チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (28/342)
坂本昌行がパルコ・プロデュース2022『凍える』で主演を務め、連続児童殺人犯に扮する。ハードな難役に向き合う稽古前の心情を語ってもらった。ブライオニー・レイヴァリーによる戯曲『凍える』は、1998年にイギリスで初演されたヒューマンサスペンス。2004年には米ブロードウェイでも上演され、同年のトニー賞演劇作品賞にノミネートされた。劇中では20年前に行方不明になった少女ローナをめぐって、連続児童殺人犯のラルフ、ローナの母ナンシー、精神科医アニータがそれぞれに向き合う様子が描かれる。今回は栗山民也が演出を手がけ、ラルフ役を坂本昌行、ナンシー役を長野里美、アニータ役を鈴木杏が務める。坂本は「この作品で起こる悲しい出来事を前面に押し出すのではなく、登場人物が抱えている心の痛みや闇をしっかりお見せすることで、お客さんの心に何かを問いかけたい」と語る。とはいえ戯曲の冒頭が登場人物による“独白”で占められる本作。セリフを交わすことで各キャラクター像が自然と浮かび上がる会話劇と比べて、アウトプットが封じられている感覚に陥ることはないのだろうか──?「劇中でラルフが連続児童殺人犯になった経緯が語られることはありません。でも気迫がこもった登場人物の独白を通じて“ひょっとしたら過去にこんなことがあったのかな”と観客の皆さんにイメージさせることはできる。そのために彼が幼少期に受けた“傷”を深く考えながら役と向き合っていきたいですね」と坂本。「誰しもこの世に産まれた瞬間から凶悪ではないですし、純真無垢だった時期もあるはず。周りの環境に左右されてしまった側面もあるでしょうし、ラルフがそこへ至った経緯をしっかり考えたい」と続く。折しも、栗山は登場人物の内面を克明に見せる硬質な人間ドラマに定評がある演出家。坂本とは、彼の初舞台でもあるミュージカル『阿国』(1992年)以来の創作となる。「先輩キャストの方々に『もっとないのか』『他にもあるだろう?』と投げかけていた栗山さんの演出がとても印象的で。ものづくりに徹底して向き合うプロ集団の凄みを実感し、舞台の魅力にハマった現場でした」とデビューする前の若手だった当時を振り返った。30年ぶりのクリエーションに対して「聴く耳を大きく広げ、栗山さんとの議論でラルフ像を構築していきたい」と意気込んだ。三者三様の独白後、繰り広げられる長野ナンシーや鈴木アニータとの“対峙”にも注目したい。公演は10月2日(日)~24日(月)に東京・PARCO劇場にて。その後、福島・兵庫・愛知・長野・新潟・福岡・沖縄と巡演する。チケットは発売中。取材・文:岡山朋代
2022年09月02日9月11日(日)に、服部緑地野外音楽堂とスポーツ広場A特設ステージの2会場展開で開催される、音楽フェス『たとえば ボクが 踊ったら、#004』。本イベントのタイムテーブル、エリアマップが発表された。オープニングアクトのego apartmentから始まり、トリはThe Birthdayが務める。『たとえば ボクが 踊ったら、#004』チケット情報ラインナップは、The Birthday、RHYMESTER、SOIL&“PIMP”SESSIONS、Kroi、SPECIAL OTHERS、DOPING PANDA、Kan Sano、ego apartment。今年も、ライブパフォーマンスに定評のあるアーティストが多彩に集結し、3年ぶり開催の今回も、RHYMESTER×SOIL&“PIMP”SESSIONSのセッションライブ(新曲も!?)や、国内外で話題の新人ego apartmentの1stアルバム『ego apartment』から全曲演奏も予定されている。緑豊かなグッドロケーションとグッドミュージックで、大人も子供も楽しめる公園周遊型フェスとして注目が集まる。チケットは発売中。
2022年09月01日9月23日(金・祝)・9月24日(土)北海道赤平市エルム高原リゾートにて「深呼吸みたいな、ひとときを。」をキャッチコピーに初開催される、秋のキャンプイベント「AKABIRA CAMP BREAK」のタイムテーブル・会場マップと追加コンテンツが発表された。初日でスタートを飾るのは「Keishi Tanaka」。この日は3ピースバンドSETにて出演を予定しており、本イベントの初ステージを大いに盛り上げてくれそうだ。各公演日のラストは23日(金祝)に七尾旅人が決定。そして24日(土)には2023年春をもって解散を発表している「bonobos」がラストを務める。また追加コンテンツも発表され、23日(金祝)にはキャンプ系動画が人気の「伊豆のぬし釣り」と「ヒヌマフウフ」によるこの日限りのトークショー開催が決定。その他にも <サウナ> や <スラックライン> のアクティビティや、貴重なキャンプギアを購入できるショップも追加された。秋空広がる緑豊かな会場で特別な1日を楽しんでもらいたい。≪イベント概要≫『AKABIRA CAMP BREAK』■日程:2022年9月23日(金・祝)・24日(土) 最大2泊3日可能■会場:北海道赤平市 エルム高原リゾート■出演:≪9/23(金・祝)≫ おかしなふたり(奇妙礼太郎 × Sundayカミデ)、GLIM SPANKY、Keishi Tanaka(3ピースバンドSET)、七尾旅人、フレンズ、Ryu Matsuyama、伊豆のぬし釣り×ヒヌマフウフ(トークショー)≪9/24(土)≫ Keishi Tanaka、サニーデイ・サービス、FIVE NEW OLD、bonobos、Homecomings■料金:・各日入場券8,500円、通し入場券16,000円・フリーサイト券4,000円、区画指定サイト券7,000円、オートキャンプサイト10,000円、ケビンサイト16,000円 (SOLD OUT) ※各日料金・会場内駐車券2,000円、会場外駐車券1,000円※各日料金※小学生以下無料※詳細はオフィシャルHP(にて。※チケット発売中:チケットぴあ
2022年09月01日元宝塚歌劇団の瀬戸かずや、綾凰華が出演する朗読舞踊劇 Tales of Love「阿国-かぶく恋、夢の果て-」が東京・サンシャイン劇場にて上演される。日本古典の名作を「朗読×日本舞踊」 のコラボレーションで、朗読劇の枠を超えた、五感と想像力を刺激する新たな感動体験を届ける「朗読舞踊劇 Tales of Love」の最新作。シリーズ第2弾となる本作は、歌舞伎の始祖ともいわれる伝説の女性・出雲阿国と希代の傾奇者として名高い名古屋山三、そして阿国を支えた女形・三十郎の、三者三様の姿を濃密に描く恋物語だ。演出はシリーズ第一弾に引き続き、劇団「柿喰う客」の中屋敷法仁。主演の阿国役、その彼女を支える三十郎役をWキャスト&スイッチキャストで演じるのは元宝塚歌劇団瀬戸かずや、綾凰華。また稀代の傾奇者とされる名古屋山三役には、人気実力派声優として活躍する竹内栄治、土屋神葉、石谷春貴、高木渉が日替わりで出演。さらに卓越した表現力で、若手舞踊家のトップとして日本舞踊界を牽引する花柳幸舞音 、藤間涼太朗が舞踊を担う。公演は9月28日(水)から10月2日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて。チケットは8月30日(火)よりチケットぴあにて抽選受付がスタート。一般発売は9月10日(土)10:00より。公演回事に配役、また出演キャストが異なる本公演、キャスト組み合わせ等は公式ホームページ等にて確認を。<ストーリー>一人の女芸人が、その踊りの才により頭角を表した。彼女の名は阿国。希代の傾奇者として名高い名古屋山三は、 駆け出しの阿国を見染め、共に風雅の芸を極める夢を見る。異なる二人の才能がぶつかり合い、新たな芸が芽吹き始めたその前夜、山三は家のため他家に仕官することになり、さらには武士としての義理を立てるため命を落としてしまう。人気も凋落し、傷心する阿国の元に残ったのは浮浪児から拾い上げ弟子として育てた少年、三十郎ただ一人。阿国は、三十郎を己と瓜二つの女役に仕立て上げ、己は男役として山三に成り代わり、濃密な男女の恋愛を描いたかぶき踊りを上演する。いつしかこのかぶき踊りは大評判となり、阿国は三十郎と共に各地を巡業する旅に出る。男として阿国を深く愛しながらも、師弟という関係を壊さぬよう、ひたすらに女形に徹する三十郎。一方、阿国は名声を得てもなお山三を忘れられず、その幻影に徐々に心を蝕まれていく――
2022年08月31日5月に新今宮YOLO BASEで初開催された、ニュースタイルのクラフトビールイベント『ビア・ブラボー!』。早くも第2回の開催が決定した。今回は9月23日(金・祝)から25日(日)までの3日間、湊町リバープレイスにて開催。定番のブルワリーから、関西初出店のブルワリーまで、本イベントでしか味わえない数多くの人気ブルワリーが出店する。『ビア・ブラボー!~Craft Beer Carnival~ 2022 Autumn』チケット情報入場料は無料!クラフトビール好きはもちろん、初めて飲む人も楽しめるラインナップと空間をお届けする。また、今回はブルワリーだけでなく、サイダーや大阪のソウルフードまで勢ぞろい。職人たちがとにかく“こだわった”選ばれしクラフトビールと、大阪の旨いもんをお楽しみください。現在、数種類のビールチケットセット引換券を発売中。お好みのバリエーションを楽しんで!<ブルワリー>伊勢角屋麦酒(三重)/うしとらブルワリー(栃木)/open air(兵庫)/CRAFT BEER BASE(大阪)/CRAFTROCK BREWING(東京)/T.Y.HARBOR Brewery(東京)/ディレイラ ブリュー ワークス(大阪)/Nomcraft Brewing(和歌山)/反射炉ビヤ(静岡)/Brasserie Knot(北海道)/MARCA BREWING(大阪) / 南信州ビール(長野) /箕面ビール(大阪)/ヤッホーブルーイング(長野)/大和醸造(奈良)/家守酒造(京都)/Y.MARKET BREWING(愛知)/ONE’s BREWERY(大阪)<サイダー>Son of the Smith Hard Cider(長野)/もりやま園(青森)<フード>元祖たこ焼き 会津屋/杵屋/ひとくち餃子の点天/焼肉ホルモン 龍の巣/龍の餃子
2022年08月31日9月、東京二期会の新シーズンが《蝶々夫人》(プッチーニ)で幕を開ける。創立70周年記念シリーズの一環。明治の長崎を舞台に、米海軍士官と結婚した日本人妻の愛と悲劇を描くオペラは、ミュージカル《ミス・サイゴン》の下敷きにもなっている名作だ。主役の木下美穂子(ソプラノ)に聞いた。これまでに50以上のプロダクションで100回ほど演じてきたという蝶々さん役。「お話をいただくたびに、また歌える!といううれしさとともに、またあの苦しみを味わうのか、という不安も湧いて、いつも覚悟が必要な役です。出ずっぱりの長丁場をきっちり声楽的に最後まで持っていけるかが一番の問題ですが、メンタルの疲労も激しい。結婚の幸せから絶命まで、彼女の人生を歌っていくと、最後は心も喉もぐったり。その世界から抜けるのには時間が必要で、『終わった!さあ帰りましょう』という感覚はいっさいありません。独特なオペラだと思います」役と完全にリンクして演じている証拠だろう。「あとはやはり日本的な所作ですね。とくに日本で歌う時には、お客さまが着物の所作などもよくご存知なので、いっそう神経を使います。ただし、そこだけを追求していくとプッチーニの音楽とかけ離れてしまう危険もある。毎回答えを探しながら演じています」今回の舞台は、その「日本の美」に彩られた栗山昌良演出。栗山は1957年に二期会で『蝶々夫人』を初演出。現在の舞台は90年代に新制作され繰り返し上演されている、栗山=蝶々夫人の決定版だ。「私は今回で5回目。美しくて、歌える喜びがあって、何度でも演じたい舞台です。最初にお会いした時、登場で一歩足を踏み出した途端に『ストップ!椅子を持ってきて座りなさい』と厳しくご指導いただいたことを、稽古場に向かう道で今も思い出します」96歳の大巨匠はいまだ現役で、今回の稽古にも指導に出向いた。公演の指揮者アンドレア・バッティストーニは35歳のイタリアの若き至宝。世代も国も超えたコンビの化学反応も楽しみ。木下は見せどころとして第3幕を挙げた。「ただきれいに、ただ悲しく歌うのではなく、強さや可愛らしさ、機転のきく利発さ…、瞬間ごとにいろんなチャーミングな蝶々さんを印象づけたい。私は第3幕が一番好きなんです。張り詰めた空気の中で続く短いセンテンス。言葉の一つひとつの重みを伝えられるように、集中して歌っています。ぜひお越しください」二期会《蝶々夫人》は9月8日(木)9日(金)10日(土)11日(日)の4公演。新国立劇場で。(宮本明)
2022年08月31日コロナ禍以前は、7年連続で全国単独ライブツアーを開催していた流れ星☆。2020年に開催を予定していた「20周年記念ツアー」が新型コロナウイルスの影響により全公演見送り、翌年も中止となってしまったが、この度、3年ぶりの単独ライブツアー「新輝一天」の開催が決定。8月からスタートする全国行脚を前に、ちゅうえいとたきうえに話を聞いた。「流れ星☆単独ライブツアー 2022 新輝一天☆」チケット情報流れ星☆のネタ作りを担うたきうえは、「20周年記念ツアーでやる予定だった“ベストネタ”ライブを、今年3月に1日限定で開催することができたんです。一区切りついたのでまた裸一貫、ここから立ち上がるという意味で、今回はすべて新ネタで挑みます」と気合十分。「前回は3日前に公演中止になってしまったので、今回はとにかく無事に開催できるように願っています。お客さんもエンタメに飢えていると思うので、3年分のパワーを出します」とちゅうえいもエネルギーを温存中だ。毎年こだわるポスタービジュアルにも注目。裸で体育座りをしているふたりがインパクト抜群の仕上がりとなっている。「毎年撮影していただいているカメラマンさんがノリノリで、ツアータイトルまで決めてくれるんです。僕らもすごく気に入っています。今までは着物や鎧を着たり、刀を持ったりと豪華だったのですが、今回は一番衣装代がかかってない…」とたきうえ。「キラキラと舞う星はスタッフさんが実際に撒いてくれたもの。大事な部分もちゃんと隠れています。星がお尻に刺さるとチクチクして痛いので、みなさんも全裸で撮影するときは気をつけて」とちゅうえいが制作秘話を語ってくれた。毎年夏に開催される単独ツアー。お祭り感覚で参加できることが流れ星☆のライブの魅力とちゅうえいは語る。「夏祭りも多い時期なので、開演時間を早めに設定しています。花火大会に行く前に浴衣を着てライブに来てください」さらに「老若男女を笑わせます。ライバルはディズニーランド」と語るたきうえは、「コロナ禍以前は、ギャグのコール&レスポンスなどお客さんと一体になれる企画もあったのですが、制限がある中でも楽しませます!」と、感染症対策をした企画を考案中とのこと。最後にちゅうえいがアピ―ル。「3年ぶりのツアーで、3倍面白くなった流れ星☆のライブをぜひ観にきてください!」本公演は全国7都市を巡演中。大阪公演は、9月19日(月・祝)大阪 IMPホールにて開催。チケットは発売中。取材・文:岡田あさみ
2022年08月30日ミュージカルのみならず、様々なジャンルの舞台作品への出演が続く井上芳雄。次に登場するのは、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)によるKERA・MAP#010『しびれ雲』である。作品について今わかっている情報はほとんどない。でも、「未知だから面白い」と井上の表情はほころぶ。この頼もしい俳優から飛び出す言葉は、KERAの新作への期待を高めていく。井上がKERA作品に参加するのは、『陥没』(17年)、舞台稽古まで終えながら全公演中止となった『桜の園』(20年)に続いて3度目。その創作を「魔法のようだ」と表現する。「KERAさんは稽古をしながら台本を書かれることが多いと聞いていたんですが、徐々に上がってくるものが本当に面白くて。これは他のKERAさんの作品にも言えることですけど、最終的にものすごく高いクオリティで、観たことのない世界ができあがり、お客さんに喜んでもらえる。こんなことができる人がいるんだと、初めてご一緒したときはびっくりしました」。今回の『しびれ雲』も、現時点でわかっているのは、KERA・MAP#007/#009『キネマと恋人』(16年/19年)の架空の島が舞台になるということくらい。しかし、井上は楽しそうに語る。「『陥没』のときも予想とは全然違う話になりましたし(笑)。僕自身は、全くわからないで始まるなんてこんな楽しいことはないと思うんです。わからないから下準備もいらないし(笑)。『キネマと恋人』で緒川たまきさんが話されていた島の架空の方言をやらなきゃいけないかもしれませんけど、それもそのときになって頑張れば何とかなると思っています」。KERAのコメントには、小津安二郎、岸田國士、アキ・カウリスマキの名前が並ぶ。「小さな、喜び、悲しみ、驚き、嫉妬、幸せ、不幸、ぼんやりした時間を描きたい」ともある。ビジュアル写真からも、「昭和の映画みたいな匂いは感じる」とか。「なので、必要であれば小津安二郎さんの映画なども観たいと思いますし。KERAさんの作品って、ニュアンスの強弱とかちょっとしたことの積み重ねでできあがっていくイメージで、誰一人欠けてもその世界が成立しない感じがするので。カンパニーの皆さんと一緒にただただその世界に入り込んで、そこで右往左往して泣いたり笑ったりできたらと思います」。しかも、東京公演が上演されるのは、井上にとって初となる本多劇場。ミュージカルで帝劇などの大劇場に立つことの多い井上の繊細な芝居が目撃できるはず。「小劇場の下北沢のお客様と、ミュージカルの日比谷のお客様が、行き来するきっかけにもなったら嬉しいです」。舞台を愛する俳優の心からの言葉だ。(取材・文:大内弓子)
2022年08月30日2022年4月より本格始動したチケットぴあ主催の若手バンドを応援するライブハウス企画「Grasshopper supported by チケットぴあ」。先日「Grasshopper vol.5」が発表になったばかりだが、早くも、続く「Grasshopper vol.6」の開催が決定した!今回は10月31日(月)下北沢DaisyBarでの開催となり、「すなお」「pavilion」「the pullovers」「umitachi」という新進気鋭の4組が出演する。チケットは、8月29日(月)21:00よりチケットぴあにて販売開始となる。すなおとumitachiは2020年に結成、the pulloversとpavilionは2019年に結成と、4バンドとも始動からまだ2~3年ではあるが、楽曲の放つパワーや瑞々しいサウンド、フレッシュなライブパフォーマンスがすでに話題を呼んでいる注目株だ。ぜひ「Grasshopper vol.6」で彼らのライブを体感してほしい。【Grasshopper vol.6 チケット情報】【Grasshopper supported by チケットぴあ イベントサイト】
2022年08月29日『万博花火プロジェクト 万博夜空がアートになる日2022』が、11月26日(土)大阪・万博記念公園 東の広場にて開催される。「万博花火プロジェクト 万博夜空がアートになる日2022」チケット情報太陽の塔がある万博記念公園を舞台に夜空をキャンバスとした、花火と音楽の新感覚アートプロジェクト。関西が誇る花火師たちが集結した関西花火連合(KFA)が演出を担当。至近距離から見る大迫力の15000発、60分間の花火ショーが実現する!ぜひ会場で、劇術的で圧巻のひとときをお楽しみください。全席指定席で場所取りは不要。9月8日(木)23:59まで早割受付(抽選)を実施中。お得な早割価格で購入できるこの機会をお見逃しなく!
2022年08月29日宝塚歌劇OGの競演が話題を集める『8人の女たち』が、8月27日に東京・サンシャイン劇場で開幕した。前日に行われたゲネプロの様子をレポートする。フランスの劇作家ロベール・トマの戯曲を、フランソワ・オゾン監督がミュージカル映画化(2002年)したことでも知られる本作。宝塚歌劇でトップスター&トップ娘役として活躍したキャストが揃う今回のストレートプレイ版では、上演台本・演出を板垣恭一が手がける。殺人事件が起こった大邸宅の中で繰り広げられるミステリー劇に8人がどう立ち向かうか注目したい。クリスマスイヴの朝、雪に閉ざされた邸宅の主マルセルが刺殺された。外部から不審者が侵入した形跡はなく、クリスマスを祝うために集まった彼の妻ギャビー(湖月わたる)やその妹オーギュスティーヌ(水夏希)、マルセルの妹ピエレット(珠城りょう)、マルセル夫妻の娘シュゾン(蘭乃はな)とカトリーヌ(花乃まりあ)、ギャビーとオーギュスティーヌの母マミー(真琴つばさ)、メイドのシャネル(久世星佳)とルイーズ(夢咲ねね)が容疑者となる。互いに疑心暗鬼になって犯人を詮索するうちに、女たちの嘘や秘密が次々と暴かれて──。青い美術セットに、赤を基調とした衣裳に身を包んだ8人。とにかく全員に芝居心があってセリフが聞き取りやすく、ラストまで息もつかせぬ展開で客席を魅了する。湖月は心の奥底にとある想いを秘めながらも夫人として上品に振る舞うギャビーを体現。時折スポットライトを浴びて“水劇場”が始まるオーギュスティーヌはコメディリリーフとしての役割を果たす。年配者役とは思えない真琴マミーによる“車椅子との付き合い方”にも大いに笑わされた。宝塚歌劇退団後、初の演劇作品となる珠城は艶っぽいピエレット像を立ち上げる。久世シャネルは、実直な仕事で信頼を得ているメイドぶりで劇世界に貢献。同じメイドながら厚化粧で妖しさを醸していた夢咲ルイーズとの対照的な存在感にも注目だ。途中まで狂言回しが冴えていたはずの清廉な蘭乃シュゾン、幼い少年を感じさせる無邪気な言動で周囲を振り回す花乃カトリーヌ姉妹がそれぞれ抱えた秘密も劇世界を紐解く重大なヒントになるだろう。なおオゾンの映画でネタバレを知ってから鑑賞する場合は、ぜひセリフを発していない人物の“オフ芝居”も見届けて欲しい。細かな表情や動作まで緻密につくり込まれた芝居だと実感できるはずだ。上演時間は、約150分(20分休憩を含む2幕)。東京公演は9月4日(日)まで。その後、9月9日(金)〜12日(月)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティへ巡演する。感染症対策を講じて上演される劇場公演のほか、PIA LIVE STREAMでは9月3日(土)17:00開演回の「ライブ配信」を実施。6日(火)23:59までアーカイブ視聴できる。いずれもチケット販売中。取材・文:岡山朋代
2022年08月29日9月17日(土)・18日(日)・19(月,祝)に山口きらら博記念公園にて開催される西日本最大級の野外音楽フェスティバル「WILD BUNCH FEST. 2022」のタイムテーブルが発表された。タイムテーブル写真はこちら⇒初日はSUPER BEAVER、2日目はMy Hair is Bad、そして最終日はKing Gnuがトリを務める。尚、各ステージの前方エリアは入場制限を行い、アーティストごとの事前予約制となる。9月2日(金)12:00から公式アプリにて前方エリア(ステージ前)抽選申込1次受付を実施。申込対象は、8月29日(月)23:59までに入場チケットをご購入の方(お支払いを完了している方)となる。入場チケットは、ぴあにて先行先着を受付中。セブン-イレブン3次先行(チケットぴあ)受付中 ~2022/8/31(水) 23:59▼公演情報WILD BUNCH FEST. 20229月17日(土)・18日(日)・19日(月,祝)開場9:45 / 開演 11:15会場:山口きらら博記念公園(山口県)【9月17日(土)】秋山黄色 / 神はサイコロを振らない / Kroi / 女王蜂 / SUPER BEAVER / sumika / Novelbright / Vaundy / Hump Back / ヒトリエ / フレデリック / HEY-SMITH / MY FIRST STORY / マキシマム ザ ホルモン / Lucky Kilimanjaro / WANIMA【9月18日(日)】KANA-BOON / キタニタツヤ / Creepy Nuts / クリープハイプ / ザ・クロマニヨンズ / Ken Yokoyama / Saucy Dog / the shes gone / Tele / The Birthday / 羊文学 / 04 Limited Sazabys / My Hair is Bad / マカロニえんぴつ / Mr.ふぉるて / 優里【9月19日(月,祝)】打首獄門同好会 / ego apartment / THE ORAL CIGARETTES / King Gnu / go!go!vanillas / SHISHAMO / SiM / 10-FEET / にしな / ハルカミライ / BiSH / Fear, and Loathing in Las Vegas / フジファブリック / MAN WITH A MISSION / ヤバイTシャツ屋さん / YOASOBI
2022年08月29日“茶の湯”をテーマにした特別展「京(みやこ)に生きる文化 茶の湯」が、10月8日(土)より京都国立博物館にて開催される。特別展「京に生きる文化 茶の湯」 チケット情報いまに繋がる茶の湯の原形は、平安時代末頃に中国からもたらされた。茶の湯は、鎌倉時代、南北朝時代、室町時代と時代が進むなかで徐々に和様化し、現在では日本文化を象徴するものとして世界で認知されている。現在でも、茶道の家元や茶家の多くが京都を本拠としており、京都はそうした茶の湯の歴史のなかで、中心的な役割を果たしてきた。本展では、京都にゆかりのある各時代の名品を通して、今なお茶の湯が生きる、千年のみやこ・京都を中心とした茶の湯文化を紹介する。中でも、茶の湯の茶碗の最高位ともよばれる、国宝「大井戸茶碗 銘喜左衛門」の展示や、喜左衛門と並び称され、秀吉が愛用したとされる重要文化財「大井戸茶碗 銘筒井筒」の数十年ぶりとなる関西での公開は見逃せない。また、400年、禅の心をもって守り伝えられてきた名碗。世界に三碗現存するうち、京都・龍光院所蔵の国宝「曜変天目」が10月8日(土)から23日(日)まで公開。さらに、宋の皇帝・徽宗(きそう)筆とつたわる宮廷絵画の傑作、国宝「桃鳩図」が11月3日(木・祝)から6日(日)の4日間、期間限定で公開される。豊臣秀吉の「黄金の茶室」や千利休の「わびの茶室」が再現展示されるので、時代ごとの喫茶の場をぜひ体感してほしい。なお、本展と京都国立博物館での呈茶サービスがセットになった観覧券も販売。表千家不審菴、裏千家今日庵、武者小路千家官休庵、藪内家燕庵の協力を得た呈茶が楽しめる。お土産に、京都国立博物館公式キャラクター・トラりんとコラボした京都・老松の和菓子もプレゼント。チケットは発売中。
2022年08月29日毎年9月に発刊されてきた『究極のラーメン 関西版』(ぴあ)が、今年は11月末に発売されることが決定した。近年、盛り上がりを見せる関西のラーメンシーンにおいて、大阪では9月から年末にかけて最も新店がオープンするタイミングとなっていたが、今回、11月発刊となることで最新のニューオープン情報が掲載可能となり、「関西エリアNo.1ラーメン情報誌」がさらにパワーアップ!そして昨年、第10回メモリアルとして注目を集めた、関西最強のラーメンを決定する人気企画「究極のラーメンAWARD関西」も併せて発表される。現在、“関西ラーメン四天王”と呼ばれる有名ラーメン通4名が、1000店以上ものノミネート店の中から「いま食べるべき一杯」を絶賛選考中。この関西ラーメンマニアの必須バイブル本を手に、2022年の関西ラーメンシーンを総括しつつ、新たな2023年に訪れるべきお店を先取りしておこう!『究極のラーメン2023 関西版』11月28日(月)発売予定予定価格990円(本体900円)ぴあオンライン書店にてご予約受付中!【Amazon】【楽天ブックス】【BOOKぴあ】
2022年08月26日FM802「ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-」が2014年から毎年夏にお送りしてきたインドアイベント、『HIGH! HIGH! HIGH!』。今年は大阪城ホールにて9月25日(日)に開催される。出演者は、クリープハイプ、Saucy Dog、SHISHAMO、フレデリック、ヤバイTシャツ屋さん、緑黄色社会、WurtSの7組。「ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!- SPECIAL LIVE HIGH! HIGH! HIGH! Supported by ナカバヤシ」チケット情報この度、「大阪来てな!キャンペーン」の一環として『HIGH! HIGH! HIGH!』のオフィシャルツアー「新幹線+大阪市内ホテル宿泊プラン」が決定した。東京、福岡から新大阪駅までの往復新幹線チケットに、公演日当日(9月25日)の大阪市内ホテルの宿泊がつく。今ツアー参加者には、大阪城天守閣特別招待券と、イベントトートバック(オフィシャルグッズ)もプレゼント!お得な特典満載のツアーとなっている。ご応募は特設サイトで受付中。なお、公演のみのチケットは8月29日(月)23:59まで先行抽選プレリザーブ受付中。
2022年08月26日大阪・堺出身のTHE→CHINA WIFE MOTORSとGOOD4NOTHINGが「地元に恩返しをしたい!」という強い想いで2013年3月にスタートした、堺発ロックフェス『SAKAI MEETING』。今年はイベント発足10周年を記念して、12月3日(土)・4日(日)に始まりの場所、泉ヶ丘ビッグ・アイにて、初めての2DAYS開催となる。「SAKAI MEETING 2022 10th ANNVERSARY」チケット情報第一弾出演者として、Dizzy Sunfist、GARLICBOYS、Left、locofrankの4組が発表された。日割りは後日発表される。チケットは、8月31日(水)23:59までオフィシャルHP1次先行(抽選)受付中。
2022年08月25日草木染作家の坪倉優介氏が過去に交通事故で記憶喪失となり、「食べる」「眠る」などの感覚すら忘れてしまった体験を綴った著書をミュージカル化した「COLOR」。9月5日の初日が迫るなか稽古が公開され、3つのシーンがいち早く披露された。坪倉氏がモデルのソウタ役には浦井健治と成河、その母・ヨウコには濱田めぐみと柚希礼音。浦井×柚希、成河×濱田の2チームに分かれて上演される。抜粋された中には2チームが同じシーンを演じた箇所もあり、わかりやすく比較することもできたのだが、親子関係の見え方が明確に異なる印象。たとえば、一方は友達親子のようであり、一方はもう少しドライで互いが自立した親子関係であるというような。4人のよく咀嚼し練られた演技に触れると、劇中では描かれない事故以前の関係性などへも想像が豊かに膨らむ。ちなみに相手チームの表現に影響されすぎることがないかと聞くと、「観ていると楽しすぎて分析して観るようなことができないから、今回はそんなに影響されないですね」と濱田。ヒット曲「トイレの神様」の植村花菜が手掛けた音楽は、言葉と気持ちが観る者にスッと入ってくる素直なメロディ。柚希曰く、「歌うと難しく感じますが、、聴くと歌詞がスポンと入ってきて、ぽかぽかとピュアな気持ちになります。それはきっと花菜さん自身がピュアで、役の思いで曲を作っているから」。初日まで2週間あまり(取材時)。一刻も惜しいはずの新作ミュージカルの制作現場だが、地に足の着いた時間が流れている印象で、現場が何よりこの作品の創作を楽しんでいる。「“みんなで作る”って、ただただ面倒で全然簡単なことじゃない(笑)。その“みんなで作る”がここまで極まったカンパニーってそうそうない」と百戦錬磨な成河は言い切り、「お客様に観ていただくのは当然楽しみなんですが、作ることの喜び、それこそが本当の醍醐味だということを僕は今回学んでいます」と、浦井も応えた。そして、「ゴールはない。探し続ける、何かを。その何かをお客さんと共有できるかというのを僕も楽しみにしています!」と、成河から力強いメッセージ。その“何か”の、観客それぞれのCOLORを確かめに、ぜひ劇場へ。取材・文:武田吏都
2022年08月25日「京都嵐山オルゴール博物館」が全国での企画巡回展を企画し、半田赤レンガ建物での開催が10/6(木)に決定、同時にクラウドファンディングによる貴重なオルゴールの復元プロジェクトも実施する。オルゴール、というと宝石箱やオブジェなどでお馴染みなのではないだろうか。しかし展覧会では、これまで見たことがない「オルゴール」の数々が展示される。そもそもオルゴールとは、ゼンマイの力を動力源として、調律された鋼鉄の板(櫛歯)を弾いて音楽を演奏する「自動演奏装置」となる。200年以上も前に登場しており、1796年にスイスの時計職人によって発明されたのがはじまりだという。少ない音数で単純なメロディを演奏することしかできなかった初期から、需要の高まりにあわせて本格的な演奏装置として発展。多種多様なオルゴールが製作されることとなった。展覧会では、わずか直径3cmの印章に内蔵されている世界最古のオルゴールから、ゼンマイを動力に動くオートマタ(自動人形)まで、貴重な50点のコレクションが展示される。また博物館の貴重なコレクションを復元するためのクラウドファンディングが実施中だ。復元には、音の調律から木工技術、はては人形の顔や洋服を修復する技術までもが必要となる。さらに100年、150年も前のオルゴールではそもそも部品がないこともあるという。そんな大変な思いをしてでも復元されなければ、永遠にその音色は失われ、動くことはなくなってしまう。100年以上もの音色を現代でも聞き続けるために、ぜひ協力してみてほしい。リターンにはひとつひとつ手作業で作られた可愛らしいオルゴールなどもあるので、チェックしてみよう。(公演概要)オルゴール博物館展 in 半田赤レンガ建物▼10月6日(木)~16日(日)平日/10:00~19:00(最終入場時間18:00)土日祝/9:30~21:00(最終入場時間20:00)半田赤レンガ建物大人-1000円 中高生-600円(当日要学生証提示) シニア(60歳以上)-900円(当日要証明書提示)※小学生以下は無料(要保護者同伴)。Pコード:993-884
2022年08月25日2022年4月より本格始動したチケットぴあ主催の若手バンドを応援するライブハウス企画「Grasshopper supported by チケットぴあ」。5回目となる「Grasshopper vol.5」は9月26日(月)下北沢CLUB Queにて、「クジラ夜の街」と「bokula.」の2マンライブで開催することが決定した。チケットは、8月24日(水)20:00よりチケットぴあにて販売開始となる。2017年に結成し、独特のセンスが聴き手を捉えるメロディと歌詞、そして観客を引き込む熱量が圧倒的なライブパフォーマンスで注目度が高まっている、クジラ夜の街。広島市を拠点に活動し、誰もが共感できる日常を切り取った歌詞とキャッチーなメロディ、瑞々しいバンドサウンドとは裏腹な叙情的なライブパフォーマンスが支持されている、bokula.。今後のバンド界を担っていくであろうこの2組のライブを、ぜひこの機会に体験してほしい。【Grasshopper vol.5 チケット情報】【Grasshopper supported by チケットぴあ イベントサイト】
2022年08月24日2017年に初演し、完売となった大ヒット作『クレオパトラ』。Kバレエを率いる芸術監督・熊川哲也が演出・振付・台本を手掛けたオリジナルのグランド・バレエが、5年ぶりに大阪・フェスティバルホールに登場、新キャストでよみがえる。クレオパトラ役には熊川に「完璧なバレリーナの象徴」と言わしめた西宮市出身の日高世菜(※高ははしごだか)と、プリンシパルに昇格した大阪府出身の飯島望未がWキャストで出演。昨年末、Kバレエの『くるみ割り人形』でフェスティバルホールに初お目見えしたふたりだ。また今回は熊川がダンサーとしてジュリアス・シーザー役で出演、日高と踊るのも話題に。熊川は2014年の『カルメン』以来8年ぶりの関西登場となり、夜公演のチケットは既に完売。その熊川が来阪し、今作の誕生と魅力を語った。熊川哲也 Kバレエ カンパニー チケット情報エキゾチックな美しさと華やかさに満ちた舞台だ。斬新な造形美と空間使いの舞台装置、個性が際立つ洗練された衣裳、そしてデンマークの作曲家カール・ニールセンの音楽が見事にマッチし、クレオパトラは光り輝く女王のオーラを放つ。紀元前のエジプトとローマが舞台の物語はドラマチックでスリリング、熊川ならではの繊細かつダイナミックな振付で表現される。クレオパトラの激動の半生が圧倒的なスケールで描かれた全2幕8場、まさに大作だ。「全身全霊を賭けてゼロから作り上げた、壮大なスペクタクル作品です」と熊川は胸を張る。その始まりは、題材に「クレオパトラってどうですか?」と言ったスタッフの一言。そこに熊川のアンテナが反応した。「“クレオパトラ”はバレエの作品名として、これ以上ないインパクトがある」。そして「エジプトを題材にした作曲家をしらみつぶしに探して、たどりついたのがニールセンの『アラジン』。冒頭の曲と出会った瞬間、これだ!と」。創造力に火が付いた。「壁画を徹底的に見ました。そうするとだんだん動いているように見えてきたんです」。また、クレオパトラの造形は「ものすごく神々しさを備えた存在で、人間に思えない。だから神の化身の蛇にしようと」。ある時は蛇に変わり、クレオパトラにもなるクリーチャーだ。人間ではない役を演じるなら、と、もうひとりのクレオパトラに飯島をキャスティング。「並外れた演技力、表現力を持つ女優ダンサー」と高く評価し期待を込める。飯島は19年にシャネルビューティアンバサダーに就任、ファッション業界でも注目を集め若いファンも多い。今回の舞台は大きな節目となるだろう。全編が見どころの今作。「どこを切り取っても美しい作品。バレエは舞台上で繰り広げられる最高の景色だと思っています。いい景色をながめに来てください」。公演は10月26日(水)から30日(日)まで東京・Bunkamuraオーチャードホール、11月3日(木・祝)大阪・フェスティバルホール、11月7日(月)札幌・札幌文化芸術劇場hitaruにて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2022年08月24日福岡・博多座、愛知・御園座を巡演した『超歌舞伎2022 Powered by NTT』が、8月21日に東京・新橋演舞場で開幕。これを受けて行われた会見に、出演者の中村獅童、小川陽喜、澤村國矢が登壇した。2016年の「ニコニコ超会議」で誕生した『超歌舞伎』は、獅童ら歌舞伎俳優とボーカロイド(バーチャルシンガー)の初音ミクが最新技術のもとで競演する新趣向の歌舞伎公演。これまで千葉・幕張メッセといったイベント会場を中心に有観客上演がなされてきたが、今年は歌舞伎を上演する劇場進出と同時に4都市ツアーも果たす。博多・名古屋公演を「一公演一公演、僕らにとって戦いでした」と振り返った獅童。「これまでイベント(ニコニコ超会議)の一部だった演目が、歌舞伎の劇場に進出する。サブカル好きの若者に喜んでもらうだけでなく、歌舞伎を昔からご覧になっている古典好きのファンに納得していただけるクオリティを目指しました」「演技法・化粧・衣装はすべて伝統的な古典にこだわり、バーチャルとのコントラストがくっきり出るように工夫して」と胸を張る。その結果、客席には初音ミク推しの観客に加えて古典歌舞伎ファンの姿も。獅童は「法被をお召しになっている熱狂的なミクさんファンの存在を心強く感じて『この方に倣ってペンライトを振ってください!』とお手本になってもらう場面もありました」と笑う。ただ終演後に土産としてペンライトを購入する歌舞伎ファンがいたらしく、獅童は「上演中に振って一緒に盛り上がるからこそ楽しい」「ペンライトのご購入はぜひ開演前に」と目配せすることも忘れない。1月の『壽 初春大歌舞伎』にて初お目見得となった陽喜は、芝居のどんな点が楽しいか問われると「立ち回りです!」と元気に回答。獅童はその様子を温かく見守りつつ「衣裳は仁王襷(におうだすき)にお化粧も“むきみ隈”という隈取りで、劇中には見得を切る動作もあって。陽喜の大好きなものが詰まっているから毎日楽しく取り組んでいます」と日常を明かすだけでなく、「失敗したら楽屋で自主稽古していると聞いて成長を感じました」と目を細めた。また「永遠花誉功(とわのはなほまれのいさおし)」のみ上演の「リミテッドバージョン」で主演を務める國矢は「博多・名古屋での盛り上がりを受け自信をもってこの新橋演舞場でも務めさせていただきます」「獅童さんのパワーに喰らいついていく所存です」と意気込む。獅童は國矢を「新しい『超歌舞伎』の世界で生まれたスター」と紹介し、「がんばれば道が拓けることを体現し、後進のお手本になってくれたら嬉しいですね」と期待を込め、エールを送っていた。東京公演は9月3日(土)まで。その後、9月8日(木)~25日(日)に京都・南座へ巡演する。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2022年08月24日大学生のドロシーが音楽の都「OZの王国」に飛ばされて、かかしやブリキ、西の魔女たちと出会う――。世界中で愛されてきたライマン・フランク・ボーム作の『オズの魔法使い』を現代にリメイクした新作ミュージカル『DOROTHY~オズの魔法使い~』が初演を迎える。今作で、西の魔女に扮する凰稀かなめが話してくれた。ミュージカル「DOROTHY~オズの魔法使い~」チケット情報『オズの魔法使い』が昔から大好きで、絵本をはじめ、ジュディ・ガーランド主演の同名映画や、ディズニー制作の映画『オズ』などを観てきたという凰稀。「レンタルビデオ店で、ビデオを借りては戻し、借りては戻ししていましたね。特にドロシーがオズの国でかかしやブリキ、ライオンと出会うシーンがすごく好きで、その後一緒に冒険していく物語にも強くひかれていました」。今作の物語の設定は、とある大学のオーケストラ部。コンサートマスターでプロのヴァイオリニストとしても活躍するドロシー(桜井玲香)は、部内をまとめ、上に立とうとするあまり皆とうまくいかない。不満が噴出する楽団員との不協和音で、彼女は音楽の都「OZの王国」へと飛ばされてしまう。映画『オズの魔法使』の西の魔女は緑色の顔とその不気味さが特徴だ。今回、オファーを受け「まず、顔を緑に塗りますか?」と聞いたと笑う。「それはないということでした(笑)。原作では西の魔女はドロシーたちをしもべにしようとする悪役ですが、今回は、悪いだけではないというところを描くんです」。西の魔女はオズの国を統一し、支配しようとしている。「なぜ、そうなったのか。物語では語られない彼女のバックボーンを考え、ドロシーの思いを聞いて変化していく様を演じるのが難しいですね。どう見せるか稽古場で悩んで試行錯誤している状態です」と話す。元宝塚歌劇団宙組トップスターだったこともあり、今作のドロシーには共感する部分が多いという。「宝塚時代を思い出しましたね。ドロシーと部員の心のすれ違いが描かれていて、対人関係は難しいなと。上には上の思いもあるんです。お客様も、自分が今置かれている状況によって、共感する部分や、見えてくるものが違うと思います。でも、最後にはほっこりできる。音楽もすばらしいですし、何回でも観ていただきたいですね」。自宅にいると、演じる人物が降りてきて、その人と対話することが今までの凰稀の役作りの仕方だった。西の魔女とはどんな会話を交わしているのかと尋ねると、「それが、ワンちゃんを飼い始めて、犬が怖がるからやめたんです(笑)。今はワンちゃんとは違う別の部屋で稽古をしています」と明かす。その何ともいえないチャーミングさも彼女の魅力。どんな西の魔女になるのか、OZの王国で確かめてほしい。公演は、東京・日本青年会館ホールを皮切りに全10都市を巡演(8月20日(土)から26日(金)の東京公演は中止)。兵庫公演は9月16日(金)から19日(月・祝)まで、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて。チケット発売中。取材・文:米満ゆう子
2022年08月24日生まれつき両目がなく、知的障害がある女の子・千璃とその家族を描いたミュージカル『SERI~ひとつのいのち』が上演される。家族を演じる山口乃々華、奥村佳恵、和田琢磨が大阪市内で開かれた取材会で、それぞれの思いを実体験も交えて語った。conSept Musical Drama #7 SERI~ひとつのいのち」チケット情報同作はニューヨークで会社を経営する倉本美香氏の手記『未完の贈り物』を元にミュージカル化。両眼性無眼球症で知的障害を抱え、言葉が話せない千璃(山口)を、母親の美香(奥村)と父親の丈晴(和田)が悩み苦悩しながらも育て、家族が再生していく姿を綴る。実在人物を演じることについて山口は、「責任もあるし、嘘のないように演じたい。誕生から主に6歳までの千璃ちゃんを、魂と実体に分けて歌やダンスで表現しますが、彼女のピュアで豊かな感情を目一杯表せたらと思います」と話す。奥村は「実在人物を演じるのは圧ではありませんが、ドキドキします。作品には家族の苦悩や喜びが描かれていて、私の役割は私の声や体を使ってそれをお届けすること。たくさんある素敵な要素も皆で見つけて表現していきたいです」と語る。和田も「ご本人たちとお会いしたわけではないですが、台本を信じて真摯に向き合うことが役者の務め。いい作品にしたいという出演者の思いがご家族に届いて、観客にも何か与えられると信じて頑張ります」と意気込んだ。障害と共にどう生きるかが物語のテーマ。「普段、生活していても分からない、目に見えない障害もある。障害がある人は、こういう場合はしんどいんだとか、自分の中に持っていなかった新たな視点が生まれ、他人事ではないと感じてもらえれば」と奥村。山口は「もう亡くなりましたが、私の祖父は目が見えなくて障害は身近でした。でも、身近すぎて、祖父が何を感じているのか聞いたことがなかったんです。足音で私が来たことがいつも分かり、『なんで分かるの?』ということすら当たり前すぎて聞けなかった。今回は、障害と生きていくのがどういうことかを向き合って学べる機会だと。より深く知り発信することでつながっていきたいです」と打ち明ける。和田は「今はひとりで生活できるぐらいに回復したんですけど、4年前に僕の父親が100万人に一人という脳の病気になって働けなくなった。『和田さん一家は美男美女でうらやましいね』と言っていた周りが急にコロッと変わったり、家族とも距離ができたりして、状況が急変することを実感しました。『SERI』は家族や周りの人間に対して、思ってはいたけれど言葉にできなかったことを話す勇気を与える作品。お客様にもそのきっかけになればいいなと思います」と力を込めた。公演は10月6日(木)から16日(日)まで東京・博品館劇場、10月22日(土)・23日(日)大阪・松下IMPホールにて。チケットは8月27日(土)一般発売開始。一般発売に先駆け、8月13日(土)11:00から17日(水)11:00まで大阪公演のチケット先行抽選プレリザーブ受付実施。取材・文:米満ゆう子
2022年08月24日ピアニスト横山幸雄が2013年にスタートした「ベートーヴェン・プラス」のシリーズ8回目[9月18日(日)東京オペラシティコンサートホール]。ベートーヴェンを軸に、他の作曲家とのさまざまな接点を探る旅だ。午前中から夕方まで続くボリュームたっぷりのコンサート。今回は「変奏曲」をテーマに弾く。「ベートーヴェンのソナタをおおむね時系列に並べて弾いてきました。前回で全32曲を弾き終えて、でもまだ《ディアベリ変奏曲》が残っている。それで今回は変奏曲がテーマというわけです」《ディアベリ変奏曲》とJ.S.バッハの《ゴルトベルク変奏曲》を軸に、ベートーヴェンからは《エロイカ変奏曲》や、ソナタの中に変奏の楽章を持つ第23番《熱情》と第32番、さらにハイドンとモーツァルトの変奏曲を一挙に弾く。「《ディアベリ》と《ゴルトベルク》を組み合わせるのは、プログラムとしてはとてもきれいなのですが、とてつもなく大変で、発表するのをためらったぐらいです」《ディアベリ》と《ゴルトベルク》は変奏曲の歴史の金字塔。そこに《エロイカ変奏曲》も加えて変遷を語る。「《ゴルトベルク》は、バロックの時代にバッハが一人でやり遂げてしまった、芸術的な変奏曲の完成品なんですね。彼の前後にそういう作品はなく、ハイドンやモーツァルトの時代には、即興演奏の一つとして変奏が存在していた。若い頃のベートーヴェンもそういう変奏曲をたくさん作っていますが、ソナタのような真剣勝負の芸術作品としては捉えていなかった。それが《エロイカ変奏曲》で芸術作品としての変奏曲の可能性を切り開いたんです。ベートーヴェンのエネルギーが変奏曲の世界を大きく広げた。そしてあまりにも巨大な《ディアベリ》に到達する。そんな歴史がわかる、非常に良いプログラムだとは思うのですが、弾くのがめちゃくちゃ大変(笑)。これまでのシリーズの中で、間違いなく最も過酷なプログラムです」当初は作曲家生誕250年の2020年で完結予定だったシリーズ。ソナタもディアベリも弾き終え、もしかしてこれで終了?「そういうつもりではないです。終わりにしなくちゃいけない理由もない。ベートーヴェンと何かを関係づける形を見いだしながら、しばらく続けていきたいと思っています」となればゴールは没後200年の2027年か。ともあれ、横山幸雄とともに辿る「ベートーヴェン+音楽史」の旅はまだまだ続く。ご安心を。(宮本明)
2022年08月24日Jホラーブームの火付け役となった、鈴木光司・作の『リング』シリーズ。そこに登場する怨霊・貞子は、映画はもとよりWebサイトやゲームにまで登場、今や国内外で知名度抜群の日本のホラークイーンだ。その貞子が初めて歌舞伎の舞台に登場する。「日本怪談歌舞伎(Jホラーかぶき)」と銘打った今作は、貞子と歌舞伎の「皿屋敷伝説」が古井戸を通して時空を超えて交錯する、新作歌舞伎『時超輪廻古井処(ときをこえりんねのふるいど)』として上演。脚本・構成は新作歌舞伎の『NARUTO‐ナルト‐』や『風の谷のナウシカ』を手掛けたG2。出演は片岡愛之助、今井翼、中村壱太郎ら、人気シリーズ『GOEMON 石川五右衛門』のメンバーを中心にした座組でお届けする。主演の愛之助が東京で行われた製作発表で、意気込みを語った。Jホラーかぶき 日本怪談歌舞伎 貞子×皿屋敷『時超輪廻古井処』 チケット情報オカルトファンの愛之助に「初めて映画を拝見した時は衝撃でした。怖くて夜中にトイレに行けなくなったり、しばらく怖かったですね」と言わしめた『リング』。その貞子と共演すると聞き「昔から見ていた貞子さんですから、感慨深いものもあり、すごくワクワクしています」。物語は、室町時代後期。足利幕府が機能不全となった乱世に乗じ、天下掌握の野望を抱く細川家の国家老・浅山鉄山(愛之助)は、邪魔な忠臣・船瀬と許嫁・お菊(壱太郎)を井戸に沈めて殺害。しかし、不思議な力によって鉄山も井戸に引きずり込まれてしまう。500年後の現代。同じ古井戸のそばで、古いビデオテープの映像を見た若者たちが謎の死を遂げ、神官の室戸光(今井翼)が調査に乗り出すが…。「歌舞伎の『播州皿屋敷』の世界と貞子の世界が融合されている感じです」。よく上演される『番町皿屋敷』とは違い「残酷で、これだけでも十分にホラーな作品。お菊を縛り上げて竹刀でビシビシ叩くんですよ。鉄山、なんて恐ろしい役だと」。愛之助は11年前に松竹座で『播州皿屋敷』の鉄山を演じている。今回は「同じ役ですが、ただ怖いだけではなく、ちょっと愛嬌のある部分など、人間らしさがより濃く描かれていると思います」。現在はG2の描くプロットに、よりおもしろくなるよう自らのアイデアを提案しながら制作中だ。「人の思いや念というものが時空を超えてやってきます。怖さ倍増、いや倍以上かも(笑)。でも歌舞伎ですからね、怖すぎて観るのがイヤという人がいても困るので(笑)。初日が開いてみないとどんなものになるかわかりませんが、全力で傾(かぶ)いて盛り上げていきたい。『GOEMON』のように何度も再演され、できれば海外公演も」と意気込む。公演は、10月3日(月)から25日(火)まで、大阪松竹座にて。チケットは、8月24日(水)一般発売。また、10月28日(金)からは映画『貞子DX』も公開される。取材・文:高橋晴代
2022年08月23日NHK Eテレの音楽番組「ららら♪クラシック」(2012年4月~2021年3月)のわかりやすさと楽しさはそのままに、司会の高橋克典による案内のもと、一流音楽家の生演奏を体感できる「ららら♪クラシックコンサート」。今回は「クラシック界 期待のヴィルトゥオーソ~国際コンクールの受賞者たち~」と題し、ワールドワイドに活躍する日本の若手演奏家6名による贅沢な競演をお聴きいただけます。出演者のひとり、2015年のロン=ティボー=クレスパン国際コンクールにて第3位(1位なし)、最優秀リサイタル賞、最優秀新曲演奏賞を受賞した日本の若手を代表するピアニスト、實川風(じつかわ かおる)さんにお話を伺いました。――今回演奏されるチャイコフスキーの『ドゥムカ』とは、ずいぶん長い付き合いなのだとか。中学3年生の時に先生が勧めてくれたのがきっかけで弾くようになりました。――ロン・ティボーでもプログラムに入れておられましたが、どんな曲なのでしょうか?この曲のドゥムカは「哀歌」という意味なのですが、さらにサブタイトルに「ロシアの農村風景」とあります。僕のイメージでは厳しい冬の農村から物語が始まります。極寒の季節に家の中でウオッカを飲むおじさんの歌……悲しさや、やるせなさがそこはかとなく広がっていきます。中間部はテンポを上げて、お酒の力で元気になった人々が無骨なダンスを踊り始める。そんなシーンに続いて猛吹雪が吹いてきたり、さまざまな情景が目の前に広がっていきます。オペラやバレエ音楽を切り取ったような世界が、8分くらいの間に次々と展開していく。コンクールだったりコンサートだったり、演奏するたびに新しい風景が見える曲です。――ピアノの魅力について教えてください。一人で、同時に色々な音楽の要素を表現できるところでしょうか。メロディーを弾きつつベースのラインも作り、内声のタイミングや呼吸もコントロールしながら、一人で音楽の世界を描き出せるのが魅力ですね。反面、そこがこの楽器の難しいところでもあるのですが……。僕はオーケストラが好きなので、一人ではできないことへの憧れがあるのですが、ピアノソロの素晴らしさは「この人はどういう人で何をしてくれるのか」という、“ピアニスト一人だからこそ到達できる音の世界”にあると思います。――本公演への思いをお聞かせください。やはり生のコンサートで、自分が思い入れを強く持っている曲を会場全体と共有できる時間は特別です。お客様とひとつの空間で音楽の持つ可能性を体験できたら、ということをいつも心がけています。作曲家の音符を理屈だけではなく、“ひとつの体験”として全身が満たされるような時間にできたら理想ではないかなと思っています。(文・坂井孝著)
2022年08月23日9月24日(土)・25日(日)の2日間、大阪府泉南市・SENNAN LONG PARKにて開催される『GREENROOM BEACH』のタイムテーブルが発表された。「GREENROOM BEACH」チケット情報Sandy stage、Palmtree stageと分かれている2つのステージで、それぞれアーティストが会場を盛り上げる。初日のSandy StageはNulbarichがトリを務め、2日目は海外からBob Sinclar、Donavon Frankenreiterがそれぞれトリを務める。随時発表される追加情報もお見逃しなく!チケットは発売中。
2022年08月22日仲道郁代のライフワークであるベートーヴェン。その解釈と演奏はますます独自の深みを増している。作曲家没後200年の2027年に向けての横浜みなとみらいホールでの「ピアノ・ソナタ全曲演奏会」は、全32曲を4期(8回)に分けて弾き切るシリーズ。第II期の第3回[12月3日(土)]と第4回[2023年4月8日(土)]について聞いた。番号順に、つまりおおむね成立年代順に弾いていくのではなく、今回の全曲シリーズでは各回ごとにテーマを設け、さまざまな切り口でプログラムを組んだ。「ベートーヴェンの思考のかけらが、時を経て、さまざまな作品に現れる。その共通点をみなさまとともに感じることができればと思っています」全体のラインナップを見て気づくのは、何度か同じ曲を演奏すること。第II期で言えば、12月の第17番《テンペスト》や第23番《熱情》、4月の第8番《悲愴》は、他の回でも演奏する。「32曲のソナタの中にある、ベートーヴェンのいくつもの顔を浮き彫りにするためです。同じ曲でも切り取り方によって私の捉え方も変わると思いますし、お聴きになった印象も変わるのではないかと思います。ベートーヴェンの音楽はそれぐらい豊かな表情を内包している。一面だけの音楽ではないのですね」第3回は「テンペスト~飛翔する幻想」をテーマに、第6番、第17番《テンペスト》、第23番《熱情》、第22番、第28番を弾く。「第28番は、ロマン派の幻想曲の大もとになっている形式です。それだけではなくて、同時期の連作歌曲集《遥かなる恋人に》に込めた思い、ものすごくロマンティックな想念がこの中にもあるんですね。《テンペスト》のストーリー性、《熱情》の幻想的な情熱、第6番の演劇的なコメディのようなやりとりの気配。〝幻想〟がさまざまな形で飛翔しているというのがこのプログラムです」第4回「悲愴~はるかなる憧れ」は第3番、第18番、第8番《悲愴》、《エリーゼのために》、第31番。「悲愴と憧れという、相反する言葉ですが、《悲愴》の持つ、辛さ、悲しみの先に、前へと進もうとするエネルギーを捉えることができるプログラムです」第4回の公演前には、仲道が所有するベートーヴェン時代のピアノを弾きながらのプレトーク&コンサートも。(レプリカでなく)1816年製のオリジナルのブロードウッド。これは2公演セット券購入者限定の特典だ。見逃せない。(宮本明)
2022年08月21日藤巻亮太 (C)川野結季歌ミュージシャンの藤巻亮太が地元・山梨で主催する野外音楽フェス「Mt.FUJIMAKI 2022」が2022年10月1日(土)、2日(日)、山梨県の山中湖交流プラザきららで開催される。2018年にスタートした「Mt.FUJIMAKI」だが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、20年は開催を断念、21年は都内から無観客生配信での開催となった。今回、3年越しの想いを込めて、初めて2日間での開催が決定した。藤巻は「ようやく現地でできるぞと楽しみです」と期待に胸を膨らませる。地元の山梨での開催にこだわる理由を「初年度から変わりません。シンプルに気持ちのいい場所なんです。初秋は富士山がよく見えるし、気持ちのいい風が吹くし、気候もちょうどいい。そんな山梨で、県内外の人に、最高の音楽を楽しんでいただきたいと思います」と語る。1日目は奥田民生、岸谷香、竹原ピストル、中島美嘉、橋本絵莉子、2日目は真心ブラザーズ、MONGOL800、Salyu(×salyu)、小山田壮平(band set)、Saucy Dogがゲスト出演。「昨年、一昨年と現地にお招きできなかった方々にも改めて声掛けしたところ、出てくださることになって、感謝です。新しく出てくださることになった方へも期待しています。僕としてもすごく好きな尊敬するアーティストの方々。どんな歌を歌ってくださるのか、自分自身も楽しみにしてます。Mt.FUJIMAKIバンド(=ハウスバンド)にのってもらって一緒に演奏させてもらう方もいるので、その方々とはここでしか聴けない音楽を届けられたらと思います」と話す。もちろん、藤巻自身も出演する。1日目はトップバッターとして「最高に気持ちの良い雰囲気が伝わるような」弾き語りを、2日目は締めとして「みんなで盛り上がったり、藤巻はこういう音楽をやりたいんだという姿勢が伝わるような」バンドアクトを予定しているという。ソロ活動を始めてから今年で10周年。その道のりを「うろうろしながらやってきましたが、自分なりに『音楽って最高だな!』という楽しさをまた見つけた気がします」と振り返る。挑戦だった「Mt.FUJIMAKI」のほか、アーティスト同士の共演や交流、そして観客の前で歌を歌うことに、刺激や影響を受けているといい、「そうしたことが養分になって、また自分の中で楽曲になってく。“循環”の中にいる感覚があって。それはすごくミュージシャンにとって大事なことなんだろうなと思う」と前を向く。最後にフェスを楽しみにしている観客へのメッセージを求めると、「暑くもなく寒くもなく、本当に気持ちのいい季節。ロケーションだけでも最高なんですけど、これだけ豪華な皆さんの曲が聴けるのは、滅多にないこと。僕もそんな空気を感じながら、歌を届けたいと思いますので、ぜひ遊びに来てほしいと思います!」と話した。取材・文:五月女菜穂
2022年08月18日『シュレック・ザ・ミュージカル』トライアウト公演が、8月15日のプレビュー公演を経て開幕した。観劇と初日会見の模様をレポートする。ドリームワークス制作によるアドベンチャーコメディ映画『シュレック』シリーズの第1作(2001年)を、デヴィッド・リンゼイ=アベアーの脚本・作詞、ジニーン・テソーリの作曲でミュージカル化した本作。米ブロードウェイ初演版(2008年)を凝縮した90分のトライアウト公演として日本へ初上陸するにあたって、翻訳・訳詞・音楽監督を小島良太、演出・振付を岸本功喜が手がける。人里離れた森の沼地で気ままに暮らしていた怪物シュレック(spi)は、領主ファークアード卿(泉見洋平)から追放されたおとぎ話のキャラクターたちと遭遇する。静かな生活を取り戻したいシュレックは追放令を取り消すよう交渉。すると、彼が結婚を望む囚われのフィオナ姫(福田えり)を城から助け出すことを交換条件に出される。軽妙に喋るロバ・ドンキー(吉田純也)を道連れに仕方なく救出の旅へ出たシュレックは、やがて“真実の愛”を見つける。シュレックやフィオナ姫の置かれた境遇の背後には、いま社会全体で警鐘が鳴らされているルッキズムの弊害が見え隠れする。だがこうした世相を、キャスト・スタッフが生み出す“笑い”でコーティングしているのが本作の魅力といえるだろう。spiは卑屈ながら心の奥底に優しさを秘めたシュレック像を実現するだけでなく、緩急自在の“間”を使い分け抜群のコメディセンスを発揮。特殊メイクで表情はわかりづらいものの、繊細かつ力強い歌声から伝わるキャラクター像は非常に雄弁だった。福田が打ち出す強烈なヒロイン像にも笑わされた。救出の瞬間をロマンチックな出逢いの場にしようと目論む、シュレックとの不幸自慢をオナラ&ゲップ合戦(=子どもの観客に大ウケ)に発展させるなど枚挙に暇はないが、次々と繰り出されるコミカルな立ち居振る舞いが作品の明るさを支える。お喋りが止まらない陽気な吉田ドンキー、出オチ感に満ちた泉見ファークアード卿も劇世界のキャラクターになりきり、実力派揃いの“歌うまモンスター”が客席の爆笑をかっさらっていた。閉幕後には初日会見が実施され、spiと応援サポーターを務めるハリセンボンの近藤春菜が出席。長年「シュレックじゃねーよ!」と否定し続けてきたからこそ「作品との縁が生まれた」と持ちネタを交えてコメントした近藤は、「特殊メイクをした姿であれほどの歌唱力と演技力、感動しました!」とspiを絶賛する。spiの「差し入れにクッキーやラーメンを頂戴して」というボケに、近藤はステラおばさんや角野卓造といったおなじみの名前を出して応戦。報道陣を和ませた。上演時間は約115分(20分休憩を含む2幕)。公演は8月28日(日)まで、東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)にて。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2022年08月18日