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UVERworldが12月19日から2日間、東京ドーム公演を開催する。2年4カ月ぶりの新作アルバム『UNSER』の売り上げが好調、主要チャートでも1位を獲得しているUVERworld。収録曲『ROB THE FRONTIER』のミュージックビデオは公開1カ月ほどで100万回再生に迫る勢いだ。本日からの東京ドーム公演は2デイズ開催。1日目は新作リリースツアーにともなう「UVERworld UNSER TOUR at TOKYO DOME」としてのステージ、そして2日目は男性限定ライブ「UVERworld KING’S PARADE 2019 男祭り FINAL」となる。UVERworldが東京ドームでライブを行うのは、2010年以来約9年ぶり。しかも2日間連続での開催は初のことで、両日で過去最大規模の9万人が動員される予定だという。すでに両公演ともチケットはソールドアウトを記録した。メンバーのTAKUYA∞は「UVERworld結成19年間の積み重ねてきたものを全てぶつけたいと思います。デビュー当時の曲や、これから出るニューアルバムの曲でセットリストを組んだ、現段階での最高のUVERworldを是非観に来て下さい」とこのライブについてコメントしている。彼らがきっと今日、明日と年末の東京ドームを熱くしてくれるに違いない。■公演情報「UVERworld UNSER TOUR at TOKYO DOME」日時:12月19日(木)開場16:00/開演18:30会場:東京ドーム「UVERworld KING’S PARADE 2019 男祭り FINAL」12月20日(金)開場16:00/開演18:30会場:東京ドーム※男性限定公演
2019年12月19日2008年のスタートから数えて12回目となる「大名古屋らくご祭2019」が、12月19日(木)から開催される。3会場5日間9公演と過去最大規模となる今回は、江戸・上方の大御所から若手まで総勢27名の噺家が登場。日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、中電ホール、御園座と雰囲気の異なる3つの空間で、至極の話芸を心ゆくまで味わいたい。プログラムは以下のとおり。12月19日(木)19:00「食うねるところ住むところ」出演:春風亭昇太、柳家喬太郎、三遊亭白鳥、林家彦いち会場:日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール※チケットは完売12月20日(金)14:30/18:30「師走らくご1」出演:林家木久扇、桂文枝、林家正蔵、柳家花緑、桃月庵白酒会場:日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール12月21日(土)13:00/17:00「土曜は爆笑競演会」13:00出演:桂雀々、立川生志、柳亭小痴楽、春風亭昇也、玉川太福(浪曲)17:00出演:桂雀々、立川生志、立川吉笑、桂宮治、玉川太福(浪曲)会場:中電ホール12月22日(日)13:30/17:30「師走らくご2」13:30出演:三遊亭好楽、桂文珍、柳亭市馬、林家たい平、三遊亭兼好※チケットは完売17:30出演:三遊亭好楽、桂文珍、柳亭市馬、林家たい平、三遊亭萬橘会場:御園座12月23日(月)13:30/17:30「令和元年年忘れ落語」出演:三遊亭小遊三、三遊亭円楽、桂米團治、立川志の輔、立川談春会場:御園座※チケットは完売
2019年12月19日ついにアメリカで行われたプレミアで初披露され、日本でも20日(金)から『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が公開になる。9つのエピソードで描かれた壮大なサーガはどんな物語で完結を迎えるのだろうか? 公開を楽しみに待っている人のために具体的な内容には可能な限り触れずに紹介する。本作は2017年冬に公開された『最後のジェダイ』に続く物語で、スカイウォーカー家の最後のエピソードだ。銀河の自由と平和を守るジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーの下で修行を積んだ女性レイと、ルークの父アナキン・スカイウォーカー=ダース・ベイダーを祖父にもつカイロ・レンはお互いに通じ合うものがありながら、悪の道を共に歩もうと手を差し伸べるカイロの誘いをレイは拒絶した。しかし、カイロが所属する悪の組織ファースト・オーダーの力は強大で、レイたちレジスタンスは窮地に陥っている。幼い頃に両親とはなればなれになり、両親に会いたい一心で数奇な冒険をすることになってしまったレイはこの先、どこへ向かうのか?これから映画が公開になるため、その内容は一切、明かせないが、本作は三部作の完結編であり、壮大なシリーズの最終章だけに過去で描かれた様々な設定やキャラクター、テーマが全編に渡って展開され、観客がアッと驚くサプライズが随所に仕掛けられている。レイを主人公にした三部作は彼女だけでなく、カイロ、ポー、フィンら主要なキャラクターがまだ成長途中で、それぞれに問題を抱えているが、最新作では主要なキャラクターの間で起こる”化学反応”が前2作以上に重要な要素として描かれる。レイ、フィン、ポーはいつしか仲間を超えた家族のような存在になり、共に助け合い、戦う中で確かな絆を築き上げていく。レイとカイロは対立し、一騎打ちを繰り広げる相手でありながら、カイロはレイを自分の世界に引き込むことを諦めていない。そしてレイは自分が何者なのかわからず、カイロを、そして何よりも自分自身に恐怖を感じている。彼らの関係は物語が進むにつれてこれまで以上にダイナミックに変化し、それぞれのキャラクターが相手との関係性の中で成長を遂げていく。そして、映画ではこれまで明かされてこなかったいくつかの謎がついに明らかになる。レイはどこからやってきたのか? カイロはどこへ向かうのか? レジスタンスはこのまま敗北するしかないのか?ポイントになっているのは、本シリーズが血でつながったスカイウォーカー家の物語を描きながら、同時に自身の血やファミリーツリーに抗うキャラクターを描いてきたことだ。思い返せば、一番最初に公開された『スター・ウォーズ』の主人公ルークは辺境の惑星で暮らす何も持たない青年だった。彼は育ての親を失い、数々の危機を乗り越えて帝国軍の要塞デス・スターを破壊することに成功する。しかし、物語が進むにつれて、彼にはフォースの強い家の血が流れていることが明らかになる。そして自分の父が銀河を恐怖で制圧するダース・ベイダーであることも。ルークの中にはベイダーの血が流れている。銀河を支配する皇帝はルークに父と共に悪の道に進めと誘う。しかし、ルークは先天的に与えられた素質よりも、自分が今なにをするべきかを自分で選択して、ジェダイの騎士で居続けることを選ぶ。かつてベイダーはアナキンと呼ばれ、強いフォースを発揮できそうな血が流れた有望な少年だった。しかし、彼は執着や恐怖を克服することができずに暗黒面に堕ちてしまった。スカイウォーカーの一族には同じ血が流れている。しかし父と息子は正反対の選択をした。そこにどんな血が流れていようとも、先天的にどんな素質が備わっていようとも、人は自分のした選択によって進むべき道を見出していく。先にも述べた通り、最終作ではレイの過去が明かにされる。多くのファンもそのことが気になっているはずだ。しかし、それよりも大事なのは、レイが何を選択するか? ではないだろうか。本作の脚本家チームはそのことを重視しており、様々な謎が解き明かされる中で、その真実に対してキャラクターがどのように振る舞うか? に物語のピークポイントを置いている。誰もが親から生まれた。人は生まれた時から何かを引き継いでいる。でも、それよりも大事なのは、自分が何を選ぶかで、もし自分がどこから来たのかわからなければ、自分の行動と選択によって作り出せばいいのではないか?三代に渡るスカイウォーカー家の物語は、血のつながりを描きながら、同時に先天的に備わった素質や、生まれた時から背負ってしまった宿命を乗り越えて、自分で自分の道を選びとっていこうとする想いの強さを描き出す。レイはすべてを知り、自分がどこからやってきたか知った後で、どのように振る舞うのだろうか? 前2作で積み上げられたあまりにも多い宿題を片付け、2時間22分で完結させようとする最終章は、展開的にかなりアクロバティックな部分や、散らかった状況の“片付け”に苦心していることが伺える部分もあるが、かつて辺境の地でふたつの太陽を見つめていたルークの中に宿っていた強い意思=自分で自分の道を切り拓きたい、という想いはしっかりと引き継がれている。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』12月20日(金)より公開
2019年12月18日オスカーの国際映画部門(旧・外国語映画部門)の選考、第一段階の結果が発表された。91カ国から提出された中、この段階で残ったのは10本。日本からの提出作品『天気の子』は、入らなかった。選出された10本は、『パラサイト 半地下の家族』(韓国)、『レ・ミゼラブル』(フランス)、『Atlantics』(セネガル)、『Pain and Glory』(スペイン)、『Beanpole』(ロシア)、『Corpus Christi』(ポーランド)、『Honeyland』(北マケドニア)、『Those Who Remained』(ハンガリー)、『Truth and Justice』(エストニア)、『The Painted Bird』(チェコ共和国)。文=猿渡由紀『パラサイト 半地下の家族』2020年1月10日(金)全国公開
2019年12月18日“世界最大級のクラシック音楽祭”「ラ・フォル・ジュルネ」。2020年1月末に予定される本国フランス・ナントでの音楽祭の概要が発表された。テーマは5月の東京開催同様「ベートーヴェン」ということで、「ラ・フォル・ジュルネ」ならではの切り口で、ベートーヴェン尽くしの音楽祭が楽しめそうだ。今回のポイントは以下の2点。・偉大なる楽聖ベートーヴェン本人の作品・同時代から現代にいたるまで、他の作曲家たちに与えた影響上記をベースに発表された概要は以下参照。東京公演に重なる企画も多数あるだけに興味津々!●「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2020」の詳細は以下参照.【ベートーヴェン自身の作品】・交響曲全曲・協奏曲全曲(ピアノ協奏曲第0番や、ヴァイオリン協奏曲のピアノ版op.61aも含む)*ピアノ・ソナタ全曲(著名ピアニストがそれぞれに演奏するほか、ツィクルス企画としてはフランス在住の若手ピアニストたち11人が32曲を分けて演奏)・弦楽四重奏曲全曲*その他様々なピアノ独奏曲、室内楽曲、合唱曲、歌曲などを多数とりあげる。2.【ベートーヴェン作品の編曲】・本人による編曲作品*ピアノ協奏曲第4番のピアノ&弦楽五重奏版、ピアノ・ソナタ第9番の弦楽四重奏版七重奏曲のピアノ三重奏版など・友人や後世の作曲家たちによる編曲作品*3人の作曲家(リスト、ワーグナー、カルクブレンナー)による第九の4楽章ピアノ編曲版を1公演で一挙に演奏・リースによる交響曲第3番「英雄」のピアノ四重奏版・フンメルによる交響第7番のフルート・ヴァイオリン・ピアノ・チェロ版など・「ハバナのベートーヴェン」*ヨアキム・ホースリー(ジャズ・ピアノ)と仲間たちによるステージ。ベートーヴェンの交響曲第7番のルンバ風アレンジを始めとする、クラシック音楽とラテン音楽の出会い。●その他ナント公演での注目ポイント・ラジオ・フランス・フィル、「18世紀オーケストラ」の登場・チャイコフスキーコンクール2位に輝く藤田真央LFJ初登場*別公演で優勝者アレクサンドル・カントロフも出演・指揮者・クラシカルDJの水野蒼生が1月30日から2月2日の間、毎晩キオスクに登場
2019年12月18日大人気テレビドラマの劇場版第2弾、『コンフィデンスマンJP プリンセス編』。この度、本作の特報映像が公開された。『ミックス。』『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、『リーガルハイ』シリーズなど、映画からテレビドラマまで、数々のヒット作を手がけてきた脚本家・古沢良太による『コンフィデンスマンJP』。美しきコンフィデンスウーマン・主役のダー子役に長澤まさみ、真面目で小心者の若きコンフィデンスマン・ボクちゃん役に東出昌大、百戦錬磨のコンフィデンスマン・リチャード役に小日向文世が扮し、劇場版第1弾として公開された『コンフィデンスマンJPロマンス編』は、興行収入29.4億円もの大ヒットを記録した。待望の劇場版第2弾『プリンセス編』の舞台は、マレーシアにある“伝説の島”・ランカウイ島だ。 今作でも豪華な海外ロケを敢行。ダー子らお馴染みの面々がコンゲームをしかける“オサカナ”は、世界有数の大富豪一族・フウ家。当主のレイモンド・フウが亡くなったのだが、その残された遺産はなんと10兆円……。莫大なる遺産を狙い、史上最大のコンゲームが行われることとなる。公開された特報映像は、おとぎ話のはじまりに使われる言葉「Once upon a time……」のナレーションとともに始まる。映し出されるのは、美しい南国の島、豪華な屋敷、光輝くティアラ、目を奪われる真っ赤なドレス……。それはまさに現代のおとぎ話!煌びやかな世界の中に、不敵な笑みを浮かべてダー子が現れる。そして、先日キャスト発表された白濱亜嵐、関水渚、古川雄大、柴田恭兵、北大路欣也らも映像に登場している。「フウ家に近づくな!」「相続を辞退しろ……」「プリンセスは偽物」といった不穏な言葉が飛び交う中、「私たちは何にでもなれる」と言い放つダー子。そして何者かに扮装するボクちゃんとリチャード!映画の公開が待ち遠しくなる、豪華かつ『コンフィデンスマンJP』らしい映像となっている。『コンフィデンスマンJP プリンセス編』2020年5月1日(金)より全国公開
2019年12月18日NCT 127が本日18日、大阪城ホールから「NCT 127 Arena Tour ‘NEO CITY : JAPAN - The Origin’」をスタートさせる。NCT127は「解放と拡張」を大きなテーマに、多国籍のメンバーで構成されるグローバル集団NCTの1グループ。今年は全10カ国26都市37公演となった「NCT 127 NEO CITY – The Origin」を大成功させ、彼らの人気はアジアだけでなく北米にまで広がりつつある。11月には世界ツアーのライブ盤を発表。その勢いそのままで始まるのが「NCT 127 Arena Tour ‘NEO CITY : JAPAN - The Origin’」だ4都市8公演、すべての日程がアリーナクラスということでメンバーにとっては大きなチャレンジとなるだろう。日本での全国ツアーはグループ史上2度目となる。前回のチケットも入手困難になっただけに、今回も争奪戦となると予想される。世界をめぐってレベルアップした彼らのステージに注目だ。ツアーは本日からの大阪城ホール2デイズを皮切りに、来年2月24日の武蔵の森総合スポーツプラザメインアリーナの千秋楽まで続く。■公演情報「NCT 127 Arena Tour ‘NEO CITY : JAPAN - The Origin’」2019年12月18日(水)大阪城ホール2019年12月19日(木)大阪城ホール開場17:30/開演18:30(両日)2020年1月4日(土)マリンメッセ福岡2020年1月5日(日)マリンメッセ福岡2020年1月18日(土)朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター2020年2月22日(土)武蔵の森総合スポーツプラザメインアリーナ2020年2月23日(日)武蔵の森総合スポーツプラザメインアリーナ2020年2月24日(祝・月)武蔵の森総合スポーツプラザメインアリーナ
2019年12月18日カーリングシトーンズが本日12月18日、映像作品とCDとして『カーリングシトーンズ デビューライブ! ~カーリング・シトーンズと近所の石~』をリリースする。カーリングシトーンズは寺岡シトーン(寺岡呼人)、奥田シトーン(奥田民生)、斉藤シトーン(斉藤和義)、浜崎シトーン(浜崎貴司)、キングシトーン(YO-KING)、トータスシトーン(トータス松本)の6人からなるバンド。寺岡呼人のソロデビュー25周年を記念して結成され、驚異の新人バンドとして話題を集めた。11月には1stアルバム『氷上のならず者』をリリース。各メンバーが2曲ずつ作曲をし、楽器を曲ごとに持ち回りで演奏しているというユニークな内容になっている。本日リリースされる『カーリングシトーンズ デビューライブ! ~カーリング・シトーンズと近所の石~』には、即日完売となったZepp Tokyoでのデビューライブの模様が収められている。貴重な初ライブとなったこの日のステージを追体験することができるアイテムだ。さらにBlu-ray+2CDの形態には、音声特典として「メンバー副音声による爆笑ライブ解説~副音声という主音声~」が収録される、特にお得な内容となる。ぜひ手に取ってチェックしてほしい。■リリース情報カーリングシトーンズ『カーリングシトーンズ デビューライブ! ~カーリング・シトーンズと近所の石~』<BD+CD (3枚組)>〝ツアーパンフレット風”写真集ブックレット(18P)*音声特典:副音声による主音声なメンバー爆笑ライブ解説<DVD><CD (2枚組)>・収録曲01.スベり知らずシラズ02.何しとん?03.カリフォルニア04.俺たちのトラベリン05.わかってさえいれば06.マホーのペン07.銃爪 with 世良公則08.宿無し with 世良公則09.キャラバン10.タイムテーブル11.AB/CD12.Oh! Shirry13.ガッツだぜ!!14.スベり知らずシラズ(リプライズ)En.1.夢見心地あとの祭りEn.2.涙はふかない
2019年12月18日1970年代のアメリカで30人以上の女性を殺害した男とその恋人のドラマを実話を基に描く映画『テッド・バンディ』が20日(金)から公開になる。監督を務めたジョー・バリンジャーはドキュメンタリー界で数々の作品を発表してきたベテランで、この映画では歴史にその名を残す殺人鬼を“恋人が凶悪犯だとは知らなかった女性”の視点から描いている。映画の完成後、娘たちとプレミア上映会に出席したバリンジャー監督は、帰り道に質問されたという。「パパ、この映画は“誰のことも信頼するな”って言ってるの?」。映画監督、そして父親ジョー・バリンジャーは何と答えたのか?頭脳と話術を駆使して相手を翻弄し、信頼させ、凶行におよぶ冷酷で残忍な殺人者。“シリアル(連続の)キラー(殺人者)”の語源にもなった男。それがテッド・バンディだ。彼は1970年代のアメリカで多数の若い女性を殺害し、死体を凌辱。7つの州に渡って犯罪が行われ、逮捕されるも2度も脱獄。1989年に死刑が執行されたが、現在にいたるまで殺された人の正確な数はわかっていない。「計画していたわけではなく偶然にそうなってしまったのですが、この映画とドキュメンタリーのプロジェクトを同時に進行することになりました」とバリンジャー監督は振り返る。ドキュメンタリー企画はNetflixで配信中のミニ・シリーズ『殺人者との対話:テッド・バンディの場合』に結実し、映画『テッド・バンディ』も完成したが、監督は「両方を同時に進めたことで、それぞれの作品の目的を明確に見定めることができた」という。「ドキュメンタリーは“何が起こったのか?”を真実に沿って包括的に描き、バンディ自身の言葉を通じて殺人者のマインドに深く潜り込んでいくような作品にしたいと考えました。しかし、同じことを映画でやるのは無理です。物語の枠にドラマを圧縮するにはあまりにも情報が多すぎますし、仮に俳優がバンディら実在の人物を“マネ”をしたとしても、本人の記録映像より興味深いものにはならないでしょうから」そこで、監督は“コインの反対側”に視点を移すことにした。つまり、事件の被害者のドラマだ。「ドキュメンタリーが“真実”を描くとしたら、映画では“エモーショナルな真実”を描き、事件の被害者の主観的な体験を掘り下げようと思いました。ですから、私たちはあえて映画の前半部でバンディのことを“信頼できる人物”として描いています。そうしなければ、被害者の感じたことを観客の方に体験してもらえないからです。こんな風に観客の感情を操るような手法はフィクションだから可能なわけで、ドキュメンタリーではしてはいけないことです」リリー・コリンズ演じるシングルマザーの女性リズはある日、バーで素敵な男性テッド(ザック・エフロン)と知り合う。笑顔が素敵で、優しくて、家庭的で、ひとり娘のモリーのことも受け止めてくれるテッドとリズは恋に落ち、幸福な日々が始まるが、ユタ州をドライブしていたテッドはスピード違反で逮捕されたのをきっかけに誘拐未遂事件の犯人だと言われてしまう。自分は無実だと訴えるテッドと、優しくしてくれるテッドが凶悪犯だとは信じたくないリズ。やがてテッドには次々と容疑がかけられていき、事件の行方は法廷にゆだねられる。この記事の冒頭に書いた通り、私たちがテッド・バンディが何者なのかを知っている。しかし、リズにとってテッドは愛すべき、信頼すべき恋人だった。「この映画は先入観と誤解にまつわる作品だと言えるかもしれません。私たちは、連続殺人犯は“モンスター”のような存在で、自分とは遠い場所にいると考えがちです。しかし、実際の悪人はモンスターではなく、簡単に見極められるようなものではありません。25年に渡って犯罪ドキュメンタリーに携わってきた経験から言えることですが、犯罪者は“絶対に悪いことはしなさそう”と思える人や、私たちが信頼を寄せている人間だったりします。この事実を描くことは私たちにとってツラいレッスンかもしれません。でも、これらのすべては先入観と誤解から生じているのです」リズは信じている。テッドは優しい人物で、そんな悪いことをする人じゃない。テッドの正体を知っているあなたはリズを愚かな人間だと思うかもしれない。でも、それはあなたが客席で、安全圏から物語を観ているからで、リズと同じ立場に立った時、あなたは信頼する人間が“極めて邪悪で衝撃的に凶悪で卑劣”な人間だと見抜けるだろうか?「この映画のプレミア上映のあと、娘たちと車で帰宅しながらいろいろと話したのですが、娘から『パパ、この映画は“誰のことも信頼するな”って言ってるの?』と質問されました。私は“そうじゃないよ。でも誰かを信頼することで危険な状況に置かれてしまうことがあるんだよ”という話と、“だからこそ相手にとって信頼してもらえるような人間になるのが大事なんだよ”という話をしました。正直に言いますと、親としては難しい問題です。私だって若いころに海外に長い旅行に出て、そこで出会った人に優しくしてもらったり、一生続くような友人に出会ったりもしてきました。でも、娘には“簡単に人のことを信頼しちゃダメだよ”と言ってしまっている。その矛盾に対する明確な説明をいまだに私は持っていません。邪悪さは私たち人間の一部にあるものですから……“誰のことも絶対に信頼するな”とは言わないけど“盲目的に信じてはいけないよ”とは言いたい。でもその境界がどこにあるかと問われると……答えはないんですよね」バリンジャー監督は何かを断罪したり、まるで自分が神でもなったかのような視点で事件を語ったりはしない。この映画の物語はあなたを導き、誤解させ、勘違いさせ、先入観を与える。そして少しずつヴェールは剥がれていき、邪悪な面が顔を出す。その時、あなたは何を感じるだろうか?「ですから、この映画ではテッド・バンディを描くのと同時に、リズを支える友人を描くことが必要でした。人間は誰しもが優しさや温かさを表現できる一方で、自己中心的で邪悪なものを表現できる。そのふたつはどちらも人間の中にあるものです。人間には悪もあれば、善もあるのですから」『テッド・バンディ』12月20日(金)よりTOHO シネマズシャンテほか全国ロードショー
2019年12月17日2015年に公開された『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で、多くの謎を持つ主人公レイに抜擢されたデイジー・リドリー。その後『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』、そして最新作にして新3部作のラストを飾る『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』でもヒロインを務めたが、いよいよその人物像が明かされるときがきた。本シリーズへの出演は本作が最後というデイジーに、公開直前の心境を聞いた。ほぼ無名の状態から、大抜擢される形で『スター・ウォーズ』シリーズに参加したデイジー。最新作は12月20日に日米同時公開を迎えるが、作品に携わった約6年という歳月について「作品に出演したことがきっかけで、ほかの仕事につながることが多く、いろいろな場所に赴くこともできました。その旅が終わってしまうことは少し寂しい気持ちです」と心情を吐露した。『スター・ウォーズ』シリーズと言えば、映画史上に残る大ヒットSF映画。デイジー自身も「私の人生と『スター・ウォーズ』という映画は切っても切り離せない」と特別な作品であったことを強調すると「映画に起用されたことはもちろんですが、現場での信じられないような貴重な経験は大きな財産になりました。こんな幸運なことはない」と作品との出合に感謝を述べる。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、スカイウォーカー一族の壮大な物語の完結編と位置づけられている。ある意味でこれまで以上に注目を集める作品で主演を務めるというのは、想像を絶するプレッシャーなのではないだろうか――。しかしデイジーは「普通に考えれば、大きなプレッシャーを感じるはずなのに、現場ではものすごくリラックスして臨めたんです」と意外な回答を口にする。その大きな要因となったのが『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』以来の再タッグとなったJ・J・エイブラムス監督の存在だ。「『フォースの覚醒』のとき、監督が『キャスティングが大変だった』と話していたのですが、現場ではすごくオープンに接してくれて、私たちが感じたことを話せば、しっかりと答えてくれる。スムーズに撮影ができたし、遊び心も満載。とても居心地がいい最高の監督です」と称賛は止まらない。また、作品を通してキャリー・フィッシャーさんと出会えたことも、女優という仕事を続けていくうえで、大きな影響を受けたという。「私は現場で『聞きたいことがあるんです!』というようなタイプの振る舞いをしたくなかったので、割とクールに接してしまっていたんです。いま考えると、キャリーにも、ハリソン(・フォード)にも、マーク(・ハミル)にももっと積極的に話をすればよかったなと思うのですが、彼女たちの行動や雰囲気を間近で共有できただけでも、多くのことが学べたんです」としみじみ語る。さらに、デイジー自身がキャリーさんにある企画で、直接インタビューする機会があったというと、そのときのエピソードを披露してくれた。それは『スター・ウォーズエピソードVI/ジェダイの帰還』でのビキニシーンについてだった。「キャリーが映画のなかでビキニを着たことに触れると、彼女は『ほかのみんなが着なくていいように私がビキニを着たのよ』と話してくれたんです。そういう意味でもキャリーは先駆者でした。彼女は遊び心を持ち、聡明かつ謙虚な女性。彼女がいたから私たちもこの作品に続くことができたんです」。映画公開まで作品についての全貌は明らかにされていない。しかし予告編では“仲間”というキーワードが読み取れる。実際、デイジー演じるレイは、仲間たちと共に過酷な戦いに挑むが「まさに“仲間”というのが大きな意味をなす作品です。レイもフィンもポーも、それぞれ仲間がいるからこそ、その力を最大限まで発揮できる。そういう関係性がこの映画のひとつのテーマでもあるのです」と作品を読み解くヒントを与えてくれた。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』12月20日(金)より公開取材・文:磯部正和撮影:堤博之
2019年12月17日世界中そして日本でも空前の大ヒットを記録した1986年の映画『トップガン』。その待望の最新作である『トップガン マーヴェリック』の公開日が2020年7月10日(金)に決定。あわせて新予告と新ポスタービジュアルが公開された。アメリカ海軍のエリート・パイロット養成学校“トップガン”に所属するエースパイロット候補生の挫折と栄光の日々を、戦闘機によるスカイ・アクションと、青春と恋の群像を合わせて描き、世界中で大ヒットを記録した『トップガン』。その続編となる本作では、主人公マーヴェリック役に、トム・クルーズが14年ぶりにカムバックを果たす。『セッション』のマイルズ・テラーや、『ノア 約束の舟』などで知られるアカデミー賞女優ジェニファー・コネリー、『ザ・ロック』の名優エド・ハリスが集結。さらに、前作でマーヴェリックのライバル“アイスマン”を演じたヴァル・キルマーの出演も決定している。『オブリビオン』でもクルーズとタッグを組んだジョセフ・コシンスキーが監督に抜擢され、プロデューサーは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどのジェリー・ブラッカイマーが担当。『ミッション:インポッシブル』シリーズの監督で知られるクリストファー・マッカリーが脚本に加わる。このたび公開された予告編映像では、表舞台から遠ざかっていたマーヴェリックが、輝かしい功績を打ち立ててきたその腕を見込まれ、エリート・パイロット養成機関”トップガン”の教官として重要なミッションを任命され還ってきたことが判明する。戦闘機に手を当て浮かべる万感の表情や、コックピットに乗り込み生徒を指導する頼もしいマーヴェリックに加え、新パイロットたちのさまざまな感情が入り混じった瑞々しい日常が描き出されていく。後半には、マーヴェリックの超人的な操縦スキルや、攻撃を受けていると思われる戦闘機が追撃ミサイルを必死に回避しようとするシーンなどが映し出されている。あわせて解禁された新ポスタービジュアルでは、2機の戦闘機が飛行する大空を見上げるマーヴェリックが旧式のプロペラ機と思しき機体に背を預けた姿が切り取られている。『トップガン マーヴェリック』2020年7月10日(金)より全国公開
2019年12月17日ディズニー・アニメーションのヒロインのイメージを変えた唯一無二の存在といえる“ムーラン”。その実写版が、2020年4月17日(金)全国公開される。この度、新しい日本版予告が公開された。主人公ムーランを演じるのは、大抜擢となったリウ・イーフェイ。透明感と強さを兼ね備えた容姿が印象的。脇を固めるのは、コン・リー、ジェット・リー、ドニー・イェンと世界で活躍し、アクションにも定評がある実力派俳優陣だ。そして、本作の監督を務めるのはニュージーランド出身の女性監督ニキ・カーロ。女性主人公のストーリーを女性監督がどのように完成させたのかに注目が集まる。公開された日本版予告編では、ムーランが住む村へ皇帝の遣いが出向き、“敵の侵略により全ての家から男子をひとりずつ兵士として徴収する“という重要なシーンから幕を開ける。ムーランの一家、ファ家には男子が一人もいないことから、病気の父親が自ら志願。歩くことすらままならない父親を前に、ムーランは「息子ファ・ジュン」と偽り、身代わりとなって戦地に赴くことを決意する。敵の側近である魔女シャンニャンは、実写版に登場するキャラクター。「本当の姿をみられたら、どんな罰が待っていることか」という意味深な警告をムーランに告げる。そして仲間へも知られてはならない大きな秘密を抱え、決意が現れた力強い眼差しを見せる一方で、本当の自分を隠し続けなければならないという辛さから、ひとり涙を滲ませるムーランの姿も映しだされている。『ムーラン』2020年4月17日(金)全国公開
2019年12月17日年末もにぎわう浅草寺の界隈で「浅草伝統文化まつり」が開催される。落語や芸妓による舞、羽つき大会など伝統文化の一端に気軽にふれることのできるイベントが多数予定されている。毎年、この時期の浅草は“羽子板市”の名でも親しまれている「歳の市」が浅草寺境内で開催される。今年は12月17日(火)から19日(木)の日程で、色鮮やかで美しい羽子板が並び、訪れた人は今年を振り返り、来年も良い年になるように願う。そして、この「歳の市」にあわせて開催されるのが「浅草伝統文化まつり」だ。北海道鹿追町より伝説の白蛇が舞い来たる「白蛇姫舞」をはじめ、金原亭馬生師匠による落語、浅草芸妓連によるおもてなし舞、太神楽、羽根つき大会が開催されるほか、縁起根付けの配布(※無くなり次第終了)も予定されている。浅草伝統文化まつり12月17日(火)、18日(水)開催日時は催しにより異なる浅草寺界隈イベント事務局03-5811-1929
2019年12月17日岸谷香が本日12月17日、ビルボードライブ大阪で「KAORI PARADISE 2019 年末スペシャル」を開催する。岸谷はプリンセスプリンセスのボーカルとして活躍し、現在は母とアーティスト、二足の草鞋で精力的に活動を続けている。そしてソロツアー「KAORI PARADISE」は岸谷が“ひとり旅”と銘打って2016年にスタートした。そのため9月から11月までにかけては、岸谷がピアノとアコースティックギターを演奏し、ひとりで巡る12公演だった。しかし本日からの「年末スペシャル」は演奏は岸谷の人生3つ目となるガールズバンド「Unlock the girls」でのパフォーマンスとなる。編成は自身に加えてYUKO (Guitar)、HALNA (Bass)、YUUMI (Percussions)の4人組。今年グループとして発表した初のフルアルバム『Unlock the girls 2』はパワフルなロックを鳴らしており、このサウンドがクラブ空間でどう表現されるのかに注目したい。なお本日のステージは2部制となっており、大阪の後もブルーノート名古屋、ビルボードライブ東京と公演が続く。■公演情報「KAORI PARADISE 2019 年末スペシャル」12月17日ビルボードライブ大阪<1st>開場17:30/開演18:30<2nd>開場20:30/開演21:3012月19日ブルーノート名古屋12月28日ビルボードライブ東京
2019年12月17日三谷幸喜と戸田恵子。一人芝居『なにわバタフライ』(2004年初演)でミヤコ蝶々をモデルとした喜劇女王の生涯を描ききり、喝采を浴びた黄金コンビだ。そんなふたりが手を組む舞台『虹のかけら ~もうひとりのジュディ』が、全国ツアーを経て、東京・スパイラルホールにて12月19日(木)から25日(水)まで上演される。この作品で描かれるのは、ジュディ・シルバーマンという名の女性の生涯。映画『オズの魔法使』をはじめとする作品群で子役時代から世界中に知られたジュディ・ガーランドの影となって生き抜いた人物だ。ある時は、付き人として。またある時は、専属の代役として。ジュディ・ガーランドの女優人生とは切っても切れないパートナーである。ガーランドが輝けば輝くほど、誇らしい。そして、それと同じくらい、憎らしい。そんな筆舌に尽くしがたい“もうひとりのジュディ”の心理を、もはや円熟の域に達した三谷の構成・演出、戸田の出演で描いていく。本作は昨年5月、「Keiko Toda 60years Anniversary」として初演されたもの。ピアノやコントラバスの生演奏にのせて、少女のときめきから大人の屈折まで、自在に行き来する戸田の熱演に拍手がはじけた。1年半ぶりとなる今回の再演では、さらに磨きをかけたステージになること必至。私たちがうっとりと見惚れる名作の影には、たくさんの人たちの知られざる心理がうごめいている。それを踏まえて、年末年始、改めてジュディ・ガーランドの出演作を観なおすのも一興かもしれない。文:小川志津子
2019年12月17日「ぴあ」調査による2019年12月13日、14日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、周防正行監督が“活動弁士”を題材に描く成田凌主演の人情劇『カツベン!』が第1位になった。本作は『Shall we ダンス?』『舞妓はレディ』などを手がけた周防監督が、映画がサイレントだった時代に活躍した弁士たちの人間模様を描いた痛快エンタテインメント・コメディ。成田凌は一流活動弁士を夢見る青年を演じており、黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾、音尾琢真、竹中直人、渡辺えり、井上真央、小日向文世、竹野内豊ら豪華キャストが出演している。上映後の出口調査では「成田凌さん演じる主人公の活弁がどんどん成長していく感じが印象的だった」(50歳)、「成田さんの活弁は発声やアクセントなどに、当時の活弁士のテクニックなどを良く勉強している事が伺い知れ、本当に感心した」(60歳)など絶賛の声が相次いだ。また「笑っちゃうシーンが多くて楽しかったし感動もあった。活弁をよく知らなかったので昔のものに触れて勉強にもなった」(23歳)、「昔懐かしいノスタルジックな雰囲気にほっこりした」(40代)、「恥ずかしながら、活弁という芸風が立派なエンターテインメントを提供していた事をこの映画で知りました」(60歳)、「俳優さんがみんなハマリ役だった。城田優さんなど、ちょっとしたシーンにあっ!となる人たちがたくさん出てくるので探しながら観るのも楽しい」(45歳)、「高良健吾さんなどいつもとは違う一面を見せている俳優さんが多くておもしろかった」(40歳)、「落語が好きなので活弁には馴染みがあったが、家族で楽しむ正月映画として素晴らしい出来だと思う」(50歳)などの声もあった。1位『カツベン!』93.4点2位『つつんで、ひらいて』92.6点3位『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』92.1点4位『映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか』91.9点5位『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』90.9点6位『家族を想うとき』90.5点7位『ジュマンジ/ネクスト・レベル』90.0点8位『スピード・スクワッドひき逃げ専門捜査班』86.6点9位『ぼくらの7日間戦争』85.0点10位『屍人荘の殺人』84.8点(本ランキングは、12/13(金)、12/14(土)に公開された新作映画14本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2019年12月16日12月14日、15日の全国映画動員ランキングは、ベスト10に新作が5本ランクインするも『アナと雪の女王2』(全国383館)が公開4週目も首位を守った。ドウェイン・ジョンソンら前作のメンバーが再集結したアクションファンタジーの続編『ジュマンジ/ネクスト・レベル』(全国342館)は初登場2位。今村昌弘の同名小説を神木隆之介、浜辺美波、中村倫也らで映画化した『屍人荘の殺人』(全国311館)は初登場3位になった。『妖怪ウォッチ』シリーズ第6弾『映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか』(全国347館)は初登場4位に。『ルパン三世THE FIRST』(全国349館)は先週2位から5位になった。そのほか新作では、“活動弁士“を題材にした周防正行監督の新作『カツベン!』(全国301館)が初登場8位に。『ウォレスとグルミット、危機一髪』に登場する人気キャラクターを主人公にした長編アニメーションの劇場版第二弾『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』(全国168館)は初登場10位に。宗田理による1985年刊行のベストセラー小説をアニメ化した『ぼくらの7日間戦争』(全国200館)は初登場11位につけている。次週は『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』『THE UPSIDE/最強のふたり』『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』『テッド・バンディ』『ヒックとドラゴン聖地への冒険』『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『アナと雪の女王2』2位『ジュマンジ/ネクスト・レベル』3位『屍人荘の殺人』4位『映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか』5位『ルパン三世THE FIRST』6位『午前0時、キスしに来てよ』7位『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』8位『カツベン!』9位『決算!忠臣蔵』10位『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』
2019年12月16日この週末、北米ボックスオフィスで首位を獲得したのは、ドウェイン・ジョンソン、ケビン・ハート、ジャック・ブラックらがまたもや共演する『ジュマンジ/ネクスト・レベル』だった。売り上げは予測を上回る6,000万ドル。今週末には『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』という強敵がデビューするが、1作目の時も『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』とバッティングしつつ、見事に数字を伸ばし続けた実績がある。2位は『アナと雪の女王2』。今作は、世界興収10億ドルを達成してもいる。3位は『ナイヴス・アウト/名探偵と刃の館の秘密』、4位はクリント・イーストウッドの『リチャード・ジュエル』、5位はホラー映画『ブラック・クリスマス」だった。文=猿渡由紀『ジュマンジ/ネクストレベル』全国公開中
2019年12月16日ワワフラミンゴの新作『くも行き』が12月18日(水)から22日(日)まで東京芸術劇場 シアターイーストにて上演される。作・演出の鳥山フキの描き出す、どこまでもフラットでおかしみの続く時間。たまたま入った喫茶店で隣の会話が面白くて、いつまでも聞き入ってしまうような感覚をもった作品……。誰とも似ていないその世界はどのように作られているのか、話を聞いた。「今回はもともと、2演目の交互上演にしようとしていたんです。わりとかわいらしい感じの、たぬきが出てくるタイプの話と、もうひとつは大人っぽい、ちょっとダーク色のある話とを分けてやろうかと。それを1本にしたのが今回です」2013年、女性の作り手を集めた東京芸術劇場のショーケース公演『God Save the Queen』での短編以来となるシアターイーストでの上演。彼女たちにとっては大きな規模での公演となる今作はふたつの方向性を取り混ぜたものになるらしい。「私の中では両方あるんです。明るくかわいくしたいという気持ちと、もう少し暗めのところを追求したいという気持ち。けれどもワワフラミンゴとしては、やはりある程度のかわいらしさを持っていたい。あまりインナースペースに入り込まず、ライトなテイストをキープしたい。というのも、暗い話ってありきたりじゃないかと思うときがあるんですよね。ライトなものをやるほうが珍しい気がして……。基本的にはせっかくだからそういう独自のものというか、ワワフラミンゴっぽいところを観せたいという思いがあります」一方で、ただ明るくてほのぼのしていて、ファンタジックというだけではない。かわいらしさに油断していると、ふと覗く鋭さがあるのが彼女たちの魅力だ。それが鳥山のいうダークさなのかもしれない。「やっぱり自分がふだん思っていることを全部詰め込みたいというのがあるので、ただライトなだけというわけにはいかない。世界のことも、自分のこともぜんぶつながっていて、今は黙っていても情報が入ってきてしまう。でもそれをどこかに棚上げして暮らしている。そのあり方を含めて、作品にはどうしても出てしまうかもしれない、とは思います」ワワフラミンゴの作品では、登場人物が成長したり、そもそもひとつの物語が展開したりということがあまりない。場面場面の会話がただただおもしろく、その時間を観客は楽しむ。「その時間がトータルで楽しければいい、という気持ちはあります。自分が笑っていたいな、というか……。演劇をはじめたとき、役者からスタートしたんですよね。そのうち書く方に回ったんですけど、今こうして台本を書くことをやっていると、出るより向いているし、いちばんやりやすいなと思います。会話がすごく好きだな、面白いなと思う」鳥山自身が稽古場でキャストに質問を投げかけて生まれる会話からピックアップされ、作られるシーンも少なくない。「稽古場での会話の中から、個人的すぎない話、誰が話しても意外といける普遍的なものを拾っているかもしれません」魅力的な会話のあいまに、不意に歌や演奏、朗読といった要素が入り、観客の心を動かすことも。今回も江戸川乱歩のある小説の朗読シーンがある。「演劇ジャーナリストの徳永京子さんに、以前“ワワフラミンゴがやったら面白いと思う”と勧められたことがあって。改めて読んでみたら、記憶よりもどろどろしていて、ちょっとこれは難しいなと思って諦めたんです。もっとライトなイメージ、ふざけた部分があるように捉えていたけど、そうでもないなと。けれど今回ふと思い出して、同じ小説なのに一旦距離を置いたことでまたライトに思えてきて、じゃあ使ってみようかと思って取り入れました」そんな新作の見どころを改めて聞くと「考えてくればよかった……」と小さい声で呟いたあと、話し始めた。「今、ここで観てほしい、って気がするんですよね。今に合わせて作ったので、もちろん不安もありますけど、たくさんの人に今、観てもらってこその作品だと思っています」文:釣木文恵
2019年12月16日現代の音楽シーンを象徴する“作曲家・ピアニスト” 加古隆と彼が信頼するメンバーによって構成される“加古クァルテット”のツアーがいよいよ大団円を迎える(12月23日:大阪市中央公会堂/12月29日:紀尾井ホール)。「クリスマス・スペシャルコンサート」と題された大阪公演では、クリスマスに因んで加古が作曲した『アヴェ・マリア』が披露されるほか、2003年の名作『白い巨塔』が久々に演奏されるなど、クリスマス気分を盛り上げつつ、『パリは燃えているか』など、お約束の名曲が楽しめる素敵な夕べになりそうだ。一方、年も押し詰まった29日の東京、紀尾井ホールコンサートは、今回2019年ツアーのグランドフィナーレ。こちらは、何と言っても『永遠と心理のテーマ』&『エヴェレストの風となれ』の2曲の初演が注目される。稀代のメロディメーカー加古隆の生み出す新たな名旋律や如何に。もちろんこちらの公演でも、お約束の名作がふんだんに聞けることは言うまでもない。2019年のフィナーレを、素敵なアンサンブルとともに過ごす喜びを味わいたい。
2019年12月16日『medium 霊媒探偵城塚翡翠』が、「このミステリーがすごい!2020年版」、「2020本格ミステリ・ベスト10」の第1位を受賞する快挙を達成した相沢沙呼(あいざわ・さこ)の小説を原作にした映画『小説の神様』が、2020年5月22日(金)に全国公開される。この度、佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)と橋本環奈が本作のW主演を務めることが決定した。『小説の神様』は、ナイーブで売れない作家×ドSな売れっ子作家という、すべてが真逆なふたりの高校生小説家が、まさかの共作を果たし、大ベストセラーを目指すという青春ストーリー。「僕は小説の主人公になり得ない人間だ」 。中学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。自分を見失い思い悩む、ナイーブで売れない高校生小説家・千谷一也。一方、同じクラスの人気もので、ドSな性格でヒット作を連発する高校生小説家・小余綾詩凪。性格、クラスでの立ち位置、売れている、売れていない。すべてが真逆のふたりに、編集者から下されたミッション……。それは、ふたりで協力し、ひとつの物語を作り、世の中の人の心を大きく動かすベストセラーを生み出すことだった。売れない高校生小説家・千谷一也役を演じるのは、EXILE/FANTASTICSのパフォーマーとして活躍する一方、『ママレード・ボーイ』『センセイ君主』などに出演し、俳優としても人気を集める佐藤。ヒット作を連発する高校生小説家・小余綾詩凪役を、『銀魂』シリーズ、『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』をはじめ、数々の話題作に出演し、幅広い役を演じる橋本が務める。そして監督には、『HiGH&LOW』シリーズの久保茂昭を迎えた。キャスト・監督・原作者のコメントは以下の通り。■佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)僕が一番大好きで最も尊敬している久保監督から、“この作品を一緒にやらないか?”とオファーを受けた時、断る理由が見つかりませんでした。企画から数年経ち、ようやく実現した映画化に僕を指名してくれた事、本当に嬉しかったです。僕が演じる一也は普段の僕とは真逆の見た目や性格でした。だからこそ演じ甲斐がありましたし、役作りやどんな作品にしたいかなどを監督と密に話し合い共に作りあげていきました!相手役の橋本環奈さんは本当に素晴らしい女優さんで、彼女以外務まらなかったんだろうなとも感じました。現場は毎日楽しく最高なチームワークで撮影に臨ませていただきました!!最強のスタッフが集まった久保組に新しい僕を引き出してもらえた気がします。自信作です!!■橋本環奈今作で演じさせて頂いた小余綾詩凪は、一見普通の高校生なんですが、実はその心の底に深い葛藤と悩みを抱いている人気作家という役でした。過去作で高校生役は数多く演じさせて頂きましたが、クラスに職業作家がふたりいるというリアリティの、有りそうで無さそ うなこの役は、ある種新たなる挑戦でもありました。そんな詩凪と佐藤大樹さん演じる千谷一也が仲間とどう葛藤を乗り越え、また小説を紡いでいくのか、久保監督演出の素晴らしい映像美と共に是非ご注目頂きたいと思います。■監督:久保茂昭小説という能動的な美しい文体の芸術を映像という受動的な芸術で挑戦していく。この小説との出会いは僕にそんな夢を与えてくれました。この映画は4人の若者が物語を『綴る』ことによって純粋であるがゆえに、喜び、苦しみ、仲間同士の中に存在する様々な気持ちの葛藤。それら全てを受け入れる自分の器の大きさ、自分自身と出会う物語です。生きていく中で何かを感じたら、まずはそれを綴って欲しい。自分の器の限界、人生に行き詰まりを感じたとき、自分が世界に発信したいものができた時、その子の背中を押してあげる映画を作りたいと思いました。■原作:相沢紗呼小説を書く、という、ただそれだけのお話です。けれど、そこには創作の過程で生まれる数多くの困難と挫折が立ちはだかります。原作小説を書く際には、『小説を書くこと』という題材のために、小説ならではの表現、小説だからこその構成を、自分なりに追及して執筆しました。 つまり、これは映像化されることなんて、まるで考えていないお話でした。青春小説とは名ばかりの、暗澹とした心理描写が延々と続くというこの作品は、あまり映像化には向いていないのかもしれません。それにもかかわらず、の映像化ですから、恐らく、そこには作中物語と同じように、多くの困難とドラマが立ちはだかったことでしょう。主演のおふたりをはじめ、監督やスタッフの皆さんが、どのようにこの困難に立ち向かい、そしてどのような映像作品へと変換されたのか。生まれる物語を、楽しみに待ちたいと思います。『小説の神様』2020年5月22日(金) 全国公開
2019年12月16日全世界で大ヒットを記録した『マレフィセント』の続編『マレフィセント2』が、早くも2020年1月22日(水)より先行デジタル配信開始、2月5日(水)にMovieNEXと4K UHD MovieNEXで発売されることが決まった。それにあわせ、この度、新しい予告編が公開された。ディズニー・アニメーションの金字塔として、半世紀以上も世界中で愛され続けている『眠れる森の美女』に隠されていた誰も知らない“本当の物語”を、ドラマティックに描き出した『マレフィセント』。その続編『マレフィセント2』は、再びアンジェリーナ・ジョリーを主演に迎え、美しきヴィラン・マレフィセントの“究極の愛”を描いたファンタジーアドベンチャーだ。舞台は、マレフィセントが“真実の愛”を見つけてから数年後。永遠の眠りから目覚めたプリンセス、オーロラ姫とフィリップ王子の結婚は、人間と妖精の間に平和をもたらし、世界を幸福に導くはずだった。しかしその婚礼には、マレフィセントとオーロラ姫の絆を引き裂き、妖精界を滅ぼそうとする恐るべき罠が隠されていた……。この度公開された映像では、結婚を報告するオーロラ姫に対して複雑な想いを覗かせたり、結婚の顔合わせで全力の愛想笑いを見せたりと、マレフィセントの“オーロラ姫への深い愛情”が垣間見える。前作に引き続き、美しきヴィランを演じ、製作にも携わったアンジェリーナ・ジョリーが、本作のテーマについて、「家族というのは決して“血がつながっているものでないといけない”ということではない」と語る通り、血の繋がりこそないものの、深い絆で結ばれているのが、マレフィセントとオーロラ姫。その絆の真価が、本作で試される。ボーナス・コンテンツには、劇場公開時には見られなかったアンジーの貴重な素顔も収録。 MovieNEXには、製作の裏側を解説した「視覚効果の世界」や「翼をもつ妖精」、「マレフィセントの起源」をはじめ、未公開シーンやNGシーンなどのコンテンツが多数収録される(デジタル配信・購入版にも一部収録)。『マレフィセント2』2020年1月22日(水)より先行デジタル配信開始2月5日(水)よりMovieNEX、4K UHD MovieNEX発売
2019年12月16日聞けば、胸にグッと来るメロディ。懐かしくもあり、新しくもある、誰もが知る楽曲の数々。ジョージ・ガーシュインと、ショパンの楽曲にのせてつづる舞台2作品が、今年も東京は座・高円寺1にて上演される。脚本を斎藤憐、演出を佐藤信が手がけ、開館時から10年にわたって続いている座・高円寺1のレパートリー『ピアノと物語』は、ふたりの俳優が読む往復書簡とピアニストの生演奏で構成。作曲家の人物像とその作品世界に同時に触れられるステージとして、演劇好きにも音楽好きにも愛されている。12月20日(金)・21日(土)に上演されるのは、ガーシュインの楽曲でつづる『アメリカン・ラプソディ』。音楽に対する情熱をもって駆け抜けたガーシュインの生涯を、公私にわたるパートナーとして才能を触発し合った女性作曲家ケイ・スウィフトと、20世紀を代表するヴァイオリニストのひとりヤッシャ・ハイフェッツ、ふたりの往復書簡とガーシュインのピアノ曲の生演奏で描き出す。出演は、安定感のある声音で聞く者を魅了する秋本奈緒美と、低音ボイスで物語に深みを与える斉藤淳。ピアノ演奏は、国内外で幅広い活動をみせる佐藤允彦。『ラプソディ・イン・ブルー』『アイ・ガット・リズム』『パリのアメリカ人』など、ウキウキ系からしっとり系まで、名曲揃いのラインナップだ。12月22日(日)から24日(火)まで上演されるのは、ショパンの楽曲でつづる『ジョルジュ』。39年と7カ月でこの世を去ったショパンの名曲の多くが生み出された、作家ジョルジュ・サンドと過ごした9年間を描き出す。出演は、ジョルジュ役に冨樫真。ジョルジュとショパンの日々を包容力豊かに見守る弁護士ミッシェル役に浅野和之。そんなふたりのやりとりを、第15回ショパン国際ピアノコンクール4位入賞の関本昌平が、繊細なピアノ演奏で彩る。『幻想即興曲』『英雄ポロネーズ』『別れの曲』など、誰もが聞き覚えのあるショパンの楽曲が、より立体感を増して響くひとときだ。文:小川志津子
2019年12月16日さかいゆうが本日12月16日、EX THEATER ROPPONGIで「SAKAIのJYU ~Again~」を開催する。デビュー10周年を迎えた、さかいゆう。それに伴って今年は3年ぶりの新作『Yu Are Something』のリリースに始まり、6月からは6カ月連続の配信、10月には豪華ゲスト陣を迎えたアニバーサリーライブ「さかいゆう10th Anniversary Special Live "SAKAIのJYU"」を日比谷野外大音楽堂で開催するなど充実した活動を展開している。来春には更なるニューアルバムを準備しているということで、今後にますます期待だ。そして本日の「SAKAIのJYU ~Again~」は前述の10周年ライブに台風19号の影響で参加できなったファンが多かったのを受けて決定したもの。野音のステージでは佐藤竹善(SING LIKE TALKING)、JAY’ED、竹内朋康(マボロシ / ex.SUPER BUTTER DOG)、土岐麻子、冨田ラボ(冨田恵一)、西寺郷太(NONA REEVES)、秦 基博、日野皓正、MURO、KREVAが出演している。今回は、その追加公演という位置付けではあるがゲストのアナウンスはなし。内容は10年間のヒストリーを凝縮し、その進化型を魅せるワンマンライブになるという。今年を締めくくりに、さかいの歌を堪能できる機会となるのだろうか。セットリストや演出にも期待したいところだ。■公演情報「さかいゆう 『SAKAIのJYU ~Again~』」日時:12月16日(月)開場19:00/開演20:00場所:EX THEATER ROPPONGI
2019年12月16日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/12/16(月)イラストレーション:高松啓二この週末に公開の作品は26本(ライブビューイングを除く)。とても多い週です。全国のシネコンで拡大上映されるのが『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』の4本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が22本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい4作品をご紹介します。『テッド・バンディ』ウィキペディアで「シリアルキラー(連続殺人犯)」を調べると、最初に出てくるのがこのテッド・バンディという名前。女性36人以上を殺害した、アメリカ犯罪史上稀にみる殺人鬼が主人公の映画です。だからといって、『ハウス・ジャック・ビルト』のような、どちらかというと、グロなホラーを想像して観ると、これが肩すかしにあうというか、うまく裏切られます。日本公開用のチラシに大きく書かれた「極めて邪悪衝撃的に凶悪で卑劣」という宣伝文句が実は原題。映画は「そういわれているのだが……」と、このシリアルキラーを極悪人として事件を再現するのではなく、長年の恋人、リズの視点から描いていきます。彼女の目には、ハンサムでやさしく向学心に燃える好青年。それが一転、殺人事件の容疑者として逮捕され、有罪の判決を受け、さらに他の州で起きた事件の容疑までかけられてしまうのです。人殺しなんてできる人じゃない、リズからすると、バンディは冤罪? とすら思えてくるのですが……。この事件が全米中で話題になったのは1979年、フロリダでの裁判が公開となり、TV中継されたためです。甘いマスク、弁舌さわやかで、時には軽い冗談を交えて話す彼に、女性ファン、いまでいうと追っかけまで登場します。この一部始終が観ものです。「人間というのは妙な生きものよ。悪いことをしながら善いことをし、善いことをしながら悪事を働く」、池波正太郎さんの鬼平の一節を思い出しました。バンディを演じるのはザック・エフロン。法廷で彼と対置する判事役はジョン・マルコヴィッチです。リズの友人役、どこかで観たことがあります。あの名子役、ではありませんか。『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』大ヒットした名作アニメに、250のカット、およそ30分近くが新たに描き加えられました。完全版にしたというよりは、別バージョンとして作られた形。だからタイトルも少し変わっています。すずさんが遊郭に迷い込み、そこで出会ったリンさん。彼女のエピソードがふくらみました。同世代でありながら、まるで別の人生を歩むふたりが心を通わせ、互いを大切な存在と思うまでがていねいに描かれています。このことで、すずさんというひとりの女性が、戦前戦中をどう生きたかだけでなく、世界にはいくつもの「片隅」があるのだと気付かされます。観終わると、すずさん、リンさん、夫に先立たれ北條家に出戻った義姉径子や、義理の母・サンといった女性たち、それぞれの人生が、しみじみと心に残ります。夫、周作もすこし見え方が変わりました。年の瀬。のんさんがあの声でつぶやく「こまったねえ」というセリフをきくのは、心がほっこりして、とてもよろしいと思います。『冬時間のパリ』毎年10月の最終週に、フランスは夏時間から冬時間に切り替わります。やはりパリはこの季節、とてもロマンティックです。そんな季節のなかで、編集者と女優、小説家と政治家秘書、年の頃なら40〜50代でしょうか、ちょっとセレブなカップルが微妙にからみあい、もつれあうオサレな大人のラブコメです。ひんぱんにでてくる話題は、出版業界が直面する電子化問題。男ふたりの大関心事です。主演のギョーム・カネは書籍系出版社の編集者ですが、電子書籍にどこまで対応するか、目下検討中。電子化担当の部下との不倫関係も同時進行中です。ジュリエット・ビノシュは彼の妻役、TV刑事シリーズに出演する中堅女優ですが、どうやら夫が担当する小説家と浮気中。その小説家が書いた新作も不倫がテーマで……。電子書籍と恋愛。みんなとても忙しいのです。気の利いたセリフと知的会話がいっぱい。ウディ・アレン作品を思わせる都会派コメディです。監督はオリヴィエ・アサイヤス。ビノシュの主演で、ニューヨーク・タイムズの「21世紀の映画暫定ベスト25」に選ばれている『夏時間の庭』という作品がありました。首都圏は、12/20(金)からBunkamuraル・シネマで公開。中部は、1/11(土)から伏見ミリオン座で公開。関西は、1/17(金)からテアトル梅田他で公開。『サイゴン・クチュール』ファッションデザイナーを目指す女性が、1969年のベトナムから現代へタイムスリップするファンタジー。1969年といえば、ベトナム戦争中ですが、この作品はそれを完全にネグっています。戦時臭はなく、この映画にでてくる女性たちはポップな60sを謳歌しています。それがベトナムで大ヒットしたといいます。そういう時代なんですね。伝統衣装アオザイを扱う老舗の娘ニュイはミス・サイゴンに選ばれるほどの美女。9代続く家業を嫌い、パリのファッションに憧れています。彼女がデザインする服は、当時としてはハイファッション風。そんな彼女が突然のハプニングで現代へ。ファッション・ビジネスに潜り込むのですが、今観るとどこか野暮ったいニュイのセンスでは、成功はとても無理。いくつもの現実を目の当たりにする中で、最後にアオザイをアレンジしたデザインを思いつき、認められます。50年経って古いものが一番新しいものになっているというアイロニーでしょうか。古いと馬鹿にし、反発していた家業とそれを守る母の気持ちに目覚め、過去に戻るという、まるで松竹新喜劇のような人情ベトナムファンタジー。音楽、ファッション、ヘアスタイルもアメリカの影響下にあったカラフルなアジアの60’sカルチャーが楽しい。とてもかわいらしい映画です。首都圏は、12/21(土)からK’s cinemaで公開。中部は、12/28(土)から名演小劇場で公開。関西は、1/25(土)からシネ・ヌーヴォで公開。
2019年12月16日1995年にヒットした、ロビン・ウィリアムズ主演のファンタジー映画『ジュマンジ』の設定をリニューアルした、2017年公開映画『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』は、全世界51カ国で興行収入No.1となり、最終世界興行収入が9億6000万ドルを突破するという、前評判をはるかに凌駕する大ヒット作品となった。そんな大反響を受けて、ジェイク・カスダン監督はじめ、キャストのドウェイン・ジョンソン、ジャック・ブラック、カレン・ギラン、ニック・ジョナスらが再び集結して作り上げた続編が、本作『ジュマンジ/ネクスト・レベル』だ。1995年版は、ボードゲームの世界が現実のものとなるという内容だったが、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』では、4人の高校生たちがTVゲームの世界の中に入ってしまい、異なる見た目(ドウェイン・ジョンソンらが演じる)になって、現実世界に帰るためにゲームクリアを目指すという内容だった。もちろんその続編である本作も、入り込むのはゲームの世界。前作でジャングルを舞台にしたゲームをクリアした高校生が、今回直面するのは、「無理ゲー!」と言いたくなるくらいに、クリア不可能なほど難易度がアップした過酷なステージ。そんなピンチに、彼らの新たな助けとなるのは、いろいろな話題作に出演してきた名バイプレイヤーのダニー・デヴィート、『リーサル・ウェポン』シリーズのダニー・グローヴァーという、ハリウッドを代表する名優が演じる、“おじいちゃんコンビ”だ。4人のおなじみキャラの活躍はもちろん、おじいちゃんたちがゲームに吸い込まれた孫を救い出すために、大暴れする姿が見どころとなっている。パワーアップしたキャストも楽しみな『ジュマンジ/ネクスト・レベル』。今回も大ヒット旋風を巻き起こすのだろうか。『ジュマンジ/ネクスト・レベル』公開中
2019年12月15日Base Ball Bearが本日12月15日、名古屋DIAMOND HALLで「Base Ball Bear 『Guitar! Drum! Bass! Tour』」を行う。来年1月には3年ぶりのニューアルバム『C3』のリリースも発表となったBase Ball Bear。ボーカル&ギターの小出祐介は新作について「コンセプトは『自分たちそのもの』。バンドにとって当たり前のことを純度の高い、当たり前として表現することが今ならできると思いました」とコメントしており、結成から18年経った今も更新を続けている。また年末は人気フェス「COUNTDOWN JAPAN 19/20」に出演する予定だ。現在その彼らが行っているツアーが「Base Ball Bear 『Guitar! Drum! Bass! Tour』」。本公演では今年リリースしたEP『ポラリス』と『Grape』のリリースにともなう内容で、タイトルの通りギター、ドラム、ベースの3つの楽器のみでの演奏が繰り広げられる。9月の香川・高松DIMEを皮切りに始まり、広島CAVE-BEでの千秋楽まで残り3日と佳境を迎えている。今夜のステージは日程17日目、ファイナルまでのラストスパートとなる迫力の演奏となるだろう。■公演情報「Base Ball Bear 『Guitar! Drum! Bass! Tour』」12月15日(日)名古屋DIAMOND HALL開場16:00/開演17:0012月21日(土)小倉FUSE12月22日(日)広島CAVE-BE
2019年12月15日俳優・田中哲司と大森南朋、そして映画監督、俳優としての顔も持つ作・演出の赤堀雅秋。この3人による演劇ユニットの最新作『神の子』が、本日12月15日に東京・本多劇場にて開幕する。「しがらみにとらわれず、真摯に舞台を創る場」を求めた3人の思いが初めて実現したのが、2016年上演の『同じ夢』。郊外の精肉店を舞台にしたこの作品に手ごたえを感じ、「また次やりたいね」と交わしてから約4年。第2弾となる今回は、3人のほか、長澤まさみ、でんでん、江口のりこ、石橋静河ら存在感が際立つ面々が加わっての上演だ。警備員として働く池田(大森南朋)、五十嵐(田中哲司)、土井(でんでん)は、行きつけのスナック、趣味のパチンコと常に一緒にいる。3人そろって独身で貧乏。目的も展望もない生活にウンザリしつつも、抜け出すほどのヤル気はなく、漠然とした不安の中でただ日々をやり過ごしていた。ある日、池田に若くきれいな田畑(長澤まさみ)と斎藤(石橋静河)というふたりの女が声をかけてくる。彼女らの誘いを受け、池田は街頭でのゴミ拾いボランティアに参加することに。呆れるほど単調な日常の中に小さな変化が兆す。田畑との出会いにほのかな夢を見る池田。それは、男たちにとって幸か不幸か……。生きることに不器用な人間たちの閉塞感を、独特のユーモアも絡ませた会話であぶり出す赤堀。今作でも「底辺にいる人たちがうごめいている現代の無常観を表現したい」と話す。赤堀が描く世界に真正面から向き合うキャスト陣が、どんな表情を見せてくれるのか。濃厚で沁みる物語をしっかりと受け止めたい。コムレイドプロデュース 『神の子』は、12月30日(月)まで本多劇場、1月7日(火)から9日(木)まで愛知県産業労働センター ウインクあいち、1月13日(月)に福岡国際会議場 メインホール、1月16日(木)に広島JMSアステールプラザ 大ホール、1月18日(土)・19日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、1月23日(木)に長野・サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大ホール、1月26日(日)に静岡・浜松市浜北文化センター 大ホールにて上演。文:伊藤由紀子
2019年12月15日