チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (120/342)
歌手・女優の純名里沙が、ブラジリアン・スタイルの奏法で知られるギタリスト笹子重治のプロデュースでこの春リリースしたアルバム『う・た・が・た・り』。純名が「古語辞典から選んだ」というタイトルが表すとおり、柔らかい歌声で 物語の情景を浮かび上がらせる曲の数々は、リラックスしたい大人にぴったりの心地よさだ。8月に東京・名古屋・大阪でのコンサートツアーを控えた純名に、本アルバムに込めた想いを聞いた。【チケット情報はコチラ】日本語詩にこだわって収録した全12曲。そのうち7曲は、菅原洋一の歌でヒットした『奥さまお手をどうぞ』や、永六輔作詞・中村八大作曲の名曲『黄昏のビギン』など、昭和のスタンダードナンバーが並ぶ。笹子のギターは単なる伴奏にとどまらず、純名の歌声と時に寄り添い、時に対峙するように響くのが印象的だ。「笹子さんとのデュオ活動を始めて6年目になりますが、最初の1、2年は笹子さんのギターと一緒に“生きている音”を紡ぐのが本当に難しくて……。ようやく最近、それが自然に出来るようになった気がします」と純名はその成果を実感しているようだ。残る5曲は、純名が作詞を担当したオリジナル曲。中でも、叙情的なスタンダードナンバーに対して、少しクセのある世界観がほしいと、シンガーソングライターのNUUに相談して出来たという『かわいくてごめんね』が存在感を放つ。ポップな曲調で、突き抜けたワガママさを発揮するのだがどこか憎めない女性像を、純名は生き生きと歌っている。「まずモデルは私じゃないってことはお知らせしておきますね(笑)」と純名は茶目っけたっぷりに断ったうえで、「歌の上でも色んな女性を演じてみたくなって依頼しました。揺れ動いている女性と思ってくださってもいいですし、自由に想像して楽しんでいただければ。それが歌の面白いところですよね」と改めて語った。その他、オフィスで働く女性をイメージした『ヒールを脱いで』、大人のための子守唄という『子どものように』など、どれも短編映画のような味わいの曲ばかり。「“歌は3分のドラマ”って言いますけど、ライブでも曲に入り込んで歌うのでヘトヘトになっちゃいます(笑)」と純名。真摯に、まっすぐに音楽に向き合う姿勢は昔から変わらない。「2011年の東日本大震災の後、個人的にも心が落ち込む時期が重なって」(純名)、ここ数年は歌に焦点を絞った活動を続けてきた。「誰にでも傷ついた経験ってありますよね。私も音楽で癒されたからこそ、これからも心に寄り添う音楽を届けていきたい」と純名は話す。最後に、気になる女優活動について聞くと、「音楽をコツコツと続けてきたことで、自分の中でようやく勇気を持てるようになりました。もちろんお芝居も、出来ることがあればぜひ挑戦したいです」と、笑顔で答えてくれた。公演は8月29日(水)東京・TOKYO FMホールにて、チケット発売中。取材・文:佐藤さくら
2018年08月10日歌舞伎や日本舞踊など伝統芸能と言われる舞台で、箏(こと)や長唄の演奏を盛り上げたり、効果音のような役割も果たす「お囃子(はやし)」。その魅力をもっと知ってもらいたいと2010年に邦楽囃子演奏家の望月秀幸と望月左太寿郎が始めたステージ「お囃子プロジェクト」のvol.12が、9月18日(火)に東京・ヤマハ銀座スタジオで上演される。望月秀幸と望月左太寿郎に話を聞いた。【チケット情報はコチラ】「我々は普段、日本舞踊や歌舞伎、演奏会など古典と言われるジャンルで活動しているのですが、(お囃子単体は)いつどこに行ったら聴ける、というものではなかったんです。それは自分たちで打開していかないといけないと思い、この『お囃子プロジェクト』を始めました」(秀幸)。締太鼓(しめだいこ)、大鼓(おおつづみ)、小鼓、笛によるお囃子が軸となり、ゲストプレイヤーによるアコーディオン、ウッドベース、韓国打楽器、ラテンパーカッションなどとのセッションで、洋楽、ポップスとジャンルを問わない楽曲をお囃子アレンジで届ける。普段の彼らが追求するのは、例えば日本舞踊なら“舞踊家が踊りやすい演奏”であり“観客を喜ばせる演奏”とはまた違う。けれどこのステージは『観客を喜ばせる』ことを目指しており、初期は四苦八苦しながらも、今はそこに近づいたと自負する。「このプロジェクトを始めたのはその想いだけです。オペラなどもそうですが、古典音楽ってある程度知識があって初めて楽しめる面がありますよね。でも『お囃子プロジェクト』に関しては、気軽に来て“面白かった”“楽しかった”と言ってもらえて、また観に来てくれるような、そんな内容になっていると思います」(左太寿郎)楽曲も、昭和歌謡から歌舞伎の儀礼音楽『着到』をアレンジしたものまで幅広いが、どれも“古典とは全く違うことをする”のではなく古典のフレーズをそのまま生かしながらミックスしたアレンジで勝負しているのがこだわり。洋楽器のメンバーともセッションを重ねる中でよい関係ができているといい「ジャズのような感じです」(左太寿郎)と回を重ねるごとにアレンジも深まっているそう。また、「“演奏会”と違うのは、つたないトークです」とふたりが笑うように、それぞれのキャラクターが生かされたMCも見どころ。お囃子の法則など舞台がより楽しめる豆知識も伝授してくれるが、それに加え「プロレスの決め台詞を一緒に言うと盛り上がるんですよ」(秀幸)、「なんやかんやプロレスに持っていかれるんですよね…」(左太寿郎)と趣味が反映されているのも意外で面白い。「お酒も飲めます!ビーサンでもOKです!」(秀幸)という公演は9月18日(火)に東京・ヤマハ銀座スタジオにて。チケットは発売中。取材・文・撮影: 中川實穂
2018年08月10日8月26日(日)に東京・紀尾井ホールで公演を控えるアヴィシャイ・コーエンへライター、佐藤英輔がメールインタビューを行った。【チケット情報はコチラ】コーエンを語る際にまず外すことが出来ないのが、彼がイスラエル人であることだ。彼はNYに出る事でジャズ界でエスタブリッシュされたが、12年前からは本国に戻り活動している。「イスラエルのジャズ・シーンはここ数年で随分と大きなものになりましたが、大きな理由がそこにはあります。イスラエルは今まで常にモロッコやギリシャ、トルコ、ブルガリア、スペイン、そして東ヨーロッパ諸国の多くの異なる文化、そして世界各国にいるユダヤ人の子孫たちから影響を受けてきました。その影響は音楽や言語、そして美味しい食べものなど多岐にわたって見られ、様々な場所にそれぞれ違ったように吸収され、より独創的なものにする助けとなっています」そんな出自を抱えるコーエンの音楽営為はとてもしなやか。ストリングスやオーケストラと共演する特別仕立ての公演も彼はたびたび行ってきている。「2013年に『アルマー』を作った時、その収録曲のためにオーケストラを使ったアレンジメントを書くという事は、私にとって大きなステップとなりました。まわりにいる皆んなは私の楽曲はオーケストラと合うと言ってくれていましたが、5年以上の歳月をかけて新しい編曲と楽曲を進化させるべく練り上げました」今度東京で持たれる17人の弦楽器奏者を擁する<アヴィシャイ・コーエン・トリオwith 17ストリングス>は、過去試みてきたそうしたクラシック奏者たちとの邂逅を磨いたものとなる。『アルマー』に収録されていた2曲をはじめ、数々のマテリアルがトリオとチェンバー・オーケストラ用に新しく編曲されるという。「殆どの楽曲が私のアレンジです。私のアイディアとイメージを基に、何人かの音楽家/編曲家のちょっとした何かが足されていたりもします」様々な楽曲素材をめくるめくチェンバー・オーケストラと紐解くその出し物は、多様な文化や音楽様式を思うまま超え、結果的にコントラバス、そしてジャズという楽器や表現の自由な可能性を浮き上がらせるものになるに違いない。「一連の活動は様々な文化や音楽のスタイルを求める長い旅路なんです。それを求めるからこそ、私は音楽家たりえると思っています。音楽が発展していくことや動いていくのを止めることはできませんし、それは私を高みへと導いていってくれます」彼は新しいプログラムを用意、それをもとに日本で新しく出会う音楽家と一緒に事にあたることを、今心待ちにしている。取材・文:佐藤英輔(ライター)※インタビュー全文は下記チケットリンク先の興行ページに掲載
2018年08月10日8月10日(金)に東京・紀伊國屋ホールで、八千草薫主演で3度目の上演初日を迎える舞台『黄昏』。今作は、1979年にブロードウェイで初演後、1981年に映画化されアカデミー賞を受賞するなど話題となった名作だ。本番まであと1週間という稽古場にお邪魔した。【チケット情報はコチラ】八千草薫はこれまで2003年と2006年の2度『黄昏』に老夫婦の妻エセル役で主演している。初演では夫のノーマンを杉浦直樹が演じ、ほか浅野温子、成宮寛貴らが出演。再演ではノーマンを長塚京三が演じた。今回12年ぶりにエセルとなる八千草の相手を務めるのは、村井國夫。共演は、朝海ひかる、松村雄基、若山耀人、伊藤裕一。舞台はアメリカのとある美しい湖。夫婦が夏を過ごすため別荘にやってきた。80歳近い夫のノーマンは偏屈な性格で、最近老いを感じ始め、自虐的に「俺は化石だ!」などと太い声で言い放つ。扱いづらいが魅力的な人物を、村井は、ユーモアたっぷりに演じる。しかしノーマンは、妻のエセルにだけはとても優しい。八千草が出てからは村井の声が柔らかくなり、視線に愛しさがこもる。エセルは気品をたたえた少女のような愛らしさでつねに微笑む。かと思えば、いじけて「俺に死んで欲しいのか?」と悪態をつくノーマンに「そう思ったことはありますよ」とピシャリと返す。夫婦のウィットに富んだやり取りが楽しい。八千草と村井、役者人生を積み重ねてきたふたりのひと言ひと言には深みがある。共に時間を過ごしてきた老夫婦の優しさが、稽古場に漂っている。ふたりの元に、娘のチェルシー(朝海)が訪ねてくる。舞台出演を重ねるごとにしなやかさが増す朝海。父への煩わしさを感じながらも、自分なりに愛している柔らかさも伝わる。またチェルシーの恋人ビル・レイ(松村)や、チェルシーの幼馴染チャーリー(伊藤)は40歳を越え、ノーマンの約半分の年齢だ。さらに少年ビリー・レイ(若山)の存在が、新鮮な勢いを大人たちの会話に差し込む。10代、40代、70代の3世代の男たちが、時の流れを何層にも重ね、物語に深みが増す。すべてをゆったりと見つめる八千草の視線が優しい。真剣な雰囲気の稽古場だが、ひとたび演技が始まれば、そこは黄金色の光が差し込む美しい湖畔だ。不器用なやり取りの合間からは、人生の輝きのかけらが溢れてくる。名作も、人生も、言葉で語られずとも実感するものなのだろう。公演は8月27日(月)まで。9月1日(土)には埼玉県志木にて上演。取材・文:河野桃子
2018年08月09日11月に東京、大阪で上演される舞台『光より前に~夜明けの走者たち~』。ふたりのマラソンランナーを描く同作の特別監修に、青山学院大学の陸上競技部・長距離ブロック監督である原晋の参加が決定した。【チケット情報はコチラ】同作は1964年、東京オリンピックで銅メダルを獲得した円谷幸吉と、その4年後にメキシコオリンピックで銀メダルを獲得した君原健二、ライバルでもあり友人でもあったふたりの物語。谷賢一が作・演出を務め、宮崎秋人、木村了、高橋光臣、中村まこと、和田正人が出演する。原は、特別監修での参加に際し、「第二次世界大戦に敗戦した日本が、国の威信をかけて挑んだ1964年の東京オリンピック。スポーツがレジャーやエンタメではなく、軍事教練の如く行われていた時代、円谷幸吉さんや君原健二さんをはじめ、当時のオリンピック選手たちは、戦争に行く代わりにその競技で国を背負っていたのだと思います。中でもマラソンはとてもストイックな競技で、並みの精神力ではできないもの。マラソンという孤独な競技の中で、社会や組織に大きく動かされた円谷幸吉さんの人生には、現代を生きる我々にも痛切に訴えかけるものがあります。今回ご縁を頂き陸上面でのサポートをさせていただきます。胸に迫る舞台創りの一助になれれば幸いです」とコメントを寄せている。チケットの一般発売は9月15日(土)午前10時より。なお、一般発売に先駆けて、現在先行抽選プレリザーブを実施中。受付は8月13日(月)午前11時まで。■舞台『光より前に~夜明けの走者たち~』11月14日(水)~11月25日(日)紀伊國屋ホール(東京都)※11月14日はプレビュー公演11月29日(木)~12月2日(日)ABCホール(大阪府)
2018年08月09日今度は、何を、どうやって?----9月は、今年にかぎったことではないが、これが気になる。山田和樹のふる日本フィルである。この列島で、西洋芸術音楽が生まれ育ったヨーロッパからはなれた極東の島国で、どんな「芸術音楽」が、「オーケストラ音楽」が生まれたのかを、山田和樹は掘りおこそうとする。【チケット情報はコチラ】まず三善晃《ピアノ協奏曲》。第二次世界大戦が終結し、まだ海外渡航者がわずかしかいなかった時期にフランスに留学、かの地の音楽を吸収し、書き下ろされた作品だ。いま聴いてもフレッシュで、デリケートでありながらもアグレッシヴな、簡潔な音楽。音色の美しい萩原麻未がソリストなのもうれしい。三善晃とつながりが深いフランスの作品がつづく。プーランクとデュティユー、ともに作品は「交響曲」の体裁をとりつつ、前者は軽妙さをうちだす「シンフォニエッタ=小交響曲」、後者は、「ル・ドゥーブル」、英語でいうなら「ザ・ダブル」を副題に持つ。分身・もうひとつの自分、であり、鏡やエコーといったニュアンスも。これ、指揮者の前に12人からなる小オーケストラが、その背後に通常の三管編成のオーケストラが位置する、文字どおりの「ダブル」。ふたつのオーケストラがモティーフを、音色を、リズムを投げ、投げかえし、いわば共鳴箱のよう。ひびきの点でも、視覚的にも、おもしろい。プーランクとデュティユー、作曲・初演、ともに第二次世界大戦後。いわば19世紀的な「交響曲」の解体と変容がみてとれる。ドイツ・オーストリア流の肩肘張った「交響曲」への批評になってもいよう。唯一、有名曲といえるデュカス《魔法使いの弟子》はどうか。こちらは19世紀の終わり、20世紀にもう片足いれているくらいの1897年の初演、これだけ時代的に「前」である。もしかすると、あまり馴染みのないプログラムに有名な、それも諧謔味のある楽曲をいれようという指揮者のサーヴィスだろうか?いやいや、そうではないらしい。だって、ここには「ストコフスキー編」とあるではないか。山田和樹はわざとディズニー映画『ファンタジア』の、ミッキー・マウスが箒に魔法をかけ、水を運ばせたアニメーションのヴァージョンをひびかせようとしているのだ、きっと。だとすると?そう、だとすると、『ファンタジア』は1940年だから、コンサートにならぶ楽曲たちは1940年代から1960年代にかけてのオーケストラの諸相を提示することになる。それもフランスとかかわりのある作品ばかり。ひとつはハリウッド的なメディアとのかかわりを持ち、もうひとつは留学帰りの極東の作曲家の手によって。どの楽曲も躍動感がある。端的に、ノリがいい。靴のなかであしゆびにリズムをきざませてほしい。テンポのゆっくりした部分でも、そこには緊張感が満ち、ちょっとしたアクセントが加えられるだろう。そのコントラストが、この指揮者、ピアニストの、「いま」の感覚で体感できる。ほかのプログラムでは味わえないテンションを心身に得られるコンサートになるだろう。文:小沼純一
2018年08月09日ビクターエンタテインメントと毎日放送(MBS)が共催するロックフェスティバル『ビクターロック祭り大阪×MBS音祭2018 supported by uP!!!』が、10月7日(日)に大阪城ホールにて開催される。「ビクターロック祭り大阪×MBS音祭 2018 supported by uP!!!」チケット情報すでに、出演者第1弾として家入レオ、さだまさし、四星球、薬師丸ひろ子、ADAM at(オープニングアクト)が決定していたが、本日、出演者第2弾として、スペシャルゲスト、ナオト・インティライミが発表となった。さだまさしと親交の厚いナオト・インティライミ。さだのデビュー45周年、ビクター移籍第一弾アルバム『Reborn ~生まれたてのさだまさし~』の中ではコラボレーションが実現。また、ふたりは2012年夏に震災復興を期してふたりで書き上げた楽曲『きみのとなりに』、アルバムのための新曲『パスワード シンドローム』で共作、共演している。当フェスもその縁があって、レーベルの枠を超えてのブッキングとなったが、世代を超えた2大アーティストの競演を大いに期待したい。ナオト・インティライミは先日20枚目となるニューシングル『ハイビスカス / しおり』をリリースし、現在弾き語りでの全国47都道府県ツアー中であり、12月29日(土)にはナゴヤドーム公演も決定している。今後も随時、出演アーティストなどイベント情報が発表されるので、『ビクターロック祭り大阪×MBS音祭2018~supported by uP!!!』オフィシャルサイトをチェック頂きたい。チケットぴあでは、8月10日(金)11:00よりチケット先行先着プリセールの受付を開始する。
2018年08月08日全10話からなる三遊亭白鳥作の「任侠流れの豚次伝」を柳家三三が五か月連続で披露する。大阪は8月9日(木)から大阪・ナレッジシアターでスタート。埼玉県秩父の養豚場で生まれた子ブタの豚次が、出会いや別れ、戦い、そして友情に支えられ、おのれの運命を切り開きながら任侠の道を生きていく。流れ着くのは香川・金毘羅。秩父から金毘羅までを縞の合羽に三度笠で旅をする、任侠・豚次の壮大な成長物語だ。またたびさんざ 柳家三三 四都市 五ヶ月連続独演会 三遊亭白鳥作「任侠流れの豚次伝」チケット情報昨年、大阪、名古屋、福岡で初の6か月間連続独演会を行った三三は、一話完結ではない、続き物の落語の楽しみ方を提供することができたという。「今年は続き物でも違うパターンを。三遊亭白鳥師匠の新作落語で、一言でいえば豚が男を磨く物語です」。毎月1回、二話ずつ口演。一話だけでも、途中からでも楽しめる内容になっているが、毎回、あらすじや相関図を記した自作のパンフレットも用意し、噺の世界へといざなう。「登場するのは動物だけですが、キャラクターが多彩なので、各回とも飽きずに見ていただけると思います。任侠ものなので闘うシーンもあるのですが、ブタ対サルとか、ブタ対ネコとか。ブー!とかキー!とか呻いているだけの時間もあって、どんな感じか想像していただけるとさらに面白いと思います」。作者の三遊亭白鳥は創作落語の名手でもある。その魅力を問うと、「設定はハチャメチャですが、物語が実に緻密にできていて、セリフも無駄なものがないんです。出てきた要素を全部、回収していきます。演じていても“ああ、なるほど”と。笑いの要素も多いです」と三三。一方の白鳥は「三三が演じると物語の形が整う」と話しているようで、白鳥が生んだ物語を三三が成長させると、その様はまるでカッコウの托卵だと笑う。「白鳥師匠の落語は味付けが濃いですし、朝昼晩と濃厚なラーメンを食べるような感じですが、そこも楽しんでいただけたら。落語会の醍醐味はお客様が笑ったり、手を叩いたりして生まれる空間があることです。お客様のリアクションによって次にどう表現しようか変わってくる。この連続独演会も毎回違ったライブになることを楽しみにしています」と三三。「任侠流れの豚次伝」は12月まで続く。取材・文:岩本和子
2018年08月08日村上春樹が翻訳して日本に送り出し、今でもカルト的人気を誇る作家・レイモンド・カーヴァーの短編小説が、リーディング公演『レイモンド・カーヴァーの世界』として9月1日(土)、2日(日)に兵庫県立芸術文化センターで上演される。日によって朗読作品と俳優が異なる本公演で、1日に出演する水夏希に話を聞いた。「レイモンド・カーヴァーの世界」チケット情報シンプルで乾いた大地のような力強い文体が特徴のカーヴァーは短編小説の名手として知られ、今年で没後30年を迎える。「私は初めて読んだのですが、描写がワンクッションあってストレートじゃない。文体も変わっていて何回も読み直しました」と話す。水が朗読するのは『足もとに流れる深い川』という短編。アメリカで平凡な生活を送る主婦のクレアは、夫のスチュアートが、ある死体遺棄事件に遭遇したことを知る。そこで取ったスチュアートや友人たちの奇異な行動は、夫婦間に大きな溝を作り出す。「作品の背景は、男性が絶対的な存在で、女性の地位が低かった時代。例えるなら、スチュアートは『欲望という名の電車』に出てくるスタンリーで、田舎のマッチョな労働者というイメージです。クレアは子どももいて家族を大事にするあまり、彼には何も言えない。でも彼のしたことは、彼女にとってどれだけ衝撃的だったか。私だったらはっきり言うんですが(笑)、『言いたいけど、これ言ったら関係が壊れちゃうかな』というクレアの気持ちは分かりますね」。物語が淡々と進み、これといったオチがないのもカーヴァー作品の特徴だ。水も「えっ、これで終わり?と驚きました」と笑う。しかし、読後にはザラリとした感覚が残り、頭から離れない。「『こんなにたくさんの水が流れているんだもの、何も聞こえはしない』という言葉があって、すごく好きです。私はクレアの存在の薄さを表すような言葉なのかなと思います。クレアの不安を、タイトルにもあるように水の音がかき消してくれる。お客さまも自由に発想してもらい、言葉だけで、言葉だけだからこそ、脳を刺激する世界を楽しんでほしいです」。演出は劇作家でもある新進気鋭の谷賢一が手掛ける。谷は「水さんの持つ知性と芯の強さ、たおやかさ。カーヴァーを読みこなすための資質のすべてを彼女は持っています」とコメントを寄せる。「谷さんはロックな作品も書きますが実はマニアックで、オチがなくて話が盛り上がらない作品が好きなのだそうです(笑)。アイデアが泉のように湧き出てくる方なので、楽しみです」と言う。公演後には水と谷、『コンパートメント』を朗読する渡辺いっけいとのアフタートークが行われる。また、9月2日は山路和弘が『愛について語るときに我々の語ること』、手塚とおるが『ダンスしないか?』『もうひとつだけ』を朗読する。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2018年08月08日1990年に公開された不朽の名作映画『ゴースト/ニューヨークの幻』のミュージカル版が日本初上陸。8月5日、東京・シアタークリエで開幕した。映画版の脚本を手掛け一躍人気脚本家となったブルース・ジョエル・ルービン自身が脚本・歌詞を手掛け、ウェストエンドやブロードウェイでも大ヒットとなった作品だ。主人公であるサムは浦井健治、ヒロイン・モリーはWキャストで咲妃みゆと秋元才加が演じる。【チケット情報はコチラ】銀行員のサムは、芸術家である恋人のモリーと平穏な日々を暮していたが、ある日暴漢に襲われてしまう。乱闘の末、気付くと自分が死んでゴーストになってしまったことを知るサム。彼はその事件には裏があったこと、さらにモリーにも危険が迫っていることを知り、モリーに伝えようと試みるが、自分の声は彼女には届かない。そこで霊媒師オダ・メイを強引に協力させるのだが、モリーはなかなか信用してくれない……。映像なども使用しサムが起こす超常現象を作り上げていくが、最新技術を多用するというよりは、俳優の肉体や観客の想像力で作る舞台ならではの演出で、嫌味がない。サムとモリーのラブストーリーでありつつ、サムが自分を殺した相手を追い詰めていく活劇の面も強調され、テンポ感のある舞台だ。もちろんモリーがろくろを回すシーンなど、映画でも印象的だった場面の再現もある。オダ・メイの霊媒シーンなどはミュージカルらしい華やかさもあり、全体的にとてもバランスのよい、見応えのあるミュージカルになった。初日前には浦井、咲妃、秋元、サムの友人・カール役の平間壮一、オダ・メイ役の森公美子が囲み取材に登場。「日本版のミュージカル『ゴースト』をみんなでイチから作っていきました。セットも大掛かりで豪華。でもハートウォームで、人間愛が詰まっています。映画『ゴースト』ファンの方も含め、たくさんの方が愛してくれるミュージカルを目指したので、ぜひ楽しみにしてください」と浦井。東京公演は8月31日(金)まで同劇場にて。9月には大阪、福岡、愛知公演も実施する。チケットは発売中。
2018年08月08日「履歴書に載っていないことを話してほしい。君たち自身のことを」。演出家の問いかけを合図に、男女17人による最終オーディションの幕が上がる――。年齢、容姿、人種など自己と向き合い、成功を夢見るダンサーたちの光と影を真正面から描いた1975年初演、マイケル・べネット原案・演出・振付のミュージカル『コーラスライン』。トニー賞9部門に輝き映画化もされ、約15年もの大ロングランで当時の最長記録を更新した不朽の名作だ。この夏、7年ぶり3回目のリバイバル版来日公演が決定した。演出・振付・再構成は43年前、コニー役を演じたオリジナルキャストのひとり、バーヨーク・リー。「初演の情熱、演出、振付を次の世代につなぐのが私の使命」と、鬼才マイケル・べネットからたすきを託された、歴史の生き証人でもある。「ブロードウェイミュージカル『コーラスライン』来日公演2018」チケット情報その成功は初演の幕が上がるまで、誰にも予測できないことだった。「だって、ダンサーたちはみんな失業中だったのよ」とバーヨーク・リー。マイケル・べネットやダンサーが集まって話したのが発端。でもその先は分からない。「そのとき彼は他にふたつの作品を手掛けていたの。でも、どちらもうまくいってなかった。私もその作品に参加していたから、きっと『コーラスライン』もあまりうまくいかないだろうな、と思っていたの(笑)」。ところが、「アンビリーバブル!」な結果が待っていた。しかも「私たちそれぞれの物語が観客にインパクトを与えたの」と、興奮気味に続ける。「ひとりのダンサーが語ったわ。自分は神様から踊るという才能を与えられたのだから、才能を活かして感謝をもって愛を表現しなければいけないのだと。劇中に『愛のためにしたことは』という曲があるけど、伝えたいのは、いま自分がやっていることを好きになって、愛をもって一生懸命取り組んでほしいということ。情熱を込めて生きていこうという作品のメッセージを感じてもらえたら」。初演ではマイケル・べネットの右腕として天才のひらめきを傍らで書き留め、ダンスキャプテンとしても活躍した。そこで得た知恵と技術をいま、惜しみなく後輩たちに伝える。「若い出演者たちは、ツアー先で寝起きを共にすることで家族のように協力し合い、社会人としての言動を学んでいく。作品に関わることで役者としての基礎を築き、豊かな人間性も磨ける」。本作は単なるショーを超えた作品だと力を込める。「日本の皆さんは世代を越えてこの作品を愛してくれていることを知っているわ。物語を熟知している方が多いから、よりベストな内容でお届けしなければいけない、とみんなにも伝えているのよ」。公演は、8月15日(水)から26日(日)まで東京・東急シアターオーブ、8月29日(水)横浜・神奈川県民ホール大ホール、8月30日(木)静岡・アクトシティ浜松 大ホール、8月31日(金)から9月2日(日)まで大阪・オリックス劇場、9月5日(水)から9日(日)まで東京国際フォーラムホールCにて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2018年08月08日東京・新橋演舞場にて新作歌舞伎『NARUTO-ナルト-』が8月4日(土)に開幕。それに先がけ公開ゲネプロと囲み会見が行われ、会見には主演を務めるうずまきナルト役の坂東巳之助、うちはサスケ役の中村隼人が出席した。原作は「週刊少年ジャンプ」で1999年から2014年まで連載され、世界的大ヒットとなった岸本斉史の同名漫画。落ちこぼれ忍者・うずまきナルトが忍術修行や敵との戦いに挑む忍者バトルアクション物語で、ライバル・うちはサスケとの友情や家族の物語なども描かれる。歌舞伎化は今回が初となり、脚本・演出は新作歌舞伎『東雲烏恋真似琴』や『嵐が丘』などを手掛けたG2。音楽は和楽器バンド。【チケット情報はコチラ】コミックス全72巻がギュッと詰め込まれた本作。会見で巳之助は「膨大な物語のなかから“この部分をやる”ではなく“完結させる”を目標に掲げ、始まった作品です。“ここはやらねばなるまい”という場面を選りすぐっていますので、全場面が見どころになったと思います」と自信を覗かせる。そのなかのアクションシーンも注目ポイントで、隼人が「普段やる歌舞伎の立ち回りもありますが、ちょっと歌舞伎ではないようなアクションもあります。僕ら歌舞伎俳優はひとつひとつのカタチで立ち回りを見せるので、そういう部分を矯正するのは難しかったですが、見どころになるんじゃないかなと思います」と言うと、巳之助も「『NARUTO』はバトル漫画なんですよ。でもそれはただバトルしているのではなく、闘うことでキャラクター同士が気持ちを交換し合ったり、物語が前に進んでいったりする、そういう作品なので。立ち回りも芝居の中のひとつなんです」と熱く語る。ビジュアルも漫画そのものだが実は「衣装は帯や縄など歌舞伎でもあるものを使っています。歌舞伎でやるということで、漫画とはまた違うものになっているかと思います」と隼人。こちらも注目したい。幕が開けると、ふたりが語った通り、丁寧に組み直されたストーリーは名場面のオンパレード。ナルトとサスケが立ち向かう最大の敵・うちはマダラ(市川猿之助・片岡愛之助のWキャスト※ゲネプロは愛之助が出演)との立ち回りや本水を使ったナルトとサスケの戦いなど、激しくも美しいアクションシーンは必見だ。それに加え、漫画と歌舞伎の世界を違和感なくつなげたプロジェクションマッピングや、歌舞伎特有のアナログだが驚きのある演出による忍術の再現など、漫画原作ならではの演出もたっぷり。原作ファンも歌舞伎ファンもそれぞれの視点で楽しめそうだ。台詞が現代語なので“見得”など歌舞伎ならではの表現も流れで理解しやすく、歌舞伎初心者にもオススメの本作は、8月27日(月)まで新橋演舞場にて上演中。チケットぴあでは桟敷席をプレイガイド独占販売中。取材・文:中川實穗
2018年08月07日三代目J Soul Brothersの山下健二郎が舞台初主演。作、演出を、放送作家、脚本家として幅広く活躍する鈴木おさむが手がける。そんな話題の舞台「八王子ゾンビーズ」の稽古場に潜入。熱気あふれる創作の現場をレポートする。【チケット情報はコチラ】開幕まで10日と迫ったこの日。都内某所にある稽古場には墓場を模したセットが組まれ、キャストがおのおのアップを始めている。その輪の中心にいるのが、本作で主人公の隆を演じる山下。そんな彼の周りには常に笑いが溢れている。軽く殺陣の確認があったあと、本格的な稽古がスタート。この日は冒頭からラストまでの通し稽古が行われた。まず舞台に現れたのは山下。彼演じる隆は、ダンサーになる夢を諦め、“新しい自分”を探すために八王子にある希望寺へとやって来る。満月の夜、隆が寺の墓場で出くわしたのは、なんとゾンビ!住職からこのことは決して他言しないようにと言われるも、再び墓場を訪れた隆の前に、またもゾンビが現れる。だがこのゾンビたち、なぜか陽気なイケメンばかり。しかもある悩みを抱えており…。演技経験は豊富な山下だが、今回は初の主演舞台。それだけに出番、せりふ量ともに非常に多いが、しっかりとした存在感とどこか飄々とした軽やかさを合わせ持ち、隆というキャラクターを非常に魅力的な人物に仕上げている。さらに個性的なゾンビたちのツッコミ的なポジションでもあり、その柔軟性と対応力の高さに改めて驚かされた。タイトルロールでもある“八王子ゾンビーズ”を演じるのは、久保田悠来、小澤雄太(劇団EXILE)、藤田玲、丘山晴己ら若手8人。特にリーダーの仁を演じる久保田は、男の色気と抜群の笑いのセンスで、役柄同様、八王子ゾンビーズを先頭に立って引っ張る。また彼らと敵対するのが、寺の用心棒的存在である早乙女友貴。刀さばきは圧巻で、その美しさに息を飲む。また住職役の駿河太郎や、謎のホームレス役の酒井敏也など、ベテラン勢がしっかりと脇を固めている。時事ネタなどを盛り込んだ鈴木らしい笑いはもちろんのこと、本作の大きな魅力はやはり山下を筆頭にしたダンス。さらにm-floが書き下ろしたというクールな主題歌が、山下とゾンビーズたちとのキレのあるダンスを大いに盛り上げる。それら作品全体のテンポのよさが、観る者の心地よさ、楽しさへと繋がり、非常にエンタテインメント性の高い青春劇に。まさに夏にぴったりの1本だ。公演は8月19日(日)まで、東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演。取材・文:野上瑠美子
2018年08月07日9月8日(土)に神奈川・耐震バース・臨港パーク特設会場にて、「みなとみらいスマートフェスティバル2018」が開催される。【チケット情報はコチラ】同公演には世界で活躍中の和楽器グループ「AUN J CLASSIC ORCHESTRA」を中心に編成した「AUN J クラシック・オーケストラ with Team J」が出演。和太鼓、中棹三味線、津軽三味線、鳴り物、尺八、篠笛、箏の特別編成で演奏を披露する。さらにイベントのラストには音と光で横浜の夜を彩る演出「スカイシンフォニー イン ヨコハマ」が実施される。チケットは発売中。■みなとみらいスマートフェスティバル2018日時: 9月8日(土)18:30~20:00会場:耐震バース会場(開場16:30)・臨港パーク特設会場(開場15:00)料金:耐震バース会場一般協賛席7,500円(税込)※指定席/パイプ椅子臨港会場芝生エリア1,500円(税込)※専用シート配布※未就学児は入場無料(チケット購入者のひざ上観覧。席が必要な場合は別途チケットが必要)
2018年08月07日1960年代に『君の瞳に恋してる』や『シェリー』などの名曲を次々に生み出した伝説のヴォーカルグループ、フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ。その栄光と挫折を描いたミュージカル『ジャージー・ボーイズ』が、10月24日(水)より新歌舞伎座にて上演される。フランキー・ヴァリ役を務める中川晃教が、作品の魅力や意気込みを語った。ミュージカル「ジャージーボーイズ」チケット情報2005年にブロードウェイで上演され、2014年にはクリント・イーストウッド監督により映画化されて話題となった『ジャージー・ボーイズ』。2016年に東京初演を果たした日本人キャスト版では、第42回菊田一夫演劇賞や第24回読売演劇大賞など、数々の演劇賞を受賞。中川自身も“天使の歌声”を持つフランキー・ヴァリ役で読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞した。「フランキー・ヴァリを演じるには、本国のプロデューサーで、ザ・フォー・シーズンズのメンバーでもあるボブ・ゴーディオさんのOKをいただかないといけないんです。演じるのに必要な声であること、歌唱する姿、そして初期、中期、後期と音楽性が進化する中で、それに伴って声の出し方が大分変わるので、発声のコントロールがちゃんとできるかどうか。そういうオーディションを受けたのは初めてでしたね」。そこから“トワング”という独特の発声を約1年かけて習得。「この役に出会えなければ、自分で見つけられなかった声」と語る。「フランキー・ヴァリの声を追求したことで、普段の自分の声にも深みが出たというか、表現を磨くひとつのきっかけにもなったと思います。常に完璧を求めるけれど、ひとつ課題をクリアするとその先に次の課題が見えてくる。終わりはないんですよね。フランキー・ヴァリという役に出会ったことで、まだまだ知らない声がこんなにあったんだと気付かせてもらいました。大阪公演に向けてもっと声を追求していきたいと思っています」。物語は、春、夏、秋、冬と、季節ごとにメンバーがストーリーテラーとなり、物語が展開していく。中川以外の3人はWキャストで、初演から続投のチームWHITEと、新たなキャストを迎えるチームBLUEで上演する。「春は中河内(雅貴)、伊礼(彼方)君が演じるトミー・デヴィートがストーリーテラー。トミーはフランキー・ヴァリにとって、音楽シーンに自分を導いてくれた兄弟的な存在。彼がいなかったら自分はこの世界に出発できなかった、という意味での春です。そして、ボブ・ゴーディオが加わって大きな転機を迎える夏、グループの要でもあったニック・マッシの脱退を描く秋、冬はフランキー・ヴァリがさまざまな困難を乗り越えながらステージに立ち続ける姿が描かれます。演者が変わると、僕のフランキー・ヴァリも自然と変わるんです。同じことをしているのになぜこんなに変わるのだろうと、自分でも不思議。ぜひ両方楽しんでいただきたいですね」。公演は10月24日(水)から28日(日)まで、大阪・新歌舞伎座にて。チケット発売中。取材・文:黒石悦子
2018年08月07日1996年の初演より観客動員240万人を誇る宝塚歌劇団の代表作『エリザベート -愛と死の輪舞(ロンド)-』を、月組が2年ぶりに再演。10代目のトート=黄泉の帝王 (死)を演じる月組トップスター・珠城りょうは、先輩の公演をリスペクトしつつ、「枠にとらわれず作っていきたい」と大作に冷静に挑んでいる。【チケット情報はコチラ】2009年の月組公演にも出演した珠城だが、ウィーンで生まれた本作の魅力を資料などから改めて追究。「本来(原作者が)この作品を通して何をお客様に伝えたかったのか。原点を考えることで、トートの見え方も違ってくると思いました」。オーストリア皇后エリザベートを愛し、死へといざなうトート。「トートという存在は、エリザベートから生み出されたもの。彼女が恐怖を感じ、死にたいと思った時にトートが現れる。ルドルフともそうですが、相手と密につながっている存在なのだと分かってきました」エリザベート役は、本作で退団するトップ娘役の愛希れいか。一期違いで長年切磋琢磨してきた愛希とはこれまでと同様、役作りの細かい話はせず、「お互いの空気を読み取りながら作っている」と話す。「彼女のエリザベートは自分の力で歩む意志がはっきり出ているので、そこに対峙するトートはどうあるべきか考えています」潤色・演出の小池修一郎からは「劇場全体、また世界を支配するような大きさやエネルギーを意識して」と指導された。実際、少年ルドルフとの芝居では彼を包み込み、手中に収めるような動きがついた。「トートの手のひらでハプスブルク家を転がし、操っている感じを出せたら」。それはロック調の『最後のダンス』など、数々の名曲でも発揮されるはず。「やはり楽曲が素晴らしく、音階に感情を込めていけば成立する作品」。難度の高い歌をクリアし、「静と動の差、感情の起伏を出したいです」と意気込む。鬘はトートには珍しいブロンドベース、衣装は長身の珠城に似合う丈の長いスタイルが用意された。「フィナーレは小池先生が“珠城の持ち味を活かしてラテンロックテイストにした”とのことです」と笑う。彼女ならではの演出が加えられているが、それでも“体育会系”で明るい印象の珠城は、「なぜ私にトート役を与えたのかと考えました」と当初の戸惑いを率直に明かす。「新たに色んなものを吸収するように、という意味なのか…。動かずとも存在感を出すなど、この役を通したくさん勉強したいです」と、真っすぐな目で語った。公演は8月24日(金)から10月1日(月)まで、兵庫・宝塚大劇場、10月19日(金)から11月18日(日)まで、東京・東京宝塚劇場にて。取材・文:小野寺亜紀
2018年08月07日異次元の“アート・パフォーマンス・エンターテインメント” BLUE MAN GROUPが、2019年5月に東京、6月に名古屋と大阪で来日公演『ブルーマングループ ワールドツアー IN JAPAN』を開催する事が決定した。BLUE MAN GROUPは1991年にニューヨークで、親友であるクリス・ウィンク、マット・ゴールドマン、フィル・スタントンによって創立。「ブルーマン」の名の通り、3人の青いパフォーマーがオリジナル楽器を用いたハイクオリティなサウンドにあわせて、パフォーマンスを披露。現在、ニューヨーク、ラスベガス、ボストン、シカゴ、オーランド、ベルリンに常設劇場がある。日本では2007年に「BLUE MAN GROUP IN TOKYO」として、専用劇場でのロングラン公演をスタート。2009年11月に千秋楽を迎えた後、大盛況に応え、翌2010年4月から2012年3月まで再公演を開催。2007年から2012年にかけて、日本で1388公演を行い、動員数80万人を記録した。前回来日時は「日本版特別公演」という位置づけであったが、今回は正真正銘「正規のワールドツアー」の日本初上陸。ニューヨークのオフブロードウェイで28年目を迎えるBLUE MAN GROUPの大人気コンテンツに、新しい音楽、ストーリー、オリジナル楽器、最新鋭テクノロジーを加えた、常に変化し続けるブルーマンのまさに最新、最大のショーとなる。共同創立者であるクリス・ウィンクは今回の日本公演について「ブルーマンと呼ばれる、このイノセントで面白そうなキャラクターを中心としたパフォーマンスを作り始めたころは、彼が私たちをここに連れてこようとは夢にも思わなかった。ワールドツアーを日本の人々にも見てもらえることを心から誇りに思う」とコメントを寄せている。チケットの一般発売は、東京・名古屋公演は11月3日(土)午前10時より、大阪公演は2019年1月26日(土)午前10時より。なお、一般発売に先駆けて、チケットぴあでは東京・大阪公演の最速先行を実施。受付は10月1日(月)昼12時より。『ブルーマングループ ワールドツアー IN JAPAN』―BLUE MAN GROUP WORLD TOUR IN JAPAN―2019年5月~6月EXシアター六本木(東京都)2019年6月愛知県芸術劇場 大ホール(愛知県)2019年6月オリックス劇場(大阪府)
2018年08月07日あの宝塚歌劇団に、終戦直後9年間だけ存在した“男子部”。その意外な実話をもとに、宝塚の舞台に立つことにすべてを捧げた男子たちの熱い青春を描いた舞台『宝塚BOYS』が8月4日、東京芸術劇場 プレイハウスにて開幕した。2007年から上演を重ねファンを増やしてきた人気作品で、5年ぶり、5度目の上演。今回はこれまでにもこの作品に出演経験のあるメンバーを中心とした「team SEA」と、フレッシュな「team SKY」の2チーム制での上演だが、口火を切ったのは「team SEA」。出演は良知真次、藤岡正明、上山竜治、木内健人、百名ヒロキ、石井一彰、東山義久、愛華みれ、山西惇。チケット情報はこちら物語は終戦直後の1945年の秋にはじまる。幼い頃から宝塚歌劇団に憧れていた青年・上原(良知)が歌劇団の創始者・小林一三宛てに、男性加入を嘆願する手紙を出す。その願いは小林に届き、宝塚男子部が特設されることになった。メンバーとして集まったのは、電気屋の竹内(上山)、歌劇団のオーケストラメンバーだった太田川(藤岡)、旅芸人の息子長谷川(木内)、闇市の愚連隊だという山田(石井)、そして現役ダンサー星野(東山)。「宝塚の生徒(劇団員)とは一切口をきいてはならない」などの厳しいルールに戸惑いながらも、その後加わった新人・竹田(百名)含め、レッスンに汗を流す男子部の面々だったが、なかなか宝塚大劇場の舞台に立つ機会は与えられず……。「宝塚歌劇団に男性が加入」……今の時代なら、はなから無理筋だと誰もが思うだろう。いや、当時からすでに、その拒否反応はあったようだ。現役のスターや生徒たちからも、男性加入に反対の声があがる。上層部の考えもわからない。希望に燃えていた男子部の面々の前には、大きな壁が立ちはだかる。それでも彼らは夢を諦めず、時に衝突しながらも、明日の宝塚スターを目指す。経験値の高いteam SEAのメンバーは、夢にしがみつく彼らのリアルを、時代背景と強くリンクさせることで、切実な思いとして描き出す。戦争の傷を誰もが抱えているからこそ、綺麗な夢の世界に憧れるのだ……。女性の園での男子諸君の奮闘は可笑しく、愛らしく、観ていて笑いの絶えない舞台だ。だがその中に、激動の時代を生きた彼らの人生がシリアスに浮かび上がる。劇中、竹田がポツリと「このまま女子だけで100年いっちゃうかもね……」と呟くシーンがある。2014年には100周年を迎え、いまや日本エンタメ界の大きな一翼となった宝塚歌劇団。彼らの挫折があったからこそ、宝塚は100年続く劇団になったのかもしれない。だが彼らは礎などではなく、そこにも生きた人間たちがいて、彼らの人生があったのだと、少なくともこの舞台を観た人には覚えていて欲しいと切実に思った。東京公演は同劇場にて、8月19日(日)まで。その後名古屋、久留米、大阪でも上演される。8月11日(土・祝)まではteam SEAが、8月15日(水)からは永田崇人、溝口琢矢らのteam SKYが出演。
2018年08月06日8月27日(月)に東京オペラシティコンサートホールで開催される「変態する音楽会」。仕掛け人は日本フィルハーモニー交響楽団と「現代の魔法使い」こと落合陽一筑波大学准教授・学長補佐(ピクシーダストテクノロジーズCEO)だ。【チケット情報はこちら】今回、耳で聴く「音」ではなく、目で見る「映像」をあえて「演奏装置」として加える。その意味で、オーケストラの「変態(トランスフォーム)」。映像の「リアルタイム生成」という、現代テクノロジーを駆使して初めて実現するアート表現だ。落合はこう解説する。「オーケストラって、作曲家が書いたスコア(楽譜)があって、指揮者がそれを解釈して指示を出す。 僕は今回、楽器としての映像装置のスコア(楽譜)を新たに書き起こしました。映像の演奏者は、スコアや指揮者の指示をもとに、映像を“リアルタイムに”“音楽的に”出す。映像の強弱、タイミングはすべてライブパフォーマンス。他の演奏者と息を合わせながら演奏するという意味で、バイオリン奏者やトランペット奏者と、立ち位置はなんら変わらないんですよ」オーケストラは、“映像”よりもはるか昔、約300年前に発明された表現方法。人類が“映像”を本格的に手にしたのは、エジソンがキネトスコープを発明した19世紀末以降のことだ。だからこそ、「もし、今オーケストラを再編成するとすれば、あらゆる映像表現があふれる時代だけに、オケに映像っていう楽器はむしろ含まれて当然な要素じゃないのと思えた」と落合は語る。本公演でコラボするのは、落合を含めて3人のクリエイターだ。若手実力派指揮者の海老原光と、映像の世界で多彩な表現活動をしているビジュアルデザインスタジオ「WOW」の近藤樹。指揮者の海老原は、300年の歴史からなるオーケストラの伝統を「あえて壊す」過程も経験した。「プロジェクトを始動させた当初はどうしても、従来の“聴く”という固定観念に縛られている自分たちがいた。でも、ある時ふっと、映像という目から入るものも含めて、トータルに人が身体で聴く行為だよねと意識が変わった瞬間があって。それからはどんどんアイデアが湧いてきて、“映像も含めてオケ的に奏でる”という世界観がどんどんアップデートされていきましたね」映像生成のスペシャリストでありながら、今回は“演奏家”としてデビューを果たす近藤樹は、「めっちゃ演奏する気満々ですよ。といっても、本でいえば“挿絵”みたいにナチュラルに、作品の主旋律の邪魔はしない演奏を目指したい。“生”感を楽しんでほしいですね」。「演目にはスペイン・バスク地方出身のホセが運命に翻弄される《カルメン》などビゼーの名曲から構成する「ビゼー組曲」(海老原光編)も。」「南国風情たっぷりだし、五感が全開になること間違いなし。クラシックというよりは野外フェスに参加しよー!帰りはビール飲もうぜ!くらいのノリで聴きにきてほしい」と落合。この夏、オーケストラという枠組みを使った“壮大な実験”をぜひご鑑賞あれ!取材・文:古川雅子(ノンフィクションライター)
2018年08月06日8月22日(水)にニューアルバム『822』をリリース、10月26日(金)埼玉・川口総合文化センターリリアよりコンサートツアー2018~19「人間の森」を開催する森山直太朗。アルバムの発売を記念して、本日8月6日より、JR新宿駅地下1F西口改札内に特大看板が掲出中だ。【チケット情報はコチラ】この看板には森山直太朗オリジナルうちわがついており、来た人は自由に取れる仕組み。なおこのうちわにはコンサートツアー2018~19「人間の森」のチケット特別予約の情報が掲載されている。■森山直太朗特大看板 詳細期間:8月6日(月)~12日(日)場所:JR新宿駅地下1F西口改札内※オリジナルうちわは数に限りがございます。※新宿駅や鉄道会社、駅員へのお問い合わせはご遠慮ください。※改札内のため、ご覧になる方は入場券をお買い求めの上、ご入場ください。
2018年08月06日特攻隊に志願した兄弟と彼らを囲む人々の姿を描く舞台『大きな虹のあとで~不動四兄弟~』が、8月3日に開幕。それに先がけ公開ゲネプロが行われた。【チケット情報はコチラ】昨年の初演が好評を博し、わずか1年での再演となった本作。芸能事務所・研音の若手俳優が出演する作品で、初演に続き市川知宏と入江甚儀、今作から上杉柊平と瀬戸利樹が四兄弟を演じる。そのほか女学生役は矢作穂香、桜田ひより、喜多乃愛が続投、山賀琴子は舞台初挑戦となる。また彼らを見守る大人たちを演じるのは津枝新平、愛原実花、合田雅吏。演出は秦秀明(TEAM DD)、脚本はニイボシアタル(TEAM DD)。物語の舞台は戦時中。特攻隊として日々訓練に励む不動四兄弟の月(市川)、空(上杉)、大地(入江)、草太(瀬戸)は、戦況下にありながらも、彼らの父が遺した"不動家家訓"のお陰で、月は笑い、空は夢、大地は恋に生き、草太はそんな兄達を心から慕う毎日。彼らの叔母(愛原)の茶屋で女学生たちと交流したり、上官の詩の朗読に悶絶したり、彼らの周りには笑いの絶えない“奇跡のような時間”が流れていた。しかしそんな四兄弟に、ついに出撃の命令が下る――。重くなりがちな戦争ものだが、コミカルな芝居、テンポのいい掛け合いでストーリーが進む本作。序盤で描かれる大地の恋に奮闘する姿や兄弟でじゃれる姿は、今を生きる若者たちと差はなく、だからこそ時折まざりこむ「今の戦況で人を好きになってる場合じゃないんだけど」という言葉や、叔母が彼らを気遣う言葉など、戦時中ならではの“当たり前の考え”がショッキングに浮かび上がってくる。出撃命令が下ってからの時間は、死を目の前にした兄弟をはじめ女学生や大人たち誰もが熱演。残り少ない時間のなかで、それでもなお人を思いやること、大切にすること、愛すること……無駄だと言ってしまえばそうかもしれないことと必死で向き合う彼ら。そこに込められた想いがなにを残すのかということが、まっすぐに届く時間だった。切なく思わず涙が出るようなシーンもあるが、この作品はそれを“舞台上の出来事”にしないところが印象的。彼らの台詞や芝居によって観客に“自分たちは今、舞台上と地続きの時間に生きている”と認識させる瞬間が何度もあり、それにより“泣ける話”で終わらせず、“かつて懸命に生きた彼らからの問いかけ”として作品が存在していると感じた。その問いかけへの答えは観た人それぞれで違うはず。ぜひ劇場で見つけてほしい。公演は8月7日(火)まで東京・シアターサンモールにて上演中。取材・文・撮影:中川實穗
2018年08月03日音楽家レナード・バーンスタインの生誕100周年を記念して、最後の愛弟子、佐渡裕が指揮を務める「ウエスト・サイド 物語シネマティック・フルオーケストラ・コンサート」。同公演が8月4日(土)に東京、9日(木)に大阪で開催される。【チケット情報はコチラ】「ウエスト・サイド 物語シネマティック・フルオーケストラ・コンサート」は、舞台上の大スクリーンで映画『ウエスト・サイド物語』の全編を上映し、目の前でフルオーケストラの生演奏をあわせるシンクロライブ。音楽家レナード・バーンスタインは劇中で歌われる『トゥナイト』、『マリア』、『サムホエア』、『アメリカ』、『マンボ』、『クール』、『ワンハンド・ワンハート』、『クインテッド』など数々の名曲を作曲。1962年にアカデミー賞ミュージカル映画音楽賞をはじめ、10部門を受賞。現在のミュージカル映画に大きな影響を与えた。8月25日(土)に生誕100周年を迎えるレナード・バーンスタイン。今回、同公演の会場のロビーにて、彼の記念品の展示が決定。1990年のレナード・バーンスタイン ジャパンツアーのGジャンや、彼のスーツケース、また、実際に使用していた鉛筆(作曲用の黒鉛筆と指揮の楽譜書き込み用、赤鉛筆と青鉛筆)などが展示される。チケットは発売中。■バーンスタイン生誕100周年記念佐渡裕指揮「ウエスト・サイド物語」シネマティック・フルオーケストラ・コンサート8月4日(土) 東京国際フォーラム ホールA(東京都)【1】開演12時【2】開演18時8月5日(日) 東京国際フォーラム ホールA(東京都) 開演12時8月9日(木) フェスティバルホール(大阪府)開演18時30分指揮:佐渡裕管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団英語上映・日本語字幕あり/開演約10分前に佐渡裕のオープニングトークあり※未就学時のご入場はできません。※上演時間:約3時間(休憩1回含む)
2018年08月03日歌舞伎俳優の尾上右近が、現代劇に初挑戦。ピューリッツァー賞戯曲部門賞受賞の翻訳舞台『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~』が8月4日(土)、大阪・サンケイホールブリーゼにて上演される。「作品が面白かったという声が聞けてうれしかった」と充実の東京公演を終え、大阪で大千秋楽を迎える。「ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~」チケット情報人生の目的を見失い、薬物中毒にあえぐ人々――。他者とつながりたい願望と切実に避けたい感情が、現実世界とネットの仮想空間を用いて表現される。薬物中毒で育児放棄した母親オデッサ(篠井英介)に代わり、伯母ジニーに育てられた主人公エリオット(右近)。今はバイトで生計を立てるが、過去に出兵したイラク戦争で負った傷を癒すため、モルヒネ中毒も経験していた。一方のオデッサは、ドラッグ中毒者の救済を目的としたサイトを運営中だ。ある日、闘病中のジニーが他界したことで、ふたつ(ふたり)の世界の均衡が崩れはじめる。現代アメリカが抱える問題に材を取った物語だが、「無理に理解しようと努めなくても大丈夫」と言う。「時代や環境が変わっても、問題に付随する人間の心の動きは変わらない。みんな弱虫でみんないいやつ。一歩を踏み出そうともがいているエリオットも完璧な人間ではないから、悲しいけど笑っていたり、黙っているけど心にはいろんな葛藤が渦巻いていたり、多面的な部分にも共感できる。焦らず見つめていただければ自然と1幕で抱いた疑問が2幕で紐解け、最後には心温まる作りになっている。そこが不思議で素敵な作品だなって」。初の現代劇。一番の収穫は演出のG2から、「役者には作品のメッセージを伝える役割がある」と学んだこと。「なぜこの場所に立つのか、なぜこのタイミングでセリフを発するのか、すべてのことに意味がある。歌舞伎では何の疑いもなく型通りに演じていましたが、型を役の心の動きと捉えると、以前とは感じ方が全然違う。役者としての心構えはどうだったのか、自分を省みて根っこを育む時間もいただけた」。迎えた本番では、世阿弥が言う『離見の見』を痛感したとも。「熱中していても客観性がないと役の本質を見せることなく、パフォーマンスで終わってしまう。小さくまとまらずに作品のコマとしての役割も果たす。冷静と情熱、そのバランスが難しい。本番になるとつい自分をアピールしたくなるので」と快活に笑う。春には、大阪松竹座にて上演されたスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で、堂々市川猿之助とのダブル主演を勤めた尾上右近。役者兼清元というふたつの顔を持つ、気力、体力、愛嬌たっぷりの26歳がまたひと回り太くなった幹から、大千秋楽で思いの丈を花開かせる。「泣いても笑っても最後。失うものは何もない」と意気込む彼の冷静と情熱の間、見届けて。公演は、8月4日(土)13時から大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2018年08月03日Welcome ! to Jurassic Park ! あのスティーヴン・スピルバーグ監督が放ったアクション・パニック映画の超大作『ジュラシック・パーク』が25周年を迎えるアニバーサリーイヤーにシネオケとなって日本に初上陸。8月5日(日)東京国際フォーラムホールAでの開催まで間もなくだ。【チケット情報はコチラ】メガヒットを記録したシリーズ最新作『ジュラシック・ワールド/炎の王国.』。その興奮も冷めやらぬうちに、巨大なスクリーンに再び姿を現すのがシリーズの原点『ジュラシック・パーク』。太古の恐竜たちが現代に蘇えった誰も見たことがない驚愕のテーマパーク。当時の衝撃を今も忘れられない映画ファンは決して少なくない。またユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「ジュラシック・パーク・ザ・ライド」などで作品の世界にすっかり魅了されてしまっているファンも多いだろう。いよいよ満を持して登場する『ジュラシック・パーク in コンサート』。大スクリーンに映し出される圧倒的な映像と生のフルオーケストラのコラボレーション。映画館では決して味わえない興奮と感動を体験することができる“シネオケ”での初お目見えだ。本作の音楽は映画音楽界のマエストロ、ジョン・ウィリアムズ。あまりにも有名な『ジョーズ』『スター・ウォーズ』『E.T.』『インディ・ジョーンズ』など、彼のスコアは誰もが1度は耳にしたことがあるはず。もちろん『ジュラシック・パーク』も彼の代表作のひとつだ。指揮はジョシュア・タン。彼は貴陽交響楽団のアシスタント・ディレクターとシンガポール交響楽団のアソシエート・コンダクターを兼任する若手の実力派で、加えてジョン・ウィリアムズと同じ名門ジュリアード音楽院の出身である。そして、シネオケでもすっかりお馴染みとなっている東京フィルハーモニー交響楽団が総勢100名にもおよぶオーケストラ編成でこの超大作に挑む。公演を前にオーケストラリハーサルが行われた。海に浮かぶ孤島、恐竜たちの世界へと誘う『ジュラシック・パークのテーマ』。これまで味わったことのないスケール、壮大な響きに思わず鳥肌が立った。初めて目にするブラキオサウルスの登場シーン。「観客たちが恐竜の姿に驚嘆するようなスコアにした。宗教的な雰囲気も取り入れて聖堂で聞こえてくるような美しい旋律だ。こういう映画にはオーケストラの大仰さが合う」とジョン・ウィリアムズは語る。その言葉通り、彼のスコアをオーケストラが忠実に再現していることに舌を巻いた。また、調理室でヴェロキラプトルに襲われるシークエンスはどうだ。音楽がよりいっそうスリリングに、映像が今までになくリアルに迫る。これほどまでに恐ろしさを感じたことはなかった。本公演に向けて、いやが上にも期待は高まるばかりである。この夏、東京国際フォーラムが巨大な「ジュラシック・パーク」と化す。ようこそ『ジュラシック・パークin コンサート』へ!取材・文:酒井俊之(映画ライター)
2018年08月03日2016年には連日ソールドアウト、リピーターが続出するほどの人気だったブロードウェイミュージカルの傑作「RENT」が再来日を果たし、ついに8月1日に開幕。初日から会場はスタンディングオベーションの嵐!そもそも最初にブロードウェイで上演されたのは1996年。当時、またたく間に大人気となり数々の演劇賞を総なめ、以降世界中の人々に愛され“「RENT」を見て人生が変わった!”という方も数え切れないほど。【チケット情報はコチラ】その魅力のひとつは、誰もが心惹きつけられるストーリー。エイズやドラッグ、同性愛、友の死…様々な問題を抱えながらも夢を諦めず懸命に生きる若者たちの姿が描かれ、そのドラマを目の当たりにする私達は思わず一緒に笑ったり泣いたり心激しく揺さぶられたり。しかも、各シーンにはその歌詞に胸にぐっと突き刺さるミュージカルナンバーの数々が散りばめられ、ロック、ポップス、心に染み入るバラードと、これぞ「RENT」の世界。まだ本作を観たことがない方はぜひ公式サイトをチェックしてみて。タイトルナンバー『Rent』や名曲『Seasons of Love』のシーンを“ちょっと見”できちゃいます。上演された当時から時代は変われど、私たちを取り巻く環境は変わらない部分もいっぱい。だからこそ「RENT」が紡ぎだす言葉は今もなお観る者すべての心を捉えて離さないのかも。本公演は、2016年同様トニー賞を受賞したマイケル・グライフのオリジナル演出ですが、キャストは一新。全体的に年齢がぐっと若くなっています。レントヘッズ(RENTの熱狂的なファン)の皆さんにとっては、本作の生みの親ジョナサン・ラーソンの魂を引き継ぐ、魅力溢れるキャスト達のフレッシュなパフォーマンスを味わうのも楽しみのひとつになりそう。ちなみに本国ブロードウェイでは残念ながら上演は終了。だからこそ今回を見逃すと次はいつどこで観られるかわかりません。筆者はゲネプロを鑑賞、カーテンコールでは思わず仕事を忘れ割れんばかりの拍手を送って涙ぽろり。キャスト達の力強くて伸びやかな歌声、心踊るナンバー、何度でも見たいダンスシーン、共感せずにはいられない彼らの悲しみや怒り、そして希望、何より会場中のボルテージを上げる彼らの熱気など、そこには劇場でしか味わえない感動の数々が詰まっていました。生きる勇気が欲しい人、必見です。ブロードウェイミュージカル「RENT(レント)」来日公演2018は8月12日(日)まで、東京・東急シアターオーブにて上演。チケット発売中。取材・文:ミカマイコ
2018年08月03日関西のコンサート・プロモーター、サウンドクリエーターがお届けする夏休み特別企画『サンクリ夏休み!2018』が、8月16日(木)大阪・なんばHatchにて開催される。サウンドクリエーター特別興行「サンクリ夏休み!2018」チケット情報すでに、Age Factory、ENTH、SIRUP、NEIGHBORS COMPLAIN、ハルカミライ、Hump Back、ヒグチアイ、PELICAN FANCLUB、突然少年の出演が決定しているが、最終アーティストにOfficial髭男dismの出演が発表された。今年も関西ライブハウスの最高峰、なんばHatchを舞台に、若き10組のアーティストが、“夏祭り”を盛り上げる!チケットもお得なので、ライブファンはもちろん、ライブに行ったことのない人も、是非この夏休みに“ライブ”を体感しに来てほしい。チケットは発売中。
2018年08月03日山形県出身で、2005年に結成し8枚のアルバムを発表してきたロックンロール・バンド、THE BOHEMIANSが、7月25日(水)に初のベスト盤『That Is Rock And Roll~Best Of THE BOHEMIANS』をリリースした。平田ぱんだ(vo)、ビートりょう(g)に話を聞いた。【チケット情報はコチラ】インディーズで1枚、メジャーで3枚のアルバムを発表後、the pillowsの山中さわおが主宰する「DELICIOUS LABEL」に移籍して4枚、この時期に初めてベスト盤を出すことになった経緯を聞くと「プロデューサーのさわおさんに“お前らちょっと作品が多すぎる”って言われて、ライブ観たファンがどのCD買っていいかわからないから、物販にベスト盤的なものをさりげなく置いといたら?ということになって。でもそれではもったいないという声もあって、“じゃあまた別の機会に”って流れたんですね。でも昨年のアルバムが8枚目で、THE BLUE HEARTSだったら終わってんじゃんとか思い出したら、すげえなと思って」(平田)。バンド・ストーリー的に先人に習ってこのタイミングで出したいと思い始めたという。「そんなこと考えてたら、急にビートりょうから“昨日夢でベストアルバムを出せっていう啓示が来た”って。“じゃあ出すか”ってさわおさんを説得するために1万文字のメールを送って(笑)」(平田)1stから4thまでの収録曲は“Growing up version”として再録音された。再録が9曲、現レーベル移籍後が7曲で全16曲。選曲の基準については「ライブ基準で。“最高のセットリストを考えよう”って16曲並べましたね」(平田)。「再録ばっかりやるのもいいんじゃないかって(笑)。実際、ローリング・ストーンズってその都度ライブ盤出すじゃないですか。30年以上も前の曲を70歳になっても演(や)ってる。曲がチューンアップされる、磨かれてる感じが悪くないと思うんですけどね」(ビート)再録にあたってのこだわりを聞くと「全くなくて、単純にライブのままに演ろうって、そこはビートりょうがかたくなで(笑)。当時こうやってたからこのギター重ねよう、だと思ってたら“違う、俺はライブでできないことはやらない”って」(平田)。「1stアルバムの頃めちゃギターを重ねてたんですけど、結局ライブではその重ねた音のどれかを演る訳で。結局ライブで残ったフレーズを今演ってる感じだから」(ビート)9月より全国ツアーが決定。11月10日(水)に地元・山形でファイナルを迎える。この会場、昨年はthe pillowsを迎えた2マンで即日完売、今年9月1日(土)にthe pillows主催で再び行う2マンもすでに完売だが、いよいよ自身のワンマンでの挑戦となる。「ここを埋めて俺たちは男になりたい!“ベスト盤出して集大成なツアー、山形でやらないでどうするんだ”って。ほんとは泣きそうですけどね、怖くて(笑)」(平田)取材:文/浅野保志(ぴあ)
2018年08月03日村上龍の小説を原作とした音楽劇『コインロッカー・ベイビーズ』が7月29日まで、TBS赤坂ACTシアター(東京都港区)で上演された。【チケット情報はコチラ】原作は、1980年に発表された村上龍の同名小説。コインロッカーに捨てられて、かろうじて生き残った「ハシ」と「キク」の人生を描いた、激しくもせつない物語だ。2016年に上演された初演と同じく、主演はA.B.C-Zの橋本良亮と河合郁人。今回の再演では、「相手の役にも挑んでみたい」という、兼ねてからのふたりの思いが実現し、公演日によってそれぞれ役を入れ替えて演じるというダブルキャスト形式に挑戦している。東京公演の後半戦では、ハシを橋本が、キクを河合が演じている。橋本は全体的に柔らかな雰囲気を醸し出し、感受性豊かなハシを演じ、一方で、河合はまっすぐ、エネルギッシュにキクを演じた。前半時に見せた、クールでぶっきらぼうながらも、人一倍熱い想いを秘めていた橋本のキク、どこまでも純粋で情が深い河合のハシを見た観客は、より一層ふたりが演じるハシとキクの“違い”を楽しめたことだろう。公式パンフレットのインタビューの中で、初演時にハシを演じた橋本は「ハシをつかんだ時の河合さんは、やっぱりかっこいいと思うし、悔しいなとも思います。“俺のハシを奪わないでくれ”と思う。だけど、僕もキクをやるから負けないぞとも思います」と語っている。また、初演時にキクを演じた河合は「新たにハシを演じることで以前演じたキクもアップデートされている感覚ですね。せっかくハシを演じるのなら、橋本くんのハシよりもいいねと言われるくらいの勢いで演じきりたいと思います」。互いにライバル心をのぞかせながらも、切磋琢磨している様子だ。キャストはほとんど初演と同じメンバーが集結しているが、巨大なワニを飼い、キクとともに生物破壊兵器(ダチュラ)を求めて奔走する少女「アネモネ」を演じる山下リオは、今回が初出演。エンディングなどの新曲も加わり、初演時よりも、ハシ、キク、アネモネの3人の物語というテイストがより濃くなっている。山下は「純粋に、そして必死に生きている3人の姿が少しでも誰かの心に残ればいいなと思っています」とコメントしている。上演時間は約2時間20分(休憩20分を含む)。脚本・演出は木村信司。音楽は長谷川雅大。出演者は、橋本良亮、河合郁人、山下リオ、シルビア・グラブ、秋山大河(MADE/ジャニーズJr.)、福士申樹(同)、ROLLYほか。大阪公演は8月11日(土)、12日(日)に豊中市立文化芸術センター・大ホールにて。富山公演は8月18日(土)、19日(日)にオーバードホールにて。8月4日(土)11:00から6日(月)23:59まで、大阪公演のサイド席受付を実施。文:五月女菜穂
2018年08月02日2016年より耐震補強工事のため休館していた京都・南座が、南座発祥400年の今年、新開場する。その幕開けを飾る11月の「當る亥歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」にて、二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎、八代目市川染五郎の親子三代による襲名披露が行われる。7月28日、京都市内で記者会見が行われ、白鸚、幸四郎、染五郎が思いを語った。今年1月の東京・歌舞伎座から始まり、これまでに4劇場で襲名披露を行ってきた高麗屋。その締め括りとなる南座では、昼の部の『連獅子』で幸四郎と染五郎が共演し、白鸚は顔見世で49年ぶりの上演となる『鈴ヶ森』に出演する。また、夜の部の『勧進帳』で親子三代が富樫、弁慶、義経を演じるのも見どころだ。白鸚は「『鈴ヶ森』の長兵衛は五代目幸四郎の当たり役で、“あれは五代目の鼻の高え長兵衛”というようなセリフが残っております。衣装も背中に花菱を抜いた“首抜き”で、合羽も高麗屋格子。高麗屋に大変ゆかりがある演目です」と語り、『勧進帳』で演じる富樫については「富樫には“武士の情け”がある。主君の義経を思う弁慶の心を慮って通してやるという情けです」と話す。幸四郎は今年で三度目の『勧進帳』弁慶で、南座で楽日まで勤めると100回を数えることになるという。「三代で『勧進帳』を勤めさせていただけるのは、夢のような幸せを感じておりますが、弁慶を勤めるときには喜びという思いどころではないというのが率直な感想です。回数ではございませんが、私自身の『勧進帳』として大きな区切りとなりますので、精一杯勤めきりたいと思います」。1月の歌舞伎座でも義経を勤めた染五郎は「最初は自分がこんな大きな役を勤めきれるのかという不安がありましたが、すごく大好きな役になりました。11月の南座では、1月にできなかったことをすべて直してお見せできるように稽古したいと思います」と意気込みを語った。また『連獅子』については幸四郎が「なんとかここでせがれに大きくなってもらいたいという思い。親子の物語ではありますが、狂言師右近、左近が踊りをお見せする舞踊です。僕自身の解釈としては踊り比べだと思っていますので、どっちが勝つかという踊りだと思って僕は勤めますので…、頑張ってください!」と染五郎に発破をかけると、染五郎も「親獅子が仔獅子を崖から落として這い上がったものだけを育てる伝説をもとにした踊りですが、親獅子を突き落とすくらいの強い気持ちで勤めたいと思います(笑)」と語り、会場の笑いを誘った。「當る亥歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」での襲名披露興行は11月1日(木)から25日(日)まで、京都・南座にて上演。チケットは10月15日(月)前売開始。取材・文:黒石悦子
2018年08月02日大都会で生きたカブトムシやクワガタと触れあえるとあり、親子連れに大人気の夏休みイベント『大昆虫展』。昆虫愛好家として知られ、88mmというギネス級カブトムシの飼育経験もある俳優、哀川翔をアンバサダーに迎え、今年も『大昆虫展 in 東京スカイツリータウン(R)』が東京スカイツリータウン東京ソラマチ5階スペース634で開催中だ。【チケット情報はこちら】「アンバサダーは3年連続。デジタルな時代だからこそ、カブトムシや生き物に触れあえる場所があることに意義がある。俺たちが子どものころって、カブトムシがキライって男の子はいなかったけど、今は捕まえに行く場所もない。この会場には、<ふれあいの森>という、300匹以上の生きたカブトムシやクワガタと触れあえる場所も。虫を通して、親子のコミュニケーションも生まれるんじゃないかな?実際のカブトムシに触れると、飼いたくなっちゃうと思うよ(笑)」という哀川。哀川がカブトムシの飼育にハマったのは、子どものころの経験から。「子どものころはネットもマニュアル本もなくて、育て方がわからず、幼虫を成虫にすることができなかったんです。大人になって幼虫と再会したとき、当時の後悔を思い出して。それでマニュアル本で勉強したら、50匹の幼虫を全部かえすことができたのが、20年ほど前。それから飼育にハマりました。小さくて白い幼虫がサナギになって、成虫になった時の感動って、大海で大物を釣り上げたときの感覚に似ている。育てたカブトムシを交尾させて、次の世代に繋げるというのも魅力。成虫も良い環境だと2~3か月は生きるけど、必ず死ぬんだよね。ゲームじゃないから、リセットできない。今まで生きてたものが死ぬという命の尊さも学べるし、それを知っている子は、大人になってから優しくなれると思うんだよね」と、その魅力を語ってくれた。今年のテーマは“お祭り”ということで、会場には昆虫神社も出現。100箱を超える標本、ふれあいの森、虫の生態を題材にした特別ブースなど、夏休みの自由研究のヒントもいっぱい。また、日本初となるスカラベ(フンコロガシ)の生態展示には「エジプトでは“神の使い”っていわれている、貴重な生き物。俺も生きているのを見るのははじめて。なかなか見られるものじゃないから、夏休みの自由研究のテーマにするのも面白いんじゃないかな?」と興味津々。『大昆虫展』は9月2日(日)まで。今年は初の試みとして、毎週金曜日に21時までのナイト営業も行う。チケットは発売中。取材・文:坂本ゆかり
2018年08月02日