひとつかもしれません。ところが、実際に使ってみると、「あれっ。すごくいいじゃん」と思いました。生活から教育まで、バランスよく「いま」教えたかった内容がまとまっています。教育系コンテンツには、カブトムシの成長動画などの動物の生態、なぞり書きアプリでのひらがな練習、生活のマナーなどがありました。ややもすれば単調になりがちな内容も楽しみながら学べるような工夫が凝らされていたのです。また紙のワークと違い、親がついていなくても、タブレットのなかのキャラクターがはげましてくれて、子どもがひとりで学習を進められるようにデザインされていました。子どもの成長には、知識の習得だけでなく、生活習慣の確立や社会性の発達など、さまざまな要素が必要です。「こどもちゃれんじ」は、そういった総合的な発達を促す工夫が凝らされているようでした。娘が「自分で考える」ようにそして、何より嬉しかったのは娘の変化です。以前は「どうしてだと思う?」と問いかけても、考えもせず「わかんなーい」と言っていた娘が、しまじろうの上手な問いかけなら自分で考えて答えを出せるようになりました。「きみはどう思うかな?」「ほかにはどんなものがあるかな?」など、しまじろうの問いかけ方は、親の私にも「こうやって聞けばいいのか」と大きな学びがありました。ただ「この答えは?」「これは何?」ではなく、考えることを促すような質問が織り込まれ、その促しによって娘は自分で考えるということそのものを身につけていったのです。これが、「こどもちゃれんじ」の「問いかけ型メソッド」なのでしょう。この変化は、単に知識を詰め込むだけの学習ではなく、思考力や表現力を育む重要性を示しているのだと思います。子どもの「なぜ?」「どうして?」という好奇心を大切にし、それを育てていくことの大切さを改めて感じました。↑花丸がもらえて満足気な娘の表情に、親である私もとても嬉しかった……!タブレット学習についての「予想外の発見」タブレット学習については、いくつかの予想外の発見がありました。子どもは楽しそうにタブレットを使って学びを深めていましたが、同時に紙の教材を避けるようになることはありませんでした。子どものほうが、タブレットと従来の紙の教材、それぞれのよさを知っているのかもしれません。結果として、私の不安は杞憂だったのです。子どもが飽きないような進め方、上手な問いかけ、動きや音によるわかりやすさ……タブレット学習だからこそできることは本当にたくさんありました。さらに、30分ごとに休憩の画面が出て、このあとは大人しか操作できないようになっているのも驚きでした。紙の教材は、親がついて見てあげる必要もありますが、それもまた、必要なコミュニケーションであることも確かですし、まったく見てあげないのは、子どもには(私にとっても)物足りない部分もあるでしょう。「こどもちゃれんじ」にはタブレット学習だけでなく、紙の教材もきちんと付属しているので、とても行き届いている印象です。タブレットでの学習効果、紙の教材を通したコミュニケーション。どちらもそれぞれによさがあり、どちらも大切で、紙だけでなくてはならないということはなかったのですね。子どもの適応力の高さに驚かされると同時に、大人の方が固定観念に縛られていたことに気づかされました。↑30分ごとに、しまじろうから「きゅうけいしよう! めをやすめてね」とメッセージが届きます。専門家の言葉から学ぶこの経験を通じて、私の教育観も変化しました。以前、編集者として専門家のインタビューを読み込む際に、こんな言葉に出会いました。「IT技術の進歩により、スマホやタブレット端末用のアプリなどメディアが生まれている時代です。つまり、文字だけに頼らずとも、情報をインプットできる機会が増えているのです。子どもに合ったメディアをチョイスしてあげることも、ひとつの方法です。」 この言葉を目にしたときには、「そうだよね……。学習方法も時代に合わせてアップデートしていこう」と思いました。でも、いざ自分の子どものことになると、紙のワークのみが正!と無意識に思っていたのでしょう。固定観念でガチガチだったのかもしれません。この気づきは、単に教育方法の選択にとどまらず、子育て全般に対する私の姿勢を変えるきっかけとなりました。子どもの可能性や成長を信じ、新しいことにもオープンな態度で接することの大切さを学んだように思います。子どもって、思ったより成長していて、私が思っているよりもっといろいろなことができるんです。「こどもちゃれんじ」のタブレット学習は、継続予定なので、またリアルな体験記事をお届けしていきます!私は専門家でもなんでもなく、ただの子育て中の母ですが、育児を頑張るお仲間のママたちの参考になれば、嬉しいです。↑娘が夢中になっていたプログラム。「問いかけ型メソッド」で考える力が確実についている!***この「こどもちゃれんじ」との再会は、私たち親子に新しい視点をもたらしました。「教育」や「育児」というと堅苦しく感じがちですが、自然に、嬉しそうに学べる環境の大切さを実感しています。子育てはさまざまな選択の連続です。その過程では、喜びも不安も、多くの感情が伴います。新しい方法や考え方に出会ったとき、それを試してみる勇気をもつことも大切かもしれません。「こどもちゃれんじ」は、親子の成長を優しく見守り、サポートしてくれる心強い味方になってくれそうです。みなさんの子育ても、きっとすばらしい発見と学びの連続になりますように。一緒に、子どもたちの輝く未来をつくっていきましょう!
2024年10月28日子どもがひとり寝を始めるタイミングは、家庭の方針や住宅事情によりさまざまです。とはいえ、お友だちのママから「うちの子はもうひとりで寝てるよ」と聞くと、「うちもそろそろ……」と焦る気持ちが出てくる親御さんも多いのではないでしょうか?そこで今回は、「子どもと一緒に寝るのはいつまで?」という疑問について、専門家の意見を交えながら考えていきます。生後すぐから親子別室。欧米と日本はこんなに違う親子の寝室事情について、日本と欧米ではかなり異なるということがよく指摘されます。2017年にオランダの研究チームが世界の母子のベッドシェア(添い寝)に関する論文を出していますが、それによると日本では、乳幼児期の54.4%がベッドシェアであると報告されています。一方欧米では、アメリカ(23.0%)、ドイツ(8.9%)、イギリス(7.1%)、イタリア(6.4%)とベッドシェア率は低いようです。この結果からも、実際に欧米では親子別室で就寝する傾向が強いことがわかります。*1教育研究家の征矢里沙氏は、日本と欧米における親子の就寝環境について、「欧米は歴史的に『自立』や『個人』を重視する文化。一方日本は、親子、特に母子が密接に関わって育児をするという伝統的な習慣があることが大きい」と、文化や価値観の違いが影響していると指摘しています。*2もちろんそれ以外にも、各国の住環境の違いや夫婦のあり方などさまざまな要因が複雑に絡み合っているため、一概にどちらが正しいとは断言できないでしょう。また、部屋数やきょうだいの人数など、各家庭の事情はそれぞれ異なるので、添い寝の習慣とひとり寝への移行時期に正解はありません。添い寝は授乳など夜のお世話がスムーズにできる点や、子どもの異変に気づきやすい点からも親が安心できる反面、頻繁に目がさめることで眠りが浅くなり、慢性的な睡眠不足につながる可能性も。一方ひとり寝は、大人の時間がとれてぐっすり眠れるものの、別室まで子どもの様子を見に行ったりお世話をしに行ったりするのが大変だと感じることもあり、どちらも一長一短であるでしょう。次項では、専門家の意見をもとに「子どもと一緒に寝る時期とひとり寝のタイミング」についていくつか提案しています。子どものタイプや親の意向をふまえつつ、家族みんなが快適に就寝できる方法を見つけてください。専門家の意見1:親子別室にトライするには「2歳まで」がカギ眠りとお風呂の専門家で公認心理師の小林麻利子氏は、「2歳までは比較的簡単に親子別室にトライできる」と提案したうえで、「それ以降だと『寝る時は隣にいて』という意思が強く出て難しくなる」と指摘しています。小林氏によると、「子どもが寝る部屋を早い段階で作り、『お風呂に入ったらひとりで眠る』ということを習慣づけていく」のが効果的とのこと。習慣になれば、お互いの物音も気にならず、不必要に起こされることもなくなっていくのだと言います。また、2歳前後には「自分の部屋」という認識をもつようになるため、朝目が覚めても親を待つことができるように。幼児期特有の、早朝に親を起こすこともなくなり、親の睡眠時間も確保できますね。*3専門家の意見2:添い寝は3~4歳までOK!先述の研究結果にもあるように、欧米では早い段階で親子別室での就寝がスタンダードになっていますが、そもそもスキンシップの仕方や愛情表現において、日本と欧米ではまるで違います。1984年から5,000件以上も日本の家族がどう寝ているかを調査してきた教育学博士の篠田有子氏は、「欧米の場合、いくつになってもハグやキスなど愛情表現する習慣がある。一方、年齢が上がるにつれてスキンシップが減っていく日本では、愛情伝達が不足しがち」と指摘したうえで、幼少期の添い寝は親子の信頼関係を築くためによい方法なので、「3~4歳くらいまでは添い寝がおすすめ」だと述べています。*4乳幼児期にスキンシップが足りないと、精神的な落ち着きが育たず、反抗的になったりなかなか自立できなかったりする心配も……。しかし、添い寝をすることで皮膚接触をはじめ、寝息を聞いたり匂いを嗅いだりと、全身で親の愛情を感じ取ることができるため、子どもは安心感を得られます。このように、親に対する安心と信頼が育つ添い寝は、スキンシップが苦手な日本人に向いていると言えるでしょう。専門家の意見3:3歳までは添い寝をし、4歳ごろからひとり寝をさせる兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科と鳴門教育大学大学院教育学研究科による「子どもの自尊感情を高めるには、添い寝がいつまで、どのように行なわれるのが望ましいかを探る研究(添い寝が子どもの愛着および自尊感情へ及ぼす影響)」では、「3歳までは添い寝をし、4歳ごろからひとり寝をさせるのが最も好ましい」という結論に至っています。この研究によると、「4~5歳は子どもの自立心が活発になる時期」であるものの、この時期にひとり寝を始められる状態であったのに添い寝を続けてしまうと、子どものなかで添い寝が当たり前という認識になってしまうことがわかっています。そしてその後、子ども部屋ができるなどして、ひとり寝を始めざるを得ない状況になると、今後も添い寝が続くと期待していた子どもは突然親に拒絶されたと感じてしまうのです。*5可能であれば、3歳頃までは親が応答的に添い寝をし、子どもに自立の準備ができたら少しずつ心理的距離をとるようにしましょう。徐々にタイミングを見計らって、スムーズにひとり寝へと導いていくことが大切です。専門家の意見4:6歳までの添い寝で認知的スキルが上がる東北大学大学院情報科学研究科准教授の細田千尋氏は、以下の2つの研究結果をふまえて、「6歳までの添い寝」を推奨しています。*16歳まで添い寝をしていた場合、していない人たちに比べて認知的スキル(知能など)が高かった幼児期まで親と一緒に寝て夜間の安心感が強くなることで、日中の行動がより自立的になる つまり、子どもの情緒の安定や自立心を育むには、早くから親子別室で就寝するよりも、幼児期まで添い寝を続けていてもOKだということ。もちろん親のメンタルヘルスの観点から、添い寝が負担になったり、睡眠不足で日中のパフォーマンスが落ちたりする懸念があれば、その限りではありません。大事なのは、親も添い寝によって安心感を得られること。そのうえで、子どもの情緒面や精神的・肉体的成長を考慮して、添い寝を続けるかひとり寝に移行するかを判断すればよいのです。結論:添い寝→ひとり寝の時期は「その親子次第」!子どもと一緒に寝られる時期には限りがあり、親にとっても幸せを感じられる大事な時期でもあります。「お友だちはひとりで寝ていると言っていて焦る」「もうすぐ小学生になるし、そろそろ添い寝は卒業かな……」「まだ一緒に寝たいけど、自立できなくなりそうで心配」など、ご家庭によって悩みは千差万別です。「どういう形態が最適なあり方なのかよく考えたうえで、『子どもの成長に合わせる』だけでなく、『自分たち親子に合った』選択をしよう」と細田氏が述べるように、周りの意見に流されずに、自分たちにとって何が最適かを優先して決断することが大切です。*1最後に、「そろそろ添い寝からひとり寝に移行しようかな」と考えている方に向けて、前出の小林氏によるアドバイスを紹介します。ポイントは「就寝フォーメーション」です。父・母・子どもの3〜4人家族の場合、寝室を分ける際に「母親・子ども」と「父親」に分かれるケースが多いのではないでしょうか?授乳やおむつ替えなどのお世話を頻繁にする必要がある時期は、母親が一緒に寝ている方がスムーズにケアできることもあります。しかし親子別室への移行を考えるなら、まずは「父親と子どもが添い寝、母親が別室」の組み合わせを試すのがおすすめ。小林氏は、「父親は母親ほど敏感に子どもの物音で起きることが少なく、子どもも母親を求めて起きてしまうことが軽減されるため、母子ともにゆっくり眠れるようになるはず」と述べています。ストレスなくひとり寝へと移行できるように、親と子が徐々に距離をとりながら睡眠環境を変えていくのが理想です。それぞれの家族に合う方法とタイミングで、親子の睡眠環境を見直していきましょう。*3***ここまでさまざまな専門家の意見を紹介してきましたが、「自分たち家族には当てはまらないな」という言説もあれば、「なるほど、そういう考え方もあるのか」と新たな発見もあったかと思います。いずれにせよ、子どもも親も毎晩心地よい眠りにつくために、各家庭によってさまざまな工夫をしているはず。「こうでなければならない」という思い込みは捨てて、お子さんのタイプをしっかり見極めたうえで、最善策を見つけていきたいですね。文/野口燈(参考)(*1)参考・カギカッコ内引用元:プレジデントウーマン|最新の研究が明かす「子どもは何歳から一人で寝るのがいいのか」(*2)参考・カギカッコ内引用元:ウチコト|【教育研究家に聞く】赤ちゃんの「添い寝と一人寝」、メリット・デメリットは?(*3)参考・カギカッコ内引用元:nishikawa|添い寝?それとも親子別室?ぐっすり眠れる就寝フォーメーション(*4)参考・カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|いつまで川の字で寝る?【前編】幼少期の寝かたが心の育ちに影響する(*5)参考・カギカッコ内引用元:応用教育心理学研究第30巻第2号|添い寝が子どもの愛着および自尊感情へ及ぼす影響
2024年10月25日「宿題しなさい!」「さっさと終わらせなさい!」そんな声かけが効果がないどころか、逆効果になっているかもしれません。子どもが自分から宿題に取り組まない状況に、イライラを感じている親御さんは多いのではないでしょうか。本記事では、ついつい言ってしまいがちな言葉や、知らず知らずやってしまっている行動の中から、特に避けるべき4つのNGポイントをご紹介します。専門家の見解と著者の実体験をもとに、なぜその行動が逆効果なのか、どう改善すればよいのかまで、具体的に解説していきます。子どもが宿題をやらないのは仕方ない!?あとで苦労するとわかっているのに、なぜ宿題をさっさと終わらせないのか?親からすれば不思議ですが、子どもにとって自分から宿題に取り組むのは難しいこと。ベネッセ教育総合研究所主席研究員の木村治生氏も、「宿題に進んで取り組まない子どもがいるのは、ある意味当たり前」だとして、その理由を次のように挙げています。*1なぜやらなければいけないのかわからない「やったほうが次の授業が理解しやすい」など先の予測をするのが難しく、宿題をする必然性を感じにくい つまり、子どもにとって宿題は必要性を感じられないものなのです。だから、自分のやりたいことを我慢してまでやらなくてはならない意味がわからない。「なんで宿題やらなきゃいけないの?」という嘆きは、子どもの本心から出ている言葉です。それゆえ、子どもが「宿題は自分からできて当然」と思わず、「宿題を自分からやりたがらないのはある程度しかたない」という認識をもつことを木村氏は推奨しています。*1宿題をしない子どもへの「NG行為」4つ次に、そもそも「宿題をやる意味がわからない」と思っている子どもが、ますます宿題から遠ざかる親のNG行為をシーンごとに紹介します。NG行為1:「宿題しなさい!」と口うるさく言う「宿題、ちゃんとやったの?」「動画ばっかり見てないで、宿題しなさい!」など、子どもの姿が視界に入るたび、こんな声をかけていませんか?子どもからすれば、「あと5分休んだら宿題しよう」と計画していたのに、その直前に「宿題しろ」と言われてしまい「親に命じられたからやる」状態に。これでは、やる気を出せと言うほうが無理というものでしょう。『子どもの頭のよさを引き出す親の言い換え辞典』(青春出版社, 2023)の著者で教育家の小川大介氏は、親が口うるさいことで子どもが被ってしまうデメリットを、次のように指摘しています。*2「ちゃんとやったの?」「○○しなさい!」という命令口調は子どものやる気を奪うだけでなく、親からの指示がないと動けない子にしてしまう心配もありますすなわち、子どもは余計なストレスを回避するため「親の考えと違うことをすれば、いちいちうるさく言われるだけ。指示されたことだけやっとけばいいや」となってしまう。いわゆる「指示待ち人間」のできあがりです。子どもが主体性に欠けた人間にならないよう、子どもが自主的に動く隙を与えないほど口を出し続けていないか、一度振り返ってみませんか?NG行為2:子どもと誰かを比較する「みんなやってるんだから」「ちゃんと宿題やらないと、○○ちゃんに抜かされちゃうよ」――これらも、つい言ってしまいがちなセリフではないでしょうか。親に悪気はないのですが、言われた子どもは「みんな」「○○ちゃん」よりも自分が低く見られていると感じ、劣等感をもってしまいます。誰かと比較する言葉は、子どもの自尊心を傷つけ、やる気を削いでしまうのです。教育評論家の親野智可等氏は、「否定的な言葉で比較するのは、絶対NG」であり、「自己肯定感が下がると、比較された相手を恨むようになったりする」と話します。子どもを励まそうとかけた言葉で子どもが自信を喪失したうえ、ほかの子を恨んで嫌がらせでもするようになったら最悪です。*3宿題を自らやるような理想的な子と、わが子とのギャップに不安や焦りを感じたときは要注意。「誰かと比べる言葉は、大切なわが子を傷つけるだけだ」と心に刻み、ポロリと言ってしまわないように気をつけましょう。NG行為3:親のイライラを子どもにぶつける親も感情をもった人間です。ストレスまみれで心身ともにくたびれ切っていることだってあるでしょう。だからといって、そのイライラを子どもにぶつけるのはNGです。もう夜なのに、とっくに片づいているはずの宿題が終わっていない。親は疲れすぎて心の余裕が1ミリもない――。そんなときなどは「宿題が終わってないのになぜのんびりしているの!?」と、心配と苛立ちと怒りの感情が噴き出し、子どもに対して感情的に怒鳴ってしまうこともあるでしょう。そして言い返してくる子どもとの泥沼のバトルで、時間だけがムダに過ぎていく……。前出の小川氏は、「イライラの感情をぶつけてしまえば親子バトルに発展する」のは目に見えているため、「強く言いたい気持ちをいったん横に置いて、子どもの気持ちに寄り添うことが解決の近道」だと語ります。*2親だって自分の心のコントロールは難しいもの。ですが、自分のイライラとは無関係なわが子を自分の負の感情のはけ口にしてしまうことは、なんとか避けねばなりません。NG行為4:集中しにくい環境を親がつくっている子どもが集中しにくい環境をつくっていないか、気を配る必要もあります。たとえば、子どもがリビングで勉強しているときに、親がテレビを見ているといったことはありませんか?前出の親野氏も、テレビのせいで宿題がはかどらないという話は本当によく聞くとし、「子どもに自制を要求する以上は親も同程度の自制を約束する」ことが必要だと述べています。*4もうひとつ注意したいのは、子どもが勉強に集中しているときに話しかける行為です。心当たりがある方も多いのではないでしょうか?『3万人を教えてわかった 頭のいい子は「習慣」で育つ』(ダイヤモンド社, 2018)の著者である河端真一氏も、以下のように指摘しています。*5子どもがせっかく勉強や読書に取り組んでいるところに、「ご飯できたから冷めないうちに早く食べなさい」「お風呂に入っちゃって!」などと言って水を差します。これでは集中力は途切れます。せっかくの集中力を親が乱しているなんて、残念極まりないことです。子どもの自主性を育む効果的なアプローチここからは前章で挙げた親のNG行為を改善し、子どもが自主的に宿題を進められるようになる方法を提案していきます。効果的なアプローチ1:宿題ルーティンをつくる宿題を「いつ」「どこで」するか、子ども自身に決めてもらいましょう。もし、お子さんが「どうやって決めたらいいのかわからない……」と戸惑っていたら、親が「朝・学校から帰ってすぐ・夕食前、いつがいい?」と、いくつかの選択肢を提案してみてください。宿題のルーティンを子ども自身がつくることは、子どもが自主性を発揮するトレーニングに最適。また「自分が決めたことだから」とやるべき理由も生まれ、親に命じられてやるよりもずっと宿題に取り組みやすいはずです。前出の木村氏も、宿題をする時間・場所・方法などを決めることは、子どもの自発性につながり、また「自分が決めたことは、守らなければならないという心理」が働くと語っています。*1下記は筆者が小学生時代の子どもと実践した例ですが、効果てきめんでした。宿題ルーティンをつくったら紙に書き出して、子ども用デスクや冷蔵庫、カレンダーなど、よく見える場所に貼り付けておくのがオススメです。☆ 通常授業の日16:00~17:00学校の宿題(音読・その他)17:00~17:15休憩17:15~18:00習い事の宿題☆ 長期休み中8:15~ 9:00夏休み(冬休み)のドリル17:00~ 18:00自由研究・習い事の宿題20:00~ 20:30漢字ドリル(1ページ)自分から勉強計画を立ててみせれば「うるさい親の口を封じることができる!」と学んだのか、子どもはいまでも勉強のルーティンを自分で決めて紙に書き出す習慣を続けています。いちいち考えなくても宿題をどう進めるかひと目でわかるので、子どもも動きやすいですし、親も子どもの行動が予測できるので安心して構えていられるようになりますよ。効果的なアプローチ2:努力を具体的にほめる子どもがいま取り組んでいることに意識を向けてみましょう。そして、次のように子どもなりの工夫や努力を認める声かけをしてあげてください。言葉選びでおさえるべきポイントは、次のとおり。頑張っているな、向上しているなと思った点を具体的な言葉で表現する→「計算のスピードが前よりもアップしているね!」(計算ミスはまだまだ多いけれど……)できないことではなく、できたことを取り上げる→「最近、文字をていねいに書けるようになったね!」(きれいな文字とは言えないけれど……)結果ではなくプロセスを重視する→「漢字を繰り返し書いて覚える作業は、手が疲れて大変だよね。よく頑張ってる!」(漢字はなかなか覚えられないけれど……) 心のこもった説得力のある親の言葉なら子どもの耳にスッと入り、励みになるのではないでしょうか。木村氏は、「取り組みを正当に評価してあげること」で、子どもの頑張りが変わってくると述べています。*1また、自分の子どもだけに注意を向けていると、不思議なことにすばらしいところがフワッと見えてきます。そんなポジティブな面をどんどん発掘して、ぜひお子さんに教えてあげてください。親の言葉パワーは子どもに絶大な影響及ぼすもの。「自分は親に認められている」と確信できた子は、見違えるようにキラキラ輝き出すはずです。効果的なアプローチ3:親自身の怒りを静める「つい感情的に叱ってしまうため、子どもとバトルになり宿題どころではなくなる」とお悩みの方は、まず自分の怒りに対処してみませんか?イライラした状態でいることが、感情的な言葉を放ってしまう諸悪の根源だからです。幸福学の第一人者で慶応義塾大学教授の前野隆司氏の提案する「怒りをコントロールする方法」を試してみてください。【イライラを認める】「子育てにはイライラすることもあって当然なのですから、自分を責めるのではなく、『イライラしたなあ』と、イライラした自分をただ認めることが大切です」と前野氏。さらに、「イライラは完全に悪いものだと言い切れるものではない」とし、親のイライラが子どもに伝わることで、ある程度の教育効果が期待できると指摘しています。【6秒ルールを実践する】イライラしたら、6秒間深呼吸をして、イライラを子どもにぶつけたくなるのをぐっと我慢しましょう。これは、アンガーマネジメントの研究成果に基づく方法です。怒りは6秒間我慢すれば消えるという研究結果が示されています。筆者が実際にやってみたところ、怒りが完全に消えるわけではありませんが、最高にイライラした状態からは解放されました。【自分を客観視する】「イライラしている自分を俯瞰するイメージで客観視してみてください」という助言のとおり、この視点をもつことで冷静な対処が可能になります。こちらも試してみましたが、確実に効果がありました。ふと「そういえば、自分も宿題のことでしょっちゅう親に怒られて嫌だったな……」と過去の自分を思い出し、怒りの感情がスーッと消え去ったのです。この3つを続けることで、イライラに対して適切に対応できるため、「幸せ体質な親」に近づきます。「サポートできることがあれば言ってね」と優しく声掛けしてあげれば、お子さんも素直に「宿題、やらなきゃ」と思えるのではないでしょうか。効果的なアプローチ4:勉強に集中するためのルールを決める「子どもが宿題をやらないのは、勉強に集中できる環境が整っていないせいかもしれない」と思った方は、ルールづくりを徹底してみてください。たとえば、テレビが気になって子どもが勉強に集中できない場合は、親子でテレビに関する下記のようなルールを考えてみましょう。見たい番組は録画する宿題が終わってから見る1日1時間まで使っていないときはテレビに布などをかけておくルールが守れたらカレンダーに自分のサインを書く ルールづくりを成功させるための大事なポイントは、次のとおり。親が一方的につくったルールを子どもに押し付けないこと親も同じルールを守ること実行可能な内容にすること 親野氏は、親子で十分話し合って「お互いが納得できるルールをつくる」こと、そして「子どもに自制を要求する以上は親も同程度の自制を約束することも必要」だと述べています。*4また、子どもの都合を無視して話しかけてしまうクセがある親御さんにオススメしたいのは、声をかける前にお子さんの様子を一度確認すること。もし勉強に集中しているようであれば、あとで子どもが休憩しているタイミングで声をかけましょう。まずは、子どもの集中力を乱す悪習慣を親自ら断ち切ることが大事です。「でも、思いついたらすぐ言わないと忘れてしまう……」と心配なら、子どもに伝えたいことをフセンに書いて冷蔵庫など目につく場所に貼っておきましょう。***「子どもが宿題をやらない……」とお困りなら、本記事でご紹介した避けるべきNG行動をしていないかチェックしてみてください。NG行動を改善できれば、お子さんは自分から宿題をやりやすくなり、親子関係のストレスも激減するはずです。文/上川万葉(参考)(*1)参考・引用・カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|宿題をやらないのはどうして?子どもの心理を理解して上手に対応する方法【体験談あり】(*2)参考・カギカッコ内引用元:プレジデントオンライン|「宿題はやったの?」は絶対にNG…本当は頭がいい子をみるみるダメにしてしまうNGフレーズ(*3)参考・引用・カギカッコ内引用元:めざましmedia|「他者と比較するのは絶対NG」新学期、宿題になかなかとりかからない子供にかける“魔法の言葉”とは?(*4)参考・カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|テレビのせいで宿題がはかどりません[教えて!親野先生](*5)参考・引用・カギカッコ内引用元:ダイヤモンド・オンライン|母親のそのひと言が、子どもの集中力を奪っている!(*6)参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|子育てでイライラした時どうすれば?幸福学の権威が教える「幸せ体質な親」の目指し方
2024年10月24日あなたのお子さんは、新しいことに挑戦するのを躊躇していませんか?多くの子どもたちが、慣れ親しんだ環境や日常の中で安心感を得ています。しかし、この「居心地の良さ」が、時として子どもの成長を妨げる壁となることがあるのです。専門家によると、子どもの潜在能力を引き出すには、この安心できる領域(コンフォートゾーン)から一歩踏み出すことが重要だといいます。では、親として私たちに何ができるでしょうか?この記事では、子どもの可能性を広げるために、コンフォートゾーンから抜け出すサポート方法を、勉強、スポーツ、人間関係の3つの観点から紹介します。あなたのお子さんの隠れた才能を開花させるヒントが、きっと見つかるはずです。「コンフォートゾーン」とは?私たちの日常生活には、快適で安心できる領域があります。みなさんのなかにも、長年勤めている職場や行きつけの飲食店、学生時代からの友人たちとの集まりなど、居心地がよい場所や人間関係を大切にしている人も多いのではないでしょうか。これを「コンフォートゾーン」と呼びます。コンフォートゾーンの外をぐるりと取り囲むのが、「ラーニングゾーン」と呼ばれるチャレンジ領域です。行ったことがないお店に行ったり、初めて会う人と話したりと、適度に負荷がかかる領域を意味します。不安やストレスを感じやすい人にとっては、その刺激を苦手だと感じます。さらにラーニングゾーンの外側に広がるのは「パニックゾーン」です。この領域では、自分の能力をはるかに超える水準を求められるため、肉体的にも精神的にも必要以上の負荷がかかって追い込まれることがあります。知り合いもいない、言葉も通じない外国で一人ぼっちになるイメージです。安心できる要素がなく、これまで積み上げてきた自信や実績が一切役に立たない状況では、どんな人でも過度なストレスやプレッシャーを感じてしまうでしょう。それが「パニックゾーン」です。*1続いて、子どもたちが「コンフォートゾーン」から「ラーニングゾーン」へ一歩踏み出すことの重要性について、詳しく解説していきます。コンフォートゾーンにいるだけでは成長できない!?子どもたちにとっても、慣れ親しんだ環境や状況、つまりコンフォートゾーンは心地よく、安全だと感じます。しかし、この「ぬるま湯状態」に長くいることは、子どもたちの成長を阻む恐れもあるのです。目標実現のスペシャリストであるメンタルコーチの大平信孝氏は「不安はないが成長や進歩もないコンフォートゾーンに比べて、適度な不安状態であるラーニングゾーンは学びや成長が得やすい」と述べています。適度に不安を感じている状態は、心のどこかで「今のままではよくない」と思っている証拠。いい意味での緊張感とパニックには陥らない冷静さ、そして前向きな意識があるラーニングゾーンは、学びや成長を得やすい領域なのです。*2(画像は編集部で作成:*2)たとえば勉強面において、教育評論家の石田勝紀氏は、5段階評価の通知表が「オール3」などの平均レベルにいる子について、「居心地のよさから危機感がなく上昇志向も生まれにくい」と指摘しています。逆に、「オール4」や「オール5」のレベルにいる子は、「勉強して上のゾーンを目指す傾向がある」のだと言います。ラーニングゾーンにいる子は、やはり成長しようとする意欲が強い傾向があります。*3スポーツでも同様に、「もうちょっと練習すればレギュラーになれそうだけど、いまのままでも楽しいし、激しい練習をして疲れるのも嫌だな……」と言い訳ばかりしていると、いつまでたっても技術やテクニックが上達することはないでしょう。成長には新しい挑戦が不可欠であり、コンフォートゾーンに留まり続けると、せっかくもっている潜在能力を十分に引き出せない可能性があるのです。人間関係においても、コンフォートゾーンの居心地のよさに甘んじてしまうことで、新しい出会いから世界が広がるチャンスを逃してしまうことも。そのままの自分を受け入れてくれる仲間の存在は大切ですが、ときには違う価値観の友人と話して刺激を受けることも、成長する過程で必要です。新しい経験や挑戦は、不安や恐れをともなうこともありますが、それを乗り越えることで子どもは大きく成長します。保護者の役割は、子どもが安全にコンフォートゾーンを出る機会を提供し、サポートすること。ただし、急激な変化は逆効果になる可能性があるため、段階的にアプローチしていきましょう。次項では、「勉強面」「スポーツ面」「人間関係」の3つのジャンル別に、コンフォートゾーンから抜け出す方法を解説していきます。コンフォートゾーンから抜け出す方法:勉強編「いつも平均点くらいだし、いまのままでも問題ないんじゃない?」と、子どもだけでなく親も心のどこかで思っているのなら、コンフォートゾーンから抜け出すことは難しいでしょう。本当はもっと上を目指せるのに、現状に甘んじているなんてもったいないと思いませんか?ここでは、学習面におけるラーニングゾーンへ進むためにできることをご紹介します。■通知表“オール4” や “オール5” の世界をイメージさせる!前出の石田氏によると、レベルの違う世界を知ることで「子どもの行動は見違えるように変わることもある」のだそう。たとえば、「通知表がオール4のゾーンに入ったらどんな世界になると思う?今より少しは気分よくない?さらに言うと、点の取り方がわかってくるからオール3のゾーンよりも勉強が楽になっていくよ。成績が上がれば嬉しいし、学校生活も楽しくなるかもね」など、いまより上のレベルの世界を具体的にイメージさせるとよいでしょう。*3■「ちょっと難しいけど達成可能」な目標を設定する一般社団法人日本手帳マネージメント協会代表理事の高田晃氏は、コンフォートゾーンから出るために大事なのは、「ちょっと難しいかもしれないが、本気で挑戦すれば達成できるかもしれない、というレベルの目標」を設定することだと言います。たとえば、算数の問題集の少し先のページの問題を解いてみるなど、現在の学習レベルよりも少し難しい問題に挑戦させましょう。これにより、子どもは適度な刺激を受けながら、自信をつけていくことができます。*4コンフォートゾーンから抜け出す方法:スポーツ編スポーツの世界において、「楽しいから」「慣れているから」だけの理由で現状に満足していては成長はありません。自分から上を目指して行動してもらうためには、親としてどのような後押しをすればいいのでしょうか。■小さな成功体験を積み上げる「スポーツひろば」代表の西薗一也氏は、足の速い子と遅い子を比べて、「成功体験の差がトレーニングの負荷の違いとなって、足の速さの差をさらに広げる」と指摘しています。つまり、「一番になって気持がよかった」という成功体験をまた味わいたいがために、全力で走るようになるのです。たしかに、成功体験がないと「自分なんてこんなものだろう」と力を抜くのは容易に想像できます。「昨日よりも速く走れたね」「前よりも高く飛べるようになったね」など、過去の本人と比較しながら成功体験を積み上げてあげましょう。きっとコンフォートゾーンを抜け出せるはずです。*5■目標設定と自己評価をおこなう国際コーチング連盟認定アソシエイトコーチである刈谷洋介氏は、「コンフォートゾーンを抜け出すのに重要なのは明確な目標設定」だと述べています。目標は短期的なものと長期的なものをバランスよく設定しましょう。5本シュートを決める、10回以上ボールを奪う、など数字を入れるとより具体的ですね。また、定期的に振り返って自己評価をおこなうことで、モチベーションにも左右されにくくなります。*6コンフォートゾーンから抜け出す方法:人間関係編最後に、人間関係のコンフォートゾーンを抜け出すためにできることを解説していきます。新しい人々と出会いや異なる価値観に触れることで、子どもの視野は広がり、社会性が育まれます。■積極的な異文化体験を前出の刈谷氏が勧めるのは、異文化交流です。外国人コミュニティのイベントに参加したり、海外の子どもたちとオンラインで交流したりすることで、多様性への理解を深めることができるでしょう。それにより、新たな視点や経験を得ることができて「知らないもの・こと」への抵抗感がぐんと下がります。するといつのまにか、コンフォートゾーンから抜け出してラーニングゾーンへ突入していることでしょう。■コミュニケーションスキルを磨くコンフォートゾーンを出るには、自分の気持ちや考えを適切に表現することも大切です。アルバ・エデュ代表の竹内明日香氏は、これからの時代はさまざまな場面で「自分のメッセージを相手に効果的に伝える力=プレゼン力」が求められる、と指摘します。そのためには、ロールプレイングゲームを通じてあらゆる状況でのコミュニケーションを練習したり、さまざまな本や映画などを通じて相手の気持ちを理解し、共感する能力を鍛えるのがおすすめ。うまくコミュニケーションが取れるようになると自信につながり、より幅広い人間関係を築きたくなります。*7***居心地のよいコンフォートゾーンから抜け出すことは、ときに不安や恐れをともないます。しかし、自分の力でそれを乗り越えた先には、目を見張るような成長が待っているでしょう。親としては、子どもの挑戦を応援し、サポートする体制を整えるのが唯一できることなのかもしれません。文/野口燈(参考)(*1)参考・カギカッコ内引用元:ダイヤモンドオンライン|コンフォートゾーンから抜け出して、人も組織も成長しよう(*2)参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|最も成長できるのは適度に〇〇を感じるとき。学びを得やすい「ラーニングゾーン」への入り方(*3)参考・カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|何事も平均「オール3の人」が変わるための超発想(*4)参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|確実に達成できて成長につながる「目標設定」のコツ。“〇〇ごとに書き出すのが効果的(*5)参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|運動神経は成功体験で伸びる!運動が「得意な子」と「苦手な子」の違い(*6)参考・カギカッコ内引用元:COACHING-L|変化を恐れずに進む:コンフォートゾーンからの脱却ガイド(*7)参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|世界で通用する「話すちから」を鍛えよう!『アルバ・エデュ』竹内明日香さんインタビュー【第1回】
2024年10月08日(この記事はAmazonアフィリエイトを含みます)「子どもと美術鑑賞なんて難しそう……」そう思っていませんか?アートは子どもの想像力を育む宝庫。利用しない手はありません。有名な絵画には、子どもたちを虜にするおもしろいストーリーや秘密が隠されているのです。この記事を読めば、アート鑑賞がもっと楽しくなること間違いなし。さあ、親子一緒にアートの世界を覗いてみましょう。アート鑑賞のメリットがありすぎる!アート鑑賞は子どもにどんな影響を与えてくれるのでしょうか。まずは、アート鑑賞のメリットを考えてみます。【メリット1】子どもの想像力と創造性を向上させるアート鑑賞には正解がありません。受け取り方は人それぞれ。だからこそ、子どもたちは自由に想像をふくらませることができます。アートに触れることで、五感は磨かれ、創造性が高まるのです。作品にインスパイアされて粘土遊びをしたり、絵を描いたりする表現活動も、創造力を豊かにしてくれます。くわえて、「観察力」「思考力」「コミュニケーション力」など総合的な人間力を発達させる効果があるとされ、「対話型鑑賞(Visual Thinking Strategies)」など、新しい教育法としてアート鑑賞の活用は着実に進んでいます。*1【メリット2】文化や歴史への理解を深める機会になるアートには、必然的に時代背景や地理的情報が反映されます。たとえば、描かれる服装や建物、風景にその国や時代のヒントが潜んでいます。子どもたちは、興味をそそられれば、そのアートを糸口として知識を深めていくことが可能です。また、多様な作品からグローバル感覚を体験できるのも、大きな魅力のひとつ。歴史の知識や文化の多様性など、アート鑑賞は子どもたちの学びに新鮮な刺激を与えてくれます。*2【メリット3】親子間コミュニケーションの促進になるアート鑑賞を通してコミュニケーション能力を身につけることもできます。アメリカで注目されている「対話型鑑賞(Visual Thinking Strategies)」はその効果を利用した教育法です。繊細な子どもの心を理解するには、親子の会話がとても大切なのは言うまでもありません。そこで、日常会話のトピックにアートを活用してみるという方法です。家族で美術館に行ったり、絵本を読んだりするとき、「これは何に見える?」などと子どもに問いかけてみましょう。感想を伝え合うことで、子どもは「人それぞれ違う見方がある」と気づくことができ、コミュニケーション力とともに、共感力や表現力も育まれていくのです。*1リアル美術館だけじゃない!アート鑑賞の方法アート鑑賞が子どもの成長によいとわかっても、「美術館に行くのはやっぱり敷居が高い……」と感じる人は多いかもしれません。ましてや子ども一緒となると、なおさらでしょう。でも大丈夫。アート鑑賞には、美術館に行く以外にも方法があります。家庭で簡単にできる方法もご紹介しましょう。【アート鑑賞の方法1】美術館に行くアート鑑賞の王道は、やはり美術館に行くこと。「本物」がもつオーラに叶うものはありません。たくさんの「本物」に触れることで、子どもたちは未知のものに出会い、感性を刺激されます。さらに、アートにはいろいろな表現方法があることを知ります。自分がいる世界は想像以上に広いのだと気づけるでしょう。*3☆おすすめ美術館をチェック☆■『アートと子どもの距離が近い!生まれ変わった「東京都現代美術館」で遊ぼう』■『感性を解放しに行こう!横浜美術館「子どものアトリエ」で “みる・つくる・まなぶ” 体験を。』■『“呼吸する” 長崎県美術館は、公園遊びの延長で子どもがアートと出会う場所』【アート鑑賞の方法2】アート作品を本で楽しむ「近くに美術館がない」「忙しくて行く時間がない」―そんなときでも、家庭でアート鑑賞するという方法があります。家庭で名画を鑑賞するメリットは、好きな絵を好きなだけ眺められ、気になる部分を何度でもじっくり観察できることです。いろいろなスタイルの作品を一度に見比べられるため、自分の好みを発見しやすくなるでしょう。そして何より、周囲を気にせず自由なペースで鑑賞できるのが大きな魅力。家庭での名画鑑賞は美術館に負けないくらい、豊かで充実した体験を子どもたちにもたらしてくれます。まずいろいろなアート作品を本で観てみましょう。そのなかに子どもの興味をひくものがあれば、「本物」を観に美術館に行くきっかけにもなるはず。最近は、子ども向けのアート本も充実していて、名画をわかりやすく解説する良著もありますので、ぜひ手に取ってみてください。次項では、おすすめのアート本を詳しくご紹介します。名画を家で鑑賞!『意味がわかるとおもしろい!世界のスゴイ絵画』『意味がわかるとおもしろい!世界のスゴイ絵画』は、75点の世界と日本の名画を一度に鑑賞できる充実の一冊です。その魅力は、なんといっても、簡潔でありながら卓越した作品解説にあります。作品の注目点、作者の人物像、時代背景などについてのユーモアを交えたわかりやすい解説は秀逸。子どもにもわかりやすくアート史を俯瞰できる年表や、画家たちの「妄想対談」など、裏話的にアートのおもしろさを伝える工夫も満載です。実物の迫力を伝えるためにこだわったという高品質な図版や印刷のおかげで、絵の隅々、細かいところまでしっかりと観ることができるのもポイント。「本物」以上の鑑賞を可能にしているかもしれません。この本は、子どもたちが名画の魅力を深く理解し、アートの世界を楽しむためのすぐれたガイドとなるでしょう。『意味がわかるとおもしろい!世界のスゴイ絵画』(Gakken)これだけスゴイ本、中身が気になりますよね。少しだけお見せしましょう!P.14-15猫の形をよく見ると……歌川国芳《猫の当て字(かつを)》猫が好きすぎて猫の仏壇までつくった江戸時代の浮世絵師・歌川国芳が、 猫を組み合わせて「かつを」という文字を描いたシュールな作品です。P.32-33 フクザツな三角関係!? フラゴナール《ぶらんこ》映画『アナと雪の女王』にも出てくる、ぶらんこで遊ぶ男女を描いた名画で、 ロマンチックな情景に見えるのですが、じつはドロドロの男女関係がモチーフとなっています。P.38-39 よーく見ると全員同じ顔!?クノップフ《記憶》ベルギーの画家クノップフが7人の女性を描いた絵なのですが、女性は全員同じ顔。そのモデルは画家の妹マルグリット。 クノップフは妹への愛が強いあまり、妹ばかりをモデルにしていたという、ちょっとこわい?作品です。P.80-81 恐怖!自分にしか聞こえない!?ムンク《叫び》ムンク本人が叫んでいるように見えるこの絵ですが、 ムンクの後ろを歩く2人組は突然の叫び声に驚いた様子はありません。 ムンクは叫んでいるのではなく、幻聴に耳をふさいでいたのだと言われています。P.82-83 モフモフの子犬が推せる……!円山応挙《仔犬図》わんこ大好きの江戸時代の画家・円山応挙が、子犬を観察して描いた名作。 思わず触りたくなるようなかわいさがあります。P.154 モデルに受け取りを拒否された!ローランサン《マドモアゼル・シャネルの肖像》フランスの女性画家ローランサンが、あのココ・シャネルに依頼されて描いた肖像画。 シャネルに「なんか違う」と受け取りを拒否され、ローランサンがブチ切れたと言われています。著者・佐藤晃子さんからのメッセージダ・ヴィンチの《モナ・リザ》、ムンクの《叫び》、葛飾北斎の《冨嶽三十六景》――世界の名画が教養として注目される昨今、「なんだか難しそう」「見方がわからない」と感じる人もいるでしょう。先入観をもたず、感じるままに鑑賞することこそアートの本質といわれますが、一方で、ある程度の知識がないと、どう感じてよいのかわからない、という人もいるのではないでしょうか。そこでこの本では、教養として知っておきたい75の名画を厳選し、それぞれの作品や画家に関する知識を紹介しています。「ダリの時計はどうしてぐにゃりと曲がっているの?」「見返り美人図はなんで顔がよく見えないの?」このような作品に隠された謎から、「妹が好きすぎて妹ばかり描いた」「モデルに肖像画の受け取りを拒否された」などの個性豊かな画家のエピソードまで、名画を楽しむヒントが盛りだくさん。また、ほとんどの作品の図版を、見開きをまたいで大きく掲載しているので、実物さながらの迫力を味わうことや、細部をじっくり観察することができます。芸術の秋に、ぜひ親子で名画鑑賞へ出かけてみませんか?鑑賞のおともに、この1冊を役立てていただけましたら幸いです。***芸術の秋、アート本を手に取って、気が向いたら美術館に足を運んで、気軽に親子でアートの世界に一歩踏み出してみましょう。(参考)(*1)参考:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|人間の知の基本フレームは、小学生のときに形成される!?新たな美術鑑賞法「対話型鑑賞」が育む7つの力(*2)参考:佐藤晃子(2023),『意味がわかるとおもしろい!世界のスゴイ絵画』, Gakken.(*3)参考・カッコ内引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|子どもの表現力には限界がある。だからこそ「本物」のアートに触れてほしい
2024年10月07日(この記事はAmazonアフィリエイトを含みます)相手を幸せな気持ちにする「ふわふわ言葉」と相手を傷つける「ちくちく言葉」。小学校低学年の道徳などで学ぶ機会もあるため、お子さんから聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。言葉選びは円滑なコミュニケーションに欠かせない重要なものなので、小さいうちからしっかりと身につけさせたいですよね。そこで今回は、「ふわふわ言葉」のメリットをはじめ、「ちくちく言葉」を「ふわふわ言葉」に変換するテクニックなどをご紹介します!「ちくちく言葉」は、相手だけでなく自分自身も傷つける「ちくちく言葉」とは、言われると嫌な気持ちになる言葉のことを意味します。相手の心をちくちく刺すような悲しい気分にさせる言葉、と言えば小さなお子さんにも伝わるでしょう。「うるさい!」「邪魔しないで!」「早くして!」など、心に余裕がないときについ口をついてしまって、あとから後悔するような言葉は、代表的なちくちく言葉だと言えますね。また、ちくちく言葉は他者に対してだけでなく、自分に向けて放たれることもあります。人材育成やコミュニケーション力向上研修の講師を務める葛西久仁子氏によると、「自分自身の言動や考えを否定するような言葉も『ちくちく言葉』の仲間」なのだそう。「どうせ私なんて」「やっぱり失敗した」「いつもうまくいかない」など、自分を否定して傷つける言葉もまた、立派なちくちく言葉なのです。*1ちくちく言葉を使うことのデメリットは想像に難くありません。相手を傷つけるので友だちとの関係が悪くなるのは明白ですが、言ってしまった自分自身もまた、無意識のうちに傷ついています。「ちくちく言葉といった凶器のような言葉が飛び交う環境に身を置くと、緊張状態が続くようになる」と公認心理師の大美賀直子氏が述べるように、気持ちが落ち込んだりふさぎこんだりと、心身ともに不健全な状態に陥ってしまう恐れもあるでしょう。*2さらに学年が上がっていくと、乱暴な言葉遣いが増えてくることもよくあります。「ウザい」「キモい」「バカ」といった言葉は、大人にとっては絶対に使ってほしくないものの、子どもたちの間では案外カジュアルに使われていることも。子どもにきつく注意すると反発されて逆効果になる恐れもあるので、次項で紹介する「ふわふわ言葉」を意識させるように導いてあげるのがおすすめです。相手も自分も前向きな気持ちになる「ふわふわ言葉」の威力がすごい!「ふわふわ言葉」とは、言われた相手の心が元気になったり、楽しくなったりする言葉のこと。「すてきだね」「上手だね」など、言われて嬉しいほめ言葉はもちろん、「ありがとう」「大好きだよ」といった日常的に使うお礼の言葉や素直な気持ちを伝える言葉も、ふわふわ言葉の一種です。ちくちく言葉との大きな違いについて、前出の大美賀氏は以下のように説明しています。「ふわふわ言葉」“相手の気持ち”を重視していて、よく吟味された言葉自然に使える人はコミュニケーション上手「ちくちく言葉」不快な感情をただ吐露している言葉よく使う人は、苛立ちや衝動的な感情の処理をうまくできていないふわふわ言葉をよく使う人は、自分の感情をぐっとこらえてポジティブな雰囲気をつくるのが上手です。人間関係が円滑になれば、ストレスが減るので気持ちが安定したり、まわりからのサポートを得やすくなったりと、メリットだらけであることは明白ですね。*22010年に実施された小学2年生を対象にした研究では、友だちからふわふわ言葉をかけられることにより、「ただ嬉しいだけでなく、前向きな意欲が高まって自信にもつながっていった」ことが実証されました。また、ふわふわ言葉を意識して使うことで、「外見的な良さよりも内面的な良さに目を向けられるようになった」など、表面的ではない深い部分での相互理解が進むこともわかっています。*3相手をほめていい気分にさせるだけでなく、「大丈夫だよ」「手伝うよ」と安心させたり、「きっとできるよ!」「よく思いついたね!」と励ましたりするのもふわふわ言葉です。たとえ無意識でも、ふわふわ言葉は子どもの心に雪のように積もり、それが自信や自己肯定感につながっていきます。だからこそ、「ちくちく言葉」は極力使わずに、できるだけ多くの「ふわふわ言葉」をかけてあげたいものです。ちくちく言葉をふわふわ言葉に変換しよう!会話はよくキャッチボールに例えられます。大美賀氏は、会話を構成する「言葉」をボールに例えて、次のように説明しています。「ふわふわ言葉」のようなやさしいボールが投げられたら、受け手は安心してキャッチできます。そして同じようにキャッチしやすいボールを投げ返そうとするでしょう。つまり、「ふわふわ言葉」のキャッチボールが多い環境なら、会話が弾んでコミュニケーションも上達します。反対に、「ちくちく言葉」は危険なボールを不意に投げつけられるようなもの。受けた相手は当然傷つき、いら立ちが掻き立てられると、「ちくちく言葉」の応酬になってしまうこともあるでしょう。不快な感情は誰にでも生まれますが、そんなときこそ冷静さを失わずに、「ふわふわ言葉」を出せるようになりたいですよね。*2前出の葛西氏は「ちくちく言葉の多くはふわふわ言葉に置き換えることができる」と話します。以下、具体例を挙げながら解説していきましょう。*1■子どもが発する「ちくちく言葉」を「ふわふわ言葉」に変換!子どもは素直だからこそ、ストレートな表現で相手を傷つけてしまうことも。そんなときは、「そういう言い方は相手が悲しい気持ちになるよ。こんなふうに言い方を変えてみよう」と、アドバイスしてあげましょう。明治大学文学部教授・齋藤孝氏の著書で紹介されている言い換えを紹介するので、参考にしてくださいね。友だちが描いた絵を見て……×ちくちく言葉:「変なの!」「下手くそ!」↓◯ふわふわ言葉:「おもしろいね!」ご飯が思っていた味と違う……×ちくちく言葉:「おいしくない!」「まずい!」「嫌い!」↓◯ふわふわ言葉:「少し苦手な味かも」上記のように、正直な気持ちをそのまま口に出すのではなく、「相手がどう思うかな?」と視点を変えて言葉を選ぶトレーニングをしていきましょう。相手の心を傷つけずに、自分の気持ちを上手に伝えられれば、よりよい人間関係を築くことができます。言葉は思考にもつながっているので、相手を思いやるふわふわ言葉を発することが習慣づけば、優しい心も育まれていくでしょう。*4■親が言いがちな「ちくちく言葉」を「ふわふわ言葉」に変換!子育てをしていると、わが子を叱ったり責めたりするつもりはなくても、つい言い方がきつくなってしまうときもありますよね。「言い方を間違えたかな……」と後悔することが多いなら、家庭内でも「ふわふわ言葉」を意識してみませんか?×ちくちく言葉:「お友だちの〇〇ちゃんは勉強もできて運動もできてすごいね。あなたも頑張らないとね」↓◯ふわふわ言葉:「毎日学校と習い事を頑張っているね。ご飯も残さずに食べてえらいよ。お手伝いもしてくれて助かるよ、いつもありがとう!」誰かと比べて「頑張って」と言われても、「ありのままの自分を認めてくれない」と感じませんか?それよりも、子ども自身がすでに頑張っていることに目を向けてほめてあげましょう。おすすめは、企業経営者向けにプレゼンコーチングなどを行なっている岡本純子氏が提唱する「みかんほかんの法則」です。みかんほかんの法則み:「認」めるかん:共「感」するほ:「ほ」めるかん:「感」謝するこの4つを組み合わせてほめるように意識すれば、相手との信頼関係が築けますよ。たとえば、以下のような言葉が効果的です。【み】「先週できなかった二重跳びができるようになったね」というように、「いつもあなたを見ているよ」と認めていることを伝えます。【かん】【ほ】「毎日夜ご飯のあとに練習して頑張っていたよね」と共感の言葉をかけて、「何度引っかかっても諦めずにチャレンジしてすごいよ」とほめましょう。【かん】そして最後に、「二重跳びができるようになるまで頑張る、という約束を果たしてくれてありがとう」と感謝を伝えます。これにより、「お母さんはいつも自分を認めてほめてくれる」と親への信頼が強固になれば、揺るぎない自信につながり、何事も前向きに取り組めるようになるでしょう。*5【おすすめ書籍】「ちくちく言葉」→「ふわふわ言葉」「ちくちく言葉」→「ふわふわ言葉」の言い換えをもっとわかりやすく子どもに教えたいなら、齋藤孝氏の著書2冊をおすすめします。『ことばえらびえほん ふわふわとちくちく』(日本図書センター|齋藤孝・著)↑4〜7歳向け。「ことば選び」について楽しく学べる絵本です。クイズや迷路などのページもあり、楽しみながら「ふわふわ言葉」を使えるようになりますよ。『ことばいいかええほん ふわわふとちくちく』(日本図書センター|齋藤孝・著)↑5〜9歳向け。「ことばの言い換え」について楽しく学ぶための絵本です。巻末には、迷路などで楽しみながらおさらいできるページもあるので、「伝える力」を育むトレーニングにぴったり!ふわふわ言葉があふれ出すには「習慣化」が大事!「口ぐせが変わると、考え方や価値観に変化が生まれ、行動や結果までもが変わってくる」と葛西氏が述べるように、お子さんやご自身の自己肯定感を上げたい方や、前向きな考え方を身につけたい方は、口ぐせを「ふわふわ言葉」に変えてみるといいかもしれません。*1心理カウンセラーの中島輝氏によると、「新しい習慣を身につけるには、21日間続けると定着する」とのことなので、まずは3週間を目安にチャレンジしてみましょう。*6実際に筆者も、中学2年生の娘に対して「ふわふわ言葉」をかけるように意識してみました。反抗期もあり、娘とはぶつかり合うことが多かったのですが、私自身がイライラして「ちくちく言葉」を発していたのかも……と反省したのがきっかけです。具体的には、「もう、早く洗濯物出してよ!」「何度も言わせないで!」と言いたいところを、「洗濯物早めに出してくれたら助かるな〜」「すぐに出してくれてありがとう!」などと言い換えるようにしました。すると徐々に娘の態度も軟化してゆき、2週間目の終わりくらいになるとお互いが「ふわふわ言葉」をかけ合うようになったのです。言葉選びをちょっと変えるだけで、親子間の信頼度が高まり、よりよい関係へと発展したのを実感しました。***子どもは語彙が限られているため、時に相手を傷つける「ちくちく言葉」を使ってしまいます。しかし、これは子どもだけの問題ではありません。大人も、意図せず相手の心を傷つける言葉を口にすることがあるのですあとから「しまった!」と後悔して自己嫌悪に陥ったり、たった一言で人間関係がギクシャクしたりしないためにも、日頃から「ふわふわ言葉」を意識してみませんか?習慣化して身につけば、思考や行動も前向きに変化していきますよ。ぜひ親子で一緒に、楽しみながら「ふわふわ言葉」を身につけましょう!文/野口燈(参考)(*1)参考・カギカッコ内引用元:JIJICO|「ちくちく言葉」と反対の「ふわふわ言葉」気を付けたい言い回しや影響など(*2)参考・カギカッコ内引用元:All About 健康・医療|「ふわちく言葉」を意識すれば人間関係が変わる?(*3)参考・カギカッコ内引用元:教育実践研究第21集(2011)245-250|自尊感情を育む学級活動の工夫ーあたたかい言葉がけによる相互評価の継続を通してー(*4)参考・カギカッコ内引用元:ダ・ヴィンチWeb|“ちくちく言葉”と“ふわふわ言葉”という言葉を知っていますか?4歳から「言葉選び」の大切さを学べる絵本(*5)参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|本当に効果的な「叱り方・ほめ方」とは?経営者1,000人超の話し方を変えた伝説のコーチに聞いてみた(*6)参考・カギカッコ内引用元:新R25 Media|“1日3つ書く”習慣で思考が置き換わる。「ノート」で自己肯定感を高める3つの方法
2024年10月02日(この記事はAmazonアフィリエイトを含みます)子どもたちが本格的な学びを始めるのは小学校に入学してから。入学直後は学校生活でのルールを知ることから始まりますが、その後、少しずつ学習の時間が増えていきます。その時間にきちんと集中して取り組むことができるかどうかは、実は、使っている文房具とも大いに関連があるのです。今回は、どんな文房具を使えば子どもたちが意欲的に学習に取り組んでくれるのか、おすすめの文房具とともにご紹介します。小学生にとって文房具は敵にも味方にもなりうる学校にもっていく、鉛筆、消しゴム、筆箱、定規などの文房具。毎日使う相棒的存在のそれらは、子どもの集中力を左右するものでもあります。たとえば1年生。鉛筆1本とっても、芯が硬くノートやプリントに引っかかる、力がいる、薄くしか書けなくて読みづらい、すぐに机から転がり落ちてしまうなど。ありがちなアクシデントですが、ここで子どもは気が散ってしまうことでしょう。また、中~高学年になると、コンパスや分度器など、使う道具も増えます。自分でプリントを管理するためのバインダーやファイルなど、自己管理能力をサポートしてくれるアイテムも必要になります。その時に、使う道具をどこにしまったかわからなくなる、いざ使おうとしたら使いにくい、宿題をしようとしたらプリントがランドセルの底で押しつぶされていた……そんなことが多発すれば、せっかく高まっていた勉強への意欲がガクンと下がってしまいます。文房具選びは子どもの集中力維持のために、非常に重要なのです。親として完璧なものを揃えてあげたくなるもの。書きやすい筆記用具、中身を取り出しやすい筆箱、切りやすいはさみなど、使い心地がよくストレスがたまらない、とにかく機能性がよいものを選びたいですね。子どもが気に入った文房具であることも大きなポイント。脳科学者の瀧靖之氏は、「好きな文房具やこだわりの文房具を使うと、学習にもプラスになる」と話しています。その理由は「ポジティブな感情と学習効果の関係にある」ようです。*1「脳のしくみでいうと、感情をつかさどる扁桃体と、記憶をつかさどる海馬は近いところにあります。そのため、感情と記憶は深く関わっていて、『好き』『楽しい』といった感情を持ちながら机に向かうほうが、『嫌だ』『つらい』と思いながら勉強するよりも、学んだことを習得しやすい効果が期待できるのです」私たちが小学生の頃も、お気に入りの文房具を使うときは、勉強に対する意欲がアップしましたよね。ですから、色柄の好みや実際の使い心地などを考慮して、最終的には本人に選ばせてあげるのが、子どもの文房具の理想的な選び方です。では、学年別に、文房具の選ぶポイントを見ていきましょう。低学年(1-2年生)の必要な文房具■筆記用具【鉛筆】落ち着いて学習するためには、正しい持ち方をしやすく転がりにくい六角形のものがおすすめです。鉛筆の濃さは、筆圧が弱い子もはっきり書ける2B~6Bを選びましょう。学校による指定があることが多いので、入学資料をもらってから準備したほうが安心です。【赤鉛筆・青鉛筆】色鉛筆は絵を描くために色々な持ち方をしますので、指当たりの良い丸軸であるのが一般的です。それを踏襲してか、赤鉛筆も丸形が主流。しかし、机の上に置いたときに転がって落ちてしまう可能性を考えると、赤鉛筆も六角形のものを選ぶのがベターです。赤青鉛筆は、丸付けなどで赤が先になくなり、青ばかり残ったまま新しいものに変えることになりがちです。ちょうどよく使い切れるように、赤と青の割合が7:3になっている製品もあります。おすすめ商品|三菱鉛筆 色鉛筆 uni 学習・丸つけ用 赤青7:3えんぴつ【消しゴム】とにかく消しやすいことが必須条件です。濃い文字を軽い力で消せる消しゴムが「小学生用」として販売されています。消しゴムは、落としてなくす、ちぎってボロボロにするなど消費が早いので、いくつかストックしておくことをおすすめします。おすすめ商品|PLUS(プラス) 消しゴム エアイン もっとあんしん キッズ 小学生■ノート類【ノート】B5サイズで、マス目や行数は学校より指定されることが大半です。小学1年生の1冊目は、学校から配布される場合も。しっかり情報収集してから購入しましょう。■文具【はさみ】大人用ですとハンドルの穴が大きすぎて小さな手では切りづらいことも。長さ14cm~16cmを目安に、利き手に合わせて選んでください。「学童用」「子ども用」と書かれていれば、ほぼ間違いがありません。【のり】低学年のうちは、工作に使いやすく、広範囲に塗りやすい「液体のり」がベター。【下敷き】ノートに合わせてB5サイズで。使うときに気が散らないように、シンプルなものを選びましょう。表は書写がしやすいようにザラザラ、裏は筆算が素早く書けるようにつるつる、など1枚で2つの書き心地をもつ下敷きもあります。【定規】15cmまで測れるものを用意しましょう。まっすぐな線を引きやすいように持ち方のガイドがついているものや、長さを把握しやすいように端から0のメモリが付いているものがあります。■収納用品【連絡帳入れ】ノートや配布されるプリントよりも一回り大きいA4サイズがおすすめ。L字にファスナーが付いているとプリントの出し入れがしやすく重宝します。【筆箱】低学年のうちは、箱型のマグネット式で、落としてもこわれにくく、大きな音がしないソフトタイプのものがおすすめ。一部透明になっていて、鉛筆がなくなっていないか、削れているか、すぐに確認できるものが便利です。おすすめ商品|[Sonic] パッキングオーガナイザー うかサポ バイオレット■その他【雑巾】低学年の子の小さな手でも絞りやすく、また、乾きやすいように、薄手のタイプを選びましょう。【粘土】「油粘土」と呼ばれるものが、一般的な粘土にあたります。匂いが苦手な子には、無臭タイプもあります。【クレヨン】特に指定がなければ、16色入りを選びましょう。道具箱のなかで蓋が開いて、中身が出てしまわないように、ボタンホックやゴム付きのものを。紛失したときのために、バラ売りがあるかもチェックしておきましょう。中学年(3-4年生)の必要文房具■筆記用具【鉛筆】小学3〜4年生の子どもたちは、文字を書くことに慣れてくるため、B〜HBの鉛筆を。本人に試し書きをしてもらって、書きやすいというものを購入しましょう。■文具【コンパス】使いやすさと安全性を考えて選びましょう。鉛筆タイプで、針が短くカバーが付いており、簡単に折れない金属製のものが一番です。【分度器・三角定規】目盛りが見やすく、ずれにくい滑り止め付きが使いやすくおすすめ。分度器は、端から目盛りがついているものを選ぶと立体物の角度も測れます。おすすめ商品|先生おすすめ分度器大■収納用品【筆箱】筆記用具のほか、分度器や三角定規を入れて使用することがありますので、収納力の高いポーチタイプを選ぶとよいでしょう。■その他【習字道具・絵の具セット】学校で資料が配布され、一括購入する場合がほとんど。お下がりなどを使用する場合は、資料をしっかりチェックして、不足物がなければ問題ありません。高学年(5-6年生)の必要文房具■筆記用具【鉛筆】B〜HBの鉛筆がおすすめ。しかし、高学年は、勉強時間が増えてきます。硬すぎると必要以上に手に力が入って疲れてしまいます。長時間使っても疲れにくい濃さを選びましょう。【消しゴム】小さな字を書くことが増えてきますので、細かいところを消しやすいものを選びましょう。軽い力で、いつでもカドで消せるような感覚のものがおすすめです。おすすめ商品|多角消しゴム ZIGZAG■ノート類【ノート】タブレット学習での時間が増えてくる学校もあります。タブレットと共に置きやすいハーフサイズの横長ノートも便利です。おすすめ商品|キャンパスノート(ドット入り罫線)(ハーフサイズ)■収納用品【クリアファイル】折り目がつかないように、しっかりとした素材のものを。配られたプリントを、保護者用のものと、自分が必要なものとに、もらったその場で判断できるようになると、プリント整理がぐんとはかどるようになります。おすすめ商品|コクヨ キャンパス プリントファイル 見開きワイドポケットタイプお気に入りの文房具を選んだ!その後は……前述のように、文房具選びのポイントは、使いやすいものの条件を押さえながら、子ども自身が好きなものを選ばせてあげることです。ただ、気を付けておきたいのが学校のルールです。現在、約6割の学校に文房具に関するルールがあると言われています。なかには、キャラクターもの、おもちゃのような消しゴム、シャープペンシルはNGと厳格に定められているところも。しかし、学校では使えない文房具をわが子が気に入ってしまったとしても、無理に諦めさせる必要はありません。「これは、家で宿題をするときに使おう」「習い事や塾用にしよう」と、学校以外で使えば◎!ですから、なるべく子どもの意志を尊重してあげてくださいね。*2そして、お気に入りの文房具が増えてきたら、整理整頓のやり方を教えて、集中しやすい環境をつくってあげましょう。たとえば、よく使う文房具や勉強道具をまとめ、扉がない収納に指定席をつくっておくとスムーズです。教育評論家の親野智可等氏も、「置き場所を決めるときは、子どもの持ち物や生活の動線に合わせた仕分け」が重要だと語っています。*3しょっちゅう出し入れする物は、なるべく使う場所から動かずに、手を伸ばして入れるだけのワンアクション収納に。(中略)たとえばリビングで勉強するなら、必要な文房具を箱にセットしておけば移動も一回で済み、片付けるときも箱に戻して決まった置き場所に返すだけ。たしかに、「よし、勉強するぞ!」と思ったときに手元に文房具がなければ、椅子を引き、机の引き出しを開け、ペンケースを取り出して……と、行動しなければなりません。しかも、勉強が終わったあとも、同じ動作をするとなれば、整理整頓への抵抗感が強まるでしょう。ワンアクション収納であれば、やる気や集中力が途切れることも少ないはず。文房具の役割をしっかりと把握して選び、お気に入りの文房具で集中して学習。そのあとは、片付ける習慣もしっかり身につける――これができれば、子どもの自立へと一歩近づきます。***勉強する我が子がしっかり集中できているか。心配になったら、いまお使いの文房具を見直してみてください。機能的で使いやすいか耐久性があるかいまの子どもの好みに合っているか これら3点を満たすものを用意すれば、お子さんの学習環境を効果的にサポートできますよ。文/松岡芙佐江(参考)(*1)参考・カギカッコ引用元・引用:Gakkenキッズネット|集中力もアップ!文房具選びで変わる学習パフォーマンス【脳科学者が解説】(*2)参考・カギカッコ引用元・引用:Gakkenキッズネット|6割の学校で文房具ルールあり!令和の小中学生は家庭・学校・塾で文房具を使い分けている!(*3)参考・カギカッコ引用元・引用:ベネッセ教育情報|《片付けが苦手な子》どうしたらできるようになる?【親野先生アドバイス】参考:SONiC|小学生におすすめコンパス3選 「これでもう迷わない!」小学校導入率1位参考:KOKUYOMAGAZINE|親御さん必見!小学校中高学年に役に立つ人気の文房具をご紹介!
2024年10月01日「子どもが失敗すると、つい厳しい言葉を言ってしまう」「子どもの失敗にイライラして怒ってしまう」――子どもがミスするのを目の当たりにすると感情的になり、後で「言いすぎてしまった……」と後悔することはありませんか?親なら誰しも、子どもに自信を持って自立してほしい、幸せな人生を送ってほしいと願うもの。だからこそ、子どもの失敗を目にすると「このままで大丈夫だろうか」と不安になるのが親心というものでしょう。しかし、失敗は成長の糧。そこで今回は、「子どもが失敗したとき、どんな声をかけたらいいんだろう?」と悩む親御さんに、子どもの可能性を引き出す対応方法をご紹介します。失敗を恐れる子ども、その原因は親かも……「なんでうちの子、こんなに引っ込み思案なのだろう?」「もっといろいろなことに、積極的にチャレンジすればいいのに……」子どもが何事にも消極的だと、気を揉みますよね。でもその原因は、子どもがミスするたびに親が冷たく対応してきたせいかもしれません。『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』(青春出版社)の著者で大阪市立大空小学校の初代校長を務めた木村泰子氏は、子どもが失敗を恐れるようになる理由を次のように説明しています。なぜ今の子どもたちや若者は失敗を恐れ、チャレンジしないかというと、失敗したら叱られる、失敗したら困るという経験値を持っているから。だから、失敗は子どもにとってピンチになってしまうのです。つまり、子どもは失敗を叱られた経験から、失敗を恐れるようなり、結果的にチャレンジ行動ができなくなってしまうということ。*1誰だって怒られるのはつらいものです。大人の世界でも、失敗すると必要以上に厳しく叱責する上司のもとでは部下が萎縮し、「失敗したら嫌だから、言われたことだけしよう」と指示待ち状態になりやすいのではないでしょうか。子どもの無気力状態が心配なら、子どものやる気を奪うような間違った声掛けはただちに改めなければなりません。「失敗やミス=悪いこと」だと思い込んでいませんか?「子どもが失敗するのを見ると反射的に厳しく注意してしまう……なぜだろう?」そうお悩みなら、失敗やミスを悪いことだと思い込んでいないか、一度自分の心に向き合ってみてはいかがでしょう。「失敗は成功の母」ということわざがあるように、子どもの成長過程失には敗する経験が必要です。まずは「チェレンジ精神を鍛えるため、どんどん失敗させていい!」と、親の思考を変えることが大事かもしれません。教育ジャーナリストの中曽根陽子氏は、子どもに失敗経験が必要な理由を次のように挙げています。*2失敗経験をしないと、困難にぶつかって挫折しやすい大人になってしまうから「失敗を乗り越える成功体験」が後々、経験値として威力を発揮するからたとえば、数学のテストでつまらない計算ミスを多発し成績を落としたことで、計算式を丁寧に書き検算をする大切さが心底身に染みたことなど。筆者自身も、振り返ってみれば失敗したからこそ得られた学びがいくつもありました。あなたにも、子ども時代に失敗経験があったからこそパワーアップできた記憶はありませんか?【状況別】子どもが失敗したときの「親の神対応」前章で触れたように子どもが失敗することは悪いことではありません。それなのに、「なにやってるの!」「こんなこともできないの!」などと、子ども自身を責めるような叱り方をすると、子どもは「怒られた」と感じ、「言い訳」や「反発」で自分を守ろうとします。これでは、親が本当に伝えたいメッセージが伝わるはずがありません。コミュニケーション訓練プログラム「親業」のインストラクター、瀬川文子氏は、「子どもを叱るのは、たいてい子どもの行動に対して親が気に入らないとき」と述べています。自分が気に入らない行動を子どもがするから、「(あなたは)どうしてそんなことするの!」と「あなた」を主語にした叱り方になり、「相手を責めるニュアンス」が強く出てしまうのです。そこで瀬川氏は、「まずは親の心配や不安といった第一次感情を『私メッセージ』で伝える」よう提案しています。第一次感情とは「怒りより先に湧いてくる感情」のこと。「私メッセージ」の伝え方のコツは、下記のとおりです。*3(子どもの行動)非難がましくなく、目に見える、耳に聞こえる事実を伝える(行動から受ける自分への影響)できるだけ具体的に伝える(私の感情)正直に素直に伝える親の素直な気持ちを聞き、「自分を攻撃してくるのではなく、心配してくれているんだ」と伝われば、子どもの心のバリアが解除され安心してアドバイスに耳を傾けてくれるのではないでしょうか。上記をふまえて、子どもが失敗したときに言ってしまいがちなネガティブな言葉を、子どもがポジティブになれる言葉に言い換える具体例をシーン別にご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。【学業面での失敗】テストの点数が悪かった<具体例1>中学受験を目指しているケースNG例:「こんな点数じゃ、いい中学に入れないよ!間違えた問題の確認は終わったの?いつも復習しないから、この点数になったんじゃないの!?」↓OK例:「今回のテスト、難しかったよね。でもミスを放っておくのは不安だから、まずは一緒にできなかった問題に印をつけて原因を分析してみようか」<具体例2>ゲームばかりしていて勉強しないケースNG例:「毎日ゲームばかりしてるから、こんなひどい点をとるのよ。ゲームの時間を減らしてもっと勉強しなさい!」↓OK例:「ゲーム、楽しいよね。でも、勉強しないとこの先あなたが苦労しそうで、お母さんは心配なんだ。間違い直しからやってみない?」≪解説≫NG例は、テストの点数が悪かったとき、親が子どもに言ってしまいがちな言葉ではないでしょうか。「受験に失敗したらどうしよう」「将来勉強に対するコンプレックスで子どもを苦しませたくない」という焦りや心配が噴き出してつい言ってしまうのですよね。しかし子どもにとっては、ただでさえ落ち込んでいるのに「いい中学に入れない」は脅しの言葉でしかなく、「親がそう言うなら、勉強してもムダ」とやる気を失ってしまうかもしれません。また、自分が好きなゲームを否定された挙句「勉強しなさい」と頭から命じられたら、反発してますます勉強から遠ざかってしまうことに……。テストで大切なのは、さらに成績を伸ばすため重点的に勉強すべき部分のあぶり出しのはずです。子どもの気持ちに寄り添い安心感を与えたうえで、失点した原因を分析しどう対策すべきか子ども自身で考えられるようサポートに専念するのが親の仕事ではないでしょうか。*4そこで、OK例のようにテストの失敗を「大切な伸びしろ」として扱うよう促してあげれば、お子さんが自分の失敗に向き合い、今後に活かす勇気を与えてあげられるはずです。【スポーツや習い事での失敗】大切な試合や発表会でミスをしたNG例:「あんなに練習したのに、なんでできないの!?だからもっと真剣に練習しなさいって、ママは言ってたのに」↓OK例:「緊張したよね。でも、ここまで一生懸命努力してきたことが大事。この経験は次につながるよ。大丈夫、また頑張ろう」NG例:「いつも間違えてるところ、また間違えたよね。『絶対間違えない』って言ってたのに……はぁ、みんなの前で恥ずかしいわ!」↓OK例:「最後まで諦めずよく頑張ったね。今回の経験から学べることがきっとあるはず。次はもっとよくなると思うよ。どんなことに気をつけたい?」≪解説≫子どもがスポーツの試合や習い事の発表会で失敗し反省しているときに、NG例のようなネガティブな言葉で責められると、子どもは発奮するどころか立ち上がれなくなってしまうことも。メンタルトレーニングの第一人者の高妻容一氏は、子どもが親から「どうして、なぜ」とネガティブに追求されると、「心の居場所」がなくなってしまうと話します。また、親が結果にこだわりすぎると、子どもはプレッシャーを感じて「失敗から学ぶ」経験をさまたげるようになってしまうことも……。子どもの成長を願うなら、結果ではなく試合や発表会に向けて一生懸命頑張った子どもの努力を認める声かけがとても大事なのです。高妻氏は、「ポジティブな努力を評価すると、『ほめられた→うれしい→もっと努力しよう』といった、本人の成長を促すサイクルにもつながっていく」と断言しています。現に、努力をほめる家庭で育った子どもは、大きく成長しているそうです。*5OK例のように、結果ではなく子どもの努力を認め、次の意欲を引き出し、失敗を恐れずチャレンジする姿勢を育む声かけを実践してみてください。【日常生活での失敗】大切なものを壊してしまったNG例:「なんで落としたの!?落とさないように気をつけてゆっくり歩いてねって言ったのに!気をつけて持たないから壊しちゃうんだよ、まったく!」↓OK例:「ケガしてない?これは、パパの大切なものだったから悲しい。壊れてしまったら戻せないものもあるんだって、学んでくれたら嬉しいな」NG例:「お皿が割れちゃったじゃない!こんなことするなら、〇〇ちゃんにはもうお手伝いさせられないよ。もういい、ママが片づけるから!」↓OK例:「ショックだよね。まずは落ち着こう。失敗から学べることがきっとあるはず。次に大切なモノを扱うときはどうすればいいか、一緒に考えよう!」≪解説≫大事な記念の品や、お皿などをうっかり子どもが壊してしまったとき、ショックのあまり子どもをキツく責め立ててしまうこと、ありますよね。しかし感情的に声を荒げても、子ども自身は、「ママがなんか怒ってる」「パパが恐い」と萎縮するだけで、なぜ叱られたのかわからないままということも……。でも、本当に子どもに伝えたいのは、モノを大切にする心、モノの丁寧な扱い方ですよね。大切なモノを失った悲しみを正直に伝え、大事なモノの扱いかたについて子どもと一緒に考えることで、成長を促すことができるのではないでしょうか。たとえばガラス製品のように、壊れたら元に戻せないモノを割ってしまったときは、OK例のように、まず子どものケガを心配し、モノより子どものほうが大事なのだという気持ちをしっかり示してみてはいかがでしょう。親が自分を大切に扱う姿勢から、子どもはモノやさらには人を大切にする姿勢を学んでくれるかもしれません。*2【対人関係での失敗】友だちとけんかをしたNG例:「どうせあなたが悪いんでしょ。ちゃんと謝ったの?謝ってないなら、早く謝ってきなさい」↓OK例:「つらかったね。なにか原因があると思うから、よかったらママに話してくれる?」NG例:「友だちとケンカしたくらいで、すぐに泣かないでよ。〇〇君は弱虫だな。そんなに泣いていたら、△△君だって仲直りしたくないって思うよ」↓OK例:「それはしんどいよね。まずは、友だちの気持ちを一緒に考えてみよう。どうすれば仲直りできると思う?これを乗り越えれば、もっと強い絆になるよ」≪解説≫子どもが友だちとケンカして帰ってきたとき、NG例のように頭ごなしに子どもを悪者扱いしたり、泣いている子どもをこき下ろしたりしても、子どもが親に不信感を募らせるだけ。「どうせ親は話をきいてくれない」と口を閉ざし、誰にも相談できないまま人間関係をこじらせてしまうかもしれません。いじめ問題のような最悪の事態に子どもが陥らないよう、親にできることは、OK例のようにまず子どもの感情をしっかり受け止めること。そのうえで、子ども自身が友だちとのトラブルを解決するためになにができるか一緒に考えてあげてください。仲良しの友だちとの関係が悪化してしまうと、とても心細く不安なものです。そんなとき、自分を否定せずやさしく寄り添ってくれる親の存在は心強いもの。親との対話をとおして子ども自身が友人との人間関係を修復する術を見い出し克服できれば、その経験が社会に出たとききっと活かされるはずです。*2***子どもが失敗したときには、次のポイントを意識しながらお子さんに声かけしてみてください。子どもの言葉がどんなふうに聞こえたか子どもの行動がどんなふうに見えたかママ・パパがどんな影響を受けたかママ・パパがどんな気持ちになったか 子どもの気持ちに寄り添う言葉で親子の信頼関係を築いて、お子さんの成長を力強くサポートしていきましょう。文/上川万葉(参考)(*1)参考・引用元:東洋経済オンライン|「挫折に弱い子ども」と「強い子ども」の決定的差(*2)参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|任せて、失敗させて、考えさせる。「困難を乗り越える力」を伸ばすには、放っておくのが◎(*3)参考・引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「私メッセージ」の叱り方で子どもが変わる! 親は怒りではなく“第一次感情”に注目して(*4)参考:ベネッセ教育情報|テストの結果が悪かったら…。こんな言葉で励ましてあげよう(*5)参考・カギカッコ内引用元:サイカク|試合に負けた日。子どもを”どうほめるか?”が、成長の分かれ道。
2024年09月30日子どもの人見知りや内向的な性格を心配する親御さんは多いのではないでしょうか。「もっとハキハキ話してほしい!」「もっとお友だちをたくさんつくってほしい!」と親は願うもの。でも、そんな内気さが、「隠れた才能」の証だとしたら?じつは、人見知りの子や内向的な子たちの内には、豊かな可能性が秘められているのです。今回は、内向的な子どもの才能を伸ばす “戦略” を紹介します。「内気な性格はよくない」という先入観を捨てましょう!子どもの人見知りや内気な性格を過度に心配する必要はありません。小児科専門医で東京薬科大学客員教授の山中岳氏によると、「人見知り」は個々の子どもによって大きく異なります。通常は生後8〜12か月頃に始まり、2歳頃には落ち着くことが多いのですが、早い子では生後半年から、遅い子では2歳以降に現れることもあります。また、その表れ方も子どもによってさまざまです。見知らぬ人に対して激しく泣く子もいれば、誰に対しても平気な子もいます。これらの違いは、子どもの「個性」や「環境」に大きく影響されます。重要なのは、人見知りの程度や時期に正解はなく、それぞれの子どもの発達過程の一部だということを理解することです。ちなみに、人見知りは、赤ちゃんが「見慣れた人」と「そうでない人」を区別できるようになった証拠で、赤ちゃんの「認知能力」と「感受性」の発達を示していると山中氏は言います。つまり、人見知りは、重要な「成長の段階」なのです。*1とはいえ、このままずっと人見知りが続いたらどうしよう……?と悩んでいる親御さんもいるでしょう。しかし脳科学者の西剛志氏は、「内気な子どもほど内的なエネルギーに満ちている」、そういう子どもは「目標を見つけたときには、それに向かって力強く進んでいける」と、人見知りっ子の可能性について太鼓判を押します。「『内気なことは良くないこと』という先入観は今すぐに捨てるべき」という親への忠言も心に刺さりますね!*2高学歴親ほど要注意!?子どもに干渉が過ぎてしまう……ただし、親の行動が子どもの性格を内向的にしてしまうこともあるので、注意が必要です。特に、高学歴の親御さんは要注意。高学歴の親は「『子どもに失敗はさせたくない!』という強い思いから」過干渉になりやすいと言うのは、『高学歴親という病』著者で発達脳科学者の成田奈緒子氏です。高学歴の親は自分が優秀であるがゆえに、つい子どものやることに干渉しがち。そして、親の過干渉が過ぎると、子どもの「自分で立ち直る力(レジリエンス)が育ちにくくなる」と成田氏は危惧しています。たとえば公園でほかの子どもたちが遊んでいる様子を見て、自分の子どもが仲間に加わりたがっているとき、親が先回りして「うちの子も入れてあげて」と声をかけることがあります。親としては、子どもが仲間はずれになったり、さみしい思いをしたりするのを避けたいという気持ちからでしょう。しかし、このような対応を続けていると、子どもが成長しても自ら「入れて」「一緒に帰ろう」と言えなくなってしまうかもしれません。実際、小学生になっても友人グループに加わる際に自分から声をかけられず、帰宅時に友だちと一緒に帰ることができないために孤立感を感じ、最終的に不登校になってしまったケースも……。*3このように、親が良かれと思って行動することが、長期的には子どもの社会性の発達に影響を与えてしまいます。心配と期待を込めた親の先回り行動が、子どもを内向的な性格へと導くこともあるようなので、気をつけましょう。人見知りの子は才能の宝庫。内向性を武器にしよう!前出の西氏の意見もあるように、人見知りの子や内気な性格であることは、さほど心配する必要はありません。それに、内気な子どもがどんな才能を秘めているかを知れば、きっと「内気な子ってすごい!」と思うはずです。さっそく、人見知りの子の秘める才能を見ていきましょう。秘める才能1:鋭く深い洞察力内向的な子どもたちの隠れた才能のひとつに、鋭い洞察力が挙げられます。これには脳の構造が関係しているようです。深い思考や内省、行動抑制、社会的な感情の処理などを司る神経細胞が集まる「灰白質」という部分が、「外向型」と比べて「内向型」の脳のほうが厚くなっているのです。これが鋭い洞察力に関係していると、西氏は説明します。じっくり観察し、深く考える脳の特性から生まれるこの能力は、周囲の細かな変化や人々の感情を敏感に察知することを可能にします。将来、複雑な問題の解決などが求められる場面で、この洞察力は大きな強みとなるでしょう。ちなみに、以下3名の偉人も子どもの頃は内向的だったのです!*4革新的な起業家として知られる、イーロン・マスク氏世界的ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズを生み出した作家、J.K.ローリング氏術革新の先駆者であるアップル社の共同創設者、スティーブ・ジョブズ氏秘める才能2:優れた集中力と豊かな創造性ふたつめの際立つ才能は、優れた集中力と豊かな創造性です。『内向的な子のすごい力』著者で臨床心理士の吉田美智子氏は、内向型の長所として「独自の世界観がある」ことを挙げています。ひとりで静かに時間を過ごすことを好む傾向がある人は、その習慣を通じて深い集中力と創造的な思考力を育みます。まわりの喧騒に惑わされず、自分の内なる世界に没頭できるため、独自の発想や新しいアイデアを生み出せるのです。与えられた情報を鵜呑みにせず、自分なりの意味づけを行なうことで、個性的で創造的な思考が育まれていきます。*5秘める才能3:他者の感情を敏感に察知する力じつは、内向型の子どもには共感力があると考えられています。ひとりを好むのに、不思議だと思われるかもしれませんが、西氏は、内気な子ほど「自分の心を掘り下げられると同時に、他人の気持ちもわかる」と言います。「深く考える」力は、自分の心のみならず、人の気持ちも理解しようとする思考につながるのです。*2吉田氏も、「人の気持ちがわかる」「思いやりがある」点を長所と捉えています。他人を思いやれる感性は人との関わりにおいてとても大事な力で、重要な素質として将来必ず役立つはずです。*5内向的な性格に、こんなにもすばらしい力が潜んでいたなんて驚いた人は多いでしょう。そこで次は、家庭で取り組める、内向性な性格を活かすアプローチについてご紹介します。人見知りの子の「伝える力」を育む方法深く考える力をもつ人見知りの子や内向的な子が、伝える力を手に入れたら鬼に金棒だと思いませんか?今回は、内向的な子どもの才能を活かすアプローチとして、伝える力を伸ばす方法を紹介します。ライフコーチのボーク重子氏は、伝える力は内向的・外向的にかかわらず「訓練で上達する」と述べています。そこで、まずは家庭内で自分の意見を伝える習慣をつけましょう。【STEP1】「今日はどんなことがあったか」を発表夕食時に「今日はどんなことがあったか」を家族全員が発表します。発表と言っても1~2分でOK。ルールは「いつ、誰が、どこで、なにを、なぜ、どのように」の5W1Hをしっかり盛り込むことのみ。実際にやってみると、想像以上に頭を使うのでびっくりするかもしれません。また、お父さんお母さんも「今日はどんなことがあったか」を発表することで、親子間の情報共有ができます。【STEP2】月に1回の「3分間スピーチ」【STEP1】が習慣になってきたら「月に1回の3分間スピーチ」にも挑戦してみましょう。お題は、親に買ってほしいもの、学校で流行っていること、おこずかいUPの交渉……と、なんでもいいのです。とはいえ「話題のチョイスや要点・結論の伝え方、聞き手のイメージを助ける具体例」など、聞く人を引きつける工夫が必要なので、話す力をつけるにはもってこいの訓練です。こちらも子どもだけではなく、ぜひ親御さんもスピーチに挑戦してみてください。【STEP3】「違う意見」をぶつけ合ってみる【STEP1】【STEP2】に慣れてきたら、最後は「わたしはそうは思わないけどな」「別の考え方もあるんじゃない?」と、違う意見を言い合いましょう。「グローバル社会では、一人ひとりの考え方や意見がちがうことがスタンダード」ですから、「どんな意見も正解」なんだよ、とお子さんに伝えてください。そうすることで、学校や習い事などの場で異なる意見に触れたときでも、「批判された!」と受け取ったり、相手に否定的な態度をとったりするのではなく、違う考えもあるのだなと建設的な対応ができるようになるでしょう。*6***物静かで内向的な子どもの内側では、豊かな力がむくむく育っています。西氏は科学的データをもとに「内向性は強い武器になる」と断言しているほど。才能を育むチャレンジをさっそく今日から始めてみませんか。(参考)*1参考・カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|赤ちゃんが人見知りする時期はいつからいつまで?原因と対処法【医師監修】*2参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|集中力がない 聞き分けがない、内気。子どもの性格の困ったはどうする?*3参考・カギカッコ内引用元:Benesseたまひよ|高学歴親・高学歴偏重の親にありがちな子どもへの干渉。過干渉がもたらす子どもへのデメリットとは?【小児脳科学者】*4参考・カギカッコ内引用元:ダイヤモンドオンライン|【性格の新常識】「静かな人」は深い知見を持っている*5参考・カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|内向的な子に「やってごらん」より大事なこと*6参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|グローバル社会を生き抜く「プレゼン力」は自信から生まれる――全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんインタビューpart2
2024年09月17日「うちの子、もっとできるはずなのに……」「なにに対しても消極的で、将来大丈夫かな……?」など、子どもに対する悩みは尽きないものですよね。特に、コミュニケーション能力が高く積極的な子やスポーツや勉強が得意な子と比べて、自分の子どもに特別な才能や強みが見当たらないと、不安が募り焦ってしまうもの。そんなとき、つい「もう、全然ダメじゃないの」などとネガティブな声かけをしてしまうことはありませんか? でも、これが大きな失敗なのです。親が発したネガティブな言葉どおりに、「自分はダメなんだ」と子どもが自信を失い、ますますやる気をなくしてしまうかも……。親の言葉には子どもに絶大な影響力があります。うまく使えば、子どものいいところをグングン伸ばしてあげられるはず。そこで今回は、子どもが輝くために有効な「親の声かけ方法」を紹介します。お子さんの潜在能力を引き出すヒントが見つかるでしょう。すべての子どもが「才能の種」をもっている子どもは本来、無限の可能性を秘めています。あなたの言葉で、お子さんの潜在能力を引き出していきましょう。なぜなら、すべての子どもに「才能の種」が眠っているからです。国立教育政策研究所初等中等教育研究部の白水始総括研究官は、どの子にも「好奇心」や「自分で試行錯誤しながら学ぶ力」というポテンシャルが備わっていると指摘しています。*1現時点で特別な才能が見つからないからといって、無気力で平凡な子だと決めつけてはいけません。ただし、誰かが引き出してあげないと、せっかくの才能が芽吹くことなく終わってしまう可能性も……。『声かけ×仕組み化×習慣化で変わる!子どものやる気の引き出し方』(日本能率協会マネジメントセンター, 2023)の著者で教育専門家の石田勝紀氏は、学校での好成績は「才能」がなくても獲得できると述べています。確かに、テストの点数は才能というよりも、勉強(努力)の結果と言えるでしょう。石田氏によると、才能とは「長所」であり、「子どもが自覚しなくてもスムーズにできるもの」「子ども自身は当たり前すぎて自分ですごいと思わないもの」なのだとか。さらに、「学校の科目に直接つながるものとは限らない」とも述べています。そこで、親がすべきことは、次のような「才能の種」がないか子どもを観察することです。*2「子どもが自主的にやりたがるもの」「言われなくてもどんどん興味をもってやること」たとえば、おもしろいことを言ってみんなを笑顔にする子、ヒーローになりきって何かと戦い続ける子、好きなキャラクターの絵を一心不乱に描く子、恐竜博士の子、友だちが泣いていたら自分も泣いてしまう子などが挙げられます。あなたのお子さんは、どんな「才能の種」をもっているでしょうか。学業以外の分野も含めた広い視点をもち、自分の子どもをよく観察すれば、じつに様々な「才能の種」が見つかるはずです。そしてお子さんの「才能の種」を見つけたら、次はその才能を開花させる手伝いをしていきましょう。前向きな言葉でやる気が出る。脳科学では常識!せっかく「才能の種」を見つけても、親がネガティブな言葉をかけていては、開花するはずの才能も埋もれてしまう可能性があります。「なんでもっと頑張れないの?」「そんなことしたらダメでしょう?」といった言葉を使っていませんか?最も身近な存在である親からそのような言葉を投げかけられると、子どもは「自分は何をやってもダメな子なんだ」と思い込んでしまうかもしれません。その結果、より引っ込み思案になり、挑戦することを諦め、本来の魅力を発揮できなくなってしまう恐れがあります。一方で、親のポジティブな言葉は、想像以上に子どもにプラスの影響を与えます。脳科学者の高田明和氏は、「言葉には私たちの脳を変える作用がある」ことが「脳科学の常識」だと述べています。さらに、「ポジティブな言葉は、信頼される人から与えられたとき、より効果を発揮する」と断言しています。これは、信頼する人からポジティブな言葉をかけられると、「免疫力を高めるエンドルフィン」や「意欲を高めるドーパミン」などの「脳内快感物質」が分泌されるためです。つまり、子どもが絶対の信頼を寄せる親の前向きな言葉には、子どものストレスを軽減し、やる気を引き出す効果があると言えるでしょう。*3子育ては長期的な取り組みです。親のポジティブな言葉の積み重ねが子どもに与える影響は非常に大きいと考えられます。ですから、ポジティブで前向きな言葉を積極的に子どもにかけていくことが重要になってくるのです。次の項では、子どもの潜在能力を開花させるための「効果的な親の声かけ」を具体的に紹介していきます。これらの方法を日常生活に取り入れることで、お子さんの可能性を最大限に引き出すことができるでしょう。子どもの潜在能力を開花させる「効果的な親の声かけ」そうは言っても、「前向きな言葉をかけてあげたいのに、ついネガティブワードを口にしてしまう……」と、お悩みの方も多いはず。でも、大丈夫です。親が子どもに言ってしまいがちなNGワードをOKワードに言い換える例をシーンごとに紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。きっと、うまくいきますよ。【勉強のやる気がアップする声かけ】子どもが勉強を好きになるかどうかは、親の言葉がけ次第。もしかしたら数年後、「僕、もっと勉強をして、〇〇中学(高校)に絶対合格する!」なんて言い出すかもしれません。子どものやる気の芽を摘まないようにしたいものです。NGワード「テストで100点とれてすごいね!」↓OKワード「毎日勉強を頑張った成果が実ってよかったね!」NGワードのように結果だけをほめてしまうと、結果が出なかったとき、子どもは「結果を出せない自分はダメなんだ」と思い込んでしまいます。そんな人生はつらいと思いませんか?その代わり、一生懸命頑張ってきたプロセスをほめてあげるのです。子どもは「努力が認められて嬉しい!」と感じて、「次も頑張ろう!」とやる気がアップするのではないでしょうか。NGワード「95点とれてすごい。でも次は100点がとれるようにね」↓OKワード「95点とれたんだ。勉強頑張ったね!」このNGワード、意外と言いがちではないですか?親はほめているつもりでも、最後のひと言が余計。ほめてもらえたと思っていた子どもは、「次は100点とれるようにね」にがっかりしてしまいます。これが達成できたら次は〇〇、というように、つねに親から課題を与えられると子どもは窮屈なもの。まじめな子ほど無理をして疲れ果ててしまいます。ほめるときは、ほめることに専念しましょう。*4【子どもの「集中力」を育てる声かけ】ゲームやYouTube三昧で勉強しようとしない子どもを見ていると、イライラしてしまうのが親心。しかし視点を変えたら、何時間もゲームやYouTubeに集中できるなんてすばらしい集中力だと思いませんか?その集中力の芽がぐんぐん伸びたら、お子さんの可能性は広がるはず。NGワード「ゲームばっかりやってないで、勉強しなさい!」「いつまでYouTubeを見てるの!」↓OKワード「そのゲーム、楽しいよね。だけど勉強も大切だから、何時から宿題をするのか一緒に決めよう」まず、趣味を頭から否定するのはNGです。子どもが趣味を楽しんでいる気持ちを受け止めましょう。それから、子ども自身に具体的な勉強開始の時間を決めてもらいます。時間通りに行動できたら、子どもをほめることも忘れずに。*5首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る進学塾VAMOS代表・富永雄輔氏は、「小さい頃から好きなことに集中する経験をたくさんしてきた子どもが、それ以降も充実した集中力を得られる」と断言しています。しかも「好きなことがゲームであってもかまわない」のだとか。ちなみに「上位の難関校に合格する子どもの9割は、強い集中力」をもっているとのこと。子どもの集中力を育てるためにも「ゲームをやめて勉強しなさい!」とは言わないほうがよさそうです。*6【子どもの「挑戦力」を育む声かけ】成果にかかわらず、失敗を恐れず積極的に挑戦できる人間に成長してほしい。これは多くの親の願いでしょう。挑戦なくしては、成長も成功も得られないからです。子どもの挑戦力を育むには、適切な声かけが鍵。子どもの挑戦を促すような言葉かけが◎ですよ。NGワード「お皿が割れちゃったじゃない!だから危ないって言ったでしょ!」↓OKワード「ケガしなかった?ママも子どもの頃、お皿を割っちゃったことあるんだ」東京都市大学教授の井戸ゆかり氏は、子どもが手伝いをしている最中にお皿を割ってしまっても、親はその失敗を「チャンス」ととらえるべきだとしています。子どもの挑戦力をつけるために、ときには親自身の「失敗経験」を話してみてください。「自己肯定感が高い子どもには挑戦意欲も備わっている」とのことなので、子どもが挑戦できる環境をどんどんつくってあげましょう。*7NGワード「なぜ手を挙げないの?もっと積極的に参加しなきゃ!」↓OKワード「授業中に手を挙げて間違えたらと思うと、緊張するよね。お父さんも手を挙げて失敗したこと、たくさんあったな。でも、失敗するのは悪いことじゃない。勇気をもっていろいろ試してみることが大事なんだ」子どもが失敗を恐れて挑戦できないとき、厳しく原因を問い詰めたり、無理強いしたりすると、子どもは苦痛を感じていっそう殻に閉じこもってしまうかもしれません。子どもの自己肯定感を高めるためにも、「失敗してもいいんだ」ということを教えてあげましょう。*7「挑戦して失敗することも大切な経験である」「親も様々な失敗を経験してきた」ということを子どもが理解すれば、「まずはやってみよう」という姿勢が育つでしょう。自己肯定感の高い子どもは、挑戦意欲も高い傾向にあります。***親の言葉の威力をうまく活用して、子どものなかに眠っている底知れぬポテンシャルをグイっと引き出してあげましょう。お子さんへの声かけをちょっと工夫するだけで、見違えるほどキラキラ輝き出すはずです。文/上川万葉(参考)*1参考・カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|「子どもの潜在力を引き出す親」はここが違う*2参考・カギカッコ内引用元:こそだてまっぷ|【専門家監修】子どもの才能の見つけ方と伸ばし方*3参考・カギカッコ内引用元:Leader`s Lounge|脳科学の権威が解説!ポジティブな言葉が効果的な理由*4参考:All About|ほめてるつもりでほめてない?NGな子どものほめ方*5参考・カギカッコ引用元:AERA Kids|親の「声かけ」が子どもの才能を引き出す!気を付けるべき「8つ」のルール*6参考・カギカッコ引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「ゲームや漫画は禁止!」が、子どもの“集中力の育ち”を阻害する理由*7参考・カギカッコ引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「失敗を恐れない力」の育て方。子どもに「挑戦したい!」と思わせる、効果抜群な言葉かけ
2024年09月09日(この記事はAmazonアフィリエイトを含みます)「早く片付けなさい!」「急いで準備して!」 毎朝、こんな言葉を繰り返していませんか? 時間に追われる朝の慌ただしさ、そして後悔とストレス。多くの親が悩む子どものスケジュール管理。実は、これには秘訣があるんです。今回は、子どもの時間感覚を育てる方法と、効果的な声かけのコツを年齢別にご紹介します。驚くかもしれませんが、これらのテクニックを使えば、お子さんが自主的に時間を管理できるようになるんです。そうなれば、親子ともにストレスフリーな毎日が待っていますよ。さあ、未来の子ども達の姿を想像しながら、一緒に学んでいきましょう!子どもが時間を意識して行動できないのはなぜ?時間の概念があまりない小さな子どもに何度も声かけしていると、「どうして何回言ってもできないの?」「うちの子、特別だらしないのかな……」など、イライラしたり落ち込んだりしますよね。ですが、相手は子どもですから仕方のないことなのです。行動科学の専門家である石田淳氏は「性格的にだらしがないのではなく、やろうと思っていても、新しいことや興味のあることに気を取られて忘れてしまう」のが子どもの特性と述べています。しかも、最難関中学合格を目標にしている子でも、自主的に計画を立て実行できる子どもは “ごくわずか” なのだそう。習い事の前に宿題を済ませておこう!などと考えられないのが子どもなのです。(*1)とはいえ、大人になってからもルーズな感覚のままでいると、その子自身が困ることになるのは明らかです。今後ますます「時間管理力」が求められる時代。その力が身についているのといないのとでは、大学生や社会人になってからの「生きづらさ」にもつながる可能性があります。時間管理が苦手なまま大きくなると、将来どうなる?ビジネス数学の第一人者である深沢真太郎氏は、多くの企業で研修をおこなってきた経験から、「数字が苦手だと言うビジネスパーソンや、数字の活用ができず生産性が上がらない組織」の共通点を「時間に対する感覚が根本的に足りていない」と分析しています。つまり、仕事を時間でとらえる感覚が不足しているのです。具体的には、「10分間で(この資料を)まとめて」「1分程度で手短に説明して」といったリクエストに対応できず、必ず時間をオーバーしてしまうのだそう。換言すれば、耳で聞いただけの「10分間」という情報を、現実的な量としてとらえられず、自分の仕事を「時間」という量的概念でとらえる習慣がないということ。深沢氏は、これまで2万人以上のビジネスパーソンを指導してきた経験から、「研修中に時間にルーズだった人で、数字に強く成果も出していると言える人はひとりもいない」と断言しています。(*2)現在すでに、仕事での単純作業は減少傾向にあり、一人に対して複数のタスクが求められている状況です。だからこそ、時間を管理する能力は、未来の社会を生きる子どもたちにとって、なおいっそう必要になってくるでしょう。すでに社会人であるお父さん、お母さんは、よくご存じだと思いますが、「約束の時間や期日を守ることができる人」は、仕事をするうえでもプライベートでも信頼されますよね。逆に、どんなに勉強ができても「時間管理ができない人」は、だらしのないイメージがつきまといますし、結果的に仕事でも人間関係でも信用されないのではないでしょうか。では、子どもに「時間の大切さ」や「先を見通して行動することの重要性」を教えるには、どうしたらよい?次項では、年齢に応じた具体的な方法をご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。親子でトレーニング!年齢別・時間管理力を鍛える方法時間感覚や時計に対する概念は、年齢によって理解度に大きな差があります。そのため、まだ時計が読めない子が多い未就学児には声かけにも工夫が必要だったり、時間感覚がつかめてきた中学年くらいからは勉強のスケジュール管理をさせたりと、年齢に応じたトレーニングが求められるでしょう。ここでは、すぐに取り入れられる簡単なトレーニング法や声かけ法、またおすすめのアイテムをご紹介します。【未就学児(3歳~小学校入学前)向け】時間の概念は難しいものなので、「生活や遊びの中で無理なく、その子のペースに合わせて学び進めることが大切」と話すのは、楽しく子どもが知性を鍛える「楽勉(らくべん)」を推奨する教育評論家の親野智可等氏。自然に楽しく時間に親しむことで「時計っておもしろい!」という前向きな意欲を引き出すことをすすめています。まだ数字が読めない3歳児でも、時計に親しむことは可能です。方法としては、家のなかのあらゆる場所にアナログ時計を置いて、常に時計が目に入る環境を作るのがおすすめ。親野氏によると、「時計がつねに目につく環境で、『長い針が上に来たら終わりだよ』と声かけすることで、自然と時間や時計を理解できるようになる」そうですよ。(*3)ポイントは「早く!」「急いで!」という抽象的な指示ではなく、「長い針が6になったら出かけようね」とわかりやすい言い方を心がけること。子どもが楽しく時計に慣れるためにも、できるだけポジティブな声かけをしましょう。■こちらもオススメ!『音の出るとけいえほんいまなんじ?』(金の星社)↑音声で時間を教えてくれる絵本。楽しいクイズもあり、遊びながら時間の学習ができますよ。【低学年(小学校1・2年生)向け】小学校に入学すると、時間割に沿った行動を求められたり、家でも宿題をやらなければならなかったりと、自分の頭のなかで時間を意識する生活が始まります。でもまだ時間管理という意識が薄いため、親としてはあれこれと手や口を出してしまいがち。そんな親に対して、子どもの時間管理についての書籍『時間のマネジメント』(合同出版)の著者で、ことばキャンプ教室主宰の高取しづか氏は、「子どもが時間を考えて行動するためには、『子どもの時間はその子自身のもの』と親が認識することから」と苦言を呈します。もし子どもが遅刻したとしても、それは「親の問題」ではありません。「子どもの問題」なのです。そこで、見放すのではなく、「〇〇ちゃんが困らないように頑張ろうね」とサポートする姿勢でいることが大切になります。「お友だちとたくさん遊べるように早く準備しよう」などメリットも合わせて伝えて、子どもが自ら動き出すのをサポートすることがポイントです。(*4)また、マグネットシートやホワイトボードを使った「見える化」を取り入れるのもおすすめ。「きがえる」「あさごはんをたべる」「はをみがく」など、クリアした項目を「やったこと」リストに移動させれば、自分の行動の結果が可視化できるのでやる気につながりますよ。■こちらもオススメ!『クツワ METETE おうちの時間割りボード』↑子どもの成長と自立をサポートする「おうちの時間割りボード」は、子どもが自ら学び、考え、判断し、表現する力を育てます。できたことはマグネットを裏返せば、可視化できて習慣化につながりますよ。親子のコミュニケーションにも◎【中学年(小学校3・4年生)以上向け】時間感覚が身につき始めた中学年。学習面でもだんだん難しくなってくる時期なので、学校の宿題に時間がかかったり塾に通い始めたりと、日常生活+学習時間のバランスに頭を悩ませ始める学年でもあります。子どもが自分でスケジュール管理をするなら、予定を立てることより、振り返りの時間を重視してください。たとえば、自分で立てた勉強スケジュールを実践したところ、思い通りに進まなかったとします。「30分を予定していたけれど1時間もかかってしまった」のであれば、以下の2つのパターンが考えられるでしょう。【パターンA】ちゃんと勉強していたのに、思ったよりも時間がかかってしまった。【パターンB】ダラダラ勉強していたら、結果的に1時間かかってしまった。【パターンA】であれば、「次からは1時間を見込んでおく」「30分で終わる課題にする」などの軌道修正が必要ですし、【パターンB】ならば、「ダラダラしないようにタイマーセットして勉強する」「15分×2セットにする」などのアクションを考えたほうがよさそうです。受験生にスケジュール管理を指導している、伸学会代表の菊池洋匡氏は、中学受験をする子でも「最初から上手にスケジュールを立てられる子なんていない」と言っています。振り返りと次のアクションを繰り返すことが大切なのです。(*5)高学年以降になってタスク管理ができていると自信にもつながるため、早い時期から学習時間を含めたスケジュール管理トレーニングをすることをおすすめします。■こちらもオススメ!『キッズ用スマートウォッチ』キッズ用高性能スマートウォッチ。スマホをもたせるのはまだ早いと思われる方でも、最低限の機能が付いたスマートウォッチなら安心ですね。タイマーやストップウォッチ、カレンダー機能なども搭載しているので時間管理にもぴったり!***時間感覚は自然に身に付くものではありますが、小さいうちは親がサポートしてあげることでスムーズに理解できるので、暮らしの中で時間や時計に興味を持たせることも大切です。学年が上がるにつれて、スケジュール管理や学習計画を立てるのが難しくなってきますが、親子で一緒に楽しみながら取り組んでみてくださいね。文/野口燈(参考)(*1)参考・カギカッコ内引用元:AERA Kids Plus|「時間にだらしない」のは性格ではない!時間管理がうまい家が使っているもの(*2)参考・カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|「時間にルーズな人」ほど数字に弱すぎる納得の訳(*3)参考・カギカッコ内引用元:コクリコ|年少からの「子ども時間管理術」を時間教育の専門家が伝授!(*4)参考・カギカッコ内引用元:Gakken こそだてまっぷ|子どもができる時間管理!子どもに時間を意識させる伝え方(*5)参考・カギカッコ内引用元:YouTube|【成績が伸びる子の特徴】驚くほど勉強の質が上がるスケジュール管理法6選
2024年09月04日国際バカロレアの初等教育プログラムをご存じですか?この教育プログラムを導入した幼稚園では、世界地図や多言語の挨拶、さまざまな国の民族衣装など、世界の多様性を体感できる環境が整っています。初等教育プログラムなら、子どもたちは、探究心とグローバルな視野を自然に育むことができるのです。今回は、国際バカロレアの初等教育プログラムを導入した「幼稚園の特徴」「教育の成果」について詳しく見ていきます。幼い頃からの国際的な学びが、子どもたちの未来をどのように形作るのか、新しい幼児教育の可能性を一緒に探っていきましょう。未来のグローバルリーダーを育てる「初等教育プログラム」国際バカロレア(International Baccalaureate、以下IB)は、1968年にスイスで設立された国際的な教育プログラムです。そのなかで、3歳から12歳を対象とする初等教育プログラム(Primary Years Programme、以下PYP)は、幼児教育から小学校教育までをカバーする包括的なカリキュラムフレームワークとなっています。近年、グローバル化が進む社会において、幼児期からの国際的な視野の育成が重要視されるようになりました。そのため、IB PYPを導入する幼稚園が増加しています。IB PYPを導入することで、子どもたちの好奇心を刺激し、批判的思考力を育み、多様性を尊重する態度を養い、未来のグローバルリーダーの基礎を築くのです。IB PYPの主な目標は、子どもたちを以下の10の学習者像に沿って育成することにあります。(画像引用元:International Baccalaureate|国際バカロレア(IB)の教育とは?)「探究する力」や「考える力」、「挑戦する力」などは、昨今、注目されているスキルですが、「心を開く」「思いやり」「バランスがとれる」といったスキルも、未来のグローバルリーダーには必要となってくるのですね。これらの特性は、生涯にわたって学び続ける姿勢の基礎をつくり、グローバル社会で活躍するのに必要な能力を育てることを目指しています。大学卒業後も自己成長を続け、多様な環境で効果的に活動できる人材の育成が、このプログラムの核心的な目標と言えるでしょう。また、IB PYPは、「6つの教科横断的なテーマ」を中心に構成されています。(上記参考・引用元:文部科学省 IB教育促進コンソーシアム|PYP(Primary Years Programme))これらのテーマを理解するなかで、子どもたちは言語、社会、算数、芸術、理科、体育(身体・人格・社会性の発達)の6教科を学習するのだそう。「私たちはどのように自分を表現するのか」――難しいテーマですね。先生の言うことに常に従い、まわりと違った行動をとると注意されがちな、日本の一般的な幼稚園や小学校の教育方針とは、かなり違っている印象を受けませんか?次項では、この教育の柱とも言える、 IB PYPの具体的な教育内容について触れていきます。IB PYP導入幼稚園の特徴3つ特徴1:探究ベースの学習アプローチIB PYP導入幼稚園では、子どもたちの好奇心を活かした探究ベースの学習が重視されます。教師は、子どもたちの興味関心に基づいてテーマを設定し、そのテーマについて深く探究する機会を提供するのです。たとえば、幼小中高一貫の国際バカロレア認定校・つくばインターナショナルスクール(茨城県)では、水をテーマにした探究学習が行なわれました。国立研究開発法人 国立環境研究所の出前授業で「水の分析」をしたとのこと。ちなみに小学生クラスではありません、「5歳児クラス」の授業です。「水とスポーツドリンクを臭いで判別し、水と砂糖水は味覚で判別し、水と薄い砂糖水は水質分析の色で判別し、ゴーグルを着用して触覚も刺激」する「水の当てっこゲーム」で五感をフル活用。子どもたちは驚いたり感動したりと大忙しだったそうです。(カギカッコ内引用元:国立研究開発法人 国立環境研究所|出前授業 in つくばインターナショナルスクール)特徴2:遊びを通じた「学び」の重視PYPは、遊びが幼児の学びと発達に不可欠であるという考えに基づいています。構造化された学習活動だけでなく、自由遊びの時間も重要視され、そのなかで子どもたちは社会性、問題解決能力、創造性を自然に身につけていくのです。国際バカロレアPYP認定校・町田こばと幼稚園(東京都)も「遊びを通じた学び」に重点を置いている園のひとつ。自由な遊びの中で、時には転んだり、危ないことに出会うかもしれませんし、お友達とけんかになるかもしれません。しかし、そういった経験の中には、様々な気付きがあります。それらの経験を通して初めて、子どもたちは、何が危険かを知り危険を避けるすべを知り、さらに、相手の痛みがわかるようになるのです。(引用元:国際バカロレアPYP認定校 町田こばと幼稚園|教育内容)最近は、先回りして子どもから経験を奪ってしまう親御さんが増えているようですが、PYPでは、あくまでも「遊びのなかに学びがある」としています。子どもの本当の成長のためには、やはり主体的な遊びが重要なのですね。特徴3:多言語・多文化環境の創出IB PYP導入幼稚園では、多言語・多文化環境の創出に力を入れています。英語やほかの言語を日常的に使用する機会を設け、さまざまな文化的背景をもつ教師や友だちとの交流を通じ、子どもたちは自然に国際的な視野を広げていくのです。国際バカロレア認定校・ぐんま国際アカデミー(群馬県)は、初等部、中等部、高等部の授業の約70%を「英語で考え、英語を聞き、英語を話す」という「英語イマージョン教育」で行なっています。学校生活の大半を英語で過ごすため、英語レベルは一般的な子どもと比べると桁違いです。なんと2023年には、小学6年生の児童が大学上級程度とされる英検1級に合格しています。しかし、英語習得だけが多言語教育の目的ではありません。あくまでも国際的な視野を広げ、「グローバルな世界の中で自分の人生を自分で切り拓ける子どもたちを育てる」ことが、IB PYPの教育目標なのです。(カギカッコ内引用元:ぐんま国際アカデミー|先生からのメッセージ)IB PYP導入の教育効果3つIB PYPの教育方針や特徴は理解できたけれども、実際の教育効果はいかほどなのか?と考える親御さんも少なくないでしょう。そこで、IB PYPを導入した幼稚園に通わせることによって伸びる力をまとめました。教育効果1:批判的思考力と問題解決能力の向上IB PYPを導入した幼稚園では、子どもたちの批判的思考力と問題解決能力の向上が報告されています。探究ベースの学習を通じて、子どもたちは質問を投げかけ、仮説を立て、検証するプロセスを繰り返し経験します。これにより、論理的思考力や創造的問題解決能力が自然に育成されます。教育効果2:言語習得能力の向上IB PYPでは、母語の発達を大切にしながら、同時に第二言語(多くの場合英語)の習得も促進します。上述した「英検1級合格の6年生」の例があるように、日常的に複数の言語に触れる環境により、子どもたちの言語習得能力は著しく向上するのです。特に、聞く力や話す力が自然に伸びていく傾向があります。教育効果3:社会性とコミュニケーション能力の発達グループ活動や協働プロジェクトを通じて、子どもたちの社会性とコミュニケーション能力が大きく発達します。他者と協力して課題に取り組むプロセスで、自己主張と他者理解のバランス、効果的なコミュニケーション方法、リーダーシップとフォロワーシップなどを学びます。IB PYPを導入している全国の幼稚園ここ数年で、日本国内でもIB PYPを導入する幼稚園が増加しています。最後に、日本国内でIBのPYPを導入している幼稚園を10校ご紹介しましょう。■ぐんま国際アカデミー(群馬県)【幼・小・中・高】■つくばインターナショナルスクール(茨城県)【幼・小・中・高】■カルガモ イングリッシュスクール(埼玉県)【幼稚園のみ】■キッズ大陸フロンタウン生田園(神奈川県)【幼稚園のみ】■横浜インターナショナルスクール(神奈川県)【幼・小・中・高】■Tokyo West International School(東京都)【幼・小・中・高】■国際バカロレアPYP認定校 町田こばと幼稚園(東京都)【幼稚園のみ】■静岡サレジオ幼稚園(静岡県)【幼稚園のみ】■若草幼稚園(長野県)【幼稚園のみ】■関西国際学園(兵庫県)【幼・小・中・高】■つきのひかり国際保育園(広島県)【幼稚園のみ】■福岡インターナショナルスクール(福岡県)【幼・小・中・高】こちらの10校は、2024年8月28日現在、国際バカロレアのPYPを導入しグローバルな視点をもつ教育を実践しています。ただし、IBプログラムの導入状況は変更される可能性があるため、詳細や最新情報については各園・学校に直接お問い合わせいただくことをおすすめします。また、この一覧には含まれていませんが、ほかにもIB PYPの候補校や、IB PYP導入を検討している学校が多数存在しています。日本におけるIB教育の普及は進んでおり、今後さらに多くの学校がPYPを含むIBプログラムを採用するはずです。***それぞれのHPを見てみると、IB PYPを導入した幼稚園は、探究心旺盛で、批判的思考力をもち、国際的な視野をもつ子どもたちの育成に成功していることが伝わってきます。みなさんもぜひ、各幼稚園のHPをのぞいてみてください。外国人教師となにやら真剣な表情で作品をつくっている様子、大勢の前でのプレゼンテーション、体全体を使ったダイナミックな外遊びなど、「ここは日本?」と感じる写真がたくさんありますよ。グローバル化が進む現代社会において、IB PYPの理念と実践は、未来を担う子どもたちに必要不可欠なスキルと態度を育成する有効な教育アプローチとして、今後さらに注目されていくでしょう。(参考)International Baccalaureate|国際バカロレア(IB)の教育とは?International Baccalaureate|PYPのつくり方International Baccalaureate|初等教育プログラム(PYP)に関する主な研究結果文部科学省 IB教育促進コンソーシアム|PYP(Primary Years Programme)国立研究開発法人 国立環境研究所|出前授業 in つくばインターナショナルスクール国際バカロレアPYP認定校 町田こばと幼稚園|教育内容ぐんま国際アカデミー|先生からのメッセージ
2024年09月02日「読書習慣を身につけさせたいのに、スマホやゲームばかり……」こんな悩みを抱えている親御さんは少なくないのではないでしょうか。子どもと本の関係に頭を悩ませていませんか?もしお子さんが「紙の本」に興味がもてないのであれば、電子書籍などのデジタルを活用するという選択肢もあります。じつは、デジタルデバイスを使った読書には、子どもたちにとって意外なメリットがあるのです。今回は、デジタル時代の新しい読書スタイルと、それが子どもたちにもたらす効果について詳しくご紹介します。お子さんの読書習慣づくりに、新たなヒントが見つかるかもしれませんよ。読書量が多い子ほど「4教科の偏差値平均」が高い本を読むことで身につく力や、読書習慣があることによって広がる可能性について、こどもまなび☆ラボではたくさんの記事として紹介してきました。みなさんも、読書の重要性を知っているからこそ、わが子が自ら進んで本を読むことを望んでいるのではないでしょうか。特に、読書と学力の因果関係についてはさまざまなデータが公表されており、ベネッセ教育総合研究所の調査によると、「読書量が多い子どもほど4教科(国語・算数・理科・社会)の偏差値平均が高い」ことが実証されています。さらに、国立青少年教育振興機構青少年教育研究センターが実施した調査では、「子どもの頃の読書量が多い人は、そうでない人よりも意識・非認知能力や認知機能が高い傾向がある」と結論づけています。具体的には、自己理解力・批判的思考力・主体的行動力の3つの能力が高まるそう。自己理解力:「今の自分が好きだ」「自分には自分らしさがある」などの自己肯定感を包含批判的思考力:「ものごとを順序立てって考えることが得意だ」など客観的、多面的、論理的に考える力、自分あるいは他者の意見をまとめる力、コミュニケーション力を包含主体的行動力:「分からないことはそのままにしないで調べる」など何事にも進んで取り組む姿勢や意欲(引用元:国立青少年教育振興機構|子どもの頃の読書活動の効果に関する調査研究~「読書離れ」の実態と、「読書好き」を育てるヒント~)※太字は編集部で施したこのように思考力や行動力、自己肯定感が高まるなど、学力面以外でも読書の効果は計り知れません。そのため、幼いうちから絵本の読み聞かせに力を注いだり、図書館で何冊も本を借りたりと、子どもが本を好きになるようにあらゆるアプローチをしてきた親御さんも多いはずです。その結果、読書が好きになった子もいれば、成長するに従ってゲームやスマホなどに夢中になり、読書への興味が薄れてしまった子もいるでしょう。このまま社会のデジタル化が進めば、アナログな「紙の本」を読む子どもは減少し続けるかもしれません。しかし、デジタル機器を使った読書ならどうでしょうか?紙の絵本もデジタル絵本も、幼児の内容理解に差はない!とはいえ、デジタルメディアより紙の本のほうが、やはり効果があるのでは?という考えも拭えませんよね。しかし、実際にそれらを比較した研究データを見てみると、意外な結果に驚かされるでしょう。東大大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター(東大CEDEP)とポプラ社の共同研究プロジェクトとして、紙とデジタルの絵本の読み聞かせを比較したところ、「紙とデジタルでは絵本の内容理解に差はなく、幼児は初めて出会ったデジタル絵本でも紙の絵本と同じように楽しむことができる」という結果が出たそうです。またこの調査結果について、東大CEDEP特任教授の佐藤賢輔氏は、「デジタル絵本は子どもの発達に良くないのでは、内容を理解できないのでは、内容よりも機器の操作やナレーションなどデジタル特有の特徴の方に注意が行ってしまう」といった心配はほとんどないと結論付けています。(カギカッコ内引用元:東大新聞オンライン|デジタル社会の今、読書は大事?東大CEDEP×ポプラ社「子どもと本」の関係を研究する)さらに学年が上がると、電子書籍を利用する子どもは増え、その利点を実感しているというアンケート結果も出ています。平成30年度に実施した文部科学省委託の「子供の読書活動の推進等に関する調査」によると、電子書籍を読んだ子どもは以下の点をメリットだと感じているようです。持ち運びや入手にあたっての利便性ひとつのデバイスで複数の本が読めるキーワード検索などでわからない言葉をすぐに調べられる文字を大きくすることができる(上記参照元:文部科学省|子供の読書活動の推進等に関する調査研究 報告書概要版)以上のことからも、デジタルデバイスという手に取りやすく操作性が高いツールを使うことは、子どもにとって効率的な読書法として浸透しつつあると考えられます。おすすめの「デジタル絵本&デジタル児童書サービス」近年では、デジタルならではの利点を活かしつつ、従来の紙の本の魅力も損なわないよう工夫されたサービスが増えています。そんな、デジタル絵本と児童書の世界への入り口となる2つのサービスをご紹介しましょう。■デジタル絵本なら「絵本ナビプレミアム」デジタル絵本なら「絵本ナビプレミアム」月額1,480円(税込)がおすすめです。約4万冊の絵本が楽しめるサブスクリプションサービスで、人気作品や季節の絵本など、豊富なラインナップが魅力です。子どもの年齢や興味に合わせて絵本を選べる機能も便利。年間2,000万人が利用する絵本・児童書の情報サイト「絵本ナビ」が運営しているだけあって、動画見放題(絵本ムービー)、絵本コンシェル(無制限)といったサービスも充実しています。■デジタル児童書なら「Amazon Kids+」デジタル児童書を探すなら「Amazon Kids+」のラインナップが充実しています。ハリー・ポッターシリーズ全巻や、日本・世界の名作、児童文庫、学習マンガや科学の本など、とにかく児童書の品揃えが豊富で、ベストセラーから最新作まで幅広い!Kindleアプリを使えば、スマートフォンやタブレットでいつでもどこでも読書を楽しめます。デジタル書籍サービスを「4年間」愛用してみた!じつは、筆者の娘も電子書籍愛用者です。きっかけはコロナ禍でした。当時小学5年生の娘は暇を持て余し、ゲームやタブレットばかり……。そこで、筆者自身が長年愛用していたアマゾンの電子書籍リーダー「Kindle」を、子ども用にともう1台買い与えたところ、暇つぶし以上の効果を発揮したのです。一般的なタブレットやスマホではなくKindleにした理由は、「読書専用デバイス」であることから操作がシンプルで、「本を読む」ことに特化しているから。また、購入した「キッズモデル」には、子どもに最高の読書体験を提供するためのさまざまな特典が付いていたことも決め手になりました。本体のセットに含まれている「Amazon Kids+」というサブスクリプションは、1,000冊以上の子ども向けの本がなんと1年間読み放題!上述したように、児童文学の名作から歴史・科学などの学習コンテンツ、子ども向けの現代小説など豊富なラインナップが揃っているので、「読みたい本がない」ということはまったくありませんでした。ちなみに、Kindleが届いてから各種設定を完了させ、娘が実際に使い始めるまで30分弱。娘はすぐに自室にこもり、読みたい本を自分でダウンロードしてどんどん読み始め、何時間も夢中になって「本選び」と「読書」をしていたようです。といっても、読書に集中するというよりも、新しいデバイスに触れたことや、スムーズな操作性に導かれて好奇心が刺激された結果、「これから私はこんなにたくさんの本を選んで、読むことができるんだ」というワクワク感を味わっていたように感じます。また、端末自体はネットにつなげていましたが、「読みたい本を探す→ダウンロードする」「知らない言葉をその場で調べる」程度のネット利用だったので、状況に応じてネットワーク接続を不可にすることもありました。データをダウンロードしてしまえば、ネットにつながっていなくても読書を楽しめるので、外出先や移動中でも重宝しています。画像:デジタル書籍を夢中になって読む筆者の子ども受け身の読書→デジタル書籍を乱読→主体的な読書もともと紙の本を読むこと自体には抵抗はなかったものの、積極的に読書を楽しむタイプではなかった娘。「友だちがおすすめしてくれた本」や「図書室で人気がある本」には興味を示しても、「次はこの本を読みたい!」「こういうジャンルの本が好き!」といった強い意思はありませんでした。親としては「本をまったく読まないわけではないけど、読書に対して受け身の姿勢が気になる……」とモヤモヤした気持ちを抱えることも。しかし、「Kindle」で読書をするようになってからは、いままで読まなかったジャンルの本も積極的に読むようになりました。これはいわゆる「乱読」では?と思われるかもしれません。しかし、児童文学評論家の赤木かん子氏のインタビュー記事『「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの』では、「つまらない本を知らないと、『この本はおもしろいんだな』ということがわかりません。子どもには膨大な時間がありますから、乱読することで感覚やものを見る目を養わせましょう」と赤木氏は述べています。「乱読」にもプラスの効果が十分にある、と言えるということですね。1,000冊以上の本を乱読しながら、「読みたい本を自分で選ぶ練習」ができる点も、電子書籍の魅力でした。とにかくたくさんの本に触れることで、自分なりの感性や選ぶ力が磨かれたはずです。また、子どもが選んだ本は親もチェックできる設定になっているので、「へ〜、こういう内容に興味があるんだ」「結構難しいジャンルにも挑戦してるな」など、娘の意外な一面を知ることもできました。まさに「乱読」を楽しんでいる姿を目の当たりにして、受け身の読書から能動的・主体的な読書へと変化する様子を感じたのを覚えています。画像:子どものKindle画面(上)と親の管理画面(下)4年間使い続けた結果、「本は気軽に楽しむもの」として定着!現在、Kindleを使用し始めてから4年が経過しました。そのあいだに中学校に入学したため、部活や塾などで忙しくなり読書する時間は減ってしまいました。ですが、読みたい本があれば「お母さん、あの本Kindleで買ってくれる?」とお願いされたり、私が読んでおもしろかった本を娘の端末に共有してあげたりと、デジタル書籍の利点を活かした使い方を継続しています。何よりうれしいのは、読書へのハードルが下がったことにより、ちょっと興味があれば「とりあえず読んでみようかな」とすぐに読み始める習慣がついたこと。デジタル書籍だけでなく、紙の本も同様に、興味があればすぐに手にとる姿をよく目にしています。もちろん中学生らしく、スマホやゲームに夢中になる時間もありますが、それらと同じ位置にいまも「読書」があるのは、デジタル書籍に慣れ親しんだおかげであるのは間違いありません。書店や図書館に出向いて本を選ぶ時間や、購入する際の費用、本棚のスペースなどを考慮すると、紙の本では負担が大きいと感じますが、デジタル書籍をうまく活用すればそれらの問題も解決できますね。また、Kindleには親が設定・管理できる「ペアレンタルコントロール」というサービスがあり、端末のロック機能や1日の使用時間の設定、子どもの年齢に適したコンテンツのみが表示されるようにするなど、安心して使えるように親が設定できます。何をどれくらい読んだかなど、週単位、3か月単位で使用状況を可視化できるのも便利です。さらに、親が購入した本を共有できる「コンテンツ追加機能」を使えば、親子のコミュニケーションを深められますよ。実際に数年間使ってみて実感したのは、親がしっかりと管理をしたうえで使用すれば、デジタル書籍は子どもにとって、より広い世界を知ることができるツールになるということ。膨大なデジタル書籍のなかから、おもしろそうな本を自分で選ぶ「判断力」や「決断力」、わからない言葉の意味をその場ですぐに検索して解決する力、いつもとは違うジャンルの本を読んで知識を広げようとする「探究心」や「知的好奇心」など、いつの間にか身についた力は、いずれきっとお子さんの人生の糧になるでしょう。***長年、紙の本に親しんできた親世代は、デジタル端末を使った読書に対して抵抗感があるかもしれません。「最初から子どもにとっての本は紙媒体に限ると決めつけるのではなく、紙かデジタルか、子どもの好みやメディアの特徴に応じて、読書の形を選べるようになったらよい」と佐藤氏が述べるように、お子さんにとって最適な読書環境を与えるきっかけとして、デジタル読書も選択肢に入れてみませんか?文/野口燈(参考)株式会社ベネッセホールディングス ニュースレター|【小学生の読書に関する実態調査・研究】読書は学力が低い子どもたちに大きなプラス効果 「自分で調べる」「話題が増える」幅広いメリットが明らかに国立青少年教育振興機構|子どもの頃の読書活動の効果に関する調査研究~「読書離れ」の実態と、「読書好き」を育てるヒント~HugKum|デジタルは「子どもの本離れ」を救う︎電子書籍サービスで読書量が増加東大新聞オンライン|デジタル社会の今、読書は大事?東大CEDEP×ポプラ社「子どもと本」の関係を研究するHugKum|「読み聞かせ」子どもの発達の関係性、「デジタル」が子どもたちにもたらす影響など【東京大学×ポプラ社】が驚くべき研究成果を発表文部科学省|子供の読書活動の推進等に関する調査研究 報告書概要版STUDY HACKER 子どもまなび☆ラボ|「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの絵本ナビ|絵本ナビプレミアムAmazon|Amazon Kids+
2024年08月30日(この記事はAmazonアフィリエイトを含みます)カレーのスパイシーな香り、パスタのもちもちとした食感、寿司の彩り豊かな姿。それぞれの料理には、その土地の歴史や文化が凝縮されています。家族で異国の料理を作ったり食べたりすることは、子どもたちの好奇心を刺激し、世界の多様性を楽しく学ぶチャンスとなるでしょう。この記事では、異文化体験の意義、各国の食文化、家庭料理のレシピを紹介します。おいしく食べて、子どもたちの心を育む、そんな世界の食卓を見ていきましょう。異文化理解の入り口は「世界の食事」にありグローバル化が進む現代社会において、異文化理解は子どもたちにとって不可欠なスキル。そしてその異文化理解の入り口として理想的な手段のひとつは、世界の食文化を学ぶことです。文部科学省の資料によると、国際理解を目的とした教育プログラムにおいて、「諸外国の生活や文化」などを体験したり調査したりする探究的な活動が推奨されています。その活動のなかで重要とされているのが、「諸外国の料理を作って食べる体験を通して,食材の違いや気候・風土との関係について考えたり,食べ方の習慣とその歴史や文化について調べたり,我が国の習慣や文化と比べたり」することです。(カギカッコ内引用元:文部科学省|総合的な学習の時間編)国際感覚豊かな食の体験を通じて、子どもたちは日本以外の文化を受け入れ、楽しみながら異文化への理解を深められるのです。この経験は、将来さまざまな背景をもつ人々とコミュニケーションをとる際の大きな強みとなるだけでなく、グローバル社会で活躍するために必要な適応力と柔軟性を養うことにもつながるでしょう。次の章では、各国の食文化にはどんな魅力が詰まっているのかを探っていきます。世界の食文化を知る。ユネスコの「無形文化遺産」とは?世界にはおいしい料理があふれています。ここでは、5つの国をピックアップしてご紹介します。ユネスコの「無形文化遺産」のエピソードについて、ぜひお子さんと話し合ってみてください。【フランスの食文化】「フランスの美食術」は2010年、ユネスコの「無形文化遺産」に登録されました。フランスの食文化のなかで、「地元の新鮮な食材の使用」「味の絶妙な組み合わせ」「ワインとの相性」「テーブルの美しい飾り付け」など、多くの要素が評価されたのです。フランスでは「食事の時間」を大切にする習慣が、世代を超えて受け継がれています。フランス政府も、学校での食育や伝統料理の記録など、フランスの「食文化」を守るため、さまざまな取り組みを行なっているようです。この登録をきっかけに、世界各国の食文化が「無形文化遺産」として登録され始めました。2013年には日本の「和食」も選ばれています。【イタリアの食文化】イタリアは自然豊かな国で、地域ごとに違う料理がたくさんあります。イタリア人に「おいしい料理」を聞くと、多くの人が「マンマの料理」と答えるそう。日本では「おふくろの味」ですね。その土地の新鮮な食材を使って、愛情たっぷりにつくられた「マンマの料理」が受け継がれて、郷土料理の基本となり、その集合体がイタリア料理となったのです。オリーブオイルやワイン、300種類以上もあるパスタなどが有名なイタリア料理は、フランス料理がルーツという説も。現在ユネスコの「無形文化遺産」に登録申請中のイタリア料理は、「世界の大切な文化」として認められようとしています。【スウェーデンの食文化】北極圏から温暖な平野まで広がるスウェーデンの食文化は、自然の恵みを存分に活かしています。夏から秋には「きのこ狩り」や「ベリー摘み」を楽しみ、家庭菜園で野菜を育てる人も少なくありません。また、厳しい冬を乗り越えるための保存食技術も発達し、「酢漬けニシン」や「グラヴラックス(塩漬けサーモン)」が有名。コーヒー文化も盛んで、「フィーカ」というコーヒーブレイクの習慣があります。さらに、近代的でありながら食の伝統を大切にした「シナモンパンの日」や「ザリガニパーティー」などユニークなイベントも存在します。【メキシコの食文化】「メキシコの伝統料理」は、古代文明と欧州の影響が融合した豊かな歴史をもち、2010年にユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。メキシコ料理の基本は「とうもろこし」「チレ(とうがらし)」「フリホール(いんげん豆)」です。とうもろこしからつくる「トルティージャ」は主食で、これを使った「タコス」は国民食です。「チレ」は単なる辛味だけでなく、深い味わいを作る重要な調味料。「フリホール」は主要なたんぱく源として日常的に食されています。【インドの食文化】インドの食文化は、その広大な国土と多様性を反映しています。宗教の影響でベジタリアンが多く、豆や乳製品が重要なたんぱく源です。「北インド」と「南インド」では料理の特徴が異なり、それぞれ「チャパティ」や「ドーサ」などの特色ある主食があります。定食文化も存在し、「ターリー」や「ミールス」として知られています。スパイスのブレンド「マサラ」は各家庭の伝統として受け継がれているようです。この豊かな食文化は、子どもたちに「多様性」「伝統」の大切さを教える素晴らしい教材と言えるでしょう。どの国の食文化も、風土、歴史、宗教などと密接に関わっていることがわかりますよね。大人も子どもも、食から得られる学びは多いはず。ちなみに、ユネスコの「無形文化遺産保護条約」では、「料理」自体は無形文化遺産として認められていません。そのため、無形文化遺産に登録されているのは、食に関連する文化的要素や「社会的慣習」です。これらは料理を取り巻く伝統や習慣、そして食文化の社会的側面を包含しています。(カギカッコ内引用元:レファレンス協同データベース|レファレンス事例詳細)異国の味を家庭で堪能!国際料理レシピ3つ世界の料理はどれも魅力的なのに、家庭でつくるのは難しいと思っていませんか?簡単レシピを3つご紹介しますので、ぜひご家庭で親子一緒にクッキングを楽しんで、その国について話し合ってみてください。【フランスレシピ】卵のココットココット(厚手両手鍋)で作る基本の卵料理。材料やレシピ自体がシンプルなので、アレンジも多様に楽しめます。■材料(6人分)新鮮な卵(大玉)6個濃厚な生クリーム大さじ6やわらかくしたバター5g塩、挽きたてコショウ■作り方オーブンを160度に予熱します。ココットの内側にバターを塗り、塩、コショウを振ります。各容器に生クリーム大さじ1を入れます。卵を1つずつココットに割り入れ、オーブン用の大皿に並べます。大皿の半分程度の高さまで水を入れ、オーブンで約8分焼きます。出来立ての熱々をどうぞ。(材料・レシピ引用元:在日フランス大使館|卵のココット)おすすめの付け合わせは、トーストしたバゲットなどのパン。野菜やきのこなどを加えるとまた違った味が楽しめます。材料は卵を割り入れる前にココットに入れましょう。大人は、アレンジ具材に合わせたワインと一緒にどうぞ!【スウェーデンレシピ】ラッグムンクスウェーデンのポテトパンケーキは簡単につくれる家庭料理のひとつ。ベーコンやリンゴンベリージャムを添えるのが定番です。■材料(4人分)じゃがいも800g卵1個小麦粉150mlミルク300ml塩小さじ2バター50g■作り方卵、小麦粉、ミルクでパンケーキの生地を作ります。じゃがいもの皮をむき、すりおろし、塩を加えます。フライパンにバターを溶かし、生地を入れて中火で焼きます。焼きたてをお召しあがりください!(材料・レシピ引用元:在日本スウェーデン大使館公式インスタグラム SWEDENINTOKYO|2021年10月29日投稿)じゃがいもは「チーズおろし」や「千切りカッター」などですりましょう。すったじゃがいもを生地と混ぜて焼くだけで、香ばしいパンケーキのできあがり。簡単なので、お子さんとの共同作業にぴったりです。【メキシコレシピ】きのこのケサディージャケサディージャはトルティージャにチーズを挟んで焼いた料理。タコスと並んで人気のメキシコのファストフードです。■材料(12個分)トウモロコシのトルティージャ12枚【具(詰めもの)】チーズ160g(とろけるチーズなら何でも。ピザ用、モッツァレラ、ゴーダチーズでも可)きのこ180g(マッシュルーム、しめじ、しいたけ、まつたけ、など)サラダ油大さじ2塩・こしょう適量■作り方最初にトルティージャを作ります。(*)ケサディージャの具を作る。きのこを刻む。フライパンを温め、サラダ油を注ぐ。フライパンできのこを炒め、塩こしょうで味をととのえる。味が物足りなければ、トマト、玉ねぎ、唐辛子を加えてもよい。フライパンにトルティージャをのせ、その上に炒めたきのことチーズをのせる。トルティージャを半月状に折りたたみ、チーズが溶けたら出来上がり。サルサやワカモレをつけて、お召し上がりください。(材料・レシピ引用元:メキシコ大使館|メキシコのキッチンから和の食卓へ 在日メキシコ大使館 第三版.pdf)(*)トルティージャは、市販品を使うと簡単です。筆者の一押しは、KALDI COFFEE FARMの「【冷凍】ラ・コロナコーントルティア454g」。とうもろこしの風味が香ばしいコーンタイプのトルティージャです。どれも各国の代表的な家庭料理です。料理を通して、楽しく学び、異国の味を堪能してください。各国の食文化を紹介しているサイト&書籍最後に、各国の食文化を紹介しているサイトや書籍を紹介します。お子さんはどの国に興味をもつでしょうか?特に、大使館系のイベントは好奇心旺盛なお子さんにこそチャレンジしてほしい異文化体験です。「食」だけでなく、その国の文化や言語を肌で感じられるので、かなりおすすめ!■明治の食卓比べてみよう!世界の食と文化株式会社明治が運営するウェブサイトでは、世界24か国の歴史、文化、生活などが、食文化を中心にわかりやすくまとめられています。写真を交えながら紹介されており、読み応えは十分です。「食」といっても、料理だけでなく食材や食文化の背景まで詳しく書かれているため、子どもたちの理解を深める内容となっています。■パーティアニマルズ 国際交流イベント情報館大使館や米軍基地等の情報を中心に、東京近郊の国際交流イベントを紹介するサイトです。各国大使館主催の異文化交流は、子どもの世界観を広げる絶好の機会です。家族で楽しめるバザーやお祭りを通じて、日本にいながら世界の文化や味を体感できます。食や遊びを通じた異文化体験は、子どもの心に残る思い出になるでしょう。楽しみながら国際感覚を育む、魅力的なイベントをぜひチェックしてみてください。■『せかいのりょうり (小学館の図鑑NEO まどあけずかん 7)』(小学館)WALNUT(イラスト), 青木ゆり子(監修)幼児向け絵本です。100か所以上の仕掛け窓が仕込んであり、窓のなかから世界各国の200種類以上の食材や料理が登場します。目で楽しみながら、食文化を学べる図鑑です。 ■『世界の市場 : おいしい! たのしい! 24のまちでお買いもの』(河出書房新社)マリヤ・バーハレワ(著), アンナ・デスニツカヤ(イラスト), 岡根谷実里(翻訳)世界の「食」の風景が、市場を通して見えてくる本です。市場は食文化の原点。食材や代表的な料理、簡単レシピ、市場に行くときの持ち物まで、詳しく紹介されています。買い物に必要な通貨や言語表現も記載してあるので、旅に持参したくなるはず。市場の様子を活き活きと描いたイラストが子ども心をくすぐりますよ。「おいしそう!」と子どもが興味をもった料理を、実際につくったり、レストランに行って食べたりして、すぐに実体験できるのが、「食」の魅力ですね。***「食」は世界をつなぐ架け橋です。いろいろな国の料理を体験することで、子どもたちの異文化への好奇心と理解が自然と育まれます。家族で楽しむ食卓が、将来の相互理解の種まきとなるのです。小さな一皿から、大きな世界へ。グローバルな食育をさっそく始めてみませんか?(参考)文部科学省|総合的な学習の時間編レファレンス協同データベース|レファレンス事例詳細フランス観光開発機構公式サイト|フランス料理はユネスコの無形文化遺産スウェーデン観光文化センター 在日スウェーデン大使館公認観光情報サイト|スウェーデン料理―豊かな歴史、確かな未来Asahi Kasei|世界の料理 メキシコAsahi Kasei|世界の料理 インドtaiwa京都調理師専門学校|イタリア料理の歴史と味との深い関係メキシコ大使館|メキシコのキッチンから和の食卓へ 在日メキシコ大使館 第三版.pdf在日フランス大使館|卵のココット在日本スウェーデン大使館公式インスタグラム SWEDENINTOKYO|2021年10月29日投稿CORE|イタリアの食文化と食育に関する一考察株式会社明治|比べてみよう!世界の食と文化パーティアニマルズ 国際交流イベント情報館|国際交流 イベント情報
2024年08月21日(この記事はAmazonアフィリエイトを含みます)練習ではうまくできるのに本番になると実力を発揮できない子や、ちょっとしたことですぐに落ち込んでしまう子に対して、「もっと精神的な強さを身につけてほしい」と願う親御さんは多いのではないでしょうか。繊細さや慎重さはよい面でもありますが、ここぞというときには自分の力を信じて全力を出し切ってほしいですよね。今回は、「子どものメンタルを強化する方法」をテーマに、専門家やメンタルトレーナーのアドバイスを参考に解決法を考えていきます。習い事の発表会やスポーツの試合、大事な試験当日など、本番で力を発揮するために日ごろからできる声かけなどもご紹介しますよ。子どものメンタルはトレーニングで鍛えられる!同じ出来事が起こっても、現実を受け止めて自分を鼓舞できる前向きな人と、とことん落ち込んで「だから自分はダメなんだ」とネガティブに捉える人がいませんか?じつはこの物事の受け取り方の差は「無自覚な思考習慣」にあるのです。その違いについて、一般社団法人全国心理業連合会代表理事を務めるメンタルトレーナーの浮世満理子氏は次のように指摘しています。実は、何か起きた時に「落ち込んでしまう人」というのは、理由がわからずに落ち込んでいることが多いんです。人間の思考パターンとして、わからないことがあると、勝手に悪いことを想像してしまうんですよ。監督が自分のことを嫌っているとか、自分と仲の悪いあいつが活躍しているとか。たとえ「自分の方が下手だから」と気づいても、無理やり他のところに理由をこじつけ始める。このように、理由が明確ではないことを悩んでいる人は本当に多いです。(引用元:サッカーキング|「しんどい時に人の本質が表れる」…メンタルトレーナーがトップアスリートに教える目標設定のコツ)つまり、「落ち込んでしまう人」は不明確な状況で自動的にネガティブな想像をし、本当の原因とは関係ない理由に悩む傾向があるということ。また「人間はプレッシャーがかかると、自分ができないところに意識が向いて、力みが出てしまう」と浮世氏が言うように、思考のクセは無意識です。(カギカッコ内引用元:同上)特に不安を感じやすい子にとっては、プレッシャーを乗り越えるのは容易ではありません。しかし、根本の気質を変えるのは難しくても、対策やトレーニングによって思考のパターンを変えることは可能です。メンタルを強くするためにも、思考のパターンを変えるトレーニングは有効です。これを日常的に取り入れることで、少しずつではありますが、着実に変化が表れるでしょう。次項の6つの方法を参考に、ぜひ実践してみてくださいね。メンタルを鍛えるための「効果的な6つの方法」ここからは、すぐに実践できる簡単なメンタルトレーニングを6つご紹介します。大事な試験の前やスポーツの試合前、習い事の発表会前など緊張が高まる場面はもちろん、友だち付き合いに悩んでいたり、失敗して落ち込んでいたりする時にも応用できますよ。【方法1】「スモールステップクリア」を毎日続ける「自信を失っている状況であれば、確実に達成できる目標にハードルを下げた方がいい」と浮世氏がアドバイスするように、毎日プチ目標を立てて次々と達成していくことを続けてみましょう。「遅刻せずに練習に行く」「元気に挨拶をする」「忘れ物をしない」など、当たり前にできていることでもOKです。このような小さな目標=スモールステップをクリアする日々が続けば、いつの間にか自信がついてきます。すると、「次は少し背伸びした目標設定ができるようになり、難しいことにもチャレンジできるようになる」そうですよ。(カギカッコ内引用元:同上)【方法2】結果よりも「努力したプロセス」をほめるスポーツでも勉強でも、つい結果や成績にばかり目が向いてしまいがちですよね。しかし、スポーツメンタルトレーナーの伴元裕氏は、「『1位になれなくて残念だったね』と声かけをしてしまうと、子どもは『どれだけ努力しても勝たなければムダなのかな……』という思考に陥ってしまうリスクがある」と指摘します。結果を最優先すると、練習などのプロセスが大きなプレッシャーとなり、喜びを感じるのが難しくなってしまいます。そして意欲も低下してしまうのです。そこで、日ごろから「今日のためにしっかり準備していたの見ていたよ」と、努力した姿ほめてあげることで、子どもはプロセスに価値を見出すようになるでしょう。(カギカッコ内引用元:マナビスタ|スポーツメンタルトレーナーに聞く、子どものやる気をぐんと引き出す声かけ【第1回】)【方法3】40秒間、否定せずに子どもの話に耳を傾ける親子での会話に取り入れたいのは、伴氏が提案する「40秒ただひたすら子どもの話に耳を傾け、否定しないようにする」という方法。「40秒の思いやり」とも呼ばれるこの方法は、子ども自身が自分で考えて発した言葉によって気づきを得ることが目的であり、次の3つの点が強化されるそうです。失敗に目を向け、そこから学びやすくなる失敗への恐れが薄れ、挑戦しやすくなる緊張を和らげ、実力発揮が促される大人が期待するような発言は出てこないかもしれませんが、大事なのは発する言葉の中身ではなく、投げかけられた問いに対して返事をするまでの「内省の時間」です。子どもが自分自身と向き合う時間を尊重してあげましょう。(カギカッコ内引用元:同上)【方法4】本番前は「ポジティブな言葉がけ」を心がける習い事の発表会や試験に臨む子どもに向けて、「脅しや嘘ではない、なるべくポジティブな言葉がけが大切」と述べるのは、「励ましの言葉」を意味する「ペップトーク」の第一人者、日本ペップトーク普及協会代表理事の岩﨑由純氏です。本番前に、「ミスしたらダメだよ!」「負けたら〇〇買ってあげないよ!」などネガティブな言葉をかけられると、よりプレッシャーが高まってよい結果につながらないのは明白ですよね。「頑張って練習したんだから大丈夫だよ」「終わったらパフェ食べに行こうね」など、適度にリラックスできるポジティブな言葉をかけてあげるように意識しましょう。(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの成功も失敗も、親の言葉がけ次第!「ペップトーク」が持つすごい力とは)【方法5】「緊張は味方にできる!」と子どもに教えるどんなにポジティブな気持ちで本番に臨んでいても、本番直前で緊張するのは仕方のないこと。ドキドキが止まらなかったり、汗をかいたり手足が震えたりと、生理的反応を感じたときこそ、「緊張を自分を鼓舞する材料にする。つまり、味方につける」ことの重要性を岩﨑氏は説いています。親や指導者は、はじめて緊張を味わった子どもに、その緊張をしっかり味方にすることを教えることが大切です。「緊張するということは、あなたが本気になった証拠だから大丈夫だよ」「緊張を味方にできたら、練習以上にすごいことができるよ」と声をかけてあげて、緊張をポジティブに変換できるよう導いてあげましょう。(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|本番に強いか弱いかは価値観で決まる。「緊張を味方につける方法」の教え方)【方法6】「得意な科目」や「好きな勉強」を優先させる中学受験などを意識するようになると、親はつい、苦手な教科や点数が低い科目をなんとかしようと焦りがちですが、本人にプレッシャーを与えて逆効果になることもあるため、注意が必要です。そこで、中学受験メンタルトレーニング協会代表の大柳美紗氏がおすすめするのは「好きな科目を優先して伸ばす」こと。大柳氏によれば「得意科目や好きな科目をさらに伸ばすために力を注げば、心が前向きになって自分に自信がついてきます。人よりも得意なものがあると、自信とやる気がグンと上がり、不得意科目への挑戦意欲がわくことも」あると言います。さらに、総合点で合否が決まるような中学受験においては、得意な科目で点数を稼ぐのも作戦のうち。できないことに目を向けるのではなく、本人が好きなことや得意なことを伸ばしてあげましょう。(カギカッコ内引用元:エデュナビ|中学受験で溜まるストレス!実体験で得たメンタルトレーニング)勉強面でのサポートにも効く!超おすすめ “メントレ本”そもそもメンタルトレーニングの目的は、スポーツの世界においては結果を出すことが第一。メンタルトレーナーの清水利生氏は、「自分の実力を上げる『レベルアップ』と、試合で実力を発揮する『ベストエフォート』の両方をサポートすること」がメンタルトレーニングであり、結果が出れば自信がついて、自己肯定感が高まるという相乗効果にも言及しています。自信があるからメンタルが強い、というわけではなく、「メンタルを鍛えれば結果につながり、良い結果が出れば自信がついて自己肯定感も高まる」というわけです。このように、メンタルトレーニングには、スポーツで結果を出すこと以外にも、子どもの将来や日常生活にもよい影響を及ぼす効果が期待できることを清水氏は説いています。最後に、清水氏の著書をご紹介します。スポーツや勉強を通じて子どもに身につけさせたい方はもちろん、勉強面でのサポート、ビジネスシーンにおける部下の育成にも生かせる内容となっています。子どもたちの可能性を最大限に伸ばす方法が満載ですよ!(カギカッコ内引用元:『スポーツの本番に強くなる!子どもメントレ』)『スポーツの本番に強くなる!子どもメントレ』(東洋館出版社|清水利生・著)***メンタルトレーニングと聞くと、専門的で難しい知識が必要であるように感じますが、日常生活のなかでもできることはたくさんあります。ちょっとした言葉がけで、子どものやる気が高まったり、自信がついてチャレンジ精神が育まれたりすることも。メンタルを鍛えて、ポジティブな気持ちをもち続けていれば、大きな困難にぶつかったときもきっと乗り越えられますよ。文/野口燈(参考)サッカーキング|「しんどい時に人の本質が表れる」…メンタルトレーナーがトップアスリートに教える目標設定のコツマナビスタ|スポーツメンタルトレーナーに聞く、子どものやる気をぐんと引き出す声かけ【第1回】マナビスタ|スポーツメンタルトレーナーに聞く、子どものやる気をぐんと引き出す声かけ【第2回】STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの成功も失敗も、親の言葉がけ次第!「ペップトーク」が持つすごい力とはSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|本番に強いか弱いかは価値観で決まる。「緊張を味方につける方法」の教え方エデュナビ|中学受験で溜まるストレス!実体験で得たメンタルトレーニングTOYOKAN BOOKS オンライン|保護者必見!親のサポートで9割決まる︎本番に強い子に育てるスポーツメンタルトレーングとは?
2024年08月20日(この記事はAmazonアフィリエイトを含みます)「論理的思考力」と聞くと、ずば抜けた頭の回転の速さや優れた理解力など、特別な訓練を経て得られる能力のように考えがち。しかし、論理的思考力は幼少期から家庭で鍛えることができます。物事を筋道立てて考え、合理的な結論を導き出して問題解決する力を身につけておけば、将来必ず役立つでしょう。今回は、論理的思考力がなぜこれからの時代に求められるのかを解説。家庭でも気軽に取り入れられるコツと、おすすめのドリルも紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。これからの社会で活躍するなら、論理的思考力は必須!ここ数年で「論理的思考(ロジカルシンキング)」の重要性は広く知られるようになりました。特に、これからの社会で活躍するために身につけておきたい必須スキルとして、わが子の「論理的思考力」を伸ばしてあげたい、と考える保護者の方も多いのではないでしょうか。学習塾「スクールETC」代表の若泉敏氏によると、論理的思考力とは「同じものや違いに着目して物事を区別し、あれとこれの関係やつながりがわかるように考えて判断し、さらに判断した根拠を明らかにしたうえで、相手にわかりやすく説明する力」であり、学習や日常生活の問題解決に不可欠であることはもちろん、これからの社会で生きていくために必要な力なのだそう。(カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|第9回「論理的思考力」とは何か)また、「もしテストで不正解があったとしても、論理的思考ができれば『どうして間違えたのか』『自分に足りなかった知識は何か』『どんな勉強が必要か』というようにミスを振り返り、的確に対応することができる」と、算数に特化した学習塾「RISU」の代表である今木智隆氏は述べています。論理的思考力育成には多くの利点があるため、年齢に応じた適切な方法で積極的に伸ばしてあげたいですね。年齢に応じた発達段階と論理的思考力この項では、年齢に応じた論理的思考力の発達段階を見ていきましょう。0~2歳:論理の基礎を体全体で学ぶ時期日本子ども学会常任理事でチャイルド・ラボ所長の沢井佳子氏によると、0~2歳のあいだは、「論理の基礎となる大事な事柄を体全体で学ぶ時期」であり、「並び方の順序の規則性」や「系列」を学ぶ時期。こういった順番の規則性を読み取る力は、時間の繰り返しの理解や、自然数の系列の構造の理解にもつながり、論理的思考力の基礎となるとのこと。3歳:直感による規則性や法則性を探索する時期お茶の水女子大学名誉教授の内田伸子氏らが行った研究では、3歳児は「直感を通じて規則性や法則性を探索する時期」であると指摘されています。この時期に「自分なりの感覚による理解と言葉で表現できるようになること」が、将来の論理的思考の基礎となります。自ら考える楽しさを味わうことで好奇心と探究心が育ち、身近な環境への積極的な関わりを通じて、思考力を発達させていきます。(カギカッコ内引用元:社会福祉法人 日本保育協会|乳幼児の論理的思考の発達に関する研究)4歳:比較・分類・予測を用いて論理を展開する時期周囲の状況に注目し始める4歳児は、「比較・分類・予測を用いて論理を展開する時期」であり、失敗や誤りを通じて疑問や葛藤を経験しながら思考を深めていく時期でもあります。まだ状況把握が完全ではないため、空想と現実が混在した論理を展開することもありますが、この過程を通じて世界への理解を広げ、豊かなイメージを形成していく重要な時期と言えるでしょう。(カギカッコ内引用元:同上)5歳:論理的思考力が飛躍的に発達する時期多様な視点から推察し、因果関係を理解できるようになる5歳以降は、「論理的思考力が飛躍的に発達」します。結果から原因を推測し、科学的な仮説を立てて検証したり、自分の思考を振り返って物事を考えたり結論を導き出したりします。また、コミュニケーション能力が向上し、複雑な思考も可能になるでしょう。(カギカッコ内引用元:同上)6~12歳:具体的思考から客観的思考へ移行する時期6~12歳は、「具体的思考から客観的思考へ移行し、論理的に考える力が発達する時期」です。機械的記憶が向上し、仲間と集団を形成するギャングエイジでと呼ばれるのもこの時期。「やればできる体験」を通じて自己効力感を得ますが、同時に比較や失敗から劣等感も芽生えます。また、自制を学び、社会性が育つ側面もあります。(カギカッコ内引用元:若手教師のためのワンポイント・レッスン|第7.2章子どもとは何か)次項では、論理的思考力を伸ばすための具体的なトレーニング方法をご紹介します。「幼児期(2~5歳)」「小学校低学年(6~7歳)」「小学校中学年(8~10歳)」と学年別に解説していきます。これらのトレーニングを通じて、子どもたちは楽しみながら論理的思考力を磨き、学習や日常生活でのさまざまな課題に対応する力を身につけていくことができるでしょう。幼児期(2~5歳)論理的思考力を鍛えるコツ幼児期(2~5歳)は論理的思考の基礎を築く重要な時期です。この時期に適切なトレーニングを行なうことで、問題解決能力や創造力を大きく伸ばすことができます。以下に、家庭でできる論理的思考力の鍛えるコツを紹介します。鍛えるコツ1:家族でたくさん対話をする子どもの論理的思考力を高める方法として、千葉経済大学短期大学部こども学科教授の横山洋子氏は、「どうしてこれにしたの?」「明日はどこへ行って何をして遊ぶ?」など、子どもの思考を促すような質問を投げかけることをすすめてます。ポイントは、自分の思いや考えを話せる環境を整えてあげることです。鍛えるコツ2:「物語の展開」を考えさせる読書を通じて物語の展開を予測する機会を設けるのもおすすめです。横山氏がアドバイスするように、読み聞かせの際に「どうして亀は浦島太郎を背中に乗せたのかな?」といった適切な声かけをするなど、子どもの思考プロセスを尊重してあげることを意識するといいですね。(カギカッコ内引用元:こそだてまっぷ|【論理的思考】を育むために家庭でできること~「話したい!気持ち」を引き出そう~)小学校低学年(6~7歳)の論理的思考力を鍛えるコツ小学校低学年は、論理的思考力をさらに深化させる重要な時期です。この年齢では、より複雑な思考プロセスを楽しみながら学ぶことができます。以下に、論理的思考力を育むのに最適なアイテムとして、パズルやドリルを紹介します。鍛えるコツ1:キュボロで試行錯誤するビー玉の通り道になる道や溝やトンネルがついた5cmの立方体の積み木「キュボロ」。将棋棋士の藤井聡太氏が幼少期に遊んでいたことで一躍有名になりました。組み合わせ方を間違えるとビー玉はうまく転がってくれないため、試行錯誤しながら積み木を組み立てる必要があります。この過程を経験することで、「うまくいくことにも理由があり、うまくいかないことにも理由がある」という論理性を学べるでしょう。遊びながら思考力・構成力・創造力・集中力を養えます。キュボロ写真:(社)日本知育玩具協会鍛えるコツ2:ドリルで思考力アップ!市販のドリルも、子どもの論理的思考力を鍛えるのにおすすめです。お子さんが楽しみながら続けられそうなドリルを一緒に選ぶのも楽しいですよ。ここでは、小学校低学年でも取り組みやすい4冊をご紹介します!■ドラゴンドリル 小1 けいさんのまき全てのドラゴンは、ゲーム業界で活躍するイラストレーターによる描き下ろしで、教材の域を超えたクオリティ!問題を解けば解くほど、レベルの高いドラゴンを獲得できるので、どんどん勉強したくなるでしょう。【出版社より】1日1枚勉強して、大きなごほうびシールを貼り、ドラゴンのイラストを完成させよう!ゲーム感覚で取り組めて、勉強習慣が身につきます。■マジカル☆オシャレドリル 小2 計算すべてのオシャレ好きの子どもたちに贈る、勉強をワクワクに変えるドリル。ドリルを解いたら「きせかえまほうシール」を1枚ゲットできます。集めたシールを貼って、キラキラ輝く素敵な女の子に変身させよう!【出版社より】キラキラのシールに、夢中になる子が続出!計算のしくみがわかるかわいいイラスト解説つきで、計算が苦手な子でも取り組めます。■宮本算数教室の教材 賢くなるパズル 入門シリーズ 数字・ やさしい卒業生の多くを難関中学に合格させてきた「宮本算数教室」のパズル教材です。数字センスを育む6種のパズルで成長が実感できますよ。【出版社より】大人気パズルの入門編。主に数(数字)を使ったパズルを解き、試行錯誤することで、自然と数学的思考力が身につきます。■ゆるゆる図鑑 読解力ドリル 海の生物 低学年ゆるゆるなイラストで気軽に読める新感覚の生物図鑑『ゆるゆる図鑑』シリーズから、読解力が身につく国語ドリルが登場。子どもたちに人気の全20種の生物の生態について知ることで、読解力が身につきます。【出版社より】無理なく読める短い文章とやさしめの問題で構成された、はじめての文章読解学習に最適なドリルです。お子さまひとりでも取り組めます。文章やデータの中から、必要な情報を見つけ出す力がつきます。小学校中学年(8~10歳)の論理的思考力を鍛えるコツ小学校中学年は、より高度な論理的思考力を育成する重要な時期です。この年齢では、抽象的な思考や複雑な問題解決能力を伸ばすことができます。以下に、小学校中学年向けの論理的思考力の鍛え方と、おすすめのドリルを紹介します。鍛えるコツ1:親が「5W1H」の質問をする開成中学・高校の元校長で現在は北鎌倉女子学園学園長を務める柳沢幸雄氏がすすめるのは、「5W1H」を意識した会話術です。ポイントは、ひとつの発言に対して質問をひとつだけすること。「今日は楽しかった!」「なにをやったの?」「休み時間にいっぱい遊んだ」「誰と?」というように、一つひとつ聞いてあげましょう。この会話を繰り返すうちに、「5W1H」をきちんと整理したうえで話せるようになり、論理的な表現力が身につきます。鍛えるコツ2:ドリルで思考力アップ!小学校中学年にもなると、少し複雑な内容のドリルのほうがやりがいを感じてどんどん進めたくなるはず。ここでは、想像力と創造力、そして知的好奇心が刺激されるドリルを4冊ご紹介します。■空想作文ドリル「文章力」と「想像力」を伸ばす作文ドリル。わくわくするような空想のテーマに沿って自由に書き込むだけで、文章の書き方を楽しく身につけられます。日記や手紙、活動報告文の書き方など、小学校で学ぶいろいろな文章のかたちも収録。【出版社より】「思考力・判断力・表現力」のトレーニングにぴったり。お話を考えるのが好きなお子さまはもちろん、感想文や作文が苦手なお子さまも「楽しくてどんどん進められた!」と人気のシリーズです。小学3~6年生向けですが、興味があれば低学年からでも取り組める内容となっています。■宮本算数教室の教材 賢くなるパズル 論理・推理シリーズ たんてい やさしい卒業生の多くを難関中学に合格させてきた「宮本算数教室」のパズル教材です。推理パズルを謎解き感覚で解くうちに、論理的思考力が身につきます。【出版社より】文章を読み取り、条件を整理して解く推理パズルなので、ナゾトキ感覚で楽しく取り組めて、読解力や論理的思考力が身につきます。■算数と国語の力がつく 天才!!ヒマつぶしドリル ふつうヒマつぶししながら知識と思考力を身につけられる一石二鳥のドリルです。楽しく遊びながらも、しっかりと算数と国語の力が身につきます。【出版社より】算数オリンピックのメダリストを多数輩出する塾の教材がもとになったドリル。普段は勉強があまり好きじゃない子もどんどんやりたくなってしまう、楽しく頭をフル回転させる問題が載っています。■5分で論理的思考力ドリル ちょっとやさしめソニーの研究所のエンジニアたちが生み出した新メソッド「5つの思考回路」を取り入れたドリルです。必要なのは小学4年生までの算数の知識だけ。楽しく効果的に論理的思考力を身につけられます。【出版社より】わかりやすい設定、短い問題文なのに、とても頭を使う奥深い問題ばかりです。社会に出ると必要とされる論理的思考力を身につけましょう!***お子さんの未来の可能性を広げるためにも、日常生活のなかで論理的思考力を育てるトレーニングを実践するのがおすすめです。パズルやゲームはもちろん、市販のドリルを活用したり、親子の会話をちょっと工夫したりするだけでも、論理的思考は育まれますよ。文/野口燈(参考)STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|発達の「順序」がわかれば焦らず待てる!STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|2030年、79万人のIT人材が不足する!?「論理的思考力」が必要なこれだけの理由STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|論理的思考力を上手に育てる!いま人気の立体パズル「キュボロ」の遊び方STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|生きる力をつくる「10歳までの幅広い経験」。子どもに勉強は教えるな!?こそだてまっぷ|【論理的思考】を育むために家庭でできること~「話したい!気持ち」を引き出そう~ベネッセ教育情報|第9回「論理的思考力」とは何か社会福祉法人 日本保育協会|乳幼児の論理的思考の発達に関する研究若手教師のためのワンポイント・レッスン|第7.2章子どもとは何か
2024年08月19日「うちの子、泣き虫で……もっとたくましくなってもらわないと心配」「なにをやっても集中力がなくて、落ち着きもない……困ったな」子どもの性格について、親の心配はつきないもの。「性格だから仕方ないの?」「個性として済ませてしまっていいの?」など、モヤモヤしていませんか。じつは、子どもの「性格」や「個性」は変わります!詳しく説明していきましょう。「気質」は変わらない。でも「性格」「個性」は変わります!泣き虫、引っ込み思案、落ち着きがない――など、子どもの「性格」や「個性」は、年齢を重ねるにつれて変化していきます。発達心理学の専門家で白百合女子大学教授の秦野悦子氏によると、「気質」は生まれつきのものだけれど、「性格」は成長とともに変わっていくものなのだそう。「人間には生まれながらに持ち合わせた『気質』があります。気質とは、外からの刺激に対する反応のしかたの傾向(行動特性)のこと。たとえば、痛みに対して過敏な人もいれば、耐性が高い人もいます。そのような反応のしかたの傾向のことです。性格は、気質をベースにして人とのかかわりや環境などの影響を受けながら、成長とともに形づくられていくものですが、気質はその人の核となるもので、基本的に変わることはありません」(引用元:たまひよ|かんしゃく持ち、引っ込み思案、泣き虫…子どもの性格って、変えられるの?)※太字は編集部が施したつまり、子どもの性格は「気質」+「人とのかかわり」+「環境」でつくられるのです。とはいえ、生まれたばかりの赤ちゃんの「気質」は、親であってもわかりませんよね。では、子どもの「気質」や「性格」はいつ頃から出てくるのでしょう?秦野氏の見解では、子どもの「気質がはっきりと表れてくる」のは、表情が豊かになり、喜怒哀楽がはっきりと現れ始める生後2、3か月頃から。そして「性格がはっきりしてくる」のは、子どもの自我が芽生えて、自分の意思を積極的に表現するようになる2歳頃からとのこと。お母さん、お父さんを困らせる、あの “イヤイヤ期” の時期ですね。(カギカッコ内引用元:たまひよ|かんしゃく持ち、引っ込み思案、泣き虫…子どもの性格って、変えられるの?)乳幼児発達論が専門で北海道大学大学院准教授の川田学氏もやはり、「気質」は変わらないと断言。一方で「個性」については変化する可能性を指摘し、子どもによっては「数か月の間に、大きく変化することもある」とも話しています。たとえば、乳児期に穏やかだった子どもが、驚くほど活発で精力的な性格に変わることもあるのだとか……。〇〇ちゃんは積極的なのに、うちの子はいつも人見知りで……と、悩んでいる親御さんは多いのではないでしょうか?でも、心配ありません。「人間の成長・発達で興味深いところは、前向きで外向的・社交的に見える人が、意外とずっとそのままではないこと」と、川田氏が言うように、個性は変わっていくのです。また、保育に関する多くの著書があり、保育施設・りんごの木代表の柴田愛子氏も、個性は変わるとしているひとり。そして、親が子どもの個性を心配する原因を、「自分の子どもを他の子と比べてしまい、『わが子の個性がずっと続いていく』と思いがち」だから、と分析しています。落ち着きがなかったり、慎重すぎる傾向があったりしても、子どもの個性は、集団生活を送るなかで、まわりの人や環境の影響を受けてどんどん変わっていくのです。柴田氏によると、控えめだった子どもが周囲の影響を受けて、「なんでもいちばんになりたい」と意欲的な姿勢を見せることもあるのだそう。ですから、あまり心配せず、比較せずに見守っていきましょう。(カギカッコ内引用元:NHKすくすく子育て|子どもの個性どう伸ばす?)専門家の意見をまとめると、以下になります。【気質】・・・変わらない(生後2、3か月頃から気質が出てくる)【性格】・・・成長とともに変わる(2歳前後から性格がはっきり出てくる)【個性】・・・成長とともに変わるとはいえ、「いま、子どもの個性に困っている」「子どもの性格のせいで、毎日へとへとだ」などの悩みがある親御さんも少なくないでしょう。次項からは、「慎重すぎる子ども」と「落ち着きのない子ども」の性格・個性ついて分析していきます。慎重すぎる子どもは「まわりをよく観察している」子どもの「性格」や「個性」について悩む親御さんのなかで、特に多いのは「慎重すぎる子ども」と「落ち着きがない子ども」の2つではないでしょうか。ここでは、その2つの性格・個性について考えていきます。子どもが慎重すぎる場合、次のような行動が多いかもしれません。恥ずかしがって、友だちの輪に入っていけない。入園や入学、進学など、新しい環境になかなか馴染めない。いつもなにかを心配して不安になっている。やりたいことがあっても、失敗を恐れてなかなか実行できない。周りの様子を伺ってから行動に移すので、なにをするにも時間がかかる。このような行動は、積極性に欠け、チャレンジ精神が乏しいと受け取られがちです。しかし、柴田氏は「慎重さが一生そのまま続くのは、あまりない」と指摘します。慎重すぎる子は、「中と外をよくわかっていて、外では力が入る」「警戒しながら、安心できる親の背中からいろんな子を観察している」のだそう。つまり、場所や状況に応じて行動を変える賢さをもっているのです。親が「安心の基地」になることで、子どもは徐々に世界を広げていけます。無理に促すのではなく、子どもの挑戦を温かく受け止めてあげましょう。親の「背中を押さない努力」が大切だと柴田氏も話していますよ。(カギカッコ内引用元:同上)そもそも「慎重である」ことは決して悪いことではありません。ポジティブな面にも目を向けてみましょう。臨床心理士の吉田美智子氏は、慎重な子どもの長所について、「周りの様子をよく見ている」ため、「自分が直接体験しなくても、どう振舞うべきか学んで」いるし、「予測を立てることも上手」と評価しています。(カギカッコ内引用元:Domani|「積極的な子」or「消極的な子」我が子はどっち︎専門家が語る子育てポイント)周囲を気にして行動することは協調性に繋がりますし、よく考えて行動するならば、論理的思考力が高いのではないでしょうか。前出の川田氏は「いろいろな経験を積んで、個性が花開いていく」と述べています。成長していく子どもを見守っていきましょう。落ち着きのない子どもは「発想力を広げている」次に、「落ち着きのない子ども」の行動パターンを見ていきます。同じ場所にじっと座っていられず、そわそわしてしまう。動きがパワフルで、いつもせわしなく動き回っている。遊びでも勉強でも、ひとつのことに集中できず気が散りやすい。思ったこと、やりたいことを考えなしにすぐ言動に移してしまう。おしゃべりが止まらず、場面を問わずよく話す傾向がある。小学館Hugkumが、0~12歳の子どもをもつ親を対象に行なった調査によると、上記のような子どもの「落ち着きのなさ」を感じた親は、なんと約8割にのぼりました。多くの親御さんが、なにかしらの場面で「うちの子は落ち着きがない」と思っているのです。ですから、「子どもはそもそも落ち着きがないのだ」と考えてみませんか?心理学者で東京学芸大学教育学部教授の松尾直博氏は、「発達的に見て、子どもはそもそも落ち着かないもの」であるとし、落ち着きのなさには「脳の成熟度」も関係してくると述べています。落ち着きに関する脳の機能は、成熟が比較的ゆっくりなので、年齢が低いほど落ち着かないのは、ある程度当たり前のことです。3歳の子より6歳の子、6歳の子より12歳の子のほうが落ち着いているのは、落ち着きをコントロールする学習や経験の差だけではなく、脳の成熟の影響も大きいと考えることが大切です。(引用元:ベネッセ教育情報|子どもの落ち着きがない原因と対応法を教育心理学の専門家が解説)つまり、年齢が低いほど落ち着きがないのは自然な発達過程なのです。脳の成熟と経験の積み重ねが、徐々に自制心を育てていきます。しかも、松尾氏によれば、落ち着かないからこそ、子どもの発想や可能性は広がるのだそうです。(カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|子どもの落ち着きがない原因と対応法を教育心理学の専門家が解説)落ち着かない子どもにイライラしそうになったときは、「いま、わが子のクリエイティブな発想力が育っているのだ!」と考えてみましょう。子どもの「個性」を伸ばす考え方最後に、子どもの「個性」を伸ばす考え方をご紹介しましょう。考え方1:早い時期に子どもの「個性」を決めつけないまず注意したいのは、早い時期に子どもの「個性」を決めつけないことです。柴田氏が指摘するように、「子どもの個性は流動的」。以前は慎重だった子どもが、活発な友だちとの出会いをきっかけに、魔法がかかったようにどんどんチャレンジする子に変化したという、柴田氏の実体験もありますよ。成長とともに、子どもの「個性」は変わるので、親は将来を予測して心配しすぎないようにしましょう。考え方2:子どもの「個性」を伸ばそうと “親が頑張らない”子どもの「個性」にキラリと光るものがあっても、親が「頑張って」伸ばそうとするのはNGです。そんな親のプレッシャーに子どもは苦しくなってしまいます。川田氏は、子どもの「個性」を高く評価する親の姿勢、いわゆる「親ばかパワー」は、ほどほどにすべきだと注意を促します。あくまでも主役は子ども。「子どもを追い詰めるほど強すぎない、おおらかな親ばかぐらいが、ちょうどいい」そうです。(カギカッコ内引用元:NHKすくすく子育て|子どもの個性どう伸ばす?)***「おとなしすぎるから、もっと積極的になってほしい」「元気すぎるから、もっと落ち着いてほしい」など、親は子どもの性格・個性について、ないものねだりをする傾向にあるのかもしれません。しかし「子どもの個性は流動的」ですから、プレッシャーをかけずに、「おおらかな親ばか」で見守っていきましょう。(参考)たまひよ|かんしゃく持ち、引っ込み思案、泣き虫…子どもの性格って、変えられるの?HugKum|子どもに落ち着きがない原因はなぜ?親ができる正しい理解と対処法ベネッセ教育情報|子どもの落ち着きがない原因と対応法を教育心理学の専門家が解説NHKすくすく子育て|子どもの個性どう伸ばす?Domani|「積極的な子」or「消極的な子」我が子はどっち︎専門家が語る子育てポイント
2024年07月30日どんなことでも失敗を恐れずに挑戦する姿は、見ていて気持ちがいいものですよね。それは大人のみなさんが、「やる前から諦めるのではなく、チャレンジする姿勢が大事」「たとえ失敗しても得られるものは大きい」ということが身に沁みてわかっているからではないでしょうか。『世界標準の子育て』(ダイヤモンド社)の著者・船津徹氏は、4,000人を超えるグローバル人材を輩出してきた経験から、「チャレンジ精神にあふれた子どもは自身の『強み』を見つけられ、青年期にさらに活動の場を広げていく」と述べています。将来の選択肢を広げ、人生をより豊かにするため、子どもの挑戦力を伸ばしていきたいと思いませんか?「挑戦力のある子」に共通する特徴は、親との関係に起因しているケースが多いようです。3つの特徴について詳しく解説していきましょう。特徴1:好きなことを “とことん” やらせてもらえている特徴2:“無条件に” 愛されて、いつも見守られている特徴3:「失敗してもいいんだよ!」と教えられている特徴1:好きなことを “とことん” やらせてもらえているまず1つめは、「好きなことをとことんやらせてもらえている」ことです。「そろそろごはんだよ」「お片づけして」といった親の言葉が耳に入らないほど、子どもがなにかに熱中しているときはありませんか?そんなとき、大人の都合で「好きなこと」強制的に終了させてしまうと、「挑戦力の芽」を摘んでしまうかもしれません。カリスマ保育士としてメディアでも活躍中のてぃ先生は、「チャレンジ意欲がある子に共通するのは、『好きなことや興味関心が強い分野をしっかり持っている』こと」だと話します。人間は、ひとつでも夢中になれることや得意なことがあると、「自分には〇〇があるから大丈夫」と自信につながり、たとえ何かに挑戦して失敗しても、すぐに立ち直れるものです。だからこそ、お絵描きでもサッカーでも、好きなことにとことん向き合う時間を大切にしてあげましょう。(カギカッコ内引用元:KIDSNA STYLE|どうすれば子どものチャレンジ力が育つ?てぃ先生に聞く、大切な2つのこと)また、「幸福学」の第一人者であり慶應義塾大学大学院教授の前野隆司氏は、「好きなことにチャレンジする経験が多いほど、変わる時代に合わせて新たなチャレンジをしていくことができる。だからこそ、子どもの『好き』を大切にしてあげてほしい」とアドバイスしています。目まぐるしく変化し続ける先行き不透明な時代だからこそ、「自らの強みによって個性を伸ばすこと」がますます求められるでしょう。自分の好きなことを納得できるまでとことん追求させてもらえた経験がある子は、挑戦することを恐れません。それにより、揺るぎない自信と個性的なスキルを手に入れられます。(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|目的もなく東大に入っても意味はない。本当に輝けるのは、いい意味での「オタク」だ!)お子さんが時間を忘れて夢中になって取り組んでいることがあれば、「チャンス!」と考えてとことんやらせてあげましょう。親に見守ってもらえた経験は、安心して物事に集中できた記憶として体と心に刻まれるはずです。特徴2:“無条件に” 愛されて、いつも見守られている2つめの特徴は、「親から『無条件に』愛されている」こと。「無条件に愛する」とは、テストの点数が高くなくても、かけっこで一番にならなくても、「ありのままのあなたに価値がある」と愛情を伝え、頑張った過程を認めてあげられる関係性を意味します。「幼少期に親から与えられた『ありのままの自分が受け入れられている』という思いが、その後の人生をしっかり歩んでいくうえで欠かせない重要なステップになる」と話すのは、日本アドラー心理学会/日本個人心理学会正会員で株式会社子育て支援代表取締役の熊野英一氏。「テストで100点をとれたから」「早く起きてくれたから」と、いい子であるための “条件” を突きつけられた子どもは、「もし条件をクリアできなかったら、いい子じゃなくなっちゃう……」と怖がり、さまざまなチャレンジを回避するような生き方しかできなくなるのだそうです。(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|大事なのは我が子を無条件で信じる「信頼」。「信用」しかできないのはとても危険)逆に、たとえよい結果が出なくても、「一生懸命取り組んでいる姿が素敵だったよ」と、日頃から過程を認められほめられている子は、てぃ先生いわく「一生懸命やればママやパパが認めてくれる。だからチャレンジしてみよう」と挑戦力を発揮できるのだそう。わが子を思うあまり、つい「もっとできるはず」「こんなに頑張っているのだから、結果に結びついてほしい」と願ってしまうのは親として当然ですが、結果ばかりを追い求めるのは本末転倒ですよね。「子どもは安心できる場所でこそチャレンジできる」と国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチの石川尚子氏が指摘するように、できないことを責めたり、実力以上の結果を求めて叱咤激励したりするのではなく、「頑張っている姿を応援しているよ」とただ見守るだけで、子どもはプレッシャーを感じることなく安心して挑戦できるのです。(カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|引っ込み思案な子どもの「チャレンジ精神」を育むには[やる気を引き出すコーチング])特徴3:「失敗してもいいんだよ!」と教えられているそして3つめの特徴は、「失敗してもいいんだよ、と教えられている」ことです。心配性な親御さんほど「わが子に失敗させたくない」という思いが強すぎるあまり、つい先回りして障害物を取り除きがち。しかし「失敗の経験から子どもは多くのことを学び、たくましさを身につけていく」と教育ジャーナリストの中曽根陽子氏が述べるように、失敗経験のないまま大人になると、ちょっとした困難にぶつかっただけでも挫折してしまう危険性があります。(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|任せて、失敗させて、考えさせる。「困難を乗り越える力」を伸ばすには、放っておくのが◎)発達臨床心理学や保育学を専門とする東京都市大学人間科学部教授の井戸ゆかり氏も同様に、「失敗した経験がない子どもは、失敗を乗り越える経験もできないため、失敗経験がある子どもと比べて弱い人間になる」と指摘しています。失敗は悪いこと、失敗すると恥ずかしい、と過度に失敗を恐れるあまり、挑戦することすらも避けるようになってしまうのです。すると、もちろん成功体験も得られないまま成長するので、自己肯定感が失われてますます挑戦意欲の低下に拍車がかかるでしょう。(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「失敗を恐れない力」の育て方。子どもに「挑戦したい!」と思わせる、効果抜群な声かけ)私たち大人がすべきなのは、「失敗してもいいから、まずはやってごらん」と促して、実際に失敗しても責めたりがっかりしたりしないこと。そして、「次からどうしたらいいかな?」と子ども自身に考えさせましょう。そうやって失敗を乗り越える成功体験を積むことこそが、時代を生き抜く知恵となり、何事にも「まずはやってみよう」とチャレンジする意欲の土台になります。もしお子さんが、失敗を恐れて挑戦できずに悩んでいるなら、親御さん自身の失敗体験を話してあげるのもおすすめです。「お母さんも小さい頃、こんな失敗をしたよ」と楽しそうに話すだけでも、子どもは気持ちが楽になり、「自分もやってみようかな」と一歩踏み出すきっかけになるかもしれません。「本当の失敗とは、何もチャレンジしなくなること」と石川氏が述べるように、「成功と失敗」ではなく「体験と学び」を得るのだと考えれば、どんな経験も無駄にはならないはず。お子さんにもぜひ、「失敗してもいいんだよ。その体験から学べばきっとあなたのためになるから」と教えてあげてくださいね。(カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|引っ込み思案な子どもの「チャレンジ精神」を育むには[やる気を引き出すコーチング])***今回解説した3つの特徴は、決して特別なことでも難しいことでもありません。親が大らかな気持ちで子どもを見守り、子ども自身が失敗から学ぶ力を信じてあげる――。それだけで子どもは、「よし、やってみよう!」と挑戦できるのです。(参考)ダイヤモンドオンライン|【子育て】「深い挫折」や「燃え尽き症候群」に将来陥りやすい子の特徴KIDSNA STYLE|どうすれば子どものチャレンジ力が育つ?てぃ先生に聞く、大切な2つのことSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|目的もなく東大に入っても意味はない。本当に輝けるのは、いい意味での「オタク」だ!STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|大事なのは我が子を無条件で信じる「信頼」。「信用」しかできないのはとても危険ベネッセ教育情報|引っ込み思案な子どもの「チャレンジ精神」を育むには[やる気を引き出すコーチング]STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|任せて、失敗させて、考えさせる。「困難を乗り越える力」を伸ばすには、放っておくのが◎STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「失敗を恐れない力」の育て方。子どもに「挑戦したい!」と思わせる、効果抜群な声かけベネッセ教育情報|引っ込み思案な子どもの「チャレンジ精神」を育むには[やる気を引き出すコーチング]
2024年07月26日親と子の関係は、家庭によって千差万別です。親と子、それぞれのタイプも違えば、置かれている環境も違います。どの親も「子どもには、生き生きと幸せな人生を送ってほしい……」と考えているのではないでしょうか。しかし、子どもの人生を心配しすぎるあまり、ついあれこれと手出し口出しをしてしまう――そんな親御さんはいませんか?もしかしたら、その手出し口出しが逆効果になるかもしれません。幸せな人生ではなく、子どもが「生きづらさ」を抱えながら生きていくことになってしまうかも……。今回は、子どもに悪影響を与えてしまう親のタイプをまとめました。「生きづらさ」の原因は “幼少期の親子関係” にあり!?幼少期の親子関係はとても大切です。親の関わり方次第で、子どもの考え方や行動が変わってくるでしょう。精神科医の井上智介氏は「小さい頃の親子関係で心に深い傷を負って、大人になってからの考え方や行動パターンにもその影響が残っている人」は多いとし、そのような人は成長後に「生きづらさ」を抱えてしまうと警鐘を鳴らしています。また公認心理師の中野日出美氏も、現代の子育てに見られる「過保護や過干渉、過度の期待」は注意すべきだと述べています。なぜなら、成長とともに子どもに以下のような傾向が出てくるそうなのです。ちょっとしたことで過度に傷つくなかなか立ち直れない自分の心や身体を大切にできない自己肯定感が低く、無意識に自分を傷つけるような人間関係を築く(参考元:nobico|親の過干渉が原因? 現代の子どもが「生きづらさ」を抱える背景)では、具体的にどのような親の行動が、子どもの成長によくない影響を与えてしまうのでしょうか。身近な3つのケースをピックアップして詳しく解説していきます。ケース1:「支配する親」の子どもは決断力がない大人になるまずは「支配する親」について説明しましょう。「支配」と聞くと、子どもの発言はいっさい認めず無理やり親に従わせる姿を想像しますが、必ずしもそうとは限りません。『嫌いな親との離れ方』(すばる舎)著者で、おとなの親子関係相談所代表の川島崇照氏によると、大人としての立場を利用して、子どもの意思や言動を思い通りにコントロールしようとすることも、立派な「支配」です。たとえば、「◯◯ちゃんじゃなくて▲▲ちゃんと仲良くしたら?」と親が子どもの友だちを選ぶことや、子どもが自分で決めた進路について「そこもいいけど、お母さんはあそこの学校がいいと思うよ」などのアドバイスをすることなどが支配にあたります。たとえ理解を示しているような優しい口調であっても、親の思い通りに誘導していることになるのです。そして子どもは、しだいに「親には何を言っても無駄」と諦めるようになります。川島氏は、子どもを支配しようとする親について、「(親自身の)心が自立していない」のだと述べています。親本人の問題なのに子どもを利用して解消しようとしたり、子どもが自分に従う姿を見て「やっぱり私が正しかったんだ」と満足したりと、別人格である親と子の境界線が曖昧になり、子にべったりと依存している状態になるのです。親からコントロールされて自分を否定され続けた子は、諦めが早くなるだけではありません。「新しい行動を起こそうとするときに、幼少の頃から言われ、見続けてきた親の言動が、罪悪感や恐怖心となって降りかかり、行動できなくなる大きな要因となってしまいます」と川島氏が述べるように、行動力や決断力が失われたまま大人になってしまいます。「もしかして私も無意識のうちに子どもをコントロールしているかも……」と思い当たることがあれば、「一歩下がって見守る」ことを意識するようにしましょう。「子育てには“ギアチェンジ”が必要」と明治大学文学部教授の諸富祥彦氏が述べるように、親離れをする時期に差しかかった子には、あれこれ口出しせずに辛抱強く見守ることが、親自身の成長にもつながるのです。ケース2:「不安感が強い親」の子どもは自己主張ができない「子どもについて考えると不安な気持ちでいっぱいになる」そんな親御さんが増えているようです。そのなかには「心に強い不安を抱えて、その不安が『子どもから与えられたもの』だと錯覚している親もいる」と川島氏は指摘します。本当は親自身にコンプレックスがあり、その不安感を子どもにぶつけているだけなのに、「子どもの問題」に置き換えてしまっているとのこと。その結果、子どもの思考や行動を見ては不安を感じ、「なんとかして変えさせなければ」と否定や批判をしたり、さらには強引に自分の価値観や感情を押しつけたりするのです。青山渋谷メディカルクリニック名誉院長の鍋田恭孝氏は、親自身の不安から子どもに手をかけすぎてしまうと、その子どもは「自分の主張がない・自分で選べない人間」になると述べています。不安のあまり、親が先回りしてすべてを用意し続けることで、子どもは自らなにかを主張することなく、親の先回りを受け入れて育ちます。すると、成長後も大事な場面で自己主張ができず、苦しむことになるのです。「子どものため」と先回りしていたけど、本当は自分が不安を感じていただけかもしれない――。そう気づくことができたなら、子どもに任せられることは任せるように意識していきましょう。「何かを決めるにも、子どもは時間がかかってあたりまえ」と鍋田氏が述べるように、ゆったりとした気持ちで子どものペースに合わせることをおすすめします。ケース3:「熱心な親」の子どもは人間関係でつまずきやすい子どもの習い事や受験なのに、本人以上に熱が入ってしまう親は多いものです。しかし、親の期待が大きければ大きいほど子どもにとってはプレッシャーになり、かえって逆効果になるので注意しましょう。前出の井上氏は、「親が子どもを認めるのに条件が必要」という親子関係が増えていると言います。テストの点数が高いから、習い事でレギュラーをとったから、など「目に見える数字や外部からの評価=子どもの価値」だと思い込んでしまうのです。これでは「条件付きの愛」だと言わざるを得ないでしょう。「子どもはちょっと失敗したり、誰かと比べて成績が劣ったりすると、親から認めてもらえないために、自分には価値がないと思い込む」と井上氏が指摘するように、ありのままの自分ではなく特定の条件下の自分にしか価値がないと子どもに思わせてしまうと、自己肯定感はみるみる低下していきます。そしてその自己肯定感の低さゆえに、大人になってからも、仕事や人間関係でつまずきやすくなるのです。つい子どものことに熱心になってしまうのなら、結果ではなくプロセスに目を向けるように努力しましょう。「〇〇ができるからすごい」のではなく、「自分は自分なんだから、自分のままでいい」と思えるのは、「根拠がない自信」がベースにあるから。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は、根拠のない自信を育むためには、「子どもの行為のプロセスそのものを認める」ことが大事だと説いています。そして、子どもの言葉を聞き流すのではなく、しっかりと聞いてあげて、「おもしろいところに気づいたね!」など発想そのものを認めてあげることが大切なのだそう。結果や数字にとらわれずに、ありのままの姿を受け止めてあげるだけで、「根拠のない自信」が育まれて、自己肯定感アップにもつながります。***親の振る舞いや育て方ひとつで、子どもの将来に悪影響があるかも……。そう考え始めると不安でたまらなくなるかもしれません。ですが、「焦らず」「心配しすぎず」「先回りせず」に、のんびりと子どもを見守っていきましょう♪(参考)nobico|親の過干渉が原因? 現代の子どもが「生きづらさ」を抱える背景プレジデントオンライン|「精神科医が見ればすぐにわかる」“毒親”ぶりが表れる診察室での“ある様子”東洋経済オンライン|「親といるとなぜか苦しい、イライラする」の正体東洋経済オンライン|「親との関係」悩み続ける人に知ってほしい解決法STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「過干渉」育児が招く悲しい結果。“見守るだけでは物足りない”親が危険なワケSTUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「不安先取り型」の親が生む、思春期の子どもの問題STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|心が折れて立ち上がれなくなってしまう、自信家なのに自己肯定感が低い人
2023年12月13日ちょっとしたことでイライラしてしまう。小さなことを気にして、モヤモヤしてしまう。気持ちの浮き沈みが激しく、自分でコントロールできない――など、日々、自分の感情に振り回され、揺れる心とともに生活している人は少なくないでしょう。器用に気持ちを切り替えることができればいいですが、理性や倫理観だけでは割りきれないのが「感情」のやっかいなところ。特に子どもたちにとって、成長過程での混沌とした感情の揺れに対処するのは至難の業でしょう。今回は「子どもが自分の感情をコントロールできるようになるには?」という、なんとも難しい課題を考えてみます。子どもは2~3歳頃から感情コントロールを学び始めるちょっとしたことですぐに泣いてしまう子、意地悪をされてもケロッとしている子、外では我慢して家で大爆発する子など、子どもはじつに個性豊かです。では、「メンタルが安定している子」「気持ちの切り替えが上手な子」は、どういった発達過程を経てその術を身につけていくのでしょう。発達心理学が専門の聖徳大学教授の佐伯素子氏によると、子どもは「2~3歳ごろから徐々に感情をコントロールすることを学んで」いくとのこと。この時期によく見られる「なんで?」「どうして?」と大人を質問攻めにする現象からも、物事には原因があることを理解し始めるのが2~3歳頃であり、自分のなかから湧き出る「楽しい」「悲しい」といった感情と、その原因となった出来事を結びつけて考えられるようになります。さらに佐伯氏は、「4・5歳児になると、相手の気持ちが理解できるように」なり、「言語が発達することによって、自分の気持ちを保護者や友達に言葉で伝えられること」が増えると解説しています。その結果、「お友達と仲良く遊ぶには、自分の気持ちを抑えることも必要であることを経験の中で学んで」いくとのこと。(カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|小学校入学に向けて、感情をコントロールできる子になる【基礎知識編】)そして成長するにつれて、次のような変化が見られるそうです。小学校低学年になると、集団生活でよりもまれていくことに加え、徐々に論理的な思考ができるようになります。中・高学年になると、自分の感情に流されることなく、相手の立場で考えられることも増えてくるので、感情をコントロールする力は増していくと言えます。(引用元:同上)このように、少しずつ段階を踏むことで、子どもは自分の感情をコントロールできるようになるのですね。もちろん誰もがうまくできるようになるとは限りません。思考能力・言語能力の発達の程度や、家族や友人との関わり合いなども含め、環境による影響も大いに関係してきます。メンタルが安定している子は将来 “成功” しやすい安定したメンタルを維持できる子は、将来的に勉強や仕事など、あらゆる場面でよいパフォーマンスを発揮できるそうです。スタンフォード大学附属オンラインハイスクールで校長を務める星友啓氏は、「誰でも、感情が昂ぶっていたら集中して考えられませんし、逆に、気持ちが安定しているときは、勉強や仕事も冷静かつ効率的に進むはずです」と、勉強や仕事の効率を上げるには、気持ちが安定していることが大事だと指摘します。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|「自分の感情管理ができる子・できない子」将来の差)たしかに大人であっても同じことが言えるのではないでしょうか。たとえば、イライラしているときは子どもに対する言動がきつくなったり、普段は忘れ物をしないのに、気持ちが不安定なときはスマホや財布などを家に忘れたり……ということはありませんか?いまアメリカでは、子どもたちの社会性とメンタルを育てる「SEL(Social Emotional Learning)」というプログラムが広がりを見せています。感情コントロールや共感力のトレーニング、マインドフルネスなどさまざまなメソッドを取り込んで学べる「SEL」。その効果は一時的なものではなく、ずっと先の将来にもつながっているのだそう。「社会性や感情の力を養うことが、現在の成績やパフォーマンスのアップにつながるだけでなく、将来の学歴や収入、心と体の健康にまで直結していることがわかってきた」と星氏が話すように、自分の感情管理ができる子は、どんな状況でも落ち着いて実力を発揮できるため、成功を手に入れやすいのでしょう。(カギカッコ内引用元:同上)メンタルが不安定な子は、将来的に不安要素が多くなる一方、感情に振り回されてメンタルが不安定になりがちな子は、実力を発揮できずに思うような結果を得られないことも。小さいうちはまわりの大人がフォローしてくれても、成長するにつれて差し伸べてくれる手は減り、ますますネガティブな感情に支配されてしまうかも……。法政大学教授の渡辺弥生氏は、言葉をどんどん覚えてボキャブラリーが増えること=感情の幅が広がることの重要性を説いています。ボキャブラリーが増えると自分の気持ちを言葉で表せるようになり、その結果、相手に気持ちを伝えて問題を予防・解決できるようになるのだそう。では、自分の気持ちをうまく言葉に表せない子はどうなるのでしょう?「ネガティブな気持ちを自分のなかに抱え込んだまま、悩み続けることに」なると渡辺氏は指摘します。どうやら、行き場がなくなった負の感情を、自分のなかでため込むようになってしまうのだそう。そしてますますメンタルが不安定になる危険性も……。(カギカッコ内引用元:nobico|子どもの感情を豊かにする親の言葉…幼児から小学校低学年までの子育てのポイント)感情をコントロールするテクニックは、放っておいても勝手に向上することは難しく、親やまわりの人との関わり合いのなかで育まれていくようです。渡辺氏は「ネガティブな感情を持つのはあたりまえで、人間として必要なもの。子どものネガティブな感情を封じ込める必要はない」としたうえで、「ただし、感情任せに振る舞うとトラブルになることもあるため、マネジメントする力を教える必要がある」と、感情をコントロールする方法を教える必要性を説いています。次項でその方法を紹介しましょう。(カギカッコ内引用元:Study Hacker こどもまなび☆ラボ|劣等感を自尊心に!寝る前に親子で実践、「レジリエンス」の簡単トレーニング)「自分の感情をコントロールできる子」に育てる3つの方法最後に、「自分の感情をコントロールできる子」に育てる方法を3つのポイントに絞ってご紹介します。1.感情をラベリングする方法を教える感情コントロールができるようになるには、まずは自分の気持ちを言葉にする方法から教えてあげましょう。一般社団法人日本ポジティブ教育協会代表理事の足立啓美氏は、感情を言語化することを「感情のラベリング」と呼んでいます。具体的には「『おもちゃをとられて悔しかったね。悲しかったかな?』という具合に声をかけて、子どもが感じた気持ちをそのまま受け止めてあげ、そのうえでその感情を言葉にするサポートをすること」で、自分の感情をありのままに受け止めたうえで、その理由を理解し、適切な対応ができるようになるのが理想です。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|「怒りや悲しみ」と向き合える子に育てる親の心得)そうすることで、子どもは自分の感情との付き合い方を学びます。さらに、「親に理解してもらえている」という安心感や、信頼感も生まれます。2.自分の感情を客観視するトレーニングをしよう子どもであっても、自分の感情を客観視するのは大切です。前出の星氏は、感情管理のトレーニングとして「ディスタンシング」というメソッドを提案しています。「ディスタンシング」は、自分の気持ちと「距離(ディスタンス)をとる」という意味。気持ちを外側から見つめることで、自己理解と自己管理の力がつくのだそう。その手法のひとつとして、おすすめなのが「友だちに声をかけるふりをする」というもの。子どもがネガティブな感情に心が奪われているようなら、友だちがその出来事を体験している状況を想像してもらいます。「(あなたの友だちの)〇〇ちゃんに同じことが起きたらどう思うかな?」とたずね、「なんて声をかけてあげようか」「どんなアドバイスをしてあげる?」と、友だちという存在を介して自分の心と対話させるのです。その後、「じゃあ、〇〇ちゃんが(あなたに)同じように言ってくれたら、どう思う?」と、当事者を自分に置き換えさせます。これを繰り返すことで、子どもは自分の気持ちを客観視して考えることができるようになるでしょう。3.先回りして負の感情を取り除かないネガティブな感情は決して「悪」ではありません。イライラするのは、人間にとって当たり前の感情。それを受けとめきれずに、人や物に当たったり、他人の足を引っ張ったりすることが問題なのです。公認心理師の佐藤めぐみ氏は、「親が先回りしすぎて、子どもが感じるべき不安感やフラストレーションを取り除いてしまうと、取りこぼす成長がある」と注意を促しています。たとえば、以下のような先回りです。泣かれたら面倒だから、今日だけはお菓子を買ってあげようおもちゃの取り合いにならないように、親がうまく声かけをしなければ機嫌が直らないから(約束の時間は過ぎているけれど)もう少しYouTubeを見せよう(参考・カギカッコ内引用元:SHINGA FARM|気持ちをセルフコントロールして「自分で泣き止む子」はどこが違う?)また、子どものネガティブな感情を否定するのも避けましょう。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会の小尻美奈氏は、「日頃から親が『不満』『残念』『困った』などのマイナス感情をいつも怒りだけで表現していると、子どもも同じようにマイナス感情を全て怒りだけで表現しようとします。感情表現は、身近な人から模倣して身につけていくのです」とも述べています。無意識に出てきがちなマイナス感情ですが、親子で一緒に気持ちを切り替える方法を実践して、感情コントロールを身につけたいですね。(カギカッコ内引用元:FNNプライムオンライン|“キレやすい子”にしたくない…子どもが感情をコントロールできるために親ができること)***不安やイライラが外に向きすぎても、内にたまりすぎても、どちらからもよい結果は生まれません。適度に発散し、上手に感情をコントロールできるようになれば、お子さまはもっともっと楽しい毎日を過ごせるでしょう。(参考)ベネッセ教育情報|小学校入学に向けて、感情をコントロールできる子になる【基礎知識編】東洋経済オンライン|「自分の感情管理ができる子・できない子」将来の差nobico|子どもの感情を豊かにする親の言葉…幼児から小学校低学年までの子育てのポイントStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|劣等感を自尊心に!寝る前に親子で実践、「レジリエンス」の簡単トレーニング東洋経済オンライン|「怒りや悲しみ」と向き合える子に育てる親の心得SHINGA FARM|気持ちをセルフコントロールして「自分で泣き止む子」はどこが違う?FNNプライムオンライン|“キレやすい子”にしたくない…子どもが感情をコントロールできるために親ができること
2023年09月14日「子どもの自己肯定感を高めるにはどうしたらいい?」「勉強でもスポーツでも、成功をつかむには自己肯定感が必要不可欠」「能力はあるのにうまくいかないのは自己肯定感が低いせい」ここ数年で、 “自己肯定感” という言葉はすっかり定着しました。とりわけ子育てをしていると、あらゆる場面で「わが子の自己肯定感」について意識せざるをえなくなり、「うちの子の自己肯定感が低いのは、親である私のせいかもしれない」と思い悩む親御さんも増えているようです。そこで今回は、子どもの自己肯定感に直結する「親の自己肯定感」についてじっくり考えていきます。子どもの自己肯定感と親の自己肯定感には相関関係があるみなさんは、「自分は自己肯定感が高い」と思いますか?日本人は欧米人に比べて、その国民性から自己肯定感が低めであることは以前から指摘されています。(参考:我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度))まわりを見渡しても、「いえいえ、私なんて」と謙遜する人や、自己主張をするよりも他人に配慮して遠慮する人のほうが多いのではないでしょうか。しかし、子どもの前で「私なんて……」と言いすぎている人はちょっと注意が必要かもしれません。なぜならば、親の自己肯定感と子どもの自己肯定感は、切っても切り離せない強い力によって結びついているからです。『世界最強の子育てツール SMARTゴール 「全米最優秀女子高生」と母親が実践した目標達成の方法』(祥伝社)の著者・ボーク重子氏は、「おうちのかたが、自分にダメ出しばかりして自分への評価が低いと、同じように子どもを見てしまいますし、さらに子ども自身も自分のダメなところばかりを見てしまい、自己肯定感を低めて」しまうと指摘します。(カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|親の自己肯定感が低いと子どもはどうなる?ボーク重子さんに聞く!これからの子どもを幸せにする「非認知能力」の育み方~Lesson2自己肯定感)親のネガティブな言動から、知らず知らずのうちに強い影響を受けてしまう子どもたち。医学博士の高橋孝雄氏は、親の自己肯定感の低さが、子どもに影響していく過程を次のように説明しています。たとえば、ママやパパが「私はダメな人間だ」と自己肯定感が低い考え方をしていると、それは言葉に表れ、その言葉を繰り返し吐くことで「ダメな人間」として行動するようになり、それが習慣となり、やがて性格となり、ネガティブな運命を選択するようになる。そのような生き方をしている親に育てられたら、子どもの自己肯定感が低くなってしまうのは、当然といえるのではないでしょうか。(引用元:たまひよ|親の自己肯定感が低いと、子どもにも影響が、まず親から高めることを【小児科医】)親子ともに自己肯定感が低下してしまう――こうなるのには理由があるというわけです。だからこそ、親自身が物事をポジティブにとらえる姿を子どもに見せる必要があります。また、子育てによって自己肯定感がさらに低下するケースも。子育てはうまくいかないことの連続。自分だけに関わることであれば、「まあいいか」「頑張ればうまくいくはず」と前向きに取り組めても、子どものこととなると責任の重さから、「もっとちゃんとしなきゃ」「私ってダメな親だな」とプレッシャーを感じてしまいがちではないでしょうか。医学博士の古荘純一氏は、「すべて否定的にとらえることが続くと、結果として自己肯定感も低くなり、抑うつ度も高くなり、育児困難につながっていく」と注意を促しています。(カギカッコ内引用:たまひよ|「いい親でなければ」と思うほど自己肯定感が低下する…?!子育てにつらさを感じたら【専門家】)決して軽視してはならない「親の自己肯定感」について、さらに深く掘り下げていきましょう。自己肯定感の低い親がやりがちなNG行動5つまず、自己肯定感が低い親がやりがちな「NG行動」をいくつか挙げていきます。以下の行動は、こどもまなび☆ラボインタビューで語られた専門家の意見です。思い当たる項目はありますか?「100点とってすごい!」など、子どもを「条件つき」でほめる(日本アドラー心理学会 正会員・熊野英一氏)子どもをほめるときに、「〇〇くんより上手にできたね」と他人と比べてしまう(幸福学の第一人者・前野隆司氏)遊ぶ友だちや部活動選びといった子ども自身が決めるべきことでも、自分(親)の思い通りになるようにコントロールしてしまう(心理学者・諸富祥彦氏)着る服を毎日用意したり、「忘れ物ない?」「宿題やった?」などしつこく確認したりと、先回りして子どもの世話を焼いてしまう(発達臨床心理学の専門家・井戸ゆかり氏)子どもの前で「ママって本当にダメよね」「パパには無理だよ」など、自分を卑下する言葉を吐く(心理学者・諸富祥彦氏) 【5】の「自分を卑下する言葉」はわかりやすいものですが、【1】~【4】のような行動をとることがなぜ自己肯定感の低さを表すのでしょう。【1】の「子どもを条件つきでほめる」、また【2】の「他人と比べる」のは、そのような評価のされ方こそが正しいと親が思い込んでいるからです。親自身が、ありのままの自分を評価されるよりも、「〇〇だから優れている」という評価をされることで安心しているわけです。つまり、「ありのままの自分じゃ評価されない」という思いがあるから「自己肯定感が低い」ということ。【3】の子どもの生活や身のまわりのことをコントロールしたり、【4】のあれこれ世話を焼いたりしたがるのも、自己肯定感の低さゆえに「(子育てを)完璧にしなければ自分が責められる」「子どもへの評価が私の評価につながってしまう」という不安からだと言えるのです。たとえ無意識でも、上記のような言動を頻繁にしてしまうのであれば、子どもの自己肯定感にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。「そうは言ってもこれが自分の性格だし、いまさら変えることは難しい……」と諦める前に、次の方法を試してみませんか?親自身の自己肯定感を高める方法3つ行動科学専門家の永谷研一氏は、「自己肯定感は親子セットではぐくむもの」と断言しています。もちろん親と子は別の人間ですが、子どものマイナス面ばかりが目につくようなら、それは自分自身も苦手としていることの表れでもあるのです。だからこそ、親が自己肯定感を上げてポジティブな生き方を目指すことで、子どももまた前向きな人生を歩んでいけるはず。(カギカッコ内引用元:AERA dot.|勉強でもスポーツでも大切な「自己肯定感」を高める方法とは)ここでは、親自身の自己肯定感を高めるために、いますぐ取り入れられる方法を3つご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。方法1:現実の出来事をマイナスからプラスにとらえる自己肯定感を高めるために、前出の古荘氏がすすめるのは、認知行動療法の方法でもある「現実を肯定的に受け止める」こと。一度マイナスの思考にはまったら、なかなか抜け出せないのが自己肯定感の低い人ですが、そこで深みにはまるのをやめて、起きた事実だけを確認します。そして事実をゼロとして確認できたら、今度はプラスにとらえられるように変えていきましょう。具体的には、「今日はあまりにも疲れていて、夕飯はレトルトのカレーにしてしまった」という事実があったとします。そこで「おかずも用意できなかった」「レトルトなんて手抜きすぎる」「親として失格」と、どんどんマイナスの方向に進むのではなく、「夕飯にレトルトのカレーを出した」事実だけを認識します。そして大事なのは、「ごはんはちゃんと炊いた」「ゆで卵を添えてあげた」「カレーを食べた後にゼリーをあげたら喜んだ」など、「できなかったこと」ではなく「できたこと」だけを考えましょう。そうすることで、いまの自分を認めて、肯定的に受け止められるようになるそうです。方法2:いま「ある」ことに感謝をする『お母さんの自己肯定感を高める本』(WAVE出版)の著者で、心理学の専門家である松村亜里氏は、「今の自分に『ない』ものではなく、すでに『ある』ものに目を向けて感謝する」ことで、自己肯定感が上がると述べています。それは決して特別なことでなくてもかまいません。「家族が健康でいてくれる」「ごはんを残さず食べてくれる」といった、ごく当たり前のことでも、意識して感謝することで、自己肯定感や自信、さらには幸福感も高まっていくのだそう。もちろん、直接感謝の言葉を口に出して家族に伝えるのが一番効果的ですが、照れや気恥ずかしさから難しいという人もいるでしょう。そこで松村氏が提案しているのが、「3つのいいこと」を毎日書き出す、という方法。「カフェで飲んだコーヒーが美味しかった」「子どもが学校の話をたくさんしてくれた」「庭の花が咲いた」など、ささいなことでいいのです。「いつもいいことがある」と信じていると、脳は自然と「いいこと」に目が向くようになります。この方法は「スリー・グッド・シングス」として知られています。実践レポートとして効果を実感した記事も公開しているので、ぜひ参考にしてくださいね。『寝る前に3つ聞くだけ!1週間で子どもの自己肯定感が上がる“幸福習慣”』方法3:夢中になること・没頭できることを見つけよう最後に提案するのが、親自身が夢中になれることをする、という方法です。みなさんは、「やるべきことをやってからでないと、趣味に時間を費やしてはいけない」と、自分の好きなことを後回しにしていませんか?時間を忘れるほど何かに没頭している状態を、心理学では「フロー体験」とされているようです。『お母さんの自己肯定感を高める本』のなかで松村氏は、幸せな人の共通点として挙げられるのが、「フロー体験が豊富である」と述べています。スポーツ、アート、ハンドメイド、語学レッスンなど、「そういえば昔夢中になって取り組んでいたな」というものは、誰にでもあるはずです。もしくは、興味はあるけど始めるきっかけがなくて諦めていたことはありませんか?自分に自信をつけたい、自己肯定感を上げたい、毎日を前向きに楽しく過ごしたいと思うなら、まずは一歩踏み出しましょう。親が夢中で楽しんでいる姿を子どもに見せることで、その充実感や幸福感は必ず伝播します。それはいずれ、親と子の自己肯定感を上げるカギになるはずです。***「自己肯定感を上げること」は決して目的ではありません。生き生きと充実した毎日を過ごすこと、自分を好きになることが、自己肯定感アップにつながるということを忘れずにいたいですね。(参考)ダイヤモンドオンライン|自己肯定感が高い欧米人と低い日本人、何が違うのか?ベネッセ教育情報|親の自己肯定感が低いと子どもはどうなる?ボーク重子さんに聞く!これからの子どもを幸せにする「非認知能力」の育み方~Lesson2自己肯定感たまひよ|親の自己肯定感が低いと、子どもにも影響が、まず親から高めることを【小児科医】たまひよ|「いい親でなければ」と思うほど自己肯定感が低下する…?!子育てにつらさを感じたら【専門家】AERA dot.|勉強でもスポーツでも大切な「自己肯定感」を高める方法とは『AERA with Kids特別編集自己肯定感を高める本』, 朝日新聞出版.松村亜里(2020),『お母さんの自己肯定感を高める本』, WAVE出版.
2023年07月14日親の目が届かない場所で、自分の子どもがどのように振る舞っているのか気にならない人はいないでしょう。家ではわがまま放題なのに、先生から「いつもいい子にしていますよ」などと言われてしまうと、わが子ながら「本当に!?」と疑ってしまいますよね。逆に、家ではいい子なのに、園ではトラブルばかりで頭を悩ませている親御さんもいるのではないでしょうか。大人でも子どもでも、家のなかで家族に見せる顔と、学校や会社で他人に見せる顔は違うものです。今回は、「家ではわがまま・外ではいい子」パターンと、「家ではいい子・外ではわがまま」パターンについて、その特徴や原因を考えていきます。「外ではよい子、家ではわがままな子」は心が満たされている家にいるわが子は、ダラダラしていたり騒がしかったりと、わがままでだらしない姿が目につきます。「うちの子、外でもこんな調子だったらどうしよう……」「まわりの子に迷惑かけていないかな……」と不安が募りますが、先生やほかの保護者からは「〇〇くん、とっても優しくて人気者ですよ」「△△ちゃん、しっかり者でお友だちから頼りにされていますよ」と意外な評価が――。親としては戸惑いますが、このような「外ではいい子」なのに「家ではだらしない・わがまま」なケースはまったく問題ありません。玉川大学教育学部教授の大豆生田啓友氏によると、「子どもにとって園は『社会』」であり、「家に帰ってくるころには、とても疲れている」「家がほっとできる場所だからこそ、甘えが出てくる」のだそう。(カギカッコ内引用元:すくコム NHKエデュケーショナル|幼稚園から帰るとわがままになる。どうしたらいい?)また『1人でできる子が育つ 「テキトー母さん」のすすめ』(日本実業出版社)の著者・立石美津子氏も同様に、友だちにおもちゃを取られたり、給食で嫌いな食べ物が出てきたりと、集団生活はストレスがたまるとし、「そのストレスを発散してママにわがままを言って日中の緊張感を取り去る休息の時間が必要」だと述べています。ストレスを吐き出す場所があるからこそ、外では落ち着いていられるのでしょう。(カギカッコ内引用元:exiteニュース|家でイイ子なのに「外で態度が悪い子」、実は家での●●が原因だった!?)そしてこのような子どもは、家で親にしっかり話を聞いてもらっていて心が満たされているので、「園では園の楽しいことをしたいと思っている」と述べるのは、『わが子が幸せになるために必要な3つの力』(幻冬舎)の著者で、幼稚園の理事長を務める山﨑拓史氏です。山﨑氏によると、家でたっぷりと気持ちを受け止めてもらっている子は、「一歩外に出たときに、生き生きと活動できる」ので、「園では余計なアピールをしません」とのこと。(カギカッコ内引用元:幻冬舎GOLD ONLINE|家ではおとなしいのに…「外で暴走してしまう子」の共通点)わざと悪いことをして大人の気を引いてみたり、先生をひとりじめしようとしたり……そんな “余計なアピール” をする子どもを見かけたことはありませんか?どうやら、家でどのように親と関わり合うかによって、心の余裕に大きな違いが生まれるようです。次項では、「外ではよい子、家ではわがままな子」の逆パターン、「家ではいい子」について考えてみます。超危険!「家だけいい子」の特徴とその原因注意すべきは “家ではいい子なのに外では……” というケース。たとえば、次のような子です。保育士や先生の関心をひとりじめしようとするわざと先生や友だちを困らせるようなことをする大人が見ていないことを確認してから友だちに意地悪をする思い通りにならないとすねて、絶対に自分の主張を曲げない人気者や大人からほめられる子への嫉妬が強く、攻撃的 立石氏によると、保護者に上記のような状況を伝えると、ほとんどの親御さんが驚きの表情を浮かべるのだそう。それだけではなく、「家では一切そんなことはしないです。周りのお友達が○○ちゃん(=自分の子ども)に何か嫌なことしたからでは?しっかり見ていて頂けますか」と反論されてしまうことも多いのだとか。(カギカッコ内引用元:exiteニュース|家でイイ子なのに「外で態度が悪い子」、実は家での●●が原因だった!?)なぜこのように、家と外で別人のようになってしまう子がいるのでしょう?原因1:親のしつけが厳しすぎる立石氏は、親がしつけに一生懸命になるほど、子どもは “唯一の甘え場所” を失って、家庭内で自由に感情を発散できなくなってしまい、そのストレスを外で発散してしまうと注意を促しています。しっかり育てなければ……というプレッシャーから、わが子を管理しすぎている親御さんは要注意です。家庭教育アドバイザーの柳川由紀氏も、「嫌がることをする、繰り返し困らせるいたずらをする、という場合、その子どもは望んだことを満たされずに育ってきた可能性」があると指摘しています。親のしつけが厳しすぎて、子どもの欲求が日常的に押さえつけられている場合、幼ければ幼いほど、ほかの大人に甘えるようになるそうです。(カギカッコ内引用元:MAG2NEWS|家ではいい子、外では攻撃的。いたずらな子どもにある「不満」とは?)そんなやり場のないつらい気持ちを、親の目の届かない園や学校で発散し、衝動的に暴れてしまうことも。明治大学教授で臨床心理士の諸富祥彦氏は、著書『「プチ虐待」の心理』(青春出版社)のなかで「厳しすぎる親に育てられた子どもは、親のことを心底恐れ、家では常に緊張を強いられるため、『家ではいい子』として生活している」と述べています。そして彼らは、「いい子じゃない姿」を保護者に知られることをとても恐れているのです。原因2:親に十分手をかけてもらっていない児童精神科医の故・佐々木正美氏は、「親に十分に愛され、たくさんの手をかけてもらっている子どもは自信があるため、外でしっかりと振る舞える」のに対し、「家で十分手をかけてもらっていない子どもは、外ではいい子になれず、他人に手をかけさせることになってしまう」と、著書『子どもが喜ぶことだけすればいい』(ポプラ社)で述べています。みなさんのまわりにも、やけに大人にばかりかまってほしがる子はいませんか?前出の山﨑氏が数名の職員に「家だけいい子」についての話を聞いたところ、「(家で)YouTubeをたくさん観ているようだ」という共通点がありました。なかには、食事中おろか入浴中にまで動画を観せているという家庭も……。その子たちは、「聞いて聞いて!」と保育士をひとりじめしては、YouTubeの話ばかりするとのこと。そして親たちは「家ではおとなしい子なのに……」と一様に驚くのだそう。山﨑氏はその原因を「親との会話が少ないから」と分析しています。親の前で聞き分けが良いのではなく、親との会話が圧倒的に少ないために、自宅でのトラブルが少ないというのが本当のところでしょう。(中略)友達とケンカして嫌だった気持ち、先生に褒められて嬉しかった気持ち、それらを誰にも受け止めてもらえていないから、園で気持ちを爆発させてしまうのです。(引用元:幻冬舎GOLD ONLINE|家ではおとなしいのに…「外で暴走してしまう子」の共通点)YouTubeに限らず、スマートフォンを渡して子どもをおとなしくさせる「スマホ・ネグレクト」が、「家ではいい子・外ではわがまま」の原因になっていると、諸富氏も指摘しています。親に長く無視され続けると、本来育むべき子どもの「心」の健全な発達に必要な基盤が形成されません。その結果、人への不信感から長期的な信頼関係が築けず、人間関係がうまくいかないまま成長していくことになってしまうのです。わが子を「家だけいい子」にしない子育て方法わが子を「家だけいい子」にしないためには、どのようなことを意識するとよいのでしょうか。1. 子どもをたっぷり甘えさせる!お茶の水女子大学人間発達教育化学研究所教授の宮里暁美氏は、「子どものわがままは、親に甘えたい気持ちの表れ」とし、何回もだっこをおねだりしてくるなど、そのやりとりのなかで子どもは交渉力を身につけていくのだそう。忙しいときに相手をするのは大変ですが、「もう一回だけおまけだよ」など、子どもとの会話を楽しんでみましょう。「甘えを受け止めてもらえることが、外での頑張る力になる」と大豆生田氏も話していますよ。(カギカッコ内引用元:すくコム NHKエデュケーショナル|幼稚園から帰るとわがままになる。どうしたらいい?)2. 子どもの気持ちを尊重する「親が子どもの気持ちと向き合い、正直な気持ちを受け止めてあげることが大事」と諸富氏が『「プチ虐待」の心理』のなかで述べているように、子どもの感情を押さえつけたり、親が望む方向へと誘導したりすることは、家の外で感情を爆発させることにつながります。「嫌なら嫌って言っていいよ」「つらいときは泣いてもいいんだよ」と、子どもの正直な気持ちを尊重してあげましょう。そして親自身もまた、家庭のなかで喜怒哀楽をさらけ出すと、子どもも安心して感情を出せるようになるそうです。3. 「モヤモヤしたエネルギー」を発散させる子どもが外で迷惑をかけていたら、つい厳しく叱ったり、罰を与えたりしがちですが、その場では反省してもまた同じことの繰り返し……というケースも多いようです。臨床心理士の福谷徹氏によると、叱ってエネルギーを封じ込めるのではなく、「スポーツ等でルールやチームワークを学ばせ」たり、「良い意味で発散できるような場を用意して、アクセルを踏ませ」たりするとよいそうです。モヤモヤしたエネルギーを成長への力に変えることができたら、きっとよい結果につながるでしょう。(カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|家の外で悪い子みたいなんです[うちの子、どう接したらいいの?])***「心が健康な子どもほど、親の前では悪い子で、他人の前でいい子になれる」とは佐々木氏の言葉です。お子さんが家でわがままを言ってきたときは、「そうかそうか、いまは甘えたいのね」とおおらかな心で受け止めてあげたいものですね。(参考)すくコム NHKエデュケーショナル|幼稚園から帰るとわがままになる。どうしたらいい?exiteニュース|家でイイ子なのに「外で態度が悪い子」、実は家での●●が原因だった!?幻冬舎GOLD ONLINE|家ではおとなしいのに…「外で暴走してしまう子」の共通点佐々木正美(2021),『子どもが喜ぶことだけすればいい』, ポプラ社.MAG2NEWS|家ではいい子、外では攻撃的。いたずらな子どもにある「不満」とは?諸富祥彦(2016),『「プチ虐待」の心理』, 青春出版社.ベネッセ教育情報|いい子症候群~期待に応えすぎる子どもたち【後編】ベネッセ教育情報|家の外で悪い子みたいなんです[うちの子、どう接したらいいの?]
2023年06月26日