チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (17/342)
幅広いジャンルで活躍するピアニストの大貫祐一郎と扇谷研人による2台ピアノコンサート「Mysig Music」が4月8日に開催される。ゲストとして中川晃教も参加するこちらのコンサート。どんな楽曲で楽しませてくれるのか? 2人に話を聞いた。この日、2人は1台のピアノを連弾する形で、初セッションを実施。さらに帰り道には、ストリートピアノで「情熱大陸」(葉加瀬太郎)を披露し、道行く人の喝采を浴びた!(こちらの模様はグランアーツYouTubeチャンネルにて配信中)大貫は「気持ちよかったです!2人でやるのが楽しくて、このままずっと弾いていたいなって思いました」と満面の笑み。扇谷も「2台ピアノって、“VS”感がありがちだけど、僕らに関してはバチバチした感じが全くない。何も言わなくても合うんですよね。対話感が心地よかったです」とうなずく。大貫は扇谷について「白いキャンバスに絵を描くようなピアノ」と語り、その多彩で自由な音色を称賛する。一方、扇谷は「とにかく大貫さんのピアノはタッチがきれい。きちんとしたクラシックの技術をお持ちで音の粒立ちが素晴らしい」と羨望を口にする。タイプが異なる2人からどんな化学変化が生まれるのか、楽しみだ。気になる楽曲だが、先日亡くなったバート・バカラックの手による楽曲で、カーペンターズでおなじみの「Close to you/遥かなる影」や2人の共作によるオリジナル楽曲も披露されるとのこと! 1日限りとするにはもったいないほど盛りだくさんな内容になりそうだ。ゲストの中川晃教については、大貫が「2台ピアノという特殊なことをやるなら、何にでも対応できる方を呼ぼうと(笑)。2台ピアノ×アッキーさんって何が起こるか誰にもわからないワクワクがある」と語れば、扇谷も「我々も想像もしえない方向に行くかもしれない(笑)。すごく楽しみです」と期待を口にする。ファンも熱望する中川のこれまでの出演ミュージカルからの選曲、加えて「クラシカルな楽曲を生歌と生ピアノで届けたい」(大貫)との思いから、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」、さらにマイケル・ジャクソンの楽曲からもある名曲を披露する予定だという。「今日、初めて合わせて、成功を確信しました!」(大貫)。「僕ら3人だけでなく会場のお客さん、配信で見てくださる方も含め、音の会話を楽しみたい!」(扇谷)と開演が待ちきれないといった表情で意気込みを語ってくれた。「Mysig Music」は4月8日、浜離宮朝日ホールにて開催。取材・文:黒豆直樹
2023年03月13日ミュージカル『RENT』が2023年3月8日(水)から日比谷シアタークリエで開幕した。1996年の初演以来ブロードウェイで12年4ヶ月のロングランを果たし、2005年には映画化もされた本作。日本では1998年に初演された後も、繰り返し再演されている。今回はおよそ2年ぶりの再演で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕後に公演中止を余儀なくされた前回(2020年)公演のメンバーの多くが出演している。初日を前にした7日(火)、初日前会見とゲネプロが行われた。マーク役(Wキャスト)の花村想太は「この作品では、 自分たち自身のしんどい部分や辛い部分を曝け出してステージに臨んでいる。そんな僕たちから出るパワーを劇場で感じていただき、みなさんが生きていく中での糧になれたら嬉しいなという思いを込めて、ステージにあがりたい」と意気込んだ。同じくマーク役の平間壮一は、前回(2020年)公演からバージョンアップした点を問われると、日本版リステージのアンディ・セニョールJr.ら海外スタッフが来日できたことを挙げて「『RENT』の面白いところは、役者自身の人生観や役者同士の空気感がにじみ出ることだが、アンディたちがそれらを1つにまとめてくれて。やっと『RENT』ができるなという感じで、僕も楽しみ」と話した。ミミ役(Wキャスト)の八木アリサも「(前回は)リモートでの稽古だったが、生での指導になった。こんなにも掴める空気や感覚が違うんだと思った」と話し、同じくミミ役の遥海は「前回一緒だったけれど、今回出演しない方々は(公演中止になって)本当に悔しかったと思う。まさに“NO DAY BUT TODAY”で、1回ずつの公演を命がけで突き進んでいきたい」とリベンジを誓っていた。ロジャー役(Wキャスト)の甲斐翔真は「ロジャー役は僕がミュージカル人生で初めて勝ち取った役で、2年前は体当たりで演じた記憶がある。僕は再演自体が初めてで、1回やったことをもう一度料理する難しさを感じたが、アンディに『その悩んでいる感じを活かせばいい』と言われて。自分の感情に正直に生きられたら」と話し、同じくロジャー役で、今回が初参加となる古屋敬多は「リアルを求められる作品なので、少しでも嘘臭さが出てしまうと浮いてしまうが、みんながもうすでにそのリアルを体現していたので、僕はそこに入るだけだった。再演組のメンバーに助けられた」と述べた。上演時間は約2時間45分(休憩あり)。初演以来、変わらず勇気と愛を伝え続けてきた『RENT』。コロナ禍や分断された社会の状況から鑑みても、本作がもつパワーを改めて思い知る。「過去もない、未来もない。今日という日を精一杯生きる(NO DAY BUT TODAY)」という言葉を噛みしめながら、名曲揃いの本作を堪能してほしい。東京公演は4月2日(日)まで。取材・文:五月女菜穂
2023年03月10日4月15日(土)・16日(日)の2日間、岐阜市文化センター 催し広場で開催される『cinema staff presents “OOPARTS 2023”』。『cinema staff presents “OOPARTS 2023”』 チケット情報このたび、THE NOVEMBERS、THE BACK HORN、mudy on the 昨晩、the telephonesほか豪華アーティストが追加発表され、全出演者が出揃った。また日割りも決定!タイムテーブルは後日発表予定なのでオフィシャルHPをご確認ください。2DAYSチケット・1DAYチケットのオフィシャルHP2次先行(抽選)を3月19日(日)23:00まで受付中。なお、先行チケットのみ「OOPARTS2023 オリジナルデザインマスク付き」のため、お得なこの機会にぜひ!■[15日(土)出演者] DAY1<BUNKA ARENA>cinema staffBRAHMANZAZEN BOYSbachoTHE NOVEMBERSAlgernon CadwalladertricotKOTORIDUB 4 REASONFake Creators (LITE,DÉ DÉ MOUSE)<KOGANE STAGE>ONIGAWARASORRY FOR NOT PUREさとりモンスターösterreich (LITE SET)中山 将雨模様のソラリス飯田瑞規 (cinema staff)situasionグデイ■[16日(日)出演者] DAY2<BUNKA ARENA>cinema staffTHE BACK HORNmudy on the 昨晩KEYTALKアルカラthe telephonesWiennersösterreichLITE<KOGANE STAGE>ONIGAWARAほぼ股下90cmさとりモンスター紺野メイ雨模様のソラリス三島想平 (cinema staff)situasionグデイ
2023年03月09日MR.BIG(ミスター・ビッグ)のジャパン・ツアーが、7月20日(木)愛知・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール、7月22日(土)大阪・丸善インテックアリーナ大阪、7月25日(火)東京・日本武道館にて開催される。MR.BIGチケット情報大ヒット作『リーン・イントゥ・イット』完全再現を含むベストヒット公演になるという。来日予定メンバーは、ビリー・シーン(b)、エリック・マーティン(vo)、ポール・ギルバート(g)、ニック・ディヴァージリオ(ds)。世界のどこよりも日本で愛されたスーパー・バンドの集大成!34年の輝かしい歴史に遂に終止符を打つ「The Big Finish FAREWELL TOUR」と題して開催される本公演は絶対に見逃せない!チケットは、3月25日(土)の一般発売に先駆け、3月12日(日)23:59まで最速抽選いち早プレリザーブを受付中。
2023年03月09日世界最高峰のサーカス・エンターテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユによる『ダイハツ アレグリア-新たなる光-』東京 公演の来場者数が3月7日(火)13時公演で10万人を突破し、公演終了後にステージ上で記念セレモニーがおこなわれた。公演終了直後の熱狂冷めやらぬ中、ステージに上がったフジテレビの海老原優香アナウンサーより、本日の公演で東京公演の観客が10万人を突破したことが発表され、さらに日本公演のスペシャルサポーターを務める中村勘九郎さん、中村七之助さん、中村勘太郎さん、中村長三郎さんがアレグリアのアーティストと共に登場。会場は盛大な歓声と拍手で包まれた。10万人目の記念すべき来場者となったのは東京都からお越しの谷垣さんと神奈川県からお越しの中野さん。「とても楽しかったです。空中ブランコがとにかくすごくて、見ていて緊張してしまいました(笑)。帰りの車の中でアレグリアの歌をうたいつづけます。」と話した。その後、中村勘九郎さん、中村七之助さんからお二人へ記念品として「アレグリア-新たなる光-オリジナルグッズ詰め合わせ」をプレゼントし、セレモニーは幕を閉じた。「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」東京公演は 6月25日(日)までお台場ビッグトップにて感動上演中。
2023年03月09日新国立劇場の2023/2024シーズンのラインアップ発表会見が3月7日(火)に行われ、各部門の芸術監督が出席した。演劇部門のオープニングを飾るのはシェイクスピアの「尺には尺を」と「終わりよければすべてよし」。新国立劇場で2009年から12年にわたり「ヘンリー六世」、「リチャード二世」などの歴史劇を作り上げてきた制作陣が再集結! 演出に鵜山仁、キャストには岡本健一、浦井健治、中嶋朋子ら実力派俳優陣の名が並ぶ。2作が交互に上演され、キャスト全員が両作品に出演する。小川絵梨子芸術監督は「歴史劇と違った視点でシェイクスピアを綴っていきます。歴史劇ではどうしても男性の役柄が中心になりますが、この2作は女性が“軸”に置かれていて、違った魅力をお届けできると思います」と語る。6作目となるフルオーディション企画では、演出に藤田俊太郎を迎え、小川芸術監督就任以来始まったフルオーディション企画で初のミュージカルとなる「東京ローズ」を上演。2019年に英国の「BURNT LEMON THEATRE」が製作し、日米ふたつの祖国に翻弄されながらも戦う女性の姿を6名の女性キャストで描く。4月から7月にかけて上演される「デカローグ Ⅰ~Ⅹ」は、ポーランド出身の映画監督クシシュトフ・キェシロフスキの映画『デカローグ』の完全舞台化。旧約聖書の十戒をモチ―フにとある団地に住む人々の姿を10篇の物語で描き出す。小川芸術監督自身が20代の頃に見て「ずっとやりたいと思っていた」という本作。「人間の根源的な葛藤や悩み、『何が正しいのか?』ということを問い続けていく物語。日々の選択で犯す間違いや悩み、弱さ、それでも愛したいという思いなど、等身大の人間の姿を真摯に見つめる作品です」と語る。上演台本を須貝英が手がけ、小川と上村聡史が5篇ずつ演出を担当する。小川が就任以来、力を入れてきた長期にわたって作品を育てていく「こつこつプロジェクト」も第3期がスタートする予定。さらにギャラリープロジェクトとして中高生向けのワークショップやバックステージツアーなども積極的に行なっていく予定だという。コロナ禍における公共劇場の役割について問われた小川芸術監督は「公演を行なうだけの場ではないということが重要だと思います。たとえ公演ができなくともトークなど、やれることがあり、劇場に来れば“文化”がある。収益が出にくい部分ですが、だからこそ公共の劇場がやるのはよいことだと思います」とその意義を訴えた。取材・文:黒豆直樹
2023年03月09日新国立劇場の2023/2024シーズンのラインアップ記者会見が3月7日(火)に開催された。コロナ禍による収入減、そしてウクライナ紛争による物価高、エネルギー価格の高騰を踏まえ、一部の演目の延期、入場料の改訂が明らかになった。舞踊部門に関しても、当初、考えていた「ニューイヤー・バレエ」の新制作を延期することになり、新作はゼロとなった。吉田都芸術監督は「立て直しのシーズンになる」と外的要因による苦しい現状を吐露しつつも「バレエ団は非常に充実しています」と強調。「歴代の芸術監督への感謝を込めてオマージュのシーズンとしました」と明かした。新シーズンのオープニングを飾るのは、新国立劇場初代芸術監督である島田廣が強い思い入れを持って上演し、吉田芸術監督も初演時にゲスト主演をしたという『ドン・キホーテ』。続く「DANCE to the Future:Young NBJ GALA」は、若手ダンサーにスポットライトを当てたガラ公演となっており吉田芸術監督は「若手ダンサーたちは主役を踊る機会がなかなかないですが、未来のスターを育てたいと思っていますし、このチャンスを活かしてほしい」と若き才能への期待を口にする。年末から年始にかけては「くるみ割り人形」を上演。先述のように「ニューイヤー・バレエ」がなくなった分、ダンサーたちの身体的な負担が軽減される一方で、公演数自体は増やしている。続く「ホフマン物語」は、前芸術監督の大原永子が女性のメインロールを全て踊ったことがあるという演目であり、吉田芸術監督は「大原先生にまた来日していただいて、ダンサーたちに喝を入れていただけたら」と大原に指導を依頼する考えを明かした。さらに4月から5月にかけて上演の「ラ・バヤデール」は、2021年に亡くなった元芸術監督の牧阿佐美が2000年に新国立劇場で改訂振付第1作として新制作された作品であり、吉田芸術監督は「古典バレエの様式美を堪能できる作品」と語る。6月にはデヴィッド・ピントレー元芸術監督が新国立劇場のために振り付けたオリジナル作品『アラジン』を再演するが、吉田芸術監督は「振付家により直接の指導は、ダンサーたちの成長につながり刺激になる」とピントレー氏の来日を熱望した。また森山開次が子どもから大人まで楽しめるプログラムとして制作した「NINJA」を中劇場用にスケールアップさせた「新版・NINJA」の再演も行なわれるほか、エデュケーショナル・プログラムとして「白鳥の湖」が上演される。取材・文:黒豆直樹
2023年03月09日累計発行部数2200万部を突破する人気サッカー漫画を原作にした舞台『ブルーロック』が初めて舞台化される。その稽古に先駆け、社会人サッカーチーム「エリース東京FC」の選手である色摩雄貴、松岡ジョナタン、神田凜星によるサッカー指導が行われ、出演者の主人公の潔 世一(いさぎ・よいち)役の竹中凌平、蜂楽 廻(ばちら・めぐる)役の佐藤信長、千切豹馬(ちぎり・ひょうま)役の佐伯亮が参加した。舞台「ブルーロック」 チケット情報「ブルーロック」(原作・金城宗幸/漫画・ノ村優介)は、2018年より「週刊少年マガジン」(講談社)に連載中のエゴイスト FW 育成サッカー漫画。「世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーになれない」と、日本フットボール連合がW杯優勝に導くストライカーを育てるためにある計画を立ち上げ――という物語が描かれる。晴れ渡る屋外フットサルコートで挨拶を交わした6人は、サッカーの基本「とめる・蹴る」の練習からスタート。松岡と竹中、神田と佐藤、色摩と佐伯がそれぞれペアを組み、ボールを蹴り合う。経験者の佐伯も含め、はじめは緊張気味だった俳優陣も、選手たちの丁寧な指導でみるみる上達。「楽しくなってきた!」と良い表情を見せた。基礎的な動作を教わったらミニゲームへ。メンバーをミックスしたり、俳優チームと選手チームでわかれたりしてゲームをするうちに、俳優、選手関係なく6人全員でチームメイトのような空気が生まれ、チームプレーも次々と飛び出し始める。技術の習得はもちろん、競技そのものの楽しさも体験できたようだった。練習後の囲み取材で松岡が「皆さん、才能がありすぎてびっくりです」と笑顔で話すと神田も「吸収力がすごかった」、色摩も「教えることがなかった」と絶賛。竹中は「サッカーの楽しさを知れたことが大きな収穫でした」、佐藤は「サッカーがより好きになりましたし、身近になった気がします」、佐伯は「サッカーの“みんなで取り組む”というところは舞台と同じだなと思いました。今日僕は(佐藤)信長くんと初対面でしたが、パスをし合ってコミュニケーションが取れました」とそれぞれ良い時間になった様子。本作には、神田が「エゴ=自分が勝負を決めるんだという、プレイヤーとして大切なことが描かれている」と話すように、チームスポーツにおいての“エゴ”が描かれている。そこは俳優の仕事と重なるかを問われると、佐伯は「俳優として個性はあったほうがいいけど、舞台では協調性が一番大事」、佐藤も「観てほしいところを観てもらうためには自分も押さえる」と明かし、竹中も「協調性が大事な舞台で描く作品のテーマが“エゴ”というところもおもしろい。どんな作品になるかワクワクしています」と話した。公演は、5月4日(木・祝)から7日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼ、5月11日(木)から14日(日)まで東京・ サンシャイン劇場にて。3月8日(水)18:00から12日(日)23:59までプレイガイド最終先行(抽選)を受付。取材・文:中川實穂衣裳協力:DESCENTE UMBRO
2023年03月08日4人組ロックバンド、おとぎ話と、オルタナティブ・ロックバンド、SuiseiNoboAzのツーマンライブが決定した。『童話の不良』と題し、5月26日(金)大阪・FANDANGOにて開催される。おとぎ話/SuiseiNoboAzチケット情報チケットは、3月21日(火・祝)23:59まで先行抽選プレリザーブを受付中。
2023年03月08日秋に始まる新国立劇場2023/2024シーズンのオペラ演目が発表され、芸術監督の大野和士が会見に臨んだ(3月7日・新国立劇場オペラパレス・ホワイエ)。全9演目のラインアップ。新制作は以下の2演目。●プッチーニ《修道女アンジェリカ》&ラヴェル《子どもと魔法》(10月)沼尻竜典指揮/粟國淳演出大野芸術監督がレパートリー拡充の一環として掲げる、1幕オペラ2本構成の「ダブルビル」。「プッチーニの書いた最も聖なる音楽」(大野)である《修道女アンジェリカ》の主人公は、未婚の母ゆえにわが子と引き離された修道女。《子どもと魔法》はママの言いつけを守らない聞かん坊が主役。共通するテーマは「母と子の愛の強さ」と大野。●ヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》(11月)大野和士指揮/ピエール・オーディ演出待ちに待った新国初上演。大野が何度も電話して口説き落としたというエクサン・プロヴァンス音楽祭総監督オーディの演出。気鋭の現代彫刻家アニッシュ・カプーアとのコラボに期待。バスやバリトンが活躍する低重心の作品に、ロベルト・フロンターリ(シモン=バリトン)、リッカルド・ザネッラート(フィエスコ=バス)を得て万全の布陣。再演も充実。以下、大野の語った注目ポイントを日程順に。《こうもり》でアルフレードを歌う伊藤達人(特にそのウィーン訛りの台詞)。《エウゲニ・オネーギン》の指揮者ヴァレンティン・ウリューピンは元クラリネット奏者で新国初登場。《ドン・パスクワーレ》では、主役の世界的バス、ミケーレ・ペルトゥージらに並び日本の上江隼人(マラテスタ)も。《トリスタンとイゾルデ》は評判を呼んだデイヴィッド・マクヴィカー演出の13年ぶりの上演。「3番目の新制作と考えてよい」と大野。トルステン・ケール(トリスタン)、エヴァ=マリア・ヴェストブルック(イゾルデ)、エギルス・シリンス(クルヴェナール)、藤村実穂子(ブランゲーネ)らキャストも最高。《椿姫》には昨年急遽の出演ながら絶賛を博した中村恵理(ヴィオレッタ)が再登場。《コジ・ファン・トゥッテ》では女声3人、セレーナ・ガンベローニ(フィオルディリージ)、ダニエラ・ピーニ(ドラベッラ)、九嶋香奈枝(デスピーナ)のキャラクターの違いに注目。シーズン最後に《トスカ》をイタリア・オペラの巨匠マウリツィオ・ベニーニが振る。なお、チケット料金の値上げは残念な知らせ。演目によって異なるが、多くの演目でS席が29,700円、下限のD席が7,700円となる。(取材・文:宮本明)
2023年03月08日ミュージカルでの活躍はもちろん、最近は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」などテレビドラマでも注目されている宮澤エマが、舞台で初主演を飾る。作品は『ラビット・ホール』。ピュリツァー賞を受賞した家族の再生の物語にどう挑むのか。『ラビット・ホール』は、ニコール・キッドマンの製作・主演で映画化もされた傑作。4歳の一人息子を交通事故で亡くした夫婦が希望の光を見出していく姿が描かれ、宮澤は妻のベッカを演じる。「家族に突然訪れた悲劇によって、ベッカは、人生が壊れ、自分自身が壊れてしまった。そこから、私は誰なんだということを再発見していく旅が、ここでは描かれていると思うんです。夫婦としてどうなっていくのか、一人の人間としてどう歩いていくのか。いろいろなプロセスを経てベッカが最後にどんなところにたどり着くのか、丁寧に稽古で作っていきたいと思っています」。そのベッカの旅は、生々しい会話で、細やかな感情の機微を重ねながら綴られる。悲しみの向き合い方が違う夫(成河)とのすれ違いや、ベッカを慰めようとする妹(土井ケイト)や母(シルビア・グラブ)への苛立ちは、まさしくリアル。「悲しいお話ではあるんですけど、笑えるところもたくさんあるんです。普通に生きていても、ネガティブなことが皮肉やユーモアの材料になることってあると思うんですけど、ベッカたちも生活を続けていかなければならない中では、悲しいばかりじゃないんですよね。今回共演する皆さんは、そのブラックユーモアのセンスみたいなところもシェアできる方たちばかりなので。このセリフを成河さんに向かって投げかけたら、成河さんはどう返してくるんだろうとか、膨大なセリフを覚えられるのかという問題はさて置き(笑)、今から楽しみで仕方ありません」。本格的な稽古が始まる前に“翻訳会議”が行われ、英語のネイティブスピーカーでもある宮澤も参加した。「この英語のニュアンスはどういう日本語だったらよりよく伝えられるだろう」と、翻訳の小田島創志や演出の藤田俊太郎らと何度も話したという。日本の観客に届くものは大きくなっているはずだ。「私たちの生活にも、この先どうしたらいいのかわからなくなる瞬間ってあると思うんですけど、そのぐちゃぐちゃした正解のないものについて、時間がかかってもいいとか、いろんな許しをもらえる作品だと思うので。私たちが然るべき仕事をして(笑)、そこへお連れできればと思います」。▼公演情報PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『ラビット・ホール』4月9日(日)〜25日(火)東京・PARCO劇場※秋田・福岡・大阪公演ありヘアメイク:高取篤史(SPEC) ※髙取篤史の「高」は、はしごだか。スタイリスト:長谷川みのり取材・文:大内弓子
2023年03月08日大阪のミュージックステーション・FM802が毎年春に大阪城ホールで開催しているライブイベント『FM802 SPECIAL LIVE 紀陽銀行 presents REQUESTAGE 2023』。今年は4月29日(土・祝)に開催される。「FM802 REQUESTAGE 2023」 チケット情報出演アーティストは、ASIAN KUNG-FU GENERATION、go!go!vanillas、GENERATIONS、Perfume、緑黄色社会の5組。3月8日(水)12:00よりREQUESTAGE公式HPにて、「聴きたい曲リクエスト」の受付をスタート!ライブで「聴きたい曲」を「その曲にまつわるメッセージ」と共に送ってください。なお、チケットは3月8日(水)12:00より抽選先行を受付中。
2023年03月08日3月26日(日)、大阪・なんばHatchで開催される『サウンドクリエーター プレゼンツ “ツキアイタイ”2023』に、TENDOUJIの出演が決定した。「サウンドクリエーター プレゼンツ “ツキアイタイ”2023」 チケット情報すでに発表されている出演者は、プッシュプルポット、Atomic Skipper、TRACK15、あすなろ白昼夢、Apes、東京少年倶楽部、KOTORI、cinema staff、ENTH、Maki、mother、the dadadadys、THE FOREVER YOUNGで、全出演者が出揃った。チケットは発売中。
2023年03月06日気鋭の映画監督・甲斐さやかが、自身のオリジナル脚本で初の舞台演出に挑む「聖なる怪物」が新国立劇場にて3月10日(金)より開幕する。教誨のため刑務所を訪れる神父と、“神”を自称する死刑囚とのやり取りを中心に描く本作。神父を演じる板尾創路、予言めいた発言で彼を惑わす死刑囚を演じる松田凌が取材に応じた。「途中でタバコ吸う時間もないやん…(苦笑)」――。それが板尾が最初に脚本を読んだ印象だった。神父・山川は全編出ずっぱり。死刑囚・町月をはじめ、教会を訪れる者たちとの対話が続く。「セリフ、こんなに覚えるの? と思ったけど二度、三度と読むと、セットとか小道具、明かりの様子が物語とマッチしてきて『この世界観の中でお芝居したら面白そうだな』と興味がわいてきました」と作品が持つ世界観に強く惹かれたと明かす。松田も「読んで全てを理解はできていない気がしたんですけど、それでも引き込まれるもの、吸い込まれるような“何か”を感じました」と明かす。脚本から感じた「甲斐さんの唯一無二性」を稽古に入ってからも実感しているという。「セリフひとつ、その場での佇まいひとつで物語の動き方がすごく変わってくるんですけど、ディスカッションしながらみんなで作り上げていく感覚が強いです」。自身も映画監督の経験がある板尾も、松田の言葉にうなずき「不思議な稽古で、映像作品のリハーサルをやっているような感覚です」と甲斐ならではの演出の面白さを指摘する。2人に加えて朝加真由美、石田ひかり、莉子という3人の女優が出演するが、朝加と莉子はこれが初舞台。板尾は「そこも甲斐さんのすごさですよね。自分も舞台初演出で、5人しかいないキャストの中の2人が初舞台って」と笑う。板尾について、松田は「色っぽさを感じます。この先の人生でマネしたくても持ちえない空気感ですね」と語り、今回の座組についても「ここにしかない座組で、だからこその化学変化が生まれると思う」とも。「実は莉子ちゃんは以前、僕がMCをやらせていただいた恋愛バラエティ(『オオカミくんには騙されない』)に出演していて、直接お会いしたことはなく、僕は番組で好き勝手を言ってたので(笑)、お会いするのが気まずかったんですけど、(稽古で)初舞台らしい、何にも染まっていないピュアさ持っているのを感じています。人生であまり感じたことのない感覚、景色を味わえる作品になると思うし、僕も楽しみです!」取材・文:黒豆直樹
2023年03月03日3月9日(木)・10日(金)の2日間、大阪・フェスティバルホールにて開催される、ラジオDJ・マーキーの生誕70年を祝うライブイベント『MARK’E Rolling 70 -RADIO DAYS-』。10日(金)のスペシャルトークゲストとして上沼恵美子の出演が発表された。「MARK’E Rolling 70 -RADIO DAYS-」 チケット情報日本に初めて民放ラジオが誕生した翌年、1952年にこの世に生を受けたマーキー。ラジオの申し子として、開局間もない黎明期からFM802を牽引し、FM COCOLOに移籍後もエンタメシーンのみならず、さまざまなカルチャーシーンに絶大な影響を与えてきた。本公演は、永らく関西を代表する声であり続けている彼の生誕70年と、ほぼ同い年のラジオを祝福する前代未聞のバースデーショーだ。関西を代表するレジェンドの“初めて”のトークセッションをお見逃しなく!その他出演者は、9日(木)はカーリングシトーンズ(寺岡シトーン・奥田シトーン・斉藤シトーン・浜崎シトーン・キングシトーン・トータスシトーン)、地球三兄弟(YO-KING・桜井秀俊・奥田民生)、MANNISH BOYS(斉藤和義・中村達也)、木村充揮とスリーシトーンズ(木村充揮・浜崎貴司・トータス松本・寺岡呼人)、10日(金)はUA、宇崎竜童、夏木マリ、山下久美子、横山剣(CRAZY KEN BAND)、Char、BEGINと豪華アーティストが名を連ねる。9日(木)のチケットはソールドアウト。10日(金)は発売中。
2023年03月01日開館6周年を迎えた「絹谷幸二 天空美術館」(大阪市北区・梅田スカイビル27階)にて、日本を代表する美術家であり文化勲章も受章している絹谷幸二氏のメッセージを発信する特別展『不二法門(ふにほうもん)』が開催されている。「絹谷幸二 天空美術館」チケット情報『不二法門』とは、「善と悪、生と死、強と弱など相反する2つの概念は別々のものではなく、1つのものの部分である」と説く大乗仏教経典の一つ「維摩経(ゆいまきょう)」の双眼の教え。芸術もまた、人間の善悪や美醜、長所短所など相反するすべてを包み込むものでなければならないという絹谷氏の信念を象徴する言葉でもある。絹谷幸二氏の創作の源泉である『不二法門』の思想を介した絵画や立体作品、映像などのさまざまな作品が展示される本展は2023年7月2日(日)まで開催。同館の、絹谷氏のルーツとも言えるアフレスコ(壁画の古典技法)作品が鑑賞できるのはもちろん、世界初の「絵の中に飛び込む」3D映像体験や絹谷氏のアトリエ訪問ができるVR(仮想現実)映像体験ができるほか、アフレスコワークショップ(要予約・開催日は公式サイトを参照)も毎月開催。この機会に、色彩豊かでエネルギッシュな絹谷ワールドの魅力をぜひ堪能してほしい。また、27階からの眺望が楽しめるとあって人気の美術館併設「天空カフェ」では、現在SNSキャンペーンを実施中!美術館に入館して写真または動画をSNSにアップすると、天空カフェにてワンドリンク(コーヒーor紅茶orオレンジジュース)プレゼントしてもらえるのでぜひご参加を!特別展『不二法門』▼2023年7月2日(日)まで開催中会場/絹谷幸二 天空美術館(梅田スカイビル タワーウエスト27階)お得な割引入館引換券はチケットぴあにて発売中!【割引入館引換券】一般900円、大学・高校・中学生500円【開館時間】10:00~18:00(金土祝前日は~20:00)※入館は閉館30分前まで【休館日】火(祝の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替え期間【入館料】一般1000円、大・高・中学生 600円、小学生以下無料、団体・障がい者割引あり【問い合わせ】Tel.06-6440-3760
2023年03月01日宮藤官九郎が作・演出を手掛けるウーマンリブvol.15『もうがまんできない』が上演される。ウーマンリブシリーズは、宮藤が何物にもとらわれず、今やりたいことをストレートに表現する大人計画の公演。同作は、2020年に公演予定だったもののコロナ禍で中止になり、無観客で収録・放送された。初めて観客を入れて上演する作品について宮藤が語った。ウーマンリブvol.15 「もうがまんできない」チケット情報「コロナ禍の前、街の至るところでスマホを持って『ポケモンGO』をやっている人がいっぱいいて、何だろうこの人たちは? と思ったのが作品を書いたきっかけです」。ビルの一角を舞台に、解散寸前のお笑いコンビや、風俗店の店長と風俗嬢、不倫カップルらが偶然出会い、我慢していたさまざまな事情が、笑いや毒、切なさとともにあらわになっていく。宮藤ならではの疾走感あふれる作品だ。2020年に引き続き出演する阿部サダヲは「最近、コンプライアンスをいろいろと言われたりして、宮藤さんも色々制限されることが増えてきたのかも。その反動で自由にできている作品だ」と話していた。それを宮藤に問うと、「コンプライアンスや人に注意されて表現を変えましたということはないです。俺は俺でやりたいことやっているのに、意外とスルーだったというのがいいかなと(笑)。別に過激なことがやりたいわけではなく、自分は面白いと思っているのにダメなんだということは今までずっとあったことだから。自由はないということを前提にして、それを逆手にとりたい。ダメという人を悔しがらせたいなと今、思っていますね」とキッパリ言う。今回、お笑いコンビを新キャストの仲野太賀と永山絢斗が演じる。解散寸前で関係に亀裂が入りながらも、ネタ合わせを必死にするコンビは笑えて痛々しい。「(仲野)太賀君演じるネタを書いている芸人が、ものすごく自分なんですよね。好き勝手に生きていて、楽しくて面白い人がいっぱいいる。目の前で起きていることが自分のネタより面白かったら絶望的な気持ちで、俺は何でこんなにつまんないんだとずっと思っている」と、常に宮藤の面白さと才気煥発さに驚かされるばかりなのに、意外な発言だ。「好きでやっているわりには8割方文句ばっかり言うから、辞めればいいのにとよく言われる。好きなら文句言うなという話なんですけど(笑)」。物語のセリフには「皆、自分以外は見えているのに、自分は見えていない」と出てくる。そこが、“もうがまんできない”を引き起こすが、見る側も同じだと次第に気づかされる。「僕も端から見たら変ですし(笑)、自分のことを客観的に見られる人なんていないんだなといつも思っている。そこを今回、お客さんの前で面白く分析できたらいいなと思います」。公演は4月14日(金)から5月14日(日)まで東京・本多劇場、5月18日(木)から31日(水)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて。東京公演は3月11日(土)、大阪公演は4月9日(日)一般発売。一般発売に先駆け、3月6日(月)11:00まで大阪公演のプレイガイド最速先行(抽選)を受付中。取材・文:米満ゆう子
2023年02月28日2012年に活動を開始、昨年8月には10周年記念イベントも開催したBSP(ブルーシャトルプロデュース)。最新作『織田信長』で2月24日(金)の初日に先立って、公開ゲネプロと囲み取材が行われた。本作はキャスト陣も「BSPらしい」と語る演出の数々が散りばめられ、これまで観てきたファンにとっては思い入れも深い、初めてBSPにふれる観客にとっては新鮮、そんな舞台となっている。天正10(1582)年、6月。本能寺で織田信長は命を落とした。「本能寺の変」として知られるこの時が訪れるまでの間に、何があったのか。彼に仕える豊臣秀吉・明智光秀、同盟者・徳川家康、小姓・森蘭丸ら、信長と彼を取り巻く人々の思いをのせて、月明かりの下で幻の蝶が舞う……。舞台セットはなく障子のみ、それを自在に動かして時間も場所も表現していく。映像投影で月は姿を変え蝶が飛び交い、日付や場所、歌詞もテンポよく映し出される。そして照明が俳優の姿を際立たせる。演劇ならではの手法が快い。本能寺での幕開けから時を遡り、信長は息子たちと共に鷹狩をし、妹・お市を慈しむ。今川との戦いを前にして、妻・帰蝶の前でうろたえる。元はおおらかで優しく、時には気弱だった信長が、数々の戦いを経て「魔王」と呼ばれる男へと変貌していくのだ。キャストはみな、各々の役割を的確に果たし好演。その中でも特に印象に残ったのは、やはり信長の松田岳だ。信長のさまざまな表情を見事に表現し、立ち姿の良さはもちろん、ダイナミックな立ち回りやいきいきとした歌に踊り、さらにはアドリブも繰り出すなど、自身のポテンシャルを十二分に活かした大きな存在感で、観る者を魅了する。また秀吉の田中尚輝も、目を奪う敏捷な動きと共に、あっけらかんとした態度の一方しばしば暗い感情をにじませる振り幅の広さが素晴らしい。本多忠勝はおなじみの「蜻蛉切」を振るい、信長も「三日月」を手にする、刀剣に関心のある者の心をくすぐるポイントも心憎い。そして、この舞台は明確な1本のストーリーを描き出しているわけではない。信長にまつわる情景が、時間も場所も行き来しながら描写されていく。ひとつひとつのエピソードを組み合わせて「信長」というパズルを作り上げていくかのようで、興味深い。このパズルを完成させる最後のピースは観客自身だ。一人ひとりの心模様次第でできあがる絵柄を、じっくり味わえることだろう。取材・文:金井まゆみ
2023年02月28日2022年4月4日、『MBSらくごスペシャル 春蝶・吉弥と一之輔 三人噺』がシアタードラマシティで初開催された。出演は次代の落語界の担い手と嘱望される東西の実力派3人。上方落語家の桂春蝶、桂吉弥と、江戸落語の春風亭一之輔が、それぞれ渾身の一席で満員のドラマシティを沸かせた。『春蝶・吉弥と一之輔 三人噺 2023』チケット情報まずはトークコーナーからスタート。一之輔は「みんなありがとー!」とコンサートのような掛け声で盛り上げる。作り込まれた手描きの舞台美術にも「めちゃめちゃすごい」と吉弥は感激。春蝶も舞台美術に仕込まれた演出に感心している様子だ。トップバッターを務める吉弥は『愛宕山』を披露。「今日は2挺といって、三味線のお師匠さん二人に来てもらいました」と音曲効果の"はめもの”も豪華だと話す。マクラでは『愛宕山』の解説もし、桂吉朝に入門後、桂米朝の家に住みこみで修業していたころの芸者にまつわるエピソードなども明かした。本編では、春爛漫の京都・愛宕山の風情をたっぷり詰め込み、旦那や太鼓持ち、芸者たちなど登場人物を巧みに活写。にぎやかで華のある高座で盛り上げた。続いては春風亭一之輔が『青菜』を口演した。真夏のひと時を描いた『青菜』、一之輔のさっぱりした口調が暑さを吹き飛ばすようだ。優雅でずっしりとした存在感のある旦那に、やや品性が欠けるものの愛嬌たっぷりの植木屋、歯に衣着せぬ物言いで気風の良い植木屋の妻など、キャラクターを際立たせ、真夏の江戸の情景をシアタードラマシティに浮かび上がらせた。最後は春蝶で『浜野矩随』。事前の取材で春蝶は「(この噺には)自分がかつて二世として情けないと思ってきたことをオールインしてみた。そうすることによって、自分なりの『浜野矩随』になっていくのかなと思う」と話していたように、セリフの一つひとつに気を込める。亡くなった父を超えられない息子が苦悩を独白する場面では、子を思う母を切々と演じ、ぐっと引き込む。一方で、「私がこれをやりたいだけ」と好きな映画のオマージュも取り入れ、場を緩める。最後は、「母親の愛は深いものだと今は分かるような気がする。この一席だけはちょうどひと月前に亡くなった母に捧げたい」と締めくくった春蝶。大きな拍手に包まれて、幕を閉じた。第二回となる2023年は4月28日(金)、大阪市中央公会堂 大集会室にて。夜の部(18:00開演)が完売につき、追加公演として昼の部(13:45開演)の開催が決定した。さらに、昼の部の演目はそれぞれ、春蝶『二階ぞめき』、吉弥『親子酒』、一之輔『子別れ』に決定。夜の部は昼の部とは違う演目になるそうで、後日発表されるのでお楽しみに。追加公演のチケットは先行(抽選)受付中。取材・文/岩本
2023年02月28日暴走族風のファッションをまとった子猫のキャラクターで80年代に一大ブームを巻き起こした「なめ猫」を舞台化した「なめ猫 on STAGE」が“猫の日”の2月22日(水)に新宿FACEにて開幕した。脚本を「しずる」の村上純が執筆し、演出を村井雄(KPR/開幕ペナントレース)、さらに音楽を手島いさむ(UNICORN)が担当するという豪華布陣による本作。令和の現代を舞台に、昭和のロックをこよなく愛するバンド「not men not 4」、ヒップホップチームの「ゲルマウス」が学園祭でのステージに立つ1枠を争うという物語が展開する。登場人物たちは、それぞれのファッションに身を包みつつ、全員が猫耳と尻尾を装着したなめ猫スタイル。舞台は現代だが、昭和のカルチャーに傾倒する「not men not 4」の面々の口からは昭和から平成にかけて流行した言葉やスタイルが次々と飛び出す。「シャばい」「竹の子族」、さらには宮沢りえの主演ドラマのセリフなどなど、リアルタイムで80~90年代に青春を過ごした人にしかわからないような言葉が頻出! 一方で、学園祭のステージに立つバンドを決める方法がTwitterのリツイート数を競うというやり方であったり、練習に使っていたスタジオがオンライン予約を始めたために、ガラケーしか持っておらず、これまで当日に電話で予約をしていた「not men not 4」が全く予約が取れなくなってしまう、そしてネット用語の「草」など、令和の現代ならではのアイテムや言葉も数多く登場し「令和vs昭和」といった様相を呈す。とはいえ、本作はいわゆる“ヤンキー”ものではない。「not men not 4」のメンバーたちも不良やツッパリでもなく、ただ昭和のロックを愛し、当時のスタイルをまねているだけで暴力的なケンカのシーンなどはなく、彼らが対峙するヒップホップグループ「ゲルマウス」も同様。原作のなめ猫は暴走族のイメージが強いが、令和の時代に合わせて今回のステージはアップデートされており、戦いはあくまでもバンド対決。終盤のあるシーンで、観客に対して「撮影OK!」と提示するというのも、SNS全盛の現代らしい仕掛けと言える。そして、なんと言っても魅力的なのがライブシーン。冒頭の「not men not 4」のライブに始まり、中盤、そしてラストまで音楽シーンが満載だが、手島いさむが音楽を担当しているだけあって、楽曲のクオリティは一舞台作品の中にとどめておくにはもったいないほど。昭和の懐かしさを感じつつ、ライブを堪能できる盛りだくさんな作品となっている。「なめ猫 on STAGE」は3月1日(水)まで新宿FACEにて上演中。取材・文:黒豆直樹
2023年02月27日いよいよ今週、3月4日(土)・5日(日)大阪城音楽堂にて開催される、野性爆弾プロデュースのヤバいフェス!『セキスイハイム近畿 presents ONBAKU! FES.2023』(※以下:音爆フェス)。まさに「野性爆弾ワールド」全開の本イベントの、タイムテーブル、グッズ、出店ブースについて新情報が発表された!「セキスイハイム近畿 presents ONBAKU! FES.2023」 チケット情報【タイムテーブル繰り上げ変更!】2日間に渡るフェスのタイムテーブルが、以前よりオープニングが15分繰り上げ。運営サイド曰く「野性爆弾さんと打ち合わせを重ねるにつれ、時間内に入りきらなくなってしまった。少し早めに来てください!」とのこと。一体どんな内容になるのか?謎は深まるばかり…。お目当てのアーティストと、野性爆弾が紡ぎ出す異空間を、とくとご堪能あれ!!【“音爆フェス”限定グッズ販売!】“音爆フェス”オリジナルグッズ販売決定!フェス限定Tシャツや、ペンライト、タオルなどの販売が決定!これはもう、会場でゲットするしかない!!もちろん、出演アーテイストの公式グッズ販売もあります!【飲食ブース出店決定!】料理で幸せをお届けするCOOK&HAPPY「coopy」が音爆フェスに出店決定!<>焼きそば、串焼き、ドリンク等を販売!たくさん食べて、たくさん飲んで、たくさん騒ごう!チケットは販売中。5日(日)の前方指定席はソールドアウト!その他チケットもお早めに!!
2023年02月27日コンピューターを発明した男アラン・チューリングの半生を、彼と関わりのある人物たちの視点を通し描き出す舞台『ブレイキング・ザ・コード』。本作の出演者で、共に劇団四季出身の保坂知寿、加藤敬二に話を訊いた。本作が日本で上演されるのは実に33年ぶり。そしてその初演の幕を開けたのが、ふたりが在籍していた当時の劇団四季だ。保坂は、「難しくて理解は出来なかったのですが、誰もこの人の頭の中をわかってあげられない、その悲しさはすごくよく伝わってきて。でも今脚本を読んでみると、決して特別な人の話ではないなと。年月を経たことで、彼が抱えていた問題がグッと身近なものになった気がして。今のほうがこの作品は伝わりやすいだろうと思います」と語る。加藤が演じるのは、政府暗号学校(GCCS)で、チューリングと共にドイツの暗号「エニグマ」を解読することになったディルウィン・ノックス。「ノックスはチューリングよりずっと年上ですが、非常に破天荒で自分の世界観を持っている、変人であり天才のチューリングに対して憧れもあったんでしょうね。この天才の登場によって国が動いたわけですから。仲間というよりも、愛情すら抱いていたのかもしれない。保坂はそんな天才チューリングの母サラを演じる。「彼女自身は普通のお母さんだし、子供にも普通を求めていたのだと思います。それなら理解もしてあげられるけれど、やっぱりわからない。でもなんとかそれを修正したい気持ちもあって…。こういう偉大な子を持ってしまった親は大変だったでしょうね」劇構造としてはチューリングとサラ、チューリングとノックス、といったように基本的には一対一や一対二の会話劇のため、保坂と加藤が直接絡むシーンはない。しかし劇団時代の先輩後輩ということで、久々の共演に声を弾ませる。「敬二さんは振付や演出もされるので、常に客観的な目を持っている。だからブレないし自分に厳しい。そしてそれがちゃんと結果に出ているのが素晴らしいなと思います」と保坂が語ると、「演出家によく『役が生きて自分が消えろ』と言われましたが、まさに保坂さんは透明感があって、どんな役をやっても全部ストンとハマる。本当にすごい人です」と加藤。信頼を寄せ合う実力派同士が、脇をしっかりと固める本作。33年ぶりの上演から、今を生きる観客がなにを受け取るのか。期待で胸が膨らむ。取材・文:野上瑠美子
2023年02月27日大阪・長居公園(大阪市東住吉区)で行われている、音楽と演劇を融合させた新しい取り組み『NAGAI ACT STAGE- Produced by avex entertainment-』。5回目となる今回のタイトルは「下町アンタッチャブル」。桜が咲き誇る長居公園で巻き起こる、賑やかで、ちょっぴり切ない物語。「NAGAI ACT STAGE vol.5」 チケット情報今回はレギュラーキャストに加え、新キャストに堀くるみが決定!朝の情報番組をはじめ、関西でのバラエティー番組などで幅広く活動している彼女が、初めて『NAGAI ACT STAGE』に参加する。さらに、Wキャストで、佐藤ねの、川村悠里愛が出演。新しいキャストを迎えパワーアップした『NAGAI ACT STAGE』。音楽と演劇が融合する新しい空間を体感しに、是非長居公園へ足を運んでほしい。チケットは、3月1日(水)10:00より一般発売開始。【堀くるみ コメント】長居公園、ヤンマースタジアム長居にはセレッソ大阪の応援でもよく来させていただいています。そんな思い出の場所でこの取り組みに参加できることがとても嬉しいです!演劇と音楽どちらの魅力も伝えられるように、頑張ります!【佐藤ねの コメント】私にとって、したしみのある長居公園でNAGAI ACT STAGE vol.5に参加出来る事がとても嬉しいです。生演奏とお芝居でひとりでも多くの方に感動をお届け出来るように精一杯やりきります。【川村悠里愛 コメント】客席と舞台が近い距離だからこそ伝えられるものを活かせるように、一生懸命演じたいと思います。ぜひ長居公園に立ち寄って感じ取って下さい!!
2023年02月27日“文春砲”でおなじみの出版社、文藝春秋が主催する落語会が「文春落語」だ。2020年、コロナ禍をものともせずスタートした。核となっているのは人気落語家の柳家喬太郎の独演会配信で、落語のほかに講談、浪曲、色物など多彩なゲストを迎えた企画ものも交えながら、オンライン落語会「文春落語オンライン」を毎月開催してきた。3年経った現在、配信の落語会は少なくなった。しかし「文春落語オンライン」はチケットが取りにくい喬太郎がお目当てのファンに支持され、時々ハイブリッド(有観客での配信)にするなどして継続中だ。定年のない演芸の世界では、もともと高齢の演者が頑張っていたが、ここ数年で人間国宝の柳家小三治、新作王の三遊亭円丈、六代目三遊亭円楽ら多くのベテランが亡くなった。彼らがいなくなり空いた“出番”には、桂宮治、柳亭小痴楽ら近年真打に昇進した若手が台頭し、寄席のレギュラーに定着しつつある。今年2月には、「笑点」の新レギュラーに春風亭一之輔を起用という明るい話題が生まれた。超売れっ子の一之輔の加入で、落語に興味を持ち、寄席に行ってみようという流れが確実に増えるだろう。今、寄席は「イキの良い落語」の聞きどきで、客席にも“新顔”が増えつつあるのだ。4月27日(木)に開催される「文春らくご動物園」も、その世代交代の流れを感じさせる顔ぶれで注目の公演。今春から「文春落語」は、毎月の喬太郎の配信と並行して、リアル公演を積極的に開催していくという。強力な助っ人として、演芸評論家の長井好弘がアドバイザーで参加し、「自分が聞いてみたいと思う番組」を練っていった。「文春らくご動物園」はその第一弾公演になる。落語会としては一風変わった「動物園」というタイトルも長井のアイデア。すべての演目に馬やネズミ、豚といった動物が登場し、彼らをめぐる悲喜交々の人間模様(?)が繰り広げられる。“演芸ビギナー”にも親しみやすいだろう。出演は昼夜入れ替わりで、いずれも寄席や落語会のレギュラーに定着しつつある世代。実力は申し分ないと長井も太鼓判を押す。まさに気鋭の若手中堅を聞きたい人にはうってつけで、コロナと共存する時代の試金石となりうる会だと確信している。■「文春らくご動物園」2023年4月27日(木)会場:伝承ホール
2023年02月27日ナードマグネットが4月8日(土)より東名阪にて対バンツアー企画「解き放つツーマン(マスクはしてね)」をスタートさせる。ナードマグネットチケット情報昨年は地元大阪の若手バンド、Subway Daydreamとのスプリット「Re:ACTION」を始め、3年ぶり通算三枚目のフルアルバムとなった『アイム・スティル・ヒア』のリリース、全国ツアー開催などキャパシティー制限、マスク着用、声出し無しという制限下ではありつつも、積極的な活動を行っていた。タイトルにもあるように、それらの制限から解き放たれた、コロナ以降では自身初の声出し公演となる本ツアーは6ヶ月に渡って東名阪を順繰りに回り、それぞれ共鳴するバンドを招いてツーマンライブを行うというもの。観客のシンガロングも大きな見どころの一つである、本来のナードマグネットのライブがいよいよ戻ってきそうだ。随時、地方での公演も増える可能性もあるとのことで、そちらにも期待したい。気になるゲストの発表は3月初旬を予定。2月27日(月)20:00より4~6月公演のチケット・オフィシャル一次先行(先着)受付が開始する。詳細はオフィシャルサイトやSNSなどで随時チェックしよう。<TOUR INFO>ナードマグネット「解き放つツーマン(マスクはしてね)」【東京公演】▼4月8日(土) 下北沢近道【愛知公演】▼5月13日(土) 名古屋CLUB ROCK’N’ROLL【大阪公演】▼6月4日(日) 梅田シャングリラ【東京公演】▼7月22日(土) 下北沢ADRIFT【愛知公演】▼8月26日(土) 名古屋 HUCK FINN【大阪公演】▼9月30日(土) 堺FANDANGO
2023年02月27日2019年に上演され、好評を博した舞台『BACKBEAT』。再演の幕開けを飾る製作発表は、「Rock And Roll Music」のラウドなバンドアンサンブルから始まった。主人公であるスチュアートを演じる戸塚祥太(A.B.C-Z)、ジョン・加藤和樹、ジョージ・辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、ポール・JUON(FUZZY CONTROL)、ピート・上口耕平が、続けて「Love Me Tender」「Long Tall Sally」とビートルズナンバーを演奏。既に初演を通じて共に演奏してきただけに、チームワークの確かさを感じさせる。そして、スチュアートと恋に落ちる写真家アストリッド・キルヒヘルを演じる愛加あゆ、実際のビートルズ来日公演で前座を務めた経験もある尾藤イサオも加わり、キャスト7名による質疑応答が行われた。演奏を終えたばかりの戸塚らは、まだ興奮が冷めやらぬよう。「4年という歳月を一気にタイムスリップした感覚で、『これを求めてたんだ』って(いう思いが)体の中に沸き起こってきました」と笑みを浮かべた。さらに初演では、ほとんどギターを弾けなかったのに出演を志願したという辰巳が、最初は演出・石丸さち子らを「あんなに人って口が開くんだってくらい」(辰巳)呆然とさせたところから、1日8時間以上の猛練習を経て本番では立派に演奏をこなしたエピソードを紹介。再演でさらに練習を重ね、ついにギターソロまでこなすように。「彼のギターが大好き。ソロを弾いてくれたりするとぶっちゃけ上がります!」(JUON)と、メンバーにとっても大きな刺激であるらしい。初演後もグループメールで繋がっていたという5人。「JUONくんが僕らのために曲を書き下ろしてくれたので、いつかみんなで演奏したい!CDデビューもライブツアーもしたい!」と辰巳が語れば、ラーメン二郎に心酔する「ジロリアン」として知る人ぞ知る加藤が自前で仕込んだラーメンでメンバーをもてなすなど、「小さい時から一緒に育ってきたような、安心感があって飾らない自分でいられる仲間」(加藤)の絆は揺るぎないようだ。そんな彼らだからこその、芝居と演奏との融合。それを上口は「心の流れと一緒に演奏も変わっていく」と表現。再演ではさらにシンクロ度を上げていきたいと意欲を見せた。そして最後は戸塚が「再演とはいえ過去の自分たちをなぞらずに進化した自分たちで皆さんの前に立ちたい。『BACKBEAT』はここでしか体験できません。劇場で会いましょう!」と力強く締めくくった。取材・文:金井まゆみ
2023年02月27日役者の台詞・音楽・歌などの音声のみで表現されるオーディオミュージカル『星月夜』のオンライン配信が3月30日(木)より開始する。本作は、画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホと、弟テオの物語。数々の名画を創造しながらも、苛烈な人生を走り抜いた『炎の画家』兄 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ。孤高の画家の唯一の理解者であり、その才能を愛し支え続けた弟 テオドルス・ヴァン・ゴッホ。650通以上に渡る書簡を基に、兄弟の絆を描く。キャストには、ヴィンセント役として声優の白井悠介氏、テオ役に同じく声優の伊東健人氏を迎えた。『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』『アイドルマスターSideM』など数々の話題作で活躍し、演技力と歌唱力に定評のある両氏。「声」ひとつで作品世界を鮮やかに現出させてきた彼らが、ともに初となるミュージカル作品に挑戦する。全10曲の多彩なミュージカルナンバーで送る、兄弟の愛・才能・命の物語。本作でしか聴く事の出来ない美しい歌唱とその物語に期待が高まる。特典付きチケットを購入すると、キャスト二人の歌唱映像(4曲)・メイキング映像の視聴ができるほか、鑑賞の思い出としてキャストサイン付きデジタルパンフレット、複製譜面のダウンロードが可能。チケット発売は、2月27日(月) 12:00から4月13日(木) 20:00まで。配信期間は、3月30日(木) 20:00から4月13日(木) 23:59までの2週間限定配信(チケット購入後は、配信期間内で何度でも視聴可能)。視聴料金は、本編のみ(約60分)2,300円(税込) / 本編(約60分)+特典付5,500円(税込)。
2023年02月27日5月3日(水・祝)・4日(木・祝)に大阪・泉大津フェニックスで行われる『OTODAMA’23~音泉魂~』の追加出演者が発表された。「OTODAMA’23~音泉魂~」チケット情報新たに発表されたのは、1日目に奥田民生(MTR&Y)、クジラ夜の街、ハナレグミ、Helsinki Lambda Club、ルサンチマンの5組。2日目は、OKAMOTO’S、ODD Foot Works、クボタカイ、サンボマスター、女王蜂、SIRUP、鉄風東京、家主、Yogee New Wavesの9組。入浴順(出演順)は追ってアナウンスされる。チケットは、2月27日(月)23:59まで先行先着プリセール実施中。
2023年02月26日コロナ禍を経て4年ぶりに復活するゴールデンウィークの音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2023」(以下LFJ)の記者会見が2月21日に東京国際フォーラムにて開催され、LFJアーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンらが出席した。ゴールデンウィーク中の5月4日(金・祝)から5月6日(土)の開催となる今年のLFJだが、テーマはやっぱり「Beethoven ― ベートーヴェン」。もともと、15周年を迎えるはずだった2020年のLFJにて、ベートーヴェン生誕250周年を盛大に祝う予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止となった経緯があり、今回、改めてこの偉大な作曲家の魅力を詰め込んだプログラムが組まれることになった。メイン会場となる東京国際フォーラムの各ホールには、マリア・マグダレーナ(※ベートーヴェンの母)、ジュリエッタ(※ベートーヴェンがピアノを教えていた伯爵令嬢)など、彼の人生に深く関わってきた女性の名が冠される。有料公演は50公演を予定。コロナ禍の影響による航空券の高騰もあり、海外のアーティストを多く招聘することが難しいこともあり、コロナ前と比べると数は減っているが、その分、広いホールでの公演数を増やす方向だという。また、世界中から集った有料公演出演アーティストが若手演奏家に直接指導を行なう「マスタークラス」も開催。例年、あまりの人気で整理券を求めて長蛇の列ができることを考慮し、今年から有料の事前予約制プログラムになるという。一方、有料公演出演のアーティストが参加するサプライズコンサートなどの無料のキオスクコンサートも地上広場で開催。2020年に続いてアンバサダーを務めるふかわりょうが“ROCKETMAN”として、ベートーヴェンを中心にクラシック楽曲をアレンジしたDJ公演も無料で開催される。交響曲(3番「英雄」、5番「運命」、6番「田園」、7番、9番)にピアノ協奏曲1~5番、ヴァイオリン協奏曲にピアノ・ソナタと人気の楽曲を3日間でカバー。福間洸太朗による新編曲&初演でピアノ3台6人が「トルコ行進曲」を奏でる「豪華6人ピアニストの競演!」、ヨアキム・ホースレイがクラシックとラテン音楽を融合させた「ハバナのベートーヴェン」、ルンバのリズムによる交響曲7番、宮川彬良によるシンフォニック・マンボ No. 5など、様々なアレンジでベートーヴェンを楽しめるのもLFJならではの魅力と言える。ルネ・マルタンは2005年から2019年までを「第1期」とした上で、今年のLFJを「新たな冒険」と語り、4年ぶりの復活の期待を口にしていた。「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2023」は5月4日(金・祝)から6日(土)まで開催。チケットぴあでは3月2日(木)から抽選、3月11日(土)から先着受付開始。文:黒豆 直樹
2023年02月22日ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで創り上げるエンターテインメント集団「梅棒」による16th showdown『曇天ガエシ』が2023年3月10日(金)から東京・なかのZERO大ホール、16日(木)から新国立劇場中劇場ほかで上演される。物語の舞台は、“オウゴン”の採掘により発展した「ジパングリ」。王の妻によるクーデターが勃発し、跡継ぎだったメツ王子は物心つかないうちに王宮を追われ、行方不明になる。それから十数年。女王の圧政に苦しむ人々の救いは、国からオウゴンを盗み出して民に分け与える義賊集団「マサゴ」だった。その中に、成長し街を飛び回るメツの姿が......。一方、武力で圧政を覆そうとするテロ組織「クニクズシ」も怪しい動きを見せていた。ある日、メツは女王の息子であるヌューダ王子と偶然街で出会い、運命の歯車が回りだす――。本作は梅棒史上最大規模で、「サイバーパンクと和が融合するファンタジー超大作」という。初日まで1ヶ月を切った2月中旬、適切な感染予防対策を講じた上で、都内で行われている稽古を見学した。よりスペクタクルな作品にするために欠かせない舞台装置。可動式の舞台セットを安全に動かすため、場面転換の確認から稽古が始まった。梅棒の舞台を観たことがある人は想像がつくと思うが、梅棒作品はとにかく役者の移動が多く、いろいろな小道具が登場する。しかもすべてが曲あわせなので、一人一人の動きを細かく調整しないと、タイミングがズレたり、大変な事故につながったりしてしまう。それゆえ場面転換の確認はとても大事になってくるわけだ。「1,2,3,4……」とカウントを数えながら何度か動きを確認した後、実際の曲を流して再確認。何か不都合があった場合はどうしたら解決できるのか、メンバーが一丸となって意見を出し合っていた。その後は、通し稽古。まだ初日まで1ヶ月ほど時間があるが、ここからブラッシュアップをするとはいえ、ほぼ全てのストーリーと振付が“完成”していたので驚いた。詳細な見どころや選曲は本番のお楽しみとしておきたいが、ゲスト出演するw-inds.の千葉涼平、元宝塚歌劇団の音くり寿、鳥越裕貴らがダンスだけでなく「芝居力」でストーリーを盛り上げていたし、IGのポールダンス、上西隆史のエアダンスなども相まって、振付もいつも以上に高難度なものばかり。梅棒作品の中でもここまでギャグ要素が少ない作品は珍しい気がするが、果たして本番ではどんな世界観を見せてくれるのか、ますます楽しみになった。東京公演は3月10日(金)~12日(日)、なかのZERO大ホール。16日(木)~22日(水)、新国立劇場中劇場。大阪公演は3月31日(金)~4月2日(日)、森ノ宮ピロティホール。愛知公演は4月8日(土)、9日(日)、日本特殊陶業市民会館ビレッジホール。取材・文:五月女菜穂
2023年02月22日