チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (122/342)
東京二期会の2019/2020シーズンラインアップが発表された。7月11日に行われた記者会見には、韮澤弘志理事長、山口毅常務理事兼事務局長、歌手の宮本益光(バリトン)の3名が登壇した。【チケット情報はこちら】2019/2020シーズンラインアップは、「様々な愛の形」をテーマとした6作品で、全て新制作となる。幕開けは、2019年2月の宮本亜門演出『金閣寺』。フランス国立ラン歌劇場との共同制作となる本作は、今年の3月から4月にかけてストラトブール、ミュルーズにて計7回上演された。現地でも非常に高い評価を得ており、この成功を受けての日本公演となる。指揮は、ミラノ・スカラ座をはじめ欧州主要歌劇場で活躍をしているマキシム・パスカル。4月には、マスネの代表作『エロディアード』が上演される。映像と照明を駆使した〈セミ・ステージ形式〉で好評を博した《東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ》の第2弾となる。指揮は、ミシェル・プラッソン。6月は、ハンブルク州立歌劇場との共同制作でリヒャルト・シュトラウス『サロメ』を上演。指揮は、読売日本交響楽団常任指揮者就任が発表されたばかりのセヴァスティアン・ヴァイグレで、『ばらの騎士』(2016年)に続いて、読響とともに再びピットに入る。演出するヴィリー・デッカーは、『トリスタンとイゾルデ』(2016年)でも高い評価を得ている。10月は、プッチーニの『蝶々夫人』。アンドレア・バッティストーニ指揮、宮本亜門演出の顔合わせとなる。衣裳には、国内外で多岐に活躍するクリエーターの蜷川実花を迎える予定。11月は、毎年恒例となっている日生劇場での上演となるオペレッタ『天国と地獄』。指揮に大植英次、演出に鵜山仁を迎え、客席と舞台の距離が近い日生劇場の特性を生かし、セリフと歌のどちらも楽しめるように、日本語訳詞上演となる。2020年2月は、ヴェルディの『椿姫』。指揮はジャコモ・サグリパンティ。すでにバイエルン国立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、パリ・オペラ座などで活躍しているイタリアの若手指揮者のひとりだ。今後《二期会名作オペラ祭》での再演も視野に入れており、より長いスパンで多くの日本人が親しめるプロダクションに仕上がる予定だ。演出は現在調整中。今年の後半のラインアップにも、ニューヨークのメトロポリタン・オペラでの初演から100年というメモリアルを迎えたプッチーニ《三部作》や日生劇場での『後宮からの逃走』など注目作品の上演が控えており、今後の東京二期会から目が離せない。
2018年07月23日韓国で8年にわたってロングランされ、2016年に『キム・ジョンウク探し~あなたの初恋探します』として日本語版が初演された『あなたの初恋探します』。早くも2度目の再演となる人気ミュージカルが7月21日に東京・オルタナティブシアターで開幕し、前日にゲネプロが行われた。何をやってもダメダメなムン・ミニョクが初恋相手を探す会社を立ち上げ、最初の客となったアン・リタが10年前にインドで出会った男、キム・ジョンウクを共に探す物語。昨年の再演ではキャストが総入れ替えとなったが、今回はオリジナルキャストの村井良大、彩吹真央、駒田一が2年ぶりに集結し、仲の良さを感じさせる息の合った演技でチャーミングな舞台を届けた。チケット情報はこちら安定のメガネ姿でミニョクを体現する村井は、回想シーンになるとメガネを外してキム・ジョンウクに早変わり。空気が読めないがどこか憎めないダメ男と、いわゆる理想的なイケメンとをごく自然に演じ分け、幅の広さを見せる。アン・リタ役の彩吹は、コケる場面などで見せた思いっきりの良いコメディエンヌぶりもさることながら、やはり最大の魅力は歌唱力。確かな技術を持っていながらそれを誇示することなく、喋っているトーンのまま流れるように歌へと移行することができる、貴重なミュージカル女優のひとりだ。そして駒田は、男性から女性、若者から老人、韓国人からインド人までに扮するマルチマン役。駒田が運転するタクシーのラジオから流れてくるのもまた駒田の声だったり、体の右半分と左半分とで違う扮装をすることで同時に二役を演じたり……と様々に凝らされた趣向に加え、持ち前のエンターティナー精神も駆使して全22役をコミカルに演じ、喝采を浴びた。舞台は終始笑いの中で進んでいくのだが、ここぞというところでお姫様だっこなどの胸キュンシーンが挟まれるあたり、やはりさすがは韓国産。だがそんな物語が無理なく成り立っているのは、バンドメンバーを含めたステージ上の全員が、心から楽しんで届けているからだろう。「若い頃のトキメキを思い出したり、これからへ思いを馳せたり、過去も未来も体感できる作品です。ひとりでも多くの方に、その魅力を体感していただきたい!」(村井)、「公演が始まるといつかは訪れる“終わり”への寂しさもすでに感じています(笑)」(彩吹)、「互いに影響を与え合える関係、共演のふたりを改めてリスペクトしています」(駒田)と、キャストのコメントからも作品と仲間への愛が滲み出る。そして駒田の言葉通り、「作品を作る最後のピースはお客様」。観客が積極的に盛り上げることで、ロマンチック・コメディの代名詞のようなこの作品の魅力はさらに増大することだろう。東京公演は同劇場にて、7月28日(土)まで。その後8月4日(土)・5日(日)に福岡・大野城まどかぴあ 大ホール、8月14日(火)・15日(水)に愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール、8月18日(土)・19日(日)大阪・サンケイホールブリーゼでも上演される。(取材・文:町田麻子)
2018年07月23日脚本・池田純矢×演出・岡村俊一のオリジナル舞台「LADY OUT LAW!」が9月より上演される。主演の矢島舞美、味方良介、小野健斗に話を聞いた。【チケット情報はこちら】脚本は俳優でありながら作・演出としても活躍する池田の書き下ろし、演出はつかこうへい作品や舞台『あずみ』、少年隊ミュージカル『PLAYZONE』などを手掛けた岡村という、新たなタッグで生まれる本作。平和な宇宙ステーションに突如現れた半身が機械仕掛けの少女が、なぜ世界を破滅に導こうとするのかが描かれる。本作で主演を務める矢島は「すごく嬉しいです」と笑顔をみせ、「苦しくなるようなシーンもありますが、すごくいろんなことを考えさせられる作品で。もし自分が観たら“いろんなものを得られた”と嬉しさを感じるだろうなと思いました。皆さんにもそれをお届けしたいです」と意気込む。円形舞台を宇宙船に見立て、最新映像技術を駆使し、その中でハードなアクションを繰り広げる“映像宇宙アクション”。それについて味方は「未知ですよね。新しいものがつくれる予感がしているので楽しみです」と期待を寄せ、これまで3度タッグを組んでいる演出の岡村は「わからないところを逃さずに教えてくれる方です。それによって言葉(台詞)に嘘がなくなる。それは演劇をやるうえで大切なことだと思います」と印象を語る。小野が「味方と(鈴木)勝吾が出演して、純矢が脚本というのを聞いて、嬉しかったです」と言うように、小野・味方・鈴木・池田は以前ミュージカル『薄桜鬼』シリーズで共演したメンバー。そんな池田が手掛けた脚本に「池田純矢すげーな!と思いました。頭の中どうなってるんだ、と。面白かったです。普段の彼とかけ離れているので、池田純矢という人に興味が湧きましたね」と嬉しそうに語る。味方と小野は当時のお互いの印象について「(味方は)元気だな!と思ったんですけど(笑)、作品に対して想い、表現したいことに対してストイックなんですよ。それ、すごい尊敬しています」、「(小野は)器用さがすごいんですよ。なんでもすぐに覚えるし、芯も捉えているし。久しぶりの共演なので、僕も経験してきたものをぶつけたいです」アクションシーンも見どころだが、矢島は5年ぶりのアクション。「もともと身体を動かすのは好きなのですが、アクションは難しかった記憶がありますし、今回もしっかり体力をつけて挑みたいです。私が演じる役はカッコいい女性ですし、がんばります!」「観るたびに気付くことがある作品だと思うので、何度でも観ていただきたいです」(矢島)という本作は、9月14日(金)から24日(月・祝)まで東京・品川プリンスホテル クラブeXにて上演。チケットぴあでは7月29日(日)午後11時59分までプリセール先着先行を実施中。取材・文:中川實穗
2018年07月23日NHK「おかあさんといっしょ」のうたのおにいさんで知られる、横山だいすけの新作ツアー『だいすけお兄さんの世界迷作劇場2018-19』が、7月21日、泉佐野市のエブノ泉の森ホールで幕を開けた。「だいすけお兄さんの世界迷作劇場2018-19」チケット情報ミュージカルとコンサートで構成された『世界迷作劇場』は、昨年、横山が、うたのおにいさん卒業後に初上演し、来場者数10万人以上を集めた。シリーズ第2弾となる今回も、会場には親子連れの観客が続々と詰め掛けている。舞台には映像で桃が映し出され、その桃から、元気よく横山が飛び出す。第1部のミュージカル『桃太郎』の始まりだ。『迷作劇場はじまるよ』などのオリジナル曲を、横山がのびやかにさわやかに歌い、観客を惹きつける。ここでは、誰もが知る『桃太郎』とはちょっと違い、横山扮する桃太郎は、育ての親のおじいさんとおばあさんに「いつまでも家でゴロゴロしていて情けない。早く独り立ちしなさい」とたしなめられる。かなりグウタラな桃太郎のようだ。また、猿や鳥のほか、格言をとなえる一風変わった犬のおじいさんも登場し、大人も楽しめる。キャストがボケたりずっこけたりして笑いを取るシーンも多い。「世界の名作を不思議に面白おかしくしたいので、今年は笑いの要素を強くしました。こけ方やツッコミ方をキャストそれぞれが、お笑いの映像を見て学んだりしたんです。僕らお笑いの集団だったかなと思うくらい、稽古を重ねました(笑)」と、横山が話していた通りだ。ほかにも『鬼のパンツ』で横山がオペラ調の歌い方で美声を響かせたり、『犬のおまわりさん』で会場中が大合唱になったりと盛り上がりを見せた。第2部はコンサート形式で展開。横山が「僕のフリートークも迷うかも知れませんが(笑)、温かく見守って下さい」と観客に語りかけ、『あつまれ!笑顔』『まほうのとびら』などの楽曲を安定した歌声で披露する。「おかあさんといっしょ」でおなじみの『ぼよよん行進曲』では、横山をはじめ、キャストも客席の子どもたちも皆、一緒になって大ジャンプ。小さな赤ちゃんは、親に“高い高い”され、その場で行進し始める子どもたちも。会場が大きく揺れ、大いに沸いた。終演が近づくと、子どもたちは「だいすけお兄さーん」と名残惜しそうに叫んでいる。「お客さんの目がキラキラすることが何よりもうれしい」と、横山。子どもたちは純粋に音楽や物語、舞台の楽しさに触れ、大人はそんな子ども時代のキラキラを懐かしく思い出すような時間だった。夏休みツアーでは9月1日(土)まで全国28会場で全58公演を実施。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2018年07月23日最近、映画及びクラシック音楽ファンの間で話題になっているのが『シネマ・コンサート』。今夏から秋にかけては『スター・ウォーズ in コンサート』、『ニュー・シネマ・パラダイスシネマ・コンサート』の上演が控える。その魅力を、本企画の仕掛人のふたりに直撃。『ラ・ラ・ランド』など数多くのシネマ・コンサートを企画・制作してきた株式会社プロマックスの飯島則充プロデューサーと、数々のシネマコンサートのオーケストラを担当している東京フィルハーモニー交響楽団事業部企画制作課の岩崎井織氏に聞いた。【チケット情報はこちら】ともすると、映画の名場面のダイジェストをバックに、映画音楽を演奏するものと混同されがちだが、実は『シネマ・コンサート』の内容はかなり違う。『シネマ・コンサート』は、映画のセリフや効果音はそのままに、劇中に流れる音楽をフルオーケストラが生演奏するエンターテインメント。つまり大スクリーンでフルで映画を上映をしながら、音楽はフルオーケストラの生演奏という、贅沢な映画上映かつコンサート公演になる。まず、ふたりは『シネマ・コンサート』の魅力をこう語る。「はじめてみたシネマ・コンサートはシカゴでの『ゴッドファーザー』の公演。普通に映画館で映画を観る感覚とはまったく違う感動がありました。例えば、感動的な場面だったら、生演奏ならではの臨場感とスタジオ録音ではない生の音楽が心にダイレクトに伝わってくるようで感動がより深まる。もちろんスクリーンも映画館と遜色ない大スクリーンで映画の醍醐味も味わえる。それですぐに“これを日本でもやりたい”と思ったんです」(飯島)「通常のオーケストラの公演とは違うスタイル。ただ、飯島さんからお話をいただいたとき、私自身はオーケストラの演奏をもっと身近に感じてもらえる、すばらしい機会になるのではないかと思いました。実際、従来のクラシック音楽と映画の双方のファンからご好評をいただいている。また、昔は映画の中から劇伴の音楽だけを抜くのは難しかった。それが映像技術の進歩でたやすくなり、可能になったのが「シネマ・コンサート」。そういう意味で、新しいエンターテインメントといっていい。新しい映画体験、新しい音楽体験をご提供できている手ごたえを感じています」(岩崎)今夏は「スター・ウォーズ」の公演がスタート。こちらはシネマ・コンサート史上、最大規模のジャパン・ツアーで7都市14公演を巡る。「20世紀FOXファンファーレも生演奏。その時点から胸が高鳴ると思います(笑)」(飯島)「ジョン・ウィリアムズの生み出した歴史的音楽を生の演奏でとことん体感しながら、映画を味わう。すばらしいい機会になると思います」(岩崎)「スター・ウォーズ」の公演に続き、世界に先駆けてジュゼッペ・トルナトーレ監督の名作『ニュー・シネマ・パラダイス』の上演。映画ファンもクラシック音楽ファンもきっと新たな感動体験がまっている。未体験の方はぜひ会場へ!
2018年07月23日この夏注目の恐竜ライブショー『世界一受けたい授業THE LIVE 恐竜に会える夏!』が、本日7月21日に神奈川・横浜アリーナで開幕を迎えた。このイベントは、日本テレビ系で毎週土曜日に放送中の人気番組『世界一受けたい授業』から生まれた“楽しく学べる”新感覚のアカデミック・ライブで、全国5大アリーナで開催され20万人の動員を予定。初日7月21日の午前中の初回公演後に、出演者の芦田愛菜、八嶋智人、山崎樹範の3人が会見を行い、本公演がスタートしたことを受けての手応えや本公演の魅力を語った。「世界一受けたい授業THE LIVE 恐竜に会える夏!」の公演情報この公演で、演技だけでなく歌やダンスも披露している芦田愛菜は、舞台出演はこれが初めてで、しかも初主演となる。それについて「目の前でお客さんの反応をいただけるのは、こんなに楽しいものなんですね!」と、初舞台を楽しんでいた様子。「こんなにすてきな機会をいただいて感謝しているのと同時に、緊張とプレッシャーもありました。でも、私個人としても楽しみながら、みなさんにも楽しんでいただけたらうれしいです」と、今後の公演に向けて意欲を見せる。そんな芦田と共演経験のある八嶋は「愛菜ちゃんとは昔に親子役をやったことがあって、愛菜ちゃんの演技力は信頼しています。それにしても、初舞台が主演で横浜アリーナって、とんだ大女優だよ!」と冗談交じりに芦田を絶賛。山崎も、「20年以上役者をやってきて、こんな子どもに甘えるか!?っていうくらい甘えています!」と、2人とも芦田の演技に太鼓判だ。また本公演の大きな見どころのひとつは、ティラノサウルスやステゴザウルスをはじめ、子どもが大好きな恐竜のリアルな実物大造形が登場して、ステージだけでなく会場を所狭しと暴れ回るところだ。あまりのリアルさに、怖がって泣いてしまう子どもも少なくなかった。その恐竜について「最新の学説を元に作られているのがポイントです。2月に神戸でリハーサルをしたときよりも、大きさも動きもパワーアップしていました。今でもガバってこられると怖いです」と、八嶋。芦田も「ラプトルの目がリアルで怖いです」と、最新の恐竜造形の迫力にタジタジ。しかし、ここで山崎が「これだけは言っておきます。(恐竜の素材が)柔らかいです(笑)!」とフォローして、関係者の笑いを誘っていた。会見の最後に「こんな経験はほかではできません。ぜひ生で体感してください」(山崎)、「夏休みのいい思い出にしてください」(八嶋)、「一緒に楽しみましょう!」(芦田)と、それぞれメッセージ。夏休みに親子でどこに行こうか迷っている人にオススメ。子どもはもちろん、大人も子どもにかえって楽しめるショーだ。今後の本公演は、明日7月22日(日)に横浜アリーナ、7月28日(土)・29日(日)に大阪城ホール、8月4日(土)・5日(日)に名古屋・日本ガイシホール、8月11日(土)・12日(日)にさいたまスーパーアリーナ、8月18日(土)・19日(日)にマリンメッセ福岡で開催する。取材・文:榑林 史章
2018年07月21日7月7日に開催された『ぴあアイドルフェスタ』の続編として、7月29日(日)、大阪・ESAKA MUSEにて『続・織姫祭』が開催される。今回出演者は総勢11組60名以上! 出演アーティストを簡単にご紹介。「ぴあアイドルフェスタ~続・織姫祭~」のチケット情報関東からは3組が参戦。ぴあアイドルフェスタ4回目の出場のダンス・ボーカルユニット「DEAR KISS」は伊山摩穂(元GEM)が加入し、パフォーマンスもレベルアップ!新体制で初の大阪遠征。進化した彼女たちを目にしてほしい。日本コロムビアのアイドルレーベルLabel The Garden(レーベル・ザ・ガーデン)より発足したアイドルユニット「Clef Leaf」と「Shine Fine Movement」。関西組から4組が出演。昨年はサマーソニック、今年のゴールデンウィークにはなんばHatch(キャパ:1300)でのワンマンライブを実施。来年も同会場でのワンマンライブを発表した関西屈指のアイドルユニット「KissBeeWEST」。6人組アイドルユニット「NEO BREAK」。前身はJeanne Mariaという大阪のアイドルユニット。ハイクオリティなダンス、歌、アクロバットを駆使したパフォーマンスは必見!今年5月に大阪・BIGCAT(キャパ:800)でワンマンライブを成功させ、今大阪で急成長率NO.1のアイドルグループ「サクヤコノハナ」。PassCodeの所属事務所・we-B studiosから今年5月に発足した新たなアイドルグループ「Koloko」。彼女たちのサウンドで感情が爆発するかも!?そして九州からも2組。福岡を中心に活動をする九州屈指のアイドルユニット。人が集まるマルシェに華麗に踊り歌う可憐なパピヨン(蝶)をイメージしている「パピマシェ」、ロジェ(薔薇)に舞うパピヨン(蝶)をイメージしている「パピロジェ」。ツアー真っ最中の夏の蝶たちに魅了されて!そしてオープニングアクトには、Avexからデビューした大阪☆春夏秋冬の妹ユニット太陽☆K、同じ事務所でボーカル・ギターの2人組ユニット黒★猫が会場を温めてくれる!7月最後の休日も織姫たちと共に素敵な日を過ごそう!!チケットは発売中。
2018年07月20日石原裕次郎の命日となる7月17日、墓所である大本山總持寺にて、『全国縦断「石原裕次郎の軌跡」展』の記者発表会が行なわれ、石原プロ代表の石原まき子夫人をはじめ、舘ひろし、神田正輝、徳重聡、金児憲史、池田努、宮下裕治、神田穣、岩永ジョーイ、増本尚が出席した。【チケット情報はこちら】「石原裕次郎の軌跡」展は、俳優、歌手さらに映画プロデューサーとして大活躍をした昭和を代表するスター・石原裕次郎の人生を回顧すると共に、現代の若者が失いかけている“カッコいい生き方”の軌跡を、約2万点のなかから、貴重な資料やプライベートな遺品などを通じて紹介する展示会。まき子夫人は、1991年の開館以来、合計2000万人の人が訪れた北海道・小樽の「石原裕次郎記念館」が、2017年8月31日に閉館したことに触れると「建物の老朽化により、記念館が閉鎖されて以来、全国のファンから残念がるお声をいただきました。また裕次郎さんを忘れらない同世代の方から“小樽は遠くて体力的に行けない”というお声も頂戴していました。そんな方々のご要望に応えるという形で、松屋銀座で本展示会を開催することになりました」と趣旨を説明。展示会には、これまで1度も公開されることがなかった、裕次郎から贈られた婚約指輪をはじめ、結婚指輪、1年目の結婚記念日に贈られた指輪など、4点も展示。まき子夫人は「以前、資料として写真集には提供しましたが、本物を展示するのは初めてです。反対する方もいましたが、正直に裕次郎さんの世界をお見せする展示会なので、夫婦の証である指輪も提供させていただきます」とコメント。また、裕次郎がこよなく愛していたガルウイングが特徴の「メルセデス・ベンツ300SL」の話題になると、舘は「あれは本当にすごい。いただけるのならば…」とまき子夫人をちらりと見るが「あれは無理ですね。裕次郎さんは、一にベンツ、二にベンツ、三四がなくて、五に女房という人。それだけ愛していた車なので、こちらも展示させていただきます」と本展示会のもうひとつの目玉であることを明かす。裕次郎の秘蔵っ子と言われていた神田は「裕次郎さんと言えば、ロレックス GMTのイメージがあります。舘ではありませんが、この展示会が終わったら、僕のものになるのかなと思います」と発言。それを聞いたまき子夫人は「残されたものは遺品だけ。メモ用紙まで確保しています。正輝ちゃんから頼まれても無理ですかね」と笑顔でダメ出しをしていた。そのほか、愛用のジャケットや靴など1000点を超える裕次郎ゆかりの品が展示される「石原裕次郎の軌跡」展。現状では、2年間で全国8か所での展示会が予定されており、要望があれば継続的に行なわれる可能性もあるという。『全国縦断「「石原裕次郎の軌跡」展』は8月22日(水)から9月3日(月)まで、東京・松屋銀座8階イベントスクエアで開催。現在、前売りチケットが発売中。取材・文:磯部正和
2018年07月20日ももいろクローバーZの結成10周年を記念した東京スカイツリー(R)とのコラボ企画「ソラクロ祭 ももクロ in トーキョースカイツリー(R)」が9月2日(日)まで開催される。展望台をライブ会場に見立てた本イベントにおいて、初日の7月17日夜に地上350mの天望デッキでオープニングイベントが開催され、メンバー4人が見どころを紹介した。【チケット情報はこちら】天望デッキをぐるりと囲む、横幅約110m、高さ約2mの窓ガラスを巨大スクリーンにした「SKYTREE ROUND THATER(R)」では、ももクロのライブを編集したオリジナルコンテンツ「ももクロ10周年SKYTREE(R)からあの空へ向かって」を上映。各メンバーのソロシーンやライブ映像が5分割され、場所によりいろんな映像が楽しめる。初めて観たという4人も大迫力のライブ映像にノリノリ。高城れには「自分たちのことなのにすごく感動しました」と興奮気味に、百田夏菜子は「いろんなライブ映像が交ざっているし、場所によって映像が違うので何回も楽しめる」と見どころを話した。地上450mの天望回廊は、2008年のデビューから10年間にわたるももクロヒストリーを当時の写真とともに振り返るエリア。2011年~2018年歴代のももクロ公式生写真2400枚の展示コーナーもあり、玉井詩織は「歴史のある生写真を一気に見られる機会は中々ない。私たちの成長を見ていただきたい」とコメント。同エリアにはグッズや衣装の展示、等身大パネルのフォトスポットもあり、見どころ十分。限定コラボグッズを扱う特設ショップでは、各メンバーのカラーをイメージしたスカイツリーのぬいぐるみ「ソラクロ祭 ソフトトイタワー」やクリアファイル、キーホルダーなども販売している。また、天望デッキの「SKYTREE CAFE」ともコラボし、メンバーカラー4色のゼリーの上にアイスやわたあめが乗った「ソラクロパフェ」や、各メンバーのオリジナルドリンクなど、限定コラボメニューも販売。「佐々木プロのクールないちごミルクかき氷」を食べた佐々木彩夏は、「私のドリンクは練乳といちごのかき氷。夏なのでしっかり水分補給して休憩してください」とニッコリ。カフェメニューは各商品ごとにオリジナルデザインのコースターが付いてくる。ほかにも、メンバーカラーのワンピースを着たソラカラちゃんに会えたり、夜には東京スカイツリーがももクロカラーにライティングされたり、メンバーの自画像がスタンプになったスタンプラリーなど、イベント期間中はももクロ一色。「何から何までももクロ尽くし」(高木)、「ひとりでも多くの方に好きになってもらえたら」(佐々木)、「日本一高いスカイツリーとコラボできて嬉しい」(玉井)、「隅から隅までぜひ楽しんでいただけたら」(百田)とそれぞれPRした。本イベントの開催にあわせて、天望デッキと天望回廊それぞれの入場券にオリジナルマフラータオル&オリジナル生写真2枚セットがついた特別企画入場券をチケットぴあにて発売中。
2018年07月20日トップスター・明日海(あすみ)りお率いる宝塚歌劇花組公演、ミュージカル『MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎-』、ショー・スペクタキュラー『BEAUTIFUL GARDEN -百花繚乱-』が7月13日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。宝塚歌劇花組『MESSIAH(メサイア) -異聞・天草四郎-』/『BEAUTIFUL GARDEN -百花繚乱-』チケット情報第一幕のミュージカル『MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎-』は、島原の乱の指導者として多くの伝説を残した天草四郎時貞の姿を、新たな視点でドラマチックに描き出した作品。衣装や美術に現代的なエッセンスを加えた、新たな日本物ミュージカルとなっている。時は江戸時代初期、幕府による禁教令が出された後も、九州・天草には数多くのキリシタンが隠れ住んでいた。激しい嵐が去ったある日、そこにひとりの男が流れ着く。男は過去を語ろうとせず、自らの名前すら口にしなかったが、キリシタン大名として知られた小西行長の遺臣に拾われ、四郎と名付けられた。貧しくも、心豊かな島の者たちと暮らすうちに四郎の心もほぐれ、彼らの信仰に興味を抱くようになる。その後、四郎はキリシタン弾圧や過酷な年貢の取り立てに苦しむ民衆のために立ち上がる…。明日海が演じるのは、もとは海賊の首領“夜叉王丸”として旅していた四郎。慈悲深く温かい天草の人たちと過ごすうちに、四郎にも温かい気持ちが生まれ、彼らを救いたいという熱い思いが湧き上がる。その四郎の心の変化を明日海は繊細に表現して魅せる。トップ娘役・仙名彩世(せんな・あやせ)演じる島原の美しく清らかな娘・流雨(るう)との恋、そして、柚香光(ゆずか・れい)演じる南蛮絵師・リノとの友情が生まれていく様も見どころだ。仙名は美しく優しい流雨を情感たっぷりに演じ、柚香はリノが抱える複雑な感情を丁寧に表現している。一揆のシーンでは大階段を使い、群舞を織り交ぜながら、殺陣によるアクションを繰り広げる。激しくも美しく、尊さを感じさせる演出に目を奪われた。第二幕のショー『BEAUTIFUL GARDEN -百花繚乱-』は、そのタイトル通り、色とりどりの花が咲き薫る永遠の花園をイメージ。プロローグでは、明日海をはじめとするスターたちが華やかな蝶となって舞い踊り、時に激しく、時には妖艶にめくるめくステージを繰り広げていく。TUBEやT.M.Revolutionなどの誰もが知る楽曲を使った場面もあり、夏らしくホットなエンタテインメントショーが楽しめる。公演は8月20日(月)まで、兵庫・宝塚大劇場にて。東京公演は9月7日(金)から10月14日(日)まで東京宝塚劇場にて開催。東京公演のチケットは8月5日(日)発売開始。取材・文:黒石悦子
2018年07月20日オレリー・デュポンとタマラ・ロホ。世界バレエフェスティバルの常連スターであるこのふたりの女性には多くの共通点がある。それぞれパリ・オペラ座バレエ団のエトワールと英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルとして10数年に渡る黄金期を築いたのち、オレリーはパリ・オペラ座バレエ団、タマラはイングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)の芸術監督のポストにつき、カンパニーを意欲的に先導している。世代的にも同年代であり(1973年と1974年生まれ)、完璧なテクニックとチャーミングなルックスで世界中のファンを虜にした。20代の愛らしい姿に見惚れていた頃は、ふたりがこんなにもパワフルな未来を手に入れるとは思ってもみなかった。【チケット情報はこちら】2017年はこのふたりの「凄さ」を実感する年だった。2月にパリ・オペラ座バレエ団を率いて来日したオレリーはミルピエ振付の『ダフニスとクロエ』でクロエ役を踊り(日本公演のみの特別出演)、7月にイングリッシュ・ナショナル・バレエとともに来日したタマラは『コッペリア』のスワニルダと『海賊』のメドゥーラを踊った。衰えることを知らぬ舞台での華に加え、推進力のあるリーダーシップも発揮し、ふたつの来日公演ではふたりのプリンシパルも誕生した。オレリーによってエトワールに指名されたユーゴ・マルシャンと、タマラによってプリンシパルに昇格したセザール・コラレスの輝かしい表情は、日本の観客にとって忘れえぬものになったのだ。ふたりの芸術監督が日本の舞台と観客を大切に思っている証のような出来事だった。ダンサーとしてはますます自由な境地を切り開いているオレリーが世界バレエフェスティバルで踊るのは、ノルウェーを拠点に活躍する振付家アラン・ルシアン・オイエンによるデュエット作品『・・・アンド・キャロライン』。映画『アメリカン・ビューティ』に想を得て振り付けられたという、現代社会の闇を描いた作品だ。タマラは自らのカンパニーのプリンシパルであるイサック・フェルナンデスとアロンソ振付の『カルメン』とハンス・ファン・マーネン振付の『HETのための2つの小品』を踊る。タマラとイサックはバレエフェス創始者の佐々木忠次氏の追悼公演〈Sasaki Gala〉では『ドン・キホーテ』(プティパ振付)も披露する。パリ・オペラ座と英国ロイヤル・バレエ団のふたつの名花を、長年にわたって見ることが出来る日本の観客は幸運としか言いようがない。変わらぬ美しさ華やかさ、そしてスター・バレリーナならではの大きなオーラで客席を魅了してくれそうだ。オレリー・デュポン、タマラ・ロホが出演する第15回世界バレエフェスティバル(Aプロ、Bプロ)は8月1日(水)から8月12日(日)まで、東京・上野の東京文化会館大ホールにて。チケット発売中。文:小田島久恵
2018年07月19日7月13日、東京・世田谷パブリックシアターにて松坂桃李の主演舞台『マクガワン・トリロジー』が開幕した。【チケット情報はこちら】トリロジー(3部作)という名の通り、1年おきに起きた3つのエピソードから構成。IRA(アイルランド共和軍)の内務保安部長ヴィクター・マクガワンの3年を描く。1部では、アジトとなっている廃れた地下のバーを舞台に、ヴィクターと同胞アハーン(小柳心)、司令官ペンダー(谷田歩)、モヒカンのバーテンダー(浜中文一)の激しいやりとりが展開される。とにかくヴィクターという男がイかれている。多弁で多動、自己主張の塊。まるで自分が正義であるが如く、周りの人をからかい、愚弄する。バーカウンターに寝そべり、大声で歌い、謎のステップで踊り、時には轟音を出して威嚇。情報漏洩を疑われるアハーンに対しても、話を聞く気なんてサラサラなく、組織のやり方に従って意見聴取しようとする司令官ペンダーのことも見下す。バーテンダーや外の見張りとの会話もウィットに富み、状況を楽しんでいるようにすら見える。殺人マシーンとして最前線で戦ってきたヴィクターにとって、自分の意に沿わない相手は迷いなく処刑するのみ。ある意味、一線を越え切っているヴィクターの現状が恐ろしく、また刺激的でもある。これをエンタメとして楽しむ自分の視線に震えた。2部は背の高い草が生い茂る湖畔が舞台。雰囲気は1部とは打って変わって、静かで内省的。手首を縛られた女(趣里)を車のトランクから出し、会話が始まる。なんと女はヴィクターの幼馴染で、かつて好きだった相手。しかし、この場ではヴィクターが処刑する対象なのだ。女は話の主導権を握り、昔話をし、命乞いをし、ダンスを求める…。ヴィクターの内面や性格をよく知り、故郷の原風景を共有する女に、初めてヴィクターは迷いが出る。後悔なのか、最後、彼からほとばしる感情が胸に刺さる。3部では、傷だらけのヴィクターが老人施設に入院する母の元を訪れる。呆けた母は彼を弟と勘違いし、会話が進む。噛み合わない会話の中で、母のヴィクターに対する本音を知る。母に認められたいと頑張ってきたインディアンのような髪の男の子、それが裏切られたことのショックとは…。元は1部だけの作品だったが、ヴィクターのその後を知りたいと3部作になったとか。相手が変わることで、それも幼馴染や母親と根源的な相手になることで、ヴィクターの内面が浮き出てくる面白さ。UKポップスやアイルランド音楽など、要所要所で音楽が物語を後押しするのも効果的だ。松坂桃李は出ずっぱりで熱演。静と動、振り幅広く、ヴィクターを豊かに演じ切る。今、最も俳優として伸び盛り。舞台俳優としての生の松坂の魅力を存分に味わった。舞台『マクガワン・トリロジー』は7月29日(日)まで、東京・世田谷パブリックシアターにて上演。取材・文:三浦真紀
2018年07月19日“ゾンビ”をテーマに、さまざまなジャンルの精鋭たちが、珠玉のパフォーマンスを披露する『ゾンビフェス』。好評を博した昨年に引き続き、今年は『ゾンビフェス THE END OF SUMMER 2018』として、8月27日(月)、東京・CBGKシブゲキ!!で上演される。そこで本公演のホストである入江雅人に話を訊いた。【チケット情報はこちら】ゾンビをこよなく愛し、ゾンビもののひとり芝居を数多く創作してきた入江。そんな入江にとって念願だったのが、この『ゾンビフェス』の開催だ。「去年、自分の出番じゃない時は客席で観ていたんですが、やっぱり面白かったですね。“こんなのない感”がとにかくすごくて。今年はさらにジャンルの幅を広げて、よりフェス感を強めていこうと思っています。これだけのジャンルの、しかもゾンビものが観られるフェスなんて、きっと世界中どこにもないと思いますよ」そう入江が言うように、今年は一気にジャンルを拡大。入江のひとり芝居はもちろん、ダンス、演劇、コント、無声映画活弁、スタンダップコメディ、落語と、豪華なラインナップが実現した。「コントのかもめんたるさんは僕が大好きな芸人さんですし、ダンスの入手杏奈さんやスタンダップコメディの清水宏あたりは、かつて僕が一緒にやらせてもらった人たち。そういう意味では安心感はすごく大きくて。それぞれの演者さんが目的のお客さんでも、違うジャンルの演目を観たらどれも絶対に楽しい、そんなラインナップだと思います」さらに今回こだわったのが、塚本功によるライブ演奏。「塚本くんには“夏の終わり”をテーマに演奏してもらおうと思っています。すごくソウルフルな歌と演奏で、これがとにかくすごい。みんなぶっ飛ぶと思いますよ」「いつかはロメロさん(※『ゾンビ』などゾンビ映画の先駆者として知られるジョージ・A・ロメロ監督)的なポジションになれたら」と笑うほど、入江のレパートリーにゾンビものは多い。数だけで言えば、ロメロ監督をもしのぐほどだとか。そんな数ある入江のゾンビ作品の中でも、絶対に外せない1本が『帰郷』だ。「毎年やっても胸にくる作品ですからね。我ながらすごいなと (笑)。落語の『芝浜』みたいな感じで、夏の終わりに『ゾンビフェス』があって、最後に『帰郷』をやる。そんなことが根づいていけばいいなと思いますし、それまでは頑張って続けていきたいですね」笑えて、切ない、そんな唯一無二の『ゾンビフェス』。忘れられない夏の一夜になるはず。そのほか出演者には、オクイシュージ&野口かおる(演劇)、坂本頼光(無声映画活弁)、立川志ら乃(落語)。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2018年07月19日元プロ野球選手で野球評論家の桑田真澄が野球監修を務めた「舞台『野球』飛行機雲のホームラン~Homerun of Contrail」(作・演出:西田大輔)が7月27日(金)より東京・サンシャイン劇場で開幕する。開幕を目前に控えた17日、東京都内で記者会見が開かれ、主演の安西慎太郎が「僕たち舞台野球一同は正々堂々全力プレーすることを誓います」と“選手宣誓”をした。【チケット情報はこちら】舞台は1944年の夏。戦況が深刻化し、「敵国の競技」である野球は弾圧され、甲子園は中止されていた時代に、甲子園への夢を捨てきれず、白球を追いかけ続けた少年たちの物語だ。見どころについて、主演の安西は「観に来てくれたお客様が一生忘れないような、心の中に残る作品を本当に作りたいなと思っています。とにかく本気で汗をかいて、本気で疲れて、本気で声を出す僕たちの全力プレーを観ていただけたら嬉しいです」と話す。野球監修を務めることになった桑田は「舞台そのものも今まで2回ぐらいしか見たことなくて、お話をいただいた時、ちょっと戸惑ったのですが、西田さんの熱い思いがあり、そして大学院で野球の歴史を勉強していましたので、僕にも力になれることがあるのではないかと思って」と、これまでの経緯を説明する。野球未経験者もいるため、桑田自らキャッチボールやバッティング、ゴロやフライの捕球などを2日間にわたって指導したといい、「俳優の皆さんは高校球児に負けないぐらい元気と熱いものがあって、非常にびっくりした。本当にいいものが仕上がっているのではないかと確信しています」と話す。今年の夏の高校野球は第100回記念大会という節目。桑田は「野球場でやる野球と舞台の上でやる野球は違うけれど、伝わってくる感動は同じか、それ以上のものがあると僕は思う。まだ僕も舞台を通しで見たことはありませんので、どうなるのか非常にワクワクしている。やはり野球ができる、スポーツができるというのは平和でないとできないこと。2度と戦争を起こしてはいけないというメッセージを、野球を通じて感じとっていただけたら」と期待を寄せていた。出演は、安西慎太郎、多和田秀弥、永瀬匡、小野塚勇人、松本岳、白又敦、小西成弥、伊崎龍次郎、松井勇歩、永田聖一朗、林田航平、村田洋二郎、田中良子、内藤大希/松田凌(Wキャスト)、藤木孝。東京公演は8月5日(日)まで。大阪公演は8月25日(土)、26日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。チケット発売中。文・写真:五月女菜穂
2018年07月18日今年のNHK音楽祭の中でも特に注目されるのが、サイモン・ラトル&ロンドン交響楽団のコンビ初来日だ。ラトルは、ベルリン・フィルのポストを経験後、別の常設オーケストラの音楽監督に就任した史上初の指揮者。つまり我々は、歴史上初めて“ベルリン・フィルの先”を体験することになる。【チケット情報はこちら】英国リヴァプールに生まれたラトルは、バーミンガム市響を世界的な楽団に育て上げ、2002年から2018年にはベルリン・フィルの芸術監督として活躍。2017年9月、ロンドン響の音楽監督に就任した。彼は、常にクリエイティブな発想をもって、明晰かつ生気に溢れた音楽を創造する世界きっての名指揮者。しかし首都ロンドンの楽団を率いるのは生涯初となる。今年まだ63歳で指揮者としてはこれからが円熟期だけに、母国の雄とのコラボに熱視線が注がれている。1904年に創設されたロンドン響は、英国五大オーケストラの中でも最上位に位置する名門。世界トップクラスの高性能集団であると同時に、指揮者の持ち味に即したサウンドを奏で、『スター・ウォーズ』の華麗な響きも生み出すなど、柔軟な対応力を有している。すなわち今回は、最上の経験値をもつラトルの意図が隅々まで反映された、最高級の音楽が期待される。プログラムも実に興味深い。1908年作のラヴェルのバレエ音楽『マ・メール・ロワ』、1916年作のシマノフスキのヴァイオリン協奏曲第1番、1926年作のヤナーチェクの『シンフォニエッタ』と、20世紀初頭の名作が時系列で続く。コンセプトも明確だし、どれもラトルの才気とセンス、ロンドン響の精緻な機能性が生きる作品だ。童話を題材にした『マ・メール・ロワ』は、精妙でフランスのエスプリに富んだ佳品。当コンビならば、この上なく緻密な演奏を聴かせるに違いない。『シンフォニエッタ』は以前、村上春樹の小説『1Q84』に登場して話題を集めた小交響曲。チェコの巨匠が描いた民族的な音楽で、トランペット9本をはじめ13本の金管別動隊を用いた壮麗なサウンドが聴きものだ。そしてシマノフスキのヴァイオリン協奏曲は、ショパン以来のポーランドの大家が全盛期に残した、エキゾティックで妖艶な音楽。ここでは、モデルのような長身と美貌を誇るオランダの人気奏者、ジャニーヌ・ヤンセンがソロを弾く。艶美な音色、高度のテクニック、繊細な感性を併せ持つ彼女は、官能的でいながら難技巧を要する同曲に相応しい名手だ。しかもこの曲は、多数の管・打楽器やハープ2本を用いた、協奏曲としては異例の大編成。それゆえ強力なバックも華麗な効果を発揮する。全てが生演奏でこそ真価がわかる演目。英国史上最強コンビでそれを堪能できる絶好機を逃してはならない。公演は9月27日(木)東京・NHKホールにて。チケットは発売中。文:柴田 克彦
2018年07月18日海外の演出家と組んだ主演舞台『ドリアン・グレイの肖像』や大竹しのぶ主演音楽劇『にんじん』出演など、近年演劇界でもその名を目にする、歌手で俳優の中山優馬。この夏、鴻上尚史作・演出の新作オリジナル音楽劇『ローリング・ソング』に出演。松岡充、中村雅俊とトリプル主演を務める。公演に先駆け中山と鴻上が取材会で意気込みを語った。KOKAMI@network vol.16「ローリング・ソング」チケット情報ある日、元バンドマンで今は納豆売りの男(松岡充)の前に、「あなたの息子です」と名乗るミュージシャンの青年(中山優馬)が現れる。しかし、納豆売りの男の記憶は曖昧だった。そんな“父親”の姿に失望した青年の前に、今度は「夢を諦めるな」と60代の男(中村雅俊)が現れる。男は夢を売る結婚詐欺師だった…。不思議な縁に導かれるように相見えた男たち。そこへ納豆売りの母親と娘までが加わり、物語は思わぬ展開へ。見る時期に終わりはあるのか――。そんな命題に、三世代の男たちの姿を借りて挑みたいという作・演出の鴻上。「20代で夢を諦めるヤツもいれば、60代で夢見るヤツもいる。夢は年齢じゃないんだということを伝えたい」。それゆえ、世代間で夢に対する熱量が片寄らないように配慮したとも。「なるべく三者ががっつり同等に組んで、なおかつ60代と20代の女優たちの存在も突き刺さるような、女たちの闘いもある。三世代の話ですが、五角形がちゃんと拮抗するようには仕上げたい」。昨年、鴻上が手掛けた舞台『ベター・ハーフ』を観劇し、その作風に強く惹かれたと話す中山。「物語の面白さ、客席を巻き込む展開、セリフのスピード感など、どう稽古したらこんな風に表現できるんだろうって引き込まれました」。出演が決まり「今までにない役」と気を引き締める。「エネルギッシュな純真さで周囲を引っ掻き回していく、普段の僕とも正反対な“発散型”の役。挑戦だなって」。鴻上も「笑いをさらってほしい」と発破をかける。「真剣だから可笑しい。本人にとっては深刻でも、他人から見たら滑稽だし。人生ってそういうもの。人生を描くなら悲劇も喜劇も両方存在させたい。その両方を優馬は持っているんじゃないかな」。劇中歌は全7曲。中山は3曲を担い、うち1曲は松岡との親子バトル曲。熱い歌声にも注目だ。「僕は役と同世代なので20代に共感するけど、観客の皆さんはどの世代の目線で見るのかも気になります。男女問わず楽しんで」と中山。鴻上は初観劇にもぴったりとアピールする。「間違いなく、芝居ってこんなに面白いんだ!と思ってもらえる自信がある。普段僕の重い芝居を見慣れた方も今回は身構えずに、体力がなくても楽しめると思います(笑)」。公演は、8月11日(土)から9月2日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA、9月5日(水)、6日(木)まで福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、9月14日(金)から16日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。チケットは発売中。取材・文:石橋法子
2018年07月18日日本ジャズ界の大御所・菊地成孔の作品に数多く参加してきた実力派シンガーソングライター・市川愛が、今年4月に、彼のプロデュースで初のメジャーアルバムを発表した。8つの収録曲には、アーバンとカントリー、大人と子供、恋ともうひとつの恋、愛と演技といった相反する要素が美しく同居。菊地もライナーの中で「ポップスの救世主たり得る」と絶賛するみごとな仕上がりだ。【チケット情報はこちら】「30代に入った頃から、ジャズではなく、私自身の歌を歌いたいと思うようになって。今回の収録曲でもある『あこがれ』『青い涙』『水で薄めた恋』のデモを菊地さんに送ったところ「是非プロデュースさせてください」と言っていただきデビューに繋がりました。私のジャンル?そうですね、正直よくわかりませんが、アーバン・ポップス?ちょっとジャジーみたいな(笑)。自分が女子から女性に変化していると感じる今だからこそ、同世代や少し年上の女性に向けて歌いたい、そんな願いを込めたアルバムです」タイトルの『My Love,with My Short Hair』は、菊地が作詞作曲した収録曲にちなんだものだという。「それまでの私は腰まであるロング・ヘアがトレードマークだったのですが、今回のアルバム制作では、菊地さんからまずは髪をショートにしてくださいと言われて(笑)。今までやってきたキャリアを一新する、それが髪を切る演出にも、歌自体にも、いい形で作用したと思います」ほかにも、全編英語歌詞の『Play for keeps』、ギリシャ留学中に歌詞を書いたという『青い涙』、市川が得意のヴァイオリンの腕も披露している『水で薄めた恋』など、聴きどころが満載の当盤。だが、今回1番の聴きどころは、彼女が長年敬愛する浜田真理子から贈られた『あこがれ』だろう。「私は小さな頃から歌手になることを心に決めていたのですが、大学生の時デビュー前に大きな壁にぶち当たって。ちょうどその頃、TBSの『情熱大陸』で、島根でOLをしながら歌手活動をする彼女が特集されていて、“音楽は自分の最も大切なものだから、自分のペースで育てたい”と語っていた。その言葉と歌に心から感動した私は翌週、彼女のライヴを聴きに松江へ飛んで行ったんです。以来、ずっと浜田真理子教の信者で、初めてお会いしたのが約3年前。そんな“あこがれ”の方にいただいたこの曲は、終世宝物のように歌い続けていくつもりです」7月20日(金)には、duo MUSIC EXCHANGE渋谷で当盤の発売記念ライヴを開催。アルバムの制作に大きく関わった“あの人”もスペシャルゲストで出演予定なので、これは聴き逃せない!!取材・文:渡辺謙太郎(音楽ジャーナリスト)
2018年07月17日「今、自分が何をしたいのか、お客さまに何を伝えたいのかをすごく考えています。ミュージカルなどのお芝居では『役』を追求していくけれど、コンサートは『自分自身』と向き合うことが求められる」。一昨年の『REON JACK』、昨年の『REON JACK2』に続き、この秋に開催が決まったコンサート『REON JACK3』について、柚希礼音はそんな風に話した。【チケット情報はこちら】宝塚時代も『REON!!』『REON!!Ⅱ』、そして『REON in BUDOKAN~LEGEND~』を成功させてきた柚希。初めてのコンサート形式だった『REON!!』で「ただカッコいいだけでは2幕まで持たない」と学んだことは衝撃の体験だった。だが、それが新たな柚希礼音の始まりとなり「自分がとても楽になった」という。以来、柚希にとってコンサートは、自分自身を見つめ直すための大切な機会であり続けている。『REON JACK2』に続いて各界の実力派ダンサーが共演するが、大貫勇輔とは「ふたりでもっと思い切ったデュエットを」、クリスティアン・ロペスとは「ムーディーなタンゴとは違った感じで踊ってみたい」、YOSHIEとは「また一緒に色々なジャンルに挑戦したい」と、各共演者とも新たな高みを目指す。自身も「ダンサーとしての体を作り直さねば」と気持ちを新たにしている。宝塚を卒業してリフト「する側」から「される側」になったが、「男役の経験から、遠慮しながらやる方が重く感じることがわかっている」ので、「すみません…でも、行きます!」と思い切ってやっている。今回も華麗なリフトを期待したいところだ。ここ1年間の舞台を振り返ってみても、『ビリー・エリオット』では「今まで演じたことのないような役でさらに吹っ切れた」、『マタ・ハリ』では「宝塚時代『スカーレット ピンパーネル』のショーヴラン役に出会った時と同じくらいの転機になった」、そして地球ゴージャスプロデュースの『ZEROTOPIA』では「男性に守られる役もとても勉強になった」と、新たな自分発見の連続だった。常に「挑戦」を意識して、ファンの期待に応え続けてきた柚希だが、今回の『REON JACK3』では「挑戦自体を楽しむこと」もテーマだ。「お客さまと心を通い合わせてほっこりできる場面もつくっていきたい」という。来年は芸歴20周年。様々な舞台、様々な役で殻を破り続けてきた今、『REON JACK3』では少し肩の力の抜けた柚希礼音が見られるのかもしれない。公演は10月19日(金)から21(日)まで東京・東京国際フォーラムホールC、11月8日(木)から11(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて。取材・文:中本千晶
2018年07月17日いま最も勢いのある漫才師・千鳥が贈る、年に1度のスペシャルステージ『千鳥の大漫才』。年々人気に拍車がかかり、今では開催の度に満員御礼と、大好評を博している本公演。今年はこれまでの開催地である東京、大阪に加え、広島、福岡もめぐる4都市での開催が決定した。「千鳥の大漫才2018」チケット情報バラエティ、CM等で今や飛ぶ鳥を落とす勢いの彼らが、漫才番長としての実力をたっぷりと見せつける新作漫才、そして昨年の単独ライブで話題を呼んだスペシャル企画など、今回も“クセがすごい”と唸らずにはいられないラインナップでお届けする。公演は、10月11日(木)東京・中野サンプラザ、11月8日(木)広島・JMSアステールプラザ大ホール、11月15日(木)大阪・梅田芸術劇場メインホール、11月29日(木)福岡・博多座にて開催。チケットは8月11日(土・祝)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、チケットぴあでは7月28日(土)10:00よりプレリザーブの受付を開始。『千鳥の大漫才2018』【東京公演】日時:10月11日(木) 18:15開場 19:00開演会場:中野サンプラザ料金:5800円(全席指定)※5歳以上有料、4歳以下ひざ上無料(座席が必要な場合は有料)。【広島公演】日時:11月8日(木) 18:15開場 19:00開演会場:JMSアステールプラザ大ホール料金:5800円(全席指定)※5歳以上有料、4歳以下ひざ上無料(座席が必要な場合は有料)。【大阪公演】日時:11月15日(木) 18:15開場 19:00開演会場:梅田芸術劇場メインホール料金:5800円(全席指定)※5歳以上有料、4歳以下ひざ上無料(座席が必要な場合は有料)。【福岡公演】日時:11月29日(木) 18:00開場 19:00開演会場:博多座料金:5800円(全席指定)※4歳以上入場可(有料/ひざ上不可)。
2018年07月16日1993年に柳家小三治に入門、2006年の真打昇進後も芸術選奨新人賞を受賞するなど、古典落語への真摯な取り組みが高い評価を得ている柳家三三。昨年は、幕末から明治期の大作『嶋鵆沖白浪(しまちどりおきつしらなみ)』を毎月2話ずつ、6か月連続上演。三三自らが古い資料にあたって復活させた口演は、落語の味わい深さを表わして大きな話題となった。「来年もぜひ“続きもの”を」との声に押され、三三が今年選んだのは、創作落語で人気の三遊亭白鳥作『任侠流れの豚次伝(にんきょうながれのぶたじでん)』。昨年とは一転して、ブタを主人公にしたコミカルな“続きもの”に挑戦する三三に話を聞いた。【チケット情報はこちら】秩父の養豚場で生まれた子ブタの豚次は、上野や大阪、名古屋、果ては鳴門海峡にも旅するなか、任侠に生きる“流れの豚次”として成長していく。牛やチャボ、猿などさまざまな動物たちと出会い、戦い、友情を誓い合う豚次の運命はいかに……!日大芸術学部出身でユニークな芸風の白鳥と、ストイックなイメージの三三との組み合わせは意外なようだが、実は二人会も催すほど親しい仲。昨年、横浜にぎわい座で三三が本作を高座にかけた際は、「ひづめの形でボクシングしたり、“ウキー”と“ブー”でケンカのシーンが続いたり」(三三)という熱演で、客席をおおいに湧かせている。今回は8月から12月の5か月間、名古屋、大阪、広島、福岡の4都市にて上演。毎月2話ずつ観ていけば、最後の12月で全10話が完結する仕掛けだ。もちろん、1回(2話分)だけ観ても充分に楽しめるのは、『雨のベルサイユ』(第四話)、『男旅牛太郎』(第六話)など、ひとクセあるタイトルを見ても明らか。「羞恥心を乗り越えるという意味で、ハードルが高い演目」と憎まれ口を叩く三三だが、それでも「この無駄な(登場人物たちの)やりとりはなんだろうと思っていても、あとからそのシーンが生きてきたりと、意外に緻密な構成になってるんですよ」と本作の魅力を語る。「本作の下敷きになっている『清水次郎長』もそうですけど、講談や浪曲などは色んな人が口演することで普遍的な演目になっていきますよね。この“豚次”も、そうなるんじゃないかなと思っています」と、本作について話す三三。「僕らにしても、名作だからやらなければいけないという気はなくて、やっぱりその噺を好きだから、やりたいから、やるんですよね。お客さんと一緒にハラハラドキドキして楽しむという意味では、古典落語も新作落語も関係ないと思うんです」と三三は言う。「自分はこういうことも出来るんだな、という“自分の武器”がまたひとつ把握できた」という本作で、三三の魅力をたっぷりと味わいたい。公演は8月8日(水)愛知・愛知県芸術劇場小ホール、8月9日(木)大阪・グランフロント大阪北館4Fナレッジシアターにて始まり、4都市で5か月にわたって開催。チケットは発売中。取材・文/佐藤さくら
2018年07月13日黒沢清監督によって映画化もされた『散歩する侵略者』(2005年初演)などを代表作とし、第52回紀伊國屋演劇賞で団体賞を受賞した“イキウメ”を主宰する劇作家・演出家の前川知大。自身が敬愛する漫画家・水木しげるの世界をモチーフにした新作『ゲゲゲの先生へ』を今秋、東京芸術劇場プレイハウスほかで上演する。主演は、『抜け穴の会議室』(2007年)以降、前川と多くの舞台で組んでいる佐々木蔵之介。先日、この注目作のビジュアル撮影現場を取材した。【チケット情報はコチラ】水木をモチーフにした作品では、NHK朝ドラにもなった夫人の自伝エッセイ『ゲゲゲの女房』が有名だが、『ゲゲゲの先生へ』は水木の評伝劇でも、また水木作品の舞台化でもない。作品はもちろん、エッセイやインタビューに遺された彼の言葉やエピソードを用いて“水木しげるの世界観”をひとつの物語に編み上げる。現場に入る前、取材陣に対して佐々木の役柄は、水木しげる役ではないという以外、明確には伝えられていなかった。ただ、「(『ゲゲゲの鬼太郎』の)ねずみ男、かもしれない」という気になる情報は漏れ聞こえていた(後日、「主人公はねずみ男をモデルにする」という明確な発表あり)。堂々たる二枚目の佐々木と、狡猾な三枚目キャラのねずみ男のイメージがつながらないまま現場に入ると、クタッとしたジャケットの中に白の開襟シャツという、戦時中の男性のような服装の佐々木がカメラの前にいた。ねずみ男というヒントは、あらかじめ佐々木に伝えられていたのだろう。少し猫背で、横柄にポケットに手を突っ込みながら、やや出っ歯気味にしてニヤニヤと含み笑いをする。端正な顔立ちと長い手足は隠しようがないが、意外にもちゃんと“不気味”な印象を抱かせる。ごく近くで見ている前川は撮影中、一切口を挟まない。ディレクターの指示に合わせ、佐々木はリラックスした様子でゆったりと、無言のまま体を動かし続ける。ごくシンプルな背景と相まり、コンテンポラリーダンスのパフォーマンスを観ているような感覚があった。またどこか性別を超えたような、さらに言うと人間のようで人間でないような。ねずみ男とは水木オリジナルの妖怪で、人間と妖怪との間に生まれた半妖怪であるという。「超人的なヒーローになっていく鬼太郎に対し、ねずみ男はいかにも人間くさい。妖怪だらけの世界で、ひとり人間の現実を背負っている。妖怪なのに」とは、前川の言葉。佐々木に信頼のこもった熱い視線を送る前川の背中から、スタートしたばかりの『ゲゲゲの先生へ』の確かな勝算が伝わってきた。舞台『ゲゲゲの先生へ』は10月8日(月・祝)から21日(日)まで、東京・東京芸術劇場プレイハウスにて上演。その後、長野、愛知を巡演。東京公演のチケット一般発売に先駆けて、プレリザーブを実施。受付は7月14日(土)午前11時から19日(木)午前11時まで。取材・文:武田吏都
2018年07月13日2011年英国で初演、ローレンス・オリヴィエ賞で3部門を受賞した名作ミュージカル『TOP HAT』が2015年の来日版に続き、待望の日本人キャストで上演される。演出は英国のオリジナル版を手がけたマシュー・ホワイト、振付・衣装・セットもオリジナル版を踏襲する。勘違いが招く恋の大騒動を描いた本作は、1936年公開の同名映画を舞台化したもの。デュエット・ダンスが見もので、映画版でフレッド・アステアが演じた主人公ジェリーをV6の坂本昌行、ジンジャー・ロジャースが演じたヒロイン、デイルを多部未華子が演じる。公演に先駆け多部が来阪し、「念願のミュージカル作品」への意気込みを語った。ミュージカル「TOP HAT」チケット情報小学5年生で観たミュージカル『アニー』に感銘を受け芸能界へ。いつかはミュージカルにとの思いはあったが、現実には「歌もダンスも得意じゃない…」と幾度かのオファーにも二の足を踏む時期が続いた。「今回お話をいただいて、やる前からできませんと断って20代を終えるのは嫌だな」と思い直した。やれることはやってみたいと一念発起、約2か月間仕事をセーブして課題曲を猛特訓。年始に英国で行われたオーディションに挑戦し、見事合格した。演出家には、デイル役は「自立したかっこいい女性」など、演じるうえでのヒントを貰った。特に課題曲のタップシーンは思い入れが強いとも。「最初は、ジェリーに対してツンツンしているのに、だんだんと波長が合って、戸惑いながらも愛に変わっていく。一曲の中にデイルの気持ちが詰まっているんだよと教わって。ひとつひとつの振りにも意味があることを初めて知って、とても楽しかったです」。ダンスは不安だが振付はすべて頭に入っている。「単に踊るだけでなく、感情を乗せた踊りができればいいかな。坂本さんは経験豊富ですし、早く稽古を重ねて波長が合えばいいなと思います」。これを機にミュージカルへの出演が増えそう?「生意気なことを言えば、今のミュージカル界と映像界には境界線があると勝手に感じていて。きっと『TOP HAT』でも、なぜ私がヒロインに?と思っている人も少なくないと思います。今は私みたいにどちらもやりたいと思う俳優が本当にどちらの作品にも挑戦できる環境になればいいなと思う夢はあります。そうすればもっといろんな人と出会えるし、可能性が広げられる」。ミュージカルの魅力は「なぜか心が震えて感動して、前向きになれる」。そんな無条件の喜びをこの作品でも伝えたいと微笑む。「劇場で感じたハッピーな気持ちが翌朝まで続くような素敵な作品にしたい。興味を持っていただければうれしいです」。公演は、11月5日(月)から25日(日)まで東京・東急シアターオーブ、12月1日(土)から5日(水)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは7月14日(土)10:00より一般発売開始。取材・文:石橋法子
2018年07月13日手相芸人として知られる一方で、都市伝説や怪談でも注目を集める島田秀平が、7月21日(土)より単独怪談ツアー『島田秀平のお怪談巡り』を5都市で行う。公演を前に島田に意気込みを聞いた。島田秀平 単独怪談ツアー「島田秀平のお怪談巡り」チケット情報手相占いのイメージが強い島田だが、怪談や都市伝説については小学生の頃から興味があり、ネタを集めていたという。「小学校時代に担任の先生から聞いた怪談にすごく興味を持って。怖いのはもちろんなんですけど、しゃべりだけでこんなに人の心を揺さぶるのってすごくエンタテインメントだなって感銘を受けたんです。そこからはもう怪談少年で、人に会っては怪談を聞いて書きためたり、稲川淳二さんの本を読んだり、CDを聴いたり。だから数え切れないくらいのレパートリーがあるんです。今回はその中から、皆さんに喜んでいただけそうなものを厳選してお話するので、自分の怪談人生の一回目の集大成になるんじゃないかなと思います」。数あるレパートリーの中でも、さまざまなタイプの怖い話を用意。さらに写真や動画などあらゆる角度から感情を揺さぶりたいと意気込む。「幽霊の怖い話もあれば、都市伝説もありますし、人間だって怖いじゃないですか。僕自身、実は幽霊の話よりも人間の怖い話とか、都市伝説のような世の中にある不思議な話のほうが好きなんですよ。あと、テレビで話すときは割とソフトに話しているところがあるので、テレビでは話せなかった話とか、その後日談とかも話したいと思っています。来ていただいた人だけが楽しめる内容にしたいですね」。島田の地元・長野県にある善光寺の「お戒壇巡り」に掛けて付けられた“お怪談巡り”。善光寺本堂の地下にある真っ暗闇の通路を手探りで進む「お戒壇巡り」にならって、真っ暗闇の感覚を体感してほしいと語る。「本当の暗闇って、そんなに経験することがないですよね。「お戒壇巡り」で歩いていると、上下左右が分からなくなるような、変な感じになってすごく怖いんですよ。そして出口の明かりが見えた瞬間に“帰ってきた!”っていう感覚を味わえるんです。その本当の暗闇の感覚を味わってほしいので、途中、僕の声だけしか聞こえない真っ暗闇の中で、怪談を楽しんでいただく時間を作りたいなと思っています」。公演は7月21日(土)東京・新宿シアターモリエール、7月29日(日)大阪・関西テレビ なんでもアリーナ、その後、名古屋、仙台、長野を巡演。チケットは発売中。取材・文:黒石悦子
2018年07月13日芸人のバカリズムが初めて2.5次元作品の脚本を手掛ける舞台「ひらがな男子」が7月20日(金)に開幕する。その稽古場に潜入した。【チケット情報はこちら】「ひらがな男子」は、2次元キャラ育成バラエティー『アイキャラ』(日本テレビ)で誕生した、“ひらがな”の1文字1文字を擬人化したキャラクター作品。原案はバカリズムで、今年5月には映画化もされた。初の舞台化となる本作は、脚本をバカリズム、演出を川尻恵太、出演は、主人公「あ」役の佐奈宏紀をはじめ、高橋健介や長江崚行、宇野結也ら2.5次元作品を中心に活躍する男性キャストが揃う。この日は稽古開始から約2週間というタイミング。稽古に参加していたのは、「あ」役の佐奈宏紀、「う」役の高橋健介、「た」役の稲垣成弥、「ち」役の武子直輝、「の」役の後藤大、「ふ」役の中村太郎、「よ」役の星乃勇太、そして子役である「ぁ」役の春日レイ、「ぃ」役の春日結心で、バラバラになったひらがな達を再び集めるために旅をする「あ」一行に、「た」や「よ」、「ふ」が仲間として加わるシーンをつくっているところだった。ポップでどこかのんびりした世界観だが、芝居はコメディ作品ならではの繊細さ。タイミングの確認、動作の整理などをしながら、絶妙なテンポと間(ま)をつくりこんでいく。印象的だったのは、キャスト達が積極的にアイデアを出す姿。「こうしたほうが面白い?」「こういうことしたらどう?」など、演出の川尻を中心に、キャスト同士もどんどん提案し合い、ブラッシュアップしていた。17人ものひらがな男子が登場するが、どのキャラクターも見た目、そして言動もインパクト抜群。ひとりひとりの個性が際立っていて、賑やかだ。そんななかで、小さい「ぁ」「ぃ」のふたりは癒しの存在。ふたりが台詞を喋ると空気がふんわり和み、大人のキャスト陣は思わず笑顔になっていた。芝居について話し合うキャスト達は楽しそうで、笑い声も多い稽古場。休憩中も「あのシーンって…」と意見を出し合っていた。そこから生まれる、舞台ならではの「ひらがな男子」をぜひ味わってほしい。また、舞台は2部構成で、1部は本編、2部では芝居仕立てのライブが披露される。2部では、本編にはない楽曲が披露されるそう。ぜひペンライトを振って楽しんで!公演は7月20日(金)から29日(日)まで、東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて上演。取材・文:中川實穗
2018年07月13日12月12日(水)から20日(木)まで、東京・新国立劇場中劇場で上演される『AY曽根崎心中』の製作発表が行われた。【チケット情報はこちら】最初に映像で『AY曽根崎心中』の世界観を展開。近松門左衛門の心中物の傑作として有名な「曽根崎心中」がフラメンコと融合、日本的な情緒・情念を踊りと歌で表現し、全編がオリジナル音楽で構成された作品だ。2001年の初演時には文化庁芸術祭舞踊部門で優秀賞を受賞。それから17年の間、毎年再演を重ね、練られてきた。今回、タイトルが『FLAMENCO曽根崎心中』から『AY曽根崎心中』に。プロデューサー・作詞を手がける阿木燿子は、「AYはスペイン語の“ああ”という感嘆詞。フラメンコという枠を超えて、ああ素晴らしい!と感じていただけるように、佐藤浩希さんの提案により改題しました。ライフワークとなった本作も今17歳。人間ならそろそろ選挙権を得る年頃。自立して歩き、羽ばたく作品になって欲しいです」と語る。音楽監督・作曲の宇崎竜童は「音楽も変化します。通常のフラメンコの編成に加え、ピアノ、エレキベース、篠笛、和太鼓、津軽三味線2本が加わり、アレンジも変わります。阿木からは新曲を作れという要請があり、七転八倒中。実は昨年、スペインとの繋がりで、宮中晩餐会にお招きいただきました。下戸の僕は水と間違えて日本酒を飲み、何の記憶もありません!」と笑いを誘った。その後、キャストが挨拶。「初演時、様々な挑戦が組み込まれたために必死に踊り、自分でも覚えていない境地に達した気がします。今回は新しいチームになります。私もがむしゃらに没頭した初演の記憶を辿って、この作品と向かい合いたいです」(お初/踊り鍵田真由美)「初演時は日本の古典を手がける重責を感じました。フラメンコは差別されて苦しい生活を送っていたジプシーが作り出した踊りです。ああ辛い、苦しいなぁと嘆いたところから、カンテ(ジプシーの嘆き歌)が生まれてきた。近松が描いた最下層の民衆の嘆きを重ね合わせたい」(徳兵衛/踊り演出・振付佐藤浩希)挨拶のあとは、会見のためのダンスパフォーマンスが披露された。日本語の歌に合わせ、鎌田と佐藤の熱情溢れる踊り、手拍子、足拍子は、迫力の一言!壮絶なフラメンコに息を呑んだ。矢野吉峰の九平次も嫌味な男として存在感を光らせた。質疑応答では、心中という究極の愛を描くことについて、「お初と徳兵衛の愛が長く人の心に残っていく。愛は不滅だとも思います。恋愛しなくなった男女が増えている今、もっと濃密に恋をして、命を燃やして欲しい」と阿木らしい恋愛論を訴えた。最近、失われつつある究極の愛、ぜひ本作で体感したい。取材・文:三浦真紀
2018年07月12日劇団四季の人気ミュージカル『キャッツ』が、8月11日(土・祝)より東京・大井町の専用劇場で開幕する。首都圏では2012年にクローズした横浜公演以来、6年ぶりの上演だ。7月9日、その専用劇場「キャッツ・シアター」の内覧会が開催された。【チケット情報はこちら】『キャッツ』は“都会のゴミ捨て場”を舞台に、24匹の猫たちの生き様を描いていくミュージカル。日本では1983年に初演、これは日本初のロングラン公演となり、日本の演劇シーンの記念碑的作品となった。以降も、猫たちの個性的なダンスや、アンドリュー・ロイド=ウェバーによる美しい音楽が愛され各地で上演を重ね、国内での総公演回数は9802回を数える。6年ぶりの首都圏での公演は、現在『ライオンキング』を上演中の四季劇場[夏]に隣接する敷地に専用劇場を新設しての上演となる。吉田智誉樹代表取締役社長は「キャッツ・シアターは、キャッツ・ワールドを最大限に表現できる劇場。今回の劇場は1階席のみのアリーナ形式で、客席最後列からも舞台まで約20メートルと近く、どの席からも臨場感を味わえる。猫たちが縦横無尽に客席内を駆け回る体験型ミュージカルをお楽しみいただけたら」と、専用劇場ならではの魅力を語る。振付・演出スーパーバイザーの加藤敬二からは「『キャッツ』は1998年の福岡公演で演出・振付・衣裳など300か所以上の変更が入り、より野生的にパワフルになりましたが、さらに今回は楽曲の変更にともない、振付・ステージングに変更が入ります」と説明が。具体的には「『ジェニエニドッツ(おばさん猫)』のゴキブリたちのダンスシーンが変わります。また『マンゴジェリーとランペルティーザ(泥棒猫)』の曲調がチェンジし、初演のときには上演されていた(近年ではカットされていた)『ランパスキャット(ケンカ猫)』のナンバーが新しくなって復活します」と話した。キャッツ・シアターといえば、劇場内に飾られるゴミのオブジェも名物。これらのゴミは実物の3~5倍サイズで、劇場に足を踏み入れた観客はまるで自分が猫の目線になったかのような錯覚を覚える仕掛けだが、美術デザイナーの土屋茂昭は「このゴミのオブジェは人間が猫のサイズになるためだけに作られているのではない。キーワードは“思い出”。ここにあるものはすべて、お客さんにも“これが何なのか”がわかるもの。それぞれの人にとって思い出があるもの約3千点で、埋められています。思い出の品々がここに飾られている」と解説。さらに「この中に、四つ葉のクローバーをひとつだけ植えておきます。三つ葉のクローバーはいくつかありますが、四つ葉のクローバーは一個しかありません。ぜひ、探して見つけて、幸せになってください」と笑顔で話した。『キャッツ』は8月11日(土・祝)に開幕。なおこの公演期間中である今年11月11日には日本上演35周年を迎え、来年3月には日本公演通算1万回を達成する見込み。チケットは2019年1月公演まで販売中。2019年2月~6月公演分を7月21日(土)より販売開始する。
2018年07月12日ゑんら×KissBeeWESTのツーマンライブが、8月12日(日)に大阪・amHALLにて開催される。「ゑんら×KissBeeWEST」チケット情報7月7日にリリースしたファーストアルバム『KEMURI』を引っさげて東京からやってくるゑんら。煙のように変幻自在、枠に囚われないをコンセプトにセルフプロデュースで活動中の彼女たちは、木乃伊みさと、滝口ひかり、滝口きららの3人組。様々な音楽ジャンルで表情が変わる、和のテイストが効いたユニークな楽曲と、それを表現するアーティスティックなライブパフォーマンスが醸し出す世界観に引き込まれること必至!対する関西を代表するアイドルグループ、KissBeeWEST。ロックからバラードまで難なくこなし、楽曲、パフォーマンス、そしてルックス、全てにおいてクオリティが抜群に高いとアイドルファンを唸らせている彼女たち。今年5月に大成功したなんばHatchワンマンライブの様子を収録したライブDVD『KissBeeWEST 1st DVD 5th Oneman at Namba Hatch -RE:GAME-』を近々リリース予定。もしかしてツーマンライブの当日会場で購入出来るかも?ゑんら×KissBeeWEST、アイドルファンなら気になるこの組み合わせ。さらにオープニングアクトとして福岡の歌姫ALLI、そしてゲストにアキシブprojectという贅沢なラインナップ!これは絶対見逃せない!チケットは7月19日(木)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、7月14日(土)23:59まで先行先着プリセールを実施中。
2018年07月12日2019年の再演も発表された主演ミュージカル『キューティ・ブロンド』で第43回菊田一夫演劇賞を受賞するなど、年々ミュージカル女優としての存在感が増す神田沙也加。最新出演作は、日本初演から55周年を迎えたミュージカルの金字塔『マイ・フェア・レディ』。昨年宝塚歌劇団を退団した元宙組トップスターで、本作が女優デビュー作となる朝夏まなととのW主演により、今秋全国6都市で上演される。神田は「ターニングポイントと呼べる役にしたい」と意気込んでいる。ミュージカル「マイ・フェア・レディ」チケット情報ロンドンの下町に暮らす花売り娘イライザ(朝夏まなと/神田沙也加)は言語学者のヒギンズ教授(寺脇康文/別所哲也)と出会い、訛りを矯正して淑女になるためのレッスンを始めるが……。オードリー・ヘップバーン主演の映画版でも知られる、胸弾むシンデレラストーリー。イライザ役といえば、神田が敬愛する大地真央の当たり役のひとつでもある。出演が決まり一番に報告すると、大地は泣いて喜んだという。「困った時は何でも相談に乗るけど、『まずは沙也加が思うイライザを』と、背中を押されました」男勝りな性格で毎日を楽しく暮らしながらも、ウィークポイントを突かれた瞬間、内に秘めた上昇志向がマグマのように吹き出す。イライザは「思いが何層にもなっている女性」と見る。「今までの役作りでは、お客様が思い描くイメージに近い優等生的な正解を出そうとしてきましたが、今回は『私はこう思う』とプレゼンテーションする形でもいいのかな。Wキャストの朝夏まなとさんと違って私はどこかの劇団出身だったり、アカデミックに演技を学んだ経験もないので、逆に思い付いたことは何でも試せるフリーダムの強味を活かしたい。朝夏さんとは宝塚の男役と娘役ほどの身長差がありますし、見た目も含めて全然違うイライザになると思います」先日、ひと足先に製作発表で楽曲を披露した。歌稽古では喜びのあまり「鳥肌が止まらなかった」と声を弾ませる。「ひとつひとつのことがすごく嬉しいんですね。ヒギンズ教授から教わって初めて正しく発音出来たときの、雷に打たれる感覚を私も早く経験してみたいですし、お客様が何を望んでいるのか、演劇ファンとしての目線も忘れたくない」。その上で、自信を持って役に挑みたいと力を込める。「10年前の私がそうだったように、2018年版の舞台を観てイライザを演じたいと思う方がいるかもしれない。その責任は絶対に負わないといけないですし、何度も自分を奮い立たせながら、毎回誇りを持って日本の『マイ・フェア・レディ』を提示していきたいと思います」公演は、9月16日(日)から30日(日)まで東京・東急シアターオーブ、10月19日(金)から21日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。その他、地方公演あり。大阪公演は7月14日(土)10:00より発売。取材・文:石橋法子
2018年07月12日8月26日(日)に東京・紀尾井ホールで「アヴィシャイ・コーエントリオ with 17ストリングス」としての公演を控えているアヴィシャイ・コーエン。【チケット情報はこちら】イスラエルから単身乗り込んだニューヨークのジャズ・シーンで、アヴィシャイ・コーエンを輝かせたのはベースであり、その卓越したプレイはチック・コリアを始め、多くのミュージシャンを魅了した。また、マーク・ジュリアナ、シャイ・マエストロ、ニタイ・ハーシュコビッツなど気鋭のミュージシャンを輩出した自身のトリオも高い評価を得てきた。だが、一方で彼は実にさまざまな顔を持つ音楽家でもある。ピアノからスタートした音楽遍歴は、ロックンロールと出会ってエレクトリック・ベースに移り、ジャコ・パストリアスに魅了されてジャズを志すと同時に、ユダヤ音楽からラテン音楽、中世ヨーロッパの古謡まで、多様な音楽文化を咀嚼してきた。そのことが、アヴィシャイを特別な音楽家たらしめたのだ。2014年リリースの『アルマー』ではストリングスをフィーチャーし、トリオを室内楽や伝統音楽に紐付けるアンサンブルを創出したが、最新作『1970』は自身も歌うヴォーカル・アルバムで、ビートルズから伝承曲やオリジナル曲まで、ルーツを意識した音楽を表現した。また、同じイスラエル出身で、中東の音楽とアフロビートやファンクを融合させたバンド、クォーター・トゥ・アフリカとステージや録音を共にするなど、近年のアヴィシャイ・コーエンの活動は多岐に渡っている。今回の「アヴィシャイ・コーエン トリオ with 17ストリングス」は、彼の最新のチャレンジである。『アルマー』は好評を博し、「アン・イブニング・ウィズ・アヴィシャイ ・コーエン」というオーケストラ公演に発展した。パリ交響楽団とのステージなどを既に成功させているが、今回は17名の日本の弦楽器奏者との共演だ。しかも、『1970』の録音にも参加した同郷のイタマール・ドアリ(パーカッション)と、アゼルバイジャン出身でブラッド・メルドーらも絶賛するエルチン・シリノフ(ピアノ)との新しいトリオが登場する。『アルマー』に表現されたアンサンブルはさらにどんな変化を遂げるのか、期待は尽きない。文:原雅明(音楽評論家、レーベルringsプロデューサー)■Blue Note Tokyo 30th Anniversary presents“アヴィシャイ・コーエントリオ with 17ストリングス”8月26日(日)紀尾井ホール(東京都)【1st stage】 開場14:30 / 開演15:00 【2nd stage】 開場17:30 / 開演18:00
2018年07月12日美しきディーヴァ、ソプラノの森麻季がデビュー20年を記念して、愛唱歌を集めた記念CDをエイベックスからリリース。9月16日(日)東京・東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアルにて記念リサイタルも開催する。【チケット情報はこちら】「アルバムのコンセプトは、私自身がリラックスしたい時に聴きたいなと思うような音楽です。美しくて、寄り添えるような作品。寝る前に聴いて安らかに眠れそうな音楽を集めました」。イタリア、ドイツ、フランスを中心に、古典から近現代までの歌曲集。キャリアと年齢を重ねるごとに、歌の意味がよりわかってきたという。「たとえばイタリア歌曲は声楽の勉強を始めた17~18歳の頃から歌っていますけれど、その頃は辞書を引いて勉強しても表面的な意味しかわかりませんでした。“愛”と言っても、いろんな愛がある。そんな深さがだんだんわかってきて、やっと歌曲を表現できる土台ができたのかなという気がしています。オペラは役柄を通しての言葉ですが、もっと自分に近い感覚から訴えられるのが歌曲です。これからたくさん取り組んでいきたいですね」。9月のリサイタルもCDの収録曲が中心となるが、ホールでは、目の前のマイクに向かって録音するよりも大きな表現も求められるから、CDとはまた異なるバランスの表現になるのだと教えてくれた。われわれファンはどちらも聴き逃せない。来年1月に同じオペラシティで行なわれるアフタヌーン・コンサートでは、鈴木優人のオルガン&ピアノと共演する。昨秋には鈴木が指揮するとモンテヴェルディ《ポッペアの戴冠》の題名役で、バロック・オペラがけっして古楽を専門に歌う歌手だけのものではないのだということを示し、圧倒的な成功を収めた。「鈴木優人さんもどんどんマエストロになっているので、ますますお忙しいでしょうけれど、いろんな公演でご一緒できたらうれしいです」。バッハ、ヘンデルからデュパルク、そして彼女が歌ったNHKドラマ『坂の上の雲』のメイン・テーマ(久石譲)まで、平日午後の公演ということもあり、気軽に楽しめる多彩なプログラムが組まれている。1998年、プラシド・ドミンゴが主宰するコンクール「オペラリア」で第3位に入賞し、ドミンゴの紹介で、日本人として初めてワシントン・ナショナル・オペラに出演(モーツァルト《後宮からの逃走》ブロンデ役)してから20年。節目の今年、次へ向かう新たな一歩が、今回のCDとリサイタルだ。ずっと第一線で息長く歌い続けていきたいと語る。「今までやってきたものも温めつつ、新しいことにも挑戦しながら。まだ歌ったことのない《ルチア》なども歌ってみたいですし、バロック・オペラもどんどん歌ってみたい。歌曲にも素晴らしい曲がたくさんありますし。若い時の高い声も保ちながら、年齢とともに低音も出てくるので、歌えるものを増やしていけたらいいですね。グルベローヴァさんのように、ファンのニーズもありつつ、いつまでもチャレンジできる立場でいられたら素晴らしいです」9月16日(日)公演のチケットは発売中。取材・文:宮本明
2018年07月12日