チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (43/342)
童話に新しい解釈を与え、大人向けファンタジーとして創り上げたミュージカル『INTO THE WOODS』が2022年1月に日生劇場、2月に梅田芸術劇場メインホールで開幕する。1986年に発表され、翌年ブロードウェイで初演されたミュージカルで、これまでに世界各国で上演されてきた本作。日本でも複数の演出家によって舞台化されてきたほか、2014年にはロブ・マーシャルが監督を務め、ディズニーにより実写映画化(日本公開は15年)されている。魔女に呪いをかけられたパン屋(夫)を演じるのは、渡辺大知。音楽活動と並行して、俳優としても活動を広げ、映像のみならず、舞台『ねじまき鳥クロニクル』(2020)で主演するなどしている。すでに本作の脚本の第一稿を読んだという渡辺に、その印象を尋ねると、「知っている寓話の裏側を見るような展開かと思っていたら、そうではなくて。寓話の登場人物たちが、いち人間になっていくというか。自分が演じるパン屋という役どころが、自分の意思とは反して、いろいろな登場人物をこのストーリーに迷い込ませてしまっているような感じもしました」と語る。真面目な性格なのだろう。演出の熊林弘高との会話の中で『ジャックと豆の木』のジャックを“大人”にしようと思っていると聞いたことを明かした上で、「自分の思い描いたストーリーではちょっと臨めないなと(笑)。登場人物をただのキャラクターとして理解するのではなくて、もっと物語の構造を考える必要がありそうです」と話した。本作の楽曲を担うのは、『ウエスト・サイド物語』や『スウィーニー・トッド』などを手掛け、“難解”な曲で知られるスティーヴン・ソンドハイム。渡辺に楽曲の印象を尋ねると、「難解って言われる人なんですか」と切り返しつつ、「なぜこういうメロディになっているのか。そのメロディが気持ちいいのか、気持ち悪いのかも分からない、不可思議さは感じました」と振り返る。そして、「正直歌いにくいと思ったけど、それが楽しかったです」とも。演劇作品は本作で4作目。「僕が今までの少ない経験で思う、舞台の素晴らしさは、明確なゴールがない中で、みんなで土ならしから、家を建てるところまでやりきる感覚があること。完成図がすぐに思いつくようなものを再現するのは、あまり楽しくないので、どうなるか想像がつかない方が、ワクワクします」という。観客へのメッセージを求めると、渡辺は「人との関係性が失われている時代だからこそ、いろいろなものを感じる時間や刺激を大切にしたいと思っています。舞台を見に来てくれた人にとって、この舞台が新しいものとの出会いの場になれば嬉しいです」と述べた。取材・文:五月女菜穂
2021年12月03日スケートボードをテーマにした青春オリジナルTVアニメーション「SK∞ エスケーエイト」を舞台化した、舞台「SK∞ The Stage」。12月2日の開幕に先駆けて公開ゲネプロが行われた。本作は「S(エス)」と呼ばれる、閉鎖された鉱山をスケートボードで滑り降りるという競技に熱狂する暦(レキ/演・木津つばさ)が、カナダからの転校生・ランガ(演・滝澤諒)と出会い、成長していく物語。第1部では、二人の前に立ちはだかるライバルたち、そして最大の敵となる愛抱夢(アダム/演・小波津亜廉)との出会い、勝負までを描く。劇場に入ってまず驚くのが、実際にスケートボード場のようなその舞台セット。高さを生かした舞台セットだけでなく、映像、そして役者自身の身体能力も活用して表現される「S」は迫力満点だ。さらに本作には、スペシャル・スケーターとして、様々なスケートボードの大会で優勝、入賞の経歴を持つ池慧野巨と、3名のスケーターが出演。先の五輪でも新種目として盛り上がりをみせたスケートボードだが、ステージセットの中を滑り、トリックを繰り出すパフォーマンスは圧巻。アニメを見ていた観客はその再現性はもちろん、技の多彩さにも魅了されること間違いなしだ。またゲネプロ前のフォトセッションでは、代表として暦役・木津、ランガ役・瀧澤がコメント。素人状態からその才能もありどんどん進化していくランガを、コミカルな姿も交え演じた滝澤は「暦が作中で『スケボーは無限大なんだ』と言ってくれているように、この作品も無限の可能性を秘めていると思っていますので、ぜひ劇場で楽しんでください」とコメント。そして「S」に魅了され、ランガを導きつつ、その明るさで物語を動かす主人公・暦を演じた木津は、「ここまでチーム一丸となって作品作りに徹してきました。原作ファンの方々が多い中で、すごく見どころの多い舞台になっていると思いますので、ぜひ最後まで応援よろしくお願いいたします!」と意気込んだ。公演は、第1部が12月2日(木)より12月12日(日)まで、東京・天王洲銀河劇場にて。第2部は1月15日より、東京・日本青年館で上演する。また12月11日(土)18:00、12月12日(日)12:00、16:00公演はPIA LIVE STREAMでの生配信も決定(アーカイブ付)。劇場にいけない方もぜひこの舞台をライブで楽しんでほしい。チケットぴあでは、公演前日23:59まで当日引換券を、また配信チケットを販売中。
2021年12月03日井上道義&読売日本交響楽団によるマーラー『大地の歌』が、2022年1月28日(金)に、東京芸術劇場コンサートホールにて開催される。井上道義は、マーラーの交響曲第8番『千人の交響曲』(2018年)と交響曲第3番(2019年)で、国内外から著名ソリストを集めただけでなく、史上初となる首都圏音楽大学の合同コーラスを結成。常にベストを追求しチャレンジ精神を忘れない”老青年”マエストロ、井上が読売日本交響楽団を指揮し、続編として交響曲『大地の歌』を取り上げる。ソリストには、第3番に続き井上が全幅の信頼を寄せるアルトの池田香織。そして、テノールに、2020年当劇場での『ラ・トラヴィアータ』(アルフレード役)で日本人離れした圧倒的な声量と音楽性を披露した宮里直樹をキャスティングし、万全の布陣で臨む。さらにマーラー同様、20世紀を代表するシンフォニストの一人、シベリウスによる最後の交響曲である第7番、ケルン放送交響楽団とブルターニュ交響楽団、東京芸術劇場の共同委嘱作品となる藤倉大“Entwine”をプログラミング。 “Entwine”は今回が有観客としては世界初演となる。チケットは現在発売中だ。■公演概要「東京芸術劇場Presents読売日本交響楽団演奏会」日程:2022年1月28日 (金)19:00 開演(ロビー開場 18:00)会場:東京芸術劇場 コンサートホール曲目:藤倉大:Entwine (日本初演)*ケルン放送交響楽団・ブルターニュ交響楽団との国際共同委嘱作品シベリウス:交響曲第7番 ハ長調 op.105マーラー:『大地の歌』*アルト、テノール独唱と大オーケストラのための交響曲*歌詞:ハンス・ベトゥゲの詩集『シナの笛』から指揮:井上道義アルト:池田香織テノール:宮里直樹管弦楽:読売日本交響楽団
2021年12月03日東京オペラシティ文化財団が、2022年3月2日(水)に「武満徹 《弧(アーク)》」を開催する。武満徹は、《ノヴェンバー・ステップス》をはじめとする演奏会用作品はもとより、映画『乱』『怪談』、テレビドラマ『夢千代日記』など、映像音楽も数多く手がけ、いずれもが世界的な評価と人気を得た20世紀を代表する作曲家。その飾らない人柄と旺盛な好奇心で、音楽だけでなくあらゆる分野の第一人者たちとの交流や絆を深めた。2021年には没後 25年を迎え、時を経てなお、武満の音楽は個性的な魅力を放ち、世界中で愛され続けている。今回はオーケストラ配置の特殊さゆえ実演機会も稀な《弧(アーク)》全曲演奏を核にして、武満の名を世に知らしめた《弦楽のためのレクイエム》など、1950〜60年代の作品を中心に展開する。本公演の指揮を務めるのは、2017年に東京オペラシティコンサートホールへ初登場したカーチュン・ウォン。ニュルンベルク交響楽団の首席指揮者としてドイツを拠点とし、アメリカでもニューヨーク・フィルを始め活躍の場が拡げているほか、東アジア、特に日本では国内のいくつものオーケストラと共演を果たしている。2021年9月には日本フィルの首席客演指揮者に就任した。《弧(アーク)》のソリストには、武満の音楽を知り尽くすピアニスト、高橋アキ。若手指揮者の挑戦に対して、《弧》のソリストには、武満演奏のレジェンドのひとりであるピアニスト高橋アキを迎えた。この作品全曲の演奏会での日本初演の際も高橋アキが演奏しており、武満から全幅の信頼を得ていた第一人者の参加で、楽譜に現れない、武満音楽の演奏のエッセンスが伝えられることが期待される。なお、チケットは、12月21日(火) 10時より一般発売が開始される。■公演概要「武満徹 《弧(アーク)》」2022年3月2日(水)19:00東京オペラシティ コンサートホールカーチュン・ウォン(指揮)高橋アキ(ピアノ)東京フィルハーモニー交響楽団
2021年12月03日11月12日(木)に京都で開幕した舞台「プレイタの傷」が、同月18日(水)にヒューリックホール東京にて東京公演をスタート。本番前夜に行われたゲネプロの模様をレポートする。舞台「プレイタの傷」は、ドラマCD、コミカライズ、声優配信番組などを展開してきた「PROJECT SCARD(プロジェクト スカード)」第8番目のプロジェクト。2021年1月のアニメ放送を得て、注目のコンテンツとなっている。物語の舞台は国から見放され無法地帯と化してしまった東京・暁特区。神獣の力を宿すディヴァイン・タトゥーを持つ「スカード」たちの生き様を描いた作品である。争いの絶えない暁特区で『暁の英雄』と呼ばれる嵐柴エイジ役を務めるのは仲田博喜。公演前には「それぞれの守りたいものや思いが交錯していくストーリーの中で、舞台だからこそ見せられる表現をテンポよく展開していき、それぞれのタトゥーを駆使しての戦闘シーンなども見ものです」と、熱く意気込みを語ったが、実際の上演はまさに有言実行。華麗な二丁拳銃さばきを披露し、臨場感たっぷりの戦闘シーンを連発。日常シーンでは粋で優しい兄貴オーラを振りまいて、殺伐とした世界に温かみを放った。また、エイジの意思を引き継ぐ甲斐ヤマト役の菊池修司の活躍ぶりも負けてはいない。驚くほどの跳躍力を繰り出し、敵の背中に飛び乗ってくるりと回転するアクロバティックなバトルシーンは、ワイヤーアクションかと錯覚させるほどに華麗。傷ついても立ち上がる正義感があふれる眼差しが感動を呼ぶ。エイジの弟の嵐柴カズマ役のTAKAは、若さあふれるキャラを瑞々しく演じ、茶木縞カガミ役の正木郁は、知的かつ神秘的な魅力を振りまいた。また彼らのチーム「ヘリオス」と敵対する「アルテミス」の双翼を演じた鷲峰ラン役の平賀勇成と烏末ジン役の田淵累生は、光のエフェクトを活かした迫力のコンビネーションバトルを炸裂。「公安特務」の龍眞コウガ役の小波津亜廉と、虎尊イツキ役の山上佳之介は一癖あるキャラをリアルに表現し、アニメから飛び出してきたかのような2.5次元特有の魅力を発揮した。同名アニメの第1期13話分を約2時間に凝縮した複雑な物語ではあるが、ヤマトがストーリーテイラーとなってわかりやすく伝えてくれるので、原作を知らなくても問題なし。むしろ、原作を知らない方が衝撃的な展開を純粋に楽しむことができるとも言える。ニューヒーローたちの今後の活躍にも期待したい!2022年3月30日(水)発売のBlu-ray&DVDで、彼らの活躍を見届けて欲しい。取材・文:浅水美保
2021年12月02日オペラ歌手の中丸三千繪によるクリスマスリサイタル『MICHIE NAKAMARUソプラノリサイタル〜Starly Christmas2021〜』が2021年12月11日(土)、東京・紀尾井ホールで開催される。中丸の歌声はもちろん、俳優の石田純一を迎えたトークなどが楽しめるようだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、思うようにコンサートができなかった。その間、中丸は、決して“停滞”していたわけではなく、「これまでのキャリアを振り返ったり、勉強し直したりする時間」だったといい、今回のリサイタルは「自分の原点に戻るようなものにしたい」と話す。プッチーニの『トゥーランドット』や『ラ・ボエーム』など、オペラ・アリアを中心にプログラムを構想中だ。「コンクールで歌った曲を、今更歌うのは恥ずかしいと思っていたんです。西洋の難しい曲にどんどん挑戦していかないといけないと思っていたんですよね」と明かす中丸だが、今年6月に最愛の母・アイ子さんが亡くなったことを契機に考えが変わる。それは「難しくて知らない曲をやるよりも、いつもCDで聴く曲や昔から歌っている曲を聴くとファンは安心するのよ」という母の言葉を思い出したからだといい、『月の沙漠』など「母が好きだった曲を歌うのもいいかな」。今回は、石田純一とのトークも予定。石田とはテレビ番組での共演経験があり、スポーツジムで顔を合わせたり、ワインを共に嗜む仲でもあるという中丸は「よくマスコミに切り取られるような強烈な一面ではなくて、もっと自然体で、イタリアと音楽が好きな石田さんとのトークを楽しんでほしい」と語っていた。小澤征爾指揮の『エレクトラ』でデビューしてから35年。中丸は言う。「ファンの方々には本当に感謝しています。私が弱気になったときも、私の演奏が間違った方向に行っているときも、励まし、厳しく育ててくださった。これまでも、そしてこれからも、コロナ禍を生き抜いて、一緒に頑張っていきたい」。そのほかの出演者は安達朋博、松本蘭。公演は12月11日(土)昼12時開場、13時開演。チケット料金はS席 8,800円(全席指定/税込み/未就学児入場不可)。●プロフィール/中丸三千繪オペラ歌手。1987年イタリアに渡り、各国のコンクールにて数々の栄冠を得て、イタリアオペラ界の最高峰とされるミラノ・スカラ座と出演契約を結んだ後、オペラ歌手のコンクールとしては世界で最も権威のある「マリア・カラス・コンクール」で史上初の日本人の優勝を果たす。日本各地で小児がんの子どもを支援するチャリティー・コンサートを行う。近年では、2019年6月に開催されたG20で、日本を代表して歌声を披露した。(取材・文:五月女菜穂)
2021年12月02日12月2日(木)より、東京・上野の森美術館で、深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」が開催される。苦境のなかでふと目に入った金魚の美しさに魅了され、金魚絵を描き始めたという深堀氏。試行錯誤の末、透明樹脂を流し込み、アクリル絵の具で金魚を描く作業を繰り返し、立体的かつ写実的な金魚を描く技法を生み出した。いまにも動き出しそうな、生き生きとしたリアルな金魚絵。いまやそのファンは全国に存在する。開催を控え、内覧会が行われた昨日、深堀氏はライブペインティングを披露。ゲストには、芸能界きっての金魚マニアであるというタレントの照英氏と、近年メディアに引っ張りだこの人気芸人・ヒコロヒー氏を迎えた。深堀氏は、二人と軽快なトークを繰り広げながら、よどみなく筆をすべらせていく。「平等院鳳凰堂」「害獣」といった、二人の出す個性的なお題に次々と答えながら瞬時に絵を完成させていく深堀氏に、ゲストの二人も驚愕。絵を描くときは、「結局楽しんでいる」と話す深堀氏。描いた絵に新たな絵を重ね、水鉄砲を使って色をなじませるなど、独特な技法を披露した。そうして出来上がったのは、キャンバスを大胆にはみ出して尾ひれを優雅にひるがえす、一匹の金魚だった。これにはゲストの二人だけでなく、会場のメディアも拍手喝采。明日から始まる展示では、この作品と一緒に写真撮影も楽しめるという。自身の描く金魚絵について、深堀氏はこう語る。「僕と金魚とを隔てる水面。樹脂を何層にも流し込んで金魚の体を描き足しているうちに、徐々に僕の手から金魚が離れていくような、不思議な感覚があります。絵が完成すると、水面を境に、空気の中で生きる僕から、水中という生の世界に金魚が放たれ、まるで動き出すかのように見えるんです。リアルとは何か。これからも追及していきたいし、この技法が何十年、何百年も誰かに受け継がれて進化していくものであってほしいなと思っています」展覧会では、深堀氏の名を世に知らしめた金魚の立体作品はもちろん、巨大なキャンバスに描かれたダイナミックなアクリル画や、今年の新作であるインスタレーション作品も展示。新しい技法を生んだ過程での試行錯誤も垣間見られる展示となっている。今年で活動20年目を迎えた深堀氏の軌跡。彼の作品を一目見た瞬間の感動を、この大規模展覧会でとくと味わってみてほしい。取材・文/飯塚さき
2021年12月02日初顔合わせツーマンイベント『JANUS First meeting』が、2022年2月11日(金・祝)に大阪・心斎橋JANUSで開催される。『JANUS First meeting』チケット情報出演アーティストは、邦楽ロックシーンの中で圧倒的なオリジナリティを見せつけ、人々を惹きつける3ピースバンド、w.o.d.と、中毒性の高いメロディー、遊び心のある歌詞、実験的なサウンドで国内のみならず海外でも活躍するオルタナティブ・ロック・バンド、Helsinki Lambda Club。2組の初競演に期待したい。チケットは2022年1月8日(土)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、12月1日(水)20:00から12日(日)23:59までオフィシャル先行(抽選)を実施。
2021年12月01日現在、福岡で好評上演中の劇団四季ミュージカル『キャッツ』。本作は1983年11月11日、東京・西新宿のテント式仮設劇場で日本初のロングラン公演として初演。以来、計9都市(東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、静岡、広島、仙台、横浜)でのべ24公演が行なわれ、各地で“キャッツ・フィーバー”を巻き起こしてきた人気作。これまでの公演回数は10,700回以上、総入場者数は1,040万人(10月末時点)、そして現在も記録を伸ばし続けている。先日、日本上演38周年を迎え、本編終了後には特別カーテンコールを開催。出演者を代表してマンカストラップ役の俳優・金本泰潤が「1983年の日本初演以来、これほどの長きにわたり、日本各地で公演を続けて来られましたのはお客様おひとりおひとりがこの作品を愛し育んでくださったからこそ。出演者、スタッフ一同心より御礼申し上げます。これからも皆様に作品の感動をお届けできるよう、誠心誠意努めてまいります。今後とも変わらぬご声援を賜りますようお願い申し上げます。」と挨拶し、客席からは熱い拍手が沸き起こった。人気も記録もまだまだ上昇中の伝説のミュージカル、『キャッツ』福岡公演は4月17日(日)までキャナルシティ劇場にて上演。チケットは発売中。
2021年12月01日カルト的人気を誇る名作にして、近年では主人公のフランク・フルター役に古田新太を迎え、2011年、17年と上演されてきた『ロッキー・ホラー・ショー』(以後RHS)。そして来年、フランク・フルターならぬフランク・古田ーが、三度目にしてラストとなるRHSのステージに降臨する。「RHSみたいなことがやりたくてこの世界に入って、いまだにRHSみたいなことをやりたいと思っているんです」と切り出す古田。彼にとってそれほど特別な作品である理由とは?「ピクチャーショー(1975年の映画)はいまだに見ますから。やっぱり(脚本・作詞・作曲の)リチャード・オブライエンばかだなぁって思いながら(笑)。だってこんなに頭の悪い話はないですよ。最終的に宇宙人ネタで逃げるんですから、卑怯にもほどがある(笑)。歌って、踊って、お客さん弄って、しかも短め。それも含めて素晴らしい作品だと思います(笑)」11年にはいのうえひでのり、17年からは河原雅彦と、古田に匹敵するRHS好きが演出を手がけてきた。「いのうえさんの演出は、ピクチャーショーに対するリスペクトが前面に出ていた感じ。でもやっぱりライブでやる限りは、お客さん参加型であって欲しいなと。その点リーダー(=河原)は客いじりが大好きな演出家ですから。常にお客さんとどう遊ぼうかってことを考えている。そういう意味で非常に信頼出来ますね」古田の言うように、RHSと言えば超がつくほどの観客参加型舞台。だがそれと非常に相性が悪いのが、このコロナ禍だ。「ね!お客さんに『叫べ!踊れ!』って言えないご時世だからどうしようかなと。リーダーと作戦会議をして、いろいろと企んではいます。お客さんが歌わないで済む参加の仕方はないか?とか。あと最近、“お客さま同士の会話はお控えください”みたいな札を持った場内整理の人がいますよね?ああいうのでなにか遊べないかなとも思っています。やっぱりどこかこの状況を逆手に取らないとね」RHSではおなじみの男性キャストに、フレッシュな女性キャストを加えた、まさにRHS以外では実現し得ない個性的なカンパニーとなった。「初参加は昆(夏美)ちゃんと(フランク)莉奈ちゃんと峯岸(みなみ)さんかな。オイラもリーダーもかわい子ちゃん好きだから、満足満足(笑)。小池徹平とISSAには、『新しく君たちの役を構築しなければいけない』と伝えてますけど、似たようなものになってしまうと思います(笑)」公演は2022年1月13日(木)~16日(日)の横浜公演を皮切りに、大阪、広島、北九州と各地を巡演。その後、2月12日(土)~28日(月)の東京公演にてツアーフィナーレを迎える。取材・文:野上瑠美子
2021年12月01日日本のチェロ界を牽引するトップランナー宮田大が11月、今年生誕100年(来年没後30年)のタンゴの巨匠アストル・ピアソラの作品集『Piazzolla』をリリースした。「ピアソラを弾くのはバルトークを弾くときと同じような気持ち。土地の言葉や風景、香り…。民族の音楽を弾く感覚です。ジャズのように即興を交えることもありますが、ピアソラはちゃんと楽譜があるので、たとえばベートーヴェンのmpを、mfの表現で弾いてみようかというのと同じような解釈です。今回のアルバムも、クラシックの演奏会を聴くように聴いていただけると思います」ピアソラの音楽は演奏家自身を投影すると話す。「誰が聴いてもピアソラとわかる個性があるけれども、すごくシンプルなメロディ。演奏家がどう弾くかにかかっているので、今の自分が感じていること、自分がどういう音楽家なのかということが投影されると思います。バッハの無伴奏を弾くのと似ています」グループとしてはピアソラ初挑戦というウェールズ弦楽四重奏団のキレキレの共演にも注目。「弦楽器奏者にしか感じられない解釈をお伝えできたらなと思いました。メンバーのうち三人は桐朋の同級生。気心知れた仲間で音楽作りができましたし、彼らにしか出せないウェールズの音があります」三浦一馬のバンドネオンも加わって一気にタンゴの気分を醸し出すアンサンブルの編曲とピアノは、赤丸急上昇中の山中惇史。「彼はヴァイオリンも少し演奏するので、やはり弦を知っている編曲だなと感じます。今回は山中惇史の作品集でもあると言えるぐらいの立役者です」2月には東京と大阪でCDと同じメンバーによる発売記念コンサートも[25日(金)東京オペラシティ/26日(土)ザ・シンフォニーホール]。収録曲の抜粋に〈リベルタンゴ〉の無伴奏版(小林幸太郎編曲)を加えたピアソラ集と、トルコのピアニスト・作曲家ファジル・サイのチェロ・ソナタ。「ピアソラの晩年とサイの若手時代は重なります。同じ時代の空気を吸った二人の作曲家。ピアソラはアルゼンチンの、サイはトルコの、民族の音楽を大切にしているという共通点もあります。あとは、山中くんと大作のソナタを弾きたいというのも大きな理由です。すごく愛着が湧いているアルバム。録音中に蓄えた多くのアイディアもあります。コンサートは、それを生かして、またみんなと音楽で対話しながら作っていきたいと思います」(取材・文:宮本明)
2021年12月01日チャールズ・ディケンズの長編小説『オリバー・ツイスト』を原作にしたミュージカル『オリバー!』が、東京公演を経て関西に初登場する。初演は1960年。トニー賞とオリヴィエ賞を受賞した名作を、『レ・ミゼラブル』など多くの傑作を手掛けるプロデューサー、キャメロン・マッキントッシュが超大作ミュージカルに仕立て上げた。舞台はビクトリア朝時代のロンドン。孤児のオリバーがスリ集団を束ねるフェイギンと出会い、仲間と共に数々の困難を乗り越えながら家族の愛を求めて生きる姿を描いた感動作。フェイギン役にはマッキントッシュ直々の指名で市村正親。そして市村とダブルキャストを務める武田真治が来阪、意気込みを語った。ミュージカル『オリバー!』チケット情報“みんなで筋肉体操”やサックス演奏など、多彩な活動で注目される武田。「紅白歌合戦のステージは望んでもできない本当に貴重な経験で、人生のご褒美のように思いました。今回こんな素晴らしい役に出会えたのも人生のご褒美です。舞台は自分にとって闘いのリングだと思っています。ここで行われることが自分の血や肉になるんだという意識でしょうか」。今回の役を、武田は慣れないオーディションで勝ち取った。「『スウィーニー・トッド』以来この15年、市村さんとの共演の度に多くを学ばせていただいたので、絶対に自分がオーディションを勝ち取って恩返しをするべきだと死に物狂いで取り組みました。合格の返事をいただいて涙が出るほどうれしかったです」。市村とは互いに“弟”“師匠”と慕う間柄だ。70歳の老人を演じるにあたり、市村は武田に「全然違うフェイギンになっていい」と伝えた。「偉大な先輩と同じ役を作っていく過程を見られるのは贅沢なことで、なるべくコピーしたいと思っていたのですが、おっしゃる通り全然違うフェイギンになっていきました」。東京公演は「子供たちと一緒に歌ったり踊ったり、お芝居するのがとても楽しく、あっという間に1か月が終わってしまいました。産業革命時代の最下層に生きる人々を少年オリバーの目線で描いた作品ですが、力強い登場人物たちなので演じるたびに自分が元気になります」。子役は東阪あわせて総勢66名。大阪公演では12人の関西の子供たちが出演する。「暗くて重い物語をイメージされるかもしれませんが、会話はどれもウィットなジョークにあふれていて、どんな怖い人物でも楽しかったりおもしろかったりする。そんな100年以上前に書かれた原作のユーモアを、大阪の方にはすごく楽しんでいただけるのではないかなと思っています」。大阪公演は12月4日(土)から14日(火)まで、梅田芸術劇場メインホールにて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2021年11月30日ミュージカル『ソーホー・シンダーズ』の東京公演が紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで上演中だ。ロンドンの街ソーホーで、亡き母親の唯一の財産である洗濯屋を経営していたロビー(林翔太)は、義姉妹にいじめられ、店を追い出されてしまう。お金に困ったロビーは、経済界の大物であるベリンガム卿(松村雄基)から援助と求愛を受けるが、実はロビーには密かに本命の恋人がいた。そのお相手は、ロンドン市長選立候補者のジェイムズ・プリンス(松岡充)で――。この現代版“シンデレラボーイ・ミュージカル”は、2011年に英国ウエストエンドでコンサートとして、翌2012年にミュージカルとして上演。日本では、数々の大作ミュージカルの翻訳・訳詞を手掛ける高橋亜子と、2.5次元作品を中心に目覚ましい躍進を遂げる演出家・元吉庸泰のもと、2019年3月に初演された。初演に引き続き、ロビーを演じるのは林翔太。初日を前にして行われたフォトコールで、再演にあたっての心情を問われると、「前回公演が終わった後も、(松岡とは)歌の相談などいろいろと連絡をとり、交流をさせていただきました。久しぶりにお会いして、安心感があったし、兄貴に会えて嬉しかったです」。それに対して、同じく初演から引き続き出演する松岡充は「恋人でしょ!」と突っ込みを入れ、「2年半も離れていたとは思わないぐらい。(林のことを)片時も忘れたことはなかったです」と笑った。初演で共演して以来、親交を深めてきた二人。林について「とにかく真面目」と評する松岡だが「本当は一緒にキャンプや釣りなどの話もしたいんだけど、あまり興味を示してくれない。『オフの日は何をしているの?』というと『ボーッと外の景色を眺めています』と言っていた」と明かす場面も。再演からの出演となる水夏希は「再演から参加するメンバーが少ないので、乗り遅れたら大変だと思っていましたが、みなさんがまるで初演のように一から丁寧に作ってくださったので、ありがたかったです」と話し、同じく初参加の松村雄基も「温かく、最初から居心地がよかったです」と話すなど、カンパニーの雰囲気の良さが伝わる。再演ではあるが「台本を深く掘り下げたので、新しい作品をやっているみたい」(林)といい、さらなるブラッシュアップが期待される。松岡は「コロナ禍で疲弊してしまった心に潤いが届くように、笑顔になれるように、作品を届けていきたい。今この時期にやるべきメッセージがたくさん詰まっているので、一人でも多くの人に見て欲しい」。林は「本番の中でも新しい発見がある舞台。初演をご覧になった方も、ご覧になっていない方も、みんなが楽しめる作品になっていると思います。千秋楽までみんなで頑張るので、応援のほどよろしくお願いします!」とそれぞれ思いを語った。東京公演は12月12日(日)まで。取材・文・撮影:五月女菜穂
2021年11月29日「ピーチクパーチク」は、増元拓也と長谷川芳明、二人の声優が何にも縛られず「好きにしゃべらせて!」という想いのもと、とにかく、ただひたすら、自分が今しゃべりたいことをしゃべっていくトークイベントだ。昨今の状況もあり、昨年9月に「Vol.0」、今年3月に「Vol.0.5」を配信限定で開催したが、ついに会場に観客を迎え、「Vol.1」として12月18日(土)に浅草の雷5656会館ときわホールにて満を持しての開催となる。元々このイベントは、ファンの皆さまの笑顔や笑い声と直接触れ合うべく企画されたもの。念願叶っての有観客開催で二人はどんなトークを聞かせてくれるのか?そして今回は同イベント初のゲストとして、「Vol.0」&「Vol.0.5」でも話題に出た、二人とも仲良しの声優・坂泰斗が登場。これまでは、二人でも「時間が足りない!」とイベント終盤に嘆き、それでも、しゃべり続けてジワジワと時間を延長してきた増元と長谷川。今回は出演者も増えるが、無事に時間内にしゃべり切ることができるのか……!?さらに、イベント当日は偶然にも坂の20代最後の誕生日!一緒に笑って過ごせる特別な日となりそうだ。チケットは、11月29日(月)10:00から一般発売される。2021年の笑い納めにぜひ会場へ。また、本イベントのライブ配信実施も決定!来場が難しい方も自宅で思い切り笑って参加してほしい。■増元拓也と長谷川芳明のトークライブ「ピーチクパーチクvol.1」開催日時:12月18日(土)第1部 13:00~/第2部 17:00~会場:雷5656会館 ときわホール配信:PIA LIVE STREAM出演:増元拓也、長谷川芳明、坂泰斗(ゲスト)
2021年11月29日新国立劇場の作品創造プロジェクト「こつこつプロジェクト」の第一期作品『あーぶくたった、にいたった』(作:別役実、演出:西沢栄治)が2021年12月7日(火)から同劇場で開幕する。同劇場の演劇芸術監督を務める小川絵梨子の肝煎りの企画の一つである「こつこつプロジェクト」。「矢継ぎ早にどんどん作品をつくっていく良さはもちろんあると思うが、作り手によっては、じっくり、時が来た時に舞台にあげるようなシステムができないか」と思案した小川は、公共劇場で、通常1ヶ月程度の稽古期間を1年という長い時間をかけ、〈試し〉〈作り〉〈壊し〉〈また作る〉というプロセスを踏めるようにした。英国のナショナルシアターでの事例などを参考にしたというが、なかなか日本の演劇界ではない取り組みだろう。こつこつプロジェクトの一期には、大澤遊、西悟志、西沢栄治という3人の演出家が参加。それぞれに作品を育て、試演会と協議を経て、この『あーぶくたった、にいたった』が本公演として上演される運びとなった。11月下旬のある日、稽古場を取材した。本番までおよそ2週間と迫り、どこかピリピリとした雰囲気なのかと思っていたが、「こつこつ」と作品作りをしてきたからだろう。演出の西沢にも出演者たちにも、焦燥感のようなものは感じられず、むしろ余裕すら感じられた。例えば、一般家庭の日常を描いた場面。男が出勤前にラジオ体操をしていて、女は男のためにお弁当をこしらえている。淡々と進む会話のなかに、別役らしい可笑しみが感じられる場面だ。俳優たちの演技を一度通してみた後、ちょっとした呼吸や目線に気を配る西沢。たった1行のセリフであっても、俳優たちの思惑を探りつつ、時に自らも実演してみて、よりよい方向はないか検討を重ねていた。例えば、こつこつプロジェクトの1st Trial(1回目の試演会)では、シーンとシーンの合間に、別役実が書いた別作品『風のセールスマン』からインスパイアされたスケッチを挟み込んだという。多角的に作品にアプローチできる、こつこつプロジェクトならではの試みだ。ある種とても“贅沢な”物づくりの現場だった。きっと本番を迎えるまでも、もしかしたら迎えた後も、作品はこつこつと育っていく予感がした。一つの集大成となる初日開幕を待ちたい。出演は山森大輔、浅野令子、木下藤次郎、稲川実代子、龍 昇公演は12月7日(火)〜19日(日)まで。チケット発売中。取材・文・撮影:五月女菜穂
2021年11月29日『海をゆく者』などで知られるコナー・マクファーソンの戯曲を、気鋭の演出家、荒井遼が手がける3人芝居が間もなく開幕。そこで稽古中の首藤康之、山下リオ、小日向星一に話を訊いた。舞台はクリスマス・イヴのダブリンにある葬儀屋。酒浸りの日々から家族を捨て、なんとか生活を立て直し始めたジョンを、首藤が演じる。「まぁめちゃくちゃですけどね(笑)。ダメ男とは書いてありますが、やればやるほど、僕は魅力的な男だと思います」。また首藤にとってこれほど台詞量の多い役は初めてとのことで、「僕もびっくりしました」と笑いつつ、「50歳になった今、この作品が転換期になるような気がして。不安も大きいですが、同じくらい興味もある。なによりふたりとお芝居することがとても楽しいです」と続ける。山下演じるメアリーは、母が病気であることを告げに、10年ぶりにジョンの前に現れる彼の娘。「すごく多面的な感情を抱えている人ですね。怒ったり、悲しんだり、子供だったり、大人だったり。ただ演出の荒井さんには、『毎日同じ感情にならなくていいし、同じ芝居に沿ってやる必要はない』と言われて。その言葉にすごく救われましたし、最終的に心に感じるものが同じであれば、その道筋は違ってもいいと思えたんです」小日向が演じるのは、ジョンの葬儀屋を手伝っているマーク。「ジョンの長話にもちゃんとつき合ってあげる、心根の優しい奴だと思います。演じる上では、その“聞く姿勢”みたいなものが大事になってくるだろうなと。ただ彼なりに抱えているものはあって、実は『早く帰りたい』と思っているかもしれない(笑)。それでも基本的にジョンのことは大好きだし、彼のかつての様子を聞いて、自分に重ねているところもあるのかもしれないですね」出演者は3人ながら、物語はそれぞれジョンとメアリー、ジョンとマークのふたりのみの会話で紡がれていく。首藤が「僕がしっかりしなきゃいけないんだけど…」と苦笑いを浮かべると、「すごく魅力的ですし、体も言葉も表現する根底は一緒で、いろんなものが首藤さんから出てくるのを感じます」と小日向。山下も「首藤さんが諦めない分、こちらも信じてやれるのでとてもありがたいです」と全幅の信頼を置く。公演はクリスマス直前とのことで、首藤はこう締めくくる。「クリスマスの飾りつけのように、お客さまそれぞれが、この作品からなにかひとつずつ持って帰ってもらえたら嬉しいなと思います」取材・文:野上瑠美子
2021年11月29日史上最強の恐竜に迫る「ティラノサウルス展~T.rex驚異の肉食恐竜~」が2022年2月13日(日)まで名古屋市科学館で開催されている。恐竜の中でも世界で一番有名で人気が高く、研究においても重要な役割を担うティラノサウルス。“暴君竜”の名にふさわしく、太く鋭い歯、頑丈で大きな頭をもつ最大級の肉食恐竜だ。本展では最新の研究結果をもとに、ティラノサウルスの全身復元骨格や実物化石などを展示。さらに迫力の映像体験により、見て学んで体感できる内容だ。監修した福井県立大学恐竜学研究所の服部創紀助教は「ただ大きく、かっこいいだけではなく、いかに暮らしていたか。本当に地球上にいた生物だとわかるように、いろいろな側面から切り込んでいる。体系的に学べる展示に加え、迫力あるロボットや映像体験を通して、ティラノサウルスを味わい尽くしてほしい」と本展の魅力を語った。恐竜は、はるか昔の約2億3000年前に誕生したといわれ、それから1億6000年以上の長い間、多種多様に進化を遂げた生物だ。本展第1章の「獣脚類の進化」では、原始的な恐竜類がティラノサウルスに至るまでの道のりを紹介するところから始まる。続いて第2章では「ティラノサウルスの全て」と題して、生態や成長をわかりやすく解説。骨格から推定される年齢、獲物を噛む力や大きな尻尾の役割など、知られざる生態を学ぶことができる。本展の見どころは、4体の巨大なティラノサウルス全身復元骨格の展示だ。第3章の「ティラノサウルスがいた時代」では、ティラノサウルスと同時期に生息していた恐竜たちの骨格展示を間近で観察することができる。なかでも注目は、日本初公開となる愛称アイヴァンの標本だ。2005年に発見された化石には、大部分の骨が見つかっており、完全な腰帯もそろっているため忠実に再現している。ほかにも本物のような皮膚の質感・吠える声・動きをするティラノサウルスと、ライバルのトリケラトプスのロボットで恐竜の怖さをも体感できる。会場内は撮影可能。恐竜と一緒に写真が撮れる撮影スポットも3か所用意されている。最後は、プロジェクションマッピングショーでリアルな恐竜を体感しよう。クリエイティブカンパニー「NAKED,INC.」が本展用に初の大型恐竜コンテンツを制作。壁や床をタッチするとティラノサウルスが飛び出す仕掛けもあり、目の前にティラノサウルスがよみがえる迫力満点の体験を楽しむことができる。音声ガイドは、ロックバンドflumpoolのボーカル山村隆太さんが担当する。また、物販コーナーではオフィシャルガイドブックはもちろん、リラックマとコラボしたオリジナルグッズも販売。大人も子どもも大興奮すること間違いなし。ティラノサウルスの迫力が体感できる機会をお見逃しなく!ライター:溝呂木 真弓
2021年11月26日2020夏から登場し、その可愛さが毎回大好評の「BT21」サンダルとスリッパ。今回は「BT21 BABY」をモチーフにした2021年秋冬サンダルを、チケットぴあ通販サイトで11月26日(金)より先行予約販売中。大人気のBT21。「有名なスターになること」が地球に愛を届ける最も良い方法だと考えて地球を訪れたBT惑星のプリンス・TATA(タタ)は仲間を探し始め、KOYA(コヤ)、RJ(アールジェイ)、SHOOKY(シュキ)、MANG(マン)、CHIMMY(チミー)、COOKY(クッキー)に出会い、宇宙最高のスターを目指すというのが「BT21」の誕生ストーリーだ。BT21をモチーフにしたアイテムは文房具から衣類、バッグやぬいぐるみなど多数ラインナップされているが、「BT21 BABY」がデザインされたサンダルやスリッパは商品によっては1時間で完売するほどの人気を博している。今回の新作サンダルは、甲部分に各キャラクターの刺繍が施され、ソールと甲を縁取るように贅沢にファーを使用。軽量で履き心地も良く、屋内屋外兼用なのも嬉しいポイント。さらに日本国内限定販売というレアな商品になっている。BT21のファンとしては7足すべて揃えたいというファンも多く、前回の夏サンダルと同様に今回も「7足特別限定パック」を用意(数量限定)。チケットぴあ通販サイトだけのお得なパックなので、確実にすべてを手にいれたい場合は早めの予約がおすすめだ。商品の発送は12月上旬を予定。価格はすべて1足1980円(税込)、7足特別限定パックは11900円(税込)。サイズはいずれもフリーサイズ展開、男女兼用。
2021年11月26日2022年3月に上演される舞台unrato#8『薔薇と海賊』の出演者より、コメントが到着した。1958年に発表され同年、文学座が初演した『薔薇と海賊』は、虚実の夢と純愛が詰め込まれた異色のファンタジー。童話作家の楓阿里子邸。そこに、阿里子の童話のファンで30歳の松山帝一が訪ねてくる。帝一は、自分を童話の中の主人公・ユーカリ少年だと信じている知的障がいの青年。楓邸は童話の世界のように仕立てられ、阿里子は19歳の娘・千恵子にも登場人物のニッケル姫の扮装をさせていた。帝一はこの家にずっと住みたいと言い出し、阿里子と帝一の夢の世界のような純愛が始まる。しかし、帝一の登場がさまざまなひずみをもたらしていく。出演者には、霧矢大夢、多和田任益、田村芽実、須賀貴匡、鈴木裕樹、大石継太、飯田邦博、羽子田洋子、篠原初実、松平春香が名を連ねた。 この度、出演者の霧矢、多和田、田村より、公演に向けて、意気込みのコメントが寄せられている。<出演者コメント>■霧矢大夢初めて三島由紀夫作品に挑戦させて頂きます。「挑戦」という言葉が相応しい、役者としての意気込みと覚悟を感じています。三島の言葉に翻弄され、虚実の夢に迷い込みそうになる事が想像されますが、苦しみながらどっぷり浸りたいと思います。人との接触を遮断された日々が続き、より自分の想像力と人間力を試され、心を柔軟に、豊かにしたいと思っていました。そんな想いを思いっきりぶつけたいです!是非、劇場へ体感しにいらして下さい!お越しをお待ちしております。■多和田任益三島由紀夫さんの作品で、純愛。その世界に没頭できることが今からとても楽しみです。演出の大河内さん、共演の皆さんも初めましての方ばかりで、そこで生み出されること、いただけるであろうたくさんの刺激に備えて、しっかり準備したいと思います。■田村芽実お話をいただいた時、とても嬉しかったことを覚えています。戯曲を拝見した時は、こんな難しい作品が自分に務まるのか。と、不安な気持ちになりましたが、読み進めていくと同時に、作品の虜になり、この世界の一員になりたい。演じたい。とびこみたい!と、強く強く思いました。今回私にとっては初めての挑戦ばかりなので、この作品に、先輩方に、体当たりで挑んでいけたらと思います!【公演概要】unrato#8『薔薇と海賊』作:三島由紀夫演出:大河内直子音楽:阿部海太郎日程・会場:東京公演:2022年3月4日(金)~13日(日) 東京芸術劇場シアターウエスト大阪公演:2022年3月25日(金)・26日(土) クリエイトセンターセンターホール
2021年11月26日童話に新しい解釈を与え、大人向けファンタジーとして創り上げたミュージカル『INTO THE WOODS』が2022年1月に日生劇場、2月に梅田芸術劇場メインホールで開幕する。1986年に発表され、翌年ブロードウェイで初演されたミュージカルで、これまでに世界各国で上演されてきた本作。日本でも複数の演出家によって舞台化されてきたほか、2014年にはロブ・マーシャルが監督を務め、ディズニーにより実写映画化(日本公開は15年)されている。今回、「ジャックと豆の木」のジャック役として出演することが決まった福士誠治は「絵本の世界の登場人物たちがたくさん出てくるので、かわいくて、夢がある世界を想像していたが、かなりのブラックファンタジー。いい意味で裏切られましたね」と、作品の印象を語る。福士が本作への出演を決めた大きな理由は、演出家の熊林弘高の存在。『狂人なおもて往生をとぐ〜昔、僕達は愛した〜』でタッグを組んだが「またご一緒したいなと常々思っていた」という。前回のタッグから6年が経つも「自分にないものを刺激としてもらった気がして。具体的にこれとはなかなか言えないけれど、自分の中に新しい色を見た」と鮮明に記憶に残っている模様。「熊林さんにとって初のミュージカル演出。僕が思っているミュージカルをきっとぶち壊してくれるだろう。ついていけるか不安もあるが、ワクワクする未来がある」と期待を寄せる。たくさんのおとぎ話が出てくることに絡めて、福士にとっての思い出深いおとぎ話を尋ねると、幼稚園の学芸会で披露した『不思議の国のアリス』を挙げた。「配役を決める時に、僕だけ先生から『あなたはトランプの兵士』と決められた。みんなやりたい役に手を挙げるのに。いまだに人生の謎ですね」。子どもの頃に親しんだはずのおとぎ話も、大人になると物語がうろ覚えになることがある。福士も「余裕があれば『ジャックと豆の木』の原作とか、読み直してみたい」と話していた。本作が2022年1発目の舞台となる。「2021年を振り返ると、どうしてもコロナの話が出てくる。悲観的になったり、へこんだり、気休めでもいいからポジティブなことをいうことが大切なんだと気づいたり、行動を起こした人の強さを感じたり。否応なしに修行させられた1年だった」と話す。そして、「この作品をたくさんの方が観にきてくれたら嬉しい。決して演劇は不要不急ではないぞと言いたいし、人間にはこれも必要な時間なんだと思っていただけたら」とも語った。取材・文:五月女菜穂
2021年11月26日舞台、映像、ラジオ出演のほか、メンバーそれぞれに脚本・監督・演出を務めるなど個々にマルチな活躍を見せるヨーロッパ企画。2020年に公開した映画『ドロステのはてで僕ら』は、現在も世界各地の映画祭でさまざまな賞を獲得するなど注目を集めている。そんな彼らが、2年ぶりに本公演を開催。12月18日(金)より、新作『九十九龍城(きゅうじゅうくーろんじょう)』で全国11都市を巡演する。公演に向けて、作・演出の上田誠をはじめ、劇団メンバーと客演の早織が取材会で意気込みを語った。ヨーロッパ企画第40回公演「九十九龍城」チケット情報「僕らにとって、本公演は特別なもの。稽古初日に客演の方含め全員で集まったときは、感慨がありました」と上田。今作では、かつて香港に建っていた違法建築物の魔窟「クーロン城」をモチーフに「その11倍すごい九十九龍城を描きます」と語る。舞台には、九十九龍城に住まう人たちと、ふたりの刑事が登場。香港を巻き込むとある事件が起こり、犯人の情報が九十九龍城の中にあるかもしれないという情報をもとに、刑事たちが捜査していく…。「無法地帯だったクーロン城は、よっぽどのことがない限り警察が介入することがなかった場所。九十九龍城も、刑事たちが実際に入り込んで素性がバレるとどうなるか分からないというので、あるシステムを使って、九十九龍城の中を順番に覗いていきます。そこでは、イリーガルだったり、グレーなことがまかり通っていて、刑事たちがその中のある事件にのめり込んでいきます。それを観ていくこと自体が今回の劇の醍醐味。久しぶりの劇団公演なので、劇団の“トライブ感”を楽しんでいただければと思います」(上田)。入り組んだ空間で多くの人がうごめくのも魔窟劇のポイント。劇団員の諏訪雅からは「キャストが足りない」という悩みが出るも、永野は「密度感を表現しなければならない。僕は自ら上田君にめちゃくちゃたくさん役をやるよと伝えました。ひとりピラニア軍団として、死んでは生まれ変わって、というのをやっていきたい!」と熱く意気込みを語る。実際、刑事役の中川晴樹、金丸慎太郎以外のキャストが、複数役を担当。「マフィア、住人、工場主、工場の工員など、それぞれが演じます。2006年に上演した『Windows5000』のように、部屋の一つひとつを覗いていく面白さが作れたらと思っています」と上田。香港映画なども参考に「なんちゃってアクション」も取り入れながらハードボイルドに描く。「いろんな人間同士の関係性で、結構激しい動きだったり、そんなところに乗るのかとかは劇中で行われます。あくまでもコメディなので、笑いの中での面白い動きだったり、空中性のある舞台でもあるので、アクションにも期待していただけたらと思います」(上田)。公演は、12月18日(土)滋賀・栗東芸術文化会館さきら中ホールでのプレビュー公演を皮切りに、京都、東京、広島、福岡、愛知、富山、高知、愛媛、大阪、神奈川を巡演。チケット発売中。取材・文:黒石悦子
2021年11月26日NHK Eテレの音楽番組「ららら♪クラシック」の音楽を多彩な切り口で紹介するという方針を、生演奏で楽しめる「ららら♪クラシックコンサート」。一流の出演者による豪華なコンサートを司会やゲストのおしゃべりと一緒に味わうことができる人気のシリーズだ。今回は年末にふさわしい華やかな祝典曲を集め、若きスター指揮者、川瀬賢太郎と読売日本交響楽団、そしてパイプオルガンの華麗なる響きがたっぷり楽しめるコンサートが開催される。司会は俳優の高橋克典と金子奈緒。指揮の川瀬賢太郎にコンサートの魅力を聞いた。■サントリーホールを味わい尽くすオーケストラとパイプオルガンの響き「普段、クラシックの演奏会になかなか行く機会がない方から、クラシックをよく聴く音楽ファンまで幅広く楽しめる内容だと思います。司会も入るので、『ららら♪クラシック』をテレビで見ているような雰囲気で、生の演奏を楽しんでいただけたら嬉しいです」「今回は、サントリーホールという会場にある楽器を全て味わい尽くすプログラムになっています。パイプオルガンがフィーチャーされ、冨田一樹さんのオルガン・ソロの演奏もありますし、オーケストラとの共演も。エルガーの《威風堂々》のようにポピュラーな演目でも、普段カットされることが多いパイプオルガンを含めたオリジナルの形で演奏されます。そして、今回の中心となる演目チャイコフスキーの序曲《1812》は、ナポレオン軍を撃退したロシアを描いた勇壮で、チャイコフスキーの大胆で実験的な面も味わえる曲です」■宇宙に連れていかれる「スター・ウォーズ」「そのほかにもバラエティーに富んだ曲目が続きます。オペレッタ《こうもり》序曲は、この演奏会の直前に僕が初めて全曲を指揮した後になりますからその体験が感覚的にも反映された演奏になると思います。そして「スター・ウォーズ」からの《メイン・タイトル》。実は僕は「スター・ウォーズ」の世界が大好きなんです。この曲は華やかで、オーケストラのすべての楽器の魅力を味わえます。あの最初の部分を聴いただけでもう、宇宙に持っていかれてしまうような気持ちになるじゃないですか。本当に稀有な曲ですよね?」曲を深く勉強するためにスケジュールが忙しくしなりすぎないよう気を付けていると言うマエストロ。なぜならしっかり勉強すればするほど、オーケストラの演奏の良さに気がついて、音楽を彼らに委ねることができるからだという。読売日本交響楽団とは共演も多く、とても良い関係にあるようだ。華やかなホリデイ・シーズンのコンサートに最高の演奏が聴けそうである。▼ららら♪クラシックコンサート Vol.12祝祭音楽の展覧会 読響×パイプオルガン -王道曲による至高の饗宴-日程:2021/12/1(水) 18:30開演会場:サントリーホール 大ホール (東京)
2021年11月26日円谷プロが贈る、没入型ライブアトラクション「INTO THE STORY 第1弾『ウルトラマントリガー 超古代の秘宝』」が、2021年12月18日(土)、2022年1月8日(土)、9日(日)の3日間開催される。円谷プロダクションが、最新技術をもとに新たなエンタテイメントを創造するプロジェクト「TSUBURAYA IMAGINEERING」(ツブラヤイマジニアリング)が満を持して贈る、全く新しい没入型ライブアトラクション「INTO THE STORY」がついに始動。「INTO THE STORY」が目指すのは、すべての視聴者が作品世界の一員として《物語》につながる新体験であり、従来の映像作品やリアルなライブステージでは表現できなかったインタラクティブなストーリーが展開される。第1弾公演となる『ウルトラマントリガー 超古代の秘宝』は、現在テレビ東京系で放送中の『ウルトラマントリガー』につながる物語。全3回の公演には毎回異なるキャストが生出演し、“超古代の秘宝”を巡る冒険に視聴者を誘う。視聴者は、生出演のキャストとのライブコミュニケーションが可能で、ストーリーは視聴者自身の選択によって変化していく。生出演キャストのひとり、寺坂頼我は、「誰もがヒーロー。それを体現できるこのイベント。皆さん、共に戦いましょう」とコメントを寄せている。配信は、ライブストリーミングサービス「Z-aN」にて実施。12月18日開催の「扉をひらく物語」のチケットは、11月25日より発売開始。1月8日開催の「闇に染まる物語」、1月9日開催の「未来を願う物語」のチケット発売日は後日公式ホームページにて発表される。■「INTO THE STORY ウルトラマントリガー -超古代の秘宝-」開催概要<開催日程>「扉をひらく物語」2021年12月18日(土)公演時間:各回約40分チケット発売日:11月25日(木)18時から発売開始生出演:寺坂頼我/マナカ ケンゴ役「闇に染まる物語」2022年1月8日(土)公演時間:各回約40分チケット発売日 : 12月中旬頃発売開始予定生出演:青柳尊哉/ジャグラス ジャグラー役「未来を願う物語」2022年1月9日(日)公演時間:各回約40分チケット発売日 : 12月中旬頃発売開始予定(詳細は公式HPをご確認ください)生出演:平野宏周/ナツカワ・ハルキ役
2021年11月25日2020年10月に東京・昭和大学人見記念講堂で行われた『春風亭一之輔・藤巻亮太 二人会 ~芝浜と粉雪~』。好評を博したこの異色コラボレーションが師走の大阪に登場する。「春風亭一之輔・藤巻亮太 二人会 ~芝浜と粉雪~」チケット情報この公演は、ふたりのトークと、藤巻の歌唱、一之輔の落語という前半と、一之輔による人情噺『芝浜』の後に藤巻がヒット曲『粉雪』を歌うという後半の二部構成で展開。クライマックスでしんしんと雪が降る大みそかの夜を描いた『芝浜』の余韻がまだ残る会場に、藤巻の歌とギターによる『粉雪』がさらに彩りと深みを加え、またとない時間をもたらしてくれる。ふたりはラジオ番組で出会った仲で、年齢も近く、藤巻が落語好きとあってすぐに意気投合。『芝浜と粉雪』のきっかけは、一之輔から藤巻を誘い、実現した。「藤巻さんはいろんな曲をお持ちだけど、『粉雪』は代名詞みたいな感じで。それを歌っていただくのであれば落語は何がいいかなって考えて。『芝浜』って人によって違うんだけど、大晦日に雪が降る場面を入れる演出があるので、それでいいかなと。当時は直接会って相談するということはできなかったんですけど、カチッとはまったなと思いました。僕も藤巻さんのライブを舞台袖で聞いていましたけど、やっぱりすごいですよね、改めて名曲だと思いました」(一之輔)普段の一之輔は『芝浜』を口演する際には雪が降る演出は入れないという。この日も直前まで悩み、本番では降らせた。「なんか照れるというかね。悪い言葉でいうとクサイし、そこで降らせるというのは。『粉雪』とひっかけて降らしていると思われるんじゃないかという照れもあるし(笑)。でも、降らしてバチっと(『粉雪』と)はめちゃった方がエンタテインメントとしてはいいのかなと思ったんです」(一之輔)同じ演目でも、会場や客層によって見せ方は違ってくる。それが古典落語の楽しみだと話す。「古典落語って、演目自体が自分のパートナーみたいな感じで。登場人物、時代背景、風俗とか、落語といろいろと相談して変えているような感じです。高座ではひとりですけど、演じているときは古典落語とダンスを踊っているような感じですね。“今日はこういうステップだったから、次はこうしよう”とか、緩急つけたりとか、やり方は毎日変わります」(一之輔)『芝浜と粉雪』も、当日はどんな装いになるのか会場でぜひ確かめてほしい。「次は場所を変えて、大阪でできるのも嬉しい」と一之輔も楽しみにしている。公演は12月10日(金)、サンケイホールブリーゼにて。チケットは発売中。取材・文:岩本
2021年11月24日2018年に上演され、朝夏まなと&神田沙也加がイライザ役、寺脇康文&別所哲也がヒギンズ役を演じ好評を博した『マイ・フェア・レディ』。オードリー・ヘップバーン主演の映画でも知られる本作は、1963年に日本で初めて上映されたブロードウェイ・ミュージカルとしても名高く、半世紀以上にわたり愛され続けている。朝夏と神田はミュージカル『王家の紋章』でのライバル役競演も記憶に新しいが、舞台を降りると「まぁちゃん(朝夏)」「さーちゃん(神田)」と呼び合う仲。息ぴったりのふたりに公演への意気込みを聴いた。『マイ・フェア・レディ』は、ロンドンの下町で暮らす花売り娘イライザが、言語学者ヒギンズ教授の猛特訓で、上流階級の貴婦人にも引けをとらないレディに変身していくというストーリー。本作が長年愛される理由を、朝夏は「ひとりの女性が夢を持って成長していく普遍的な物語。観て清々しい気分になれる」、神田は「単なるシンデレラストーリーではなく、イライザとヒギンズが対等に学び合い、人間として成長していく、時代を先取りした展開も魅力的」と語り、続けて互いのイライザ役について、「さーちゃんが演じるイライザは、大柄な別所さんに負けないくらいの迫力。持ち前の賢さも投影されていて素敵です」(朝夏)、「まぁちゃんは、可憐な役から怖い役、妖艶な役まで信じられるカメレオンみたいな女優さん。イライザ役は、まぁちゃんの幅広い演技を1作品で楽しめます」(神田)とお互いを見つめながら語ってくれた。今回の新たな見どころの1つは、2018年版の朝夏・寺脇、神田・別所コンビから、朝夏・別所、神田・寺脇コンビへとカップリングが変わること。「コンビの愛称が“てらまぁ”と“べっかん”から“てらかん”と“べつま”になる(笑)」と笑顔を浮かべ、「パートナーが入れ替わっての舞台はどんな化学反応が起こるか楽しみ」と口を揃える。本作は朝夏にとって、宝塚退団後初めて女優として立った舞台。「『階段を降りる時、肩で風を切っているよ』と先輩に言われたりして(笑)。すべてを模索した、女優としての原点ともいえる作品です」。一方、観客として全国遠征もした経験もある神田にとっては「バージョンごとの台詞や歌詞を言えるくらい」一番好きなミュージカル。「別の意味での原点」と言える作品だとか。「あれから3年間、互いにいろいろな舞台を経験したことで、また新たな発見があると思う」(朝夏)。「ダブルキャストでは同じ舞台に立つことができないが、直前の「王家の紋章」でまぁちゃん(朝夏)と舞台に立った経験がいい影響を与えてくれるのでは」(神田)というように、二者二様、それぞれに進化したイライザに出会えるのが楽しみだ。福岡公演は、2022年1月19日(水)~28日(金)博多座にて。チケットは12月4日(土)より発売開始。その他、全国各地で公演あり。
2021年11月24日大阪北区にある梅田スカイビルでは、11月19日(金)からクリスマスシーズンを彩るイベント「梅田スカイビルXmas2021」がスタート。2年ぶりとなる1階広場の世界最大級のクリスマスツリーをはじめ、40階の空中庭園展望台やカフェなどがクリスマスムード一色に染まり、カップルをはじめ多くの来場者で賑わっている。梅田スカイビル 空中庭園展望台 入場引換券また40階の空中庭園では、切り絵作家・早川鉄平氏とのコラボレーション企画「白い森とひかりの森」や推し活応援企画「推しにささげるクリスマス」、カフェでの限定メニューなどさまざまなクリスマス企画を開催中。大切な人と一緒に幻想的でロマンティックなひとときを過ごしてみては。・27階の「絹谷幸二 天空美術館」もチェック!11月3日に発表された令和3年度の文化勲章に、東京藝術大学名誉教授である洋画家・絹谷幸二氏が選ばれたこともあり、タワーウエスト27階にある、同氏が名誉館長を務める「絹谷幸二 天空美術館」が、業界だけでなく一般からも注目されている。同館では現在、絹谷幸二氏の初期作品から新作まで、その画業の変遷をたどる特別展示『ARS VITA ESTA 藝術は人生~色彩画家の軌跡~』が開催されているが、12月17日(金)からは、文化勲章受賞・会館5周年記念特別展『永遠にあたらしい!! 人類最古の壁画技法アフレスコ』を開催。梅田スカイビルに行ったら、ぜひ立ち寄ってみたい旬のスポットだ。「白い森とひかりの森」「推しにささげるクリスマス」▼12月25日(土)まで開催中会場/空中庭園40F屋内展望フロア空中庭園展望台の入場引換券はチケットぴあにて通年販売中!■大人 1500円/4歳~小学生700円【営業時間】9:30~22:30(最終入場22:00)※特別営業日あり特別展示『ARS VITA ESTA 藝術は人生~色彩画家の軌跡~』▼12月13日(月)まで開催中文化勲章受章・開館5周年記念特別展『永遠にあたらしい!! 人類最古の壁画技法アフレスコ』▼12月17日(金)から開催会場/絹谷幸二 天空美術館(タワーウエスト27F)おトクな割引入館引換券はチケットぴあにて発売中!■割引入館引換券一般900円、大学・高校・中学生500円【開館時間】10:00~18:00※金曜・土曜・祝前日は10:00~20:00(入館は閉館の30分前まで)【休館日】火曜(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始(12/30~1/3)、展示替え期間【入館料】一般1000円、大学・高校・中学生 600円、小学生以下無料、団体・障がい者割引あり大阪市北区大淀中1-1-30梅田スカイビル取材・文・撮影(天空美術館を除く):滝野利喜雄
2021年11月22日2022年2月12日(土)、13日(日)の2日間、ぴあアリーナMM(神奈川県横浜市西区)にて、「オダイバ!!超次元音楽祭 -ヨコハマからハッピーバレンタインフェス2022-」(以下、オダイバ!!超次元音楽祭)の開催が発表された。出演者は両日ともに全6組ずつで、2月12日(土)は、angela、上坂すみれ、鬼頭明里、ClariS、CHiCO with HoneyWorks、水樹奈々の出演が決定。13日(日)は、内田雄馬、ウマ娘、GRANRODEO、花澤香菜、ミュージカル『刀剣乱舞』 刀剣男士、Liella!が出演が発表されている。「オダイバ!!超次元音楽祭」は、アニメやゲーム、インターネットから生まれる音楽、そしてそれを取り巻くファンの熱狂を届けたい・・・!という思いのもと「2次元も、2.5次元も、3次元も…垣根を取っ払い、次元を超えてひとつになろう!」というコンセプトで誕生した新時代の音楽番組。MCにバナナマンを迎え、2020年正月に特番としてフジテレビ地上波にて放送されたのを皮切りに、これまでにフジテレビ系で過去4回放送し、2021年2月には、ぴあアリーナMMでの初のフェスを開催し、大きな話題となった。コロナ禍ということもあり、リアルな音楽体験が減っている昨今に、全12組、魅力的なアーティストが熱い想いをもって集結。アーティスト1組1組の魅力が詰まったライブパフォーマンスと、MCバナナマンとのトークが楽しめる新しい音楽フェスに期待が高まる。【公演概要】2022年2月12日(土)、13日(日)15:00開場/16:00開演ぴあアリーナMM (神奈川)■出演者※50音順2月12日(土)angela/上坂すみれ/鬼頭明里/ClariS/CHiCO with HoneyWorks/水樹奈々2月13日(日)内田雄馬/ウマ娘/GRANRODEO/花澤香菜/ミュージカル『刀剣乱舞』 刀剣男士/Liella!※ウマ娘キャスト:衣川里佳(ナリタブライアン役)、咲々木瞳(アドマイヤベガ役)、篠原侑(カレンチャン役)、土師亜文(メジロライアン役)、徳井青空(テイエムオペラオー役)、長谷川育美(ミホノブルボン役)、松井恵理子(フジキセキ役)、山根綺(ダイタクヘリオス役)両日MC:バナナマン
2021年11月22日スティーヴン・ソンドハイムが作詞、作曲を手がける名作ミュージカル『INTO THE WOODS』を、熊林弘高の演出で上演。そこで出演者のひとりである古川琴音に話を訊いた。本作が舞台2作目となる古川だが、ミュージカルへの出演は念願だったそう。「私が舞台で好きなのは、稽古期間があって、みんなで何度もトライアンドエラーが出来ることです。そのうちにだんだん共通認識が芽生えてきて、自由に演じられるようになっていく。それがとても楽しくて。また歌に乗せて、体全身を使って表現する、ということが出来るようになりたいとずっと思っていました。今回は初ミュージカルながら、非常にハードルの高い作品。ただやりたい、出来るようになりたいというのは大きなモチベーションだったので、出演が決まった時はとても嬉しかったです」作品の舞台は、タイトルにもある通り“森”。その中で『赤ずきん』や『シンデレラ』など童話の登場人物たちが、さまざまな想いを胸に、交錯していく。「古典的なおとぎ話とは違って、登場人物がとても人間らしいと思いました。それぞれ言葉に出来ないような気持ちの狭間にいて、リアルな森と同時に、心の森の中にも彷徨い込んでいく。さらに童話の登場人物を使いながら、人間のリアルを語るという皮肉やユーモアもあって、とても面白い作品だと思いました」古川が演じるのはシンデレラ。国王が開くフェスティバルに行くことを夢見ているが…。「童話に比べるともっと身近で、ひとりの女性という面が強いんじゃないかと思います。自分が欲しいと思うものはあるけれど、本当にそれを望んでいるのか。そしてそれを得たからといって幸せになれるのか、彼女自身もよくわかっていない。でもそういう部分って誰にでもあることで、迷いの中にいる彼女に共感を覚えますし、それがこのシンデレラならではの魅力だと思います」共演者には、宝塚歌劇団退団後初のミュージカルとなる望海風斗や、音楽活動と並行して、俳優としても活躍する渡辺大知ほか、実力派がそろう。「大先輩ばかりなのでもちろん不安もありますが、しっかりと学ばせていただきたいと思っています。ミュージカル初参加の今の自分にしか出せない声、出来ない芝居があると信じつつ、色々なジャンルの方々と一緒にひとつの作品を作っていけたらなと。そしてお客さまが少しでも日常から抜け出して楽しんでいただけるよう、頑張りたいと思います」文:野上瑠美子【公演概要】ミュージカル『INTO THE WOODS-イントゥ・ザ・ウッズ-』2022/1/11(火)~31(月) 日生劇場 (東京都)2022/2/6(日)~13(日) 梅田芸術劇場メインホール (大阪府)出演:望海風斗(魔女) / 古川琴音(シンデレラ) / 羽野晶紀(赤ずきん) / 福士誠治(ジャック) / 瀧内公美(パン屋妻) / 渡辺大知(パン屋) / 他
2021年11月19日待ちに待った上演がついに幕を開けた。11月18日(木)、新国立劇場のワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》新制作が初日を迎えた。ザルツブルク・イースター音楽祭とザクセン州立歌劇場、そして東京文化会館(東京都)との共同制作。コロナ禍で昨年の公演が中止。さらに今年8月に延期されていた東京文化会館の上演も初日直前に中止が発表されたとあって、オペラ・ファンの期待はいっそう高まっていた。ワーグナー唯一の喜劇。中世の徒弟制度をベースに、新しい価値観を持つ歌(芸術)をめぐる、保守派とリベラル派の対立と新旧の交代を描く。主人公の靴屋の親方ザックスは、これが初役というドイツのバリトン、トーマス・ヨハネス・マイヤー。圧巻だった。第2幕と第3幕の2つのモノローグの深い声と表現は実に瞑想的だし、机に足を投げ出して座りベックメッサーを手のひらで転がすチョイ悪な演技も痛快。魅力的なヒロイン、エーファの林正子の存在感も際立つ。特に第3幕。年配のザックスの優しさに惹かれる気持ちと決別するように彼への感謝を伝える歌は感動的で、ぐいぐいと引き込まれる。エーファ役の重要さを再認識させられる熱演だった。幕切れ直前、旧弊にこだわる年寄りどもを蹴散らすような、「男気」あるふるまいもお見逃しなく。ベックメッサーには、この役を最も多く歌っているというアドリアン・エレート。何をやらせても上手い人だ。歌自体が物語のキーとなるヴァルター役には新国立劇場初登場のヘルデンテノール、シュテファン・フィンケ。ダーヴィットの伊藤達人、マグダレーネの山下牧子、そして豪華メンバーが揃ったマイスタージンガーの親方衆ら、日本勢の充実もうれしい。イェンス=ダニエル・ヘルツォークの演出は、物語を現代のオペラ劇場に置き換えた。回り舞台を駆使して、劇場の客席や舞台裏、支配人室や靴工房が次々に入れ替わり、視覚的にも楽しい。ザックスは劇場の支配人。履物係から叩き上げで支配人まで昇り詰めたのだろう。第2幕ではベックメッサーだけが中世の吟遊詩人のいでたちで現れる。意地の悪い守旧派の彼だが、それもまた演技ということか。芸術監督・大野和士の音楽は終始ゆったりめのテンポながら常に推進力を失わない。巨匠の風格が漂った。管弦楽は東京都交響楽団。《ニュルンベルクのマイスタージンガー》は12月1日(水)まで全5公演。新国立劇場オペラパレスで。(取材・文:宮本明)
2021年11月19日2022年1月8日(日)に上演される東京芸術劇場の「コンサートオペラ」第8弾は、プーランク《人間の声》とビゼー《アルルの女》の2本立て。指揮者の佐藤正治が取材陣を前に抱負を語った(11月16日・東京芸術劇場)。リヨン国立歌劇場の首席コレペティトールを務めるなど、フランスの劇場で10年のキャリアを持つ佐藤。5回目の登場となるこのシリーズではターゲットを「フランスもの」に絞って取り組んできた。佐藤「プーランクは大好き。ハーモニーの使い方、人間の内面を描く音の引き出し方が実にうまい」《人間の声》は登場人物がソプラノ一人だけのモノオペラで、3曲しかないプーランクのオペラの最後の作品。別れた恋人と電話しながら徐々に精神が錯乱し、自ら命を絶つ女。客席の私たちは、彼女の歌だけで電話相手の声や姿、二人の過去の関係までも想像する。演じるのは近年引く手あまたの森谷真里。あっという間に日本を代表するプリマドンナに駆け上ったライジング・スターだ。佐藤「複雑な役をどう演じてくれるか。とても楽しみ」そしてさらなる目玉が《アルルの女》。この劇音楽の本来の姿である芝居付き全曲上演という試みなのだ。日本ではおそらく上演例がないという。クラシック・ファンなら誰もが知っている名曲だけれど、ほとんどの場合、それはオーケストラ組曲として抜粋された一部の曲にすぎない。フルートとハープで有名な〈メヌエット〉に至っては他のオペラから引用された音楽で、劇音楽の原曲には含まれていない。佐藤「有名な音楽が戯曲のストーリーと結び付くことで、あ、こういう効果のある音楽だったのか!と感じていただけるはず。芝居付きの上演は、フランスでも目にしたことがない。向こうの友人に今度日本でやるよと話したら、それは面白い、何語でやるんだ?と興味津々だった」今回は動きのない朗読劇としての上演だが、主演に名優・松重豊を起用しているのが大きな話題を呼んでいる。音楽は全27曲・約45分。フルサイズだと2時間以上になる台本を、佐藤自身の構成と日本語訳で約90分に縮小して上演する。組曲版よりもサイズの小さな、オリジナル・スコアに近い編成で聴けるのも貴重な機会になりそう。管弦楽は佐藤が2005年に創設した手兵のザ・オペラ・バンド。「初めての試みで、発見も挑戦もある」と期待を口にする佐藤。新年早々、未体験の新しい刺激いっぱいの舞台になりそうだ。(取材・文:宮本明)
2021年11月19日