チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (198/342)
岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニット・地球ゴージャス。そのVol.14『The Love Bugs』が、2016年1月9日(土)より東京・赤坂ACTシアターを皮切りにスタートする。初日に向けますます佳境へと突入する、その稽古場に伺った。地球ゴージャスプロデュース公演Vol.14 『The Love Bugs』 チケット情報正式な顔合わせからは10日ほどだというが、稽古場によそよそしそうな空気感は皆無。まるで、ずっと前から稽古を共にしている劇団のようだ。13時、アップがスタートすると空気がピリッと一変する。さまざまなパターンのストレッチを次々と行い、入念に身体を準備してゆくが……真剣なものの、なぜか笑いが絶えない。おそらくそれは、地球ゴージャスのふたりが誰よりも周りを見て、和ませようとしているからだろう。例えば寺脇は稽古場の片隅にあった送風機で岸谷に風を当ててみたり、身体が固く前屈で倒れ込めない人同士手をふってみたり。また、岸谷は発声練習をしながら時折寺脇に「あれ練習しとこうか」と相談している様子も。長年にわたる鉄壁のコンビネーションは、少し稽古を見るだけの人間にもわかる。しかしながらこの現場、アップだけでも相当ハードだ。走ったり、飛んだり、そして入念な発声練習……その様子はさながら「部活」。地球ゴージャスの醍醐味は、歌、ダンス、アクロバット……公演ごとに様々な要素が加わった「エンターテインメント」であるということ。キャストに求められるものは、その分高くなるというわけだ。入念に時間をかけてアップを行った後、岸谷が厳しい演出家の顔を見せる……と思いきや、キャストのひとりがまだ靴を履いている途中。「菜央が靴はいてまーす」の言葉にまた笑いが起こる。この日はまず、1幕を冒頭から通してゆく。今回の公演は「虫」の世界を描いたもので、場面は虫達の「特別な夜」から始まる。平間壮一と大原櫻子の初々しい出会いのシーン、そこに現れる、城田優演じる“伝説の男”。個性的なキャラクターと早いストーリー展開に引きこまれ、群舞の迫力に圧倒される。ある程度進んだ所で切り、細かく演出をつけていく岸谷。特に今回初舞台となる大原には、何度も丁寧に説明していた様子が印象的だった。さまざまな「謎」を秘めた今回の公演、はたして「虫」たちの運命は……?その答えはぜひ本番で確かめて欲しい。初日まで1か月、ますます熱気を帯びていくであろうこのカンパニーの姿を、ぜひ楽しみにしていよう。公演は1月9日(土)から2月24日(水)まで東京・赤坂ACTシアター、3月1日(火)から3日(木)まで名古屋・愛知県芸術劇場、3月11日(金)から13日(日)まで福岡・福岡サンパレス、3月19日(土)から29日(火)まで大阪・フェスティバルホールにて。取材・文:川口有紀
2015年12月14日名優・鹿賀丈史の主演で上演されたミュージカル『ジキル&ハイド』が、2012年からキャストを一新。鹿賀に代わって主演を務めたのが演技派の石丸幹二だ。そしてハイドに翻弄される妖艶な娼婦・ルーシー役には濱田めぐみ。石丸、濱田ほか演劇界屈指のキャストが集結し挑んだ新ジキル&ハイドは大成功のうちに幕を下ろし、4年後となる2016年3月に待望の再演が決定!今回は、前回に引き続きルーシー役を務める濱田めぐみにインタビューを行った。ミュージカル「ジキル&ハイド」チケット情報初演から4年の歳月が経った今、再びルーシー役を担うことについて濱田は「以前の自分とは全く別人格だと思いますので、ほとんど初役のつもりで役を構築していきたいですね」と意気込みを語る。数多くの役を通じてキャリアを積んできた濱田にとっては、4年という時間は過去の自分と今の自分を大きく隔てる濃密な時間だったに違いない。「舞台に上がると、短時間で激動の人生を送ることになります。4年の間に何役も様々な人生を生きてきたので、その分役の引き出しも増えているし、その時と今のものの見方とは違う気がしていて」また再演では初演で演じきれなかった点も含めてひとりの人物をさらに掘り下げることができる、というポイントもあるだろう。「初演でやり残したことをやりたいな、と思っていて。でもそれが何なのかはおぼろげなんですが、それすらも見直しながら、ルーシーという女性のものの見方や価値観とか感じ方とか感性を洗いだしてみたいな、と。その部分を明確にしたうえで、この物語をルーシーの目で見ていくという作業を丁寧にやりたいですね。今はまだ準備段階。心の炎をメラッと灯したところです」と、再演が楽しみな様子で濱田は語った。舞台で演じるルーシーという女性については「彼女は自分がここに生きている意味を探していると思うんです。ですから、この世界で一生懸命に不器用に生きていることに集中したいな、と。この舞台をご覧いただいて響いてくださる方がいれば。何かをひもとく瞬間とか、そういうふうに何かの着火点になればいいな、と思います。彼女の生き様があまりにも大変だから。そのひたむきな姿を、自分の中で深く演じたいですね」と語った濱田。最後に「今回の再演で、東京(公演)でほかほかにできあがった一番いい状態を大阪の皆さんにお届けできると思います。ぜひ楽しみに待っていていただけたらと思います」と読者にメッセージを送った。再演が待ち遠しい本作、濱田をはじめキャストの深みが増した演技に期待したい。公演は2016年3月5日(土)から20日(日)まで東京・東京国際フォーラム ホールC、3月25日(金)から27日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、4月8日(金)から10日(日)まで愛知・愛知県芸術劇場 大ホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:中河桃子
2015年12月14日韓国出身の女性ソロ歌手、BoAが12月11日、東京国際フォーラム ホールAで1年2か月ぶりとなる単独ライブ「2015 BoA Special Live NOWNESS in JAPAN」を開催、5000人を熱狂させた。BoAのライブの写真をもっと見る韓国デビュー15周年を記念し、今年8月に韓国・ソウルで行ったメモリアルライブの日本版で、BoAは「韓国のライブを日本に持って来るのは初めて。言葉は違っても、韓国のスタイルなので、弾けてもらえたらうれしいかも」とにっこり。全7パターンの衣装を替えながら、代表曲『Listen To My Heart』や、日韓デビュー曲『ID; Peace B』から最新曲までメドレーを含む34曲を熱唱した。歓声で沸く会場に登場したBoAは、ヒット曲『Girls On Top』でライブの幕を開けると、ダンス曲を立て続けに披露。キレのあるしなやかな強さをもったダンスで観客をぐいぐい惹き込んでいく。自他ともに認める雨女のBoAだが、この日の東京は昼前から晴天に。「きょうはなんと22度もあって暑かったみたい。でも、もっとアツくなるんで(笑)」とファンに“宣戦布告”すると、15年を彩ってきた名曲を次々と繰り出し、多彩なステージを展開した。終盤では、DJプレイでメドレーも。『ID; Peace B』や『気持ちはつたわる』『Shine We Are』など当時のミュージックビデオを背景に、BoAと会場が一緒に大合唱。『Amazing Kiss』の映像の中ではつらつと踊る“幼いBoA”に、「あはは、超若い!」と懐かしさを込める“いま”のBoA。過去と現在が交差する瞬間を楽しむと、今度は、日本、韓国、アメリカでの楽曲を堪能できるメドレーへ。今月16日にリリースする新曲『Lookbook』も初披露し、ハードでセクシーなダンスパフォーマンスで会場を熱狂の渦に巻き込んだ。来年は、日本でもデビュー15周年を迎える。アンコールでは、セルフカバーした『メリクリ(Happy 15th Anniversary ver.)』も初披露。ピアノやストリングス、ベルの音を加えたクラシック調のアレンジに、映えるエモーショナルなBoAの歌声。高音域の伸びやかで繊細な響きは会場を温かな空気で満たした。「来年はもっといろんなところで皆さんにお会いできることを楽しみにしています。がんばりますので応援よろしくお願いします」。日本での活動をファンに誓ったBoAは、大きく手を振りながら笑顔でステージを後にした。15年の経験に裏打ちされた自信あるステージは余裕すら感じるほど。大人の女性としての魅力がスパイスになり、BoAのこれからがますます楽しみになった。
2015年12月12日初演から36年が経った伝説の名作『元禄港歌―千年の恋の森―』に、宮沢りえが挑む。『近松心中物語』で知られる秋元松代の戯曲を初演と同じく蜷川幸雄が演出するこの舞台。許されない恋を抱えた瞽女を演じる宮沢は、情感あふれるこの物語にどう命を吹き込むのか。舞台『元禄港歌 -千年の恋の森-』チケット情報物語の舞台となるのは、江戸は元禄の時代の播州の港町。秘密を背負った母子、結ばれない男女など、瞽女の一行と大店の人々をめぐる幾重にも重なった宿命が、哀しく切なく描かれる。「野田秀樹さんや唐十郎さんといった、自分がこれまでやってきた舞台とはまったく異なる世界観の作品。女の情念みたいなものをそのままさらけ出すような、演じたことのない役でもあるので。蜷川さんがまた私にハードルを与えてくださったなと受け止めています」。演じる瞽女の初音は、これまでに太地喜和子や富司純子が演じてきた役。盲目の女芸人として生きる純粋な覚悟や女性としての激しさ、さまざまな情感を体現することを求められる。「目が見えない人間には何が見えるのか。目に映らないものが心にどう映るのか。そういう探求がこれから待っているかと思うとすごく楽しみなんです。深く考えれば考えるほど見えてくるものがあると思うから、その思索を大事にしたいですね」。瞽女一行をまとめる母のような存在を市川猿之助が演じるが、女方の共演はかつて坂東玉三郎と経験している。「女方の表現とどう交われるのかっていうのは、今度も緊張しますけど、だからこそ楽しみです。学ばせていただくこともきっといっぱいあるだろうなと思いますし、私も私なりにお返しできるような表現ができたらいいなと思いますし。ただ、お芝居というのは肉体ではなく魂の問題だと思うから。男性の猿之助さんも女性の私も同じところにいるんじゃないかなと思っています」。まさしくその魂が自由な人なのだろう。「お芝居のなかでは、誰を愛しても殺してもいい(笑)。不思議な仕事だなと思うけど、そういう意味では、お芝居をしているときがいちばん、身も心も自由になれて、深く呼吸ができる気がします」。今の時代にはない人間の関係や感情が描かれるこの舞台でもきっと、自在にあふれるものを見せてくれるはずだ。「今この作品をやる意味、私が参加させてもらう意味というのがあると思うので、それをちゃんと自覚しながら、この時代の人たちの思いを伝えることに試行錯誤したいです」。伝説の舞台は、心震わせるものをもたらしそうだ。公演は2016年1月7日(木)より東京・シアターコクーン、2月6日(土)より大阪・シアターBRAVA!にて上演。現在、ほぼ完売状態の東京公演は、チケットぴあにて立見券を発売中。取材・文:大内弓子
2015年12月11日劇団創立30周年を迎えた演劇集団キャラメルボックスの最新作『BREATH』が、12月10日、東京・サンシャイン劇場で開幕した。【チケット情報はコチラ】アニバーサリーイヤーのラストを飾る本作は、何組ものカップルの物語が同時進行する、映画『ラブ・アクチュアリー』のような群像劇をキャラメルボックスで上演したら、というアイディアを下地に、男女の愛、家族愛、友情などを描くクリスマスストーリー。登場人物は15人、そのうち5人がダブルキャストで「RED」と「GREEN」ふたつのチームで交互上演する。東京公演はGREENチームが初日の幕を開けた。会場はこの日を待ち望んだファンの熱気に溢れ、時に笑い、時に涙し、“キャラメルボックス流”ラブストーリーを堪能したようだ。また、結成30年となるTUBEがこの作品のために書き下ろした新曲「Love In White」(12月16日(水)発売シングル『灯台』収録)が優しく客席を包み込み、オープニング・ダンスシーンでウィンターソング「クリスマスローズ」も作品に花を添えた。開幕に先立ち囲み会見が行われ、脚本・演出の成井豊と出演の多田直人、岡内美喜子が出席、次のようにコメントした。成井豊「RED、GREENがありますので、もしできるならば2チームとも観てほしい。ふたつとも観ないという選択肢はなしにしてほしい(笑)。30周年の最後なんです。自分たちでも本当に面白いものが作れたと思っています。自信を持ってお客様にお届けする、本当にクリスマスらしいお芝居ですので、ぜひサンシャイン劇場に足を運んでください。お待ちしています」多田直人「過去作のキャラクターも登場する、そういう楽しみ方ができるというのも30年間続けてきた劇団だからこそできる作り方だと思っています。キャラメルボックスの30年間の厚み、強みを、ぜひ劇場にきて体感していただきたいです。31年目を語る上でも、この30年目の『BREATH』は見逃せないものになっているんじゃないかな、と思っています」岡内美喜子「この作品は“親子愛”や“男女の恋愛”“孫とおばあちゃん”など、たくさんの愛が詰まっています。キャラメルボックスのいいところがすべて詰まった作品だと胸を張って言えるような作品になりました。ぜひ劇場にきてください」公演は12月25日(金)まで。チケットぴあでは公演前日まで前売チケットを発売中。
2015年12月11日Jリーグ王者・サンフレッチェ広島が出場中の『FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2015』が盛り上がっている中で恐縮だが、年末年始にはサッカー界の風物詩が控えている。2年ぶりに元日決勝を迎える『第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会』だ。前回のラウンド16から、約1か月半を経て12月26日(土)にキックオフを迎える準々決勝の組み合わせは以下の通り。天皇杯全日本サッカー選手権大会【準々決勝組み合わせ】ヴィッセル神戸×浦和レッズ・ヤンマースタジアム長居ベガルタ仙台×柏レイソル・ユアテックスタジアム仙台ガンバ大阪×サガン鳥栖・万博記念競技場FC東京×サンフレッチェ広島・長崎県立総合運動公園陸上競技場ここで、準々決勝に進出した各クラブのラウンド16の戦いぶりを振り返りたい。神戸は、横浜F・マリノスを相手に苦戦を強いられたが、森岡亮太が75分に決めた虎の子の1点を守り切り、12年ぶりにベスト8へ進出を果たした。対する浦和は、来季J2に昇格するFC町田ゼルビアに、主力を温存しながらも格の違いを見せつけた。DF・橋本和の先制ゴールを皮切りに、李忠成、関根貴大と立て続けに得点を決め、7-1と難なく試合を終えた。仙台は2-1で松本山雅FCを破った。富田晋伍のゴールで先制すると、14分後にDF・菅井直樹が試合を決める追加点を挙げ、準々決勝へ駒を進めた。敵地へ乗り込む柏は、ヴァンフォーレ甲府との延長戦の末、FW・クリスティアーノの劇的弾で勝利を手にした。守備の要・鈴木大輔が退場しあわやという中、甲府のミスを逃さずワンチャンスを物にした。鳥栖は、モンテディオ山形とシーソーゲームを演じた。11分・池田圭が先制するも、44分には追いつかれ、51分には逆転を許す。61分に水沼宏太の同点弾、81分に谷口博之の逆転弾も、88分には再度振り出しに。だが、試合終了間際、水沼の値千金ゴールで激戦に勝利した。迎え撃つG大阪は川崎フロンターレに対し、立ち上がりから積極的にシュートを放つ。大森晃太郎がゴール隅に流し込めば、倉田秋は長いドリブル突破から右足一閃。2-0で殴り合いを制した。FC東京は、J2・水戸ホーリーホックを相手に余裕の戦いぶり。太田宏介のクロスに合わせたFW・前田遼一のヘッド、橋本拳人のミドルシュートが決まり、ジ・エンド。広島は、J2・徳島ヴォルティスの地に乗り込んだ。CKに皆川佑介が合わせて先制も、90分に徳島が同点弾で意地を見せる。延長戦を覚悟した90+3分にビョン・ジュンボンが勝ち越しゴールを沈めた。元日決勝に歩みを進めるのはどこか? 『第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会』準々決勝、準決勝、決勝のチケットは、12月12日(土)午前10時より一般発売。
2015年12月11日岩松了作・演出、小泉今日子主演の舞台『家庭内失踪』が来年3月から4月にかけて、東京・本多劇場ほか全国各地にて上演される。倦怠期の歳の差夫婦の日常を描いた新作は、岩松の岸田國士戯曲賞受賞作『蒲団と達磨』(1989年)の後日潭ともいえる舞台とか。舞台『家庭内失踪』チケット情報「『蒲団~』は先妻の娘が結婚した日の、夫と若い後妻の話でした。今回はその先妻の娘が出戻ってくる。後妻は夫との性生活に耐え難いものを感じていたが、定年退職をむかえた夫が不能になった頃から妻の心にある思いが沸き上がり……という話を書きたいなと。なんか僕、夫婦の話を永遠に書いている気がします」。そう苦笑いする岩松の横で、小泉も期待の笑みを浮かべる。2000年の舞台『隠れる女』からいくつかの共同作業を重ねてきたふたりに、新作への思いを聞いた。「夫婦って、どこか嘘や矛盾が固まったものという気がして、汲めども尽くせぬものがあるんでしょう(笑)。今回は、小泉さんと風間杜夫さんが演じるメインの夫婦の話と、出戻ってくる娘夫婦の話。それに、妻には失踪したと思わせて、実は家の近所に住んで夫の帰りを待つ妻を見続けている…という謎の男を僕が演じるんですが、そういった人間たちがうごめいている、錯綜していく様子を描きたいと思っています」(岩松)小泉の役柄については「これまではキョンキョンに生活感のある役を書いてこなかったので、『あなた、お茶』みたいな妻の役も面白そうだなと」と岩松。小泉も「そう、今まではちょっと“夢の女”みたいな役が多かったですもんね」と頷く。「しかも後妻という微妙なシチュエーションがいいでしょ?」(岩松)「ちょっとヤラしい感じですよね。フフフ、楽しみ!」(小泉)。愉快な企みを共有するふたり、そんな雰囲気の楽しい掛け合いが続いた。「小泉さんは、女優として“できあがっていない良さ”があって、そこがいい。僕の芝居は軸がしっかりしている人は困るというか、浮遊していないとダメなんです」(岩松)「岩松さんの書く女の人自体が、ちょっと謎めいていて変わっていますよね。でも普通に生きている人は皆、そうだと思うんです。たとえば、相手と言葉を交わしていても、口から出ていることとまったく別の感情がお互いの頭の中で生まれている状況は、実生活であると思うんですね。舞台上で演じる時にそういった感覚になることはめったにないけど、岩松さんの芝居では起こり得るんです。すごく不思議で、面白い」(小泉)岩松は「とにかくヘンな話になると思いますよ」と強調しながらも「よくよく考えればヘンじゃない。日常生活とはヘンなものだから」。夫婦という形態の男女、それぞれの秘めた思惑が時に笑いを呼び、時に緊迫した空気を生む。独特の岩松ワールドの新展開に注目したい。公演は3月11日(金)から23日(水)まで東京・本多劇場にて。その後、大阪ほか全国を巡演。チケットぴあでは先行抽選を実施中。東京公演は12月13日(日)午後11時59分まで、大阪公演は12月14日(月)午前11時まで受付。取材・文上野紀子
2015年12月11日『ジャパンラグビー トップリーグ 2015-2016』リーグ戦もいよいよ残り3節。年明けに開催される順位決定戦『LIXIL CUP 2016』へ向けて、星取り争いも後半戦に入った。12月12日(土)・秩父宮ラグビー場では、グループAの上位陣が揃って登場。2位NTTコム×5位サントリー、3位東芝×1位パナソニックがラインナップされているのだ。【チケット情報はコチラ】『トップリーグ』連覇を果たしたパナソニックと最多優勝5回を誇る東芝は、あまたの名勝負を繰り広げてきた。第4節・NTTコムとの全勝対決を制したパナソニックに死角はない。日本代表SH田中史朗、2年連続MVPのSOべリック・バーンズがゲームをコントロールする。FW陣でグイグイ距離を稼ぐだけではなく、HO堀江翔太主将が変幻自在のテクニックで相手を惑わす。堀江は先週のNTTコム戦では、4人のタックルをかいくぐりスーパートライを決めた。BKも日本代表・山田章仁をケガで欠くが、通算トライ数2位のベテラン・北川智規が今季トップタイの4トライをマークする。対する東芝は第2節・NTTコム戦で敗北を喫したが、第4節・リコー戦で8トライを奪う完勝でショックを払拭した。また、前節欠場した日本代表主将のリーチ マイケルがパナソニック戦に間に合ったのも明るいニュースだ。堀江も「東芝はパナソニック戦ではいつも以上の情熱を持って臨んでくる」と警戒する。第一試合に組まれたNTTコム×サントリーは、立場が逆転した。NTTコムは『トップリーグ』6年目で8位が最上位ながら、只今グループA2位と躍進する。その原動力となっているのが、日本代表でもキーマンになったアマナキ・レレィ・マフィだ。インパクトプレイヤーのマフィはトップタイの4トライを記録。マフィに引っ張られる形で、2年目のゲームキャプテン金正奎、SH光井勇人とCTB石橋拓也のふたりのルーキーが躍動する。『トップリーグ』優勝3回・準優勝3回のサントリーは昨季、9年ぶりに4強入りを逃した。今季も開幕戦でパナソニックに完敗、第3節には近鉄に僅差で敗れ、2勝2敗の5位に甘んじる。4位・近鉄の結果にもよるが、『LIXIL CUP 2016』に出場するためにはNTTコム戦、第6節・リコー戦、第7節・東芝戦を2勝1敗で切り抜けるのがノルマだ。しかも、ボーナスポイントや得失点差も稼ぎたいところ。第2節以来の出場となるWTB松島幸太朗がトライを決められるか。12月12日(土)・秩父宮ラグビー場で行われる『トップリーグ』グループA第5節・NTTコム×サントリー、東芝×パナソニックは、計15名の日本代表選手が勢揃い。しかも、一枚のチケットで2試合堪能できる。さらに、当日は『ウルトラファミリーデー』となり、ウルトラマンのショーやファンサービスを実施する。チケットは残りわずか、自由席のみ発売中。
2015年12月11日『ジキル&ハイド』『デスノート』など、人気ミュージカルを手掛ける米国の作曲家、フランク・ワイルドホーン。彼がピアノを奏で、ブロードウェイやヨーロッパのスターと自身の珠玉のナンバーを披露するコンサート『フランク・ワイルドホーン&フレンズ ジャパンツアー』が開かれる。日本を代表して今回参加するのは、宝塚歌劇団の元宙組トップスターで、ワイルドホーンと今年結婚した和央ようか。二人に話を聞いた。「フランク・ワイルドホーン&フレンズ」のチケット情報ドラマティックかつ繊細なメロディが、聞き手の心を捉えて離さない。そんな楽曲がワイルドホーンの魅力だ。「文学や歴史、映画、ニュースなどからインスピレーションを得ていて、今までアイデアが枯渇したことはない。逆にアイデアがありすぎて、時間が足りないぐらい(笑)。僕の心に一番近いものを作品にし、音楽で物語を伝えたいと思っているんだ。今回、一番愛する人と舞台に立てて本当に幸運な男だよ」とワイルドホーン。一方、和央も「彼はスポーツ中継を見ながら、突然ピアノを弾いて作曲し始める。『曲ができない』と悩んでいる姿を一度も見たことがないんです。グラミー賞授賞式を一緒に見ていたときに、『今思い付いた』と、ピアノに向かって素敵なメロディを弾いてくれて。温かくて人間の器も大きい彼のそばで、一流の音楽を聞き続けている毎日です。この幸せな気持ちを音楽に乗せ、記念になるような日にしたい」と意気込む。公演では、和央の退団公演『「NEVER SAY GOODBYE」』からの同名曲も演奏する。ワイルドホーンが宝塚歌劇団に作曲し二人の出会いのきっかけとなった曲だ。ワイルドホーンは、ポピュラー音楽の作曲家としても知られている。中でもホイットニー・ヒューストンのために書き、今回演奏予定の「ブロークン・ハーツ」は世界中で大ヒットした。「ほかにもケニー・ロジャースら、素晴らしいアーティストのために作曲してきた。ポップミュージックの作曲はすごく自由で、アーティストにフレームをつけてあげるような感覚だね。劇場音楽はそれとは全く違い、脚本家や演出家と共に、物語にServeする(仕える)のが僕の仕事。キャラクターや場面に僕の音楽で生を与え、物語を語ることなんだ」和央は、「歌った後は、アスリートがゴールしたときみたいに爽快ですが、レンジの広さとエネルギーで喉の筋肉と体力を大多いに使い、歌手泣かせなのも彼の作品の特徴」だという。「偉大なアーティストやスポーツ選手は、困難なことに立ち向かい、それをいとも簡単にできるように見せてくれる。僕たちは彼らが陰でいかに努力しているかを知っているからこそ、好きになれる。TAKAKO(和央)のようにね」とワイルドホーン。これに和央は「では一回、自分で歌ってみてよ」と返し、周囲の笑いを誘っていた。二人で世界中を旅し「Music Like Love No Borders(愛と同じで音楽に国境はない)のが哲学」だと語るワイルドホーン。その音楽と世界観に浸ってほしい。チケットは発売中。取材・文米満ゆうこ
2015年12月10日アメリカのハードロックバンド、Buckcherry(バックチェリー)が2016年3月23日(水)東京・TSUTAYA O-EAST、24日(木)大阪・umeda AKASOで約1年ぶりの来日公演を開催する事が決定した。同公演は、今年の8月に発売されたアルバム『Rock ’N’ Roll』のリリースツアー。【チケット情報はこちら】バックチェリーは1995年に結成。1999年にリリースされたデビューアルバム『Buckcherry』が大ヒットを記録し、一躍トップバンドの仲間入りを果たした。来日公演の一般発売は2016年1月16日(土)より。なお、一般発売に先がけて先行を実施。受付は12月12日(土)昼12時から2016年1月11日(月)午後11時59分まで。■Buckcherry Japan Tour 20163月23日(水)TSUTAYA O-EAST(東京都)3月24日(木)umeda AKASO(大阪府)料金: 6,600円 (税込・ドリンク代別・オールスタンディング)※6歳以上有料 / 6歳未満入場不可
2015年12月10日演劇界の金字塔、つかこうへい作の不朽の名作『熱海殺人事件』が、1980年代に同作品で強烈な印象を残した黄金コンビ、平田満と風間杜夫の出演、劇団☆新感線のいのうえひでのりの演出で鮮やかに復活。初日の幕が開いた12月8日、出演者たちが公演への思いを語った。舞台『熱海殺人事件』チケット情報『熱海殺人事件』の初演は1973年。平田満は熊田留吉役のオリジナル・キャストで、その後木村伝兵衛役に配された風間杜夫とは、1980年から3年間コンビを組んだ。この作品でのふたりの共演は、33年ぶりだという。風間との共演を「良かった。これがひとりだったら浮いていると思うので(笑)」と笑顔の平田。その役柄は新米刑事で30歳、風間の部長刑事は40歳との設定だが、「バレバレですけれど(笑)、シラを切ってやる」(風間)と、実年齢とのギャップを楽しんでもいる。さらに平田は、「いのうえさんが、つかさんの演出をリスペクトし、尊重すると言ってくださった。もちろん、いのうえさん流に変えたところもありますが、昔のままのところも。それがとても感慨深く、稽古の最初の頃は震えました」。風間も「つかさんが亡くなった後、『熱海』をやりたいといろんな人に声をかけていた。それがいのうえさんの演出で、つかさんのお嬢さんと一緒にできるなんて……」と感無量の様子。つかの愛娘、元宝塚歌劇団トップ娘役の愛原実花が婦人警官役を演じるとは、ふたりにとって “奇跡”のような巡り合わせだろう。初めて父の作品に取り組むという愛原。つかについて聞かれると「見守ってくれているんじゃないかなと思う。甘えは許されない、という強い思いでお稽古に入りました」と謙虚に話す。犯人の大山金太郎役を演じる若手実力派の中尾明慶も、役作りのために頭を丸刈りにし、気合い十分。「つかさんが生きてらしたら『お前はもう帰れ』と言われそうですが(笑)、この役をしっかり自分のものにしたい」と抱負を語った。東京公演は、同作のホームグラウンドともいえる紀伊國屋ホールでの上演だ。70年代、80年代の、連日満席の熱気溢れる劇場の様子が偲ばれる。「つかさんはこの作品をいろんなバージョンで上演されましたが、僕には、『熱海』は僕たちがやったものが正解だという変な自負心、ちょっとした嫉妬心もあって、その後はあまり観ていなかったんです。この劇場でやれて、感慨もひとしおです」(風間)。12月26日(木)まで東京・紀伊國屋ホールにて上演中。2016年1月から2月に全国9都市で上演予定。チケットは全公演完売、各日若干枚の当日券を発売。取材・文:加藤智子
2015年12月10日「では、参ります」ぱん、と手を叩く、わかぎゑふの声とともに音楽が流れ、それまで笑いさざめいていた役者たちの顔が、すっと真顔になる。ここは都内スタジオ、舞台「夜の姉妹」の稽古場だ。劇団リリパットアーミーⅡ20周年記念として劇作家・演出家、わかぎゑふが作り上げたゴシックホラーの名作が、完全男女入れ替えで上演されるという。舞台『夜の姉妹』チケット情報第9場。主役の女流作家アレクサンドル・デュマを演じるのは山本裕典。ドレスに慣れるためか、腰に長い布を巻きさっそうと登場……かと思うと、いきなり床にゴロンと転がり、暴れだす。酔っ払っているのだ。そこに踊り子エバ役の田中崇士とデュマの友人リンダ役の佐藤永典が登場し、掛け合いがはじまる。やさぐれる山本の仕草がしなやかで、佇まいが美しい。慰める佐藤が愛らしい。メイクもせずに、立ち居振る舞いだけで女性に見えるのはさすが!のひと言。しかし、女役を演じるのは若手俳優ばかりではない。次の第10幕では、マルガレーテ王妃役の八代進一とエグロシュタイン男爵夫人役の粟根まことが、すばらしくたおやかな淑女っぷりを披露。そのあまりのギャップに控えていた山本が思わず吹き出し、空気が和む。もちろん女優陣も負けてはいない。元タカラジェンヌ、娘役トップの彩乃かなみが男役に挑戦。凛々しくも若き父となるラインハルト皇太子を熱演するも気持ちが入りすぎ、ぼろぼろと涙をこぼし、ついには鼻をすすってしまい……けれど両手には生まれたばかりの赤ん坊が。「いやー!もう、なんで、涙が出ちゃうの!!」と叫ぶ彩乃に、すかさず山本が「大丈夫。暗転したらぼくが拭いてあげるから、心置きなく泣いて!」とフォローし、あたたかい笑いが起こる。さすが、座長。その姿に「稽古場でうんと泣いて、舞台では客席を泣かせるまでに持って行こう」と、実にすてきな言葉をかける、わかぎ。涙でくしゃくしゃになりながらも「はい!」と答える彩乃の笑顔は最高に可愛らしく。その後の休憩では衣裳のすそさばきを聞かれ、軽やかに指先でつまんでみせ、隣には同じ動きを真面目な顔で実践するドレス姿のおじさまが………この空間はとても、真摯だ。つむがれるのは切なくも美しい、悲劇。けれど、ところどどころに笑いも織り込まれ、心躍る舞台がまさに今、ここで生まれている。最後に、出産するローザ役を演じる平野良の分娩の声が迫真の演技だったことを、ここに特筆。本公演は12月11日(金)から20日(日)まで東京・品川プリンスホテル クラブeX、23日(水・祝)から27日(日)まで大阪・近鉄アート館にて。取材・文/おーちようこ
2015年12月09日寺山修司の戯曲を松本雄吉と天野天街が上演台本化し、松本が演出を手がける音楽劇『レミング~世界の涯まで連れてって~』が開幕。初日を前に、フォトコールと囲み会見が行われた。音楽劇『レミング~世界の涯まで連れてって~』チケット情報フォトコールで披露されたのは、セクション5「もぐら叩き」とセクション11「間奏曲」~セクション12「行き過ぎよ影」の一部。「もぐら叩き」のシーンでは、溝端淳平演じるコック1/タロの部屋の畳の下で、麿赤兒演じる母が、息子を威嚇したり泣き落としたり。タロはそんな母に反抗しつつも離れることができない。リアルであると同時に超自然的でもある麿の存在感と、何をしても新鮮さと清潔感を失わない溝端のたたずまい。タロが母に煙管をせがまれ、自ら一服してから母にくわえさせる姿などに、ひと筋縄ではいかない親子関係がうかがえる。次に、「間奏曲」から「行き過ぎよ影」にかけてのシーン。冒頭、“少女”役の青葉市子とアンサンブルメンバーが、テーマ曲「Come down Moses」を歌い、舞台全体をミステリアスな雰囲気で満たす。続いて霧矢大夢扮する往年の映画スター、影山影子が登場し、溝端が演じるコック1と柄本時生のコック2/ジロは、彼女の映画撮影の現場に巻き込まれる。しかし、そこが実は病院であることを示す台詞もあり……。ドラマティックかつロマンティックな風情を漂わせる霧矢や、独特の抒情が滲む飄々とした演技の柄本が、現実と虚構の境目を曖昧にする。虚構の迷宮を、登場人物たちと共に観客もさまようのだ。その後の囲み会見では、溝端、柄本、麿、霧矢がそれぞれ、「空想や夢のような中に現実的で生々しいところがある作品で、今は浸っている時間がとても心地良いです。音、美術、お芝居の全てが融合した素晴らしいものになっていると思います」(溝端)、「寺山作品をやれたら嬉しいなという憧れがあったので、嬉しいです。がんばりますので、ぜひ観に来ていただきたいです」(柄本)、「(畳の下にいる母の役について)大地の母という感じで。“アングラ”やってます。寺山世界の過去と未来と言いますか、壮大な夢と、そして母子の情愛と、そういうものが入り組んだ世界を堪能していただきたい」(麿)、「日常と虚構が入り乱れたような作品で、私は映画の世界に捕われた女優の役。若者二人を虚構の世界に誘います。寺山さんの作品は本当に言葉が美しいので、大事に演じたいです」(霧矢)と抱負を語った。同い年の溝端と柄本の共演は「三回目」だが「ガッツリは初めて」と、双子のように声を揃えるなど、二人の息はピッタリ。個性豊かなキャストたちが、幻想的でユニークな作品世界を体現していく。取材・文:高橋彩子
2015年12月09日the pillowsが12月8日(火)に東京・CLUB QUATTROでツアーの東京公演を開催した。「LOSTMAN GO TO CITY」と題された今回のツアーは、毎回レアな曲が中心に構成される。【チケット情報はこちら】山中さわお(vo、g)、真鍋吉明(g)、佐藤シンイチロウ(ds)と、今回のサポート・ベースを務める有江嘉典(VOLA & THE ORIENTAL MACHINE)がステージに姿を現すと悲鳴にも近い絶叫で迎えるBUSTERS(=the pillowsファンの名称)たち。山中は最初のMCで「気のせいかTHE PREDATORS(山中がJIRO(GLAY)、高橋宏貴(Scars Borough/ELLEGARDEN)と組んでいるバンド)効果ですごくキャーキャー言われている」と笑いを取り、前日に誕生日を迎えた山中にあちこちから「おめでとう!」と声がかかる。「存在自体がマニアックなthe pillowsがマニアックな選曲のツアーをやるよって言ったのに、わざわざ集まってきたマニアックな皆様、こんばんは!」とファン心理をくすぐるMCを続ける山中。通常のツアーではやらない”隠れた名曲”が続々と演奏されるセットリストはBUSTERS垂涎だ。中盤ではなんと新曲も披露されて会場のボルテージは最高潮に。12月4日の新潟からスタートした今回のツアーは、仙台、札幌公演では爆弾ジョニーの小堀君(Ba)をサポートに迎えて開催。ファイナルは12月26日(土)東京・チームスマイル・豊洲PIT(ピット)で行われる。また、the pillows は12月28日(月)にインテックス大阪で行われるFM802のイベント「RADIO CRAZY」に6年ぶりに出演。同公演に向けてa flood of circleの佐々木亮介をボーカルに迎えラジオをテーマにした新曲を制作。大晦日は怒髪天、そして山中が主宰を務める「DELICIOUS LABEL」のバンドたちを迎えたカウントダウン・ライブも控えており、BUSTERSには忙しい年末になりそう。山中からすでにニュー・アルバムの制作は佳境を迎え、春にはリリースされる予定と嬉しい情報も届けられた。そして2016年3月にはシングルのカップリング曲に加えて新録曲も収録されるB-side集『Across the metropolis』もリリースされる予定。続々と展開される彼らの活動にこれからも目が離せない。取材・文:浅野保志(ぴあ)
2015年12月09日サンフレッチェ広島が日本代表として、世界のクラブに挑む。ガンバ大阪との激闘から5日、次なる戦い『FIFA クラブワールドカップ ジャパン 2015(CWC)』に臨むのだ。【チケット情報はこちら】初のチャレンジは苦い結果となった。広島は『CWC2012』開幕戦こそ、オークランド・シティーFC(ニュージーランド)に1-0と勝利したが、準々決勝ではアル・アハリ(エジプト)に1-2で敗退。5位決定戦で蔚山現代(韓国)を3-2で振り切ったものの、目標の4強には届かなかった。あれから3年、広島イレブンはさらにたくましく、より戦術を研ぎ澄まして進化してきた。毎年のように複数の主力がチームを去っているにもかかわらず。今季の広島は勝点74という最多勝点記録を更新した。73得点がリーグ最多なら、30失点もリーグ最少である。先制すれば18勝1分と勝ちパターンを誇る上、残り15分に最多の17ゴールを奪うなど勝負強さも兼ね備える。相手が主導権を握れば、自陣に引いて守備ブロックを形成する。ボールを奪えば、ボランチの青山敏弘&森崎和幸からサイドへ展開し、J1通算最多得点歴代1位タイ・佐藤寿人、得点ランキング2位のドウグラスへクロスを放つ。60分を経過すれば、佐藤から浅野拓磨へスイッチし、カウンターの速度を加速させる。広島は『明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップ』でも、自分たちのサッカーを貫いた。広島だけではない。開幕戦で対戦するオークランド・シティーも進化している。7度目の『CWC』出場となるオセアニア代表にかつてのひ弱さはない。2011年から3大会連続『CWC』初戦敗退を繰り返してきたオークランド・シティーだが、昨年は3位獲得というジャイアントキリングをやってのけた。今のオークランド・シティーは決して安パイではない。そもそも、『CWC』決勝は欧州王者と南米王者の指定席ではない。2010年は準決勝でアフリカ王者・TPマゼンベ(コンゴ)がSCインテルナシオナル(ブラジル)を2-0で下し、決勝へ進出した。2013年はホスト国枠のラジャ・カサブランカ(モロッコ)が準決勝で南米覇者・アトレチコ・ミネイロ(ブラジル)を3-1で粉砕している。さすがに現行のシステムになってから、欧州王者の準決勝敗退はないが、10回中2回、第三のクラブが南米代表を蹴落としている。広島×オークランド・シティーの勝者は、準々決勝でマゼンベに挑む。ここを突破すれば、準決勝でリバープレート(アルゼンチン)と対峙する。確かに名門復活を果たしたリバープレートは格が違う。8月の『スルガ銀行チャンピオンシップ』でも、主力を温存したG大阪を3-0と圧倒した。だが、欧州王者・バルセロナFCに比べれば、まだ付け入る隙がある。そして、決勝で待ち受けているのは……。『FIFA クラブワールドカップ ジャパン 2015(CWC)』開幕戦・サンフレッチェ広島×オークランド・シティーFCは12月10日(木)・横浜国際総合競技場でキックオフ。チケット発売中。
2015年12月09日演出家の宮本亜門が、ELワイヤーを使用した光るダンスで話題を呼んだダンスアーティスト集団「WRECKING CREW ORCHESTRA(レッキン・クルー・オーケストラ)」と初めて組んだ舞台『SUPERLOSRZ(スーパールーザーズ) SAVE THE EARTH 負け犬は世界を救う』が12月5日、東京・新国立劇場 中ホールで開幕。開幕前に行われた公開ゲネプロの後に会見が行われ、構成・演出の宮本と振付演出・出演のYOKOI(WRECKING CREW ORCHESTRA)のほか、出演の千葉涼平(w-inds.)、古屋敬多(Lead)、仲宗根梨乃、KREVAが顔をそろえた。【チケット情報はこちら】物語の舞台は、富裕層と貧困層の格差が拡がった20XX年の地球。ある街に暮らす青年(千葉)は、大好きなダンスで身を立てようとするも結果を残せず、将来への不安を抱えていた。父(YOKOI)が経営する小さな工場で働くのは、オタク青年(古屋)をはじめ、社会からつまはじきにされた者たちばかり。父自身も酒を飲んではアイドルに熱を上げるダメ親父だ。そんな“社会の負け犬”たちが暮らすある日、突如地球に、宇宙人襲来という世界規模の危機が訪れる。圧倒的な力をもつ宇宙人たちに人類はなす術なし。危機的状況の中、地球を見守る謎の男・ミスターX(KREVA)が人類の希望を託したのは、彼ら“負け犬”たちだった・・・。会見で仲宗根が「ノンバーバルでここまでストーリーが表現できるんだっていう。本当に今までにない作品」と語ったように、KREVAのラップ以外、ストーリーはすべてダンスによって表現されていく本作。それを実現させているのは、出演者たちの圧倒的なダンスの力だ。「僕はもともとパフォーマンスすることが大好きでこの世界に入ったので、こんな豪華な方たちとご一緒できて本当にうれしい」と古屋。ノンバーバルながら、誰にでもわかるエンタメに仕上がったことについてYOKOIは「“B級感”をすごい大切にやってきました。B級ってすごく身近にあるけどかっこいい。いい意味で敷居が高くない大衆芸能」と狙いを解説。唯一、言葉で表現するKREVAは、本作で披露されるオリジナルラップについて「最初に亜門さんからいくつかのキーワードをいただいて、それをラップにしました。ひとつの形として披露できてよかった」と完成度に自信をみせた。演出の宮本は「今まで観たことない尽くしで、クリスマスとお正月をぎゅっと詰めて花火で打ち上げたみたいな舞台。僕が今まで自分がやった舞台のなかで、これが一番想像を絶してます。本当にみんな個性的な、本当にバラバラなカンパニー(笑)。でもそれがすっごい魅力で、いい意味で動物園って感じです(笑)」と本作のおもしろさをアピール。主演の千葉は「昨晩からドキドキでしたが、幕が開いたら、その瞬間瞬間を楽しめました。ここにいる皆さんと、新しいエンタテインメントを提示できると思うとすごく幸せ」と本番へ期待を語った。公演は12月15日(火)まで東京・新国立劇場中劇場にて上演。その後、来年1月7日(木)よりシアターBRAVA!にて大阪公演が開幕。チケット発売中。
2015年12月08日『RED』では20世紀を代表する画家マーク・ロスコ、『オレアナ』では女子大生に追い詰められる大学教師。2015年は緊迫感ある二人芝居に立て続けに挑戦してきた田中哲司。そんな彼が一転「安心感しかない」と語るのが、2016年2月に上演される『同じ夢』だ。THE SHAMPOO HATの赤堀雅秋が作・演出を手がけ、田中以外にも光石研、麻生久美子、大森南朋、木下あかりといったそうそうたるメンバーがシアタートラムで濃密な劇空間をつくりだす。舞台『同じ夢』チケット情報「二人芝居だと、どうしても自分が頑張らなきゃと背負ってしまう部分がある。もちろんそれはいいことでもあるんですけどね。一方、今回は仲のいい共演者がずらりと揃っているから、自分のことだけ考えて、あとはみんなにお任せしておけば大丈夫だと思います」と『同じ夢』について語る田中。なかでも光石とは、かつてある二人芝居を、短い稽古期間で乗り切った仲。「その状況を楽しもうと、ふたりで毎回動きを変えて演じました」と実に楽しそうに語る。「決して変えることをよしとしているわけではないんです。でもどの芝居でも、観てくださる方にわからないくらいの微妙な変化は日々ありますね。たとえばテンポのいいシーンで“今日は速さの限界に挑戦しよう”と試してみることもあります」と舞台ならではのエピソードを教えてくれた。赤堀とは、長塚圭史率いる葛河思潮社の『浮標』で俳優として共演経験があるが、演出を受けるのは初めてのこと。「赤堀くんの無骨な、飾らない演技が好きですね。ただ、THE SHAMPOO HATの芝居を見始めたのはわりと最近なんです。だって劇団名だけみたらSFとか書きそうでしょ(笑)。でも実際に見てみると、独特の場末感があって、不器用な人たちが集まっている。登場人物を愛せる芝居ですよね」と赤堀作品を評する。「演出家としての赤堀くんのことはまだ知らないけれど、きっと面白いものになるだろうと確信しています」。2015年に出演した2本の舞台は、いずれも翻訳劇だった。「翻訳劇って、1行しゃべるだけでもどうしても違和感が生まれる。それをいかに身体に落とすかが大変なんです」。そんな作品を乗り越えて挑む『同じ夢』は田中にしてみれば「ご褒美のようなもの」だとか。「相手役と一緒に稽古をしながら台詞を覚えるのっていちばんの贅沢だし、楽しみで仕方ないです」。公演は2月5日(金)から21日(日)まで東京・シアタートラムにて上演。チケットは12月13日(日)10時より前売り開始。チケットぴあでは一般発売に先がけ、12月9日(水) 11時よりWEB先着先行<プリセール>を実施する。また東京公演の後、松本・名古屋・兵庫・広島・福岡ほかを巡演。取材・文:釣木文恵
2015年12月08日シンガーソングライターLOVEが12月29日(火)に東京・恵比寿天窓.switchでワンマンライブを開催する。【チケット情報はこちら】これまでにアコーディオニストcoba、パーカッショニスト スティーヴ エトウ、バイオリニストNAOTOなど様々なミュージシャンとのセッションライブを行っているLOVE。今回は先日開催されたRADWIMPSの全国対バンツアー「10th ANNIVERSARY LIVE TOUR RADWIMPSの胎盤」ツアーにも参加したドラマー刄田綴色(ex.東京事変)のほか、ベース山崎英明(ex.School Food Punishment)をゲストミュージシャンに迎え、ライブを行う。またオープニングアクトとしてシンガーソングライターのヒグチアイも出演することが決まった。チケットは発売中。■「LOVE Live 2015 ~お歌と太鼓で紡年会~」日時:12月29日(火)開場18:00 / 開演18:30会場:恵比寿天窓.switch(東京都)出演:LOVE【Guest musician】Dr.刄田綴色/Ba.山崎英明【Opening act】ヒグチアイ料金:前売4,320円 / 当日4,860円(税込)※入場時ドリンク代別途必要。■LOVE レギュラー番組TOKYO FM「LOVE CONNECTION」パーソナリティ毎週(月)~(金)11:30~13:00生放送。
2015年12月08日12月3日、東京・銀河劇場で藤原竜也主演の舞台『とりあえず、お父さん』が開幕した。同作は、世界中で愛されるイギリスの喜劇作家アラン・エイクボーンが1965年に発表した4人芝居。エイクボーン初の大ヒットとして、その名を世に知らしめた作品(原題『Relatively Speaking』)だ。舞台『とりあえず、お父さん』チケット情報登場人物は、グレッグ(藤原竜也)とジニィ(本仮屋ユイカ)の若いカップルと、シーラ(浅野ゆう子)とフィリップ(柄本明)の熟年夫婦という4人。勘違いが勘違いを呼ぶシチュエーション・コメディとなっており、藤原にとって海外戯曲のコメディは初挑戦だ。その演出を手掛けるのは、翻訳ものコメディの演出家としても高い評価を得る綾田俊樹。来年結成40周年を迎える劇団「東京乾電池」を共に結成した柄本を綾田が演出するのも見どころのひとつだ。舞台は、ジニィの部屋で朝を迎えシーツにくるまるグレッグと、シャワーを浴びるジニィから始まる。ふたりは出会って1か月の恋人同士。ふざけたり、甘えたり、すねたり……恋愛初期ならではのやりとりは甘さたっぷりで微笑ましい。ジニィと結婚したくてたまらないグレッグだが、気になるのは彼女の元恋人。年上で既婚者だったという元恋人の痕跡は、ジニィの部屋のそこかしこから見つかるが、ジニィに問い詰めてもうまくかわされてしまう。そんな中、ジニィは「実家に行く」と出かけることに。両親に挨拶したいグレッグは、ジニィに秘密で後を追う。同じ頃、ジニィの目的地ではフィリップとシーラ夫妻が探り合いを繰り広げていた。シーラが若い男と付き合っているのではないかと疑うフィリップ。グレッグとジニィのかわいらしいやりとりに比べ、ふたりの掛け合いにはそこはかとなく重みがあり、妻にやり込められるフィリップには滑稽さが漂う。しかしそのフィリップこそがジニィの元恋人であり、いつまでも未練たらたら花やチョコレートを送り付けている男だった。そんなふたりのもとに、ジニィより先にグレッグが到着してしまう。グレッグは夫妻をジニィの両親だと思い込むが……というところからこの舞台の真髄ともいえる部分に突入する。中でも、藤原と柄本がお互いのことを勘違いしたまま対決するシーンは見どころのひとつ。切羽詰まった空気になればなるほど、おとぼけ感が漂い、思わずププッと笑ってしまう。そこには男性の単純さや女性のしたたかさも描かれているが、4人の姿がとても愛らしく、にくめない。年末年始の楽しみにピッタリの作品だ。公演は、12月23日(水・祝)までの東京・銀河劇場を皮切りに、1月には富山、熊本、福岡、大阪、愛知を巡演する。取材・文中川實穗
2015年12月07日12月5日、東京・パルコ劇場で長塚圭史作・演出&古田新太主演の舞台『ツインズ』が開幕。その前日、同劇場で公開ゲネプロが行われた。舞台『ツインズ』チケット情報第13回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞した『LAST SHOW』から10年。古田の「家族の嫌な話を書いてほしい」という希望から立ち上がったというのが『ツインズ』だ。定期的に家族を描いた作品を生み出してきた長塚が「家族の病んでいる部分、僕の思う家族の闇の部分と光の部分を併せて描いた」作品となった。演じるのは、長塚が「まさか集まらないだろうと思っていた夢のようなメンバー」と話す実力派俳優の面々。主演の古田を筆頭に、多部未華子、りょう、石橋けい、葉山奨之、中山祐一朗、吉田鋼太郎が顔を揃えた。特に女性陣は長塚が「舞台で観てファンになった3人」だ。海水浴を楽しみ、海産物に恵まれた穏やかな生活を送っている、ようにみえる家族。その家に東京から次男のハルキ(古田)とその娘・イラ(多部)が帰省し、不穏が生まれるところから物語が始まる。穏やかに続いてきたであろう家族の時間を崩すのはハルキだ。すぐにカッとなって暴れ、出されるものは水さえも口にしない。しかし物語が進むにつれ、様子がおかしいのは本当にハルキなのか?とふと立ち止まる。穏やかなはずのシーンでも常に漂う緊張感。それを生み出しているのは穏やかに見える家族の間を流れる“何か”だ。舞台上にはそこはかとなく漂う“何か”に気付くと、この家族がどこに向かっているのか見届けずにはいられない。もちろん、ただただシリアスなわけではない。古田や吉田からふとした瞬間に飛び出すユーモアには笑い声も上がる。ゲネプロ後の囲み取材で、古田は「家族という集合体の空々しさとか、本当は信頼し合ってないんじゃないのというような、そんな話を書いてほしかった」と語った。また、仕上がりについて吉田は「本をいただいた時、社会的なテーマをはらんだ難しい戯曲で、どう立ち上がっていくんだろうと思っていたんですけれども。今日ゲネプロをやってみて、明日ガツンといいものをお見せできるんじゃないかなという気持ちが湧きました」と自信を見せた。長塚作品への参加は初となり、「大きなものを背負っている役」(長塚)を担う多部は「いつか(長塚と)一緒にやってみたいなと思っていた」と笑顔を見せた。公演は、12月30日(水)までの東京・パルコ劇場を皮切りに、2016年1月6日(水)から11日(月・祝)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、1月16日(土)・17日(日)福岡・北九州芸術劇場、1月23日(土)・24日(日)新潟・長岡市立劇場、1月30日(土)・31日(日)長野・まつもと市民芸術館を巡演。取材・文:中川實穗
2015年12月07日ブロードウェイで歴代2位のロングラン記録を更新中のミュージカル、『シカゴ』の来日公演が12月4日、東京・東急シアターオーブで開幕した。1999年の初来日以降、日本人キャストによる日本語版、米倉涼子が来日カンパニーに混ざった英語版、さらにはオール女性キャストによる宝塚OG版など、日本でも様々なバージョンが製作されている人気作。今回の目玉は、NHK連続テレビ小説「マッサン」で一躍人気者となったシャーロット・ケイト・フォックスが、2週間のブロードウェイ公演を終えて“凱旋”する形で主演していることだ。ブロードウェイミュージカル『CHICAGO』チケット情報シャーロットが演じるのは、不倫相手に捨てられそうになり、逆ギレして殺してしまう主婦ロキシー。敏腕弁護士の力を借りて無罪を勝ち取ろうとするばかりか、スキャンダルを利用してスターになろうとまで目論む、紛れもない悪女役だ。下品なセリフも数多く、「マッサン」の聡明で愛情深いエリーとは真逆とも言える役だが、舞台が進むうち、シャーロットが演じるからこその共通点も見えてくる。それは、観ている側が応援せずにはいられなくなる、絶大な“愛され力”。身勝手な嘘を次々と繰り出すロキシーだが、シャーロットが演じるとそこに打算は感じられず、ひたすらキュートでコケティッシュに見える。元々の実力と努力もさることながら、これはやはり天性のものだろう。ロキシーと反目し合うヴェルマを演じる、アムラ=フェイ・ライトとの相性も抜群だ。ブロードウェイをはじめ世界各地で同役を務め、史上最高のヴェルマ女優と謳われる彼女は、2010年には日本で、日本語でも同役を演じている。知らない言語で芝居をして共感を得る、という途方もない難題を見事にクリアしたという意味で、シャーロットとは同志でもあるわけだ。劇中には、ふたりのそんな絆を感じさせるアドリブ的な掛け合いもあり、観る者の胸を熱くする。ふたりの好演が、スタイリッシュでクールな作品本来の魅力を際立たせながら、どこか身近にも感じられる『CHICAGO』を作り出していた。初日に先駆けて3日に行われた記者会見には、「マッサン」でエリーの義母を演じた泉ピン子がサプライズ登場。それまで笑顔で取材に応じていたシャーロットだが、花束を持って現れた泉の姿を見るや、抱きついて大粒の涙をこぼした。「びっくり、うれしい、かんどう、ほんとに!」と日本語で感激を表すシャーロットに対し、「うちの“嫁”が本当に頑張っているロキシーをひとりでも多くの人に観てほしい」と“親心”を見せる泉。最後には、TVカメラに向かってPRするシャーロットに、泉が「観に来てね、ってちゃんと言わないと!」とダメ出し(?)して見せ、感動と笑いの会見は幕となった。東京公演は12月23日(水・祝)まで。その後、12月26日(土)・27日(日)に大阪・梅田芸術劇場メインホールでも上演。取材・文:町田麻子
2015年12月07日5月14日(土)・15日(日)大阪・METROCK大阪特設会場(大阪府堺市・海とのふれあい広場)、5月21日(土)・22日(日)東京・新木場・若洲公園にて、野外フェスティバル「METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2016」の開催が決定した。2013年の初開催以降、3年連続で3万人以上を動員している同フェス。今年は初めて大阪でも行われる。また、大阪の会場となる大阪府堺市・海とのふれあい広場での音楽フェス開催は今回が初。開催についての詳細は近日発表される。気になる方はご確認を。■TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2016日程:2016年5月21日(土)・22日(日)会場:新木場・若洲公園(東京都)■OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2016日程:2016年5月14日(土)・15日(日)会場:METROCK大阪特設会場(大阪府堺市・海とのふれあい広場)★★以下のリンクより「METROCK」をお気に入り登録して、情報をゲット!
2015年12月07日テレビ中継を観ながら「ボランチって何?」と質問してサッカーファンに呆れられる。球場では大事な場面でビールを買いに走り、阪神ファンの友だちに怒られる。そんな私が、自らラグビー観戦に行く日が来ようとは……。ラグビー トップリーグ チケット情報W杯のサモア戦。五郎丸歩選手の蹴ったボールが鮮やかな弧を描いてゴールをとび越えたとき、ザワザワザワッと興奮が全身を駆け抜けた。「あのキックを生で観たい!」。そんな願望をいだき続け、ついに11月21日。五郎丸選手の本拠地・ヤマハスタジアムに、トップリーグを観におとずれた。スタジアムに到着したのは試合開始40分前。コートでは選手が最後の調整をしている。みんな体が大きいなあ、などと思いながらコートを眺めまわしていると……いた、五郎丸選手だ!ウェアのそでをまくり、ボールをセットする背番号15番。客席のあちこちから、「やるかな、あのポーズ」と、期待のこもった声が聞こえてくる。手で進路をはかり、後ろに3歩、左に2歩。そして、すっかり有名になった両手を結ぶポーズ。次の瞬間ダッと駆け出し、蹴られたボールがゴールを軽々とび越えた。スタンドは拍手の嵐。試合前から、早くも熱いものがこみ上げてくる。13時ちょうどに試合開始がつげられ、ボールめがけて選手が殺到する。横へ横へとつながるパス。そのパスを阻止するため、相手チームがタックルを仕掛ける。あまりの速さに、視線はコート上を前後左右に行ったり来たり、めまぐるしい。開始15分。ヤマハのシアレ・ピウタウ選手がトライし、ようやく初得点を決めた。スタンドにサックスブルーの旗が泳ぎ、歓声が広がる。やった、と夢中で拍手をしていると、前席のおじさんの旗が顔面にビタッ。風になびいて貼りついた。おじさんは気づかず「イエー」などと叫んでいる。そうこうしているうちに、「五郎丸選手がコンバージョンゴールを決めました」というアナウンス。ああっ、キックを見逃しちゃったよ……。ヤマハは順調に得点をかさね、前半残り30秒。ついに、五郎丸選手がペナルティゴールを放つ瞬間がやってきた。「難しい位置からのキックです」と実況席からのアナウンス。場内の視線が五郎丸選手に集中し、空気がピンと張りつめる。ボールを見つめて大きくひと息。ルーティンを終えると、迷いのない美しいフォームでボールを蹴り上げる。ゴールの成功に、スタンドはふたたび大歓声に包まれた。後半戦もあわせて、この日五郎丸選手が決めたゴールは6本。印象的だったのはやはり、前半終了間際のあのペナルティゴールだ。会場全体が息をつめて待つ数秒の静けさ。高く舞うボール、広がる熱気。「さすがだなあ、素敵だなあ」と、もう頭の中は五郎丸選手でいっぱいだ。今回は子どもも大勢来ていて、試合終了後には選手とハイタッチできる羨ましすぎるサービスも。五郎丸選手も子ども1人1人と笑顔でハイタッチ。「ふむ、今度は子連れのママと一緒に来ようか」と、早くも次の観戦に向けて思いを巡らせたのだった。取材・文:東谷好依
2015年12月04日12月4日、東京・赤坂ACTシアターで市村正親主演のミュージカル『スクルージ』~クリスマス・キャロル~ が開幕。その前日、通し稽古の一部が公開された。同作は、チャールズ・ディケンズの名作『クリスマス・キャロル』を原作にしたクリスマスシーズンのファミリーミュージカルの決定版的作品。市村は94年にスクルージ役を務め、以後、95年、97年、99年と再演。13年に新演出版として市村主演で上演し、今作は6度目の主演となる。ミュージカル『スクルージ』チケット情報ストーリーは19世紀半ば、クリスマス・イブのロンドンが舞台。街中に讃美歌が流れ、賑わいをみせる中、スクルージ(市村)の事務所はそんなムードとは関係ない様子。彼は徹底したケチで思いやりのない老人だった。しかし、スクルージが自宅へ帰ると7年前に死んだはずの共同経営者マーレイの亡霊が現れ「今夜3人のクリスマスの精霊(過去、現在、未来の精霊)が訪れるが、3番目の未来の精霊こそお前の唯一の救いとなろう」と言って姿を消した。夢に違いないと彼は思ったが……。今回、公開されたのは舞台終盤。ファンタジックな舞台セットに衣装、心温まるストーリーの中に散りばめられた歌とダンス、生き生きと演じる市村をはじめとしたキャストの姿に、舞台上から幸せが溢れてくるようだった。また、キャスト全員が歌う「Thank You Very Much」のヒットナンバーは必見。世代を問わず、大人から子どもまでみんなで楽しめるミュージカルとなっている。稽古後の囲み取材で市村は同作について「12月にクリスマスの話を見せられるのはとても幸せですね。子どもさんが観ても笑えるようなお芝居もあります」と笑顔。また、「夏は『ピーターパン』、12月は『スクルージ』をやりたい。初演の頃は老けづくりに無理があったけど、だんだん老けづくりに自信が持てるようになってきた。足腰が立つ間はやったほうがいいのかな、という役です」と話した。自身の役どころについては「人生で経験したことを『スクルージ』で表現できるので、いろんなことを経験すべきだなと思います。自分の過去、現在、未来というシーンがあるんですけれども、自分自身の過去、現在、未来のことも考えながら、いろんなイマジネーションの中で役が演じられる。この役をやらせてもらっていることは僕自身、俳優として喜びです」と語った。また、心配された右ひざの怪我と手術については「舞台には支障がない。でも術後がこの作品でよかった。おじいちゃんの役なので」と踊って見せ、現場を盛り上げた。12月7日(月)18時、10日(木)18時、14日(月)18時公演終演後は、出演者の武田真治のSAX演奏と田代万里生の歌によるスペシャルカーテンコールも行われる。12月10日(木)は笹本玲奈も参加予定。公演は、12月15日(火)までの東京・赤坂ACTシアターにて。取材・文:中川實穗
2015年12月04日故・寺山修司生誕80年の今年、その最後の演出作品『レミング』が上演される。1979年に発表されて以来、さまざまなバージョンが存在する本作だが、今回は、寺山没後30年の2013年に松本雄吉と天野天街が台本化し、松本の演出で初演した舞台を、音楽劇『レミング~世界の涯まで連れてって~』として再演。溝端淳平、柄本時生、麿赤兒、霧矢大夢……とキャストを一新し、前回は登場しなかった“少女”役としてシンガーソングライターの青葉市子も出演する。上演場所をパルコ劇場から東京芸術劇場に移し、スケールアップが見込まれる稽古場に11月某日、潜入した。音楽劇『レミング~世界の涯まで連れてって~』チケット情報この日は共同脚本の天野が中心となり、セクション5「もぐら叩き」の稽古が行われていた。下宿屋の一室に住むコック見習いのタロ(溝端)と、何故か畳の下に住む母親(麿)との場面だ。息子に干渉し、脅したり懐柔したりしながら自らの影響力の下に置こうとする母。その母をなだめながら、隙あらば布団叩きで殴ろうとする息子。母との関係に終生悩まされた寺山自身をも彷彿とさせる情景だ。背後から布団叩きを振り下ろす溝端の様子が麿には見えないため、打つタイミングと頭を引っ込めるタイミングをめぐり、試行錯誤が続けられた。回を重ねる毎に動きがよくなる溝端の瑞々しい演技と、ちょっとした表情や声に得も言われぬ味わいが滲む麿の怪演が印象的。さらに、何人もの“少女”たちのアンサンブルが現れ、幻想的な情景を創り出す。続いて稽古はセクション2「壁の消失」の前半へ。どこか中華テイストの音が流れる中、タロとジロ(柄本)が並んで調理の仕草をし、中華料理の名を次々と掛け合いで発していく。途中でそれらは、包丁さばきの描写に変化。果てしない呪文のように、台詞は続く。しかも、台詞のテンポは音とリンクしていなければならない。難しさに頭を抱える溝端と柄本に、音楽の内橋和久が「慣れたら崩してもいいけど、お互いの台詞がどう絡んでいるのか把握するためにも、まずは音をハメて」「身体に入れちゃうと良いよ」とアドバイスする。柄本は「家でずっと練習しているんですけど……」と苦笑いし、溝端は「振りなしでやってみる?」などと積極的にアイデアを出しながら、練習に没頭。見守るキャストやスタッフも、思わず一緒に膝でカウントを取っていた。休憩時間には、大女優・影山影子を演じる霧矢のかつらも到着し、スタッフが説明。その傍らには、振りを確認する占部房子や、TV「テラスハウス」の”王子”こと岩永達也らの姿も。本番に向けて、準備は休みなく進められているのだった。この作品には、様々な壁が登場する。アパートの壁、舞台と客席の間の見えない壁、独房の壁……。それらの先に、虚構とも現実ともつかない不思議な景色が広がっていく。幾つもの壁を乗り越えてキャスト達が到達する新たな音楽劇『レミング~世界の涯まで連れてって~』の開幕は、まもなくだ。公演は12月6日(日)から20日(日)まで東京芸術劇場プレイハウスにて、その後、愛知、大阪、福岡でも上演。取材・文:高橋彩子
2015年12月04日2016年1月8日(金)から2月11日(木・祝)東京・日本橋三井ホールでオープンする、五感で楽しむ、体感型庭園「FLOWERS BY NAKED」。同イベントのテーマソングに、水曜日のカンパネラの『西玉夫』が決定した。【チケット情報はこちら】「FLOWERS BY NAKED」は生花やオブジェ、映像などによって“これまで体験したことない花見体験”を楽しめるイベント。今回テーマソングに決定した水曜日のカンパネラの『西玉夫』は、11月11日にリリースしたアルバム『ジパング』に収録されている。水曜日のカンパネラの主演/歌唱担当、コムアイとの異色のコラボに注目が集まる。「FLOWERS BY NAKED」のチケットは発売中。■「FLOWERS BY NAKED」会場:日本橋三井ホール(COREDO室町15階。エントランスは4階)開催期間:2016年1月8日(金)~2月11日(木・祝)※ 会期中無休開催時間:月~木・日・祝日10:00~20:00金・土・祝前日10:00~21:00※ 1月10日(日)は10:00~21:00※ 2月11日(木・祝)は10:00~17:00
2015年12月04日待っているのは天国か地獄か――。J1昇格の最後の1枠が、今週末決まる。一発勝負の準決勝を制したアビスパ福岡とセレッソ大阪が、12月6日(日)・ヤンマースタジアム長居(大阪府)で迎える『2015 J1昇格プレーオフ 決勝』で、J1行きの切符を懸けて戦う。『2015 J1昇格プレーオフ 決勝』チケット情報リーグ戦を8連勝で終え準決勝に挑んだ福岡は、奇しくも九州ダービーとなったV・ファーレン長崎を相手に、終始落ち着いて自分たちのサッカーを展開した。得点こそならなかったが幾度となくゴール前へと迫った主将・城後寿、厳しいマークに遭いながらも見事にポストをこなし唯一の得点を奪ったウェリントン、タイミングを見計らったドリブルで攻撃の起点となった亀川諒史らが、分厚い攻撃を見せた。また、ディフェンス面では、幾度となくサイドを上下動した中村北斗、最後尾から攻撃を後押しした守護神・中村航輔らによる組織立った守備で、シーズンを通じて積み上げてきた強固さを誇示した。そして、ラスト10分に投入されたFW・金森健志の戦線復帰も、決勝へ向けて明るい材料となった。対するC大阪は、準決勝・愛媛FC戦をスコアレスドローで終えた。パウロ・アウトゥオリ前監督に代わり最終節より指揮を執る大熊清監督の下、粘り強く献身的なプレーを選手一人ひとりが実践した。ゴールには繋がらなかったものの、FW・玉田圭司、田代有三の2トップは7本のシュートを浴びせた。ベテランふたりは「最後は自分も決めたい」(玉田)、「失うモノはないので、ゴールを決めて勝つだけ」(田代)と意気込み十分。さらに、MF・関口訓充は攻守の切り替え速くピンチを防いだ。立て続けに放たれたシュートを連続ブロックした田中裕介、『明治安田生命J2』最終節では2得点を挙げた茂庭照幸ら経験豊富な最終ラインが守備に安定をもたらす。大一番を前に、チームとして勝ちに行く形が完成しつつある。決勝の舞台・ヤンマースタジアムはC大阪の本拠地。悲願達成を信じて詰め掛ける多くのサポーターが、桜の戦士たちの力となることだろう。ただ、福岡は年間順位が上位のため引き分けでもJ1昇格となる。それでも井原正巳監督は「最初から勝ちにこだわる」と語り、チャレンジャーとして天王山へ挑む。C大阪がホームの利を生かしきれるか。それとも、福岡がその逆境を跳ね除け悲願達成となるか。最後にJ1昇格の夢を叶えるのは、果たして……。12月6日(日) ・ヤンマースタジアム長居(大阪府)でキックオフを迎える『2015 J1昇格プレーオフ 決勝』はチケット発売中。
2015年12月04日まさに、Jリーグ王者を決めるにふさわしい90分間だった。12月2日、『明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップ(CS)』第1戦は年間1位のサンフレッチェ広島が年間3位のガンバ大阪のホームに乗り込み、アディショナルタイムの2得点で3-2という劇的な逆転勝利を掴んだ。FIFA クラブワールドカップ ジャパン 2015 チケット情報過去の『CS』を振り返ると、第1戦に勝利したチームが7回中7回、つまり100%の確率で優勝を果たしている。しかも、広島はアウェイゴール3を稼いでいる。ホームで迎える『明治安田生命CS』第2戦を残し、広島が絶対有利である。12月5日(土)の第2戦では、G大阪は2点差をつけて勝利しなければ優勝には届かない。パトリックや宇佐美貴史、倉田秋らアタッカー陣はもちろん、中盤の要・遠藤保仁や左・藤春廣輝&右・米倉恒貴の両SBはリスクを負ってでも前掛かりにならざるを得ない。G大阪が前へ出れば出るほど、広島の思う壺である。2ndステージ王者はJ1最少失点・最多得点を誇っている。自陣に引いてしっかり守備ブロックを形成し、相手ボールを奪えばショートカウンター一閃。広島にはJ1通算最多得点1位タイの佐藤寿人、得点ランク2位のドウグラスというJリーグトップクラスのフィニッシャーが揃う。終盤までゴールが決まらなくても、焦る必要はない。後半15分となれば、U-22日本代表・浅野拓磨を投入し、さらにカウンターに特化すればいいのだ。引き分けでも覇権を手にする広島は、ゴールを急ぐ必要はない。しかし、何が起こるかわからないのは、短期決戦の恒。第1戦も、思いもしないミスがゴールへ直結した。60分、CB・佐々木翔(広島)の横パスをMF・森崎和幸(広島)とCB・千葉和彦(広島)がお見合いし、今季初先発の長沢駿(G大阪)に先制弾を許した。86分には右SBに入ったオ・ジェソク(G大阪)が一発退場となった。2-2となった試合終了間際、今野泰幸(G大阪)はスローインを森崎和にカットされ、96分の柏好文(広島)の劇的ゴールをお膳立てすることになった。オの退場はさておき、千葉や森崎和、今野といういくつもの修羅場を潜り抜けてきたベテランですら、考えられないミスを犯してしまうのが大舞台の怖さである。広島絶対有利の状況に変わりはないが、『明治安田CS』第2戦で不測の事態が起こる可能性は決して少なくない。『明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップ』決勝第2戦・サンフレッチェ広島×ガンバ大阪は12月5日(土)・エディオンスタジアム広島でキックオフ。Jリーグチャンピオンの座に輝くのは2012・2013年J1王者・広島か、2014年の三冠王者・G大阪か。王者には次なる戦いが待っている。Jリーグチャンピオンとして、12月10日(木)・横浜国際総合競技場でオセアニア代表のオークランド・シティーFCと『FIFA クラブワールドカップ ジャパン 2015(CWC)』開幕戦に臨むのだ。『明治安田CS』のチケットは予定枚数終了。『CWC』のチケットは発売中。
2015年12月04日シルク・ドゥ・ソレイユの日本公演最新作『ダイハツ トーテム』が2016年2月3日(水)東京公演を皮切りに開幕。同公演の魅力を伝える特番がフジテレビで12月5日(土)午前10時45分より放送される。【チケット情報はこちら】番組では本田望結とバービーがシンガポールに向かい、世界最高峰のサーカス・エンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」の人気の秘密に迫るべく、舞台裏に潜入取材。最先端技術とシルク・ドゥ・ソレイユのミラクル超人たちが生み出すスーパーサーカスの各演目をたっぷり紹介する。気になる方はご確認を。『ダイハツ トーテム』東京公演は好評につき4月19日(火)から5月22日(日)まで追加公演が決定。追加公演のチケット一般発売は12月5日(土)午前10時より。■めざましテレビPresents 本田望結とバービーが行くスーパーサーカス「トーテム」の魅力12月5日(土)朝10:45~11:40フジテレビにて放送※一部地域を除く
2015年12月04日幕末の乱世を疾走した新選組と、ひとりの少女との悲恋を描いた人気ゲーム『薄桜鬼』。そのスピンオフ企画として生まれた『薄桜鬼SSL~sweet school life~』は、物語の舞台をとある高校に移したラブコメディだ。これまでゲーム化、ドラマ化を果たし、来年には映画版も公開されるが、クリスマスに向けて胸キュン必至の舞台版がもうすぐ幕を開ける。舞台『薄桜鬼SSL』チケット情報「『薄桜鬼SSL』実写化のお話をいただいたのが今年の1月。そこからゲームや新選組について勉強して、春にドラマと映画を撮り、今、舞台の稽古中。1年間、全員同じメンバーで作品に取り組んできたので、意思疎通がちゃんと取れた状態で稽古をスタートできているのがうれしいですね」。そう語るのは今作で土方歳三を演じる中村優一だ。この物語における土方は、舞台となる「私立薄桜学園」の風紀の乱れを正す、厳しい教頭。もともと男子校だった学園にたったひとりの女子生徒・千鶴を入学させたキーパーソンでもある。「新選組に関する小説や映画では『鬼の副長』と呼ばれる土方ですけど、いかんせん僕がまったく怖くないらしくて(笑)。ただ、ドラマでの土方は、生徒たちを厳しく指導する教師でしたけど、舞台版はちょっと違うんですね。教師でありながら千鶴への恋心に揺れてしまう、とても繊細な人物像。教師としてはガンガン行けるんだけど、恋愛面については臆病というか、器用じゃなくて」。オリジナル版の『薄桜鬼』では壮絶な運命に飲み込まれていく土方や沖田総司や藤堂平助が、本作『薄桜鬼SSL』ではのびのびと学園生活を楽しみ、恋愛に邁進している。「(舞台版では)登場人物の性格とか感情の機微みたいなものが、ひとりひとり全員についてきめ細かく描かれているんですね。だから稽古を見ていても面白いです。千鶴の前に、ぜんぜん色の違う男たちが、目まぐるしく現れては消えるので(笑)」。だから、中村は胸を張る。1年間かけて磨きをかけてきたチームワークと作品力が、彼と仲間たちの誇りでもあるのだ。「稽古を重ねることで、ドラマや映画とはまた違った深まり方をしつつありますね。僕自身、今まではどちらかというと生徒側の役が多かったので、今回の教師役は本当にいい経験です。なので『舞台化ってどうなるの?』って思っておられる方にこそ、観に来ていただきたいですね。どれだけ進化したか、パワーアップしたかを見届けていただきたくて」。今回の舞台版では、ゲームやドラマでは謎に満ちていた「千鶴の父親」と「芹沢鴨」も登場するという新たな要素も。若者が疾走するドラマの中にあって、物語に厚みを与えるふたりの登場にも期待が高まる。公演は12月11日(金)から20日(日)まで、東京・シアターサンモールにて上演。チケットは発売中。取材・文:小川志津子
2015年12月04日