チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (15/342)
5月27日(土)に下北沢12会場にて昼夜通しで開催されるイベント『THISTIME RECORDS 20th Anniversary “New Buddy!”』の第3弾アーティストが発表になった。『THISTIME RECORDS 20th Anniversary “New Buddy!”』チケット情報『New Buddy!』は東京のインディペンデントレーベルTHISTIME RECORDSが設立20周年を記念して東京(5月27日)と大阪(7月23日)で開催するサーキット型フェス。先日、第2.5弾発表と称してFATE BOX × アフターアワーズ × ULTRA CUBの関西3バンドによるスプリットツアー「バンドブームツアー」とのコラボステージが発表されたばかり。今回、東京編の出演者第3弾として26組が追加発表された。発表されたのは、Mega Shinnosuke、Khaki、österreich、HOLIDAYS OF SEVENTEEN、ルサンチマン、kobore、鉄風東京、弁天ランド、アダム、Panorama Panama Town、紺野メイ、三島想平(cinema staff/peelingwards)、飯田瑞規(cinema staff)、Superfriends、Sundae May Club、ん・フェニ、LIGHTERS、Ewoks、FENNEC FENNEC、MARQUEE BEACH CLUB、地球から2ミリ浮いてる人たち、Hammer Head Shark、インディアカヌー、たけとんぼ、あるゆえ、BuG-Tripper。オフィシャルHPにて特典付きの主催者先行第3弾を受付中。今回で先行は終了予定。まだまだ出演者の半分も発表されていないとのことだが、最終的に総勢100組以上が揃うフェスとのことで、昼から朝まで、賑やかな1日になりそうだ。イベントは一部会場を除いて、深夜公演も開催。マスク着脱の緩和や、声出し公演の増加などにともない、昼夜通して音楽を十分に楽しめるイベントになりそうだ。大阪編の詳細もTHISTIME RECORDSからの続報を待とう。
2023年04月07日定年退職後の家庭を描き、映画化もされた小説『終わった人』。本作を原作としたリーディングドラマ『終わった人』が8月から上演される。50歳で窓際部署に飛ばされ、そのまま定年退職を迎えた主人公・田代壮介を中井貴一、そして愛人にしようとするがどこまでいっても“メシだけオヤジ”を卒業させてくれない久里、すべてを見通している娘・道子、カッコイイバーのマダム・美砂子、さらに妻・千草をすべてキムラ緑子が演じる。この度、本作の取材会が行われ、出演する中井、キムラのほか、原作者の内館牧子が登壇。原作について、内館は「勤めている人なら誰もが経験すると思うが、サラリーマンには定年というのがある。 それまでどんなにいい仕事をして、華々しく最前線にいようとも、外から『もう終わりですよ、次の人に譲ってください』と言われる。本当はもっと仕事がしたかった、もっと人の役に立ちたかったのに、もう世の中的には『終わった人』になってしまう。そこの悲哀を書きたいと思った」と話す。その上で「今回の朗読劇のお話をいただいて、正直嬉しかった。私が向こう見ずに書いたことをお二人がどうやってくれるのか、すごく楽しみ。朗読劇そのものは、力のある俳優さんじゃないとできないと思うし、その意味でも幸せ」と期待を寄せた。現在61歳の中井は「ちょうど同級生たちが定年を迎えたり、『終わった人』と言われたりする時期。時々友人から電話かかってくると、役員になってる人間たちは『ちょっと延長して......』なんて言いつつ『あと2年で俺も終わりだよ』と。『終わり』という言葉を使うような年齢になった」と語りつつ、「僕たちの商売は終わりがない商売だから、 友人たちの気持ちをふまえ、この年代の悲哀を伝えつつ、エールとして、この朗読劇ができたら面白いんじゃないか」と思いを述べた。中井と同い年のキムラは「ちょっとずつ終わっている感じがある。今6割ぐらい終わっているかな。例えば、リハーサルのときも老眼だから台本を持てなかったり、山登りがきつくなってきたり。そういう部分は受け入れていかなくてはどうしようもない。少しずつ受け入れながら、終わりに近づいてる感じ」と自己分析しつつ、本作について「本当に全ての方に観てもらいたいと思うばかり。登場人物のみんなは性別も年齢も違うが、それぞれにドラマがある。どこかに自分が焦点を当てて観ることができる作品だと思うので、みなさんがどこを拾って、何を感じとるのか、皆さんに聞いてみたい。いろいろな方に観てもらいたい」と話した。プレビュー公演は8月23日(水)、亀戸文化センターカメリアホール。東京公演は8月31日(木)〜9月3日(日)草月ホール。そのほか全国7カ所ツアー予定。取材・文:五月女菜穂
2023年04月07日7月2日(日)、大阪城音楽堂にてライブイベント『GOOOOOON!』が開催される。『GOOOOOON!』チケット情報3回目となる今回も、独自の世界観が溢れ出るバンドが集結!現在発表されているのは、NEE、SCANDAL、ヤングスキニーの3組。後日、追加出演者も発表予定なので期待して待とう。音楽のライブのパワーで、新たな道へ進むべき活力を!緑に囲まれた夏の大阪城野音へみんなで大集合!!チケットは、4月16日(日)23:59までオフィシャル先行(抽選)を受付中。お得なグループ割チケットもあるのでぜひチェックを!
2023年04月06日4月21日(金)より、大阪松竹座開場100周年記念『垣根の魔女』が幕を開ける。世話焼きで知恵の長けたお婆さんのミドリさんが、頼まれもしないのに近所の人たちの悩みを次々解決していくという物語で、1979年に小学館から発刊された村野守美作の同名漫画が原作だ。原作では東京の下町が舞台だが、今回は大阪に置き換え、久本雅美を主演に迎えて人情コメディを上演する。大阪松竹座開場100周年記念『垣根の魔女』 チケット情報出演はほかに、室龍太、渋谷天笑、大和悠河、ラサール石井、笠原章ら。演出の錦織一清は、この顔ぶれについて、次のように話す。「(出演者の中には)初めましての方もいますが、約10年ぶりにジャニーズの後輩の室龍太さんとご一緒できますし、ラサール石井さんには10代の頃からお世話になっていて。渋谷天笑さんや笠原章さんという、松竹さんでやらせていただく芝居ではおなじみのメンバーもいらっしゃいます。台本を読んで、それぞれの役柄を頭の中ではめ込んでみたのですが、すでにものすごく面白くて。今から楽しみです」。テレビ番組の司会者として、またWAHAHA本舗での荒唐無稽なステージの印象も強い久本だが、錦織は「役者魂という言葉が本当に似合う人」と話す。「舞台が終わった後も、ニコニコしながら楽屋に帰ってこられるのですが、額には汗をかいているんですよね。久本さんはみんなを笑わせる陰で、水面下ではものすごく必死に泳いでいらっしゃる。そこに根性を感じます」。ジャニー喜多川とつかこうへい。日本のエンタメ史上で一時代を築いたふたりに錦織は薫陶を受け、そのイズムをしっかりと受け継いでいる。「ジャニーさんも、つかさんも初日から千穐楽まで、毎日毎日、どこかしら舞台に変更があって。もっともっと変えていけるんじゃないかと最後まで諦めないところが、おふたりに共通しているところだと思います。僕も、(演出するうえで)何か思いついたときに“今、言ったら失礼かな”とか思うけど、それをやらずに後悔はしたくない。やっぱり諦めたくないなと思います」。大阪松竹座の歴史ある門構えに「飲み込まれそうになる」と話すが、そういうプレッシャーにも打ち勝っていかなきゃいけないと意気込む。「とはいえ、お芝居は軽いタッチで描いているので、気軽に劇場に来ていただければと思います。久本さんが演じるミドリさんには心地よい意地悪もあって、そこも笑えると思います」。公演は、4月21日(金)から30日(日)まで、大阪松竹座、5月4日(木・祝)久留米シティプラザ ザ・グランドホール、5月13日(土)富士市文化会館ロゼシアター 大ホールにて。チケット発売中。取材・文:岩本
2023年04月06日浄土真宗の開祖として仏教を広めた親鸞聖人の誕生850年記念の今年、五木寛之の人気シリーズ小説『親鸞』を原作に初めて舞台化。平安末期、動乱の京都に生まれた親鸞の青春の物語を描く『若き日の親鸞』だ。不遇の環境に生まれた少年が、数々の修行や人々との出会いを経た先に、待ち受けるものとは…。後に親鸞となる主人公には松竹新喜劇の藤山扇治郎、その妻となる女性には元宝塚歌劇団の娘役で元“うたのおねえさん”のはいだしょうこ、そして主人公をつけ狙う黒面法師役に須賀貴匡ら、多彩なジャンルの出演者が結集した。今回はこれまでにない大悪役を演じる須賀、稽古を控えて意気込みを語った。「若き日の親鸞」 チケット情報今でも“仮面ライダー龍騎”の熱いファンが多い須賀。舞台でも活躍中で、関西には2022年の「薔薇と海賊」以来の登場となる。今回オファーを受けて「まさか南座さんに呼んでいただけるなんて」と驚いた。南座は、2004年公開の映画『娘道成寺蛇炎の恋』の撮影で初めて南座の舞台に立ち「いつかこの舞台で芝居ができたらと常々思っていたので、とても光栄です」。今回の共演者は全員が初対面だ。「いろいろな出自の人たちの演技に触れて、自分がどう変化していくかが一番の楽しみ」と話す。演じるのは、後に黒面法師となる伏見平四郎の17歳から42歳まで。フィクションの役で「親鸞聖人とは対極にいる欲の塊で、世の中の悪を一手に引き受けているような極悪人。原作より濃厚に描かれています」。得度し範宴(はんねん)となった主人公を陥れようと暗躍する。「人間の中に誰にでも潜んでいる悪を集約させたのが僕の役ではないかと。どこまで膨らませることができるか楽しみです」。また作品は「テンポもいいし、力強く壮大な物語。そして、人間の悩みや葛藤など本質的な部分を知りたい思いは何百年も前から変わらないんだという印象を強く受けました。今、戦争や分断された世界と言われる時代に、この作品をやることはすごく意味があるのではないかと捉えています。若い人たちにも、人間はなぜ争うのか、人間の平等とは果たして何なのか。そういうものを少しでも持って帰っていただけたら」。20代の頃は京都の撮影所に長く滞在し、自転車で好きなお寺巡りをしていた須賀。「物語に出てくる地名やお寺、鴨川、比叡山が実際にすぐそこにあるので、京都で上演する意味も大きいと思います。僕も行きたいですもん(笑)。お客様にもそんな楽しみを持って来ていただけたらうれしいです」。公演は、4月10日(月)から29日(土)まで、南座にて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2023年04月06日新国立劇場25周年記念公演ヴェルディ《アイーダ》が4月5日(水)高らかに幕を開けた。新国立劇場オペラ「アイーダ」の公演情報はこちら25年前、大巨匠フランコ・ゼッフィレッリが新国立劇場のオープニング・シリーズために制作した絢爛豪華なプロダクション。以来5年ごとに上演を繰り返している、劇場の目玉レパートリーで、これで6度目の上演だ。この数年間に新国立劇場を訪れた人なら、エントランスに展示されている《アイーダ》舞台装置が絶好の撮影スポットだったのをご存知のはず。あれがそのまま舞台で使われているわけだ(なので現在エントランスのほうには「展示入れ替え中」の貼り紙が)。ゼッフィレッリ演出はやはり圧巻。象徴は言わずもがな、第2幕「凱旋の場」の大スペクタクル。舞台上に総勢300人が密に並ぶさまはコロナ拡大中には見られなかった光景だ。大合唱の声の圧に押されながら、オペラ完全復活をひしひしと感じるのはうれしい。おなじみの本物の馬も!すでに“伝説”となっているこの舞台。2019年に他界したゼッフィレッリと新国立劇場が残した、世界のオペラ界に誇れる偉業だと思う。壮麗な舞台に目を奪われずにはいられないが、音楽だけとってもヴェルディ円熟の極みにある傑作。前奏曲が鳴り始めた瞬間から、シンフォニックで有機的な音楽の線が次々に紡がれて緊張感が途切れることなく、4時間弱(休憩含む)の上演時間があっというまに感じる。キャストも充実。アイーダ役のセレーナ・ファルノッキア(ソプラノ)は、リリックで細身の声がこの役では新鮮。第2幕のアリア〈私のふるさとよ〉の、コントロールされた繊細なピアニッシモの高音(C)がじつに印象的に響いた。豊かでふくよかな声と表現に引き込まれたのが、アムネリス役のアイリーン・ロバーツ(メゾ・ソプラノ)。感情の振り幅の大きいこの恋敵あってこそのアイーダ。両者の理想的な対照だった。そしてラダメス役のロベルト・アロニカ。新国立劇場芸術監督の大野和士が「今イタリアで3本の指に入る美声」と賞するテノールは、圧倒的な声量、輝かしい高音。のみならず、中域までつややかな響きを失わない。一本気な勇将の情熱と絶望を見事に歌った。1998年初演時のオリジナル・キャストで、ほぼ全回ランフィス役を歌っている妻屋秀和(バス)ら日本人歌手陣も贅沢な適材適所だ。深い感動を、じつに率直に得られる名プロダクション。それは何度見ても変わらない。残席僅少。今すぐチェック!(宮本明)■ぴあスペシャルデー(ぴあ貸切公演)対象公演日:4/13(木) 14:00開演新国立劇場オペラパレス (東京都)
2023年04月06日今や新国立劇場によるフルオーディション企画で4月18日(火)より二部構成で上演される「エンジェルス・イン・アメリカ」。3月半ば、稽古場の様子を取材した。「エンジェルス・イン・アメリカ」 のチケット情報はこちらスピルバーグ映画の脚本家としても知られるトニー・クシュナーが1991年に発表し、ピュリツァー賞、トニー賞にも輝いた本作。上村聡史を演出に迎え、1980年代半ばのニューヨークを舞台に、同性愛、エイズ(※当時、エイズは同性愛者が罹患する不治の病と考えられていた)、人種問題、信仰、政治などアメリカが抱える闇や苦悩を群像劇として描き出す。この日の稽古で行われたのは第二部の終盤。エイズ患者であるプライアー(岩永達也)、プライアーの恋人だったが、彼がエイズに罹患したことを知り、感染の恐怖から彼の元を去ってしまったルイス(長村航希)が公園で再会するシーン、そして、プライアーが天使(水 夏希)と対峙し、戦うクライマックスのシーンが行われた。タイトルにもある“天使”が実際に登場するのが、本作の大きな特徴のひとつ。80年代半ばの時代背景をベースに様々な社会問題を、実名を交えながらシリアスに描いていく一方で、ダークファンタジーのような壮大かつ幻想的な展開を見せる。公園でのプライアーとルイスの再会のシーンは、現実を生きる人間の愛や憎しみ、葛藤を凝縮した会話劇となっており、ひとつひとつの言葉のニュアンスにいたるまで大切にした上村の精緻な演出が光る。一方のクライマックスシーンはファンタジー要素の最も色濃いシーンのひとつ。舞台装置や音響を含め、壮大なスケールで超越した世界を舞台に、「生きる中毒」、「僕はもっと生きたい!」といったプライアーの言葉にのせて、生命への賛歌が力強く描き出される。他にも、辣腕弁護士として成功を手にするもエイズに罹患するロイ(山西惇)、ジョーの母親で敬虔なモルモン教徒であるハンナ(那須佐代子)、同じくモルモン教徒の裁判所書記官ジョー(坂本慶介)、ジョーの妻で薬物依存のハーパー(鈴木 杏)、元ドラァグクイーンの看護師ベリーズ(浅野雅博)など、実力派の俳優陣が魅力的な人物たちを演じている。たった8人のキャストで、上演予定時間は第一部、第二部、それぞれ4時間で計8時間!現代にも通じる混乱と分断の時代の中で、彼らがどのように人生に向き合うのか? 天使は何をもたらすのか? 壮大な物語の完成が楽しみだ。「エンジェルス・イン・アメリカ」は新国立劇場小劇場にて4月18日(火)より上演。愛知・兵庫公演あり。文:黒豆直樹
2023年04月06日世界最高峰のサーカス・エンターテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユによる『ダイハツ アレグリア-新たなる光-』東京公演の来場者数が4月4日(火)13時公演で20万人を突破。20万人突破を記念し、公演終了後に日本公演スペシャルサポーターを務める小倉智昭がステージに登場。20万人目のお客様へ記念品を贈呈するとともに、公演の見どころを大いに語った。公演終了直後の興奮冷めやらぬステージにスペシャルサポーターの小倉智昭、フジテレビの伊藤利尋アナウンサー、さらには公演を終えたばかりのアレグリアのアーティストが登場。伊藤アナウンサーから「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」の見どころを尋ねられた小倉は「衣装や音楽など全てが素晴らしい、音楽もアーティストに合わせ公演毎にアレンジが変わっていたりする。前方席から観たり、後方席から観たりと1回だけではなく、最低5回は観ないと!僕は10回は観たいですよ。」とコメント。続いて「今日初めてご来場された方もいると思いますが、やめられなくなると思う。東京は6月25日(日)まで、その後大阪公演と続きますので2回、3回と是非観てください!」と熱く語った。さらに伊藤アナウンサーから4月4日(火)13時の公演で東京公演の観客が早くも20万人を突破したことが発表。記念すべき 20万人目の来場者となったのは横浜からお越しの中牟田さんご一家。ステージ上で感想を求められた中牟田さんは「昔からシルク・ドゥ・ソレイユに興味があって、子供達を連れてやっと一緒に観に来ることができて本当によかった」と興奮気味に話をされていた。その後、小倉から中牟田さんご一家へ記念品として「ダイハツ アレグリア-新たなる光-オリジナルグッズ詰め合わせ」をプレゼントし20万人突破記念セレモニーは幕を閉じた。「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」東京公演は6月25日(日)までお台場ビッグトップにて感動上演中。
2023年04月05日4月15日(土)・16日(日)の2日間、岐阜市文化センター 催し広場で開催される『cinema staff presents “OOPARTS 2023”』のタイムテーブルが発表された。『cinema staff presents “OOPARTS 2023”』チケット情報<BUNKA ARENA>のGREENS STAGEは両日cinema staff、BLUE STAGEはZAZEN BOYS(15日(土))、THE BACK HORN(16日(日))、<KOGANE STAGE>は両日ONIGAWARAがトリを務める。また、4月4日(火)21:00から23:00まで(※予定)、ゲストを迎え生配信特番が実施される。こちらもお見逃しなく。チケットは発売中。
2023年04月04日六本木トリコロールシアターが送る、選りすぐりのウェルメイドなフランス喜劇。それが、この『ル・ゲィ・マリアージュ~愉快な結婚』だ。女好きでモテモテのアンリ・ド・サシー(今江大地)は叔母の遺産の相続をめぐり、友人の弁護士ノルベール(緒形敦)の提案で親友のドド(富本惣昭)と偽装の同性婚をすることに。だが話はそう上手くいかず、アンリの父エドモン(岡森諦)や交際中のエリザ(清水麻璃亜)を巻き込んで大騒動が巻き起こり……!?キャストは本作のプロデューサーでシアターのオーナーでもある白樹栞がこだわり抜いた顔ぶれ。演出を務める横内謙介も、彼らが初めて台本を読んだ時に「一番だね」と太鼓判を押したという。白樹もこの作品は繰り返し再演を重ねていきたい、と意欲を見せた。富本は、ドドを「26歳くらいなので大人の部分もありつつ、でも幼い部分が残っていて、目の前で起きた出来事を素直な感情で受けとめられるキャラクター」と語る。初めてのコメディー作品への出演は「本当に楽しくて、毎日新しい発見がある」と、まさに輝くような笑顔を見せた。緒形も「惣昭は良い意味で子どもの心を忘れていない」と断言。「次に何をするのか予測できなくて、彼の芝居は本当に面白いし、自分自身いろいろと吸収させてもらっています。ドドという役は、彼の役者としての魅力があふれている」と絶賛した。一方ノルベールは、「弁護士だけに気が利いて頭の回転も速いし、上品でエレガント」だとする。富本から見ても「基本はすごく淡々としていて、りりしい感じ」だそう。そんな彼が「友だちの家に来れば人間らしさを見せるし、そういうお芝居をしてくれる敦くんもすごい。あと、話を回してくれる重要な存在なのですごく頼りになる(笑)」と、様々な意味で魅了されているようだ。今作の魅力を、緒形は「ストーリーがしっかりと構成されていてシンプルに笑え皆が幸せになれる作品」と言う。「海外の戯曲だけど、日本人も素直に『面白い』と楽しんでもらえる作品。僕たちも演劇としての面白さを感じながら自由に楽しく演じているので、観ていただければそれは絶対伝わる」と、富本も熱い意気込みを語った。そんな彼らの思いの詰まった公演は、現在上演中。追加公演、アフター、トークなど特別企画も決定!【アフターイベント】公演終了後に休憩挟まず、イベントを開催いたします。※各イベントは約15分を予定。日程・詳細は公式HPにてご確認ください。取材・文:金井まゆみ
2023年04月04日2020年、2021年と新型コロナ感染の影響によりツアーが中止となってきた“だいすけお兄さん”こと横山だいすけが出演する大人気『迷作劇場』新シリーズが、3年という期間を経て再始動!『世界迷作劇場 2023~24』チケット情報4回目のツアーとなる今回は『世界迷作劇場 2023~24』として、横山だいすけと3月にNHK Eテレで放送されている幼児向け番組「おかあさんといっしょ」の卒業を発表した、元12代目“体操のお兄さん”こと福尾誠が共に全国を駆け巡る。世界の名作を題材にしたユーモア溢れるミュージカルが話題の本作。最新作のミュージカルテーマは、『アラビアンナイト』。日本では『千夜一夜物語』の名称でも広く知られ、「シンドバッドの冒険」、「アラジンと魔法のランプ」、「アリババと40人の盗賊」など、ふしぎで幻想的なお話が紡がれた千と一夜の物語。『アラビアンナイト』や物語中のひとつのお話をモチーフとした作品も数多くあり、世界中で親しまれている名作のひとつだ。迷作劇場では、はたしてどんな“迷作”が生まれるのか…!?だいすけお兄さんとまことお兄さんと一緒に大冒険の旅へ!ツアーは5月20日(土)大阪・豊中市立芸術文化センターを皮切りに、2024年2月まで全国各地で上演。チケットは、4月13日(木)23:59まで、横山だいすけ・福尾誠の各オフィシャルファンクラブにて先行を受付中。
2023年04月04日舞台正面にソファーが置かれたリビングルーム。この家の住人である主人公のアンリ・ド・サシー(今江大地)がここで父エドモン(岡森諦)と話している場面から、話は始まる。大叔母の遺産を相続するためには、結婚することが条件だと知ったアンリ。女好きで誰かひとりを選んで結婚なんてできないという彼に、親友で弁護士のノルベール(緒形敦)は偽装の同性婚を提案。幼なじみで売れない俳優のドド(富本惣昭)を巻き込み、1年間の偽装結婚生活を始めることに。ドドがアンリの父とは知らぬままエドモンに応対した結果、エドモンの意外な姿が明かされる。またアンリと交際中のエリザ(清水麻璃亜)が来た時は、ふたりが兄弟だと偽るはめになる。さらにノルベールの離婚問題もからみ、ふたりの偽装結婚はあらぬ方向へと……!?アンリとドドを中心とした、なんとかその場をやり過ごそうとすることがさらに混乱を引き起こしていくシチュエーション・コメディーだ。テンポの良いかけあいを見せるキャスト陣の中でも、アンリの今江はコミカルな表情と声の変化、ダイナミックな動きが印象的。パンツ一丁になる場面もあり、それも含めてまさに体当たりの熱演だ。アンリというキャラクターが観客に受け入れられるかどうかがこの作品の成否を握っているのではないかと思うが、今江の愛嬌あふれる持ち味がそれを可能にしている。ドドの富本も、オタクっぽさ全開の登場から主夫らしさあふれる立ち振る舞いへ、そして終盤では以前自分が演じた役柄(ブタ)の着ぐるみを身に着けるなど、変化の大きな役をいきいきと演じる。表情やしぐさなど細やかな演技で笑いを誘う。特に着ぐるみ姿の可愛らしさは特筆もの。スマートな紳士ぶりを見せるノルベールの緒形は、離婚問題でブチ切れる振り幅が見もの。エリザの清水は、良い意味でごく普通の女性をナチュラルに表現。そしてキャストの要となっているのは、エドモンを演じる岡森。厳格な父親かのように見えて息子に長年隠していたことをカミングアウトするとガラッとノリが変わる彼の安定感が、他の若い4人を支えていた。それぞれに前向きな結末を迎えるハッピーエンド。キャストの奮闘を称える拍手と「面白かったね」という観客の笑顔が、このひと時がかけがえのないものであると物語っていた。舞台に飾られたカップルのぬいぐるみからも伝わる(ぬいぐるみのみ撮影可、「#ルゲィ」に注目)、面白可愛い公演は4月16日(日)まで。取材・文:金井まゆみ
2023年04月04日日韓で大ヒットした映画『サニー』がミュージカル『SUNNY』として生まれ変わる。「SWEET MEMORIES」、「ダンシング・ヒーロー」、「センチメンタルジャーニー」など、80年代のJ-POPが彩るこのミュージカルに出演する花總まりと瀬奈じゅんに話を聞いた。「いろんな分野の方が集まっているので、新しいミュージカル作品が生まれそうな予感がふつふつと湧いています。そんな作品に参加できること、作品ができあがっていく過程を体感できることがすごく楽しみ。変に気負うことなく、楽しく稽古して、本番もお客様の前に毎日楽しく立ちたいです」(花總)「今回は特に最初からこうしようと決めすぎてしまわず、周りの方たちと共鳴しながら作って、そこで生まれてくるものを大切にしたいと思います。それと、最初にこの作品に出演が決まって、花總さんとお電話で話したときに『私を楽しませてね』と言われたので、花總さんを楽しませるためにがんばります(笑)」(瀬奈)『SUNNY』は、高校の同級生が大人になって再会するというストーリー。花總と瀬奈はともに宝塚音楽学校で青春時代を過ごした仲でもある。「私がトップになって最初の公演である『Ernest in Love』という作品のお稽古中、隣でお稽古していた花總さんが満面の笑みで『おめでとう!』と言ってくれたのを覚えています。トップが気をつけたほうがいいこととか、心構えみたいなことを教えてくださいました」(瀬奈)「音楽学校時代は本科生と予科生という間柄だったけれど、宝塚に入ってからはやっぱり男役スターさんだなって印象でした。ついさっきも、前を歩いている姿をみて頼もしいなと思いました(笑)」(花總)花總が演じるのは専業主婦の奈美。瀬奈は独身で仕事に打ち込んでいたものの、病気になってしまう千夏役。「毎日を送るなかでふと、いまの自分の生活を客観的に見てしまう、自分を見つめ直してしまうという奈美のような方は、少なからずいらっしゃると思います。共感していただけるような演技ができたら」(花總)「余命宣告を受けてから悔いなく生きるってどんな感じだろう、と想像しますね。千夏は結婚もせず、子供もいない。その気持ちの持っていく場所が高校時代のグループ「SUNNY」なんだろうなと。そこを丁寧に演じていきたいと思います」(瀬奈)実際に10代をともに過ごした二人が演じる『SUNNY』。二人がデュエットするという『待つわ』をはじめとした懐かしい楽曲も、二人の現実に重なる女性同士の友情物語も楽しみだ。取材・文:釣木文恵
2023年04月03日6月17日(土)・18日(日) に北海道・札幌芸術の森 野外ステージで開催される、OTO TO TABI presents『しゃけ音楽会 2023』の出演アーティストが発表された。『しゃけ音楽会』は、北海道の音楽フェス『OTO TO TABI』が手がける、2022年からスタートした初夏の野外音楽イベント。メインビジュアルは、イラストレーター・漫画家の小山健による描き下ろしイラストとなっている。このたびアナウンスされたのは、先日発表されたTHA BLUE HERBに続き、2組目のヘッドライナーとして出演する蓮沼執太フィルや、台湾の4人組シューゲイズ/ノイズ・ポップ・バンド Manic Sheepなど全6組。併せて出演日も発表となった。チケットは現在一般発売中。<イベント情報>OTO TO TABI presents『しゃけ音楽会 2023』6月17日(土)・18日(日) 北海道・札幌芸術の森 野外ステージ【出演アーティスト】■DAY1・THA BLUE HERB・BENBE・Manic Sheep(台湾)・U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESSand more……■DAY2・蓮沼執太フィル・石橋英子×ジム・オルーク・SADFRANKand more……【チケット料金】1日入場券:8,000円(当日9,000円)2日通し入場券:15,000円(前売のみ)※10代&学生限定キャッシュバック割引あり。前売券をご購入の10代と学生の方は当日会場にて、身分証提示で1日あたり3,000円キャッシュバック。※中学生以下入場無料(要保護者同伴)。お問い合わせ:info@otototabi.com公式サイト:
2023年04月03日東京・新宿に新たな劇場「THEATER MILANO-Za」が誕生。そのこけら落とし公演となる『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』の製作発表が、3月29日(水)、同劇場にて開かれ、構成・演出・振付のシディ・ラルビ・シェルカウイを始め、キャストの窪田正孝、石橋静河、板垣瑞生、永田崇人、坂ノ上茜、村田寛奈、宮下今日子、田中哲司が登壇した。本作は世界的な人気を誇る『エヴァンゲリオン』を舞台化、オリジナルストーリー(台本・ノゾエ征爾)として上演する企画。演出他を担うシェルカウイは、「世界中で大きなインパクトを与えている『エヴァンゲリオン』という作品を、この新しい劇場から、舞台作品として発信する。それは圧倒されるほど大きなものに挑むような気持ちです」と、この壮大なプロジェクトを前にした思いを明かす。さらに現在進行形で進む稽古については、「とても楽しいです!」とニコリ。「演技やダンス、パペットや映像など、さまざまな表現言語を組み合わせて、『エヴァンゲリオン』の世界を構築していく。それがとても楽しいですし、また大事にしたいと思っていることです」と、ここまでの手応えの強さを伺わせた。渡守ソウシ役の窪田正孝は、「(主催の)東急文化村がものすごく無謀な挑戦をしたなと(笑)」切り出し、「それでも飛び込んでみたいと思えたのは、体現者としてのいい意味での呪いのような、無謀な挑戦にこそ向かいたくなる。その好奇心が先行したからです」と、役者としての性を覗かせた。ソウシの大学時代の友人で、恋人だった霧生イオリ役の石橋静河は、以前からシェルカウイ作品の大ファンだったそうで、「お芝居を始める前から観ていたラルビさんと、役者として、この場所で出会えたことがとても嬉しいです」と声を弾ませた。特務機関「メンシュ」の最高司令官・叶サネユキ役の田中哲司は、この前日に初めて稽古場に足を踏み入れたとのことで、「ちょっと動きを見せてもらったんですが、軽く度肝を抜かれました」と驚きの表情。さらに「なんか小さな人形が動いていて……、やっぱり演劇ってこういうことだな、アナログだなって(笑)。演劇のパワーをすごく感じました」と、出演者ながら大きな期待を膨らませていた。最後に窪田からも、「舞台というアナログな表現で、僕らがどこまで出来るのか。でもそのアナログなものが、デジタルを超える時が必ずあると思っています」と語り、この壮大かつ無謀な挑戦に臨む、強い意気込みを感じさせた。取材・文:野上瑠美子
2023年03月31日3月25日(土)~6月11日(日)に、新宿のSOMPO美術館にて『ブルターニュの光と風 -画家たちを魅了したフランス〈辺境の地〉』が開催されている。見どころはまず、第一章にあたる「ブルターニュの風景」。入口をくぐると、ブルターニュの荒々しい海と豊饒な大地が目に入る。海に突き出た独特の地形に、打ち寄せる波。その風景に多くの画家が魅了されたであろうことを感じる。ブルターニュ地方は、フランスのなかでも独自の文化を持つ。大西洋に突き出た半島に望む厳しい海や豊かな自然、ケルトの伝統が宿る風俗を、多くの画家が描き残した。本展では、45作家による約70点の油彩・版画・素描を通じて、ブルターニュの歴史・風土・風俗に出会うことができる。さまざまな時代のフランス・ブルターニュの風を感じる美術展だ。第一章では、19世紀前半にサロンで活躍した画家たちによりブルターニュの海、大地、風俗が描かれる。多くの画家によって描かれたことにより、ブルターニュ主題はパリのサロンでブームになっていく。劇的に描かれる海や写実的な自然など、取材をもとにした大画面の絵画の前に立つと、そのまま吸い込まれてブルターニュの地に降り立つことができそうな気持ちになる。また、白い髪飾りなどの伝統衣装や、伝統行事「パルドン祭」の描写からは、独自の文化を紡いでいる様子が伝わる。第二章は、19世紀以降、ブルターニュに足を運んだ画家たちによる作品が並ぶ。クールベ、ブーダン、モネ、ゴーギャンなどの習作やスケッチを通し、印象派からナビ派の誕生の流れを見てとることができる。最後の第三章では、タイトルを「新たな眼差し」として、パリとの関わりを中心に、印象派以降の表現の広がりを紹介していく。スーラ率いる新印象派が開拓した点描法のタッチや、黒を基調とした「パンド・ノワール(黒い一団)」、また20世紀以降のキュビスムなど、さまざまな様式によるブルターニュの風景が見られる。絵画の変化を感じながら、そこに一貫して広がるブルターニュの雄大な自然が、多くの画家たちを魅了していることがわかる。同時に、画家たちの眼差しを通していろんなブルターニュが浮かび上がり、彩り豊かな光と風を堪能した。本展は、カンペール美術館の作品が中心となっており、各作品のための額縁がまた絵の魅力を力強く支えている。チケット発売中。取材・文:河野桃子
2023年03月31日4月、「音楽堂ホリデーアフタヌーンコンサート」に出演するチェロの佐藤晴真。意外だけれど、神奈川県立音楽堂にはこれが初登場。しかし実は佐藤、この音楽堂を設計した建築家・前川國男のファンなのだそう。「木のホール」として親しまれる神奈川県立音楽堂は、前川の設計で1954年に開館。日本で初めての本格的な公立音楽ホールだった。「東京文化会館はじめ、前川國男さんの作った空間で弾くのは、演奏とは別の視点の楽しみがあります。コンクリート打ち放しも当時の前川建築の特徴のひとつですが、コンクリートという重たいイメージが、滑らかなカーブを描いて、柔らかで軽やかな印象になる。素材と質感のギャップに魅力を感じています」コンサートはピアニスト谷昂登との共演で、バッハ《無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調》、シューベルト《アルペジオーネ・ソナタ イ短調》、プロコフィエフ《チェロ・ソナタ ハ長調》と、ハ長調でイ短調をサンドした、きれいな平行調の構成のプログラム。「谷君との本格的な共演は今回が初めて。曲選びは毎回、誰と弾くのかを同時に考えます。彼の、まるいのに重い音がプロコフィエフにぴったりだと思い、まずそれをメインにすることに決めました。プロコフィエフのソナタは、すごくメロディックでロマンティック。懐が深いというのか、近代の作品ではありますけど、意外と聴きやすい作品だと思います。室内楽の枠組みの中で、でもシンフォニックに作られていて、そのバランスが、谷君の音と繋がるように感じました」ピアノとのアンサンブルに期待するのは、駆け引きならぬ“満ち引き”だという。「満ち引きというか、互いの会話、反応ですね。主役は音楽。その中で互いの反応合戦みたいな感じ(笑)。それによって音楽が一体となって完成するイメージです」日本のチェロ界の若きトップランナーは進化を続けている。コロナ禍を経て、音楽、演奏という営みが何百年も続いている奇跡に、あらためて感慨を覚えるようになったと、力みなく語る。「以前は漠然と舞台に立って、当たり前のように演奏していた。それが一度すべてストップしたことで、その文化の素晴らしさを日々再認識しています。音楽を楽しむ人、楽器を作る人、作品を作る人、それを楽譜として残す人……。演奏家の今も、さまざまな人々の営みの長い歴史の中にあるし、これからも続いていく。さらに大事に取り組もうと思うようになりました」深い、確かなまなざし。(宮本明)
2023年03月31日個性豊かな七人のカリスマたちの共同生活を描いた舞台『カリスマ de ステージ』~ようこそ!カリスマハウスへ~が2023年3月30日(木)からMixalive TOKYO 6F Theater Mixaで開幕した。2021年10月から本格始動した『カリスマ』は『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』の開発・運営を手がけるEVIL LINE RECORDSと株式会社Dazedによる二次元キャラクタープロジェクト。「カリスマハウス」というシェアハウスを舞台に、個性豊かな七人のカリスマたちの共同生活を描いた音声ドラマを中心に展開している。本作は、その舞台版で、川尻恵太が脚本・演出を務め、舞台を中心に活躍中の若手俳優が出演している。初日を前に行われたゲネプロ(総通し舞台稽古)を観た。登場するのは「服従のカリスマ 本橋依央利」(持田悠生)、「自愛のカリスマ テラ」(丸山和志)、「秩序のカリスマ 草薙理解」(岩田知樹)、「反発のカリスマ 猿川慧」(寶珠山 駿)、「内罰のカリスマ 湊大瀬」(露口祐斗)、「性のカリスマ 天堂天彦」(田中涼星)、「正邪のカリスマ 伊藤ふみや」(坂下陽春)という七人のカリスマ。本作では、キャラクター紹介を兼ねた各々のショートストーリーが一通り展開された後、殺人事件が巻き起こって、シェアハウス崩壊の危機に陥る――という明快なあらすじになっているので、音声ドラマを未履修の方でも安心して観劇できる。そもそもカリスマとは「超人間的・非日常的な資質や能力」をいうが、七人のカリスマたちはその名の通り、一癖も二癖もあるキャラクターばかり。ついつい「隣人にこんなキャラクターがいたらちょっと大変だなぁ......」と思ってしまうのだが、皆がみな別のベクトルで極端なので、物語の中では不思議と均衡がとれているのだ。そして、それぞれのカリスマに“共感”するような場面も出てきて「私にもこのカリスマの要素があるかも......」と思ったり、カリスマたちの“決め台詞”に興奮したりと、見入っている自分がいた。ネタバレになるので詳細は書かないが、最後のライブパートも含め、凡人では予測不能な、シュールでカリスマあふれる物語を楽しんでほしい。上演時間は1時間45分(途中休憩なし)。公演は4月9日(日)まで。取材・文:五月女菜穂
2023年03月31日『ロックロックこんにちは!25th Anniversary Special』の開催が決定した。25回目の記念すべき今年は、大阪城ホールにて、9月16日(土)・17日(日)の2days開催となる。27年前、大阪のライヴハウス難波W’OHOLでスタートした『ロックロックこんにちは!』は、スピッツとプラムチャウダーがオーガナイザーとなり、“今、観たい!”と思うアーティストを迎える音楽イベントとして20年以上の歩みを続けてきた。これまで二人三脚で歩んできた音楽とエンターテインメント要素満載の『ロックロックこんにちは!』の25回目にも乞うご期待。詳細は後日発表。続報をお楽しみに!
2023年03月31日パリ・オペラ座バレエのトップダンサーが集結する『ル・グラン・ガラ2023』が、コロナ禍を乗り越えて4年ぶりに開催される。日本にルーツを持ち、2020年の入団から最短で昇進を重ねるクララ・ムーセーニュの出演もバレエ愛好家にとって朗報だろう。3月中旬、来日した彼女に見どころを尋ねた。同バレエ団エトワール(最高位)のマチュー・ガニオとドロテ・ジルベールが座長を務め、演目のセレクションを手がける本公演。世界最高峰の実力を誇るダンサーの中でも、テクニックに磨きのかかるエトワール6人に次代を担う若手ダンサーが加わり、「イン・ザ・ナイト」「くるみ割り人形」「ロミオとジュリエット」「オネーギン」といった演目で豪華競演を繰り広げる。ムーセーニュはAプログラムで「ドン・キホーテ」のヒロイン、スペインの町娘キトリに扮する予定だ。Instagramの個人アカウントで公開されているキトリのバリエーション(ソロ)動画では、扇子を片手にキレのある足さばきや華麗なターンでコケティッシュな魅力を振りまく。若手にとって主要な役どころに挑戦できるガラ公演を前に、ムーセーニュは「相手役のバジルを演じるニコラ・ディ・ヴィコと信頼関係を育み、観客の皆さんが思わず全幕を観たくなるようなパ・ド・ドゥに仕上げられたら」と意気込む。2004年、フランス人医師の父と日本人の母との間に三女として生を受けたムーセーニュ。2013年にパリ・オペラ座バレエ学校へ入学してすぐに頭角を表し、入団後も昇格が難しいといわれる階級制の中で順調にコリフェ(2021年)、スジェ(2022年)とエトワールへの階段を駆け上がる。2月には、将来有望な若手ダンサーに贈られるセルクル・カルポー賞を獲得した。目覚ましい成長の中でも謙虚さを忘れず、事ある毎に「たくさんダンサーがいる中で私を信じて期待してくださった想いに報いたい」と感謝の意を述べ、より一層の努力を誓う。今後どんなダンサーになりたいか尋ねると、「ダンスへの情熱を原動力に、多様な演目にチャレンジしたい」「役の本質を的確につかみ、さまざまなイメージをお客さまにお見せしながらエモーショナルな時間を共有できたら」と希望があふれ出す。目標とする存在は、バレエ学校入学時から「プチベール(小さなお父さん)」と慕う座長のガニオだ。「オペラ座の象徴みたいなルック・オペラ(身体)に美しいダンス。優しい人柄も相まって尊敬しています」とムーセーニュ。今後も期待の新星から目が離せない。公演は、7月30日(日)に愛知県芸術劇場 大ホールにて。その後、7月31日(月)~8月3日(木)に東京文化会館 大ホール、8月5日(土)に大阪・フェスティバルホールと巡演する。なお東京公演では、回替わりで演目の異なる「A」「B」プログラムが用意されている。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2023年03月30日世界的ファッションデザイナーであるジャンポール・ゴルチエ氏は、70歳を迎えた今も、新たにエンターテインメントの世界へと挑戦し続けている。ファッション界の"異端児"として注目されたゴルチエ氏は、モードなファッションショーをエンターテイメントに昇華した第一人者である。「ファッションショーを作るとき、洋服だけではなく、音楽、照明、モデル、そしてモデルの立ち振る舞いも全てプロデュースをしてきた。それを観客がみて、素晴らしかったら『ブラボー!』とスタンディング・オベーションで迎えてくれる。それは、ファッションショーでも、演劇でも同じ。僕にとってファッションショーと舞台の境界線は曖昧だ。」と語る。ジャンポール・ゴルチエ『ファッション・フリーク・ショー』チケット情報これまで、ファッションショーモデルに「人々は、違うからこそ美しい。愛の形はひとつではなく、いろいろあるから面白い」という考えから、トランスジェンダーやドラァグクイーンをいち早く起用し、フェミニズムやジェンダーフリーを芸術性をもって謳い続けた。『ファッション・フリーク・ショー』でも、国籍や体系など様々なパフォーマーが出演する。この作品を通して「全ての人、誰もが美しいということ、フリークはシック、変わっていることは素敵なこと、そして自分らしくいることが大切だということを伝えたいと思っています。」と、メッセージを寄せている。ジャンポール・ゴルチエ『ファッション・フリーク・ショー』は、5月19日(金)から6月4日(日)まで東京・東急シアターオーブ、6月7日(水)から11日(日)まで大阪・フェスティバルホールにて開催。チケットは発売中。
2023年03月30日国際的に活躍する振付家、ウィル・タケットによるオリジナルの新作バレエ『マクベス』が世界初演される。新国立劇場バレエ団の委嘱作で、シェイクスピアの戯曲をもとにしたバレエ2作品を取り上げる「シェイクスピア・ダブルビル」(4月29日(土・祝)初日)で上演の予定だ。3月23日(木)、同劇場にてリハーサルが公開されるとともに、タケットと主演ダンサーの福岡雄大、米沢唯が作品への思いを語った。この日の稽古は、戦いから帰還するマクベスを待つマクベス夫人のソロから、再会した二人によるパ・ド・ドゥへと至る一連の場面。厳かに響くピアノの伴奏にのせて歩み出る米沢が演じるのは、権力への野心に囚われ、破滅していく女性だ。音楽は、スコットランドの作曲家ジェラルディン・ミュシャによる。バレエのための音楽として作曲されたが、バレエ作品として上演されるのはこれが初という。福岡演じるマクベスの登場で、パ・ド・ドゥが始まる。しばしば動きを止めるタケットからは、「ロマンティックになりすぎないように」「もっと動きを大きく」と次々と指示が飛ぶ。マクベスはここで、荒野で出会った三人の魔女が「マクベスが王になる」と予言したと夫人に伝えるが、タケットは「物語を伝える手助け」として、王冠を手に現れる魔女の精霊を登場させる。強く印象に残るのは、妄想の中に輝く王冠をマクベスの頭上にのせ、権力の夢に酔いしれる夫人の姿だ。「戦いの雰囲気をまとったまま帰ってきたマクベスを、夫人はとてもセクシーだと感じ、関係を持ちたいと思っている。そんな緊張感をパワフルに伝えたい」と話すタケット。重々しい悲劇のバレエだが、「同時に上演される『夏の夜の夢』(フレデリック・アシュトン振付)は美しくて爽やかで、作品自体が魔法のような雰囲気。その正反対をいく『マクベス』と同時に観ていただけるのが大きな見どころ」とも。「この二つの作品が、一つの大きな演劇体験としてお客さまに届くといいなと思っています」。二人のプリンシパルも、「この劇場の歴史の一ページを刻む作品。大きなチャレンジになる」(福岡)、「いつの時代も殺し合いがあり、男女の関係も変わらない。どの方にも、どこか刺さる何かがある。そんな舞台になれば」(米沢)と思いを明かした。公演は4月29日(土・祝)〜5月6日(土)、新国立劇場オペラパレスにて。主演はもう一組のプリンシパル、奥村康祐と小野絢子とのダブルキャスト。チケットは発売中。文:加藤智子
2023年03月29日舞台やドラマで独特の存在感を放つ女優・うらじぬの。1~3月放映のドラマ『ブラッシュアップライフ』での好演もあって、さらに注目度を増している。そんなうらじが「いつかやってみたい」と以前から思っていた、ひとり芝居を実現。その場となるのは、以前はボウリング場と銭湯が入っていた建物を利用したアートセンター。銭湯部分を活かしたスペースには、既存の劇場とは異なる独特の空気感がある。そんな空間でのひとり芝居は「なんか良さそう、あそこで何かやってみたい」と思ったからだと、うらじは言う。しかも母親に銭湯の話で芝居をすると伝えたところ、母方の祖父母が昔は銭湯を経営していたことを初めて聞かされたそう。そのうえ大衆演劇との縁も深く、「隣に劇場があって、そこで大衆演劇の公演があると終わった後に皆が銭湯に浸かりに来たりして、すごく親密だったらしいんです。それを聞いて、銭湯っていうものに奇妙なくらいに惹かれるのには理由があったのかもしれないと思った」と、笑みを浮かべる。意外にもうらじ自身のバックグラウンドとも重なった部分のあるひとり芝居で、作・演出を手がけるのは山西竜矢。うらじが以前在籍した「劇団子供鉅人」で共に活動し、気心の知れた先輩だ。うらじが初めてひとり芝居を上演するにあたって、山西は「大学を卒業して10年以上役者を続けてきたうらじが、今までの自分を振り返る。でもうらじ自身がダイレクトに語るわけではなく、彼女から少しだけ離れた、でも少し重なる部分もある微妙な存在・別人格を創った」。それが本作の主人公・宇野千世子(33歳)。銭湯でバイトをしている千世子のひとり語りで始まる物語は、転職を考える彼女の妄想(かなりぶっ飛んでいる)から始まり、やがて千世子(=うらじぬの)の思いが胸に迫ってくるかのような展開を迎える。「うらじはすごくサービス精神のある人で、人が楽しむ芝居をすることが上手。その魅力をちゃんと見せられるようにしたい」と語る山西。いつも「うらじ、いいよ」とほめているそうで、その言葉はうらじにとっても「心の支え」なのだとか。一方うらじも、「山西くんは作・演出家としてちゃんと人間観察をしながらその人に合った作品を書く才能にあふれているので、今回ご一緒できて本当に嬉しいし、頼りにしております」と信頼の厚さを伝える。そんな仲の良い先輩後輩コンビが全力で挑む本公演は、4月13日(木)~16日(日)に北千住BUoYにて。取材・文:金井まゆみ
2023年03月29日今年2023年は、アメリカの伝説的ロックバンド、TOTOのデビュー45周年。そんなビッグ・メモリアル・イヤーに、新たなラインナップで再始動した“新生TOTO”の4年振りとなるジャパン・ツアーが決定した。7月10日(月)の福岡を皮切りに、金沢、名古屋、大阪、広島、仙台、盛岡、そして7月21日(金)東京・日本武道館まで、8都市で開催される。TOTO チケット情報色褪せることのない数え切れないほどの名曲の数々を、ぜひ会場で堪能してほしい。チケットは順次発売開始。一般発売に先駆け、4月2日(日)23:59まで、7月10日(月)福岡サンパレス ホテル&ホール公演、7月15日(土)丸善インテックアリーナ大阪公演の最速抽選いち早プレリザーブを受付中。
2023年03月28日女優の南沙良が特別展「恐竜図鑑-失われた世界の想像/創造」の展覧会ナビゲーター、音声ガイドのナレーションを務めることが発表された。以前から“恐竜好き”を公言してきた南にこの特別展の魅力について聞いた。子どもの頃から恐竜や海棲爬虫類などの巨大生物が大好きだったという南。「巨大な生物がいて、自分が横に立ったこれくらいの大きさで…と想像していました。推しはモササウルスです。『もし、海に放り込まれたら私、一瞬で死んじゃうんだろうなぁ…』と思うと楽しくなります(笑)」。そんな南にとって、仕事で恐竜と関わるのは、今回が初めて。念願がかなって「めちゃくちゃ嬉しかったです」と語るが、この特別展、いわゆる“恐竜展”とは趣が異なる。通常、恐竜展といえば、化石や巨大な骨格見本が定番だが、この特別展で扱うのは、あくまでも“絵画”。19世紀に恐竜が発見されてから現代にいたるまでのパレオアート(古生物美術)を紹介するのが特徴となっている。「珍しいなと思いました。子どもの頃に図鑑で見ていた絵が実際に見られるってなかなかないのでワクワクします。色合いが素敵な絵だったり、ポップなものもあって楽しめます」。南のオススメは、世界で最初に発見された恐竜でもあるイグアノドンの造形の変遷。初期に描かれた復元図と研究が進んだ現在の違いを見比べることができる。「200年の間で研究が進んで、変わっていく姿を見せていただいて、すごく興味深かったです。“変化”を楽しめるのが素敵です」このほか、パレオアートの巨匠チャールズ・R・ナイトの「白亜紀-モンタナ」やベンジャミン・ウォーターハウス・ホーキンズが描いた「ジュラ紀初期の海棲爬虫類」などが気に入ったという。特に後者は海棲爬虫類好きな南の心を捉えたようで「甘いトーンなのに不気味な感じがいいですね。私の大好きなモササウルスのような…“何か”がいて、ロマンを感じました」と語る。小さい頃から恐竜や動物の図鑑に慣れ親しんできたという南だが、今回の展示にちなんでいま、自分で好きな図鑑を作るならどんな図鑑を作るか?「大好きなマカロンの図鑑ですかね。あとは、逆に『身体に悪い食べ物図鑑』とかほしいかな(笑)」「恐竜図鑑-失われた世界の想像/創造」は3月4日(土)より兵庫県立美術館にて、5月31日(水)より上野の森美術館にて開催。取材・文:黒豆直樹
2023年03月28日実在した男の数奇な生涯を描いた舞台『ブレイキング・ザ・コード』が4月1日(土)から東京・シアタートラムで上演される。舞台は第二次世界大戦後のイギリス。エニグマと呼ばれる複雑難解なドイツの暗号を打ち破り、イギリスを勝利へと導いたアラン・チューリング。しかし、誰も彼の功績を知らない。この任務は戦争が終わっても決して口にしてはならなかったのだ。そしてもう一つ、彼には人に言えない秘密があった。同性愛者が犯罪者として扱われる時代、彼は同性愛者だった。あらゆる秘密を抱え、どんな暗号も解き明かしてきた彼が、人生の最後に出した答えとは......。悲運の死を遂げた彼の生涯を少年時代、第二次世界大戦中の国立暗号研究所勤務時代、晩年と時代を交錯させながら描いていく。本番まで1ヶ月を切った3月上旬、都内近郊で行われている稽古場を取材した。この日は頭と身体をほぐすゲームから。出演者らが円になって、互いの呼び名を決める。例えば、主人公のアランを演じる亀田佳明は「かめちゃん」といった具合に。名前を呼ぶ順番を決め、それが一巡したら、次は指を鳴らす合図を受け取った人が、次の人に向けて指を鳴らす(「名前」の順番と「指鳴らし」の順番は違う)。指を鳴らす動作が一巡したら、次はボールを受け取った人が、次の人に向けてボールを渡す(「ボール」の順番もまた違う)......。一つ一つの動きは単純で、規則性があるが「名前を言う」「指を鳴らす」「ボールを渡す」といった複数の動作が同時並行的に進められると、見ている側としては超カオスな状態。だが、出演者らは体と頭をフル回転させながら、冷静にゲームを進める。誰一人足を引っ張る者はおらず、皆が驚くべき集中力を発揮していた。30分ほどでゲームを終え、続いては作品の冒頭、アラン(亀田)とミック・ロス(堀部圭亮)の2人のシーンからの稽古。一旦最後まで一通りの稽古を終えており、これからより内容を深めていく段階のようだ。シーン全体を通し、それを見た演出の稲葉賀恵は、演出席から俳優のもとに駆け寄り、観て感じたことの「シェア」を行う。印象的だったのは、演出の稲葉のテンションの高さ。登場人物になりきって心情の流れを語るかと思えば、一歩引いて演劇としてどう見えるかを語る。俳優たちの芝居の意図を聞き出して一緒に“正解”を探したり、「その方向性です!」「めっちゃいいじゃないですか!」と惜しみなく芝居を褒めたりして、稽古場の雰囲気を稲葉が作っていると感じた。俳優たちも芝居好きの実力派ばかりなので、その稲葉の期待と要望に楽しげに応えていた。すべてを見てはいないが、アラン役の亀田はとても繊細な芝居だった。動きやセリフの一つ一つの意味を咀嚼し、丁寧に積み重ねている印象で、これらが物語の中でどう見えてくるか。とても楽しみだ。公演は4月23日(日)まで。ぜひお見逃しなく!取材・文:五月女菜穂
2023年03月28日フェニーチェ堺(堺市民芸術文化ホール)は8月5日(土)、ヨーロッパで活躍する演出家、菅尾友が台本・演出を手掛ける「子どものためのオペラ『まほうのふえ』~パミーナ姫のたんじょうび~」を上演する。このオペラは2018年にザルツブルク音楽祭で上演され、好評を博したもの。ヒロイン、パミーナ姫を明日8歳の誕生日を迎える少女に設定するなど、モーツァルトの『魔笛』をベースに登場人物たちの年齢や関係を置き換え、オペラを初めて観る子どもたちが楽しみながらその奥深い魅力に触れることのできる作品になっている。日本語版は2019年にフェニーチェ堺小ホールで上演されているが、今回はオーケストレーションもバージョンアップ。同館初の自主制作作品として大ホールで上演する。子どものためのオペラ「まほうのふえ」~パミーナ姫のたんじょうび~チケット情報指揮はドイツ、マクデブルク市立歌劇場のカペルマイスターを務め、トリノ王立歌劇場および兵庫県立芸術文化センターほかで佐渡裕のアシスタントを務めた気鋭の瀬山智博。また美術・衣裳は菅尾と共に多くの作品を手掛け、ザルツブルク音楽祭でも本作品を担当したユリア・K・ベルントが務め、ファンタジーに溢れた舞台を創り上げる。管弦楽は大阪交響楽団。ヒロインのパミーナ姫をはじめ、夜の女王、タミーノ王子、パパゲーノにパパゲーナといったおなじみのキャラクターにはオーディションで選ばれたフレッシュな顔ぶれが揃う。2月24日、フェニーチェ堺大ホールで行われた制作発表記者会見には、瀬山智博とパミーナを歌う松原みなみ、夜の女王役の谷川あお、パパゲーナ役の辻本令菜(※辻のしんにょうの点はひとつ)、そしてドイツから菅尾友がリモートで登壇。菅尾は「約1時間というコンパクトな上演時間の中に子どもたちをオペラに誘うさまざまな工夫を込めた作品。物語の楽しさだけではなく『魔笛』が本来持つシリアスな部分や、ドラマティックな音楽の魅力も感じてほしい」と語った。また大役に臨む松原が「本番に向けてわくわくする気持ちが止まらない」と語れば、他の2人も「この素晴らしいホールで成長の機会をいただいたことに感謝」と声を揃えるなど、会場は華やかな雰囲気に。こうした中、瀬山は「『魔笛』は僕が20歳で初めて観て大きな感激を覚えたオペラ。『まほうのふえ』という作品を通して、モーツァルトの素晴らしさをすべてのお客さまに伝えられるように良いチームを創っていきたい」とステージへの意気込みを力強く語った。文:逢坂聖也
2023年03月27日動乱の春秋戦国時代を舞台に、少年・信と、のちに秦の始皇帝となる若き王・嬴政(えいせい)のふたりが、<史上初の中華統一>を目指す姿を描く国民的大人気コミック『キングダム』。初の舞台化で、主人公・信を演じる三浦宏規と高野 洸、嬴政・漂(ひょう)役の小関裕太と牧島 輝(いずれもWキャスト)が、舞台版の見どころと抱負を語ってくれた。「不安も残る中、全力でやりきった帝国劇場での初日のカーテンコールは一生忘れられない」と目を輝かせた三浦。「アキさん(高野)の信は、まっすぐな優しさと思いやりがにじみ出ていて説得力がある。信は下僕の生まれで、泥臭く生きてきた人物。僕自身は殺陣の立ち回り、セリフ回し、体の動きのひとつひとつに、信ならではの力強さがでるよう演じました」。同じく信を演じる高野は福岡県久留米出身。「昔から憧れていた博多座の舞台に立てるのは素直に嬉しい」と笑みがこぼれる。そして「原作者の原 泰久先生原先生のセリフを読み解きながら、信を演じている。宏規の信は、意思の強さと愛にあふれていてパワフル。同じ役を演じても常に新鮮な刺激をもらっている」と役作りについても熱く語った。「東京公演の時、ミュージカルの帝王と称される山口祐一郎(王騎役)さんが、舞台袖で『言葉っていいよね』と言われるのをお聞きして、改めてすごい戯曲に携わっているんだな…と実感した」と振り返るのは小関。「自分と牧島くんでは同じセリフでも解釈の仕方が違うし、キャストの組み合わせによっても雰囲気が変わるので、その違いも見比べて欲しいですね」と笑顔で続けた。原作の大ファンという牧島は、「舞台の上で嬴政・漂として生きられるなんて毎日が夢のよう。アニメやマンガで嬴政の表情が描かれていないシーンでは、こんなとき嬴政なら…と想像を膨らませながら役作りをした。特に目の力強さや微細な表情にこだわりました」と自信をのぞかせた。「臨場感たっぷりのリアルな殺陣」「迫力ある舞台美術」「オーケストラによる生演奏」など、見どころも尽きない本作。「帝劇から梅芸を経て、博多座へ。劇場ごとに変化していく『キングダム』の成長を見届けてください」(牧島)。「本当に凄い舞台を皆で作っていると自負しています。今しか観ることのできない生の舞台をぜひ体感して欲しいですね」(小関)。「『帝劇統一』『梅芸統一』の後、『博多座統一』を目指します!キャスト・スタッフ一同、気を緩めず走り抜きますので、期待してください」(高野)。「皆様の期待を裏切らない舞台をお見せします。アキ(高野)さんの『帝劇統一』に続き、僕の『キングダムーー』もトレンドワード入りするよう応援してください!(笑)」(三浦)。彼らの魅力がさく裂する壮大な歴史エンターテインメントを、ぜひ舞台で体験しよう。4月2日(日)~27日(木)福岡・博多座、5月6日(土)~11日(木)北海道・札幌文化芸術劇場hitaru。チケットは発売中。
2023年03月27日5月27日(土)に東京・下北沢12会場にて昼夜通しで開催されるイベント『THISTIME RECORDS 20th Anniversary “New Buddy!”』の第2弾アーティストが発表になった。『THISTIME RECORDS 20th Anniversary “New Buddy!”』チケット情報『New Buddy!』は東京のインディペンデントレーベルTHISTIME RECORDSが設立20周年を記念して、東京(5月27日(土))と大阪(7月23日(日))で開催されるサーキット型フェス。今回、東京編の出演者第2弾として、TENDOUJI、THEラブ人間、SEVENTEEN AGAiNの3組が追加発表された。今回、3組だけの発表になった理由として「下北沢のライブハウスで愛され、TENDOUJI「OTENTO」、THEラブ人間「下北沢にて」、SEVENTEEN AGAiN「REPLACEMENTS」と、それぞれが自分達と周辺のアーティストの居場所をつくるべく、自らが主催となって素晴らしいイベントを開催している、そんな3組への愛とリスペクトとSHIT!を込めて」とTHISTIME RECORDSの代表、藤澤氏はコメントを寄せている。オフィシャルHPにて限定の主催者先行早割チケット第2弾(通し券/特典オリジナルグッズ付)が4月2日(日)23:59まで受付中。今回で先行の早割は終了予定。総勢100組以上、次回より多くの出演者が発表されることとなる。今後続々と発表されるであろうアーティストに期待して、早めにゲットしておこう。イベントは一部会場を除いて、深夜公演も開催。マスク着脱の緩和や、声出し公演の増加などにともない、昼夜通して音楽を十分に楽しめるイベントになりそうだ。大阪編の詳細も続報を待とう。
2023年03月27日ゴッホが描いた「ヒマワリ」「夜のカフェ・テラス」などが、クラシック音楽に乗って、走馬灯のように目の前に迫ってくる――。世界で850万人を動員した、ゴッホの3000点以上の絵画を映像で見せる没入型の展覧会「ゴッホ・アライブ」が、兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリーで開催中だ。「ゴッホ・アライブ」チケット情報ギャラリーの入り口付近には、ゴッホの生涯を時代別にしたパネルが並ぶ。心引かれるのは、ゴッホが残した言葉の数々だ。「絵画にはそれ自身の命があり、それは画家の魂から発する」「僕は、朽ちて、病み、バラバラになるほどに、芸術家へと近づく」など哲学的で、これから作品を見る上で、ゴッホの心情を理解する道しるべとなった。会場では、最大7メートルという壁の大型スクリーンや床、柱など至る所に、ゴッホの作品が全体像だけではなく細部に渡って切り取られ、次々とスピーディーにクローズアップされていく。ひとつの作品の今まで気に留めてこなかったような小さな“脇役たち”の部分も大きく投影されるので、筆のタッチや息遣いまでもが伝わってくる感覚だ。ヴィヴァルディやサティらの音楽と作品の映像の切り替えがピタリと合っていて、映画を見ているようでもある。映像は40分間で、まるでモノクロで描かれたように暗く沈んだ初期の「オランダ時代」から、パリへ移り、目にまぶしいほどの鮮やかな色彩を見出していき、南仏、精神を病んで入院したサン=レミの療養院、晩年期などへと順番に追っていく。一日中繰り返して流されるので、どのタイミングで会場に入っても、見逃した部分は後から見られる。作品の魔力と映像の迫力で、どの時代から見ても違和感なくゴッホの世界に没頭できた。床にはクッションや長椅子が置かれ、座ったり、写真を撮ったりしながらの自由な鑑賞スタイルだ。別会場には、ゴッホの部屋やひまわり畑を再現したフォトスポットも設けられている。また、ゴッホが最後に過ごしたフランスの田園地方を思わせるという、アロマの香りも会場に漂っている。「花咲くアーモンドの木」や、「花咲く梅の木(広重の複写)」などの作品では、日本の民謡「さくら、さくら」がバックに流れ、映像の効果で花びらが舞い、美術館で花見をしているようだ。彼が「絵画における色彩とは、人生における熱狂だ」と言った通り、燃えたぎるような色と生命力にあふれている。「ヒマワリ」や「ローヌ川の星月夜」の作品に照らされ、ゴッホ自身を描いた「自画像」の、突き刺さるような視線にたじろぐ。熱狂と色彩の中を駆け抜けたゴッホの人生と作品が鑑賞後も頭の中をめぐる。不思議な新しい感覚を味わえた。取材・文:米満ゆう子
2023年03月27日