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レネー・ゼルウィガーが映画『ジュディ 虹の彼方に』で伝説的な女優・歌手のジュディ・ガーランドを演じ、第92回アカデミー賞で主演女優賞に輝いた。ジュディは映画史に名を刻むアイコン的な存在のひとりだが、ゼルウィガーは「ジュディには、他のアイコン的な存在とは一線を画している点がある」と分析する。1922年にアメリカで生まれたジュディ・ガーランドは幼少期からショービジネスの世界に入り、圧倒的な歌唱力と美貌で人気を博した。『オズの魔法使』では主演に抜擢され、劇中で歌唱した『Over The Rainbow(虹の彼方に)』は現在も歌い継がれる大スタンダードナンバーになった。しかし、実生活の彼女は幼いころからダイエットを強いられ、そのために服用していた薬によって体調を崩し、私生活は乱れ、トラブルを次々に起こす波乱の人生をおくった。映画は彼女が47歳の若さで亡くなる少し前の出来事を描くもので、ゼルウィガー演じるジュディが愛する子どもたちをアメリカに置いて単身渡英し、クラブでコンサートをする日々が描かれる。そこで明らかになるのは幼少期の思い出、苦しい生活、愛する子どもたちへの想い、どんな時も圧倒的なパフォーマンスで観客を圧倒する彼女の才能、そして何があっても前へと進み続けるジュディの強い意思だ。ゼルウィガーは『ブリジット・ジョーンズの日記』のようなコミカルな役どころから、オスカー助演女優賞に輝いた『コールド マウンテン』のようなシリアスな役まで見事に演じる女優だが、今回は少し事情が違う。本作の主人公は膨大な数の記録が残る実在の人物。それも幼い頃からショービス界で活躍し、観客を魅了し続けてきた伝説的な存在だ。「いま思い返すと……すべてが“そこ”にあったのだと思うのです」とゼルウィガーは穏やかに振り返る。「映画が撮影されたステージセットに彼女を演じる上で必要な空気がすべて備わっていて、私はそれにリンクすればいいだけでした」彼女はそう言って謙遜するが、実際にはゼルウィガーは1年かけて準備を積み、撮影前の3か月間トレーニングを繰り返した。「撮影の準備期間から撮影が終了するまで、いつもジュディ・ガーランドの“レガシー(遺産)”がそこにあって、生きているように流れ続けていました。監督との会話の中にも、聴いている音楽や、写真や記録映像、本の中にも彼女はいました。それはまるで“触れられるようなもの”でした。もちろん、撮影現場にジュディの霊がいたとかいうことではありませんよ(笑)。でも私は素敵なセットを前にしても、そこに自分が立って演じることをすんなり想像できました。きっと私たちは彼女のレガシーに触れて、そこに身を浸して撮影していたからでしょうね」ステージ上から観客の視線や興味をくぎ付けにし、緩急のあるボーカルでステージを作り上げていくジュディの姿をゼルウィガーは見事に演じている。その一方で本作は、ステージを降りた“哀しい”彼女の姿も容赦なく描いている。ジュディは幼い頃からショービズの世界にもまれ、ダイエットのために薬を飲まされ、同年代の子どもたちが経験することも止められ、外に出ればファンに追いかけられ、私生活はトラブル続き……彼女の生涯は“自分ではどうすることもできない哀しみや苦しみ”と“それでも前へと進もうとする意思”の間で揺れ動く。「そうですね。撮影時にそのことだけを意識していたわけではありませんが、彼女の人生をリサーチする中で、そのふたつ=“自分ではどうすることもできない哀しみや苦しみ”と“それでも前へと進もうとする意思”は、何度も何度も出てきたテーマでした。彼女は、自分自身ではなく、周囲の人間が彼女のためにした選択によって生み出された葛藤や問題と戦わなければならなかったのです。それでも彼女は最後の最後まで『虹の彼方に』を、つまり希望の歌を歌い続けた。これこそが彼女を定義づけるものだと思いますし、彼女を他のアイコン的な存在とは一線を画している点だと思います」華やかなステージを降りれば、孤独で苦しい時間もある。伝説のスターと呼ばれる存在とは思えないほど、つらい想いをすることがある。それでも彼女は前へ進む。歌うことをやめない。歌唱、動き、視線、そのすべてに強い意思を宿したラストのパフォーマンスは圧巻だ。「あのシーンの彼女は、自分自身の名前をあの場所に刻みたいという意識が強かったと思います。自分の才能が比類なきものだとみんなに知ってもらうために、成功するかどうかわからない不安を抱えながら、自分の持っているもののすべてを出して挑もうと彼女は意識していたと思います」『ジュディ 虹の彼方に』3月6日(金) 全国ロードショー
2020年03月05日3月3日18時、一般社団法人日本音楽事業者協会、一般社団法人日本音楽制作者連盟、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会、主要コンサート制作会社ら音楽関連団体より、新型コロナウィルス感染拡大の防止呼びかけに関する声明文が発表された。2月26日、政府は新型コロナウィルス感染拡大の防止措置として、スポーツ、音楽ライブ、イベントの実施を「今後2週間は中止や延期、規模縮小するよう要請する」と表明。以後、プロ野球オープン戦の無観客試合による実施、音楽ライブの中止・延期、映画館の一時的な休館などの措置が取られている。事態はまだまだ不透明な状況の中、音楽関連施設での感染拡大の報道がされるなど、業界全体がきわめて厳しい状況に直面している。声明文では、中止・延期の選択理由について「何よりも皆さんの健康が優先されることが大事」と説明する一方、「開催に向けて準備してきた苦労や、開催することで得られる充実感や達成感、そして何よりもオーディエンスの皆さんと分かち合えるかけがえのない喜びなど、経済的な損失以上に、その代償は大きなものがあります」と実情を述べる。今後の取り込みとして、「新型コロナウイルスに対して今一度正しい知識と関心を持つこと」が重要と指摘し、エンタメ業界全体で率先して取り組む方針であることを明かした。1日でも早い鎮静化の実現のため、「手洗い」や「咳エチケット」等、改めて感染対策を呼び掛けた。■声明文エンターテインメントを愛する皆さんへ先般のイベント中止、もしくは延期の要請を受け、コンサート等のエンターテインメントを中断する判断や、敢行する判断に対する様々な批判や賛同がある中で、我々は大多数の公演を中止、もしくは延期することに致しました。何よりも皆さんの健康が優先されることが大事という、強い気持ちを持って判断した次第です。一方で、開催に向けて準備してきた苦労や、開催することで得られる充実感や達成感、そして何よりもオーディエンスの皆さんと分かち合えるかけがえのない喜びなど、経済的な損失以上に、その代償は大きなものがあります。だからこそ、今回の新型コロナウイルスに対して今一度正しい知識と関心を持っていただき、これ以上の感染が広がらないようにつとめる事を、率先して訴えかけます。エンターテインメントが再び多くの皆さんに大きな力を与えることができるよう、細やかな知識や情報を、率先して広げていきたいと思います。我々も、開催に向け実施可能な感染防止対策を行いますので、少しでも沢山の皆さんが感染拡大防止の知識を増やし、事態の収束への意識を強く持ち、新型コロナウイルスに1日も早く打ち克ち、その結果、共に楽しいエンターテインメント空間を描けることを心より願っています。エンターテインメントを愛する皆さんと共に。#春は必ず来る2020年3月4日一般社団法人日本音楽事業者協会一般社団法人日本音楽制作者連盟一般社団法人コンサートプロモーターズ協会
2020年03月04日猛威を振るまくコロナウィルスの影響で、ディズニーが今週ロンドンで予定されていたメディアイベントをキャンセルした。ストリーミングサービスDisney+の欧州デビューのためのイベントで、記者会見や、スターが登場するパネルディスカッションなどが予定されていた。ディズニーによると、外国への渡航に不安があることを受けての判断。イギリス在住の記者のためには、Disney+の体験ができる特設ラウンジを紹介するという。Disney+は、11月にアメリカでデビュー。その後、カナダ、オランダ、オーストラリア、ニュージーランドでもサービスをスタートした。3月24日には、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、アイルランド、オーストリア、スイスでサービスを開始する。文=猿渡由紀
2020年03月04日人気ロックバンド シドが3月4日に待望の新曲『delete』をリリースする。アルバム『承認欲求』を引っ提げたツアーを大成功のうちに終わらせたシドにツアーを通して感じたこと、『delete』で表現したかったこと、その次の未来への展望など、シドの「今」を訊いた。ファンの目を見つめるようにしていました。目って記憶と結びついていると思うから。お申込みはこちら(dpia-app://marupi?isLocked=0&marupiId=49e959f8-6129-4007-aef2-88790eb9e9d5)(撮影/奥田耕平、取材・文/藤坂美樹、ヘアメイク/坂野井英明、スタイリング/奥村渉)
2020年03月04日『週刊少年マガジン』(講談社)に連載中の人気漫画の実写映画化作品『東京リベンジャーズ』の公開日が10月9日(金)に決定。あわせて監督、主要キャスト7名も、この度発表された。『東京リベンジャーズ』の主人公・花垣武道(ハナガキタケミチ)は、どん底人生真っ只中のダメフリーター。ある日、ヤンキーだった学生時代に付き合っていた人生唯一の彼女・橘ヒナタと、その弟・ナオトが、関東最凶の組織”東京卍曾”に殺されたことをニュースで知る。その翌日、駅のホームにいたタケミチは線路に転落する。死を覚悟した瞬間、タケミチは、不良学生だった10年前にタイムスリップしてしまう。東京卍曾を潰せば、未来のヒナタを助けられる。ヒナタを救うため、逃げ続けた人生を変えるため、タケミチは関東最凶不良軍団・東京卍曾に挑む。主人公・タケミチを演じるのは、『君の膵臓をたべたい』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞、2020年1月公開『サヨナラまでの30分』をはじめ、『とんかつDJアゲ太郎』『思い、思われ、ふり、ふられ』など映画の公開が目白押しの北村匠海。東京卍會副総長・龍宮寺堅、通称ドラケンには、昨年主演を務めた舞台『終わりのない』で文化庁芸術祭賞演劇部門新人賞を受賞した山田裕貴が挑み、物語のカギを握る存在の橘ナオトには、『キセキ-あの日のソビト-』で俳優デビュー以降、映画、ドラマ、CMだけでなくバラエティにも幅を広げ活躍中の杉野遥亮が決定した。また、タケミチの天敵である、キヨマサこと清水将貴を、『今日から俺は!!』劇場版の公開を控える、劇団EXILEメンバ-鈴木伸之が務める。さらに、タケミチの親友・千堂淳を、2018年第14回コンフィデンスアワード・ドラマ賞新人賞を受賞した磯村勇斗が演じ、裏で暗躍する東京卍曾幹部・稀咲鉄太には、主演作『殺さない彼と死なない彼女』が記憶に新しい間宮祥太朗が抜擢。そして、タケミチが挑む東京卍曾の総長・佐野万次郎、通称マイキーを、『キングダム』で第62回ブルーリボン賞で助演男優賞、エランドール賞新人賞を受賞した吉沢亮が務める。監督を務めるのは、『ぐらんぶる』、『映像研には手を出すな!』の公開が控える英勉。情報発表にともない、キャスト、監督、プロデューサーから下記のコメントが寄せられた。■北村匠海リアルタイムで“面白い漫画No.1”と思っているほど、大好きな原作だったので、武道役でお話をいただいた時は、今までとはまた違った高揚感がありました。特に武道が一番好きなキャラクターでもあったので、“もし映画化されるなら絶対僕がやりたい!”と思っていましたが、原作を好き過ぎるあまり少し不安でもあります(笑)。でも共演する仲間の皆が”超強力”メンバーなので、リアルな絆や繋がりを大事にしつつ、映像の『東京リベンジャーズ』としてベストなものを叩き出せたらと思っています。■山田裕貴最高に嬉しいです。原作が大好きでずっと読んでいましたし、中でもドラケンが断トツで一番好きなキャラクターです。原作を読みながら、勝手にドラケンのシーンで自分の声をあてて読んでいたくらいです(笑)。髪型もドラケンをやるなら(原作の)あの髪型にしたい!と本当に剃り上げることになりました。実際に仲良しでもある吉沢亮がマイキー役をやるということで、最強のマイキー&ドラケンコンビが見られると思います。期待して下さい!■杉野遥亮橘直人を演じます。武道がタイムリープをする中でナオトの世界線は僕が想像する以上の歪みや苦しみを伴っているんではないかと思います。今を必死に生きようと奔走するナオトと、“ナオトの今”を創っていきたいと思います。そして、24年間の中のベストオブ握手を北村匠海と交わしたいと思っています。よろしくお願いします。■鈴木伸之原作を知ったきっかけは、周りの友達がこぞって“面白い!”と言っていたことです。だからお話をいただいた時は嬉しかったですし、実際読んでみるとただの不良漫画ではなく、主人公が時代を行き来したり、人間関係もしっかり描かれていて確かにすごく面白かったです!映画化に今自分もワクワクしています。キヨマサというキャラクターは悪役ですが、せっかく演じさせてもらうからには皆さんの記憶に残るような際立った“ワル”にしたい。外見もできる限り原作に忠実にしていくつもりなので、是非楽しみにしていて下さい。■磯村勇斗お話をいただいてから原作を読ませていただきましたが、物語自体の面白さと魅力的なキャラクター達に引き込まれて、読む手が止まらなくなりました。僕が演じる千堂敦=アッくんは、未来と過去の間で“陽”から“陰”へと同じ人物なのに異なるキャラクターへと大きく変貌を遂げます。過去では赤髪リーゼント、未来ではやせ細った(トーマンの)幹部になったりと、外見の変貌も多い。大切な仲間=武道の心に何を投げられるかを考えながら、外見も内面もしっかり変化させて挑みたいです。■間宮祥太朗原作は俳優仲間に薦められて、一気に読ませて頂きました。決していい子たちの話ではないですが、“男を学ぶ漫画”だなと思いましたし、彼らなりの信念や価値観がきっちり描かれている作品だなとも思いました。登場人物は皆、喧嘩が強くて心の中に覇気を持っているけれど、僕が演じる稀咲(キサキ)にはその中でも特に容赦の無さみたいなものがある。不良、仲間、友情。シンプルで熱いお話なんですが、そこには暗い影も確実に落ちていて。その象徴が稀咲だと思いますし、この群像劇の中で1人だけ独立したような存在になればいいなと思っております。■吉沢亮大人気漫画の実写化はやっぱりプレッシャーが凄いので、最初は悩みました。でも主演が別の作品でもご一緒した北村匠海君で、周りのキャストも素敵な役者さんが集まっていたので、楽しい現場になるだろうと思い、やらせて頂くことになりました。マイキーの純粋過ぎるが故の危うさと、時折見せる刺すような冷たい目。その辺を映画として見た時にオーバーになり過ぎないように、ちゃんと落とし所を見つけて演じられればと思います。あとハイキック。柔軟頑張ります。■監督:英勉真正面から撮らせていただきます。生身の武道、マイキー、ドラケンはじめ愛すべきキャラクターたちがみんなの為に命を張れる場所を提供してあげたいと考えてます。何卒宜しくお願いします。■プロデューサー:岡田翔太楽しみにして下さっていた皆様、お待たせいたしました。今、日本を代表するキャスト&スタッフ陣が映画『東京リベンジャーズ』のために集結いたしました!英監督に“絶対面白くなるので映画化しましょう!”と飛び込んでから構想数年……やっとここまで辿り着きました。人のために思いっきり泣けて、人のために思いっきり悔しがれる、ダサくてもみっともなくても諦めない。そんな”泣き虫のヒーロー”タケミチと、そんな主人公を支える最強で最高な仲間たちの物語です。誰が観てもアツくなれて、笑って、泣ける!今まで観たことの無いような最高のエンターテインメント作品にしたいと思います。タケミチのようにそれだけは私達も諦めません。10月9日が決戦です。皆様、続報をお楽しみにお待ちください!!『東京リベンジャーズ』10月9日(金)公開
2020年03月04日今年で第6回目を迎える「カバーガール大賞」の各賞受賞者が、実行委員会より発表され、新設の“メンズ大賞”にKing & Princeのメンバー・平野紫耀が選ばれた。「カバーガール大賞」は、雑誌、フリーペーパー、電子雑誌等を中心に、約10000誌を調査し、表紙を飾った回数の多かった女性に贈られる賞。大賞のほかに、エンタメ、コミック、グラビア、ファッションの各部門賞受賞者と、10代、20代、30代でトップを飾った女性を表彰、さらに実行委員が「話題賞」を選ぶ。今年からは、表紙を飾った回数の一番多かった男性を表彰する「メンズ部門」も新設された。昨年、平野はグループではもちろんのこと、個人でも数多くの表紙を飾った。『WiNK UP』(ワニブックス)などのアイドル雑誌や、『メンズノンノ』(集英社)などのメンズファッション誌、『andGIRL』(エムオン・エンタテインメント)、『週刊TVガイド』(東京ニュース通信社)、『anan』(マガジンハウス)、『東海ウォーカー』(KADOKAWA)、『日本映画navi』(産経新聞出版)、『ぴあMovieSpecial 2019Summer』など、女性ファッション誌、テレビ情報誌、女性週刊誌、タウン誌、映画情報誌、舞台情報誌と、掲載された雑誌のジャンルは多岐に渡っていた。表紙を飾ったことで増刷、重版される雑誌も多く、3月4日発売の『anan』創刊50周年記念号でも、King&Princeメンバーと表紙を飾るなど、平野は現在の雑誌業界を牽引していく存在となっている。以下は、受賞した平野のコメント。■メンズ版大賞受賞についてありがとうございます。とても光栄です。1年を振り返ると、たくさん表紙を飾らせていただいたなと思ったのですが、まさか賞を頂けるほどとは思いませんでした。各出版社の皆さんに感謝しております。■去年1年間を振り返って雑誌を含めバラエティー、映画、舞台、コンサートツアーなど、本当に様々なジャンルのお仕事をさせていただいたなと思います。多くの事を経験させていただき、とても勉強になりました。■今年はどんな1年にしたいか去年より今年、今年より来年と、ステップアップできるように、日々勉強して精進していきたいと思います。どんなお仕事をいただいても、期待に応えられるように頑張ります!■雑誌を購入しているファンへのメッセージこんにちは、こんばんは、平野紫耀です。この度、カバーガールメンズ部門で大賞をいただきました!ありがとうございます。いつも周りのスタッフさんが『この間の表紙、もう売り切れたよ!』と教えてくださったり、増刷や重版のニュースも拝見し、雑誌を見てくれた皆さんにとても感謝しています。実際撮影している時に「見てくれたみんなはどんな反応してるんだろう?」など想像しワクワクしながら撮影に臨んでいます。こうして雑誌を見てくれた方々のおかげで、このような賞に繋がったと思っています!今年もたくさん表紙に起用して頂けるように、精一杯頑張ります!■「第6回カバーガール大賞」結果【大賞】吉岡里帆【メンズ部門大賞】平野紫耀(King&Prince)【エンタメ部門】与田祐希(乃木坂46)【ファッション部門】石原さとみ【コミック部門】大原優乃【グラビア部門】小倉優香【話題賞】VOGUEJAPAN(12月号)【10代部門】与田祐希【20代部門】吉岡里帆【30代部門】石原さとみ【トップ10】1位:吉岡里帆、2位:大原優乃、3位:与田祐希(乃木坂46)、4位:小坂菜緒(日向坂46)、4位:齋藤飛鳥(乃木坂46)、4位:広瀬すず、7位:石原さとみ、7位:今田美桜、7位:浜辺美波、10位:沢口愛華
2020年03月04日映画『さんかく窓の外側は夜』の公開日が10月30日(金)に決定。さらに、元欅坂46の平手友梨奈がヒロイン役で出演することが分かった。本作は、コミックス100万部を超え、今最も注目されている女性漫画家・ヤマシタトモコによる同名漫画を実写映画化。岡田将生演じる、霊を祓うことができる男=冷川(ひやかわ)と、志尊淳演じる霊を視ることができる男=三角(みかど)のふたりが、“除霊”を使って謎や事件を解決していくミステリーだ。平手演じるヒウラエリカは、一見普通の女子高生だが、実は強力な“呪いの力”の持ち主。事件を追う冷川と三角が、ある事件現場で「ヒウラエリカに…だまされた…」という声を耳にするなど、ストーリーの鍵を握る役どころとなっている。平手は2015年8月に結成された女性アイドルグループ欅坂46のメンバーとして、2016年「サイレントマジョリティー」でデビュー。映画『響 -HIBIKI-』で映画初出演にして初主演を務め、第42回日本アカデミー賞で新人俳優賞、第31回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞で新人賞を受賞した。今回は2年ぶり、2度目の映画出演。さらに、今年1月に欅坂46を脱退してから個人としての活動の第一弾となる。今回の出演決定にあわせて、平手と森ガキ侑大監督がコメントを発表した。■平手友梨奈初めて原作を読ませて頂いたとき、すごくおもしろくて続きが気になってあっという間に読んでいました。そんな中で、ヒウラエリカ役のオファーを頂いたとき、最初は本当に自分で大丈夫なのか、という不安が大きかったです。でも、ヒウラエリカが抱える”想い”と、純粋にこの素敵な作品を届けたいと思いました。自分にとっても新しい挑戦ですし、監督と初めてお会いした時に、監督も新しい挑戦とおっしゃっていたことも、私の背中を押してくれたような気がします。登場する様々なキャラクターがどう交わっていくかを楽しみにして頂けたら幸いです。■森ガキ侑大監督ヒウラエリカという人物像を脚本打ち合わせしている時から、自然と平手さんとして作りあげていた自分がいました。もはや、平手さんしか考えられなかったです。そして、平手さんがこの役をひきうけてくれた時の胸の高鳴りはいまでも身体が覚えています。平手さんと一緒にヒウラエリカという役を丁寧に紡いでいく作業はすごく新鮮なものでした。そして、岡田さん、志尊さん、平手さんの孤独の共存は素晴らしいものがありました。平手さん、たくさんの映画の中でこの映画を選んでくれてありがとうございます。また、3月4日(水)4:00より、『さんかく窓の外側は夜』のムビチケ前売券オンラインが、ムビチケのウェブサイトにて先行で発売開始する。購入特典は、抽選で本作の完成披露試写会の前方席へのご招待というスペシャルな内容。また同日3月4日(水)より、映画公式HPと公式インスタグラムも開設され、インスタグラムでしか見られないオフショットも続々展開される予定だ。『さんかく窓の外側は夜』10月30日(金)より全国公開
2020年03月04日食にまつわる考古資料を特集する“発掘成果から考える近世都市『おおさか』の食文化”が本日から大阪歴史博物館でスタートする。長い歴史の中で人の暮らしの痕跡をたどることができる考古資料は多いが、その中でも生活の基本である“食”にまつわるものは現在の私たちの暮らしに連なるものだ。さらに大阪は昔も今も“食”の街で、今回は当地の食文化の歴史と豊かさに触れることができる。会場には、大坂城下町跡出土の食膳具や住友銅吹所跡出土の中国産磁器蓋付碗・皿、大阪市内出土のミニチュア土製品などを展示。城内、蔵屋敷、城下町で人々はどのように暮らし、何を、どのように食べていたのか?空想がふくらむ展示になりそうだ。■発掘成果から考える近世都市「おおさか」の食文化3月4日から5月11日(月)まで9時30分から17時まで(入館は閉館30分前まで)※休館日は毎週火曜(4月28日・5月5日は開館、5月7日は休館)常設展示観覧料大人600円、大高生400円大阪歴史博物館8階 特集展示室【関連リンク】 大阪歴史博物館()
2020年03月04日1983年に作家・劇作家の井上ひさしが立ち上げ、以降、井上作品を専門に上演し続けている制作集団・こまつ座が、井上が戦争前後の庶民の営みを描いた“昭和庶民伝三部作”の第1作となった音楽劇『きらめく星座』を、3月10日(火)から15日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで上演する。物語の舞台は昭和15年の東京・浅草。小さなレコード店・オデオン堂では、家族4人とふたりの間借り人が仲良く暮らしている。ある日、陸軍に入隊していた長男の正一が脱走し、すぐさま憲兵伍長“蝮の権藤”が乗り込んでくる。さらに、長女みさをが“ハガキの束から選んだ”という夫・源次郎が家族に加わるが、堅物の愛国主義者で傷痍軍人の源次郎は、音楽好きでジャズを流す家族たちが許しがたい。こうしてオデオン堂には大嵐が吹き荒れることになり……。本作は1985年に初演され、井上自身が演出した数少ない作品のひとつ。太平洋戦争前夜の昭和16年12月7日までの1年間を描く物語で、その時代は決して明るくはなく、戦争の愚かさを痛切に浮かび上がらせる。一方で、ピアノの生演奏にのせて『青空』や『一杯のコーヒーから』などの昭和初期の流行歌の軽快なメロディと数々の名セリフが劇空間を弾ませる。生前、井上はこの物語を「涙と笑いに満ちた懐かしい香りのするもの」とし、私戯曲的と位置付けている。これまで多彩な顔ぶれにより上演され、既に延べ500回の公演回数に達している舞台。演出は井上が絶大な信頼を寄せ、本作を手がけるのは4度目となる栗山民也。そしてキャストには久保酎吉、松岡依都美、高橋光臣、粟野史浩、瀬戸さおり、後藤浩明、高倉直人、村岡哲至、木村靖司、大鷹明良が揃い、上質なアンサンブルを紡ぐ。文:伊藤由紀子
2020年03月04日ウディ・アレンがメモワール本を出版することになった。タイトルは『Apropos of Nothing』。アシェット系列のグランドセントラル・パブリッシングが4月7日にアメリカで発売する。カナダ、イタリア、フランス、ドイツ、スペインでも発売が決まっている。アレンのメモワールのプロジェクトが最初に出たのは2003年。しかし、アレン本人が考えを変えたため、執筆はなされなかった。2018年、彼は再び本を書きたいと申し出るが、「#MeToo」運動が起こったことで、出版社はどこも、養女ディランに性的虐待を行なった疑惑のある彼と組むことを嫌がる。そんな中、グランドセントラルは、2019年3月にアレンと契約を結んだ。ギャラの金額などはわかっていない。アシェットからは、昨年、アレンの息子で、アレンによる姉ディランへの性的虐待を批判し続けてきたローナン・ファローの本『Catch and Kill』も出版されている。文=猿渡由紀
2020年03月03日ゆずが3月4日、15thアルバム『YUZUTOWN』を発売する。1996年3月に活動をスタートし、今や国民的な音楽グループとなったゆず。昨年は日本史上初の弾き語りドームツアー「ゆず弾き語りドームツアー2019 ゆずのみ~拍手喝祭」を成功させ、台湾のグラミー賞と呼ばれる「第30回金曲奨」に日本代表として特別出演を果たした。『YUZUTOWN』は前作『BIG YELL』以来、約2年ぶりのアルバム作品。楽曲はCMやアニメ、ドラマの主題歌としてタイアップされた曲が多く、聴き馴染みのあるものが多いはずだ。令和になって初の作品である『SEIMEI』は松任谷正隆と蔦谷好位置による新アレンジが施され、さらに北川悠仁が嵐に楽曲提供した『夏疾風』のセルフカバーも収録。アートワークを担当したのはピクセルアート界のレジェンド・eBoy(イーボーイ)。渋谷の街並みや横浜中華街、みなとみらいなど、実在する街をモチーフに組み立てたという創造の街「YUZUTOWN」にも注目だ。■リリース情報『YUZUTOWN』/ゆず収録曲1.SEIMEI(日本生命CMタイアップソング)2.チャイナタウン3.~Pinky Town~4.花咲ク街(伊藤園 「お~いお茶」CMソング)5.GreenGreen(伊藤園「お~いお茶」CMソング)6.マボロシ(NHKドラマ10「昭和元禄落語心中」主題歌)7.~Yellow Town~8.イマサラ9.フラフラ10.夏疾風(YZ ver.)(「嵐」提供曲セルフカバー)11.~Green Town~12.マスカット(テレビ朝日系アニメ「クレヨンしんちゃん」主題歌」)13.まだまだ14. 公園通り(伊藤園「お~いお茶」CMソング)
2020年03月03日2月29日、3月1日の全国映画動員ランキングは、公開8週目の『パラサイト 半地下の家族』(全国328館)が今週も首位を守った。公開2週目の『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(全国322館)も先週と変わらず2位をキープ。アニメーション業界で活動する若者たちを描いた『劇場版 SHIROBAKO』(全国157館)は初登場3位になった。公開4週目の『犬鳴村』(全国210館)は先週3位から4位に。ハリソン・フォードが主演を務める映画『野性の呼び声』(全国338館)は初登場5位になった。公開2週目の『ミッドサマー』(全国107館)は先週7位から順位をあげて6位に。そのほか新作では、ギレルモ・デル・トロ監督がプロデュースを務め、アルヴィン・シュワルツによる小説シリーズを映画化したホラー『スケアリーストーリーズ 怖い本』(全国188館)が初登場10位。『仮面ライダージオウNEXT TIMEゲイツ、マジェスティ』は初登場11位につけている。次週は『仮面病棟』『劇場版ウルトラマンタイガニュージェネクライマックス』『劇場版 おいしい給食 Final Battle』『ジュディ 虹の彼方に』『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』『星屑の町』『酔うと化け物になる父がつらい』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『パラサイト 半地下の家族』2位『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』3位『劇場版 SHIROBAKO』4位『犬鳴村』5位『野性の呼び声』6位『ミッドサマー』7位『ヲタクに恋は難しい』8位『1917 命をかけた伝令』9位『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』10位『スケアリーストーリーズ 怖い本』
2020年03月02日「ぴあ」調査による2020年2月28日、2月29日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、アニメ―ション業界で活動する若者たちを描いた『劇場版 SHIROBAKO』が第1位になった。ベスト10は以下の通り。1位『劇場版 SHIROBAKO』93.6点2位『架空OL日記』93.0点3位『仮面ライダージオウNEXT TIMEゲイツ、マジェスティ』92.8点4位『娘は戦場で生まれた』92.5点5位『ママをやめてもいいですか!?』90.5点6位『子どもたちをよろしく』89.3点7位『黒い司法 0%からの奇跡』88.8点8位『PMC:ザ・バンカー』87.5点9位『初恋』87.1点10位『レ・ミゼラブル』86.5点本作は、2014年に放映されたTVアニメーション『SHIROBAKO』の劇場版。アニメーションの世界でアニメーターや声優など様々な分野で夢を追う若者たちの姿が描かれる。TVシリーズから4年を経ての映画公開だが、公開初日にはシリーズのファンが集結。出口調査に応じてくれた観客はみな公開を待ちわびていたようで「テレビの続きかと思っていたら、意外なはじまり方だった」「TVシリーズからの時間の経過やキャラクターの成長を感じ取ることができた」「TVシリーズではメインではなかったキャラクターもちゃんと尺をとって描かれていてうれしい」「新キャラクターも登場してパワーアップしているけど空気感がそのままなところがよかった」などの感想が寄せられた。本作はアニメ制作の世界が舞台になっているが、そこに描かれるのは駆け出しの若者たちの挫折やトラブル、苦悩、そして夢を追う強い意思で「自分の人生と重ねられる部分がある」「なんてこのとない1日を生きている人に見てほしい」「いまの世相を反映している」など、自分自身の境遇や現在の社会と重ね合わせて観た人が多いのが特徴。上映後の観客の表情は圧倒的に晴れやかで高評価が続出。「この映画を観て、自分も何か新しいことをはじめてみようかと思った」と笑顔で語った人もいた。(本ランキングは、2/28(金)、2/29(土)に公開された新作映画14本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)直近1か月の満足度ランキング結果■2月21日、22日公開作品のランキング1位『スウィング・キッズ』92.1点2位『世界一初恋プロポーズ編』90.5点3位『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』90.2点4位『映画 ねこねこ日本史 ~龍馬のはちゃめちゃタイムトラベルぜよ!~』88.2点5位『名もなき生涯』87.8点6位『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』86.5点7位『スキャンダル』84.1点8位『ミッドサマー』82.5点9位『Red』80.1点10位『チャーリーズ・エンジェル』79.2点■2月14日、15日公開作品のランキング1位『MAN WITH A MISSION THE MOVIE ‐TRACE the HISTORY‐』93.9点2位『阪神タイガース THE MOVIE~猛虎神話集~』92.9点3位『ACCA13区監察課 Regards』92.8点4位『囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather』91.8点5位『山中静夫氏の尊厳死』91.3点6位『1917 命をかけた伝令』89.8点7位『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』88.4点8位『ふたりのJ・T・リロイベストセラー作家の裏の裏』80.0点9位『影裏』77.9点10位『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』75.9点■2月7日、8日公開作品のランキング1位『侍の名のもとに~野球日本代表 侍ジャパンの800日~』93.7点2位『劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー/魔進戦隊キラメイジャー エピソードZEROスーパー戦隊MOVIEパーティー』91.3点3位『37セカンズ』89.9点4位『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』86.2点5位『ファンシー』85.8点6位『グッドライアー 偽りのゲーム』84.7点7位『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』84.1点8位『ヲタクに恋は難しい』83.9点9位『ハスラーズ』83.5点10位『グリンゴ/最強の悪運男』78.9点
2020年03月02日おとな向け映画ガイド『ジュディ 虹の彼方に』『星屑の町』が今週のオススメ。ぴあ編集部 坂口英明20/3/02(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開される映画は18本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国約100スクリーン以上で拡大上映されるのが『仮面病棟』『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』『ジュディ 虹の彼方に』の3本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が15本です。当初8日に公開予定されていた『映画ドラえもん のび太の新恐竜』は公開延期となりました。この中から、おすすめしたいおとな向きの2作品をご紹介します。『ジュディ 虹の彼方に』ラストで泣きました。 映画はこれでなくては! まさに感動必至の作品です。ジュディ・ガーランドの最晩年を描いています。子役時代の『オズの魔法使』はミュージカル映画の象徴ともいえる1本、その中で歌った『虹の彼方に(オーバー・ザ・レインボー)』が不朽のスタンダードソングになりました。ショービジネスに燦然と輝くまさに星のような存在です。が、そういうひとに限って、実人生は、そんなに恵まれていないんですね。1954年に『スタア誕生』(最近レディー・ガガがリメイク)に主演。アカデミー賞では本命視されながら、最優秀主演女優賞を逸し、女優から歌手に軸足を移したとされています。60年代はショービジネスの第一線で活躍、カーネギー・ホールでの名パフォーマンスなど、レコードでも名盤を残しています。この映画が描く1968〜69年は、ジュディが47年の人生を終える直前。長年の酒と薬、金銭問題、愛する子どもたちとの別離など、心身ともに疲れ果てていたといいます。最後の舞台はロンドンのナイトクラブ「トーク・オブ・ザ・タウン」での長期公演。このロンドン時代を中心に物語は進みます。ジュディ役を演じたレネー・ゼルウィガーに圧倒されます。『ブリジット・ジョーンズの日記』で、アラサーの悩める独身女性を演じた、ややふっくらした印象の強いあの女優さん。その後『シカゴ』ではアカデミー賞主演女優賞にノミネート、『コールドマウンテン』では助演女優賞を受賞した実力派。この作品でも、女優魂というか、相当の練習を積まれたのでしょう。吹き替え無しで歌い、ジュディが憑依しているかのようです。クラブで歌う『トロリー・ソング』『カム・レイン・オア・カム・シャイン』などのスタンダード・ナンバーの楽しいこと……、そして感動の『虹の彼方に』。レネーはこの作品で、ジュディがなしえなかったアカデミー賞最優秀主演女優賞受賞を果たしています。ちょっといいエピソードが心に残りました。ジュディが、舞台がうまくいかず、打ちひしがれて、もう世界に自分の味方はいないと絶望した夜。「出待ち」のファンが彼女を救います。ショーに通いつめる中年のゲイのカップルです。彼らのもてなし、というか心配りがどれほど力になったか。LGBTQコミュニティでは、ジュディと『虹の彼方に』がシンボル的な存在であるといいます。『星屑の町』こちらもショービジネス!ですが、うって変わって、売れないムード歌謡コーラスグループ「山田修とハローナイツ」の歌と涙の人情喜劇。シリーズ化し、25年も演じられてきた、下北沢あたりじゃ評判の、舞台の映画化です。例えば、内山田洋とクール・ファイブのように、前川清のバックでわわわわーとコーラスをつけている人たち、いますよね。どこか謎の存在でありますが、かれらに着目したアイデアが面白い。舞台と同じメンバーが出演、これがまた実に絶妙のキャスティングです。映画を観る前の予備知識として、グループ結成のいきさつを書いておくと。元大手レコード会社社員の山田修(コント赤信号の小宮孝泰)が、担当の演歌部門が縮小になったのを機に、それなら自分でとこのグループを作りました。メンバーは、行きつけのスナックのマスター(同じく赤信号のラサール石井)、そして店の客(渡辺哲と有薗芳記)。これに大阪ミナミからボーカルの大平サブローが参加し、グループが誕生。さらに、博多の焼き鳥屋の親父(でんでん)が、グループの経済的な救世主となり、途中から加わります。以後、解散と再結成を繰り返し現在にいたる、というわけです。東北巡業、といっても温泉の余興がほとんど。今回は山田修の故郷、東北の田舎町、廃校になった小学校で公演です。主催は山田の弟(菅原大吉)が率いる町の青年団。ゲストというか前座歌手で「キティ岩城」(戸田恵子)もやってきます。公演前日に行ったスナックで、歌手志望の愛ちゃんにまとわりつかれ、すったもんだあり…。愛ちゃん役はのん。久しぶりの映画出演です。彼女がグループに加わってからの展開はちょっとした「スター誕生」風。かっこよくいえばショービジネス・エンタテインメントですが、どこかしょぼいのが逆に魅力です。大平サブローが歌う『宗右衛門町ブルース』『中の島ブルース』『ほんきかしら』や、グループのオリジナル『MISS YOU』。戸田恵子が歌う『手紙』など、昭和歌謡がたっぷり味わえます。すべて歌詞が字幕になってでます。のんちゃんが歌う『新宿の女』『恋の季節』はよく考えた選曲ですね。脚本は、お芝居のときから、演じる役者の個性を活かす「当て書き」で書かれています。小宮はいかにも気が弱そうだし、一見コワモテだが優しい渡辺、謎がありそうなでんでん、すねものの有薗。なかでもラサール石井が傑作です。舞台での大平との関西弁の漫才のようなやりとりなんて、最高です。
2020年03月02日『ぴあ』がセレクトする今が旬♡なイケメンに、今ハマっていることや恋愛のこと、お仕事観を聞いちゃいます!()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()
2020年03月02日東京・品川のマクセル・アクアパーク品川で、桜と海の世界を融合させた斬新なイベント「NAKED SAKURA AQUARIUM」がスタートする。本イベントは、アクアパーク品川の施設とデジタルで描かれる桜が融合。空間全体が桜が咲く“春の日本庭園”の演出で彩られ、ドルフィンパフォーマンスは桜をイメージした演出で、昼夜で異なる2つのプログラムが楽しめる。ほかにも、限定メニューや桜が満開のカフェバーも設置。屋内で日本の“お花見文化”を堪能できる催しになっている。NAKED SAKURA AQUARIUM3月1日(日)から4月19日(日)までマクセル・アクアパーク品川入場料大人(高校生以上)2300円、中小生1200円、幼児(4才以上)700円※アトラクション・各種有料プログラムは、別途料金が必要
2020年03月01日重要文化財に指定されている大阪城の櫓(やぐら)の内部が特別公開される。日ごろは見ることができないエリアの公開とあって多くの人を集めそうだ。大阪城は“大坂の陣”の後、徳川幕府の再築工事によって櫓と蔵が建てられた。これらは場内の要所に配置されており、監視や防御に使われたり、武器庫として活用されていたという。今回はこの櫓の内部を特別公開。天守閣とのセット券も販売され、様々な角度から大阪城を堪能できる。重要文化財大阪城の櫓YAGURA特別公開土日祝日限定 3月1日(日)から11月29日(日)まで※連日公開期間あり10時から16時30分まで(最終入場16時)※チケット販売終了15時30分櫓入場券 大人(高校生以上)700円小人(中学生以下)300円天守閣セット券 大人(高校生以上)1200円
2020年03月01日近年、話題にあがることの多い“外来生物”にスポットを当てた特別展「知るからはじめる外来生物〜未来へつなぐ地域の自然〜」が本日から大阪市立自然史博物館で開催される。ここ数年、外来生物は“持続可能な開発目標”や“生物多様性”などのフレーズと共に話題になり、時に排除や駆除の対象としてあげられることも多い。しかし、外来生物をどう扱うべきなのか、単に駆除すればすべてが解決するのか? それらの知識がないままに語られることも増えている。そこで今回の特別展ではタイトルの通り“知るからはじめる”ため、外来生物問題についての基礎知識と、大阪や日本における外来生物の現状を紹介。楽しく学べて、今後の動植物や環境についての考えが深まる内容になっている。特別展「知るからはじめる外来生物〜未来へつなぐ地域の自然〜」3月1日(日)から5月31日(日)まで9:30〜17:00(入館は16:30まで)観覧料大人500円高校生・大学生300円※本館(常設展)とのセット券は、大人700円、高校生・大学生400円※中学生以下、障がい者手帳など持参者(介護者1名を含む)、大阪市内在住の65歳以上は無料(要証明)大阪市立自然史博物館(大阪市東住吉区長居公園1-23)
2020年03月01日“ロシア・ピアニズム”の申し子、イリーナ・メジューエワが、祖国を遠く離れた東京で、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会に挑む。その第1回と第2回公演(同日開催)が目前だ。会場となる東京文化会館は、1997年のイリーナ・メジューエワ日本デビュー公演の会場となった思い出のホール。以来、日本に拠点を据えて幅広い演奏活動を続けてきただけに、公演にかける思いも一際強いに違いない。第1回公演は、23番『熱情』を筆頭に1番、6番、24番、25番の5曲。そして同じ日の夜公演となる第2回では、21番『ワルトシュタイン』を筆頭に、2番、5番、19番、20番の5曲が披露される。J.S.バッハの『平均律クラヴィーア曲集』が音楽の『旧約聖書』に例えられるのと同様『新約聖書』と称されるベートーヴェンのピアノ・ソナタ32曲。この傑作群を名手イリーナがどのように描き出すのかに注目したい。●公演概要・3月7日(土)東京文化会館小ホール「イリーナ・メジューエワピアノソナタ全曲演奏会第1回、第2回」・6月13日(土)東京文化会館小ホール「イリーナ・メジューエワピアノソナタ全曲演奏会第3回、第4回」●イリーナ・メジューエワ IRINA MEJOUEVA(ピアノ)(C)奥村和泰ロシア生まれ。モスクワのグネーシン特別音楽学校とグネーシン音楽大学(現ロシア音楽アカデミー)でウラジーミル・トロップ教授に師事。1992年ロッテルダム(オランダ)で開催された第4回エドゥアルド・フリプセ国際コンクールでの優勝後、オランダ、ドイツ、フランスなどで公演を行う。1997年からは日本を本拠地として活動。2002年、スタインウェイ・ジャパンによる国内コンサートツアー。2003年、サンクトペテルブルク放送交響楽団と日本国内4都市で共演。2005~06年にはザ・シンフォニーホール(大阪)で4回にわたるリサイタル・シリーズを開催。2006年からは毎年京都でリサイタルを行う。2017/2018シーズンには、日本デビュー20周年記念として東京文化会館において全3公演のリサイタル・シリーズを行うなど精力的な演奏活動を展開している。CD録音にも精力的で、これまでに多数のアルバムをリリース。「ショパン:ノクターン全集」は2010年度レコードアカデミー賞(器楽曲部門)に輝く。2017年9月には「ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ」(講談社現代新書)を出版。2006年度青山音楽賞受賞。2015年、第27回ミュージック・ペンクラブ音楽賞(クラシック部門、独奏・独唱部門賞)を受賞。
2020年02月29日東京富士美術館にて、『上村松園・松篁・淳之 三代展 〜近代が誇る女流画家とそれに連なる美の系譜』が2月29日(土)に開幕。4月12日(日)まで開催されている。明治後期から昭和初期にかけて、美人画の傑作を生み出した日本画家、上村松園(うえむらしょうえん)(1875〜1949)。明治8年に京都で生まれ、鈴木松年、幸野楳嶺、竹内栖鳳らに師事した松園は、京都の風俗、歴史、謡曲の物語等に取材した気品ある格調高い女性像を描き、1948年には女性として初めての文化勲章を受章。彼女の息子である上村松篁(しょうこう)、孫の上村淳之(あつし)もまた日本画家として活躍した。同展は、そんな松園から三代にわたって続く美の系譜を辿るもの。奈良県奈良市にある松伯美術館(上村松園・松篁・淳之の作品を収集・保管・展示する美術館)所蔵の作品を中心に、約80点におよぶ作品や資料が紹介される。展示は「第1部:上村松園」「第2部:上村松篁」「第3部:上村淳之」の3部構成。中でも「第1部」では、上村松園の生涯を大きく「建設期(=明治期)」「模索期(=大正期)」「大成期(=昭和期)」の3つの章に分け、折々のエピソードや松園自身の言葉、遺品なども交えて代表的な作品が並ぶ。明治・大正・昭和と時代が劇的に変化を遂げる中で、女流画家としての矜持を持って生き抜いた松園。その作品に込められた思いと、彼女が貫いた信念、人間性に迫っていく。「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである」(『青眉抄』より)松園が残したこの言葉のように、時代に流されない敬虔な眼差しで突き詰めた理想の女性の美、そしてそれに連なる美の系譜を堪能してほしい。なお、3月2日~3月16日は新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため休館となる。【開催情報】『上村松園・松篁・淳之 三代展 〜近代が誇る女流画家とそれに連なる美の系譜』2月29日(土)〜4月12日(日)まで東京富士美術館にて開催※3月2日~3月16日は新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため休館【関連リンク】 東京富士美術館()上村松園《楊貴妃》大正11年(1922)松伯美術館上村松篁《万葉の春(右)》昭和45年(1970)近鉄グループホールディングス株式会社上村松篁《万葉の春(中)》昭和45年(1970)近鉄グループホールディングス株式会社上村松園《わか葉》昭和15年(1940)名都美術館上村松園《青眉》昭和9年(1934)松伯美術館上村淳之《四季花鳥図(左)》平成 22年(2010)近鉄グループホールディングス株式会社上村淳之《四季花鳥図(右)》平成 22年(2010)近鉄グループホールディングス株式会社上村松篁《万葉の春(左)》昭和45年(1970)近鉄グループホールディングス株式会社
2020年02月29日京菓子の文化や職人の技にふれ、その魅力を堪能できるイベント「京菓子コレクション」が2月29日(土)と3月1日(日)に北野天満宮の文道会館で開催される。本イベントには京都の老舗和菓子店が集結しており、各店の京菓子と抹茶が楽しめるほか、京菓子に関する資料展示も予定されている。会場になる北野天満宮は梅も見ごろ。イベントに参加した後、周辺をゆっくりと歩いて楽しむこともできそうだ。京菓子コレクション2月29日(土)、3月1日(日)11時から/19時にチケット販売終了、19時30分にイベント終了※お菓子がなくなり次第、終了京菓子2種と抹茶付1000円梅苑入苑セット大人1800円、小学生1400円北野天満宮文道会館
2020年02月29日『パラサイト 半地下の家族』のストーリーボードが、グラフィックノベル本としてアメリカで出版されることになった。ストーリーボードを描いたのはポン・ジュノ本人。セリフ、カメラの位置などの指示は、英語と韓国語、両方で書かれるとのこと。ページ数は304で、冒頭にはポン・ジュノによる前書きが入る。タイトルは『Parasite:The Screenplay and the Storyboard Book』。アメリカではこの夏、韓国では10月に出版される予定。『パラサイト 半地下の家族』は現在までに北米で5,000万ドル弱、全世界で2億ドル以上の劇場興収を上げている。文=猿渡由紀『パラサイト 半地下の家族』公開中
2020年02月28日第92回アカデミー賞で主演女優賞に輝いた映画『ジュディ 虹の彼方に』の本編映像の一部が公開になった。本作の主人公ジュディ・ガーランドの若い頃を描いたシーンで、レネー・ゼルウィガー演じる“大人になったジュディ”を理解する上で極めて重要な場面だ。本作の主人公ジュディ・ガーランドは実在の人物。ハリウッドの黄金期を代表する伝説の女優・歌手だ。彼女は歌手、子役として活動をはじめ、17歳で『オズの魔法使』のドロシー役に抜擢され、世界的なスターになった。しかし、幼いころからショービジネスの世界にもまれ、スタジオから過剰な要求をつきつけられ、ジュディはスポットライトを浴びるのと同時に数々のトラブルに巻き込まれ、苦悩を抱えた人生を歩むことになった。映画は、生活が苦しくなった彼女が愛する子どもたちを元夫に預けて、ロンドン公演に赴いた日々を描いたもので、彼女の晩年を描きながら、彼女のこれまでのキャリア、苦しみ、そしてどんな時も希望を失わない姿勢と精神がゼルウィガーの圧倒的な演技と歌唱によって描かれる。このほど公開になった映像は、ジュディが『オズの魔法使』の撮影セットで、映画会社の社長ルイス・B・メイヤーと対話する場面。まだ右も左もよくわかっていない幼いジュディにメイヤーは普通の女の子の生活ではなく、自分の声や歌唱力、美貌を生かして日常とは“別の世界”で生きることを勧める。ふたりが歩くのは“黄色いレンガ道”。劇中のドロシーは我が家に帰りたい一心でこの道を進んでいくが、演じたジュディは逆に、レンガ道を歩みながら故郷を離れ、我が家を離れ、普通の女の子からも遠く離れていく。本作は基本的に晩年のジュディの日々を描いているが、要所に幼いころのジュディが登場する。まだスターではなかった、まだ人生の苦しみを知らない、未来は希望に満ちていると信じて疑わないジュディの姿が描かれる。時が流れ、世界中から賞賛を浴びるも、多くのものを失った晩年のジュディは、ロンドンのステージで何を歌うのだろうか? あの日の幼いジュディが心に秘めていたものは、まだ彼女の中に残っているだろうか?短い映像だが事前にチェックしておくと、作品の理解がグッと深まるシーンになっている。『ジュディ 虹の彼方に』3月6日(金) 全国ロードショー
2020年02月28日4月17日(金)より全国東宝系にて公開となる『名探偵コナン』劇場版シリーズ第24弾、『名探偵コナン 緋色の弾丸(ひいろのだんがん)』の主題歌を担当するアーティストが東京事変であることが分かった。そしてこの度、この主題歌が使用された最新予告映像が公開された。昨年4月に公開した劇場版23作目『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』がシリーズ最高興収93.7億円という驚異的な数字を記録、7作品連続で興行収入最高記録を更新するという驚異の成績を樹立した。さらに、原作コミックス発行部数も全世界累計2億3千万部を突破(2019年11月時点)するなど、年々進化を続け、今や世界中で愛されている作品として不動の地位を築き上げた大人気映画が今年もやってくる。本作の舞台は、日本で開催される4年に1度の世界最大のスポーツの祭典“WSG-ワールド・スポーツ・ゲームス-”。その開会式にあわせて開発された、最高時速1000kmを誇る世界初の”真空超電導リニア”を巻き込んだ未曾有の大事件が発生する。この事件のカギを握るメインキャラクターとして、現FBI捜査官かつ狙撃のスペシャリストである赤井秀一が、劇場版20作目『純黒の悪夢(ナイトメア)』に続き、劇場版に満を持して登場する。さらには、赤井の弟・羽田秀吉(吉は上が土)、妹・世良真純、母・メアリーという、原作者・青山剛昌が描く原作本筋ストーリーの超重要人物たち“赤井一家”も登場するうえに、ゲスト声優として浜辺美波が参加することが発表され、すでに大きな話題を呼んでいる。そんななかで発表された、今回の主題歌アーティスト。『名探偵コナン』と初タッグを組んで主題歌を担当するのは、今年1月1日、約8年ぶりに活動を再開した東京事変だ。東京事変が『名探偵コナン』にチューンし制作された新曲のタイトルは、『永遠の不在証明』。いやが上にも映画への期待を高めるスリリングなナンバーに仕上がっている。この主題歌を使用した最新予告では、“WSG-ワールド・スポーツ・ゲームス-”が開催されようとしている東京で、15年前にアメリカで起き、FBIが解決したとされる連続拉致事件と酷似した事件が発生。蘭や灰原が命の危険にさらされる中、赤井とタッグを組み、コナンは事件の捜査を始める。そして、赤井が変装する沖矢昴と暗闇で拳を交える世良の姿や、事件の道筋を読む秀吉、世良と共に事件を追いかけるメアリーの姿など、ますます謎が深まる内容が映し出されている。各々が秘密を抱える赤井一家の集結や、事件の鍵を握る、時速1,000kmで名古屋から東京へ走行する真空超電導リニアがもたらす緊迫感など、劇場版史上最大規模の事件を予感させる予告編に仕上がっている。さらに、東京事変にとってメモリアルな日である“閏日”2月29日(土)に、TVアニメ『名探偵コナン』放送枠にて、“緋色の弾丸×東京事変”の閏日限定コラボ映像がOAされることも決定。この日のために制作された、禁断のコラボ映像で必見だ。あわせて、東京事変のコメントが公開された。■東京事変この度は名探偵コナンの新作『緋色の弾丸』主題歌をご注文くださり、ありがとうございます。最早クラシックと呼ばせていただくべき大人気シリーズの映画ですし、同時にこのような暗躍モノこそ、我々東京事変の十八番です。恐縮しつつも、今作本編の余韻という火種に、油を注いで着火するような一曲をご用意致しました。ぜひ劇場へお運びくださいませ。東京事変2O2O『名探偵コナン 緋色の弾丸』4月17日(金)より全国公開
2020年02月28日3月7日(土)放送スタートのWOWOW『連続ドラマW パレートの誤算 〜ケースワーカー殺人事件』の完成報告会が、2月27日、東京・品川のTHE GRAND HALLで行われ、主演の橋本愛(牧野聡美役)、共演の増田貴久(小野寺淳一役)、北村有起哉(若林永一郎役)、松本まりか(安西佳子役)、那須雄登(金田良太役)、原作者・柚月裕子、そして小林聖太郎監督が出席。映画『孤狼の血』などで知られる人気小説家・柚月による小説を原作に、殺されたケースワーカーの素顔と不正受給の実態、社会保障の闇と、新たなる希望を描き出すヒューマンミステリーだ。高校時代から「組織では全体の約2割の人間が大部分の利益をもたらしている」と提唱した経済学者ヴィルフレド・パレートによる“パレートの法則”を無意識に感じていたという橋本は「企画書にその数字が書かれていて衝撃を受けました。もうこれはやらなければいけないし、運命的な何かがあると感じて、内容を確認せずに飛び込んだのが最初の入り口」と明かし「その後になって『内容がつまらなかったらどうしよう……』と不安になったけれど、大正解でした。原作も面白いし、最高のスタッフさんとご一緒できたのも超幸せ。それぞれの味が粒だっている作品に仕上がりました。これはラッキーなお仕事でした」と思い入れたっぷりな様子。WOWOW連続ドラマW初出演の増田は「内容を見る前にやりますと言わせてもらった」と即答だったようで「そこから原作を読んで自分の知らない世界があり、この現実を知らなければいけないと感じたので、作品に関わらせてもらったことは幸せでした。凄く嬉しい」と出演意義を実感していた模様。撮影中に某バラエティ番組のレギュラー出演も決まったが「撮影現場に差し入れをしていたら、途中からスタッフの方が『ゴチになります』と書いてくれたりして……。嬉しかったです」と笑顔を浮かべた。北村は「社会の片隅でしがみついて生きている人の姿が克明に描かれており、話を増すごとにショックも増してくる。ラストに向かって一体何がどうなるのか?ハラハラドキドキする展開もあり、社会問題をテーマにしているので現実とリンクしている見応えのある作品です」と太鼓判。ちなみに撮影中に第二子が誕生した北村は「その日は撮影がなかったので良かった!これから死ぬまで働きますよ!」とユーモア交じりに宣言していた。松本は「現実に私たちが知らなければいけない、スポットライトの当たらない社会があり、ドラマを通して知ることができて本当に良かった。正体不明の女という役柄ですが、それでなければ生きていくことができない人がいるということをぜひ皆さんに知ってもらいたいです」と熱弁。ドラマ初出演の那須は「初めてのドラマのお仕事で、しかも不良役。金髪に染めるということもあって、一生忘れられない作品になりました」と初々しく語る。所属する“美 少年”のメンバーには「出演することはすぐに伝えました。『ちゃんと台本を読んで覚えていくんだよ』とアドバイスももらえて嬉しかった」と喜んでいた。事務所の先輩である増田は那須に対し、「初めてのドラマなので緊張しているかな?と思って、『どうだった?』とメールをしたら、その日には連絡が来なかった」とポツリ。それに那須は大慌てで「あまりスマホを見ないんです!……あの時はありがとうございました!」と最敬礼。橋本は撮影の雰囲気を振り返り「皆さんと向き合うシーンは毎回面白味が違って、人によってこんなに違うんだと驚いて、それはまるで異種格闘技戦のよう。主役という立場だからこそ色々な共演者の方々と演技というコミュニケーションを取ることができて楽しかった」と充実した表情で報告した。それに小林監督は「決まり切ったことはやりたくなくて、活き活きとその場の生の感覚を撮りたかった。それについていけない人もいたり、僕自身がついていけなかったり、それを楽しみながら常に探って作っていった実感があります」と手法を解説していた。原作者の柚月は「重いテーマなのでドラマ化は難しいのではないかと思っていたので、大変驚くとともに、どんなドラマになるのか楽しみでした。キャストのみなさんがどのように私が書いた登場人物たちを演じているのか、放送が楽しみです」と期待を込めていた。最後に主演の橋本は「この作品には『みんな共に生きている』という、当たり前だけれど見落としがちな大切なことが詰まっています。私たちには作品を作って世界を変えることしかできないけれど、その想いを最後まで信じて作り続けました。ひとりでもいいので、届くべき人に届けばいいと願っています」とアピールしていた。WOWOWプライム『連続ドラマW パレートの誤算 〜ケースワーカー殺人事件』3月7日(土)夜10:00スタート(全5話)第1話無料放送【関連リンク】 番組公式サイト( )
2020年02月28日1999年から4年間にわたってTV放送された『おジャ魔女どれみ』シリーズ。その20周年を記念し、映画『魔女見習いをさがして』が、5月15日(金)より全国公開される。この度、新たな3人のヒロイン役を担当する声優が発表された。本作のヒロインとなるのは、『おジャ魔女どれみ』の始まりの場所、“MAHO堂”のモデルとなった洋館の前で出会った少女、ソラ、ミレ、レイカ。年齢も、住んでいる場所も、悩みも違う3人が、“どれみ”ゆかりの地を巡る旅を通して、大人になって見失ってしまったそれぞれの大切なものを探していく、大人のための新たな“魔法”の物語となっている。そんな新たなヒロインたちを演じるのは、『おジャ魔女どれみ』世代であり、大ファンでもあるという3人。周りの意見に流されがちで、自分を表現することが得意ではない気弱な愛知県出身の大学4年生・長瀬ソラを演じるのは、『映画 賭ケグルイ』、『嘘八百京町ロワイヤル』に出演している森川葵。東京で一流貿易商社に勤めているも、社内の人間関係に悩むキャリアウーマン・吉月ミレを演じるのは、本年4月より放送のNHK連続テレビ小説『エール』に出演し、小説家として短編小説集『カモフラージュ』を出版した松井玲奈。そして、絵画修復士になる夢のために広島の尾道でアルバイトをし、進学費用を貯めているが、ダメ彼氏に悩むフリーター・川谷レイカを、アイドルグループ・ももいろクローバーZのリーダーとして活躍し、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』への出演や『映画しまじろうしまじろうとうるるのヒーローランド』など、アイドル・女優・声優として活躍する百田夏菜子が演じる。そんな出演者たちが今回の決定について、それぞれコメントを発表している。●長瀬ソラ役/森川葵今まさにどれみちゃんたちの魔法にかけられたような気持ちです。幼少期にたくさんの勇気と元気をもらったおジャ魔女が帰ってくるだけでも嬉しかったのに、まさか自分がそこに参加できるとは思ってもなかったです。私が演じたソラは、自分に自信が持てなくて進路に悩んでしまっている女の子。けれど自分の芯はちゃんと持っているので、監督と丁寧に相談しながら声やキャラクターを作っていきました。収録は3人揃ってやれたので、ソラたちと同じように「おジャ魔女どれみ」好きの3人で仲を深めながら、リラックスをしてお芝居をしていくことができました。大人になっても”魔法”は途切れないし、ずっとどれみちゃんたちはみんなのそばにいてくれているんだと思える作品になっています。今回の私たちのように、同じ好きなものがあるとすぐに打ち解けられたりする経験はみなさんにもあると思います。そんな経験があれば、おジャ魔女どれみを知らなくても楽しんでもらえると思うので、ぜひご覧ください!●吉月ミレ役/松井玲奈「ヒロインの声優に決まったよ!」というお話をマネージャーさんから聞いた時は、すぐには理解できないくらいビックリしました。その前から映画の公開は知っていて、すごく楽しみにしていたので、そこに自分が登場人物として参加できるなんて、本当に夢みたいです。幼い頃、友達とどのキャラが好きかでケンカしたこともありましたが、仲直りの仕方を教えてくれたのもどれみちゃんたち。たくさんの想いを教えてもらいました。私が演じたミレは帰国子女で、自分の気持ちはストレートに伝えるような女性。それゆえに人とぶつかってしまうことも多いですが、ソラとレイカと出会って少しずつ成長していきます。そんな人間らしいところが魅力的だなと思います。森川さんと百田さんと初めて一緒にリハーサルをした時に、それぞれがキャラクターにピタっとハマっていて、すごく素敵で、心地よく収録できました。この作品は子供の頃に「おジャ魔女」を見ていた方達が、大人になった“いま”抱えているであろうことをすごく丁寧に表してくれています。私自身もひとりのファンとして、作品から勇気と新しい“魔法”をもらいました。たくさんの愛情・夢・魔法が詰まっていますので、ぜひご覧ください。●川谷レイカ役/百田夏菜子出演させていただき、夢のような気持ちです。まさか自分が幼いころに夢中になって見ていた「おジャ魔女どれみ」の作品に出られるとは思っていなかったです。大好きな作品に参加させていただくプレッシャーを感じていますが、こんな機会は二度とないので、精一杯頑張らせていただきました。私が演じたレイカはいつも明るくてまっすぐだけど、少しさみしい過去を持っている女の子です。ソラ・ミレと二人のお姉さんたちに甘えながらも、ぶつかって前に進んでいく様子に注目していただきたいです。森川さん、松井さんとは初共演なので、少し不安を抱えながら現場に行きましたが、映画の中で主人公たち3人が「どれみちゃん」で仲を深めていくように、私たちもどれみちゃんを通してすぐに仲良くなれました!目の前のことに一生懸命生きていて、つい大事なことを忘れてしまったりする瞬間があると思います。この作品を見ていただければ、どれみちゃんたちに教えてもらった当時の気持ちを思い出して、ちょっと希望が見えたり、キモチが少し軽くなると思います。優しく包み込んでくれるような作品になっているので、ぜひたくさんの方に見ていただきたいです。『魔女見習いをさがして』5月15日(金)公開
2020年02月28日名優ハリソン・フォードが主演を務める映画『野性の呼び声』が本日から公開になる。地図にない場所を求めて旅に出た男と名犬の友情と冒険を描いた壮大な作品で、数々の名作を生み出してきた映画人が集結して製作された。本作の原作はジャック・ロンドンの小説で、これまでも繰り返し映像化・アニメ化が行われてきた。人間にさらわれ、脅され、傷ついて育った犬のバックと、傷心の旅をする男ソーントン(ハリソン・フォード)は偶然に出会い、少しずつお互いの信頼を築き上げ、いつしか相棒になっていく。やがて彼らは地図に載っていない未開の地を目指す旅に出発する。名優フォードと言葉の通じない犬のやりとりと、息つまる冒険を描く本作は、ハリウッドのヒットメイカーが大集結した1作だ。『リロ&スティッチ』や『ヒックとドラゴン』などの作品で“人間と言葉の通じない相棒”を描き続けてきたクリス・サンダースが監督を、『ブレードランナー2049』や『ローガン』のマイケル・グリーンが脚本を担当。スピルバーグ作品で知られる当代きっての撮影監督ヤヌス・カミンスキー、『ライオンキング』で映画ファンを驚かせた映像制作会社MPC(Moving Picture Company)、『キングコング:髑髏島の巨神』の作品世界を作り出したプロダクション・デザイナーのシュテファン・デシャントらが参加し、長年に渡って語り継がれてきた“名作小説”の映画化に挑んでいる。映画は最新の映像技術を駆使したアドベンチャーと、傷を抱えた男と犬の友情が絶妙なバランスで描かれており、幅広い年齢層から支持を集めそうだ。『野性の呼び声』2月28日(金) 全国ロードショー
2020年02月28日奈良市にある法相宗大本山薬師寺。唯一、創建当初の姿をとどめる東塔の大修理落慶を記念して、薬師寺の歴史と文化を紹介する展覧会『国宝東塔大修理落慶記念薬師寺展』が、あべのハルカス美術館で2月28日(金)から4月19日(日)まで開催される。薬師寺は、西暦680 年天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈願して、伽藍建立を発願したことから始まる。長い歴史の中で伽藍は何度も火災にあったが、東塔は創建当初からの姿を唯一伝えてきた。その東塔は、2009 年から初めて本格的な解体修理がなされ、今 年4月に落慶法要が行われる。この展覧会では、修理の成果や薬師寺に伝わるふだん非公開の国宝、重要文化財等の寺宝を紹介。代表的な文化財である聖観音菩薩立像、薬師寺の由緒を描く薬師寺縁起絵巻と同じ筆者による巨大な薬師浄土曼荼羅図が特別に展示される。また、法相宗の教えをもたらした玄奘三蔵坐像、それを日本に伝えた遣唐留学僧道昭が持ち帰り、行基に譲って薬師寺東塔の中心に安置したと伝えられる江戸時代の舎利容器、および現代の名工が新調した舎利容器、慈恩大師像、行基菩薩坐像、法相宗の教えに関わる経典など資料類も並ぶ。今回の修理で、創建以来東塔の頂上を飾ってきた水煙や釈迦八相群像の残欠、取り換えられた古材なども展示。さらに宝亀年間(770~780)に描かれたとされる吉祥天女像も特別に展示。当時の国際的な文化の豊かな広がりを示すように、唐代の女性像の影響を受けて描かれている。いずれも貴重なものばかりを見ることができる展覧会である。【関連リンク】 あべのハルカス美術館( )国宝聖観音菩薩立像白鳳~奈良時代(7-8世紀)薬師寺蔵(c)飛鳥園薬師浄土曼荼羅図 古磵筆江戸時代・正徳4年(1714)薬師寺蔵(c)飛鳥園東塔舎利容器 控 平成30年(2018)薬師寺蔵(c)飛鳥園国宝吉祥天女像 奈良時代(8世紀)薬師寺蔵(c)飛鳥園2019年9月20日撮影 修理が終わり、覆屋の解体が進んでいる薬師寺東塔
2020年02月28日いま世界で注目を集める若き映画作家のひとりといっていい中国のビー・ガン監督。『ロングデイズ・ジャーニーこの夜の涯てへ』は、彼にとって長編2作目になる。実際に彼が世界から注視されたのは2015年に発表した長編デビュー作『凱里ブルース』でのこと。この作品は、ロカルノ国際映画祭をはじめ数々の映画祭で受賞を重ね、批評家から高い評価を得た。ビー・ガン監督本人はデビュー作の成功をいまこう振り返る。「制作費用の少ない小規模な作品で、私自身も大学を卒業してまだ間もないころ。そんな新人の小さな作品が、世界のさまざまな映画祭をめぐり、一定の討論がなされたことは光栄なことと受け止めています。こうした論争を起こすことが、ものをつくる人間のひとつの役割でもありますから。ただ、世間一般でいう成功に関してはあまり興味がないというか。そもそも、なにをもってして成功とするのかよくわからない。僕の中での成功の定義は、撮りたいものがとれたかどうかだけなんです。作品において、僕の役割は、変なたとえになりますけど、爆破要員というか。その作品にすべてを集中して、自分の情熱を最大限スパークさせればいい。自分のあらゆることを作品に注ぎこんで爆破させれば、自分の任務は終わったといっていい。だから、作品ができて提示したあとのことはあまり考えない。自分が思い描いた映画が作れていればいい。なので撮り終わったあとは身を隠します(笑)。評価はあくまでみなさんに委ねるだけです。まあ、でも、いろいろと自分の作品が議論されることはとてもうれしいことです。みなさん、ほかにも多種多様な映画がある中、貴重な時間を使って、僕の作品をいろいろな角度から検証してくれているわけですから」そこから第2作へ向けては少し休憩をとったという。「爆破終了後は(笑)、半年以上の休息をとりました。長編映画を作るということは、体力面、精神面、ダブルで擦り減ってしまい、ものすごく疲弊します。いろいろな映画作家さんがいらっしゃいますから、各人それぞれに違うと思うのですが、私の場合は、一定の期間を置かないとアイデアがわいてこない。疲れ果ててしまうと、映画に対する感覚がマヒしてしまう。ひとつの作品で、すべてを出し尽くしてしまう。だから、映画を撮り終えたあとは、ほとんど空っぽの状態。しばらく映画を作れるまで回復する時間が必要なんです。そのように1作ごとに、すべてを出し尽くした監督でありたいとも思っています」休養期間を経て、今回の脚本に取りかかった。「ずっと休んでいるわけにはいかないですからね(笑)。十分な英気を養ってから、パソコンを開いて、脳裏に浮かんだ映画のタネともいうべきアイデアを半年ぐらいかけて打ち込んでいきました。私の場合、最初になにか思いついたようなおおよそのストーリーがあるわけではありません。『凱里ブルース』のときは“時間”、今回は“夢と記憶”といった核となるテーマがどこからか出てきて、それに心が決まると、まつわるものを統合していって、ひとつのストーリーを作るようなスタイルです。自分の脳裏には、映画になる前のインデックスのようなものがあって、そこに映画のアイデアがストックされている。そこから引っ張りだしてくる感じですかね」脚本は、撮影に入ってもほぼ変更しないぐらい、ほぼ完璧に仕上げるという。「撮影に入ってから、新しい考えが浮かんで変更することはほぼないですね。変える場合があるとすると、客観的な判断と現実的な問題でどうしても変更せざるを得ないとき、特別によいアイデアがあって、そうしたほうが絶対にいいという核心を得たときはしますけど。完璧に仕上げてはいますが、足りないと思うこともあります。その場合、付け加えることを恐れることはありません。もちろん、そうすることでベストになるのか、最後まで見極めることを怠ることはありません。ひとつ間違えると大きな代償を支払うことになりかねませんから」その物語は、長い間、故郷を遠ざけていたルオが主人公。父の死を機に彼は、故郷の凱里へ帰ることに。そこで、彼はかつてのマフィアに殺された幼なじみや自分を捨てた母の記憶などがよみがえり、それらの断片を集め、さすらう。そして、運命の女性の面影を追い、現実と夢と記憶が交錯する世界へと迷い込む。この主人公と同様に、こちらも現実とファンタジーの世界の狭間を往来するよう。不思議な夢と記憶の世界へと誘われる。そして、すでに大きな話題となっている後半、60分の長回しによる3Dワンシークエンスショットの驚愕の映像が用意されている。「まさに現実とファンタジーの狭間、そこにある曖昧さやレイヤーを表現するには、2Dから3Dにすることが必要だった。夢のようで、夢ではない。夢なのに、どこかリアリティのある、夢に似たある場所を生み出すために3Dにしたんです。夢と記憶は、どこかつかみどころのないものです。これは僕の習慣なのですが、それを反転して処理できないかと考えたんです。夢がこわれやすいもの、記憶が断片的なものであるとすれば、それがつらなった状態でも、夢や記憶として成立するかに挑んでみたかったのです。記憶と夢にまつわる映画と核心をもった段階で、3Dは必要な映画言語と私は判断しました。なぜなら、人は世の中をみるとき、平面的にみているわけではない。われわれが目をとじて風景をなにかを思い出そうとしたとき、それはどこか立体的であったり、断片的なものであったりする。それはどこか万華鏡のような質感だと思う。そのような表現は3Dこそと思ったのです。私自身は、みるものの感情に揺さぶりをかける効果を発揮していると思っています」こういうチャレンジを忘れたくないと明かす。「人々が日々の営みで仕事に生活に追われ、自分の時間を有意義に過ごそうとする中で、映画に割かれる時間というのは少ない。だから、わたしは自分の映画は特別な体験になるものを目指している。ただ、だからといって奇をてらったものにしようとは考えていない。あくまで、映画文化がこれまで受け継いできた血筋や水脈を受け継いだものにしたいと考えている。古いながらも新しい映画、それを目指しています」彼の才能にひきつけられるようにキャストはタン・ウェイ、シルヴィア・チャンら一流どころが集まった。「ありがたいことです。ワン・チーウェンとカイチンは、脚本を書いているときから、素人ではなく、みんなが認識している顔でありたいと思っていて。タン・ウェイを想像しながら書いていたので、出演を承諾していただいたときはうれしかったです。シルヴィア・チャンが演じてくれた白猫の母と赤毛の女に関しても、どこか孤独を抱えながらも、いきいきとした表情もある人がいいと思っていて。想定していたのはシルヴィアでした。彼女は、若手や新人監督をすごくサポートしてくれる映画人。今回の作品で、私は精神的にも経済的にも彼女に支えられました。ほんとうに感謝しています」坂本龍一、アン・リー、チェン・カイコーら名だたるクリエイターがその才能を評価するビー・ガン監督。そのオリジナルの才能に出会ってほしい。『ロングデイズ・ジャーニーこの夜の涯てへ』2月28日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほかにて公開取材・文・写真:水上賢治
2020年02月27日フランスの文豪、ヴィクトル・ユゴーの傑作『レ・ミゼラブル』と同じタイトルが大胆にもつけられた本作は、フランスの新鋭、ラジ・リ監督の長編デビュー作。惜しくも受賞は逃したが、本年度のアカデミー賞で国際長編映画賞部門にノミネートされるなど、世界中の映画祭で反響を呼んだ注目の1本だ。ラジ・リ監督にとって本作は念願の1作だったと明かす。「映画の舞台はパリ郊外に位置するモンフェルメイユ。ユゴーの小説の舞台でもあるこの地域は、いまや移民や低所得者が多く住み、犯罪多発エリアと化している。実は、このエリアで僕は育った。そして、いまも暮らしている。このエリアのリアルな現実をきちんと描いて、世界に届けたいと思ったんだ。というのも、パリの光と影ではないけど、フランスにはパリの輝かしさとは無縁、貧困化と治安悪化が進む郊外がある。そこにスポットを当てた、いわゆる“郊外映画”がよく作られているんだけど、当事者の僕からすると納得できる内容の作品がほとんどない。実際に暮らしていない監督が作っているからか、とってつけたような社会のイメージやレッテルで語られる。そのエリアに流れている空気や、生きている人間の息吹が感じられない。だから、実際に生きている自分たちが語るべきだと、思ったんだ」ただ、そう事は簡単に動かなかった。「10年前からこのテーマで長編を作りたいと思っていた。でも、まったく資金を調達することができなかったんだ。僕は15年ぐらい前からドキュメンタリーを発表してキャリアを重ねていたけど、それもこれもこの長編を作るため。すべてがここに終結するための準備だと考えていた。その間には、潤沢な予算で長編を撮ってみないかという、とても魅力的な話も舞い込んできた。でも、自分の長編映画第一作はこの題材と決めていたから断ったよ。それぐらい決意は変わらなかった」そこで、まず同名の短編映画を作ることにする。「今回、長編にも出演している同じようなメンバーで撮っている。なかなか資金が集まらないから、まずは自分たちの実力をみてもらうために、短編を作ることにしたんだ。それはすごく評判が良くて、実際、いろいろな映画祭で数多くの受賞をした。これで“いける!”って思ったんだけど、現実は甘くなかった。当初予定した予算の半分も集まらない。でも、これ以上は待てないということで、低予算体制で撮影を決行したんだ」作品は、ムスリム同胞団と麻薬売人が覇権争いを繰り広げ、民族間の対立もあれば、黒人とロマの衝突もある。本来、治安を維持する役割の警察も住人を恫喝したり、差別的発言を繰り返したりとほめられたものではない。そうした混沌とした街が、ひとつのいたずらからとんでもない事態が起きてしまう。そこには、このエリア周辺で実際に起きている出来事と人間関係、民族間のパワーバランスの変化などを、つぶさにみつめ、つきつめた監督の深い洞察力と本質をとらえる鋭い目によってきりとられた社会の縮図が広がる。「自分は自覚していたんだ。“自分が暮らすこの地区は特殊だ”と。それでカメラを回し続けていた。おそらく、このエリアの日常をこれだけカメラに収めている人間は僕以外にいない。だから、ほかのことに手を出すよりも、自分の身の回りのことを突き詰めて、映画にしようと思った。スペシャリテになればいい。掘り下げてつきつめることが自分にとっての切り札になるんじゃないかと思ったんだ。僕は絶対にこのエリアの空気を描けることを自負していた。その空気はひしひしと感じてもらえるんじゃないかな」一方、物語のキーパーソン、街の仕切り屋、市長を演じたスティーヴ・ティアンチューは、脚本を手にしたときをこう語る。「プロデューサーのひとりから、こんな作品があると、シナリオを渡されたんだけど、一気に読んでしまった。本物の“郊外映画”になると思ったよ。それで、なんとしても役をもらわないとと、オーディションを受けたんだ。僕はいま37歳だけど、この年でいまこそやるべき役と思ったのが市長役だった。当初は、違う役を想定されたみたいなんだけど、僕は市長にこだわって受け入れられた。この自称、市長は自然とあのエリアの平穏を保つために存在している。いわば行政と住人の調整役だったりする。ただ、だからといって彼の身は安泰ではない。調整役ゆえにいつ恨みをかって、危ない目にあうかわからない。常に恐怖と裏返しで、綱渡りの人生を送っているといっていい。ある意味、このエリアのギリギリな状況を象徴している人物だと思うんだ。一見すると彼は自分の帝国を作り上げているようにみえるんだけど、その実物は砂上の楼閣なんだ。いつ、自分がこの世界から消えてもおかしくない。そういう人物の複雑な心境を表現したいと思ったんだ」作品は、断ち切れない暴力の連鎖、権力者によって抑圧される弱者、自分ではどうすることもできない貧困など、社会のシステムから零れ落ちてしまった人間たちの姿と、歪んだ現代社会の現状が浮かび上がる。自己責任論など、世間の目が弱者に対して厳しく当たる現代の日本にも当てはまるところが多々ある。ラジ・リ監督はこういう。「日本の社会はちょっと、みんなが同じ方向を向かないとダメというところがあるよね。そこは少し考えるべきことかもしれない。フランスは相互援助が当たり前という意識が市民の中にある。だから、たとえばホームレスがいたら、日本では“そういう状況になったのはお前のせいだ”と思う傾向が強いというようなことを聞いたことがあるけど、フランス人でそう考える人はほとんどいないんじゃないかな。“人生でちょっとまずいて時間が必要なのかな”ぐらいに考える人がほとんど。人権が大切にされているからね。そういう人権や個人の尊厳といったことにも思いを馳せる時間に、この作品がなってくれたら、うれしいと思っているよ」監督自身、社会がいい方向にいくようアクションを起こしている。「映画学校を設立して、学費無償、条件一切不問で、子供たちを受け入れている。次世代の子たちが自分たちでカメラを手にして、自分たちの身の回りのことを撮らせている。まずは自分が生きている地点の現実を知ることからなにごとも始まるからね」『レ・ミゼラブル』2月28日(金) 新宿武蔵野館、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開取材・文・写真:水上賢治
2020年02月27日