ぴあがお届けする新着記事一覧 (889/925)
恒例の特集「ポーランド映画祭」が今年も開催されている。8回目を迎える本年度は、映画作家のイエジ―・スコリモフスキが監修を担当。ポーランドの最新作から歴史に残る名作、レア作まで幅広い作品が揃う。映画ファンにとってポーランドは、アンジェイ・ワイダやクシシュトフ・キェシロフスキを輩出したなじみの深い国で、近年も『イーダ』や『COLD WAR あの歌、2つの心』など良質な作品が多く製作されている。2019年はポーランドと日本の国交樹立100周年、ポーランド民主化30周年にあたるアニバーサリー・イヤー。これまで以上に充実した作品群が映画祭に集まった。巨匠アンジェイ・ワイダの特集では名作『灰とダイヤモンド』、『死の教室』、そして彼が創設した映画学校の生徒による短編作品を上映。2017年に翻訳が出版され話題を呼んだボレスワフ・プルスの小説を映画化した1968年製作の『人形』、ワイダがドストエフスキーの『白痴』を原作に坂東玉三郎を主演に迎えて描く『ナスターシャ』、ロマン・ポランスキー監督がポーランド時代に手がけた短編集など、映画ファン垂涎のプログラムが並ぶ。さらに最新のポーランドも数多く紹介され、本映画祭でジャパンプレミアを迎える。飛行機に乗り合わせた様々な人々の姿を描いた『パニック・アタック』をはじめ、映画祭の監修者スコリモフスキが俳優として出演する『ユリウシュ』、知られざる史実に迫るドキュメンタリー『パラグアイへのパスポートポーランド外交における秘話』などが続々と上映される。会期中には上映だけでなく監督によるトークや、ゲストを招いた上映後解説も予定されており、長年に渡って映画ファンを魅了し続けてきたポーランド映画をさらに深く、多角的に楽しめる内容になっている。ポーランド映画祭201911月23日(土)まで東京都写真美術館ホールで開催中
2019年11月14日近年少しずつ意欲作が増えてきてはいるものの、海外産の作品に比べると成功例はまだまだ少ない日本オリジナル・ミュージカル。その理由のひとつとして挙げられるのが、クリエイションにかけられる時間・手間暇・予算の圧倒的少なさだ。そんな現状に一石を投じるプロジェクトであるミュージカル『(愛おしき)ボクの時代』が、明日11月15日(金)に東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて「1stプレビュー公演」の幕を開ける。特筆すべきは、2期に分けたプレビューを行い、ブラッシュアップ期間を設けた後に本公演の幕を開けることと、その本公演を含めた全体をトライアウト公演と位置づけ、将来的にさらに大きな劇場での上演を目指している点。また、創作プロセスとしてはそのようなブロードウェイ式のやり方を踏襲する一方で、内容としては「日本人特有の身体感覚・言語を素直に使って表現する」ことを標榜している点にも期待が持てる。脚本・演出の西川大貴、音楽の桑原あいとも、ミュージカル作家としては未知数。だが、だからこそ、プロジェクトにスーパーバイジング・ディレクターとして参加している演出家ダレン・ヤップ(『ミス・サイゴン』『ゴースト』)や、今回のトライアウト公演の観客からの感想に素直に耳を傾けることができるのは確かだろう。“観に行く”というよりも、クリエイションに“参加する”、未来の大作を“育てる”ような気持ちで劇場に足を運びたい。ミュージカル『(愛おしき)ボクの時代』は、11月15日から18日(月)まで1st プレビュー公演、11月23日(土)から26日(火)まで2nd プレビュー公演、11月30日(土)から12月15日(日)まで本公演を行う。文:町田麻子
2019年11月14日UNISON SQUARE GARDENが11月14日、埼玉・大宮ソニックシティで全国ツアー「UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2019『Bee side Sea side ~B-side Collection Album~』」をスタートさせる。今年、結成15周年を迎えたUNISON SQUARE GARDEN。それにともなう記念ライブ『プログラム15th』を大阪・舞洲スポーツアイランドで開催や、自身のトリビュートアルバム『Thank you, ROCK BANDS! ~UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Album~』にSKY-HI、東京スカパラダイスオーケストラ、9mm Parabellum Bulletらが参加したことも話題になった。本日からスタートするのは、15周年記念カップリングベストアルバム『Bee side Sea side ~B-side Collection Album~』のリリースに際して行われるホールツアー。全国15会場17公演に渡り熱いパフォーマンスを繰り広げる。先だって行われたファンクラブ限定ツアーでは、アルバムに収録されたレア曲が今のアレンジで披露されており、本日からのステージにも期待したい。■公演情報「UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2019『Bee side Sea side ~B side Collection Album~』」11月14日(木)、15日(金)埼玉・大宮ソニックシティ開場17:45/開演18:30(両日ともに)11月20日(水)北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)11月22日(金)宮城・仙台サンプラザホール11月24日(日)群馬・高崎芸術劇場11月28日(木)兵庫・神戸国際会館こくさいホール11月29日(金)愛媛・松山市総合コミュニティセンター12月1日(日)岡山・岡山市民会館12月3日(火)東京・府中の森芸術劇場12月6日(金)愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール12月8日(日)長野・ホクト文化ホール12月10日(火)神奈川・横須賀芸術劇場12月12日(木)新潟・新潟県民会館12月17日(火)千葉・市川市文化会館12月20日(金)大阪・オリックス劇場12月21日(土)大阪・大阪オリックス劇場12月23日(月)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
2019年11月14日世代を超え、世界中で社会現象を巻き起こす”奇跡“を成し遂げたディズニーの大ヒット映画『アナと雪の女王』の続編であり、先日、エルサを務めるイディナ・メンゼルが歌う、英語版のメイン楽曲『イントゥ・ジ・アンノウン』が発表され話題を呼んだ最新作『アナと雪の女王2』が、11月22日(金)に全国公開される。この度、松たか子が歌う日本語版楽曲『イントゥ・ジ・アンノウン〜心のままに』の映像と音声が公開された。前作で、雪と氷に覆われたアレンデール王国に暖かな陽光を取り戻し、深い絆で結ばれた姉のエルサと妹のアナ。“ありのままの自分”を受け入れたエルサと、明るいキャラクターが持ち前のアナは、王国の仲間たちと幸せに暮らしていた。だが、エルサだけが聞こえる“不思議な歌声”によって、姉妹は未知なる世界へ導かれる。公開された楽曲は、前作よりもさらに壮大なメロディと、エルサが抱く、 まだ見ぬ未知の世界への不安と期待を表現した、松ののびやかな歌声が印象的。そして映像は、不安を感じながらも、自分の力を駆使して前へと進もうとする、エルサの決意を示す場面が映し出されている。「なぜ自分だけ特別な力を持っているのか」、「なぜ自分だけ周りと違うのか」という疑問を抱き、幸せな日々を送りながらも、この“力”のせいで、どこかで“このままではいられない”と感じ、謎を解き明かすために新たな世界へ進むことを選択するエルサ。大事なエルサとの幸せな生活を壊したくないと願い、彼女のことを守るためエルサとともに旅に出ることを決意したアナ。ふたりの新たな選択によって、どんな冒険が繰り広げられるのだろうか。『アナと雪の女王2』11月22日(金)全国公開
2019年11月13日デイミアン・チャゼルの次回作に、ブラッド・ピットとエマ・ストーンが出演を検討しているようだ。タイトルは、『Babylon』。1920年代のハリウッドを舞台にした話で、ピットはサイレント映画からトーキーへの移行に苦しむ架空のスター、ストーンは実在の女優クララ・ボウを演じる予定。製作、配給はパラマウント。北米公開予定は2021年の年末。早くもオスカー候補入りを狙っているようだ。チャゼルは『ラ・ラ・ランド』で、史上最年少でオスカー監督賞を受賞した。ストーンも同作品で主演女優賞を受賞している。その次の『ファースト・マン』も、批評家の評価は高かったものの、興行成績はふるわなかった。今作で挽回となるかが注目される。文=猿渡由紀
2019年11月13日ウィーン・フィルとベルリン・フィルというオーケストラの世界における東西の横綱が来日公演を行った直後にやってくるのがロイヤル・コンセルトヘボウだなんて、この秋は財布の紐をいくら締めても締めきれないどころか、緩みっぱなしのクラシックファン続出ではないだろうか。まさにこの3つのオーケストラを称して「世界3大オーケストラ」というのがクラシック界の常套句。日本に居ながらにして世界の最高峰を体験できることは本当に凄いことだ。中でも「ビロードのよう」な弦楽器と、「黄金」のような金管楽器に、「際立った個性」を持つ木管楽器と優れた打楽器群の組み合わせは、ロイヤル・コンセルトヘボウの真骨頂。まさに、彼らが本拠地としているオランダはアムステルダムの名ホール「コンセルトヘボウ」の素晴らしい響きの中で育まれた絶品の音色と言えそうだ。過去にはマーラーやR.シュトラウスといった作曲家たちをも魅了した伝統の響きがいよいよ日本に上陸する。しかもこの素晴らしいオーケストラを指揮するのが、飛ぶ鳥を落とす勢いのマエストロ、パーヴォ・ヤルヴィなのだから楽しみだ。ソリストにはこれまた世界で最も多忙なピアニストの1人ラン・ランが随行(プログラムBに出演)し、ドイツ音楽の真髄が披露される。●公演概要・11月18日(月)、19日(火)サントリーホール 大ホール・11月20日(水)愛知県芸術劇場コンサートホール・11月22日(金)ミューザ川崎シンフォニーホール・11月23日(土)堺市民芸術文化ホール(フェニーチェ堺) 大ホール●パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)1962年エストニア生まれ。渡米してカーティス音楽院で学び、バーンスタインにも師事した。北欧の楽団やシンシナティ響、hr響、パリ管の音楽監督や首席指揮者を歴任し、現在はドイツ・カンマーフィルの芸術監督とN響の首席指揮者を務めている。2019/20年シーズンからはチューリヒ・トーンハレ管の首席指揮者に就任する。ベルリン・フィルやコンセルトヘボウ管、ドレスデン・シュターツカペレ、シカゴ響などに定期的に客演し、ソニーをはじめとするレーベルから注目の録音も多い。2010年には故国エストニアのペルヌで音楽祭を創設した。シャープで新鮮な指揮によりレパートリーも古典から現代音楽に及び、世界でも最も活躍している指揮者の一人である。●ラン・ラン(ピアノ)1982年、中国・瀋陽生まれ。ノーベル賞コンサート(07年)、オバマ大統領ノーベル平和賞受賞コンサート(09年)、北京五輪開会式(08年)などで演奏するほか、10年には上海万博公式国際親善大使を務め、同年世界経済フォーラムから“若手グローバルリーダー250人”に選出される。07年グラミー最優秀クラシック器楽部門賞に中国人初ノミネート、全米レコード芸術科学アカデミー会長功労賞も受賞している。音楽教育にも熱心で、08年グラミーとUNICEFの援助の下ニューヨークにラン・ラン国際音楽財団を設立。また、ベルリン・フィルのレジデント・ピアニストに最年少で選ばれた。10年ソニー・ミュージックエンタテインメントと専属契約を結び、『ライヴ・イン・ウィーン』を発売。最近では、映画「のだめカンタービレ最終楽章前・後編」のサウンドトラックの参加が大きな話題を集めた。最新盤はラトル指揮ベルリン・フィルとの共演による「プロコフィエフ3&バルトーク2」(2013年11月)。●ロイヤル・コンセルトヘボウロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)は、世界屈指のオーケストラである。その類い稀な響きを、批評家たちは昔から褒めたたえてきた。RCOの弦楽器セクションは「ビロードのよう」、金管楽器セクションは「黄金の響き」、木管楽器の音質は「際だって個性的」と賞され、打楽器セクションには国際的な定評がある。この名声には本拠地コンセルトヘボウの類例のない音響も大いに寄与するところだが、そのメインホールでRCOのように響くオーケストラは、他にはない。1888年以来、オーケストラに多大な影響を与えてきた6人の首席指揮者の存在もまた欠くことができない。マリス・ヤンソンスは、2004年9月に6代目首席指揮者として迎えられた。歴代の首席指揮者は、ウィレム・ケス(1888年~1895年)、ウィレム・メンゲルベルク(1895年~1945年)、エドゥアルト・ファン・ベイヌム(1945年~1959年)、ベルナルト・ハイティンク(1963年~1988年)、リッカルド・シャイー(1988年~2004年)である。2016年秋からダニエレ・ガッティが首席指揮者を務めている。
2019年11月13日南果歩と小久保寿人が出演し、ミナモザの瀬戸山美咲が演出を手がける『あの出来事』が本日11月13日に東京・新国立劇場で開幕する。今作は、新国立劇場の演劇芸術監督である小川絵梨子が立ち上げたシリーズ「ことぜん」の第2弾。シリーズを通じて、「個と全」つまり個人と全体の関係性を描くプロジェクトで、10月にはゴーリキー作『どん底』が上演され、12月には『タージマハルの衛兵』の上演が控える。スコットランドのデイヴィッド・グレッグが書いた『あの出来事』は、2013年にエジンバラ演劇祭で初演、これが日本初演、初翻訳となる。新国立劇場初登場の瀬戸山に話を訊いた。「今回のお話をいただいたときは、まだ戯曲が決まっていない状況。いくつか候補を検討していたなかで、翻訳の谷岡健彦さんがふと、エジンバラ演劇祭で『あの出来事』をご覧になった話をしてくれたんです。戯曲を取り寄せて読んでみたら面白くて」映画『ウトヤ島、7月22日』の題材ともなった、2011年にノルウェーで起きた極右青年による銃乱射事件を題材にした物語。「英語は得意ではないんですけど、この作品は、初めて英語で読みきった戯曲でした。わからない単語をどんどん飛ばしながら読んだにもかかわらず、読み終えたら泣いてしまった。すぐ担当の方に電話して“ほかの候補作を一旦置いておいて、この戯曲にしたいので読んでいただけませんか”と伝えました」瀬戸山自身も、自らが戯曲を書く作品で現実の事件を扱うことがある。『あの出来事』を読んで、自分の追うテーマとの共通点を感じたという。「デイヴィッド・グレッグの興味のあるところが自分と近いな、とまず思いました。大きな出来事があって共同体がどう変化し、その中で個人がどうなるのか。その、再生の一歩を踏み出すまでのささやかだけど大きな戦いがこの作品には描かれている。あと、デイヴィッドとは物事が起きたときにすぐ反応するところが似ていると思います。2011年に起きた事件を2013年の時点で戯曲化している。批判もあると思いますが、やらなくてはという衝動と、それをきちんとフィクションの中に落とし込んでいるところがいい、私もこんなふうにできたらと思います」役者はたったふたり。生き残った合唱団の女性指導者・クレアと、犯人である少年。他にもさまざまな役柄が登場するが、そのすべてを少年役が演じることとなる。「日々発見のある戯曲です。とくに少年の演じる複数の役は外側から作ってみたり、内面を掘り下げてみたり……。なぜさまざまな役をひとりで演じるのかについてはいろんな解釈があります。ひとりの人間にいろいろな面があるともとれるし、クレアから見るとすべての人が少年に見えるともとれる。そういう存在を生身の人間が演じるってとても難しくて、ぎりぎりまで試行錯誤をしています」ある出来事に直面する女性・クレアを演じるのは南果歩。「事件前のクレアのオープンな感じが、果歩さんのポジティブさと重なる。クレアは大きい出来事によって傷を負い、そこから心の旅をしていくことになります。色んな経験を経て怒りや悲しみ、憎しみをくぐり抜けるという姿を、果歩さんは実感をもってやってくださる。こんなにぴったりのキャスティングはないと思います」少年役は、さいたまネクスト・シアター出身で蜷川幸雄のもと多数の作品に出演している小久保寿人。「正直言って、小久保さんは今、悩んでいます(笑)。でも悩まなくてはできない役だと思います。いろんな人物をただ声色や雰囲気で演じ分けるのではなく、ひとりひとりの背景をどこまで想像できるかの勝負だなと思って、稽古場でひとつひとつの役について全員で考えています。その分プレッシャーも大きくなると思いますが、まっすぐな方なので、とにかく一生懸命考えて毎日新しいものを持ってきてくれるんです」役者はふたりだが、この作品でもっとも特徴的なのは合唱団が登場すること。「上演地の合唱団が出ること」が上演の決まりとしてあるのだ。今回は既存の合唱団に依頼するのではなく、オーディションを行って今作のための合唱団を結成した。「条件は“楽譜が読めること”だけ。200人も応募してくださって、面白い方がたくさんいたので30人を選ぶのはたいへんでした。結果、プロの方もカルチャーセンターで合唱をしている方も、20代から70代までが集まりました」合唱団は歌詞を通じてふたりのキャストに訴えかけるなど、歌担当だけではない存在感を見せる。「彼らが舞台上にいることの持つパワーがとても大きいですね。合唱団が入ることで見え方がまったく変わったり、シーンの意味がわかったりもするんです」関わる全員で物語に対峙しながら、少しずつこの作品を形づくっている瀬戸山。「なぜこの事件が起きたのか、この事件に遭遇したときにどうあるべきか……。答えのない問題を、観ている間観客の方も考えることになると思います。分かり合えない人とも一緒に生きていくということについて考えつつ、前向きな気持ちで観終えられる作品にできたらと思っています」新国立劇場 小劇場にて11月26日(火)まで上演。取材・文:釣木文恵
2019年11月13日小沢健二が本日11月13日、ニューアルバム『So kakkoii 宇宙』をリリースする。90年代の『今夜はブギー・バック』や『カローラIIにのって』をはじめとした名曲を世に送り出した小沢健二。2010年代になってもマイペースながら、クリエイティブな活動を続けている。発売される『So kakkoii 宇宙』は、小沢にとって2006年発売のインスト作『毎日の環境学』から13年ぶり、歌唱作としては2002年の『Eclectic』以来17年ぶりのアルバム。今年の4月にYouTubeに意味深な予告動画を配信したこともニュースになった。アルバム収録曲『彗星』の2種類のミュージックビデオも公開中。1本は小松真弓監督によるフルサイズの映像で、小沢と息子の“りーりー”が出演し、さまざまな視点がめまぐるしく入れ替わる意欲作だ。もう1本はハロウィーン直前に奥山由之監督のTwitterのみでサプライズ公開され、すでに200万再生を記録しているショートサイズのビデオ。こちらでは多数の仮装キャラクターとともにユーモラスなダンスを踊る小沢の姿を見ることができる。そのほか、アルバムには既発のシングル曲に『いちごが染まる』『高い塔』『失敗がいっぱい』『薫る(労働と学業)』といった新曲4曲を加えた全10曲が収録される。アルバムのアートワークは小沢自身がAdobe Illustratorを駆使して制作しており、歌詞をすべて銀箔で型押しした独自仕様のジャケットと歌詞カードは過去に例のないユニークかつ大胆なデザイン。その仕上がりはぜひ店頭で現物を手にして確かめてもらいたい。■発売情報小沢健二『So kakkoii 宇宙』11月13日リリース<収録曲>01. 彗星02. 流動体について03. フクロウの声が聞こえる(魔法的オリジナル)04. 失敗がいっぱい05. いちごが染まる06. アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)07. 神秘的08. 高い塔09. シナモン(都市と家庭)10. 薫る(労働と学業)
2019年11月13日大森靖子が13日、新木場Studio Coastで「超歌手大森靖子2019 47都道府県TOUR“ハンドメイドシンガイア”」を開催する。独特な歌詞世界と感情を爆発させるパフォーマンスで個性を放つ大森靖子。現在もメジャーデビュー5周年を記念して「超歌手5周年ハンドメイドミラクル5!」と題した5つの大きな企画を行うなど、充実した活動を続けている。その彼女が今年の6月にスタートさせた自身最大規模の全国ツアーが「超歌手大森靖子2019 47都道府県TOUR“ハンドメイドシンガイア”」。2パターンのバンドが準備されるなど、ユニークな演出で各地を盛り上げてきた。今夜は5カ月に渡ったツアーの振替公演を除いた千秋楽。本日のバンドメンバーはギター・畠山健嗣、あーちゃん、キーボード・sugarbeans、Hyper・サクライケンタ、ベース・えらめぐみ、ドラムス・ピエール中野となっている。なおゲストとして峯田和伸(銀杏BOYZ) とrikoの参加も発表されている。どんなステージが展開されるのか、期待が高まるばかりだ。■公演情報「超歌手大森靖子2019 47都道府県TOUR"ハンドメイドシンガイア"」日時:11月13日(水)開場18:00/開演19:00場所:新木場STUDIO COAST
2019年11月13日11月16日(土)よりスタートするWOWOW『連続ドラマW 引き抜き屋 ~ヘッドハンターの流儀~』に、乃木坂46の新キャプテン秋元真夏がレギュラー出演する。このドラマは松下奈緒を主演に迎え、『犯人に告ぐ』『検察側の罪人』などの小説で知られる雫井脩介によるヘッドハンティング業界を描いた注目作を、『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の西浦正記監督の手により新たに映像化したもの。内田有紀、小手伸也、渡部篤郎など個性派俳優たちによる駆け引きが見どころの、痛快なビジネスエンタテインメント作品に仕上がっている。このドラマで秋元は、松下演じる新米ヘッドハンター鹿子小穂が務めるヘッドハンティング会社・フォルテフロースの秘書・所美南(ところ・みなみ)役に挑戦。場の空気を良い意味で和らげてくれるムードメーカー的役割を見事に果たしている。「美南ちゃんは仕事をテキパキやるんですけど、終わらせてからはプライベートな時間を大事にするタイプ。だけど、服装もあんまり秘書っぽくなくて、会社のデスクにも小顔ローラーとか仕事に全然関係ないものをたくさん置いているんです。切り替えがはっきりしている子なのかなと思っていて、ここは入っていくべきじゃないなってときはあえて口を出さず、スッとお茶を出したりとかできる気遣いの子かなと解釈しています。ビジュアル的にはメガネをかけているんですが、実はデスクに8個ぐらい入っていて、その中から付けたいときは付けて、付けたくないときは付けない。別に視力が悪いわけではなくて、気分で秘書スイッチを入れるために付けたりするのかな」そう自分の役柄を解釈する秋元は、『引き抜き屋 ~ヘッドハンターの流儀~』の台本を最初に読んだとき、新鮮な気持ちで物語と接したという。「まったく関わってこなかった世界ですので、ヘッドハンティング業界自体のことも分からない。そもそも18歳のときに乃木坂46に入ったので、アルバイト経験もなく、会社がどういうものかもよく知らないので、最初はこの状況がちょっと想像しにくかったんです。でも、他のドラマや映画では会社や企業のお話を目にしたことがあったので、そういうものを参考にしながら読み進めていったら、すごく面白いストーリーだなと感じました」もちろん秘書という職業と接するのも、これが初めての経験。実は乃木坂46での現在の立ち位置と近いものがあるのでは?と、彼女は言う。「秘書には憧れがあったので、ここで経験できてうれしいです。もともと人の世話をするのが好きですし、グループの中でもそういう立ち回りを自らすることが多いので、合っているのかな?でも、やりすぎたらやりすぎたでメンバーが鬱陶しいと思うかもしれないので(笑)、そこはほどほどに、過保護にならないようにしなくちゃいけないなと思っています」撮影現場では自身が最年少だったとのことで、共演者やスタッフから気遣ってもらうことも多かった。「内田有紀さんに話しかけていただいたりしました。皆さん本当に優しくて、撮影の合間にちょっとお話をしたり、お弁当を一緒に食べたりしました。演技に関しては、特に監督さんがいろいろ教えてくださって。そもそも演技経験が少なかったので、最初は現場に入ると常に緊張していました」バラエティ番組ではグループを離れてひとりで活躍する機会が多い秋元だが、今回のように演技の仕事で外の現場に挑むのは初めての経験。改めて、バラエティとの向き合い方と何が違ったのか尋ねてみると。「バラエティでは“よし、今日も爪痕を残さなきゃ!”って意気込んで行くことが多くて。急に話を振られるとアドリブで返さなくちゃいけないことがほとんどなんですけど、ドラマの場合はそういう瞬発力とは違って、現場に行くまでに準備を終えておく必要があるんです。そういう本番までの過程が全然違うなと思いました。なので、今までの経験をそのまま活かせるかというとそうでもなくて。逆に活かせることがあるとしたら、人間関係の築き方とか現場での人との接し方ぐらいかなと」「撮影では、会社での美南ちゃんの存在の仕方が最初は難しくて。デスクに向かってパソコンで作業しているときだけでなく、それ以外のときって何をしているんだろう?とか、基本的なことが分からなくて困りました。すると、監督さんが“美南ちゃんは自分の作業が終わったら好きなことをしていていいから”とアドバイスをくれて。そこからはデスクにある小顔ローラーを勝手に使ったり肩を叩いたり、ちっちゃい黒板に文字を書いて“タピオカを買いに行ってきます”って書いたりと(笑)、すごくやりやすくなって助かりました」このドラマの撮影後、彼女は舞台『サザエさん』(9〜10月、東京&福岡で上演)に出演。初めて演技の仕事が相次いだが、映像と舞台の大きな違いも認識したという。「ドラマだと画面で伝わるようにお芝居をしようと思ってたのですが、その感覚で舞台の現場に行ったら、稽古初日からめちゃめちゃ怒られました(苦笑)。それはすごく真っ当なことを言われたわけであって、何も知らなかった、できていなかった自分の責任。しかも怒られ慣れていなかったのもあったし、そういうすべてが悔しくて、あとで泣いてしまったんです(苦笑)。でも、藤原紀香さんや高橋恵子さんたちにいろいろ教わったことで、また成長できたのかなと思います。ドラマや舞台を経験して改めて感じたのは、やったことがなかったから食わず嫌いみたいなところがあったのかなって。自分では“ダメ、できない!”と思い込んでいたけど……できているかどうかは分からないですけど、違う人になれること自体はすごく楽しい経験でした。もし今後、また演技を経験できるなら、今度はアイドルの自分を強めたようなぶりっ子で、女の子に嫌われそうな女の子をやりたいです。私、アイドルが大好きなせいもあってか、もっと極端な役をやってみたいんです!(笑)」では、今回の登場人物の中でなら、どの役を演じてみたいか?と聞いてみた。「(内田有紀演じる)渡会花緒里(わたらい・かおり)さんですね。できる女性、キャリアウーマンって感じで、しかも色気もあるし、本当にカッコいいんですよ!私とは対極にいる気がするので、そういう女性に憧れますね。実際の内田有紀さんも素敵な方で、撮影のセッティングをしているときにみんなに話を振ったり、ちょっとふざけてみたり、スタッフさんをちょっといじってみたりと、現場におけるムードメーカーみたいな方で。そういうところが好かれる理由なんだろうなと実感しました」改めて、前キャプテン桜井玲香の卒業を受けて乃木坂46の2代目キャプテンとなった今、こういったソロの現場での仕事との向き合い方に変化はあるのかについても質問した。「今まではいちメンバーとして、個人として良く見られたい、思われたいという気持ちが強かったし、それがグループの印象にもつながると思っていたんですが、最近はそういう思いがより強くなっている気がします。例えば、外の現場に行ったら真っ先に挨拶をしますし、そういう当たり前のことの積み重ねがグループのイメージにつながっていくのかなと思うんです。なので、お仕事に対する責任感や向き合う姿勢はよりシビアになったんじゃないかな。最近は1期生の卒業が続いていますし、そうしたときに抜けたメンバーが増えても困らないグループを作りたいと思っていて。私だけじゃなくて、後輩たちにもその自覚を持ってもらえたらうれしいなと思いますし、自分たちが背負っていくんだと意識してもらいたいなと。今までは先輩がいたから、先輩が引っ張っていくのが当たり前だし、逆に先輩より前に立つのが失礼だと後輩は思ってくれていたんじゃないかな。でも、これからは(山下)美月や与田(祐希)ちゃんや(大園)桃子といった子たちが前に並んだときに“私たちが乃木坂46です!”とはっきり言えるぐらい、先輩を気にせずに伸び伸びとやってほしいです」そんな彼女の後継者となるような“ポスト秋元真夏”的メンバーは誰か?と投げかけてみると、3期生の山下美月の名前が挙がった。「根性があるし、真剣にやるところは真剣に、ふざけるところはふざけてとオンオフの切り替えがしっかりできる。しかも、ファンの人のツボも分かっているので、アイドルとして素晴らしいと思うんです。そういうところが私は大好きなので、ぜひともその個性を伸ばしてもらいたいなと思っています(笑)」取材・文:西廣智一撮影:源賀津己ヘアメイク:小坂知未スタイリスト:鬼束香奈子衣装協力:Lara Flamingo(03-3372-8194)、Bridget Birkin(03-3874-6320)WOWOW『連続ドラマW 引き抜き屋 ~ヘッドハンターの流儀~』11月16日(土)より毎週土曜日夜10時放送(全5話)
2019年11月12日『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でオスカーを受賞した特殊メイクアップアーティスト、辻一弘氏が、再びアワードシーズンで大健闘しそうだ。この12月に北米公開となる『Bombshell』で、彼はメイクアップアーティスト&ヘアスタイリスト組合賞(MUAHS)にノミネートされたのである。彼が担当したのは、シャーリーズ・セロンを有名なキャスター、メーガン・ケリーに変身させる特殊メイク。今回のクレジットはKazu Hiroになっている。この部門のほかの候補は、『ロケットマン』『キャプテン・マーベル』『アイリッシュマン』『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり』。MUAHS授賞式は来年1月11日。文=猿渡由紀
2019年11月12日11月9日、10日の全国映画動員ランキングは、アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトンが再集結した『ターミネーター:ニュー・フェイト』(全国378館)が初登場で首位を飾った。先週トップの『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(全国352館)は公開2週目は2位に。人気キャラクター“すみっコぐらし”初の劇場版アニメ『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』(全国114館)は初登場3位に入った。公開6週目の『ジョーカー』(全国329館)は先週2位から4位に。公開2週目の『マチネの終わりに』(全国324館)は先週3位から5位になった。そのほか新作では、長月達平の人気ライトノベルをテレビアニメ化した第1期の前日談を描く『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』(全国79館)が初登場6位に。佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、田中裕子らが出演する『ひとよ』(全国268館)は初登場7位になった。次週は『i-新聞記者ドキュメント-』『アイリッシュマン』『エンド・オブ・ステイツ』『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』『影踏み』『殺さない彼と死なない彼女』『地獄少女』『ブライトバーン/恐怖の拡散者』『ベル・カント とらわれのアリア』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『ターミネーター:ニュー・フェイト』2位『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』3位『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』4位『ジョーカー』5位『マチネの終わりに』6位『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』7位『ひとよ』8位『世界から希望が消えたなら。』9位『マレフィセント2』10位『冴えない彼女の育てかた Fine』
2019年11月12日“超実写版”『ライオン・キング』が、早くも12月4日(水)にMovieNEX(4,200円+税)と4K UHD MovieNEX(6,000円+税)で発売開始。この度、MovieNEXに収録されるボーナス・コンテンツの中から、あの名セリフであり名曲である『ハクナ・マタタ』のメイキング映像が公開された。ディズニー・アニメーション史上No.1の全世界観客動員数を記録し、世代を超えて世界中の人々に親しまれてきた不朽の名作『ライオン・キング』。今回の“超実写版”は、実写もアニメーションも超えた唯一無二のエンタテインメントとして、25年の年月を経てスクリーンに新たに登場し、圧倒的映像美と心に響く名曲の数々が、世界中を大きな感動で包んだ。『ライオン・キング』と言えば“ハクナ・マタタ”と思い浮かぶくらい名セリフとなっているこの言葉は、スワヒリ語で“問題ない”、“心配いらない”といった意味を持ち、ミーアキャットのティモンとイボイノシシのプンバァが歌う歌の曲のタイトルとしても有名だ。公開となった映像では、ティモンのボイスキャストを務めたコメディアンのビリー・アイクナーが、アニメーション版からお馴染みの有名な合言葉のイメージを変えたくないと思いつつも、「僕たちの色を出したい気持ちもあった」と、本作に臨む気持ちを明かしている。そして、その気持ちを汲んだジョン・ファヴロー監督は、「少し歌詞を変えてみようか」とアドバイスし、“超実写版”となった本作ならではのアレンジを加えながら作り上げていく様子が収められている。さらにプンバァのボイスキャストを務めた俳優兼コメディアンのセス・ローゲンは、アイクナーとの掛け合いを楽しみながら身振り手振りで役になりきっており、ふたりのアフレコ姿をみていると、本編で見られる息の合った2匹の映像が自然と思い浮かぶはずだ。また、日本語吹替版を担当したのは、お笑い芸人ミキの亜生と、司会やタレント、俳優などマルチに活躍する佐藤二朗。あわせて到着した本編クリップ映像でも、日本語で話すティモンとプンバァのコミカルな掛け合いと、歌手顔負けの歌声を聞くことができるので、こちらも要チェックだ。『ライオン・キング』『ライオン・キング MovieNEX』4,200円+税『ライオン・キング 4K UHD MovieNEX』6,000円+税『ライオン・キング MovieNEXコレクション(期間限定)』8,000円+税12月4日(水)より発売11月20日(水)より先行デジタル配信開始
2019年11月12日映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』に登場し、重大な役割を果たした、スカーレット・ヨハンソン演じる人気キャラクター、“ブラック・ウィドウ”。その単独映画となる『ブラック・ウィドウ』が、2020年5月1日(金)に、日米同時公開されることが決定した。描かれるのは、万能な戦闘スキルとタフな精神を身につけた、世界最高のエージェントにして超一流の暗殺者ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフの謎に包まれた過去と秘密。強さと美しさを兼ね備えた彼女に秘められた謎……。そして『アベンジャーズ/エンドゲーム』の選択の裏に隠された背景が、ついに明かされることになるという。まだ本作についての情報は、多く出されているわけではないが、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギらによると、『シビル・ウォー/キャブテン・アメリカ』の直後の時代を背景に、ナターシャの因縁の地であるブタベストが舞台のひとつとなること、また、新キャラクターでありナターシャの妹分とされているエレーナの登場などが明かされている。さらに、2019年8月にアメリカ・ロサンゼルスで開催されたディズニー・ファンの祭典D23で配布された、本作の限定ポスターが、11月22日(金)〜11月24日(日)に開催される、“東京コミックコンベンション 2019”のマーベルブースにて、限定6,000枚の日本初配布が決定された。限定ポスター (c)2019 MARVEL赤を基調としたビジュアルの中央にたたずむのは、新たなグレーのコスチュームに身を包んだブラック・ウィドウ。両手には棒状の武器を携え、赤いリッブと正面を見据えた視線が印象的だ。さらに、今作のメインの敵となると言われる謎のヴィラン、タスクマスターの姿も、背後に不気味に登場している。タスクマスターは原作コミックで、見たもの全てを瞬時にコビーできるという能力を持ったキャラクター。ブラック・ウィドウのおそろしい脅威になりそうだ。また、ボスター左右にはさらなる新キャラクターたちの横顔が。右側に描かれる、マスクをかぶったキャラクターは、『ストレンジャー・シングス』のデヴィッド・ハーバーが演じるレッド・ガーディアンだ。そしてさらに、アカデミー賞女優レイチェル・ワイズも顔を並べている。彼女は以前、本作出演に関して、自身の役柄を「ブラック・ウィドウである」と語っており、その発言の真意は、いまだ謎に包まれている。『ブラック・ウィドウ』2020年5月1日(金)日米同時公開
2019年11月12日イギリスの演出家、ジョン・バートンと翻訳家のケネス・カヴァンダーが10本のギリシャ悲劇をひとつの長大な物語に再構成した『グリークス』。三部構成、上演時間は約10時間にも及ぶ演劇史屈指の大作に、杉原邦生率いるKUNIOが挑む。「大学生の時にNHKの放送で、2000年に蜷川幸雄さんが演出した『グリークス』を観たんです。それが本当に衝撃的だったんですね、“こんな長くて面白い演劇があるんだ!”と。その時からいつかやろう、と思ってました。ただ今回、“やるんだ”という話をしたら、周りからは最初“バカじゃないの?”と言われましたけど(笑)」これまでKUNIOでは『エンジェルス・イン・アメリカ』の連続上演、木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談―通し上演―』『三人吉三』など長時間に及ぶ作品を数多く手がけてきた。「長尺物ではベテランの粋ですね」と杉原も笑うが、そういう大作をあえて手がけるのは“長時間の作品でしか描けないもの”があるから。本人の言葉を借りれば、「大きな演劇」……つまり「時間や空間、物量など物理的な〈大きさ〉の上に、物語としての〈大きさ〉をあわせ持った演劇」。「この作品で、10時間かけて描かれていることは“神”だと思うんです。“神”って、もともと人間が作り出したものなんですよね。でも、願い事があれば神様に祈って、不幸なことがあると神様のせいにする。その存在に対して人間はときに怖がり、ときに寄り添う……そういう態度の変化によって、神という存在が人間にとってどういうものであるか見えてくる。それにはやはり、10時間かけないとダメなんです」日本に生きる私たちにとって、ギリシャ神話やギリシャ悲劇というものは少しピンときづらいかもしれない。しかし杉原は「逆に、日本人の方がすんなり受け入れられるんじゃないかと思うんですよ。“八百万の神々”という概念に似ている気もするし、いい意味で“いい加減”(笑)なところが日本人に合う気がする。共感できる部分が多いんじゃないかな」と語る。また、今作の上演はすべて新たな訳で行われるという点にも注目したい。翻訳を担当した小澤英実と、一言一句に至るまで言葉のニュアンスを精査していったという。かといって、いかにも現代風にくだけた、わかりやすい言葉になっているというわけではない。「間口を広げるとか、分かりやすくすることって、すべてを現代の僕たちの日常的感覚に下ろしてくるということではないと思うんです。だから、今回の作品も“古典”でありたいんです。入り口でいかに物語世界に入りやすくするか、そこは僕が演出でやりますから。あくまでもギリシャ悲劇である、という前提は崩したくないんですよ」現在、新橋演舞場では市川猿之助と共に演出を担当したスーパー歌舞伎II『新版 オグリ』も上演中。歌舞伎という他ジャンルの創作現場での経験も、おそらくこの作品には濃密にフィードバックされることだろう。ちなみに取材当日は、東京でのプレビュー公演を終えたあと。「まだまだブラッシュアップしていきたいです」と言いつつも、手応えはしっかりと感じているようだ。「これだけの時間、劇場にいるということがひとつの“体験”。だからお客さんにはぜひ通しで観てもらいたいと思ってます。ただ、そのためにはお客さんに飽きさせないために、演出的な“波”を何層も作らないといけない。そこは本番までにまだまだ調整していきます」杉原いわく、ギリシャ悲劇は“一大エンタテインメント”。「テレビも映画も何もない時代に、みんなで集まって演劇を観たわけです。だから娯楽として最高のものすべて詰まっている。そのことを感じてもらいたい。あと、これは僕の持論なんですけど、例えば災害とか起きても今は科学や情報が解決しくれますよね。でも昔はすべてが謎で、そのために“神”という存在を人間が作り出した。その存在を確固たるものにするために物語が必要で、神話が生まれて、演劇が生まれた。だから僕たちが生きて行く上では、ドラマが、物語が必要なんだと。そういうことをこの作品から感じて帰ってもらえたら」それはイコール、私たちには「演劇」が必要だということでもあり。遥か紀元前の物語から、今も変わらぬそのことを実感してみようではないか。11月10日の京都芸術劇場 春秋座での公演に続き、11月21日(木)から30日(土)までKAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオで上演される。取材・文:川口有紀
2019年11月12日日本に古来より伝わる神話を題材に、観客の想像力を大いに刺激する劇団カムカムミニキーナの最新作『両面睨み節~相四つで水入り』 が11月14日(木)に東京・座・高円寺1で開幕する。松村武率いる同劇団の舞台は油断ならない。ただ席に座ってぼんやりと眺めるだけでは、その醍醐味のすべてを味わったとは言い難い。近年の松村作品で、主に題材となるのは日本の神話と歴史。長い時間かけて語り継がれた、つまり時間に裏打ちされた物語と、今現在を生きる私たちとを結ぶ線を、松村はくっきりと舞台上に描いてみせる。今回描かれるのは、日本書紀に少しだけ出てくる怪物「両面宿儺(りょうめんすくな)」。岐阜県の飛騨地方に伝わる伝説で、公演のチラシによれば「頭一つに顔二つ、四本腕に刀を掲げ、足に膝裏、踵なし」なのだとか。右から左から、前から後ろから、がっぷり4つで取っ組み合ってきた人間たちの歴史が、現在の両国国技館とまっすぐに結ばれる。物語の起点は、ある日の国技館だ。心臓発作で倒れた行司を救護するため、土俵に上がった女性医師に世間の目は殺到。医師はそのとき、タイムトンネルとなっていた土俵の底で、自らが2000年以上前、飛騨の湖に巣食っていた龍女であったことを悟る……。客演に迎えるは、ラサール石井。軽妙な喜劇を知り尽くした彼が、神話的世界でどんな存在感を見せるか注目だ。また、八嶋智人や藤田記子ら、凄腕劇団員勢もその腕力を発揮する。遠い昔、人々がのたうち回ってきた歴史が、今を生きる私たち自身に重なって響く演劇体験をぜひ。11月24日まで座・高円寺1、11月30日(土)から12月1日(日)まで大阪・近鉄アート館で上演。文:小川志津子
2019年11月12日FANTASTICS from EXILE TRIBEが11月12日、オリンパスホール八王子で「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE」を行う。今年に入ってからシングル『Flying Fish』『Dear Destiny』とテンポよくリリースし、12月には最新作『Time Camera』もスタンバイしているFANTASTICS。その彼らが10月から11月にかけて行っている、12都市17公演の全国ツアーが「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE」だ。タイトルの通り、通常のライブとは違う、音楽と演劇による新たなエンタテインメント公演。さまざまな仕掛けが施されているライブということもあり、終演後の「ネタバレ厳禁」がここまで徹底されているが、はっきりと言えるのは、メンバーと観客が一体となることができる公演ということ。全国ホールツアーも本日を含めて残り3会場。本ツアーを通してさらなる成長を遂げているFANTASTICSに今後も要注目だ。■公演情報「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE」日時:11月12日開場17:00/開演18:00場所:東京 オリンパスホール八王子11月14日(木)新潟 新潟県民会館11月20日(水)神奈川 パシフィコ横浜 国立大ホール11月21日(木)神奈川 パシフィコ横浜 国立大ホール
2019年11月12日2009年に処女作『If There Is I Haven’t Found It Yet』でジョージ・ディヴァイン賞を受賞し、その後『Constellations』がウエストエンドやブロードウェイで高い評価を得たほか、日本でも『星ノ数ホド』の邦題で上演された劇作家ニック・ペイン。今夏には最新作『A Life』がジェイク・ギレンホール主演によりブロードウェイで上演された、このイギリスの若手注目株が2014年に発表した『インコグニート』が、本日11月12日より劇団俳優座によって日本初演される。3つの異なる時空を目まぐるしく行き来しながら展開される、“脳と記憶とアイデンティティにまつわる物語”だ。1955年のアメリカで、アインシュタインを検死解剖し、その脳を持ち出した病理学者トーマス・ハーヴェイ。1953年のイギリスで、脳手術を受けて記憶障害を起こし、神経科学の歴史を永遠に変えることになった脳疾患者ヘンリー・メゾン。そして現在のイギリスで、離婚を機にまったく違う人生を選択しようとしている、臨床神経心理学者のマーサ。人間を人間たらしめているものは何なのか、記憶が人格を形成しているならば、記憶を喪失しアイデンティティが崩壊したとき我々は何者になるのか……それぞれの世界で悩み苦しむ彼らの姿を通し、根源的な問いを投げかける。21人の登場人物を、たった4人の俳優(安藤みどり、志村史人、保亜美、野々山貴之)が演じ分ける趣向にも注目だ。東京・六本木の俳優座5F稽古場にて11月24日(日)まで上演。文:町田麻子
2019年11月12日スペインのカタルーニャ自治州の州都であるバルセロナの魅力を伝える展覧会『奇蹟の芸術都市バルセロナ展』が、静岡市美術館で11月15日(金)から2020年1月19日(日)まで開催される。新大陸との貿易や産業革命により、18世紀後半以降、経済的に発展した都市バルセロナ。19世紀後半、中世の様式や同時代であるフランスのアール・ヌーヴォーなどの芸術運動と結び付き、「ムダルニズマ」と呼ばれる芸術様式が生まれた。こうした中で、ガウディ、ピカソ、ミロ、ダリといった芸術家たちは、バルセロナで活躍した。今回の展覧会は、日本初公開を含めた約130点の作品で、バルセロナの歴史と文化の発展をたどる。6章から成る展覧会場は、実に多様なジャンルな作品が並んでいる。バルセロナは、19世紀から20世紀初頭にかけて近代化し、さらに国際都市となっていった。その発展を第1章、第2章の会場で展示される絵画、書籍、ブルジョワたちが芸術家に注文した家具や宝飾品から読み取ることできる。続く第3章では、ラモン・カザス、サンティアゴ・ルシニョルに焦点を当てる。パリを行き来した彼らの活動、その後生まれた「ムダルニズマ」と呼ばれる芸術様式を紹介する。さらに第4章で、当時開店したカフェ兼レストラン「四匹の猫」に注目。ここで初個展をしたピカソや、同時代の芸術家の作品が展示される。第5章、第6章では、ミロやダリといった、20世紀にバルセロナで活躍した芸術家や、前衛的な芸術活動を展覧する。こうした近代カタルーニャ美術を紹介する展覧会は、日本では約30年ぶりとなる。この展覧会を通じて、バルセロナの文化だけでなく、街の魅力も感じ取ることができるだろう。フランセスク・マスリエラ《1882年の冬》1882年カタルーニャ美術館 (c)Museu Nacional d’Art de Catalunya, Barcelona (2019)アントニ・ガウディ(デザイン) カザス・イ・バルデス工房《カザ・バッリョーの組椅子》1904-06年頃カタルーニャ美術館(サグラダ・ファミリア建築委員会から寄託) (c)Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Famíliaサンティアゴ・ルシニョル《青い中庭》1892年頃ムンサラット美術館 (c)Museu de Montserratラモン・カザス《影絵芝居のポスター》1897年マルク・マルティ・コレクション (c)Marc Martí Col·leccióシャビエ・ヌゲース、フランセスク・ケー《レストラン「カン・クリャレタス」のタイル壁画(サルダーナ)》1923年バルセロナ・デザイン美術館 (c)Barcelona Design Museum
2019年11月12日東京・京橋の国立映画アーカイブで本日から特集「サイレントシネマ・デイズ 2019」が開催される。映画史の初期に製作された貴重なサイレント映画を上映する。映画が誕生して間もない頃は、多くの映画が製作され人々の人気を集めていたにも関わらず、フィルムを丁寧に保存して後世に残す必要や重要性はそれほど認識されておらず、戦争や自然災害も重なって重要な作品の多くが散逸している。近年は多くの国で映画保存が積極的に行われており、発掘されたフィルムをもとにした復元作業も活発だ。そこで本特集では6か国から集まった貴重なサイレント映画を弁士の説明や生演奏付きで上映。映画史初期の映画の魅力を堪能し、フィルムを次の世代に渡すことの大切さを感じられるはずだ。注目はフィルムアルヒーフ・オーストリアによって復元された『ユダヤ人のいない街』の日本初上映。本作は長らく幻の作品として失われたままだったが、近年フィルムが発見され復元版がつくられた。今回はオリジナルに最も近いバージョンをDCPで上映。2回の上映が予定されているが両日とも上映前にはフィルムアルヒーフ・オーストリア技術部長の常石史子さんの解説がつく。その他の作品は国立映画アーカイブが所蔵し、丁寧に保管してきた作品で、いずれも1920年代の作品だ(全上映作品は下記参照)。なお、各日2回目の上映には弁士や生演奏がついており、弁士は坂本頼光が、生演奏は小林弘人、柳下美恵、新垣隆、神崎えり、坂本真理、長谷川慶岳が担当。『ユダヤ人のいない街』の17日の上映のみ、ゲルハルト・グルーバー氏のトリオによる即興演奏を収録したDCPで上映される。サイレントシネマ・デイズ 2019『エル・ドラドオ』(1921年/フランス)『ユダヤ人のいない街』(1924年/オーストリア)『曲馬團のサリー』(1925年/アメリカ)『トルブナヤ通りの家』(1928年/ソ連)『テンビ』(1929年/イギリス)『紅い剣士』(1929年/中国)11月12日(火)から11月17日(日)まで国立映画アーカイブ・長瀬記念ホールOZUで開催
2019年11月12日宅間孝行が作・演出・出演を務める「タクフェス」の第7弾、『流れ星』東京公演が11月13日(水)に開幕する。俳優や業界人にファンの多い宅間作品、今回は田中美佐子、飯豊まりえが初出演を果たす。同作は、2006年に初演、2009年に再演された劇団「東京セレソンデラックス」の代表作。今回はキャストを一新して、10年ぶりのお目見えとなる。物語の舞台は、高度経済成長期真っ只中の昭和45年、東京。人と人とが、まだかろうじて、人情でつながっていた時代だ。宅間のコメントによると「愚直な、不器用な古き良き日本人の姿に、グッとくることと思います」とのこと。東京の片隅にある古びた下宿屋「徳秀館」を営む星野謙作(宅間)と夏子(田中)夫婦の仲は冷え切っていた。ある日、謙作が出先で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまう。その初七日を終えた夜、魔法使いを名乗るマリー(飯豊)に導かれ、夏子は謙作と結婚をする前の時代にタイムスリップをすることに……。かけがえのない人の、かけがえのなさに気づく時、その人はもういない。身を切るような切なさは、きっと誰の胸をも打つことだろう。大切な誰かがいるのに、伝えたい言葉が見つからない。そんなあなたはハンカチを握りしめて劇場へ行こう。11月24日(日)までサンシャイン劇場、11月28日(木)から12月1日(日)まで愛知県産業労働センター ウインクあいち、12月4日(水)から8日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。文:小川志津子
2019年11月12日「ぴあ」調査による2019年11月8日、9日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、人気キャラクターが絵本の世界で不思議な冒険をする『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』が第1位になった。“すみっコぐらし”は2012年にリラックマなどで知られるサンエックス株式会社から発売された人気キャラクター。グッズ以外にも書籍化やゲーム化もされており、劇場版アニメは初になる。映画は、すみっこが好きな“しろくま”“ぺんぎん?”“とんかつ”“ねこ”“とかげ”などの個性的なキャラクターたちと、新キャラクターの“ひよこ?”が、吸い込まれた絵本の中で冒険を繰り広げる。劇場には大好きなすみっコたちに会いたい子どもたちが多く来場。出口調査では「ひよこすみっコが一番かわいかった」(6歳)、「しろくますみっコのブルブル震えているところが可愛くて好き」(8歳)など楽しそうな声も。中には「すみっコが泣いてるシーンがあってかわいそうだった。ずっと一緒にいてあげたかった」(9歳)、「だんだん感動するようなストーリーになってきて、泣いてしまった。せっかくの可愛いすみっコの前では泣かないようにしてたけど、ダメだった。すみっコの優しいところをたくさん見れてよかった」(10歳)、「すみっコがみんな優しくて感動しちゃった」(8歳)、「ひよこすみっコがさみしがるとみんなで助けてあげるところに感動した」(6歳)など感想をじっくり話してくれる子どもの姿もあり、すみっコたちの世界に夢中になった子どもたちから高い満足度を集めた。1位『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』92.1点2位『夕陽のあと』91.8点3位『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』89.0点4位『ターミネーター:ニュー・フェイト』87.3点5位『ラフィキ:ふたりの夢』85.6点6位『ひとよ』84.4点7位『国家が破産する日』83.8点8位『永遠の門 ゴッホの見た未来』82.7点9位『残された者-北の極地-』81.4点10位『グレタ GRETA』81.2点11位『スペインは呼んでいる』77.1点12位『マイ・フーリッシュ・ハート』67.1点(本ランキングは、11/8(金)、9(金)に公開された新作映画12本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2019年11月11日11月8日に公開された『ひとよ』は、劇作家・桑原裕子の同名舞台を、『孤狼の血』などで知られる白石和彌監督の手によって映画化した作品だ。降りしきる雨の夜。小さなタクシー会社を営む一家で事件は来た。家族に凄惨な暴力を振い続ける父に苦しめられる母と3人の子どもたち。子どもたちを守るため、母・こはる(田中裕子)は夫を殺害してしまう。事件はマスコミによって、センセーショナルに報道され、「一夜(ひとよ)」にして家族をとりまく環境は一変してしまう。そして15年後、3人の子どもたちは、それぞれの道を歩んでいた。事件の傷を抱えたまま。兄の大樹(鈴木亮平)は地元の電気店、弟の雄二(佐藤健)は東京でフリーライター、そして妹の園子は地元のスナックで働いている。鈴木亮平演じる長男の大樹は、吃音を抱えている寡黙な青年だ。兄妹の中で唯一、妻と子どもという「家族」を持っているが、それも崩壊寸前だ。そんなある日、刑期が終わってからも、姿を見せなかった母が、15年ぶりに家族のもとに帰ってきたーー。白石監督作品に初出演する鈴木。監督の手がける映画は“強さ”があると語る。「映画の“強さ”を持っている人だと思います。観客を飽きさせないような意志、エンタテインメント性を持っていますし、空気感や雰囲気で曖昧に押し通すのではなくて、芝居の付け方も“強い”というか。現場は監督やスタッフはリラックスした環境を演出するのが上手で、緊張感を求めるのではなく、役者が自然に実力を発揮できるような空間でした。ただ、そうなると役者の個人にかかってくるという責任はありますね」鈴木亮平といえば、『西郷どん』や『俺物語!!』などの、「気は優しくて力持ち」的な役どころのイメージがある。しかし本作の大樹は、内向的で自分の気持ちを上手く他人に、家族にすらも伝えることが出来ない。そして、いなくなったはずの父の影に怯え続けている、不器用な男なのだ。「役を作る上で、監督とはかなり話し合いを重ねました。実際に吃音症の方、先生ともお会いして勉強させていただいて、その上で監督と話し合いました。僕なりに役への解釈を伝えたりして、一部台本を変えてもらったりしたこともありました」大樹は、“溜め込んでしまう”役柄だと語る鈴木。 「これまでにも、内向的というか“静かな人”を演じることはあったのですが、今回は“溜め込んでいる”役なんですよね。言いたいことを口にせずに溜め込んでいく役は初めてで、新鮮な経験でした。吃音はもちろんのこと、事件の加害者の遺族でもあり、被害者の遺族でもある。虐待の記憶もあいまって、彼(大樹)は自分の感情を他人とシェアしない、できない人間になってしまった」家族という関係は、“絆”でもあり、それが“鎖”になってしまうこともある。鈴木は、大樹の不器用な生き方は“長男”という立場にも原因があると語る。「彼は長男で、親からの暴力を最初に受けた子どもです。上がいないから、自分ひとりの中で気持ちを処理するしかなかったんです。自分が殴られる原因もわからないし、反発すらできない。原作の舞台には、大樹の人差し指が曲がっているという設定があるんです。セリフなどで言及しているわけではありませんが、映画でもそこは残しているんです。よく見ると分かります。当初、その設定は映画ではなくそうという話もあったのですが、原作者の桑原さんとお話する機会があって、人差し指について尋ねたんです。“子どもの頃に親の暴力で指を脱臼してしまった。でもそれを言うと、また暴力を振るわれるから黙っていた”とおっしゃっていて。そこに大樹の生き方が集約されていると思って、クランクイン二日目くらいに監督に“あの設定、復活させてください”と、メールしたんです」大樹という役に対して、誠実に取り組んでいることが伺えるエピソードだ。兄妹のなかで、いち早く“家族”を作った大樹だが、それは“復讐”だという鈴木。「僕の中で、あれは、親父への復讐なんですよね。“自分は父親とは違う”という証明をしたくて。だからこそ、早く結婚して幸せな家庭を作りたかった。だけど、何が“幸せな家庭”なんて知らないから、上手く行かないんです。今でも父親を強烈に意識して生きている。おそらくは3人の子どもの中で1番。悲しいですよね」観る者の家族観に訴えかけてくるような本作。様々な立場によって、印象が変わってくる作品だ。「僕の友人で、離婚を経験した人は大樹の目線でしか、この映画を観ることが出来ないと言っていました。僕の周りでは、こはる、お母さんの目線の人も多かった。そういう方は“痛いほど気持ちがわかる。子どもたちはどうしてわかってあげないんだ”とおっしゃっていて。無論、雄二や園子の視点で観る人もいます。そういう映画ですよね。完全に分かり合うことは出来ないけれど、どこかつながっているのが家族なのかもしれないですね」『ひとよ』全国公開中撮影/奥田耕平、取材・文/藤谷千明
2019年11月11日11月8日(金)から公開中の映画『ひとよ』で父親を殺害した母親の長男を演じた鈴木亮平さんのサイン入りチェキを1名様に!応募はぴあ(アプリ)にて11月18日(月)まで受付中。ぜひご応募下さい!お申込みはこちら(dpia-app://marupi?isLocked=0&marupiId=39e7f65c-1792-4cf3-836d-b081b4f18d3d)
2019年11月11日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/11/11(月)イラストレーション:高松啓二この週末に公開の作品は26本(ライブビューイングを除く)。全国のシネコンで拡大上映されるのは『ブライトバーン/恐怖の拡散者』『エンド・オブ・ステイツ』『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』『影踏み』の4本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が22本です。この中から厳選して、おとなの映画ファンにオススメしたい4作品をご紹介します。『ベル・カント とらわれのアリア』渡辺謙が主演のハリウッド映画です。海外で絶賛される俳優という意味で、かなりさかのぼり『グラン・プリ』の三船敏郎を思い出しました。その三船以来のかっこよさ。この作品ではジュリアン・ムーアを相手に、しっとりとラブシーンも演じています。1996年にペルーで起きた「日本大使公邸占拠事件」。それに発想を得たベストセラー小説を映画化しています。南米某国。大型工場建設を計画中のホソカワという日本企業のトップが渡辺謙です。政府は誘致への接待として、彼が敬愛する世界的なソプラノ歌手ロクサーヌ・コスのサロンコンサートを副大統領邸で開きます。ここをテロリストが襲撃、占拠。事件は長期化します。映画は、実際の事件で「リマ症候群」と名付けられた心の動きを描いています。長い監禁状態で人質と犯人とのあいだに、気持ちが通い始めるのです。それは様々な国籍、立場の違う人質たち同士も同じです。そのきっかけになったのがコスが歌ったアリアでした。歌を勉強したいという兵士や、ホソカワの通訳ゲンに外国語を教えてほしいという女性兵士も出てきます。ふたりはやがて親密な関係になっていきます。ゲンを演じているのは、加瀬亮。彼も外国映画の出演が多い国際派です。公邸の外を軍隊が取り囲み、緊張した日々が続くなか、人質とテロリストはくつろいでサッカーまで始めるのですが……。コス役ジュリアン・ムーアの歌声の部分は、「当代随一のソプラノ」といわれるルネ・フレミングが担当。こちらも大きな「聴きどころ」です。『影踏み』山崎まさよしが扮する主人公真壁は「ノビ師」。業界用語で、深夜に人の家に忍び込み金品を盗む泥棒のことです。彼は、ステータスのある家を専門に仕事をしているのですが、地元警察からは「ノビカベ」の異名で呼ばれています。ある時、忍び込んだ県会議員宅で殺人放火未遂事件に遭遇します。そこになぜか彼を尾行していた刑事が居合わせ、逮捕されてしまうのです。不可解な事件です。2年後、出所した真壁は、納得できない事件の真相を調べ始め……。つまりこれは泥棒が探偵役というミステリーなのです。警察小説の名手・横山秀夫による同名小説の映画化です。横山原作ですからいつものように舞台は群馬。地方都市らしい警察、検察、裁判所などのダークな人間関係がからむ事件の謎と、真壁の、幼馴染の恋人久子との屈折したラブストーリーが並行して進みます。久子役は尾野真千子。他にも、真壁の母親役に大竹しのぶ、幼馴染でありながら真壁を追う刑事役に竹原ピストル、滝藤賢一や田中要次、鶴見辰吾など個性的な役者が出演。それぞれの人間群像や、幾層ものドラマが重なり合った、観ごたえのある作品になっています。北村匠海演じる真壁を慕う「弟分」の、影のような存在も気になります。そのあたり、リアルな犯罪ものというだけではありません。ファンタジーの味わいもあります。篠原哲雄は、森田芳光や金子修介作品の助監督をしながら、自主制作もてがけ、PFFで特別賞を受賞したこともある監督です。1996年の初長編『月とキャベツ』の主役が山崎まさよし。それ以来のコンビ復活です。『完璧な他人』イタリア映画『おとなの事情』はよくできたブラック・コメディで、どこかでリメイクされると思っていましたが、ついに韓国で作られました。これがいい感じ!です。新居祝いということで、月食の夜に、幼馴染の男友達4人がカップルで集まります。美容外科医と精神科医、弁護士と専業主婦、失敗を繰り返す事業家と若手の獣医、今はニートの元教師は同伴者なしといった顔ぶれ。同じ郷里の料理を楽しみ、ワインやマッコリ、チャミスルで宴が進みます。月食が始まるころ、ふとしたことがきっかけでゲームが始まります。スマホを皆テーブルの上に置き、これから着信する電話やメール全てを公開するというゲーム。自分は秘密なんてありません、と、半ばその場の空気に押され、このゲームを始めたのですが……。それぞれの家庭のお恥ずかしい事情とか、個人の密やかなお楽しみ事情などが次々と露見し、ウソがウソをよんで、月が見えなくなる頃にはパーティは修羅場となってしまったのです。『毒戦 BELIEVER』のチョ・ジヌンや『タクシー運転手〜約束は海を越えて』のユ・ヘジンなど、実力派の役者たちが繰り広げるドタバタ会話劇。感情表現の豊かさは、イタリアも韓国もピカイチです。東京は11/15(金)からシネマート新宿ほかで公開。名古屋は11/16(土)からシネマスコーレで公開。関西は11/15(金)からシネマート心斎橋で公開。『盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲』こんなインド映画は初めて。盲目を装ったピアニストが殺人事件を目撃した、というサスペンスコメディです。理由はともかく「装った」というのがミソ。結婚記念日のサプライズとして往年の映画スターに出張演奏を頼まれた主人公アーカッシュが、邸宅で「見た」のは妻とその浮気相手の警察署長、そして銃弾に倒れたそのスターでした。署長は、彼の目の前で、死体をこっそり他の場所に運び、別の殺人事件をでっちあげるのですが……。どんどん深みにはまっていくアーカッシュ。予測がつかない展開の連発です。偽装殺人、拉致監禁、臓器密売までからんでくるのですから。つっこみどころもいっぱいなのがまた魅力。踊りはありませんが、インドで大ヒット。インド人もビックリ、です。
2019年11月11日miletが本日11月11日、恵比寿LIQUIDROOMでワンマンライブ「milet first live“eye”」を開催する。miletは今年3月に1st EP『inside you EP』でメジャーデビューした、新進シンガーソングライター。カナダでの留学経験を活かした、英語と日本語を横断する楽曲と力強い声で急速に支持を得ている。また最新作『Drown/You & I』に収録された2曲はアニメ『ヴィンランド・サガ』エンディングテーマと花王「フレア フレグランス &SPORTS」CMソングにそれぞれ抜擢された。「milet first live“eye”」は彼女にとってデビュー後初の単独公演。すでに11月7日に大阪・梅田CLUB QUATTROでの初日を終えており、東京でのステージは更にブラッシュアップされたものになると予想される。miletの貴重な初の東京ワンマンにぜひ足を運んでほしい。■公演情報「milet first live “eye”」日時:11月11日(月)開場18:00/開演19:00場所:東京・LIQUIDROOM
2019年11月11日11月11日(月)〜15日(金)の5日間、大井競馬場では料理上手芸人として名高いキム兄こと木村祐一がプロデューサーを務めるグルメイベントとして、東京23区の絶品グルメが集まる「キム兄の東京23区グルメフェス〜23(にーさん)のオススメ!〜」が開催される。このイベントでは、キム兄がセレクトした東京23区の名店が特別出店するほか、各区の名産品が購入できる限定「メトロポリタンマルシェ」も同時開催される。中でも13日(水)にはプロデューサーである木村祐一が来場し、これまでに食べた数多くのグルメの中でも、特に「思い出深いグルメ」などをテーマにトークショーを実施する予定なので、当日参加できるグルメファンは必聴だ。また、当日行われる第11レースの「ハイセイコー記念」表彰式のプレゼンターも務めるという。さらに13日(水)と15日(金)の2日は先着1,000名限定で、キム兄のオススメメニューやマルシェで購入できる各区の名産品などが当たるスペシャル抽選会が行われる。ただし、こちらの抽選会では300円分以上の当日の大井競馬の未確定勝馬投票券(いわゆる馬券)を提示する必要があるが、大井競馬場には初心者の方にもスタッフが丁寧に教えてくれる案内施設、「ビギナーズカウンター」もあるので、競馬未経験の方もチャレンジしてみると楽しいかも。外出にぴったりのこの季節、秋空の下で友人や家族とキム兄オススメのグルメを味わって、東京23区の魅力を発見しよう!「キム兄の東京23区グルメフェス〜23(にーさん)のオススメ!〜」実施日:11月11日(月)〜11月15日(金)時間:開門〜最終レース発走まで(ラストオーダー20時30分)場所:ウマイルスクエア入場料:100円(競馬場入場料)出店店舗:・1.ヴィルゴビール(墨田区)オススメメニュー:4種ビール・2.お好み焼き いまり 五反田店(品川区)オススメメニュー:おかんねぎ焼き・3.スーパーホットドッグ(港区)オススメメニュー:スーパーホットドッグ・4.汁なし担担麺ピリリ(中央区)オススメメニュー:四川燃麺(しせんらんめん)・5.焼肉丼たどん(千代田区)オススメメニュー:カルビ丼・6.軍鶏の近江屋(江東区)オススメメニュー:軍鶏鍋・7.辛麺屋 ICHIRIN 渋谷店(渋谷区)オススメメニュー:辛麺・8.ido Bistro(新宿区)オススメメニュー:パイタンもつ煮込み【お好み焼き いまり 五反田店】おかんねぎ焼き【軍鶏の近江屋】軍鶏鍋【スーパーホットドッグ】スーパーホットドッグ【辛麺屋 ICHIRIN 渋谷店】辛麺
2019年11月11日神戸の人々から愛されている豚饅の魅力をさらにアピールするイベント「KOBE豚饅サミット(R)2019」が今年も開催され、11日(月)にオープニングセレモニーと先行販売が行われる。11月11日は“豚饅の日”で、今年も南京町広場横の曹家包子館でイベントのはじまりを告げるセレモニーを開催。先行販売も行われる。同日からはスタンプラリーやオリジナルメニューの販売も開始。16日(土)と17日(日)には南京町広場などでサミット限定オリジナル豚饅の販売が行われる。「KOBE豚饅サミット(R)2019」11月11日(月)オープニングセレモニー曹家包子館先行販売販売時間11時から17時まで(売切れ次第終了)老祥記×近藤亭きっしゅや、四興楼、三宮一貫楼、ケルン、イスズベーカリー11月11日(月)から17日(日)までKOBE豚饅サミット(R)ウィーク11月16日(土)から17日(日)までオリジナル豚饅の販売販売時間11時から17時まで(売切れ次第終了)大丸神戸店1階北側外廊、南京町広場、曹家包子館
2019年11月11日PR(#)『連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班』特設サイト特設サイト()大ヒットクライムサスペンス『殺人分析班』シリーズ待望の第3弾、『蝶の力学』がベールを脱ぐ!2015年の『石の繭』、2016年の『水晶の鼓動』に続き、大ヒットクライムサスペンス『殺人分析班』シリーズに待望の第3弾が誕生!木村文乃が主人公の女性刑事・如月塔子を演じ、好評を博してきた本シリーズの第3弾『蝶の力学』では、シリーズ史上最も難解な猟奇殺人事件が発生。塔子をはじめとする“殺人分析班”の面々が、事件の裏に潜む人間ドラマに迫っていく。第3弾から観ても十分楽しめる構成となっているが、シリーズの全貌を知っておけばスリルと感動が増すのは間違いなし!記念すべき第3弾をより深く理解し、登場人物たちの活躍を堪能するため、シリーズの魅力を改めてチェックしていこう。『殺人分析班』シリーズの軌跡&シリーズ第3弾『蝶の力学』の見どころ! ()トークイベントの詳細はこちら()お申込みはこちら(dpia-app://marupi?isLocked=0&marupiId=2f78be15-5eb1-47d9-a97a-b118b0aa0c08)応募資格:ぴあ(アプリ)で「ぴあニスト」登録されている方応募期間:11月25日(月)23:59までWOWOW『連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班』11月17日(日)スタート(全6話、第1話無料放送)毎週日曜夜10時よりWOWOWプライムにて放送原作:麻見和史 『蝶の力学 警視庁殺人分析班』(講談社文庫刊)脚本 :穴吹一朗音楽 :諸橋邦行監督 :内片輝(『連続ドラマW 石の繭 殺人分析班』『連続ドラマW 水晶の鼓動 殺人分析班』)出演 :木村文乃青木崇高渡辺いっけい北見敏之藤本隆宏小柳 友/神野三鈴勝村政信段田安則仲村トオル/菊地凛子:渡邉ひかる
2019年11月11日