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おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明20/2/24(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開される映画は24本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国約100スクリーン以上で拡大上映されるのが『野性の呼び声』『スケアリーストーリーズ 怖い本』『劇場版「SHIROBAKO」』『しまじろうと そらとぶふね』『初恋』の5本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が19本です。この中から、おすすめしたいおとな向きの4作品をご紹介します。『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』年老いた美術商、成功とはいいがたい彼の人生の終盤に、大きなチャンスが巡ってきます。オークションの下見会で見つけた小さな肖像画。署名がないので安価ですが、これは隠れた名画に違いない、72歳の主人公オラヴィは、その絵画にひと目で魅了されます。調べていくうちに、この絵は19世紀ロシアを代表する画家レーピンの作品だ、と確信します。もしそれが事実で、真相を知るのが彼だけならばひと財産、ですが。証拠がなければ二束三文。さて、最後にして最大のディールは……。フィンランドの首都ヘルシンキを舞台にした現代の物語です。旧市街で小さな美術店を営むオラヴィ。オークションの落札価格さえインターネットで調べられる時代ですが、彼の商売道具はタイプライターと昔ながらの紙のカード。家族も顧みず、絵画に没頭した人生。娘との確執もあり、孤独なひとり暮らしです。ギャラリーをたたむことになるかもしれないという経済状況。朝、ベーカリーでブリオッシュを一つ買うのが毎日のささやかな楽しみです。そんな彼の店に、疎遠だった孫がやってきます。問題児のため学校の職業体験課題の引受先がなく、祖父を頼ってきたのです。店番をさせると意外や商才もあり、オラヴィの調査の大きな力になってゆきます。何か小さな希望がみえてきます。クラシカルな主人公の顔と風体、帝政ロシア領時代の雰囲気を残す街の景観、それが相まって、しみじみとした趣を感じさせる映画になりました。ちなみに、彼のいきつけというベーカリーは、エクベリという老舗です。ガイドブックによればヘルシンキ最古だそうです。孫の教育のために訪れるミュージアムは、アテネウム美術館。国宝級の美術品が撮影に使われています。絵画をめぐるミステリー、スリリングなオークション、ヘルシンキの街のたたずまい、そして家族の絆。観終わったあとも気分良く映画館を出られる素敵な作品です。首都圏は、2/28(金)からヒューマントラストシネマ有楽町他で公開。中部は、2/28(金)から名演小劇場で公開。関西は、3/6(金)からシネ・リーブル梅田他で公開。『野性の呼び声』子どもの頃に読んだことがあるひとも多いかと思います。日本製アニメになったこともあります。勇敢で、誇り高い名犬バックの半生を描いた、ジャック・ロンドンの古典名作、久々の映画化です。バックの父はセント・バーナードで、母は牧羊犬のスコッチ・シェパード。19世紀末のアメリカ、カリフォルニアの判事の家で生まれました。賢くていたずら好きのお坊ちゃん犬。それが、小金稼ぎの悪党に捕まり、ゴールドラッシュのカナダにそり犬として売り飛ばされてしまいます。雪を知りません。夜の雪原でどう寝たら良いか、ましてそりを引くなんて、わけがわからない。そんな世間知らずのバックが、多くの苦難と経験を積んで、強くたくましいリーダー犬になっていきます。そしてソーントンという、傷心の旅を続ける男と巡り合います。演じているのがなんとハリソン・フォード(感動のキャスティング!)。大自然のなかでともに生き、強い友情で結ばれていきます。前半は、高貴な生まれの主人公が、低い身分に落ち、さまよい苦しんだのち尊い存在になるという、日本でいえば貴種流離譚のようなストーリー。後半は、信頼という絆でつながった「ふたり」の、壮大なアドベンチャーです。原作は何度も映像化されていますが、今回は、これまでのような人間目線とは異なり、原作と同じように、バックの立場でその半生を描いたのが特徴です。それを可能にしたのがCG。実際の動物を調教して撮影するのでなく、アニメでもない、新しい表現スタイルです。シルク・ド・ソレイユでパフォーマーだったテリー・ノータリーが、犬の身振り手振りを四足で演じ、それをCG化した上、実写映像を多く溶け込ませたハイブリット。子どもの頃のやんちゃさ、苦難の日々の不屈さ、ソーントンとのおだやかな日々、成犬としてのりりしさ。実写版『ライオンキング』にも驚きましたが、リアルに表現される主人公バックは、喜怒哀楽、とても表情豊かです。『黒い司法 0%からの奇跡』アメリカ南部アラバマ、黒人死刑囚の冤罪を晴らそうと活躍する弁護士の物語。実話を元にした映画です。日本ならインデペンデント作品となるタイプの、とてもシリアスなテーマですが、マイケル・B・ジョーダン、ジェイミー・フォックスという人気の俳優が主演し、ワーナー・ブラザースが配給したメジャー映画。全米では12月のホリデーシーズンに公開された珠玉のエンタテインメント作品です。時代は1988年。ハーバート・ロースクールを卒業したエリート弁護士ブライアン(ジョーダン)は、あえて南部で、冤罪被害者を救済する活動に飛び込みます。最初に手がけたのが、死刑囚ウォルター(フォックス)の事件です。18歳の白人女性が殺害され、ウォルターの無実を立証する黒人の証人が多くいるにもかかわらず、白人男性の曖昧な証言だけで下された死刑判決。調べていくうちに、犯行を裏付けた証言は司法取引によりでっちあげられた偽証とわかります。まだ根強く残る人種差別意識、白人社会の反感のなか、無罪という正義を勝ち取ることができるか、可能性「0%からの奇跡」を描いています。『アラバマ物語』(1962年)という名作映画がありました。黒人青年の白人女性への暴行容疑をめぐる裁判劇。弁護にあたるグレゴリー・ペックは、アメリカの良心を体現したヒーローでした。この原作に描かれたのが、ほかならぬアラバマ州モンロービル。まさに『黒い司法』の舞台なのです。『アラバマ物語』の記念館があり、街の自慢なのですが。本質はなにも変わっていないという皮肉。この映画に登場する他の冤罪被害者の事件が解決したのは、つい最近という事実に慄然とします。だからこそ、今でも活動を続けるブライアン・スティーブンソン氏のこの映画が公開される意味は大きいのです。『PMC:ザ・バンカー』2024年、アメリカ大統領選挙当日、南北朝鮮の軍事境界線を越えて、北朝鮮のKINGが亡命をしてくるという荒唐無稽なポリティカルアクションです。さすが韓国映画。大胆、です。略語が多いので解説しながら紹介します。映画の中心になるのは、PMC(Private Military Company=民間軍事会社)の多国籍傭兵部隊です。CIAから依頼された彼らのミッションは、DMZ(DeMilitarized Zone=軍事境界線)の地下30メートルに作られたバンカー(シェルターのようなもの)で開かれる南北秘密会議の咳から北側の要人を誘拐すること。CIAの企みは、その要人が持つ情報で北の核武装を解除し、選挙で劣勢の現職大統領支持率を一気にあげ、勝利に導こうというもの。当初の計画では10分で片がつくはずでした。ところが、会談前にソウルに北からスカッドミサイルが打ち込まれ、しかもあろうことか、会場に現れたのは北側の最高指導者!ここからは、地下要塞での壮烈バトルです。地下のバンカーには南北双方のエリアが存在し、高級ホテル並のスイート・ルーム、いくつもの会議室、トンネルでセクターがつながっています。ここで、13人の傭兵隊と、中国に雇われた別のPMCが入り乱れての凄まじいサバイバルを繰り広げるというわけです。この臨場感がすごいんです。傭兵部隊の隊長は『神と共に』のハ・ジョンウ。多国籍部隊ですので、アメリカ、メキシコ、ラトビアなど、様々な人種のツワモノが登場します。ドラマの重要な役割をになう、KINGの主治医役で『パラサイト 半地下の家族』のイ・ソンギュンが出演しています。首都圏は、2/28(金)からシネマート新宿他で公開。中部は、2/28(金)から岐阜・大垣コロナシネマワールドで、愛知は近日公開。関西は、2/28(金)からシネマート心斎橋で公開。
2020年02月24日先ごろこの世を去った音楽家ミシェル・ルグランと、“ヌーヴェルバーグ”と呼ばれた映画作品、映画作家たちのコラボレーション作品を上映する特集「ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち」が開催されている。ルグランは、1932年生まれのフランス人。指揮者の父と楽譜出版社を経営する母の下で育った彼は、幼いころから作曲を学びはじめ、ナディア・ブーランジェに作曲法を学んだ。その後は帝王マイルス・デイヴィスらを迎えたアルバム『ルグラン・ジャズ』で人気を博し、1954年には映画音楽の世界にも進出した。今回上映される作品以外にも『華麗なる賭け』『おもいでの夏』『栄光のル・マン』などの映画で名曲を次々に発表。彼は繰り返し自作曲をピアノ・トリオやソロ、オーケストラを用いて演奏し続けてきたが、映画のために書かれた楽曲もレパートリーの中心になっていた。今回はそんなルグランが音楽を手がけた7作品を上映。アニエス・ヴァルダ監督が作詞も手がけた劇中歌が印象的な『5時から7時までのクレオ』、“登場人物が歌わないミュージカルコメディ”として創作されたジャン=リュック・ゴダールの『女は女である』、ルグランが書いた8小節のメロディが響く『女と男のいる舗道』が上映される。さらにルグラン最大の、そして最良のコラボレーターとして多くの名作を残したジャック・ドゥミの作品は4本上映される。名曲『Chanson de Lola』を生み出したドゥミ=ルグランのコンビ初作品『ローラ』をはじめ、ルグランの代表作とも呼ばれる『シェルブールの雨傘』、のちに繰り返し自身が演奏することになるスタンダード『マクサンスの歌(Chanson de Maxence/You Must Believe In Spring)』を含む名曲連発のミュージカル『ロシュフォールの恋人たち』、そしてルグランの流麗なメロディと愛らしい劇中歌が作品を彩る『ロバと王女』が上映される。この時期のルグランと映画作家たちのコラボレーションは、単に“映画をつくる人と劇伴を提供する人”の関係ではなく、アイデアをぶつけ合い、時に共作者の関係になったり、時に嫉妬や複雑な感情が入り混じった関係になったりしながら、創作が行われた。その結果、今回の上映作品も“全編にわたってルグランメロディが流れまくる”作品もあれば、“彼のメロディは一部にしか流れていないのに、その存在感を強烈に感じる”作品もある。今回の7作品はいずれも名作な上に、ルグランと映画作家たちの火花の散るような駆け引きを感じられる作品ばかり。大きなスクリーンと大音響で心ゆくまで堪能したい。■ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち・アニエス・ヴァルダ『5時から7時までのクレオ』・ジャン=リュック・ゴダール『女は女である』『女と男のいる舗道』・ジャック・ドゥミ『ローラ』『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』『ロバと王女』2月21日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次開催
2020年02月24日フレデリックが本日2月24日、横浜アリーナで「FREDERHYTHM ARENA 2020~終わらないMUSIC~」を開催する。キャッチーでユーモアあふれる楽曲が魅力のロックバンド、フレデリック。結成10周年イヤーだった昨年は2ndフルアルバム『フレデリズム2』のリリースに始まり、それを引っさげたコンセプチュアルなツアー「FREDERHYTHEM TOUR 2019-2020」を開催、さらに10月にはEP『VISION』も発表した。発売11年目となる彼らの動向にも目が離せない。「FREDERHYTHM ARENA 2020~終わらないMUSIC~」は、前述した「FREDERHYTHEM TOUR 2019-2020」の一環。SEASON1から4までテーマを立て、約1年越しで歩んできた、最終シーズンが本日となる。新木場STUDIO COAST公演、そして数百人規模のライブハウスをめぐるツアー、Zeppツアー。それを経た自身初の横浜アリーナのステージはどのようなものになるのだろうか。チケットはすでにソールドアウトになっているが、現場は熱気に包まれることだろう。きっと多彩なセットリストで千秋楽に華を添えてくれるはずだ。■公演情報「FREDERHYTHM ARENA 2020~終わらないMUSIC~」日時:2月24日(月・祝)開場17:00/開演18:00場所:横浜アリーナ
2020年02月24日観客の五感を総動員して、ダイナミックに人間を描く。外波山文明のもと、これぞアングラ芝居!と言うべき舞台作りで、時代を超えて観客を魅了する劇団・椿組の春公演『肩に隠るる小さき君は』が、2月26日(水)から3月3日(火)まで東京・下北沢のザ・スズナリで上演される。舞台背景は、2.26事件当時の日本。昭和11年、事件の前夜である2月25日。軍靴の響きが近づく中、日本が世界から孤立の色を深めるその夜に、ひとりの子が生を受ける。その生命を守るために、必死に生きる家族があった……。脚本を手がけるのは、文学座の女優でもある山谷典子。2011年に演劇ユニット・Ring-Bongを旗揚げし、加藤健一事務所公演やNHK-FMのラジオドラマを書くなど、劇作家としても注目を集めている。演出は、R-viveを主宰する藤井ごうが担当。文学座の高瀬久男に師事し、小劇場から新劇、ミュージカルまでを幅広く手がける演出家だ。夏には新宿の花園神社境内に据えられた野外テント公演で人気を博す椿組。そんな彼らが数々の伝説を残してきた下北沢の老舗小劇場に登場。劇場空間全体が、濃密な空気で満たされる。「観る」というより「体感する」観劇体験を味わいたい。文:小川志津子
2020年02月23日シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーという、ハリウッドのトップ女優3人が出演した話題作『スキャンダル』が公開中だ。本作は、近年取りざたされている“MeToo運動”の端緒となった、実際の出来事を映画化している。アメリカの保守系ニュース放送局「FOXニュース」をクビになった、ベテランのキャスター、グレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)が、TV業界の帝王ともいわれる、局のCEO、ロジャー・エイルズを、セクハラで告発したのだ。権力者によるセクハラ疑惑が広まったことで、世間は騒然となり、報道は加熱。しかし、エイルズはあらゆる手を使って、この“スキャンダル”を握り潰そうとする。じつはエイルズは、長年にわたって局の女性職員にセクハラを繰り返していた。現役トップキャスターのメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)、新米ニュースキャスターのケイラ(マーゴット・ロビー)も、その被害者。しかし、いまも局で働き、顔を世間に知られているキャスターがセクハラ被害を告発するのは、あまりにもリスクが高い。彼女たちは果たして、どういう選択肢を選ぶのだろうか……。先日のアカデミー賞では、日本出身のカズ・ヒロ氏率いるチームが、メイクアップ&ヘアスタイリング賞に輝いた。卓越した技術によって、主演のセロンの顔を、実際のメーガン・ケリーそっくりに仕上げたことなどが、驚きをもって評価されたのだ。セロンたちが演じた女性たちの戦いとともに、カズ・ヒロ氏の卓越した技術も、本作の大きな見どころとなっている。『スキャンダル』公開中
2020年02月23日2020年に活動20周年を迎える矢井田瞳が本日2月23日から2日間、大阪市中央公会堂で「“20th Anniversary" 矢井田瞳 Live Tour 『Keep Going』」を開催する。『My Sweet Darlin’』や『Look Back Again』などの代表曲で知られる矢井田瞳は今年、活動20周年。2月にリリースされたミニアルバム『Keep Going』が、この20周年イヤーの幕明けとなった。収録曲からも彼女が音楽性を更新し続けていることを感じる。「“20th Anniversary" 矢井田瞳 Live Tour 『Keep Going』」は新作のリリースにともない、東京、名古屋、大阪、福岡をめぐるツアー。追加公演も2日分が加えられるほどの人気をみせている。初日となった東京・EX THEATER ROPPONGIでのステージでは全20曲を熱唱。アコースティックなサウンドにこだわった新作の世界観をその場に再現したという。それを受けて本日のライブはどのようなものになるのだろうか。ぜひ20年目の矢井田瞳の歌声を現場で感じてほしい。■公演情報「“20th Anniversary" 矢井田瞳 Live Tour 『Keep Going』」大阪公演場所:大阪市中央公会堂2月23日(日)開場17:00/開演18:002月24日(月祝)開場17:00/開演18:00
2020年02月23日日本映画の商業監督育成プロジェクト「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2019」の製作実地研修により完成した短編映画3作品の上映が東京でスタートし、21日に監督たちによる舞台あいさつが行われた。本プロジェクトは、選抜された若手監督がプロのスタッフの指導を受けながらオリジナル脚本の開発を行い、35ミリフィルムで新作短編を制作。現在、多くの映画がデジタルで撮影される中、本ワークショップはフィルムでの撮影を通じて、現場での演出やスタッフとのやりとり、仕上げ作業のノウハウを丸ごと学ぶことができる貴重な企画といえる。2019年度は自主映画で注目を集める川崎僚監督の『あなたみたいに、なりたくない。』、広告映像やPVなどを手掛ける島田欣征監督の『Le Cerveau – セルヴォ -』、『あみこ』が第68回ベルリン映画祭に招待された山中瑶子監督の『魚座どうし』が上映された。舞台あいさつには3監督が登壇し、『あなたにみたい…』を手がけた川崎監督は「伊丹十三監督作品が大好きで、こんな世界があるんだということを映画で見せてくれるところがすごいと思います。この作品も“婚活”ってこういうものなんだと、情報映画としても、みなさんに伝えられればと思って作りました」と語り、『Le Cerveau…』の島田監督は「デヴィッド・リンチやクリストファー・ノーラン監督が好きで、今回手がけた作品もSFでサスペンスフルなものを作ろうと思いました。エンドロールであれってこういうことだよねと見終わった後に振り返って考えるような作品にしたかった」とコメント。『魚座どうし』の山中監督は「子供の映画を撮りたくて、キアロスタミ監督やショーン・ベイカー監督の作品を参考にしました。自分の人生が狂ったなと思ったのが小学校4年生の時で、そのころ何があったのかを書き出して、脚本にも反映しました」と振り返った。舞台あいさつは観客との質疑応答が行われるなど盛況。角川シネマ有楽町では27日(金)まで上映が続いており、連日、ゲストと監督のトークイベントも開催される。また、3月6日(金)から名古屋のミッドランドスクエア シネマで、3月13日(金)から大阪のシネ・リーブル梅田で上映される。ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2019『あなたみたいに、なりたくない。』『Le Cerveau – セルヴォ -』『魚座どうし』27日(木)まで角川シネマ有楽町で開催中
2020年02月22日ファッションデザイナー、森英恵(もりはなえ)が半世紀にわたり手がけてきたオートクチュールなどを紹介する展覧会『森英恵世界にはばたく蝶』が、2月 22日(土)〜5月6日(水)まで、水戸芸術館現代美術ギャラリーにて開催される。戦後の復興期にファッションデザイナーとして走り出し、東西の文化を融合させながら世界にはばたく力強い女性として活躍してきた森英恵。1951年にスタジオを設立し、日本映画全盛期に数多くの衣裳デザインを担当。1965年にはニューヨークで初の海外コレクションを発表し、1977年にはパリにメゾンをオープン。オートクチュール組合に属する唯一の東洋人として国際的な活動を展開した。同展では、そんな森英恵の多岐にわたる手仕事の作品を通し、激動の時代をしなやかに切り拓いてきたその足跡を紹介する。メインとなるのは多彩なオートクチュール作品。代表的なモチーフである「蝶」をあしらった作品をはじめ、「東洋と西洋の出会い」として世界で賞賛されてきたオートクチュールの中から、特徴的な技法や素材、テキスタイルなどに注目して厳選された作品を見ることができる。水戸芸術館現代美術ギャラリー()
2020年02月22日2011年にこの世を去った名優・原田芳雄の足跡をたどる「特集上映原田芳雄生誕80年」が渋谷のユーロスペースで開催される。原田芳雄は1940年東京都生まれ。俳優座の劇団員時代の1967年にテレビドラマでデビューし、翌年に石原慎太郎が原作・脚本を担当した『復讐の歌が聞こえる』で映画デビュー。今回の特集でも上映される1970年の『反逆のメロディー』で人気を博し、以後は藤田敏八、若松孝二、鈴木清順、森崎東ら多くの監督の作品に出演し、圧倒的な存在感と観る者をくぎ付けにする演技で多くのファンを獲得した。活躍の場は映画だけでなく、ドラマや音楽など多岐に渡っており、バラエティ番組で趣味の鉄道について熱く語る姿も見られた。精悍でワイルドなルックス、鋭い眼光、豪快に見えて細部までこだわり抜かれた演技は大きなスクリーンで堪能できるスケールの大きなもの。残念ながら2011年に病でこの世を去ったが、彼が遺した作品はいまも多くの映画ファンを魅了し続けている。今回の特集は、原田芳雄の夫人にして彼が設立した俳優事務所の社長でもある原田章代に、映画評論家の山根貞男が聞いた書籍『俳優 原田芳雄』の刊行を記念したもので、10作品を上映。1980年の名作『ツィゴイネルワイゼン』や、若松孝二監督の重厚なアクション『われに撃つ用意あり』、最後の映画出演作『大鹿村騒動記』などが上映される。また会期中にはゲストによるトークイベントも予定されており、22日(日)には阪本順治監督と妻夫木聡が登壇。以降も石橋蓮司、桃井かおり、勝村政信が登壇し、映画上映後にトークイベントを開催する。特集上映原田芳雄生誕80年『反逆のメロディー』(監督:沢田幸弘)『無宿人御子神の丈吉牙は引き裂いた』(監督:池広一夫)『赤い鳥逃げた?』(監督:藤田敏八)『ツィゴイネルワイゼン』(監督:鈴木清順)『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』(監督:森崎東)『出張』(監督:沖島勲)『浪人街』(監督:黒木和雄)『われに撃つ用意あり』(監督:若松孝二)『大鹿村騒動記』(監督:阪本順治)『火の魚バリアフリー劇場版』(監督:黒崎博)2月22日(土)から28日(土)まで渋谷・ユーロスペースで開催
2020年02月22日昨年開催れ、好評を博した大型鉄道イベント「うめきた鉄道フェスタ2020」が今年も22日(土)と23日(日)の2日間、グランフロント大阪で開催される。今年も会場には巨大なジオラマや、グッズ販売コーナー、鉄道グッズがあたるガチャ、運転士の気分が味わえる「鉄道運転シミュレーター」が登場。一部の店舗では鉄道限定メニューも用意されており、おにぎりとチーズ、人気のミートボールなどで鉄道をイメージした“電車カレープレート”、イベントのロゴが浮かぶ“鉄道フェスタ2020ラテアート”などが味わえる。うめきた鉄道フェスタ2020 in グランフロント大阪2月22日(土)、23日(日・祝)10時から18時までグランフロント大阪 北館1Fナレッジプラザ・北館5Fほか入場無料(一部有料コンテンツ有り)
2020年02月22日Aimerが本日2月22日から2日間、東京国際フォーラム ホールAで「Aimer Hall Tour 19/20 “rouge de bleu”」の千秋楽公演を行う。Aimerは、昨年4月『Sun Dance & Penny Rain』というコンセプトアルバムを発表し、10月からは全国ツアーを展開。今年は自身の楽曲『春はゆく』が3月28日公開の映画『「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」III.spring song』の主題歌に抜擢されたことも話題となった。「Aimer Hall Tour 19/20 “rouge de bleu”」は昨年から巡っていた、全国17ヶ所にて全24公演の全国ツアー。今夜からの公演はこの千秋楽となる。各場所でのライブを経て、ファイナル公演はどのような想いで、どのような演奏を聴かせてくれるのだろうか。今夜のパフォーマンスは見逃せないものになるはずだ。■公演情報「Aimer Hall Tour 19/20 “rouge de bleu”」場所:東京国際フォーラム ホールA日時:2月22日(土)開場16:00/開演17:002月23日(日)開場15:00/開演16:00
2020年02月22日オスカー作品賞の勢いが止まらない『パラサイト 半地下の家族』が、北米でIMAX上映されることになった。今週金曜日から1週間のみの限定上映。アメリカでは200スクリーン、カナダでは14スクリーンで上映される。IMAX仕様に合わせるよう、デジタル再マスターされたバージョンだ。『パラサイト』の北米公開は昨年11月。現在までに4,500万ドルを売り上げている。すでにDVDもリリースされているが、オスカー効果を受けて興行成績はさらにアップ。先週末のボックスオフィスランキングでは7位だった。文=猿渡由紀『パラサイト 半地下の家族』全国公開中
2020年02月21日4月に公開になるディズニーの最新作『ムーラン』の最新予告編映像が公開になった。本作の主人公ムーランは、家族を守るために自身の正体を隠して戦いに身を投じる女性で、自分の生き方を貫こうと、つまり“自分が最も大事にしたいものを守るため”に戦う。このほど公開になった予告編で描かれる物語の舞台では、戦に備えて一家からひとりずつ兵士を募っている。ムーランの家では父が戦に出ると言い張るが、老いた父は戦える状態ではないようだ。そこでムーランは正体を隠して自分は“息子”だと名乗って戦におもむく。彼女は華麗な剣さばきで能力を開花させていくが、敵の勢力は“魔女”を味方につけているという。ムーランは自身の愛する者を守り切れるのか?彼女はこの戦いで何に気づき、どのように成長するのか?映像には壮大なスケールのアクションと主人公の葛藤や切実な想いがダイナミックなタッチで描き出される。主演に抜擢されたリウ・イーフェイはムーランを凛々しく演じ、アジアを代表する名女優コン・リーが魔女に扮してムーランの前に立ちはだかる。ほかにも名優にして大スターのドニー・イェンも登場。ドラマ、アクション、ファンタジックな描写が絶妙なバランスで描かれる。これまで多くのディズニー作品で、主人公たちが“自分の生き方、自分の進むべき道”を探して冒険したり、戦ったり、悩んできた。『アナと雪の女王』のエルサも、『美女と野獣』のベルも物語を通じて“自分のやりたいことをやる”だけでなく“自分が大切なもののために献身的になる”ことを学ぶ。守りたいものがある主人公は強い。本作の主人公ムーランは過酷な戦いの最後に何を見つけるのだろうか? ただの剣豪ではない、単なる強いヒロインではない、“守るべきもののために戦う主人公”がどのように描かれるのか期待したい。『ムーラン』4月17日(金)より 全国公開
2020年02月21日開館65周年を記念した神奈川県立音楽堂の室内オペラ・プロジェクト公演、ヘンデルのオペラ『シッラ』が開催される。全く耳慣れないこのタイトルにもかかわらず、おそらく多くのオペラファンが興味津々である理由は、このオペラを手掛ける団体が、ファビオ・ビオンディとエウローパ・ガランテだからではないだろうか。“世界最高峰のバロック・バンド”とでも言うべき彼らの演奏は鮮烈の極み。過去に体験した圧倒的な名演奏を思えば、今回の公演への期待感も当然。どんな刺激を与えてくれるのか楽しみでならない。一方、『シッラ』とは一体どんな作品なのかといえば「ヘンデルの美しい音楽がぎっしりつまったオペラ」という言葉がピッタリの誰にでも楽しめる作品だ。日本初演となる今回の公演によって、バロック・オペラの新た魅力に出会えることを期待したい。●公演概要2月29日(土)、3月1日(日)神奈川県立音楽堂ヘンデル『シッラ』全3幕ファビオ・ビオンディ指揮エウローパ・ガランテ●ファビオ・ビオンディFabio Biondi(音楽監督:指揮・ヴァイオリン)イタリア、パレルモ出身。1990年、イタリア・バロック音楽アンサンブル「エウローパ・ガランテ」を結成。ソリスト、指揮者としても数多くのオーケストラと共演。ノルウェー・スタヴァンゲル交響楽団のバロック音楽のための芸術監督。サンタ・チェチーリア音楽院学芸員。バレンシアのパラ・ド・ラ・アルテオーケストラ音楽監督。2015年、フランス文化省から芸術と文学の国家学術員に指名されるなど、世界の古楽界を牽引し続けている。●エウローパ・ガランテEuropa Glante(管弦楽)1990年、音楽監督であるファビオ・ビオンディによって設立された古楽アンサンブル。パルマのドゥーエ劇場を活動拠点として、バロック、古典の作品を当時の楽器で演奏しイタリア国内のみならず世界中に招かれている。バロックの器楽曲のほか、ヴィヴァルディ作曲『バヤゼット』『テルモドンテ川のエルコレ(ヘラクレス)』『メッセニアの神託』ほか、ヘンデル作曲『アグリッピーナ』『イメネオ』等、バロック・オペラやオラトリオもレパートリーとしている。ローマのサンタ・チェチーリア音楽院とは共同で、アントニオ・カルダーラ『キリストの受難』、レオナルド・レーオ『カルヴァリオの丘の聖エレナ』等、18世紀以前のイタリア・オペラの再発掘や復元に尽力し、CDのリリース、受賞歴も多い。
2020年02月21日7月3日、8月7日より2作連続で全国ロードショーされる映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』の特報映像が公開された。2012年8月25日公開の『るろうに剣心』に始まり、2作の続編が公開され、シリーズ累計の興行収入は125億円以上、観客動員数は980万人を突破している『るろうに剣心』シリーズ。かつては“人斬り抜刀斎”と恐れられたが、新時代の幕開けと共に斬れない刀=逆刃刀(さかばとう)を持ち、るろうの旅を続けていた緋村剣心。そんな時、「人を活かす剣」を唱える神谷道場の師範代・神谷薫や相楽左之助と出会い、穏やかな生活を送り始める。緋村剣心役の佐藤健をはじめ、神谷薫役の武井咲、喧嘩屋の相楽左之助役の青木崇高、女医の高荷恵役の蒼井優、唯一シリーズ全作出演となる斎藤一役の江口洋介といったおなじみのキャストが続投するほか、最終章2作品に大きく関わる、剣心の“十字傷の謎”を知る男で、上海マフィアの頭目であるシリーズ史上最恐の敵・縁(えにし)役で新田真剣佑が出演する。このたび公開された特報映像では、冒頭から剣心のド派手なアクションシーンが繰り広げられていく。神谷薫、相楽左之助、高荷恵、明神弥彦らおなじみの仲間たちが登場すると、剣心の前に現れた“十字傷の謎”を知る男・縁も登場。「すべては拙者への復讐が目的でござる」という剣心の言葉とともに、剣心と縁が激しくぶつかり合う様が映し出されている。2014年の前作(京都大火編/伝説の最期編)の公開から6年が経ったが、製作陣は「剣心にとって最も大事なエピソード。最終章を撮らないと、るろうに剣心が終わらない」と語り、「作るなら一番良いものを届けたい」と前作超えを誓って挑んだという。なお本作は、2019年6月まで約7カ月以上に渡り、京都・奈良・滋賀・三重・兵庫・熊本・広島・栃木・埼玉・静岡など全国43カ所という大規模ロケを敢行し撮影されている。『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』『るろうに剣心 最終章 The Final』7月3日(金)全国公開『るろうに剣心 最終章 The Beginning』8月7日(金)全国公開
2020年02月21日社会現象をも巻き起こしたあの大ヒット作『スマホを落としただけなのに』待望のシリーズ第2弾、『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』が本日より公開。千葉雄大演じる“過去にトラウマを持つ”刑事と凶悪犯の対決が見どころの作品だ。前作は、2018年11月に公開され、興行収入19.6億円を超える大ヒットを記録。主演に北川景子、共演に千葉雄大、成田凌、田中圭ら最旬キャストを迎え、恋人が落としたスマホをきっかけに、やがて命を狙われることになるヒロインの恐怖と隠された過去が暴かれるという幾重にも謎が重なったミステリーだった。多くの方が一度は経験したことがあるであろう、“スマホを落とす”という行為がきっかけなだけに、“誰にでも起こりうる身近にある恐怖”として、“スマホ世代”を中心に共感を集めたのだ。そんな作品の続編である今作は、前作に登場した千葉演じるトラウマを抱えた刑事・加賀谷が解決したはずの連続殺人事件から数カ月後、同じ現場から新たな死体が発見されるというショッキングな内容から物語は始まる。真相を探るため、加賀谷は彼が逮捕した獄中の連続殺人鬼・浦野(成田凌)と再び対面することになる。浦野によって明かされる新たなネット上の闇の存在。そこにはネタバレ厳禁な驚愕の事実が隠されている……。今作で主役となるのは千葉。彼の演じる加賀谷の“個人の問題”は、前作では解決されておらず、それが本作ではクローズアップされることになる。千葉の主役として作品を率いる力、俳優としての引き出しの数に驚かされることは間違いない。そして、獄中の“連続殺人鬼”・浦野を演じるのは、前作での怪演が話題を呼んだ成田だ。出演作が次々と公開され、初主演作『カツベン!』の好演も記憶に新しい成田。前作に引き続き今作でも、彼のさらなる進化を垣間見ることができるだろう。ヒロインには、所属するアイドルグループ・乃木坂46の卒業も決定している白石麻衣。本作では、恐怖にさらされる“ごく普通”の女性を、繊細かつ大胆に演じ上げている。今後、俳優活動を活発化させるのかは不明だが、その布石としては十分な仕事をしているといえるだろう。そして脇を固めるのは、鈴木拡樹、音尾琢真、田中哲司、江口のりこ、奈緒、今田美桜、原田泰造、井浦新ら豪華な面々。さらには、北川景子&田中圭コンビも特別出演している。メガホンを取るのは、前作に引き続き、名匠・中田秀夫。些細なことで日常が崩れていくネット社会の恐怖に加え、続編以上のスケールの大きさで描かれる警察組織を巻き込んだサイバー犯罪を、名匠に相応しい恐怖演出で仕上げている。ネタバレ厳禁なだけあって、これ以上本作に踏み込むことははばかられる……。この文章を書くにあたってネットを開いているいま、ひょっとして私も狙われているのでは……?思わずそんなことすら考えてしまう、“誰にでも起こりうる身近にある恐怖”を、ぜひ劇場で目撃して欲しい。『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』本日より公開
2020年02月21日5月の大型連休の風物詩としてすっかり定着した感のある「ラ・フォル・ジュルネTOKYO」の概要発表が行われた(2月18日:東京国際フォーラム)。15周年を迎える今年のテーマは「ベートーヴェン」。2005年の日本初上陸の際のテーマ「ベートーヴェンと仲間たち」に続く、2度めの“楽聖”登場だ。会場には、音楽祭の創設者でアーティスティック・ディレクター、ルネ・マルタンの他、今年の“アンバサダー”ふかわりょうが登壇し、音楽祭の趣旨や注目ポイント、はたまた音楽祭への熱い思いなどが語られた。同じ「ベートーヴェン」をテーマに1月末に開催された本国フランス・ナントでは、97%という驚異的なチケット販売率を記録。“ベートーヴェン生誕250年”というメモリアルイヤーに対する万国共通の想いが感じられる。日本人にとっては、学校の音楽室に飾られた肖像画や年末の「第九」などによって、最も身近に感じる作曲家ベートーヴェン。その魅力のすべてを体験できるチャンス到来!
2020年02月21日乃木坂46が本日2月21日、ナゴヤドーム「乃木坂46 8th YEAR BIRTHDAY LIVE ~DAY1~」を開催する。昨年末には中国ファン向け会員サイトをオープンさせ、国内だけでなく国外でも人気を拡大させている乃木坂46。今年1月の台湾公演成功も記憶に新しい。さらに3月には中心メンバーの白石麻衣の卒業作となる、25thシングルの発売も決定している。本日から開催される「乃木坂46 8th YEAR BIRTHDAY LIVE」は、乃木坂46のデビューを記念した4デイズ公演。昨年は大阪・京セラドームを舞台に「全177曲の楽曲披露」をコンセプトに行われ、4日間トータル20万人を動員した。昨年の4日目に開催された「西野七瀬~卒業コンサート~」は、全国218ヶ所の映画館に中継され、全国で10万人を動員した伝説のライヴとなった。今年も4日目の公演が全国各地の映画館でライブビューイングされることが決定しており、期待が高まる。全メンバーが揃うステージ、圧巻のパフォーマンスになることは間違いない。特に本日は初演というだけあり、ほどよい緊張感のメンバーたちを観ることができるはずだ。■公演情報「乃木坂46 8th YEAR BIRTHDAY LIVE ~DAY1~」日時:2月21日(金)開場15:00/開演17:30/終演予定 21:00場所:ナゴヤドーム
2020年02月21日EXILEが本日2月21日、京セラドーム大阪で「EXILE PERFECT LIVE 2001▶2020」を開催する。昨年「RAISE THE FLAG」をテーマに活動してきたEXILEは来年、活動20周年を迎える。2020年は6年ごとに開催される、LDHのエンタテインメントの祭典「LDH PERFECT YEAR」の年ということもあり、ますますの躍進を遂げる1年となるだろう。通算3度目となる「LDH PERFECT YEAR 2020」。今回は開幕の炎を燃やす「IGNITION」、あふれる想像力が創造する「IMAGINATION」、無限の可能性を追求し続ける「INFINITY」、既成概念も国境も全てを超越し新しい時代を切り開く「BEYOND THE BORDER」の4シーズンで構成されている。LDH全体で様々なパフォーマンスが予定され、総動員数は300万人の見込み。その幕開けとなった公演が1月に福岡での「EXILE PERFECT LIVE 2001→2020」の初演だった。このツアーはデビュー曲『Your eyes only 〜曖昧なぼくの輪郭〜』から、最新シングル『愛のために~for love, for a child~』までのシングル曲を中心に構成される、全国3都市10公演のドームツアーである。京セラドーム大阪の4デイズが今日から始まる。その熱狂をぜひ体感してほしい。■公演情報『EXILE PERFECT LIVE 2001▶2020』場所:大阪・京セラドーム大阪2月21日(金)開場17:00/開演19:002月22日(土)開場15:00/開演17:002月25日(火)開場17:00/開演19:002月26日(水)開場17:00/開演19:00
2020年02月21日『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』『ブラック・ウィドウ』など出演作が続く注目の女優フローレンス・ピューが主演を務める衝撃作『ミッドサマー』が本日から公開になる。本作はすでに公開された国と地域で大きな反響があり、衝撃的なのにラストは爽快感、恋人と一緒に観ると別れるかも、アッと驚く展開の連続……など様々な感想があがっている。本作でピューが演じたダニーは、恋人のクリスチャンとの関係がうまくいっていない精神的に少し不安定な女性。彼女は恋人やその友人たちとスウェーデンの田舎の村ホルガを訪れる。花が咲き乱れ、穏やかな笑顔をたたえた人たちが暮らす村で彼女たちは“90年に1度の祝祭”に参加するが、次第に村のもうひとつの顔があらわになっていく。人里離れた村で主人公たちが壮絶な体験をする……と聞くと定番ホラーや民間伝承ものを思い浮かべるが、本作はそんな予想をことごとく裏切りながら進んでいく。舞台は夏至の祭りの最中で、太陽は沈むことなく、主人公ダニーのいる場所はつねに明るくて美しい。彼女は身の危険を感じることなく、祝祭を楽しんでいるはずなのに、観客は少しずつ違和感を感じ、矛盾を感じ、明るい場所で気持ち的に追い詰められていく。この圧倒的に奇妙で考え抜かれた映画を創作したのは、『ヘレディタリー/継承』で注目を集めた新鋭アリ・アスター。彼はホルガの造形やそこで行われた祝祭を入念な調査を下敷きにしながらゼロから生み出し、そこに自身の失恋の経験やそこでおぼえた感情を脚本に盛り込んだ。本作はホラー映画ではないため、わかりやすい恐怖描写はないが、観客は終始、居心地が悪いような、矛盾した感情を味わうことになる。アスター監督は「この祝祭が入り組んだ複雑なものを描いていると受け止めてほしいし、ひとつひとつはシンプルなんだけど、どこかで矛盾した感情が観客の中に喚起されるといいなと思って創作した」と説明する。監督の想いは衝撃的な結末にも貫かれている。その結末に“爽快感”を感じる人もいるだろう。しかし、カタルシスでは済まない気持ちを抱く人もいるはずだ。結末を目撃するだけでは終わらない。上映が終わって明るい場所に出ても、そのモヤモヤがまだまだ続くとしたら……すでに公開されたエリア同様、日本でも『ミッドサマー』をめぐる感想戦や議論が巻き起こりそうだ。『ミッドサマー』2月21日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
2020年02月21日本年で42回を数える映画祭「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」の開催日が決定した。日程は、9月12日(土)から26日(土)。月曜休館を挟んで13日間、東京・京橋の「国立映画アーカイブ」で開催される。ぴあフィルムフェスティバルのメインプログラムは、1977年の始まりから続く自主映画のコンペティション「PFFアワード」。新人映画監督の登竜門として、これまでに140名を超えるプロの映画監督を輩出してきた。現在「PFFアワード2020」は作品を募集中。締め切りは3月24日(火)となっている。入選作品は、第42回ぴあフィルムフェスティバルでお披露目上映される予定だ。昨年は、「PFFアワード」入選をきっかけに注目を集め劇場公開された『沈没家族』(加納土監督)、『オーファンズ・ブルース』(工藤梨穂監督)、『ある日本の絵描き少年』(川尻将由監督)が全国の劇場で上映された。また、『ある日本の絵描き少年』は、先日の第74回毎日映画コンクールで、アニメーション映画賞「大藤信郎賞」を受賞。「PFFアワード」入選監督である、タナダユキ監督『ロマンスドール』、諏訪敦彦監督『風の電話』、成島 出監督『グッドバイ嘘からはじまる人生喜劇』が現在公開中。また、本年の公開予定作には、手塚眞監督『ばるぼら』、岨手由貴子監督『あのこは貴族』、石井裕也監督『生きちゃった』などがある。◎映画祭「第42回ぴあフィルムフェスティバル」開催概要【会期】2020年9月12日(土)から26日(土)まで※月曜休館【会場】国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋3-7-6)【公式サイト】 ◎コンペティション部門「PFFアワード2020」作品募集概要【募集期間】2020年2月3日(月)~3月24日(火)応募される作品の長さ(短編・中編・長編)、ジャンル(ドラマ、CG、アニメーション、ドキュメンタリーetc)や、応募者の年齢、性別、国籍などの制限は一切ありません。1年以内に完成した自主映画であれば、どんな作品でもご応募いただけます。【作品募集ページ】
2020年02月20日ジェニファー・ローレンスが『Don’t Look Up』に主演することになった。『バイス』『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のアダム・マッケイが監督するコメディ映画で、脚本もマッケイが書き下ろしている。主人公はふたりの科学者。半年後に隕石が地球にぶつかることを発見したふたりは、世界中にそれを伝えようとするが、誰も信じてくれないというストーリーらしい。製作はNetflix。マッケイはパラマウント・ピクチャーズと契約を結んでいることから、最初にパラマウントに持ち込んだが、7,500万ドルという予算が高すぎると断られたようだ。年内のリリースを目指し、撮影は4月ごろ開始される。ローレンスの最近作は、昨年6月公開の『X-MEN:ダーク・フェニックス』。文=猿渡由紀
2020年02月20日日本を代表するオーケストラ「新日本フィル」の第29回定期演奏会のテーマが興味深い。「ウィーン古典派からロマン派へ約30年の音楽旅」と題された公演には、モーツァルトの「交響曲第40番」を筆頭に、ベートーヴェンの「ロマンス」とシューベルトの「交響曲第5番」がプログラミングされ、まさに、1788年からの30年の間にウィーンを駆け抜けた3人の天才音楽家たちの美しい軌跡が楽しめる。クラシックの歴史を紐解いてみれば、この時代のこの瞬間こそが、古典派から初期ロマン派へと移行する極めて重要な時期に当たることが認識できる。3つの作品はもちろんウィーンで作曲または発表されたこともキーポイントだ。オペラ指揮者として評価の高いマエストロ、エヴェリーノ・ピドの指揮に、ソリストは周防亮介(ヴァイオリン)という魅力的な顔合わせにも注目したい。周防亮介 (c)TAKUMI JUN●公演概要2月28日(金)、29日(土)すみだトリフォニーホール 大ホール「新日本フィルハーモニー交響楽団#29ルビー」
2020年02月20日よみうりランドに隣接した日本庭園に3月14日(土)、新施設“HANA・BIYORI”がオープンする。1年中、花と四季のうつろいを楽しめる新しいスタイルのエンターテインメント型植物園になるという。本施設は、フラワーシャンデリア(吊り花)や、長さが20メートル、高さが2メートルを超す壁面花壇、360度に広がる花を楽しめる“HANA・BIYORI館”と、屋外エリアの“四季の庭”と“セコイアの庭”などからなる施設。四季の庭には季節ごとの花が15000本植えられており、春には満開の桜を楽しめる。また、植物園とプロジェクションマッピングを融合した新しいショーやコツメカワウソの展示スペース、貴重な文化財が集まる日本庭園、花と植物のワークショップ、オリジナルグッズが買える店舗やカフェなどもあり、東京の新たな定番スポットになりそうだ。HANA・BIYORI3月14日(土)10時オープン営業時間 9:30~17:30(時期により変動)料金大人(高校生以上) 1200円小人(3歳以上~小学生)600円住所東京都稲城市矢野口4015-1(よみうりランド遊園地隣接)
2020年02月20日2月22日(土)から、新国立劇場バレエ団がケネス・マクミラン振付による物語バレエの傑作、『マノン』を8年ぶりに上演する。アベ・プレヴォーが18世紀に書いた小説『マノン・レスコー』を原作に、マクミラン率いる英国ロイヤル・バレエ団が1974年に初演した作品。オペラや映画、絵画の題材としてたびたび取り上げられてきた“運命の女”マノンの壮絶な物語を、マスネの音楽と見事に融合した、マクミランの独創的な振付がドラマティックに描き出す。パリ近郊の宿屋で出会って恋に落ち、駆け落ちをした美しい少女マノンと若い神学生のデ・グリュー。しばし共に暮らすふたりだったが、デ・グリューの留守中に富豪のムッシューGMとマノンの兄レスコーが現れ、大金を餌にマノンを説得、彼女を愛人として連れ去ってしまう。ムッシューGMのパーティーで再会し、逃げ出すマノンとデ・グリュー。だがムッシューGMに見つかったマノンは、売春婦としてアメリカに送られてしまう……。マノンとデ・グリューを演じるのは、米沢唯&ワディム・ムンタギロフ(22、23日)、小野絢子&福岡雄大(26日、1日)、米沢唯&井澤駿(29日)の3組。主役ふたりによる“寝室のパ・ド・ドゥ”や“沼地のパ・ド・ドゥ”は、ガラ公演で踊られる機会も多いバレエ史上屈指の名シーンだが、物語バレエのパ・ド・ドゥはやはり全幕で観てこそ。この機会に、愛と破滅の物語にどっぷりと浸かりたい。文:町田麻子
2020年02月20日三菱一号館美術館では『開館10周年記念画家が見たこども展ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン』が、6月7日(日)まで開催されている。19世紀末にパリで起こった芸術運動のグループ、ナビ派。親密さや素朴さを追求したナビ派の画家たちにとって、「子ども」は最も身近でいて深遠な芸術のインスピレーションの源になった。同展では、そんなナビ派の画家を中心に、画家たちが見た「子ども」の姿を、油彩・版画・素描・挿絵本・写真など約100点を通して展覧することができる。ナビ派の中でもボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットンに焦点を当て、フランス、ル・カネにあるボナール美術館全面協力のもと、三菱一号館美術館をはじめ国内外の美術館が所蔵する作品を展示。加えて、日本では滅多に見ることのできない欧米の個人コレクター所蔵品も並ぶ。展覧会は、プロローグ「子どもの誕生」から始まり、「路上の光景、散策する人々」「都市の公園と家庭の庭」「家族の情景」「挿画と物語、写真」、そしてエピローグ「永遠の子ども時代」の全6章で構成。プロローグ「子どもの誕生」では、ポール・ゴーガンやフィンセント・ファン・ゴッホらの作品を紹介。19世紀以前まで重要視されていなかった「子ども」を画題としてとりあげ、力強い色彩や単純化された素朴な表現で描き出した作品は、その後に続くナビ派の画家たちに大きな影響を与えた。三菱一号館美術館()
2020年02月20日第12回『日本ブルーレイ大賞』(デジタル・エンターテイメント・グループ・ジャパン主催)の授賞式が本日2月19日、都内で行われ、グランプリに『ボヘミアン・ラプソディ』(発売元/販売元:20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン株式会社)、準グランプリに『ライオン・キング』(発売元/販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社)、『ゲーム・オブ・スローンズ 最終章』(発売元:ワーナー ブラザース ジャパン合同会社)が選ばれた。高画質や高音質といったブルーレイディスクの特長を活かした作品を審査する“クオリティ部門”と、売上や話題性など2019年に注目されたブルーレイソフトを総合的に審査する“カテゴリー部門”に分けて審査を行い、両部門の受賞作品から、その年を代表するグランプリ、準グランプリ作品を決定し、表彰する。『ボヘミアン・ラプソディ』がグランプリに輝いた20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン株式会社の井上氏は「何より映画を見てくださった、たくさんのファンに御礼を申し上げます。ファンの皆さんの熱い思いが拡大した結果、まさに社会現象といわれる大ヒットになった」と受賞に感謝を示し、感無量の面持ち。AV評論家で日本ブルーレイ大賞審査委員長を務める麻倉怜士氏も「クオリティはもちろん、社会性があった。劇場に足を運んだ人が、ブルーレイも購入するという、まさにブルーレイが目指していた世界がついに来た。圧倒的なナンバーワン。絶対にこれですよね。これ以外考えられない」と賛辞を惜しまなかった。授賞式には、日本ブルーレイ大賞アンバサダーを務める堀田真由が駆けつけ、自身が選んだ“アンバサダー特別賞”として、レディー・ガガが主演を務め、第91回アカデミー賞で作品賞を含む8部門にノミネートされた『アリー/スター誕生 4K ULTRA HD & ブルーレイセット』の受賞を発表。「誰もがうらやむシンデレラ・ストーリーですが、同時に夢と愛を追いかける葛藤と苦悩も描かれていて、女優をやっている自分に重ねる部分もあり、ラストは涙しました。4Kで見ると、映像の色合いや音が鮮明で何度も見返したくなる作品」と同作の魅力を語っていた。■各賞・グランプリ:『ボヘミアン・ラプソディ』【評価ポイント】本作の市場性は文句なしに抜群。社会現象にもなった劇場でのヒットの影響が、パッケージメディアにも及んだのは特筆すべきことであり、劇場で観た感動を家でも体験するという流れを作ることに貢献した。クオリティの面においても画質的な良さ、特にHDRが良く効いており、色表現によって編年体の物語が語られる制作意図が鮮やか。音も臨場感豊かだった(Ultra HDブルーレイはDolby Atmos)。本編では観られない「ライブ・エイド」のフルのパフォーマンスを楽しめる点も評価したい。クイーンを知らない世代をもファンにさせてしまった意味でも、クオリティ、市場性含めまさにグランプリにふさわしい作品である(麻倉怜士氏)・準グランプリ:『ライオン・キング』『ゲーム・オブ・スローンズ 最終章』・審査員特別賞:『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス 完全数量限定LPジャケット版Blu-ray & DVD2枚組』・アンバサダー(堀田真由)特別賞:『アリー/スター誕生 4K ULTRA HD & ブルーレイセット』■クオリティ部門・高画質賞(ブルーレイ):『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生エクステンデッド版ブルーレイセット』・高画質賞(Ultra HDブルーレイ):『ライオン・キング 4K UHD MovieNEX』・高音質賞:『アリー/スター誕生』■カテゴリー部門・映画賞(洋画):『ボヘミアン・ラプソディ』・映画賞(邦画):『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』・TVドラマ賞:『ゲーム・オブ・スローンズ 最終章』・アニメ賞(洋画):『スパイダーマン:スパイダーバース』・アニメ賞(邦画):劇場版『鬼滅の刃1』・音楽賞:『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018』・ノンジャンル賞:『4K夜景2 TOKYO HDR NIGHT』取材・文・写真:内田 涼
2020年02月19日オスカーに6部門で候補入りした『スリー・ビルボード』から2年、マーティン・マクドナーが新たな映画を準備していることが明らかになった。タイトルは『The Banshees of Inisheer』で、出演は『In Bruges』でも組んだコリン・ファレルとブレンダン・グリーソン。舞台はアイルランドの小さな島。長年の友人だったふたりの関係が突然壊れ、思いもかけない展開になるという話らしい。世界配給は『スリー・ビルボード』も手がけたサーチライト・ピクチャーズ(旧・フォックス・サーチライト)が行う。撮影はこの夏スタートの予定。文=猿渡由紀
2020年02月19日『ヘレディタリー/継承』で圧倒的な評価を得たアリ・アスター監督の新作『ミッドサマー』が21日(金)から公開になる。本作はスウェーデンの奥地で90年に1度開催される祝祭を訪れたアメリカ人大学生が、壮絶な体験をする様を描いた作品だが「この映画はあくまでも(主人公の)ダニーの視点から見た話」であることがポイントだとアスター監督は語る。本作の主人公ダニーは、ある出来事がきっかけで家族を失い、天涯孤独の身になってしまう。恋人のクリスチャンとの関係はうまくいっておらず、孤独が日に日に増していくが、彼女はある日、クリスチャンと友人たちとスウェーデンの奥地にある村に旅行に出かけることに。ホルガと呼ばれるその村は花が咲き乱れる美しい場所で、人々も笑顔で穏やか。優しく村に迎え入れられた彼女たちは太陽が沈まない夏至の祝祭に招かれるが、周囲で少しずつ異変が起き始め、ダニーやクリスチャンらの人間関係にも変化が訪れる。本作はアスター監督の失恋の経験と、制作会社からの新作オファーが混ざりあって創作が始まった。主人公はいまにも恋愛関係を失いそうな状態にあり、孤独に押しつぶされそうになっているが、ホルガの祝祭に参加することで少しずつ満たされていく。「現代はどこにいても、いつでも誰とでもつながることができるけど、そのことが僕たちを貧しくしてるんじゃないか、と思うことがある」とアスター監督はいう。「だから、ダニーがホルガでロマンティックな想いをするとしたら、それはネットから切り離れた環境に置かれて、ネットのコミュニケーションから解放されたことで実現しているのかもしれません。この映画はダニーの孤独について描いた映画だと思うし、『ヘレディタリー/継承』の登場人物たちも、同じく全員が血でつながっていて、家族の中にいるにも関わらず、心のどこかで何らかの孤独や疎外感を感じているんです」そこでアスター監督はプロダクションデザイナーと入念に調査を行い、世界の様々な祝祭や慣習、神話などを組み合わせてホルガの祝祭をつくりだした。「この映画で描かれる祝祭は主にアメリカ社会について僕が感じていることを反映させています。ホルガは様々な要素が合体し、混ざり合っています。あの場所を一種の理想郷だと考えることもできるでしょうし“あんな風になれたらいいのに”と憧れる存在として捉えることもできます」しかし、太陽の光が降り注ぐホルガは良い面ばかりではない。人々に囲まれ、笑顔で迎え入れられたはずなのにダニーたちの関係は少しずつこじれ、孤独は大きくなっていく。「ダニー以外のアメリカ人たちはみな自己中心的でキャリア至上主義で、個人主義者で、お互いに対して忠誠心がまったくない相手を搾取しようとするキャラクターとして描かれていますが、それはこの映画がダニーの視点から描かれているからなんです。彼女の主観が観客の視点になるので、ダニーの求めているものをアメリカ人たちは何も与えてはくれないけど、ホルガの人たちは与えてくれると思えてしまう。だから映画を観てくれる人には“この映画はあくまでダニーの視点から見た話なんだ”ということを意識して観てもらいたいですし、映画を観ながら葛藤し、格闘してもらたいと思っています」監督が本作を客観的な視点ではなく、主人公の“主観”を通じて描いたのには理由がある。「僕が映画で描きたいのは、映画で描かれる外側の世界と、登場人物の内側の世界が完全にマッチすることなんです。例えば、別れを経験したとします。客観的に見たら、別れは別れに過ぎないわけだから、友達は“まぁ、よくあることだから立ち直れよ!”というかもしれません。でも別れた本人にとっては世界が終わる、自分が死んでしまう、終末が来てしまったかのような気持ちなわけです。もちろん時が経てば、そんな感情も乗り越えられるんだろうけど、僕はその人がまさにその瞬間に感じる“当事者の感情の大きさ”を映画で表現したいと思っています」自身の心が揺らぐとき、孤独を感じるとき、恋人が離れていってしまうとき、世界が壊れる、この世の終わりがやってくる。観客はダニーの内面を通じて夏至の祝祭に、すべてのおわりに立ち会うことになるのだ。「僕は映画で世界を作り上げることを愛していますが、それはセットやロケ地などを通じて物理的な世界を作り上げるだけではなく、キャラクターの感情、つまり“内なる風景”を作ることを含んでいます。だから、観客の方が『ミッドサマー』を通じて、ダニーの“内なる風景”を体験し、感じてくれたらうれしいですね」ちなみにすでに公開されている国や地域では本作のラストに“爽快感”を感じる観客が多かったようだ。しかし、アスター監督は語る。「爽快感を感じてもらった後に、“待てよ。本当にこれでいいのか?”と思ってもらえたら」。『ミッドサマー』は衝撃や爽快感や恐怖よりも強い、いつまでも“心に残り続ける感情”を観る者に宿す映画になっている。『ミッドサマー』2月21日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
2020年02月19日佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)と橋本環奈のダブル主演作である『小説の神様 君としか描けない物語』。この度、本作の本予告映像が公開された。2020年版“このミステリーがすごい!”、“本格ミステリ・ベスト10”、“2019ベストブック”の3冠を受賞し、本屋大賞にもノミネート、さらに第41回吉川英治文学新人賞の候補に選ばれている人気作家・相沢沙呼による感動小説『小説の神様』。こちらを原作とした本作では、男女ふたりの高校生小説家によるファンタスティックな青春ストーリーが展開する。公開された本予告は、「あなたが小説家だなんて信じられない!!」と、売れっ子高校生小説家の詩凪(橋本)が、同じ高校に通う売れない小説家・一也(佐藤)にビンタを食らわせる強烈なシーンからスタートする。自信を無くし、小説家としてのプライドを失った後ろ向きな一也に対して、“ドS”で強気な詩凪。そんな、まるで正反対の性格のふたりが編集者に課されたミッション……それは、“ふたりでベストセラー小説を生み出せ!”というもの。反発し合いながらも共作をきっかけに縮まるふたりの距離。自信を取り戻し始めた一也だが、大きな壁にぶつかってしまう。一方、売れっ子のはずの詩凪も、誰にも言えない秘密を抱えていた……。“好き”を諦めないからこそぶつかり、悩み、支え合うふたりが紡ぐ物語はどうなるのか。一也の心情の変化を映し出すようにモノクロだった世界がカラーに色づき始める演出や、星降る草原で向かい合うふたりなど、『HiGH&LOW』シリーズやMV500本以上を手がけてきた久保監督の才能が遺憾なく発揮された、ファンタスティックな映像の数々。本作の魅力が詰まった予告編となっている。また、本予告編でも使用されている主題歌には、E-girls解散発表後初、鷲尾伶菜のソロプロジェクト“伶”としての第1弾楽曲『Call Me Sick』を起用。ポップな曲調が作品を盛り上げている。『小説の神様 君としか描けない物語』5月22日(金)より全国公開
2020年02月19日