ぴあがお届けする新着記事一覧 (857/896)
RADWIMPSが本日11月27日、『天気の子 complete version』をリリースする。今年7月に公開され、日本のみならず世界でも人気となった新海誠監督の映画『天気の子』。劇中に使用されていた音楽も人気で、主題歌『愛にできることはまだあるかい』『グランドエスケープ (Movie edit) feat.三浦透子』をはじめとしたサウンドトラックが音楽ランキングにも食い込んだのは記憶に新しい。本日発売される『天気の子 complete version』は主題歌5曲のフルサイズ音源を収録している。完全生産限定BOXには英語歌唱バージョンも収録されるほか、新海誠監督が映画『天気の子』を編集して新たに制作した『グランドエスケープ feat.三浦透子』のミュージックビデオも収められている。さらにRADWIMPSの撮り下ろしカットや、映画『天気の子』場面カットで構成されたスペシャルアートブックも付属。ファン待望の内容となっている。また、RADWIMPSは『第70回NHK紅白歌合戦』に出場することも決定している。新海誠監督と互いにしのぎを削り深い信頼のもと作り上げた作品の音楽を、紅白だけの特別バージョンとして披露してくれるようだ。■CD情報RADWIMPS『天気の子 complete version』11月27日(水)発売・通常盤:CDのみ<収録内容/CD>1. 風たちの声2. 祝祭 feat.三浦透子3. グランドエスケープ feat.三浦透子4. 大丈夫5. 愛にできることはまだあるかい・完全生産限定BOX:CD+DVD+ARTBOOK(Special Box仕様)<収録内容/CD>1. 風たちの声2. 祝祭 feat.三浦透子3. グランドエスケープ feat.三浦透子4. 大丈夫5. 愛にできることはまだあるかい6. Is there still anything that love can do? (English Version)※『天気の子』主題歌5曲のフルサイズ音源を収録。※「愛にできることはまだあるかい」English Version は、完全生産限定BOXのみの収録。<DVD収録内容>新海誠監督が映画『天気の子』の映像を編集し新たに制作した“グランドエスケープ feat.三浦透子”のミュージックビデオに加え、“愛にできることはまだあるかい”MVを収録。<ARTBOOK>RADWIMPSの撮り下ろしカット、及び映画『天気の子』の場面カットで構成された、現実の世界と映画の世界を両軸で表現したスペシャルアートブック付属(180mm×202mm)。
2019年11月27日HIGHLEG JESUS、オッホなどで役者として活動していた新井友香が、2004年に旗揚げした劇団宝船。その最新公演『社交辞愛』が11月29日(金)、東京・新宿眼科画廊スペース地下でスタートする。その小柄な身体から繰り出される強烈なパワーと年齢不詳的な存在感で、小劇場界で活躍していた新井。近年はドラマ脚本家としての活動のほうがよく知られているかもしれない。NHKのショートドラマ『祝女』をはじめ、『イタズラなkiss』『アラサーちゃん無修正』、そしていま放送中の『僕はまだ君を愛さないことができる』など……可愛らしさからズルさ、情念まで、妙齢の女性の心の機微をリアルに描くことに定評がある。そんな彼女が率いる劇団宝船は、その旗揚げの経緯も面白い。所属していたHIGHLEG JESUS解散後、猫のホテルプロデュース『座長祭り』に架空の劇団「劇団宝船」の座長として参加。その後たまたま「キャンセルになった公演の肩代わりをしてくれる劇団を知らないか?」という知人からの連絡に、本当に劇団宝船を旗揚げしてしまうというまさに“瓢箪から駒”的ないきさつでスタートした劇団なのだ。新井以外のメンバーは、一人芝居やソロプロジェクトでも活動している高木珠里、主に映像で活動している國武綾のふたり。2013年以降はしばらく活動を休止していたが、2018年に7年ぶりの本公演『ああ、またか…とは言いたくない』で復活。前回公演からはHIGHLEG JESUS時代からの盟友であるSYOMIN’S主宰の今奈良孝行が準劇団員として加わった。今作『社交辞愛』の主人公は、40代前半の夫婦である桃花と春樹。子供のいないふたりは倦怠期を迎え、それぞれ“外”に恋愛を求めていく。一方、彼らの親もまた、桃花と春樹らの結婚や、生活に不満を抱えていた。社交辞令のように結婚生活をキープする夫婦と、彼らを取り巻く人々の物語はオムニバスのように見え、やがて絡み合っていき……というストーリー。とはいえただドロドロしているわけではなく、コメディでもあるのが新井作品の特徴なのでご安心を。また、今回の公演は劇場ではなくアートギャラリーで行われるため、劇団いわく「肩の力を抜いて気楽に他人の生活をのぞき見に行く……という感覚で観て頂けたら」とのこと。キャストは小劇場で活躍する手練れたちばかり、一風変わった面白さが味わえそうだ。12月4日(水)まで。文:川口有紀
2019年11月27日「第14回『徹子の部屋』コンサート」が本日11月27日、東京国際フォーラム ホールAで開催される。1976年から長年お茶の間で愛され続け、今年10月に放送回数11111回を突破したテレビ番組『徹子の部屋』。司会を務め続けている黒柳徹子とゲストとのトークは、見たことがない人はいないのではないだろうか。「『徹子の部屋』コンサート」は2006年、放送開始30周年を記念して開催されたのをきっかけに毎年恒例となり、今回で14回目を迎える。豪華なアーティストがパフォーマンスと、オペラ歌手を目指したことのある黒柳の軽妙なトークが見どころだ。今夜の東京公演におけるゲストはサーカス Family、純烈、杉良太郎、南こうせつ、南佳孝&杉山清貴ら。音楽と同時に、番組の雰囲気をもライブで感じる絶好の機会になることだろう。■公演情報・東京公演日時:11月27日(水)開場17:00/開演18:00会場:東京国際フォーラム ホールA・大阪公演日時:12月1日(日)開場16:00/開演17:00会場:フェスティバルホール
2019年11月27日来月日米同時公開となる『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の上映時間が2時間21分であることがわかった。監督のJ・J・エイブラムスがアメリカのラジオ出演で語ったもの。10月には、今作が『スター・ウォーズ』シリーズで最も長い作品になると報道されていたが、エイブラムスの言葉どおりならば、ひとつ前の『最後のジェダイ』が2時間31分で、最も長い。エイブラムスが監督したエピソード7『フォースの覚醒』は、2時間18分。シリーズ9作目となる『スカイウォーカーの夜明け』は、“スカイウォーカー・サーガ”の完結編。公開は12月20日。文=猿渡由紀『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』12月20日(金)公開
2019年11月26日トルコの巨匠、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の最新作『読まれなかった小説』が、11月29日(金)より全国順次公開される。この度、印象的な“トロイの木馬”が登場する本編映像と、そのシーンにまつわる意外な事実が公開された。『読まれなかった小説』は、膨大な台詞と豊かな映像により、“父と息子の関係が繊細に描き出される作品だ。本作の主人公・シナンは、作家になることを夢見る青年。大学を卒業し、トロイ遺跡近くの故郷へ戻り、処女小説を出版しようと奔走するが、誰にも相手にされない。シナンの父イドリスは引退間際の教師。競馬好きな父とシナンは相容れない。気が進まぬままに教員試験を受けるシナン。「父と同じ教師になって、この小さな町で平凡に生きるなんて……」父子の気持ちは交わらぬように見えた。しかし、ふたりを繋いだのは、意外にも誰も読まなかったシナンの書いた小説だった。この度公開されたのは、何者かに追われるシナンが、トロイの木馬に隠れ込む映像だ。トロイの木馬とは、ギリシア神話のトロイ戦争において使われた木製の装置で、中に人が隠れることができるようになっている。この計略により、トロイは一夜にして陥落したという。転じて、内通者や巧妙に相手を陥れる罠を指してトロイの木馬と呼ぶことがあるのだ。シナンを追いつめる者とは一体……。本作に登場するトロイの木馬、じつはブラッド・ピット主演で世界的な大ヒットを記録したスペクタクル大作映画『トロイ』で使用された大道具なのだ。『トロイ』の撮影は“地中海のミニハリウッド”とも呼ばれるマルタ共和国で行われたが、「トロイについての映画をトルコ以外の国で撮るなんて!」とトルコの人々からブーイングがあったそう。そのような訳もあり、撮影後、トロイの木馬のレプリカはトルコ・チャナカレ市へ寄贈され、トロイ遺跡への観光のアクセス都市として利用されているチャナカレ市内の県庁前広場に飾られているのだ。なお、この木馬はgoogleストリートビューでも見ることができる。『読まれなかった小説』11月29日(金)より全国順次公開
2019年11月26日壮大のサーガの最後のエピソードを描く超大作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』がいよいよ来月20日(金)から公開になる。本シリーズは全世界的に熱狂的なファン、支持者を抱えており、新作が公開されるたびに膨大な数の賛否が出てくるが、最後のエピソードを監督するJ.J.エイブラムスは「壮大なサーガを愛するファンの色んな意見をとても理解できる」と語る。最初の『スター・ウォーズ』がアメリカで公開されてから42年。9つ目のエピソードをもってついにスカイウォーカーの物語は完結する。エイブラムスは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』も監督しており、このサーガを複数エピソード監督しているのはシリーズの生みの親ジョージ・ルーカスとエイブラムスだけだ。「僕自身『スター・ウォーズ』のファンで、みんなと同じように『スター・ウォーズ』映画について個人的な意見を当然持っている」とエイブラムスは語る。「だから壮大なサーガを愛するファンの色んな意見をとても理解できるし、ネガティブな意見も当然受け入れる。全員に気に入ってもらうのは無理だし、それをできるとも思っていない。何をやっても批判は必ず出るものなんだ。だけど、僕は『スター・ウォーズ』ファンを喜ばせたいし最高の意図をもって物語を語りたい。その思いを忘れずに『スター・ウォーズ』完結編を作っていった」彼の言う通り、何をやっても必ず批判は出てしまう。しかし、そのことで歴史はくつがえらないし、結果として新エピソードを監督できるのは世界でたったひとり、本作の場合はエイブラムスだけだ。ちなみにエイブラムスの親友で、共に制作会社“バッド・ロボット”を経営しているブライアン・バークは『…フォースの覚醒』の準備中にこう語っていた。「幸福なことに、たまたま今回は自分たちがスター・ウォーズを手がけることになったけど、僕らと同年代の映画人が作ったら、きっと僕たちと同じスター・ウォーズができると思うよ」。個人的な意見はある。しかし、彼らは基本的に“ファンと分かち合える”『スター・ウォーズ』をつくりたいと考えているようだ。だからこそエイブラムスは最終章が新三部作だけでなく、9つのエピソードすべての完結編になることを意識した。「『フォースの覚醒』の時からずっと壮大なサーガの続きだと意識してきた。それは本と同じで、最後のいくつかの章が、その前と全然つながっていないという本はないよね。だから僕はまったく新しいことを持ち込もうという意図はそもそもまるでなかった。ジョージ・ルーカスが描いてきた『スター・ウォーズ』シリーズに忠実でありながら、自分たちならではの大胆なことにも挑戦しているんだ」長いサーガの最後に一体、どんな物語が描かれるのか? これまでに積み残してきたエピソードや、前作で世界中を驚かせた展開には何らかの落とし前がつけられるのか? おそらくこの冬も世界の各地の映画館に人々が足を運び、賛否が渦巻くことになるだろう。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』12月20日(金)より全国公開
2019年11月26日横内謙介率いる劇団扉座が、新作『最後の伝令 菊谷栄物語-1937津軽~浅草-』を上演している。横内と、岡森諦、六角精児ら、厚木高校演劇部出身の面々が1982年に旗揚げした劇団扉座(当時は「善人会議」)。以来、それぞれにきらめくテーマとストーリーで、小劇場ブームを牽引した。現代劇からファンタジー、時代劇、音楽劇。ありとあらゆる手法で観客を魅了し続けている。いまやスーパー歌舞伎やジャニーズ、AKB48、サンリオピューロランドまで、幅広いジャンルの劇作や演出を手がける横内だが、彼がずっと大切にし続けているのが、この扉座での活動だ。今回は特に意欲作と言えよう。物語の舞台は、昭和初期の浅草。芸人や踊り子、見世物崩れの怪人たちがうごめく街で、レビュー作家として新しい舞台表現を追いかける男がいた。その名は、菊谷栄蔵。物語は、彼の創作と出征と死をまっすぐに見つめる。演劇をつくる者と、戦争。あるいは、演劇をつくる者と、政局。横内はその構図を、当然ながら、当事者として捉えている。「レビュー作家として、戦争に行く」との言葉を残した菊谷の心情と境地が、物語では切実に描かれる。「最後の伝令」とは、菊谷が残した脚本のタイトルだ。エノケンこと榎本健一が演じたドタバタ喜劇である。それでいて、レビュー作家の半生を描く舞台である。多くの劇団員とレビューダンサーが、当時の浅草の活気を迫力たっぷりによみがえらせる。舞台に魅せられているうちに、ズドンと突きつけられる現実。観る前と、観た後では、世界の見え方が変わっているに違いない。11月23日(土)・24日(日)の神奈川・厚木市文化会館 小ホールでの公演を終え、11月27日(水)から12月1日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて上演される。文:小川志津子
2019年11月26日国立映画アーカイブで本日から「オリンピック記録映画特集――より速く、より高く、より強く」が開催される。来年の東京五輪開催を前に、これまで製作されたオリンピック記録映画をスクリーンで楽しめる貴重な機会だ。スポーツの祭典・オリンピックが初めて網羅的に映画フィルムに記録されたのは1912年のストックホルム大会。“日本マラソンの父”とも称される金栗四三らが参加した大会で、現在は撮影されたフィルムが復元・再構成されて170分の作品として鑑賞することができる。その後もオリンピック記録映画の製作は続き、1930年には国際オリンピック委員会が各大会の記録映画づくりを義務づけ、数々の公式作品が誕生した。今回の特集はオリンピック文化遺産財団から素材の提供を受けて、歴代の記録映画やドキュメンタリーから作品を厳選し、23プログラムを上映する。市川崑が総監督を務め、驚異的なヒットを記録しただけでなく、現在も語り継がれる傑作『東京オリンピック』や、クロード・ルルーシュが共同監督を務めた『白い恋人たち/グルノーブルの13日』、篠田正浩が総監督を担当し、90人からなる撮影部が選手たちの動きの美しさや微細な表情をとらえた『札幌オリンピック』、“オリンピア”とも称されるレニ・リーフェンシュタール監督の『民族の祭典』『美の祭典』などを上映。初期の無声映画はスポーツ史専門家によるライブ解説や、音楽・弁士つき上映も行われる。かつてテレビやネットがなかった時代、オリンピック記録映画は世界各地にその模様を伝えるメディアとして機能した。映像中継が普及した後も記録映画はライブではとらえることができなかった選手たちの躍動する身体や競技前の不安、緊張、集中、歓喜の“瞬間”を描き出すものとして製作され、単なる“スポーツの記録”だけでなく映画作品としても優れた作品を数多く生み出している。会期中にはオリンピック記録映画復元担当者で映画復元専門家のエイドリアン・ウッド氏を招いた特別講演会も開催。五輪を映画ファンならではの角度や視点で楽しめる特集になっている。「オリンピック記録映画特集――より速く、より高く、より強く」『1912年第5回オリンピック ストックホルム大会』(1912年)『銀界征服』(1928年)『アムステルダム・オリンピック大会』(1928年)『世界の若者たち 』(1936年)『1936年オリンピック映画の製作風景 』(1937年)『民族の祭典 』(1938年)『美の祭典 』(1938年)『憎しみなき闘い 』(1948年)『ロンドン・オリンピック 』(1948年)『美と力の祭典 メルボルン・オリンピックの記録 』(1957年)『ローマ・オリンピック1960 』(1961年)『東京オリンピック 』(1965年)「東京オリンピック短篇ドキュメンタリー選集」『白い恋人たち/グルノーブルの13日 』(1968年)『太陽のオリンピア―メキシコ 1968― 』(1969年)『札幌オリンピック 』(1972年)『時よとまれ、君は美しい/ミュンヘンの17日 』(1973年)『ホワイトロック 』(1977年)『第21回オリンピック大会 』(1977年)『スポーツよ、君は平和だ! 』(1981年)『栄光の16日 』(1986年)『ハンド・イン・ハンド 』(1989年)『マラソン 』(1993年)『1998長野オリンピック 名誉と栄光の物語 』(1999年)11月26日(火)から12月22日(日)まで月曜日は休館国立映画アーカイブ 長瀬記念ホールOZU
2019年11月26日劇団かもめんたる第8回公演『GOOD PETS FOR THE GOD』が11月26日(火)より東京・下北沢の駅前劇場で上演される。劇団かもめんたるは、お笑いコンビ・かもめんたる(岩崎う大・槙尾ユウスケ)の岩崎が作・演出を務め、2015年に旗揚げ。以来1年に1、2本のペースで公演を重ねてきた。第2回公演からたびたび出演してきたナイロン100℃の長田奈麻が昨年、劇団員として所属したことでも話題を集めた。「演劇的」と評されるコントをつくる芸人は少なくないが、かもめんたるは『キングオブコント2013』で優勝する前からその最右翼だった。「ふつう」を少しはみ出したキャラクター造形、一語一語に神経を通わせたセリフまわし、余韻を残す終わり方。ライブでは笑いとともに悲鳴があがることもあった。コントにも見られたテイストをそのままに、長尺の物語を紡いでいるのが劇団かもめんたるの作品。人数と時間の制限から解き放たれた岩崎が思いきりその腕を振るい、公演のたびに八嶋智人や加藤啓、石田剛太、川面千晶といった演劇界の腕利きたちがゲスト出演している。今作『GOOD PETS FOR THE GOD』は近未来の人々を描くコメディ。200年後に地球が滅びると知った人類が、最後に残る人たちのために後片付けをしはじめるという物語だ。果たして200年経ち、終わりを迎えるときにどうなっているのか。コメディではあるが、もちろん笑いだけではなく、岩崎いわく「シュールな感動」をめざすという。劇団メンバーのほか、青年団の古屋隆太、劇団プレステージの長尾卓也、香月ハルが出演する。笑いを志向する劇団はひと頃よりも多くはない。だからこそ、本気で笑いに向き合っている演劇にふれる機会をぜひ逃さないでもらいたい。12月1日(日)まで。文:釣木文恵
2019年11月26日「ぴあ」調査による2019年11月22日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、ディズニー最新作『アナと雪の女王2』が第1位になった。大ヒットした前作から5年。劇場には公開を楽しみに待っていた人々が足を運び、アナやエルサと同じような服装をした子どもたちの姿も。また、家族3世代で観にきたと話す人たちもいた。前作で強い絆で結ばれたアナとエルサ。ふたりは幸せに暮らしていたが、不思議な歌声に導かれ未知の世界に足を踏み入れることに。そこで姉妹はエルサの持つ魔法の力の秘密を解き明かすため冒険に出る。子どもたちからは「楽しかった! 歌って帰る!」(4歳)、「エルサが歌っているところが可愛かった」(7歳)、「一緒に冒険しているような感じがした」(10歳)、「エルサの子どものときのことがよくわかった。わたしもお姉さんだからエルサの気持ちがわかった」(11歳)、「ドレスがすごくキレイで、服のレパートリーにビックリしました」(13歳)などの声があがった。また「エルサが大好き!」と話す子どもが多かった。一方、大人からは「歌も多くて今回のほうが感動した」(20歳)、「ふたりの核心に迫った物語だった。ある人物が物語にとても大きな影響を与えていて驚いた」(37歳)、「前作は愛がテーマだったけれど、今作は今の時代にあったいろいろなテーマが入っていて深みがある。今日は子どもたちと観にきたけれど、感情移入してポロポロ涙が出てしまった」(43歳)、「音楽のスケールの大きさと映像がリンクしていて、かなりの迫力だった。歌のデュエットなど前作よりもみどころがたくさんある」(53歳)など好評。前作は出口調査でその年の年間総合ランキング2位に入る満足度93.7点の叩き出したが、今作はそれをさらに上回る満足度94.2点を記録した。1位『アナと雪の女王2』94.2点2位『EXIT』91.9点3位『草間彌生∞INFINITY』89.5点4位『フラグタイム』88.8点5位『テルアビブ・オン・ファイア』87.5点6位『ゾンビランド:ダブルタップ』87.4点7位『ライフ・イットセルフ未来に続く物語』84.5点8位『決算!忠臣蔵』82.3点9位『爆裂魔神少女 バーストマシンガール』80.2点(本ランキングは、11/22(金)に公開された新作映画9を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2019年11月25日11月23日、24日の全国映画動員ランキングは、ディズニー最新作『アナと雪の女王2』(全国384館)が初登場で首位を飾った。山本博文の著書『「忠臣蔵」の決算書』を堤真一、岡村隆史の共演で映画化した『決算!忠臣蔵』(全国338館)は初登場2位に。公開3週目の『ターミネーター:ニュー・フェイト』(全国377館)は先週1位から3位になった。続いて公開3週目の『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』(全国117館)が先週2位から4位に、公開4週目の『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(全国352館)が先週3位から5位になった。そのほかホラーコメディの続編『ゾンビランド:ダブルタップ』(全国171館)が初登場9位に。公開6週目の『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』(全国193館)が順位をあげて10位に入った。次週は『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』『ドクター・スリープ』『羊とオオカミの恋と殺人』『HUMAN LOST 人間失格』『マリッジ・ストーリー』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『アナと雪の女王2』2位『決算!忠臣蔵』3位『ターミネーター:ニュー・フェイト』4位『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』5位『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』6位『ジョーカー』7位『冴えない彼女の育てかた Fine』8位『マチネの終わりに』9位『ゾンビランド:ダブルタップ』10位『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』
2019年11月25日先週金曜日に世界のほとんどの国で初公開された『アナと雪の女王2』が、日曜までに3億5,000万ドルを売り上げ、アニメーション映画としては史上最高のオープニング記録を達成した。そのうち北米の売上は1億2,700万ドル。中国では、ディズニー/ピクサー映画で史上最高の5,300万ドルを売り上げた。これは北米外で1位。次は韓国の3,150万ドル。フランス、イギリス、ポーランド、インドネシア、マレーシアでもアニメーション映画としては史上最高のオープニングとなった。これから公開となる国には、ロシア、イタリア、ブラジルなどが含まれる。アメリカでは、28日(木)が感謝祭で学校が休みに入るため、これからますます数字を上げることが期待されている。文=猿渡由紀『アナと雪の女王2』公開中
2019年11月25日北条司の人気コミックをフランスで実写映画化した『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』が29日(金)から公開になる。共同脚本・監督・主演を務めたのは『世界の果てまでヒャッハー!』が大ヒットを記録したフィリップ・ラショー。彼は8か月におよぶトレーニングを経て主人公の冴羽りょう(獣へんに寮。本稿では平仮名で表記する)になるべく準備を進めたが、彼が重視したのは原作への愛情と“ユーモア”だったという。来日時に話を聞いた。日本では知らぬ者がいない人気コミック『シティーハンター』は今年2月に新作アニメーション映画も公開されたが、フランスでも『ニッキー・ラーソン』のタイトルでアニメ版が放送され人気を集めている。子どもの頃から本作や『ドラゴンボール』が大好きで、日本のアニメに多大な影響を受けて育ったラショー監督は自ら実写映画化を希望し、企画書とプロットを原作者に送付。1年半かけて書いた脚本を手に来日して映画化権を得た。「僕は日本のコミックやアニメーション、そしてフランスのコメディに多大な影響を受けて育ちました。だから意識をしたわけではないけど、知らず知らずのうちに自分が好きなもの、吸収してきたものがこの映画に集結しているのかもしれないですね」映画はボディガードや探偵を行うスゴ腕の男・冴羽りょうと相棒の槇村香のコンビが、匂わせると一瞬で相手をトリコにしてしまう“キューピッドの香水”をめぐる陰謀に巻き込まれて、熾烈な戦いを繰り広げる様をギャグ満載で描いている。本作は日本のコミックやアニメにルーツがあるが、そもそもある時期の日本の漫画は欧州のアクション映画、スパイ映画などから多くの影響を受けている。フランスでの実写化は、異国の地での映画化でありながら、ルーツのルーツに戻った趣きもある。「なるほど。でも確かにそういう影響はあるかもしれませんね。たとえばですが『コブラ』(寺沢武一の名作コミック)の主人公は、仏俳優のジャン=ポール・ベルモンドがモデルになっていると聞いたことがあります。他の日本のコミックにもそのような影響があるのかもしれません。その一方で日本のコミックやアニメーションは、アメリカよりもフランスで愛されています。僕は子どもの頃から日本のアニメーションを吸収して育ってきました。僕はフレンチコメディを愛していますが、日本のコミックからもユーモアを学んだと思っています」ラショー監督はこれまで多くのコメディ映画を手がけてヒットを飛ばしてきたが、アクションやサスペンス的な場面が次々に登場する『シティハンター』を映画化する上でも“ユーモア”を最重視したという。「僕が子どもの頃、周囲の女の子たちはみんな、冴羽りょうのことが大好きでした。彼はカッコいいけど、“女好き”という点ではまるで4歳児みたいなところがあるし(笑)、いつも相手をからかっているようなところがあって『あんなにも女好きで、誰にでもアタックするような男のどこがいいんだろう?』と思っていた時期もありました(笑)。でもよく考えると、彼は相手をからかうにしても悪意がなくて無邪気だし、カッコいいだけではなくて笑わせてくれる。だから僕のまわりの女の子たちは彼に恋したんでしょうね」だからこそラショー監督は、アクションもたっぷりあって、原作のキャラクターや世界観を守りつつ、冴羽りょうが愛すべき男になるようにユーモアとギャグを可能な限り盛り込んだ。「脚本を執筆する段階で可能なかぎり熱を込めています。書いている時はプレッシャーはありましたけど、完成した映像をイメージしながら“これならみんなに笑って楽しんでもらえる”と思えるものができるまで、時間をかけて脚本を練っていったわけです。それにギャグといっても、単純に笑いにとりにいくギャグもあれば、ストーリーを進行させたり、キャラクター造形に寄与するギャグもあります。それぞれのシーンが最大限の力を発揮するように全シーンを考えていきました」その上でラショー監督は『シティハンター』を“映画として語る”ことにこだわった。コミックに愛情をもって接するが、コミックを“そのまま”実写化して効果を生まないなら省く。キャラクターの基本設定を変更はしないが魅力がより伝わるなら大胆な状況を物語に盛り込む。コミックをそのまま演じても実写化にはならない。本作を観ると、映画監督ラショーのこだわりと強い意志を感じられるはずだ。「ありがとうございます。私はこの映画では自分の本当に好きなものを、いかにして魅力的に活かすことができるのかだけを考えて、映画をつくっていきました」ちなみに完成した作品はフランスで観客動員168万人の大ヒット。日本の『シティハンター』ファンも、ラショー監督の原作への愛と真摯な想いを感じられる、そして何よりも楽しめる作品になっている。『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』11月29日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
2019年11月25日2020年はベートーヴェン生誕250年のメモリアルイヤー。クラシック界はベートーヴェンを中心に展開されることが予想される中、また1つ素晴らしいコンサート企画が発表された。「首都圏8館共同制作 コンスタンチン・リフシッツ ベートーヴェンへの旅」と第されたこの企画は、よこすか芸術劇場、神奈川県立音楽堂、フィリアホール、狛江エコルマホール、武蔵野市民文化会館、東京文化会館、所沢ミューズアークホール、ウェスタ川越の首都圏8ホールが力を合わせて、リフシッツのベートーヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会を盛り上げるという点がとても興味深い。ベートーヴェンの全32曲のピアノ・ソナタは、“クラシック音楽の新約聖書(バッハの平均律クラヴィーア曲集が旧約聖書)にも例えられる名作中の名作だ。それを1人の優れたピアニストによる演奏で一気に聴き通す楽しみは、まさにベートーヴェン・イヤーならではの贅沢。さらには、ホールの違いによる印象の変化にも注目したい。余計なお世話ながら、32曲を8ホールで分け合う相談はさぞかし大変だったに違いない。「『月光』『悲愴』『熱情』の3大ソナタの1つは是非うちのホールに!」などといった議論がなされたことだろう。リフシッツの素晴らしい演奏とともに、各ホールの熱意が伝わる素敵な盛り上げにも期待したい。*公演特設サイト ●リフシッツからのメッセージ(c)Sona_Andreasyanこの巨大なプロジェクトが実現できることに感謝したいと思います。今回ピアノ・ソナタ全集のCDを発売いたしますが、これを完成させることは簡単ではありませんでした。ベートーヴェン・ツィクルス自体は、これまでスイス、台湾、香港で行なっており、この春いよいよ、日本で実現するわけですが、今後はぜひ世界のほかの街でもベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を演奏していければ良いと思っています。ベートーヴェンの作品は人々に愛されています。彼の作品はただ単に素晴らしいだけではなく、他の作曲家以上に心から心、人から人へと繋げられる作品ばかりなので、皆さまにはこれらを心にとどめて聴いていただきたいと思っています。この32曲のソナタは、彼の交響曲のように、“ソナタ集”という1つのジャンルとして確立されています。これまでのツィクルスでは、1つのホールと1台のピアノで順番に演奏をして参りました。今回は題名のついたソナタをメインに置き、共通性のある曲をつけてプログラミングした初めての試みです。来年の春の日本公演では、全8館、8つの街をクルーズし、ベートーヴェンの宇宙を感じていただきたいと思います。●ベートーヴェン生誕250周年記念 首都圏8館共同制作コンスタンチン・リフシッツ(ピアノ)ベートーヴェンの旅 ピアノ・ソナタ全32曲演奏会Vol.1「ワルトシュタイン」4月25日(土)15:00よこすか芸術劇場Vol.2「悲愴」4月26日(日)15:00神奈川県立音楽堂Vol.3「熱情」4月29日(水・祝)14:00フィリアホールVol.4「テンペスト」5月2日(土)15:00狛江エコルマホールVol.5「月光」5月3日(日・祝)18:30武蔵野市民文化会館 小ホールVol.6「告別」5月4日(月・祝)14:00東京文化会館 小ホールVol.7「ハンマークラヴィーア」5月6日(水・休)15:00所沢ミューズ アークホールVol.8「最後のピアノ・ソナタ」5月8日(金)19:00ウェスタ川越 大ホール
2019年11月25日毎秋に開催されている映画祭「東京フィルメックス」が現在、有楽町朝日ホールをメイン会場に開催されている。2000年にスタートした映画祭も今年で20回目。記念すべき年の開催だが、映画祭ディレクターの市山尚三氏は、過去を振り返るよりも「新しい展開を考えたい」と語る。“アジアから世界へ、未来を見据えた国際映画祭がスタート”のコピーと共に東京フィルメックスが始まったのは2000年の12月。この段階で後に巨匠と称されるアピチャッポン・ウィーラセタクン監督や、今年のオープニングを飾ったロウ・イエ監督の作品がコンペ部門に入っているなど、作品を選ぶ眼の確かさが光っているが、市山氏は「最初はオフィス北野がメインのスポンサーで、森社長(当時)から“5年はやります”って言われていたんですよ」と振り返る。「だからそれは5年間で体制をつくるって意味だったと思うんです。だから最初の年は民間から集めた協賛金だけでやったんですけど、2年目から文化庁の外郭団体の芸術文化振興基金の映画祭支援に申請を出して、国際交流基金にも申請して助成金を得ることができた。なので、必要な資金の半分ぐらいをそこでまかなって、残りを入場料収入と民間からの協賛金で集めることになりました。それに2回目からはNPO法人として映画祭事務局が独立したんですね。だからオフィス北野からの支援が途絶えることも、頭のどこかでは考えてはいたのかもしれません」その後、映画祭は第18回までオフィス北野の、それ以降は別会社のサポートも受けながら続いている。「映画祭というのはそれで収入があるわけではないですし、広告価値があるかというとそんなにあるわけではない。だから、映画祭を続けていればスポンサーがつくかというとそんなことはないんですね。日本の企業は文化事業というよりは宣伝のためにお金を出しますから“これでどれだけ露出するの?”という話になりますし“これで何人が集まるの?”となる。そう考えると映画祭は厳しい。大規模なコンサートや美術館で数か月の展示をするとたくさん人が集まりますけど、映画祭は1週間ちょっとしかできないし、権利料があまりがあまり発生しないショートフィルムの映画祭なら全国を巡回できると思うんですけど、長編映画は東京で1回上映するだけでも調整が発生するので地方を巡回するのは難しいんです」だからこそ映画祭や美術展の助成金、公的資金をめぐる昨今のニュースは、どの映画祭にとってもシリアスな問題だ。「あいちトリエンナーレの問題でも頭が痛いのは、正直なところ“助成金はいらない”と言えるほど映画祭はお金が集まらないからなんです。フィルメックスもたくさんお客さんに来ていただいているんですが、それだけでは映画祭は成り立たないですし、みなさんに1回の上映で5000円払ってください!とは言えない(笑)。だからフィルメックスも毎年、毎年、助成金の申請をして結果を待つ状態ではあるんです。たとえばフランスのカンヌ映画祭だと、公金をもらって仏政府に批判的な映画を上映していたりする。でも、日本の場合を考えると、自治体も政府も“政府に批判的な映画を上映しようと思うんですけど”って言われたら、それは懸念を示すと思うんですよ。だから、その時に映画祭としてどうするのか? 懸念を受けて中止にするのか、自分たちの責任で上映するのか……そういうことが試される時代になってきていると思います。だからフィルメックスでは、そこに変なバイアスはかけないで“映画として素晴らしいかどうか”でまず判断して、その上で上映するとどうなるのか? を考えることになると思います。純粋に“作品の質だけで選びました”と言っても問題が起きる時は起きるわけで、危機管理をしながら運営していかなければならない時代ではあると思います」資金の問題、作品のセレクションの問題……映画祭の継続はやさしいことではない。さらにフィルメックスは観客と映画作家、評論家、映画祭のプログラマーが“同じ会場、同じロビー”に集まることにこだわってきた。会期中には若い映画作家を集めたワークショップ“タレンツ・トーキョー”が開催され、参加した若い映画作家が新作をフィルメックスで上映する流れもできつつある。「映画祭は“人が出会う場所”だと思うんですね。昔は映画祭に行かないと観られない映画があったんですけど、いまはネット配信もあって観る機会は増えている。だから“人が出会えること”を第一に考えてきたのが釜山映画祭だと思うんです。釜山映画祭がなぜアジアでナンバー1の映画祭になっているかというと、創設した時から“人を集めること”を考えていて、世界の映画祭のプログラマーを招待して、企画マーケットを始めて、ワークショップも始める。すると、映画祭に出品している映画作家に加え、映画を選んでいる人、これから映画をつくろうとしている人、さらに未来の映画作家が同じ場所に集まる。自分でも海外の映画祭に行くのは、そこに行けば会える人がいるから。だから、ただ上映して賞を発表して終わり……という映画祭の意義はだんだん薄れてきていると思います。たくさん人が集まることで結果として良い作品が集まって、お客さんも楽しめる……そういう循環ができるといいんですよね」だから今年もフィルメックスはゲストを招き、VR作品を上映するなど新企画を投入。さらに新しい映画人、新しい観客と出会おうとしている。「今年はVR作品は手探りで1作品(イスラエル映画『戦場の讃歌』)だけの上映なんですけど、今後も拡大できないのか検討したいと思っています。今年は意識的に海外の映画祭でVR作品を観たんですけど、面白いものが多いですし、今後は普通の劇映画との垣根はだんだんなくなってくると思います。実験的な作品もゲーム的なものもありますけど、VRの監督が劇映画を撮ることも増えるだろうし、(アレハンドロ・ゴンサレス・)イニャリトゥみたいに劇映画でVRを撮る人はすでに出てきている。今回は20回目なので過去の作品を3本上映するんですけど、過去の栄光みたいなものは置いておいて(笑)、むしろ新しい展開を考えたいんです。だから過去に上映したことのない監督であっても素晴らしい作品なら上映したいですし、過去の監督の特集みたいなことにはしたくなかった。今後もこれまでフィルメックスを知らなかった若い人や、会場には簡単に来れない地方の人にも映画祭を知ってもらって、会場に来てもらえる方法がないか考えようと思っています」20年かけて築いてきた実績と関係があるからこそ成立した豪華なラインナップと、新しい挑戦が同居する20回目の東京フィルメックス。今年も最終日まで様々な人が会場に集い、新しい展開を生み出すキッカケや出会いが生まれることになりそうだ。第20回 東京フィルメックス12月1日(日)まで有楽町朝日ホール(有楽町マリオン)TOHOシネマズ 日比谷ほかTalents Tokyo 201911月30日(土)まで有楽町朝日スクエアB
2019年11月25日おとな向け映画ガイド今週のオススメは『すみっコ…』を含むこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/11/25(月)イラストレーション:高松啓二この週末に公開の作品は30本(ライブビューイングを除く)。全国のシネコンで拡大上映されるのは『ドクター・スリープ』。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が29本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい3作品と、上映中の話題の1本をご紹介します。『ドクター・スリープ』スタンリー・キューブリック監督が1980年に発表したホラーの名作『シャイニング』。リゾートホテルの冬季閉鎖中に管理人として雇われた売れない小説家ジャックが、次第に狂っていき、最後は妻と息子を襲う……。古いゴシック調のホテルの不気味さ、主演ジャック・ニコルソンの狂気、映像的にも恐ろしく、記憶に残る作品でした。これは、その続編。何とか生き残った、あの超能力=シャイニングの持ち主、ジャックの息子ダニー(ユアン・マクレガー)が、惨劇のトラウマをかかえたまま40代となり、そして因果は巡る……、というお話です。新たに登場するのは、ダニーと同じシャイニングを持つ少女アブラ(カイリー・カラン)、そして彼女のような超能力保持者を狙う謎の集団とその女ボス、ローズ・ザ・ハット(レベッカ・ファーガソン)。サイキッカーが入り乱れての超絶バトル。最終決戦の場所は……、あのホテル……です。ダニーの脳裏にやきついているさまざまなイメージや、前作とよく似た雰囲気の役者たちもでてきます。前作を映画ファンは大傑作と評価しましたが、原作者スティーブン・キングは気に入らず、自身で別にTV映像化。が、このTV版のできがいまいちで、と両巨匠の対立はいまや伝説です。キングは2013年に小説の続編を書くのですが、その映画化には、キューブリックの遺族とキングの両者を納得させる必要がある、そういうハードルを越えてきた続編です。キューブリックの『シャイニング』をリスペクトしつつ、そのファンをうならせ、『IT』などのキング信者も満足させる、その課題はクリアできるかー。『ファイティング・ファミリー』全米のCATVなどで大人気のプロレス、WWE。イギリスからひとりその世界に飛び込んだ実在の女性、リング名「ペイジ」の、異色スポ根映画です。まず、彼女の家族にびっくりします。イギリス北部の町で、レスリング・ジムを営んでいるのですが、ヘビメタのオジー・オズボーン一家みたいな、ド派手で本音まるだし、やや露悪趣味。モヒカンで髭面の親父、唇にピアスの母親、口をひらけば4文字言葉の連発です。WWEはそんな彼らのあこがれの総本山。家族の夢を背負い、ペイジはWWEのファームNXT(入門クラス)をクリアし、晴れの舞台への道を歩むのです。WWEの大スター、ドウェイン・ジョンソンが本人役で特別出演し、彼女の道をアシストするのですが、その存在感たるや圧巻です。ペイジを演じるフローレンス・ビューはレスラー役は初体験。WWEは、もちろん完全ガチンコではないにしても、体を張った試合ぶり、高度なテクニックと体力を身につけるための訓練の様子も生半可なものではありません。そんな舞台裏が覗けるのも魅力ですが、実は、ペイジを支える家族のドラマも重要な要素。『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』などの太っちょコメディアン、ニック・フロスト演じる父親を始め、本音で生きる母、家族思いで不器用な兄。やや乱暴で、そして泣かせる人情劇でもあります。Fighting with My Family(C) 2019 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC., WWE STUDIOS FINANCE CORP. AND FILM4, A DIVISION OF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.『幸福路のチー』SMAPの「あのころの未来に……」の歌詞が印象的なあの歌(『夜空ノムコウ』)を思い出しました。アメリカに暮らす現代の台湾女性が、祖母の死で久しぶりに故郷に帰り、生きてきた道を振り返る。少女から40過ぎのオトナになるまでを描いた台湾のアニメ映画です。彼女が何を考え、どんなふうに生きてきたか。そこに、台湾の現代史が織り込まれます。1975年の4月5日、国民党の蒋介石総統が亡くなった日に主人公チーは生まれます。6歳のときに、田舎から、台北郊外の「幸福路」という町に両親と引っ越し、小学校に入学。ランドセルに黄色い帽子、チーの姿はまるでちびまる子ちゃんです。いじめっ子、お金持ちの子、さまざまな事情のクラスメートがいます。仲良くなったのは駐留アメリカ軍人を父に持つ金髪のハーフ、ベティと、わんぱくなエンでした。3人は日本のアニメ『ガッチャマン』ごっこをしたり、子供ながらに真剣に夢を語りあっていました。38年も続いた戒厳令が終わり、民主化のなかで青春時代を過ごしたチー。いまは決してうまくいっていないわけではないけれど、これでよかったのだろうか……何かがちがう。人生のなかで、ふと立ち止まるとき、故郷の景色が浮かんできます。それでも日々は続きます。水彩画のような温かいタッチで、どこか我々にとっても懐かしく、心が和む作品です。首都圏は、11/29(金)からシネマカリテほかで公開。中部は、12/21(土)から三重・進富座、1/3(金)から伏見ミリオン座で公開。関西は、11/29(金)から京都シネマ、1/24(金)からテアトル梅田ほかで公開。『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』最後の一本は、上映中の作品です。いま、大変な話題になっています。実は、小学生対象のアニメと考え、ほぼスルーしていた映画でした。それが11/8に公開されると、大作映画目白押しのなか、興行ベストテンの3位に登場。2週目は動員50%増で2位に躍進する大ヒットとなりました。内容も、ぴあの初日満足度調査でもダントツの1位という評価です。『この世界の片隅に』『カメラを止めるな!』『若おかみは小学生』『愛がなんだ』などと同じように、大掛かりな宣伝ではなく、SNSなどで作品のよさが拡散した映画です。観て参りました。遅ればせながらですが、オススメ致します。「すみっコぐらし」、不勉強にも知りませんでした。リラックマやたれぱんだのような、いわゆる癒やし系のゆるキャラです。その初めての映画化。映画でも最初にキャラを紹介してくれます。ひとみしりのしろくま、自信のないぺんぎん、とんかつのはじっこ、えびふらいのしっぽ、はずかしがりやのねこ……。みな、引っ込み思案で「すみっこ」が好き。すみっこにいると、おちつくという存在たちです。その「すみっコぐらし」たちがある日、お昼にでかけた喫茶店で、世界のおとぎ話が入った飛び出す絵本を見つけます。それからは、すみっコキャラが、桃太郎やマッチ売りの少女、人魚姫といった絵本の世界と一体となっていく、冒険もあり、感動もある、ファンタジックなストーリーです。脚本は小演劇界注目の「ヨーロッパ企画」角田貴志。ナレーションは井ノ原快彦と本上まなみが担当しています。実にかわいい。映画が評判になったのは、そのかわいさと、大人も泣ける、といううわさです。私はひねくれているので、泣けませんでしたが、自称引っ込み思案なので、この「すみっこが好き」な感じはすごくわかります。全国のイオン系のシネコンで公開中です。このぶんだと、お正月まで上映されると思います。お近くに小学生の女のお子さん、またはお孫さんがおありなら、ぜひご一緒にご覧になるのをオススメします。きっと、映画のあとの会話が楽しいものになると思います。都心の映画館では、おひとりのおとなのお客さんも多いそうです。この映画を楽しむポイントは、感動とか、感激とか、あまり多くを期待しないことです。ひとりでのんびり、ぼんやり観るのが一番かも。でも人気ですからネット予約はお忘れなく。
2019年11月25日本日から東京・池袋の新文芸坐で特集上映「映画監督・加藤泰 情念の横溢」が開催される。時代劇や任侠映画など数多くの傑作を残した巨匠監督の作品を厳選して上映。名画座の定番にして、映画ファンなら絶対にハズすことができない超人気プログラムだ。加藤泰(かとうたい)は1916年に生まれ、叔父の映画監督・山中貞雄を頼って上京し、1937年に東宝に入社。いくつかの映画会社を転々とした後に伊藤大輔や黒澤明の下で助監督を務め、1951年に監督デビュー。映画黄金期に次々と公開される時代劇や任侠ものを数多く手がけヒット作を連発。その一方で実験精神あふれる作品や異色作、リアリズムを追求した時代劇も発表し、映画ファンを熱狂させた。今回の特集では膨大なフィルモグラフィの中から10作品を上映。ミュージカル風の演出や強烈なキャラクターが魅力の異色作『真田風雲録』、鶴田浩二主演の傑作『明治侠客伝 三代目襲名』、大ヒットシリーズ『緋牡丹博徒 花札勝負』と、その後日譚『緋牡丹博徒 お竜参上』など見逃せない作品が揃った。デジタルリマスターされた遺作『ざ・鬼太鼓座』以外はすべて35ミリで上映される。加藤泰作品はこれまでも繰り返し特集が組まれ、名画座ファンにはおなじみのプログラムになっているが、多くの作品でスクリーンを埋め尽くさんばかりの激情、哀しみ、今回の特集タイトルにもなっている“情念”が描かれる。俳優たちの鬼気迫る演技、観客を圧倒するクローズアップ、観る者の予想を裏切るカメラ位置……映画ファンを魅了し続ける加藤泰の美学を新文芸坐の大スクリーンで堪能できる必見の特集になっている。映画監督・加藤泰 情念の横溢新文芸坐11月25日(月)・26日(火)『明治侠客伝 三代目襲名』『骨までしやぶる』27日(水)・28日(木)『瞼の母』『沓掛時次郎 遊侠一匹』29日(金)・30日(土)『緋牡丹博徒 花札勝負』『緋牡丹博徒 お竜参上』12/1日(日)・2日(月)『炎のごとく』『ざ・鬼太鼓座 デジタルリマスター』3日(火)・4日(水)『阿片台地・地獄舞台突撃せよ』『真田風雲録』
2019年11月25日東京スカパラダイスオーケストラが本日11月25日、神戸国際会館こくさいホールで「東京スカパラダイスオーケストラ 30th Anniversary Hall Tour2019-20 『~ズレたままハジキ飛ばしていこう~』」の追加公演を開催する。ジャマイカのスカという音楽を「トーキョースカ」と題し独自に演奏し続けてきたのが、東京スカパラダイスオーケストラだ。今年で彼らがデビューしてから30周年ということで、さまざまな企画が行われている。アニバーサリーを記念したアルバム『ツギハギカラフル』のリード曲『風のプロフィール feat.習志野高校吹奏楽部』のミュージックビデオは、意外な客演相手と演出が話題になった。その彼らが11月21日に埼玉からスタートさせた全国ツアーが「東京スカパラダイスオーケストラ 30th Anniversary Hall Tour2019-20 『~ズレたままハジキ飛ばしていこう~』」だ。24カ所中、3日目となる今夜のステージは当初の日程にはなかった追加公演。長い歴史のひとつの節目となるツアー、今夜はどんなパフォーマンスになるのだろうか。ぜひその目で目撃していただきたい。■公演情報「東京スカパラダイスオーケストラ 30th Anniversary Hall Tour2019-20 『~ズレたままハジキ飛ばしていこう~』」日時:11月25日(月)開場17:45/開演18:30兵庫・神戸国際会館こくさいホール
2019年11月25日大衆演劇で多くの観客を魅了し、2015年に解散した劇団朱雀(すじゃく)の復活公演が、11月26日(火)に開幕する。総合プロデュース、脚本、演出、振付、出演を果たすのは、二代目座長の早乙女太一。いまやジャンルを問わず活躍する人気舞台俳優へと成長した彼が、幼い頃から磨きあげてきたスキルと、劇団☆新感線をはじめとする他流試合で得た経験値をこの舞台に注ぎ込む。舞台は三部構成を予定しており、一部は女形の早乙女太一による舞踊ショー、二部は日替わり芝居、三部は全員出演による舞踊ショーと、劇団朱雀の魅力と醍醐味を総動員してのステージだ。注目したいのは、第二部の「日替わり芝居」。3つの演目を用意して、日替わりで上演するわけだが、作家勢が豪華だ。新感線の座付き作家である中島かずき。劇団扉座の座長である横内謙介。早乙女自身が仕事を共にして、深く信頼している作家たちがここで顔を揃えたことになる。出演陣も、バラエティ豊かな顔ぶれが目を引く。兄の太一に負けじとキャリアを重ねる早乙女友貴はもちろん、『薄桜鬼〜新選組炎舞録〜』で太一と共演した木村了、ベッド&メイキングス主宰の富岡晃一郎、つかこうへい作品でダイナミックな演技を見せる久保田創と小川智之が名を連ね、大阪と札幌公演には、ゴールデンボンバーの喜屋武豊が出演を果たす。解散の理由を「自分が外に出て実感できたことをみんなにも経験してもらい、自分自身も新たに挑戦したかった」と語る早乙女太一。それが叶い、劇団員全員が最強の状態で全力を注ぎ込む復活公演は、12月15日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA、12月19日(木)から30日(月)まで岐阜・ぎふ葵劇場、1月4日(土)から7日(火)まで大阪・サンケイホールブリーゼ、1月18日(土)に北海道・道新ホールにて行われる。文:小川志津子
2019年11月25日ドイツで創設され、建築、デザイン、写真など様々な分野で後世に多大な影響を与えた学校“バウハウス”の100周年を記念した特集上映「バウハウス100年映画祭」が東京・渋谷のユーロスペースで開催されている。“バウハウス”の名前は、建築やデザインを好きな人であれば、どこかで一度は目にしたことがあるはずだ。バウハウスは第一次世界大戦後の1919年にドイツで創設され、芸術と技術の新たな統合を目指して建築界の巨匠ヴァルター・グロピウスが創設。多くの生徒たちが学んだ。彼らは独自の教育システムを作り上げ、様々な分野で成果をあげたが、バウハウスはナチスの迫害を受けて14年で活動を終了してしまう。しかし、彼らが残したシステムや思考、作品は後に続く芸術家、建築家たちに影響を与えている。そこで本特集では5つの映像作品を4プログラムで上映し、バウハウスとは一体、何だったのか? 彼らの描いた理想はどのような作品に結実したのかを紐解いていく。上映されるのは、当時の学生たちの証言や貴重な記録映像も登場する『バウハウス 原形と神話』、彼らの精神が現代に息づいていることを描き出す『バウハウス・スピリット』、当地で学んだ女性たちに焦点をあてた『バウハウスの女性たち』、バウハウスの三代目校長を務めたミース・ファン・デル・ローエに迫る『ミース・オン・シーン』、バウハウス創設の8年前に建てられたモダニズム建築“ファグス靴型工場”を巡るドキュメンタリー『ファグスーグロピウスと近代建築の胎動』、そして全盛期のバウハウスで学び、建築だけでなく彫刻やグラフィックデザインの分野でも活躍したマックス・ビルの生涯を綴る『マックス・ビルー絶対的な視点』の5作品。集まった作品はいずれも建築やデザインの変遷や思想を追うだけでなく、そこで学び、思考した“人間”の姿も描き出す作品で、映画ファンからも好評を集めることになりそうだ。なお、本映画祭は現在、ユーロスペースで開催されているが、栃木、神奈川、長野、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、広島などでも開催が予定されている。バウハウス100年映画祭プログラムA 『バウハウス 原形と神話』プログラムB 『バウハウス・スピリット』『バウハウスの女性たち』プログラムC 『ミース・オン・シーン』『ファグスーグロピウスと近代建築の胎動』プログラムD 『マックス・ビルー絶対的な視点』ユーロスペースで開催中ほかの劇場でも全国順次開催
2019年11月24日日本では2014年春に公開され、全世界で驚異的なヒットを記録した話題作の続編にして完結編『アナと雪の女王2』がついに全世界で一斉に公開されている。アレンデールの女王エルサと妹のアナは前作で雪に閉ざされた王国を救い、自分の進むべき道を見つけ出した。しかし“そしていつまでも幸せに暮らしました”はおとぎ話だけのこと。成長した姉妹は新たな問題に直面する。本作は雪や氷をつくりだす不思議な力を持って生まれた女性エルサと、そんな姉を誰よりも愛する妹アナが主人公。前作では自身の力を制御することができずに苦しんできたエルサが王国を飛び出して“ありのまま”で生きることを選ぶが、その結果としてアレンデールが雪に閉ざされてしまい、アナがエルサに再会するために冒険に出るドラマが描かれた。結果としてふたりは危機を脱し、“真実の愛”を見つけ出してエルサは女王として故郷に帰還した。しかし、続編では少しだけ時が流れ、成長したエルサとアナが描かれる。王国は幸福な時間をおくっていたがある日、エルサは不思議な歌を耳にする。この歌は一体、どこから聞こえてくるのか? なぜエルサにしか聞こえないのか? この出来事をきっかけにアレンデールはまた危機を迎え、エルサとアナは王国を救うため、そして自分たちがどこから来たのか、そしてどこへ進むべきなのか見出すために再び旅に出る。前作では劇中歌『Let It Go』が大ヒットを記録したが、本作もロバート&クリステン・アンダーソン=ロペス夫妻がソングライターとして参加。物語上、重要な役割を果たす楽曲を数多く手がける。監督のクリス・バックとジェニファー・リーは“前作と本作でひとつの物語を描いている”と語っており、本作は単にスケールアップした続編ではなく、前作で描かれたキャラクターや心情や問題をさらに深く掘り下げて、何らかの結論を描いた作品になっているようだ。『アナと雪の女王2』公開中
2019年11月24日数々の傑作娯楽映画や現在も語り継がれるカルト作を数多く手がけた石井輝男監督の作品を集めた特集上映「石井輝男 キング・オブ・カルトの猛襲」が24日(日)から開催される。デビュー作『リングの王者 栄光の世界』から遺作『盲獣VS一寸法師』まで全38作品が集結。2020年1月まで続く超大型特集だ。1924年に生まれ、東宝で撮影助手として活動を始め、新東宝、東映などで数々の傑作を手がけた後、晩年は自身でプロダクションを立ち上げて活動した石井輝男監督は、監督作が膨大にあり、そのジャンルも多岐にわたっている。スター俳優とタッグを組んで大ヒット作を連発することもあれば、後世に語り継がれるカルト映画を量産する時期もあった。その内容は娯楽性と芸術性が同居しており、確かな技術と作劇で魅せる安定感と、時に観る者をあ然とさせるアナーキーな展開が人気で、2005年にこの世を去ったが、現在も支持者、研究者、熱烈なファンが多い。今回の特集では石井監督の膨大なフィルモグラフィーの中から厳選した38作品を上映。高倉健が主演の『網走番外地』『恋と太陽とギャング』や、海外でも人気を集める『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』、女性に迫る男のあまりの執拗さに恐怖と笑いが同時にこみあげてくる怪作『異常性愛記録 ハレンチ』、鶴田浩二、高倉健、丹波哲郎、江原真二郎ら豪華キャストが勢ぞろいするアクション『暗黒街の顔役 十一人のギャング』など強烈な作品が連日上映される。時代の波を捉えながらも、スタイルをあえて壊して完成度や安定を否定して走り続けた石井輝男の作品群は“キング・オブ・カルト”の名にふさわしい。早くも没後14年。今回の特集を機に新世代が石井輝男の世界に新たに足を踏み入れることを期待したい。石井輝男 キング・オブ・カルトの猛襲『花と嵐とギャング』『黄色い風土』『いれずみ突撃隊』『温泉あんま芸者』『徳川女系図』『リングの王者 栄光の世界』『日本ゼロ地帯 夜を狙え』『網走番外地』『恋と太陽とギャング』『残酷異常虐待物語 元禄女系図』『戦場のなでしこ』『大悪党作戦』『霧と影』『親分を倒せ』『神火101 殺しの用心棒』『異常性愛記録 ハレンチ』『殺し屋人別帳』『女体渦巻島』『大脱獄』『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』『決着』『ゲンセンカン主人』『暗黒街の顔役 十一人のギャング』『監獄人別帳』『続 決着』『明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史』『女王蜂と大学の竜』『昇り竜 鉄火肌』『網走番外地 望郷篇』『ギャング対Gメン 集団金庫破り』『無頼平野』『セクシー地帯』『緋ぢりめん博徒』『顔役』『盲獣VS一寸法師』『徳川いれずみ師 責め地獄』『やさぐれ姐御伝 総括リンチ』『直撃地獄拳 大逆転』11月24日(日)から2020年1月25日(土)まで※12月31日(火)と1月1日(水)は休館ラピュタ阿佐ヶ谷
2019年11月24日ご当地グルメを楽しみ、地域の魅力に迫ることができるイベント「B-1グランプリin明石」が23日(土)と24日(日)に兵庫県立明石公園と明石市役所周辺で開催される。この催しは、各地域おなじみのフードを楽しんで、エリアそれぞれの魅力を知ることができる日本最大級のまちおこしイベント。今年は明石市制施行100周年にあたるため、兵庫県立明石公園と明石市役所周辺に全国55のまちおこし団体が集結。各地の郷土料理や、ご当地グルメを楽しめる。会場への入場は無料で、料理の購入には専用チケットが必要。様々な料理を気軽に食べ比べることが可能で、こどもたちが遊べる“こどもSOUZOUスタジアム”なども設置される予定。第11回ご当地グルメでまちおこしの祭典!B-1グランプリin明石11月23日(土)と24日(日)9時30分から15時30分まで入場無料(料理の購入には専用チケットが必要)兵庫県立明石公園(お城エリア)明石市役所周辺(海峡エリア)
2019年11月23日古代インドの国民的な叙事詩であり、「世界3大叙事詩」ともいわれる『マハーバーラタ』。演出家・宮城聰の代表作『マハーバーラタ』では、その中の『ナラ王物語』に焦点を当て、「語る」俳優と「演じる」俳優、そして生演奏の三位一体で再構築。語り継がれてきた“物語”としての壮大な世界観を、絢爛豪華な舞台絵巻として現出させてきた。本日11月23日(土・祝)に池袋西口公園 野外劇場のこけら落としとして上演されるのは、その宮城版に新たなクリエイティブを重ねた、1日限りの豊島区バージョン。野外劇場ならではの開放的な空間に、360度の大パノラマ舞台を設置して、祝祭的なステージを展開する。物語は絶世の美女ダマヤンティ姫が、美貌の貴公子・ナラ王を夫に選ぶところから始まる。だが嫉妬に狂った悪魔カリの呪いによって、ナラ王は弟との賭博に負け、ついには王国をも失うことに。それでもナラに付き従おうとするダマヤンティだったが、眠っている間にナラは去ってしまう。さまようダマヤンティと、運命に翻弄されるナラ。ふたりは再会して、かつての王国を取り戻すことが出来るのか……。初演は2003年、宮城が主宰するク・ナウカ(活動休止中)での公演で、第3回朝日舞台芸術賞を受賞。その後も、宮城が芸術総監督を務める静岡県舞台芸術センター(SPAC)がインドネシアやフランスでも上演し、それぞれの場所にアダプテーションしたステージで高い評価を得た。2014年には、演劇の祭典として名高いフランスのアヴィニヨン演劇祭でも上演、日本で凱旋公演が行われている。それを観劇した尾上菊之助の依頼で、2017年には物語の後半部分(王位の後裔争い)を新作歌舞伎に仕立て、宮城自身の演出で上演されたことも記憶に新しい。常に異文化との化学反応を取り込みつつ成長してきた、宮城版『マハーバーラタ』。今回の豊島区バージョンでは、「インドの叙事詩が、“今の今”の池袋と出会ったらどんなふうに見えてくるのか?!を、皆さんに目撃してもらうスペシャル版」(公式サイトより)と宮城は語る。猥雑な繁華街が熱気を放つ一方で、今年から来年にかけては劇場や映画館のオープンが続き、かつて小説家や画家、劇作家たちが闊歩した“池袋モンパルナス”の雰囲気を取り戻しつつある池袋。こけら落とし公演として、これほどふさわしい演目はないだろう。文・佐藤さくら
2019年11月23日藤原さくらが本日11月23日、京都磔磔で全国ツアー「藤原さくら Twilight Tour 2019」の京都公演を行う。今年は単身でのアメリカ滞在、舞台『偽義経冥界歌』での演技初挑戦など新しい試みが目立った藤原さくら。今後の新鮮な活動に注目が集まっている。その彼女がスタートさせた自身初のライブハウスツアーが「Twilight Tour 2019」だ。約1年ぶりの全国20都市をめぐるライブということで、東京・LIQUIDROOMで開催された初日はチケット完売の盛況を記録した。帯同するバンドメンバーはドラムス・須田洋次郎(ミツメ)、ギター・ayU tokiO(猪爪東風)、ベース・渡辺将人(COMEBACK MY DAUGHTERS)の3名。ツアーは本日の公演から、ちょうど後半戦に入る。新旧織り交ぜたセットリストとパフォーマンスに注目してほしい。■公演情報「藤原さくら Twilight Tour 2019」日時:11月23日(土・祝)開場16:30/開演17:00場所:京都・京都磔磔
2019年11月23日映画ファン毎秋恒例の映画祭「東京フィルメックス」が本日開幕する。アジア圏の優れた作品を数多く紹介し、人材育成や映画人のネットワークづくりにも尽力してきた本映画祭は今年、記念すべき20回目を迎える。優れたアジア映画を紹介する映画祭として2000年にスタートした東京フィルメックスは、当時はまだ新人だったアピチャッポン・ウィーラセタクン、ロウ・イェを初年度のコンペ部門に選んでいる。その後、第2回(2001年)にはキム・ギドクがコンペ部門に登場。本映画祭が見つけ出した新人監督たちはその後、世界の大規模な映画祭で高い評価を得る作家に成長しており、彼らの新作がフィルメックスで上映されることも多い。上映作品をいたずらに増やすのではなく、“確かな眼”で選ばれた映画が並ぶフィルメックスは、多くの映画ファンから信頼されているといっていいだろう。今年のオープニング作品『シャドウプレイ』を手がけたロウ・イエ監督は、『ふたりの人魚』で映画祭最初のコンペ最優秀作品賞をを受賞。20回目を迎える記念すべき年の冒頭を飾るのにふさわしい監督だ。クロージング作品として上映されるのは、昨年のフィルメックスで審査委員長を務めたウェイン・ワンの最新作『カミング・ホーム・アゲイン』。この2作をみるだけでもフィルメックスが映画作家たちと堅い信頼関係を築いてきたことがわかる。ほかにもペドロ・コスタ監督の『ヴィタリナ(仮題)』、ジャファル・パナヒ監督の『ある女優の不在』、オリヴィエ・アサイヤス監督が1997年に発表したドキュメンタリー『HHH:侯孝賢』、その侯孝賢が翌年に発表した『フラワーズ・オブ・シャンハイ』のデジタル修復版など映画ファンが見逃せないタイトルが続々と並ぶ。そして気になるコンペティション部門には10作品が選ばれた。ブリランテ・メンドーサがプロデュースを担当し、ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門で審査員特別賞を受賞した『評決』、カンヌ映画祭の批評家週間のクロージングを飾った『春江水暖』、ロカルノ映画祭で審査員特別賞を受賞した『波高(はこう)』など注目の作品が集結。日本からは中川龍太郎監督の『静かな雨』と広瀬奈々子監督の『つつんで、ひらいて』がエントリーされている。他にも、歴代受賞作からファンの投票によって選出された3作品(『ふたりの人魚』『息もできない』『ふゆの獣』)の特別上映や、阪本順治監督の特集、有楽町マリオン内の施設で行われるVR上映、人材育成プログラム、シンポジウムなども開催。メイン会場の有楽町朝日ホールはロビーがひとつで、著名な映画作家も評論家も一般の映画ファンも同じ場所に集う。映画を愛する人たちが同じ場所で“映画の未来”を探る東京フィルメックスは今年も多くの映画ファンを集めることになるだろう。第20回 東京フィルメックス本日11月23日から12月1日(日)まで有楽町朝日ホール(有楽町マリオン)TOHOシネマズ 日比谷ほかTalents Tokyo 201911月25日(月)から11月30日(土)まで有楽町朝日スクエアB
2019年11月23日国内外のポップカルチャーが集結する大規模イベント「東京コミコン2019」が幕張メッセで開催されている。会場には多数のブースが設置されているほか、貴重なアイテムの展示や豪華ゲストが登場するイベントも開催。年々、規模を拡大しており、今年はこれまで以上の盛り上がりを見せそうだ。コミコンは、コミックやアニメーションなどのポップカルチャーを愛する人たちが集まる催しとして1970年代からスタートし、その熱はアメリカから全世界に拡大。現在はアメリカのサンディエゴで開催されているコミコンが最大規模として知られているが、世界各地で映画やコミックを愛する人たちが集まって交流を深めている。東京コミコンは、アップル共同創業者のひとりスティーブ・ウォズニアックが提唱したことからスタートし、2016年には先ごろこの世を去った巨匠作家スタン・リーを名誉親善大使として招聘。アメリカのコミコンを土台にしながら、東京独自のカラーを盛り込み、唯一無二の存在になるべく進化と改善を続けている。今年は『スター・ウォーズ』やマーベルなどが出展するほか、映画『ターミネーター2』に使用されたバイク、映画『スピード』に登場したGM社製バスなど貴重なアイテムを多数展示。連日、さまざまなステージも予定されており、オーランド・ブルーム、ジュード・ロウ、クリス・ヘムズワース、イアン・サマーホルダー、マーク・ラファロ、ルパート・グリント、ザッカリー・リーヴァイの来場が予定されている。コミコンの基本は“同好の士がひとつの場所に集う”こと。会場内では映画やコミック、映画が好きな人たちがコスプレを楽しんだり、記念撮影をしたり、グッズを購入しており、コミコンを通じて仲間をつくったり、この会場で年に1回再会する人も多い。今年は過去最大規模のイベントやゲストで開催されているため、総来場者数もこれまで以上に増えることが予想されている。東京コミックコンベンション2019(略称:東京コミコン2019)11月24日(日)まで幕張メッセ9・10・11ホール【関連リンク】 「東京コミコン2019」()
2019年11月23日日本最大級のスペインフェスティバル「フィエスタ・デ・エスパーニャ」が11月23日(土)と24日(日)に代々木公園イベント広場で開催される。「フィエスタ・デ・エスパーニャ」は、日本とスペインの交流400周年にあたる2013年にスタートし、今年で7回目を迎える大型イベント。昨年には約13万人、累計で70万人を超える来場者を集めている。今年も会場にはケータリングカーを含む約30ブースのフード出店や、物販・展示ブースが登場し、ステージでは様々なパフォーマンスを予定。直径2メートルもの巨大なパエリアパンで2種類のパエリアがつくられる様子を見学できたり、多彩なフラメンコの披露も予定されている。都内にいながらにして、スペインに滞在している気分を味わえるイベントだ。フィエスタ・デ・エスパーニャ201911月23日(土)10時から20時まで11月24日(土)10時から19時まで入場無料※飲食等は有料代々木公園/イベント広場
2019年11月23日国内外のポップカルチャーが集結する大規模イベント「東京コミコン2019」のオープニングセレモニーが11月22日、会場となる千葉県・幕張メッセで行われ、クリス・ヘムズワース、ジュード・ロウら来日ゲスト、アンバサダーを務める俳優の浅野忠信ら豪華メンバーが駆けつけた。今年で第4回を迎える「東京コミコン」は11月22日(金)、11月23日(土)、11月24日(日)の3日間、千葉の幕張メッセで開催。オープニングセレモニーには、さらにザッカリー・リーヴァイ、イアン・サマーホルダー、ルパート・グリント、ダニエル・ローガンが駆けつけ、会場は熱気に包まれた。ヘムズワース、リーヴァイ、浅野の3人は『マイティ・ソー』で共演しており、日本での“そろい踏み”にファンは大歓声。日本伝統の鏡割りを行う際に、ヘムズワースがソーの武器であるムジョルニアのおもちゃを手に樽を割るという粋な演出もあり、「日本のファンの皆さんは、いつも温かく歓迎してくれるね。ありがとう」と本人も大喜びだった。一方、浅野は現在、ハリウッド実写版『モータル・コンバット』の撮影をオーストラリアで行っており「でも、コミコンは欠かせないですから。戻ってきました!」と今回のために緊急帰国。『マイティ・ソー』で共演した盟友と再会し、「撮影を思い出しますね。やっぱり、2人とも大きいですね」。ファンに向けて「準備万端ですか?盛り上げて、盛り上げて、いい思い出を作りましょう!」と開幕を宣言していた。テクノロジーとポップカルチャーの祭典として、注目を集める「東京コミコン」は、3万人を動員した第1回(2016年)を皮切りに、翌年の2回目はマッツ・ミケルセン、スタン・リーらが来日し、4万人以上を動員。さらに昨年は、トム・ヒドルストン、エズラ・ミラーらが来日し、撮影会やサイン会に加えてステージイベントにも登場し、3日間の来場者数は63,146人と過去最高を記録している。取材・文・写真:内田 涼【 開催概要 】■名称:東京コミックコンベンション2019(略称:東京コミコン2019)■日時:11月22日(金)、11月23日(土)、11月24日(日)■場所:幕張メッセ (千葉市美浜区中瀬2-1)
2019年11月22日