チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (48/342)
9月25日(土)・26日(日)の2日間、大阪・泉南りんくう公園で開催される『GREENROOM BEACH』の、タイムテーブルとエリアマップが発表された。『GREENROOM BEACH』チケット情報このイベントは、海風が心地よいビーチで、アーティストが奏でる音楽やビーチマーケット・ビーチフードを楽しんで、海の大切さ、素晴らしさを体感することができるビーチミュージックフェスティバルだ。25日(土)にNulbarich、SIRUP、never young beach、Def Tech、iri、Awich、Vaundy、YONA YONA WEEKENDERS、I Don’t Like Mondays.、26(日)にclammbon、Awesome City Club、TENDRE、ビッケブランカ、ReN、KANDYTOWN、Yogee New Waves、Omoinotake、toconomaと、各日9組のアーティストが出演する。2DAYS TICKETと25日(土)の1DAY TICKET(一般/KIDS)はソールドアウト!26日(日)の1DAY TICKETは発売中。
2021年09月06日ソロ活動を始めてから来年で10周年となる藤巻亮太。2021年9月11日(土)には、サントリー天然水「北アルプス」のテーマソングである『まほろば』を配信し、10月2日(土)には、地元・山梨県で自身が主催する野外音楽フェス「Mt.FUJIMAKI」の開催を目指している。「水田を飛び越えて/光は水面に舞って/あなたの笑顔とびっきり輝く/運命なんて呼ばずに/私は私なりに/未来を信じたい/豊かさを讃える/まほろば」ーー。藤巻は楽曲制作に際し、北アルプスの麓にある長野県大町市を訪れたという。「水が本当においしいし、その水の恩恵を受けて、米やクラフトビールが作られていて。水が循環していることを改めて感じるきっかけになった。そこで出会った人や、見た景色が『まほろば』という曲に大きなインスピレーションを与えてくれた」。「土の匂いとか、水に光が反射してキラキラしている感じとか、フィジカルに感じるものがサウンドにならないかなと考えて、マンドリンを使った。いちから練習したことが一番大変だった」タイトルの『まほろば』に込めた思いを尋ねると、「素晴らしい場所、美しい場所という意味で、この国の美しさを誇っているような言葉」と定義した上で、「みんながきっと自然の恩恵を受けて暮らしている。いくら都市で生きているとしても、雨も降れば、風も吹くし、どこか自然の中にいる。北アルプスの水を飲むことも、すっと自然と繋がるような経験。合理化された社会の中で行き詰まっていくような自分ではなくて、もう少しおおらかな気持ちになれたら。ここはきっとまだまだ美しい場所だということを感じてほしいし、思い出してほしいと思った」と語った。2018年からスタートした藤巻が主催する「Mt.FUJIMAKI」。今回は、藤巻自身に加え、吉井和哉、岸谷香、真心ブラザーズ、竹原ピストル、川嶋あいが顔をそろえる予定だ。藤巻は「それぞれが自分のリスペクトしているアーティスト」だといい、「ここでしか聴けない素晴らしい音楽がある」。秋口の過ごしやすい気候の中で「最高の音楽を聴いてほしい」と話す。ただ、新型コロナウイルス感染拡大の状況が見通せない状況にある昨今だ。藤巻は言う。「地元の山梨の方に本当に良い音楽を聴いてもらえる場所にしたい。そして、県外の方には山梨の魅力を伝えたい。この2つのテーマでフェスをやっている。結局山梨の人に迷惑をかけてしまったら元も子もないので、開催に関しては、自治体やスタッフと連携しながら、話し合いに話し合いを重ねていきたい」。2022年にはソロ活動が10周年を迎える。「人生も音楽も、背負っているものがあったり、いろいろと複雑になっていったりするが、一回シンプルにすることで、何かまた生まれてくるものがあると思う」と自身の考えを語った上で、「この年になっても、年々音楽が好きになっていく。本当に楽しい。そんな思いを伝えられたらと思っていて、ひと区切りの作品をまた出せたら良いなと思う」と話していた。取材・文:五月女菜穂
2021年09月06日倉持裕が2011年に新国立劇場に書き下ろし、鵜山仁が演出を務め話題を呼んだ『イロアセル』。匿名の言葉が持つ暴力性について寓話的に鋭く描き出した本作が10年の時を経て、SNS社会となった今、倉持自身の演出によって再び上演される。10年前、どのような思いでこの戯曲をしたためたのか? そしていま、本作を上演する意義とは? 倉持に話を聞いた。10年前、どんな物語を書くか鵜山と話をした際に、TVや新聞といった従来のマスメディアの凋落、インターネットの台頭が話題に上がったという。「(ネット空間で)蔓延している匿名の言葉が力を持ち始め、新聞など、名前を出して書く言葉のプロが匿名のアマチュアに負けてしまう状況になった。なぜみんな、そこまで言葉を書きたがるのか? そんな発想から、匿名の立場で大勢に向かってものを言う快楽を人々が手にする、その過程を書いてみようと思った」と本作の執筆の経緯を振り返る。ちょうど初稿を書き終えた直後に東日本大震災が発生。電話回線が遮断された状況で、生存確認などに力を発揮したのがTwitterだった。それまで若者を中心に、他愛もない“つぶやき”を行うものとされていたツールが世代を超えて社会に浸透していったが、一方で本作で展開される物語と同様、匿名性を持った言葉の暴力性はより強さを増している。「当時、問題だと感じていた部分は(この10年で)悪化してると思います。日本でも(ネットの中傷で)亡くなった方もいるわけで。(SNSの浸透で)より言葉に責任を持つようになるかと思いきや、逆に無責任なまま言葉の持つ怖さみたいなものが膨張している」と10年前に危惧した状況が、さらに悪化していると語る。10年前とはさらに異なる社会状況の中で本作のテーマが観客にどのように響くのか楽しみだ。今回、キャスティングはフルオーディション。1800名を超える応募から書類選考、一次・二次選考を経て10名を選んだ。「大変な作業でしたが、それだけの思いで選ばせていただいたので自信を持っています。以前からこういうやり方が理想的だなと思っていました。今回、もちろん、役者も見てもらいたいですが、スタッフもキャストもみんな、“作品”に向かって作っています。それは本来、当たり前の形なのですが、そういう芝居を披露できればと思っています」『イロアセル』は新国立劇場 小劇場11月11日~28日上演(11月7日プレビュー公演)。チケットは10月2日一般発売。
2021年09月03日番組は終了したがコンサートは好評継続中だ。8月31日(火)にサントリーホールで開催された「ららら♪クラシックコンサート」Vol.11。残念ながら公演には足を運べなかったのだけれど、インターネット配信を自宅で鑑賞した。「ソリストたちのカルテット~大御所ズ☆室内楽」の公演タイトルどおり、千住真理子(ヴァイオリン)、石田泰尚(ヴァイオリン)、飛澤浩人(ヴィオラ)、長谷川陽子(チェロ)という大御所メンバーによる、一日限りのスペシャル・カルテットのコンサート。ピアノに佐藤卓史。司会はいつものとおり、俳優の高橋克典とアナウンサーの金子奈緒。冒頭、見どころを問われた千住の答えが、「この4人がはたして(アンサンブルとして)まとまって弾けるか?」たしかに!かなり珍しい一期一会の顔合わせだし、そもそも、そう答えた千住自身、カルテットを弾くなんて激レアだ(ソロの時は暗譜で弾くので、めったにお目にかかれないメガネ姿の千住も一見の価値)。しかし1曲目のモーツァルトのディヴェルティメントから、4人の本気度がありありと伝わってくる。おざなりの〝お仕事〟だったら、たぶんこんなに穏やかに調和したモーツァルトは出てこないはず。一方で、ベートーヴェンの大フーガなどでは、それぞれの個性が激しくぶつかり合いながらひとつになるという、室内楽の醍醐味が聴けるのも、卓越した4人のソリストたちの演奏ならでは。演奏曲目も本気度が高い。1楽章ずつ〝いいとこ取り〟した名曲の数々を一気に楽しめるプログラム。けれども選んだのは上述のモーツァルト、ベートーヴェンに加えて、シューマンのピアノ五重奏、チャイコフスキーの《アンダンテ・カンタービレ》とショスタコーヴィチの弦楽四重奏第8番と、まったくありがちではない。フィナーレは一転、井上陽水《少年時代》。ピアノの前奏の「夏の思い出」から〝晩夏つながり〟の「♪夏が過ぎ 風あざみ」。うまい!(編曲:松岡あさひ)インターネット配信は、緊急事態宣言による入場制限を受けてのフォロー策。コロナ禍の一日も早い終息は全世界の願いだが、こういう便利でうれしい副産物は大歓迎だ。きちんと凝ったカメラワークで音質も十分。映像だと演奏中の表情まで細かくはっきり見えるのもうれしい。会場で配布されたプログラムもPDFをダウンロードでちゃんと手に入る。かなり満足。アーカイブ配信は9月6日(月)23:59まで。なお、次回のららら♪クラシックコンサート Vol.12は12月1日(水)にサントリーホールにて上演。(宮本明)
2021年09月02日シンガー、ラッパー、プレイヤー、ビートメイカー、フォトグラファー、ペインターから成るアーティストコレクティブ、Soulflex。そのメンバーとしても活動するシンガーソングライターZINが、10月27日(水)心斎橋JANUSにてワンマンライブショー「Ginger」を開催する。9月12日(日)に同タイトルで東京・表参道WALL&WALLにて開催予定のワンマンライブに引き続き、ZINの地元である大阪での開催となる。「ZIN」チケット情報フルバンドセットでの大阪ワンマンライブは初めてのこと。バンドメンバーも東京セットとは異なり、Soulflexの面々やプロデューサーの野村帽子、東京セットに引き続きshowmoreのキーボーディスト井上惇志やシンガーソングライターのJYONGRIが参加する。チケットは、9月2日(木)10:00から15日(水)11:00まで先行抽選プレリザーブを実施。
2021年09月02日「いま最も旬でうまいラーメンは?」をコンセプトに関西最強のラーメンを決定する「第10回 究極のラーメンAWARD関西」が、9月2日(木)発売のムック本『究極のラーメン2022 関西版』(ぴあ)にて発表された。今回で早くも10回目を迎え、記念すべきメモリアル大会となった今年のアワード。“関西ラーメン四天王”と呼ばれる有名ラーメン通4名が選考委員を務め、1000店以上ものノミネート店の中から総合グランプリに選んだのは、超濃厚な鶏白湯スープで人気を博す京都・西院の「麺屋 さん田」。濃厚パンチのスープに絡む風味豊かな自家製麺が秀逸な、2017年のオープン以来ラーメンマニアから絶大なる支持を受ける超人気店だ。グランプリの記念盾が贈呈され、店主の三田達郎さんは「この栄誉は修業店・久保田さんや優秀なスタッフのおかげです。今後もおいしいラーメン作りに邁進します!」と、受賞の喜びをかみしめた。また、新店をはじめ、醤油、塩、豚骨、鶏白湯、味噌、つけ麺、バラエティなどの各部門のグランプリ&準グランプリ店も同時に発表。今回も関西のラーメンシーンの最新トレンドが分かる、興味深いラインナップとなっている。『究極のラーメン2022 関西版』9月2日(木)発売定価930円(本体845円+税)ぴあ
2021年09月02日朗読と能で描く陰陽師と鬼の世界幽玄朗読舞『KANAWA』が2021年8月31日(火)、東京・博品館劇場で開幕した。本作は、能作品『鉄輪』のストーリーを、3人の声優による朗読(キャストは公演回で異なる)と、古典舞踏家・山村楽千代による舞などの手法を融合させて作り上げる、新しい形のエンターテインメント。初日を飾った、浜田賢二(安倍晴明)、廣瀬大介(藤原和人)、三上枝織(鬼女)の回を見た。舞台上には、貴船神社を思わせる朱色の春日灯籠と大鳥居、満ち欠けする月が見える。笛の音が不気味に響くと、平安時代の京の世界に観客は誘われる。『鉄輪』のあらすじは、桔梗という女が、自分を捨てて新しい妻を娶(めと)った夫・美努を恨み、丑の刻参りを行い、鬼となって復讐するというもの。本作ではそこに、陰陽師の安倍晴明、晴明の弟子である藤原和人、和泉式部らを絡めることで、切なく悲しい物語にほっと息がつける場面が生まれていた。キャストは、立ち位置の変化はあれど、複数の人物を声だけで演じ分ける。実力派声優が顔をそろえるだけあって、聴きどころが満載だ。また、朗読の合間に、山村楽千代による地歌舞(地歌という歌に合わせた舞)が挟み込まれるのだが、そのコラボレーションに全く違和感はなく、むしろ、舞によって平安時代の空気感や質感をより堪能できる気がした。上演時間は約85分(途中休憩なし)。光と音楽の効果を駆使して、観客の想像力を刺激しつつ、後半はかなり意表をついた演出も。たとえ能に造詣が深くなくとも十分に楽しめると思う。公演は9月5日(日)までの全9公演。その他の出演者は、赤羽根健治、伊藤健太郎、井上和彦、笠間淳、神尾晋一郎、木島隆一、沢城千春、土屋神葉、中澤まさとも、中島ヨシキ、三木眞一郎、逢田梨香子、岡村明美、香里有佐、古賀葵、森優子、柚木涼香、吉岡茉祐(男女五十音順)。組み合わせなどの詳細は公式ホームページ()参照のこと。取材・文:五月女菜穂
2021年09月02日中村勘九郎、中村七之助を中心に、中村屋一門が2005年より毎年行う全国巡業公演『錦秋特別公演』が10月より全国15カ所で開催される。昨年はコロナ禍によりやむなく中止。今年の巡業は中村勘太郎、中村長三郎が初めて参加した春公演に次いで2度目となる。「昨年伺えなかった土地に春と秋、2回に分けて伺えるのがうれしい」と勘九郎。七之助は「待っていてくださる方がいることがありがたい。春公演ではたくさんの拍手に、役者は居てもいいんだと思えた」と振り返る。それぞれ感謝の思いを胸に、合同取材会で秋公演への想いを語った。「中村勘九郎 中村七之助 錦秋特別公演 2021」チケット情報演目は『浦島』『甦大宝春日龍神(よみがえるたいほうかすがりゅうじん)』『トークコーナー』の全3つ。昔ばなしの後日談を舞踊化した『浦島』は成長株の鶴松が勤める。勘九郎は「歌舞伎を初めて観る方にはストーリー性も分かりやすく曲調も華やか。二枚扇というお扇子を使って踊るテクニカルな踊りは目にも楽しい」と解説。生前、父である中村勘三郎(18代目)が勘九郎の浦島をひどく気に入っていたと言い「鶴松にもしっかり継承できれば」と語る。『甦大宝春日龍神』は春日大社「第六十次式年造替記念」として2014年に創作された奉納舞踊。前半は春日の野の四季折々の素晴らしさを芝居仕立てで踊り、後半は龍神、龍女が荒々しく舞い踊る。「神がかったものに触れることによって、神秘的な思いになっていただければ」と勘九郎。七之助も奉納当日に、龍神の存在を感じるような出来事があったと明かす。「水の神様なので当日は雨だろうと話していたら、踊っている間は降らなかったのに踊り終えた瞬間に土砂降りの雨が降ってきた。野外だったので、兄と二人で『願いが通じたね』と。そういう摩訶不思議な現象が起こったりする。今回はとくに世の中が平穏無事であることを強く思いながら踊りたい」。最後の「トークコーナー」はスーツ姿の2人が等身大の素顔を垣間見せる人気コーナー。2年ほど前から定番だった七之助への結婚に関する質問がパタリと止んだ。「お客様も諦めたのかな」と勘九郎。当の本人は、結婚願望はないと言うが「こればっかりは分からないですよね。理想? 考えたこともないですけど、芝居が好きってことかな。同じものを楽しめる人だったらいいなと思います」。芝居は「心の栄養」とは勘九郎。「辛い状況が続くなかで、歌舞伎という非現実の世界へ飛び込むことによって、少しでもお客様を癒すことができればうれしい。感染対策を徹底して安心安全にご覧いただくというのが私たちの想いです」。七之助も「舞台で得た感動を明日への希望につなげていただければ幸いですし、僕らがやる意味もそこにある」と決意を語った。公演は、10月5日(火)東京・品川きゅりあん大ホールを皮切りに、全国を巡演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年09月01日9月15日(水)に開場15周年を迎える天満天神繁昌亭で、8月30日より『繁昌亭15周年記念特別公演』が始まった。初日の昼寄席では、開演前に「花詩歌タカラヅカ」の桂あやめ、林家染雀、笑福亭生寿、笑福亭生喬、月亭天使が和装で「はなしか音頭」(踊り・作詞/桂あやめ)を華やかに舞い、上方落語協会会長の笑福亭仁智、副会長の桂米團治、15周年記念特別公演実行委員長の月亭遊方が「繁昌亭」と書かれた和傘で「見得切り」を決めて、15周年を寿いだ。「天満天神繁昌亭」チケット情報「本日はようこそ、天満天神バケモノ小屋へ」と開口一番に仁智。そして改めて「天満天神繁昌亭15周年、本当にありがとうございます。おかげさまであっという間の15年でした。かなり厳しいご時世でございますが、協会員が一致団結して皆様方に少しでも楽しんでいただける番組をお届けし、次の15年に向けて進めてまいりたいと思います」と挨拶した。35日間にわたり開催される『繁昌亭15周年記念特別公演』。実行委員長の遊方は「このような大役を背負うことはもうないと思いますので、10月3日(日)の楽日まで頑張ります。よろしくお願いいたします!」と意気込んだ。副会長の米團治も「昨日は宗助改め八十八の襲名披露で、仁智会長が大いに盛り上げてくださいました。その翌日に15周年と、非常にめでたい月間になりまして嬉しい限りです。仁智さんは本当に大変です。力不足ではありますが支えさせていただきたい」と語った。8月30日からの「松鶴一門ウィーク」を皮切りに、「春團治・五郎兵衛一門ウィーク」「文枝一門ウィーク」「染丸監修 染丸ウィーク 染丸襲名三十周年記念公演」「米朝一門ウィーク 宗助改メ二代目八十八襲名披露公演」と各一門によるスペシャルな昼席を5週連続で展開し、9月13日(月)から19日(日)の夜席も趣向を凝らした落語会を連日開催、全42公演を繰り広げる。このラインアップに「各一門による協調と競演です!」と仁智、胸を張った。期間中、ロビーでは写真展も開催。9月19日(日)まではこれまでの周年記念興行の模様を、20日(月)から10月3日(日)までは、繁昌亭スタッフが撮影した楽屋の様子などの写真が楽しめる。また、来場者全員に上方落語家系図が載った特別パンフレットと上方落語協会オリジナル手ぬぐいをプレゼント。そのうち、各回とも来場者中から20名に天神橋筋商店街1丁目から3丁目で買い物に使える金券1000円分(500円券2枚)のプレゼントもある。天満天神繁昌亭は2006年に戦後60年ぶりに復活を遂げた上方落語唯一の寄席として開場して以来、大阪の新名所として定着。7月25日には来場者数が190万人台に達成、8月29日には19万4705人を記録した。『繁昌亭15周年記念特別公演』は10月3日(日)まで開催。チケット発売中。取材・文:岩本
2021年09月01日朗読と日本舞踊のコラボレーションという、新しい形のエンターテインメントが誕生する。第1弾のテーマはお七の物語。禁じられた恋の相手に会いたい一心で、16歳のお七は江戸の町に火をつけた…。朗読でお七を演じる大空ゆうひと、日本舞踊で表す花柳幸舞音が、作品の魅力を語り合った。大空 : 「ロミオとジュリエット」を思わせる、許されぬ中での一途な恋に共感できるのはもちろん、要所要所に出てくる火の情景が印象的ですね。お七の気持ちと相まって、恋心をメラメラと燃やしているよう。花柳 : お七の物語は日本舞踊の定番で、私もお七の実年齢に近い年頃で清元の「幻お七」を踊ったことがあります。その時、駒込にあるお七の比翼塚(心中した男女の墓)にお参りに行ったことを覚えています。大空 : 恋を知らなかった少女が、吉三郎との恋愛を経て、強く芯の通った女になっていく。この物語はお七の成長する様がとても魅力ですね。花柳 : はい。お奉行は放火の罪を犯したお七をどうにか救済しようとしますが、彼女はそれを断り江戸市中を3日間引き回されることになります。その際、お七は綺麗な着物を着て、前を向いて堂々と歩いた、その姿がとても美しかったとか。まっすぐな思いが切ないです。大空 : この物語が朗読と日本舞踊でどう立ち上がるのか、とても楽しみです。相手役の吉三郎は日替わりなので、私はその変化も楽しみたいです。日本舞踊は型がある分、より熱い感情を表現できる気がします。お七の押さえつけられた、けれども燃え上がる恋心と重なる部分もあるのでは?花柳 : そうですね。私は型を基本としながら、必ず心重視で踊るようにしています。日本舞踊は扇一本で無いものを有るように見せることが出来ます。また踊りを通して心の温度をお客様に伝えたいです。そのためには時代背景を調べたり、現地を訪れるなどのリサーチは欠かしません。大空 : それは演劇も同じです。今回、朗読と舞踊が調和して、より想像しやすいエンターテインメントになるでしょう。皆さまの心に火をつけて、燃え上がり、ドキドキする気持ちを感じていただけたら。ぜひ、いろんな世代の方に見ていただきたいです。花柳 : 大空さんたちが語ってくださることで見えてくる人物像や世界観が楽しみです。現代人は理性や理論で動きがちですが、根本は心に支配されている。観客の皆様にそんなことを思い出していただけるといいですね。公演は9/10(金)~9/12(日)よみうり大手町ホールにて上演。チケットは発売中。取材・文/三浦真紀
2021年09月01日ステージで見るよりも小柄な印象。でもその小さな身体からつねにエネルギーが奔り出る、溌剌と明るい人だ。船舶免許を所持して海を愛するアクティブな指揮者でもある。指揮者・三ツ橋敬子に聞いた。10月の「アジア オーケストラ ウィーク」では東京フィルを指揮する[6日(水)東京オペラシティ]。没後5年の作曲家・冨田勲へのトリビュートという独創的なプログラムだ。「冨田先生には生前に一度だけお目にかかったことがあります。物静かに、でもとても熱心に音楽を語られる方で、その情熱に引き込まれる感覚でした」冨田勲(1932~2016)は1974年にシンセサイザーによる『月の光』を発表して日本人として初めてグラミー賞にノミネート。シンセ作品の世界的巨匠として活躍する一方、TV・映画の音楽から純音楽まで夥しい数の作品を残した。「音色、つまり空気感を音にするアプローチに長けた作曲家だと思います。どんな音色・質感で描くのかというロジックが、ものすごくしっかりしている。奏法の効果や音の組み立て方の操作にフォーカスする現代の音楽とは一線を画しているというイメージがあります」曲目は以下のとおり。冨田勲:交響詩《ジャングル大帝》(2009年版)ドビュッシー:《月の光》ストラヴィンスキー:《火の鳥》(1919版版)冨田勲:《ドクター・コッペリウス》第7楽章「日の出」Rise of The Planet 9より《ジャングル大帝》は手塚治虫のアニメ(1965)の音楽による管弦楽作品。《コッペリウス》は生前の冨田の構想に基づき補完された遺作で、終楽章「日の出」は先の東京オリンピック開会式の聖火点灯シーンでも流れた。「火の鳥が象徴する不死鳥=蘇るというテーマが、演奏会全体の核になっています。《ジャングル大帝》の陽が昇る情景から始まり、月の光を挟んで、闇から始まる《火の鳥》。そして最後に「日の出」で、本当に感動的なクレッシェンドから、また陽が昇ります。ひとつの大きな波を作って希望に向かうストーリーです」映像的なイメージを軸に構成されているから、誰もが音楽の世界に入り込みやすいはず。とくに《ジャングル大帝》では名バリトン大山大輔の歌と語りが入る。「物語の温度や空気感をさらに具体的に感じていただけます」。「冨田先生の音楽が、日本の遺産として受け継がれるべきものであることを、みなさんと一緒に認識していけたらいいなと思っています」(宮本明)
2021年08月31日ピアニスト及川浩治のオール・ショパン・リサイタル「ショパンの旅」[9月26日(日)サントリーホール・10月31日(日)シンフォニーホール]は、及川自身が書いた台本による語りを交え、よく知られた名曲を中心に作曲家の人生を辿る興味深い企画。実はこれ、1999年のショパン没後150年に全国で3万5千人を動員した伝説のコンサートの初めての再演だ。「まだデビュー5年目。その頃は協奏曲を中心に活動していて、ソロ・リサイタルの機会があまりなかったんです。あるホールに打診したら、『新人で大ホールを埋めるのは難しい。何か企画を考えて』と言われてしまって。必死にプランを練って持っていったのがこれでした。すると、あっという間に完売で追加公演。全国に展開していただけることになり、自分でもびっくりしました。しっかり考えたことは結果に出るのだと初めて気づかされた、初心、原点のコンサートです」語り部分は、ショパン自身を始めとする、当時の人々の〝証言〟で構成されている。及川自身のショパンへの思いなどの主観はあえて排した。「何冊も本を読んで。大変でした(笑)。でも専門の作家の方にお願いするよりも、ピアニストとして、曲の感覚に直結するような言葉を選ぶことができたと思います。もちろん、知ることで演奏に反映された要素も。そういう意味でもショパンについて一番勉強した年でした」22年を経ての再演。当時よりも自然体でショパンと向き合えると語る。「歳を取って、多少なりともショパンの音楽への共感度が深まっているはず。つい先日、10数年ぶりにピアノ協奏曲第1番を弾かせていただいたんですけれども、やっぱりめちゃくちゃいいなと思って。自分のアプローチが自然体になっているのを感じました。僕はよく、〝情熱のピアニスト〟とかって書いていただいて、理論的でないピアニストだと思われているところがあるんです(笑)。でも実はめちゃくちゃ考えるタイプなんですよ。理屈っぽいんです。でも、あまり理屈にとらわれすぎないように。特に今回のプログラムはみなさんがご存知の有名な曲が大部分ですし、考えすぎずに、いまの自分の感性で、現代のピアノの響き、現代のコンサートホールに合ったショパンの世界を皆さんと共有できればうれしいですね。再演は自分にとっても新鮮。22年前とはちょっと違う表現になるだろうと思います。語りも、前回は芝居っ気がありすぎたかもしれないので、今度はもっと自然体で(笑)」(宮本明)
2021年08月31日2022年の夏に開幕する国際芸術祭「あいち2022」の第一弾アーティスト22組と、愛知県の形をハートに見立てたロゴが発表された。発表された22組は、本芸術祭テーマ着想の元となった愛知県出身のアーティスト河原温ほか、コロナ禍の影響を感じる作品など、今回の芸術祭の方向性を想像させるラインナップとなった。「コロナ禍により決定的に違うのは、私含めキュレーターが世界のアーティストについてリサーチできていないということです。しかしそれを補完する形で、世界各国のキュレトリアル・アドバイザーを集め、彼らの推薦作家からセレクトしています。私がこれだけのアーティストをリサーチしていたら、おそらく後5年ぐらいはかかっただろうなという量と、各地域の専門家による非常に質の高い情報が短期間で集まっています。それによってこれまで日本で見たことがないアーティストが多くなるのではないかと思います。全く新しいセレクトで、世界をもう一度シャッフルして、新しい組み合わせを見つけ直すことができるのではないかと思っています」と出演者について話す片岡監督。最終的には、現代美術80組、パフォーミングアーツ10組程度を予定しているというので、今後の発表にも期待したい。コロナ禍で開催されることについて片岡監督は「先の見えない不確かな時間の中で、どういう未来を想像し、新しい価値観を築いていくかということが必要だと思っています。多彩な地域から多様な価値観が持ち寄せられる国際芸術祭は、『STILL ALIVE』というテーマが示している通り、今をどのように生き抜くかという、人類にとって最大の問いについて、多様な応答をみることができるのではないかと思っています。生きるためのアートを、今を生きる皆さまにお届けしたいと思っています」と意気込みを語った。名称:国際芸術祭「あいち2022」テーマ:STILL ALIVE今、を生き抜くアートのちから会期:2022年7月30日(土) ~ 10月10日(月・祝)主な会場:愛知芸術文化センター/一宮市/常滑市/有松地区(名古屋市)
2021年08月31日小劇場ミュージカルとして絶大な人気を誇る『SMOKE』が、8月28日、東京・浅草九劇で開幕した。韓国で誕生し、日本では2018年に初演。3人の俳優のみで、ひとりの天才詩人の苦悩と葛藤をドラマチックに描き出すミュージカル。上演を重ねるごとに熱狂的なファンを生み、今回で四演目だ。各役、複数キャストの回替わりで上演されるが、大山真志、内海啓貴、池田有希子が出演した初日の観劇レポートを記す。物語はふたりの青年・超(チョ)と海(ヘ)が、三越デパートの令嬢だという紅(ホン)を誘拐してくるところから始まる。身代金で、まだ行ったことのない海を見に行くのだと。しかし目隠しを外された〈紅〉は、〈海〉を見て懐かしそうな表情を浮かべた。彼らは知り合いだったのか? サスペンスのように始まった物語は、やがて予想のつかない展開へ……。モチーフは、20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)。文学的奥深さと、激しい感情のキャッチボールが同居する作品を、3人のキャストが時に激情をぶつけ合い、時に駆け引きをし、時に寄り添い、紡ぎ出していく。〈超〉の大山は、初演では〈海〉をシングルキャストで務め上げ、再演からは〈超〉〈海〉の両役を演じている“ミスターSMOKE”。兄貴分的な役柄を、大きな存在感と静かな迫力で演じる。しかし時折、押し殺した怒りや悲しみが背中から立ち上るような切なさを体現し、さすがのひと言。〈紅〉の池田もまた初演からのキャスト。謎めいた女性である〈紅〉だが、今年の池田〈紅〉は“恋しい”という感情を全面に押し出し、また新たな造形だ。キャリアのある大山と池田は、ジェットコースターのように上下する感情を息をするように自然に、しかも魅力的に見せていく。しかし、ののしりあっていても、その息の合いっぷりからどこか共犯者めいた空気が出てくるのも面白い。一方、27歳だが精神は14歳で止まっている青年〈海〉は、初参加の内海。少年性の強い〈海〉でピュアさや戸惑いをフレッシュに演じるが、後半、彼が覚醒してからの冷たさも印象に残り、面白かった。今まで浅草九劇では四方を客席で囲ったセンターステージで上演、観客の眼前に俳優がいる緊密さ、迫力も人気のひとつだったが、今回はコロナ禍バージョンで三方が客席、ステージはスクリーンとビニールシートで囲まれた。しかしスクリーンの使い方の面白さや、“囲まれた”ことを利用しステージを煙で満たしたりと、現状を逆手にとった演出の巧みさも光る。さらに、時に照明の加減でスクリーンやビニールシートに俳優の姿が反射し鏡のようになるなど、作品の内容ともリンクし、面白い効果が生まれている。また新たな『SMOKE』の誕生だ。ほかに東山光明、伊藤裕一、山田元、中村翼、木村花代、井手口帆夏、皆本麻帆が日替わりで出演。なお大山は〈海〉との2役で出演する。東京公演は10月3日(日)まで浅草九劇にて。取材・文:平野祥恵
2021年08月31日9月18日(土)に大阪・服部緑地野外音楽堂で開催される、the band apart主催イベント『SOOMTH LIKE GREENSPIA』。5回目の今年は、the band apart、ASPARAGUSのツーマン形式で行われる。「the band apart SMOOTH LIKE GREENSPIA 2021」チケット情報このたび、オンライン配信の開催、タイムテーブルが発表された。また、the band apart・小暮栄一(ds)デザインTシャツが、グッズとして当日会場で販売されることも決定。リアルライブのチケットは発売中。配信ライブのチケットは、9月6日(月)12:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、9月5日(日)23:59まで早割券を発売中。各々の楽しみ方で本イベントを堪能してほしい。
2021年08月30日8月22日(日)〜9月5日(日)の期間、「テレビ東京夏フェス 2021」と題したお笑い番組配信イベントを開催しているテレビ東京。この度、イベント期間の後半に行われるオンラインイベントのラインナップが発表された。8月31日(火)20:00からは、さらば青春の光によるオンラインイベント「主婦層ファン獲得ライブおもいっきりナマ配信!主婦にハマりたい、さらば達」を開催。さらば青春の光は今や飛ぶ鳥を落とす勢いのお笑いコンビだが、唯一“主婦層”からの人気を得られないでいる。このイベントは、そんなさらば青春の光が今より地位を高めるために主婦層に向けたお笑い企画を2本届ける生配信だ。1つ目の企画では、さらば青春の光をはじめ、永野やあぁ~しらきなど「実力はあるが主婦人気が著しく少ない芸人達」がそれぞれの得意や趣向を活かした企画を持ち寄り、主婦芸人の代表である北陽・あぶちゃんにプレゼンする。2つ目の企画は、「主婦の間で噂の最新不倫スポット」「夫に内緒で大金を稼ぐ副業主婦の実態」など、誰かと噂話がしたくなるエピソードを持った現役主婦が集結し、好き勝手にぶっちゃけるトークコーナー。ママドル、旦那公認セクシー女優など一癖も二癖もあるゲストからディープでリアルな話が飛び出す。9月4日(土)20:00からは、アルコ&ピース、相田周二(三四郎)、GAG、ラブレターズといった実力派コント師たちが「勇者ああああ HP1 RIFUJIN 秋の新架空新番組対抗戦スペシャル」を開催。彼らが「架空」番組の「架空」出演者となって「架空」のゲーム番組に挑戦する。改編期に他局でやってそうな特番ごっこで盛り上がりながら、レギュラー放送時に人気だった「限界しりとり」や「爆弾解体大作戦」などの人気コーナーも続々と登場する。「架空」大物MCや「架空」大物ゲストのサプライズ出演もお楽しみに。9月12日(日)20:00からは、M-1グランプリで優勝を果たしたマヂカルラブリーによる『マジカルクリエイターズ「オズワルドにこれ以上売れてほしくないよ~!」』を実施。ABC お笑いグランプリ優勝をきっかけに色々なところで見かけるオズワルドだが、このまま勢いに乗ってM-1も優勝されたら昨年のチャンピオンの印象が薄れてしまうと危惧したマヂカルラブリーが、これ以上オズワルドが売れないように番組で産まれた擬人化アイドルグループ(ママタルト、ダイヤモンド、真空ジェシカ)の3組と共に全力でMC伊藤の足を引っ張る。「テレビ東京夏フェス 2021」日程:2021年8月22日(日)〜9月5日(日)※一部期間外のイベントも含まれています
2021年08月30日世界的に有名な未解決事件を題材にしたミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』が2021年9月9日から日生劇場ほかで上演される。日本版演出・日本人キャストは今回が初めて。初日まで2週間と迫った8月26日、出演者らによる歌唱披露と質疑応答がオンライン上で開催された。演出の白井晃、ダニエル役(Wキャスト)の木村達成、小野賢章、アンダーソン役(Wキャスト)の松下優也、ジャック役(Wキャスト)の堂珍嘉邦、アンダーソン役とジャック役を兼ねる加藤和樹、グロリア役のMay’n、ポリー役のエリアンナ、モンロー役の田代万里生の計9名が登壇。劇中の全6曲を衣装とヘアメイクで披露した。役を演じる中で印象的に残っている部分を尋ねると、ダニエル役の木村は「ある歌詞の中で『もう止められない』と歌う部分があって、それがすごく僕の背中を後押してくれる。もう後戻りできない、突き進むしかないという覚悟をくれる」と話し、「個人的にマント捌きをやってみたいと思っていたら、白井さんの方からその歌の終わりでやってほしいと言われて、自分の気持ちが通じたようで嬉しかった」とも。稽古の中で感じる“変化”について、同じくダニエル役の小野は「稽古を始めた頃は、歌や動きなど、やらないといけないことに必死になっていたが、ようやく体になじんできました。稽古場で役を追い込んでいくと、グロリアに対しても愛情だけでなく怒りなども芽生えてきて、日々の変化を感じている」などと話していた。『ジャック・ザ・リッパー』に絡めて、共演者の“裏の顔”を尋ねた際は、モンロー役の田代が小道具のカメラのほかに、自前のカメラを持ち歩き、共演者の様子を撮影しているというエピソードや、アンダーソン役とジャック役を兼ねる加藤が次作で『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』にする出演することもあって、体がより鍛え上げられている目撃談などが披露され、笑いを誘った。また、演出の白井は「韓国でロングランされている大人気作品。いまの我々が台本と音楽から感じられるものを、自分たちの肉体に即した物語としてお届けしたい。 実際の未解決事件から想起して書かれているが、なぜこんなにも長く、我々の中に記憶が残っているのかをヒントに、描いていこうと思っている」と語った。東京公演は9月29日(水)まで。大阪公演は10月8日(金)~10日(日)、フェニーチェ堺 大ホールで開催される。取材・文:五月女菜穂
2021年08月27日古代ローマを舞台に繰り広げられるウィリアム・シェイクスピアの政治闘争劇を、女性キャストのみで立ち上げることが話題を集めているパルコ・プロデュース2021『ジュリアス・シーザー』。本作の演出を務める森新太郎と主人公ブルータスを演じる吉田羊に、稽古前の心境を尋ねた。高潔な魂を持つブルータスが、友人でありローマの礎を築いた英雄シーザー(シルビア・グラブ)を殺害するまでの苦悩や葛藤、そして事後の悲劇を描いた本作。「役者の鍛錬が求められるシェイクスピアを敬遠してきた」と率直に語る吉田は「彼の演目にふさわしいかどうか、作品に選ばれないと舞台に立てない感覚がありました」「これを機に挑戦して自分を更新していきたい」と森のオファーに対して背筋を伸ばす。キャスティングの意図を問われた森は「羊さんを別のフィールドへ引っ張り出したかった」と笑う。吉田の強みを「リアリスティックな抑えた芝居」と捉え、「そもそも抑えた芝居があれだけ魅力的なのは、心の中に激しい何かを秘めているから」と分析。「思いのありったけを叫ぶシェイクスピア劇で羊さんの新境地をお見せできたら」「これだけ叫んでも胸の内がわからないブルータスの底知れなさも感じさせてくれそう」と期待を寄せる。男性の登場人物が多い本作を、オールフィメール(全員女性)で届けることの意義を「虚構性を高めた方が、日ごろ我々を取り巻く規範や約束ごとから解放される」とした森。吉田も「男女の役割を固定するようなセリフが森さんによりほぼカットされている」と戯曲を読んだ感想を述べ、「性別という概念がなりを潜めて、対人間同士の会話として響くのではないか」と予想する。こと衣装に話題がおよぶと、二人は大盛り上がり。森が「当時の男性フォーマルといえば例えば鎧だけれど、シェイクスピア作品では言葉が鎧みたいなもの」「言葉以外の要素はなるべく削ぎ取りたいから抽象的なのがいい」とアイディアを口にすると、吉田も「賛成!中性的な衣装がいいですね」と反応する。そしてブルータスの人物像について「私利私欲のない“ミスター正義感”だけれど、彼本来の魅力は人間的な優しさや弱さ」と語り、「シーザー殺害にいたる感情のアプローチを大切に演じられたら」と述べ、森と吉田の演劇に対する尽きせぬ思いを語り合ったインタビューになった。公演は、10月10日(日)~31日(日)に東京・PARCO劇場にて。その後、11月に大阪・山形・福島・宮城・富山・愛知と巡演する。東京公演のチケット一般発売は、8月28日(土)10時よりスタート。取材・文:岡山朋代
2021年08月27日西田大輔が描く本格派ミステリ作品で、「ONLY SILVER FISH」シリーズ第三弾となる『RUST RAIN FISH』が2021年9月23日(木・祝)から紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAほかで開幕する。舞台は、第二次世界大戦時の日本。『ONLY SILVER FISH』『+GOLD FISH』から引き続く“上質なミステリ”をテーマに、史実とファンタジーが混ざり合ったワンシチュエーション会話劇で、2014年に初演されて以来の上演。西田は「誰でもいいというわけではなく、自分が思う俳優と一緒にやりたいという気持ちが強かった。本当に温めてきた作品で、満を持して上演できる」と話す。今回はWHITEとBLACKの2チーム制で上演される。BLACKの顔ぶれについて、西田は「僕といつもお芝居を作っているメンバーが多く、言葉でなくても伝えられる関係性」。一方、WHITEについては「素晴らしい俳優の皆さん集まっていただいて。楽しみでしかないし、新たに作品をつくれる喜びがある」と話す。チームごとに時間を分けて稽古をすることもあり、確かに好対照な芝居になりそうだ。西田も「僕は本来その俳優でなければできないお芝居にしか興味がない。1つの作品でも、全く毛色の違う2人が演じると、完全に違う物語が生まれる。それこそがお芝居の魅力なのではないか」と語る。主宰する「AND ENDLESS」での活動のほか、ゲーム原作舞台の先駆けとなった『戦国BASARA』の演出や、ドラマ『Re:フォロワー』の脚本など、幅広い分野で活動する西田。その原動力を尋ねると、「感覚としては、まだまだ若手のつもりだった」と笑い、「僕に話しかけるタイミングを探っている若い俳優を見た時に、もういい歳になっているんだなと気づいた」という。それでも「まだまだ行きたい場所がある」らしい。コロナ禍でまだまだ苦しい状況が続くが、西田は「劇場という空間で、みんなで一つのものを見つめ合うということがどれだけ尊いことなのか。もしコロナがなかったら気がつかなかったかもしれない。先輩たちが舞台に立つ姿をみて、『舞台っていいな』と思った、あの感覚。そういう原点を感じる時間だったと思う」とポジティブな一面を見出だす。最後に、「もし劇場に来ることができるのならば、『RUST RAIN FISH』という芝居を心の底から見てほしい。そして、一緒に客席から舞台を見つめ合う時間にしたい。もし劇場に来ることができなくても、またいつの日か劇場に足を運んでくれる日まで、僕らは頑張ろうと思う」と観客へメッセージを送った。取材・文:五月女菜穂
2021年08月27日小田急エージェンシーが、2021年4月19日開業の「ロマンスカーミュージアム」にて展示されている「特急ロマンスカー・SE(3000形)」の装備品を活用した「Romancecar Memorial Parts Project vol.3」の第2弾企画アイテムを数量限定で販売する。通称“SE”Super Express 3000は、それまでの小田急特急のイメージを一新させた特別な車両であり、新幹線の開発にも大きな影響を与えた日本鉄道史に残る名車。1992年3月にさよなら運転が行われた後に、全車両が廃車となったが、2019年まで海老名車両基地にて、登場時の姿に復元され保存されていた。この保存車両は、「ロマンスカーミュージアム」にて車両展示されている。今回、その貴重な車両で実際に使用されていた座席などの車内装備品を小田急エージェンシー企画・監修の元、最新ロマンスカーのデザイナー岡部憲明アーキテクチャーネットワークと、木工技術に長けた家具メーカーの天童木工がコラボし、特別なアイテムに作りかえた。ラインナップはSEの座席をそのまま使用したソファー、連接台車の床をリプダクトしたテーブル、SEの名物「走る喫茶室」のカウンター向かいに設置されていたショーケースを使用したサイドボード、車両の天井に設置されていた蛍光灯カバーを再生産した邂逅灯(ライトスタンド)、客用扉とは逆側の窓で使用されていた開閉窓を加工したガラスキャビネットの5種。どれももロマンスカーに乗ったかけがえのない瞬間を思い出す、スペシャルなアイテムとなっている。販売期間は2021年9月1日(水)10:00から11月30日(火)23:59まで。第2弾購入者全員に、購入特典としてSE車内装備品がプレゼントされる。9月の間、小田急ホテルセンチュリーサザンタワーにて第2弾全商品が期間限定で特別展示されるため、ぜひ実物をご覧いただきたい。なお販売収益の一部は、引退したロマンスカー車両の保存管理費用として活用される。販売期間:2021年9月1日(水)10時00分から2021年11月30日(火)23時59分まで販売商品:SE・ロマンスソファー、SE・ロマンスカーテーブル、SE・走る喫茶室サイドボード、SE・邂逅灯(ライトスタンド)、SE・ガラスキャビネット
2021年08月26日2021年10月6日(水)~17日(日) 東京・CBGKシブゲキ!!にて、東映が手掛ける“ひとり芝居”プロジェクトである“SOLO Performance ENGEKI”の新作「僕とメリーヴェルの7322個の愛」の上演が決定した。TVドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』などを手がけた吉田恵里香が脚本、舞台『デュラララ!! 』をはじめ劇団少年社中全作品を担当する毛利亘宏が演出を務める本作。“ひとり芝居”という形で新たなエンターテインメントを最少人数のキャスト・スタッフで構築し、 宇宙を漂流する“僕”がメリーヴェルと“愛”を探しながら明日を向いて生きてゆく物語を紡ぐ。出演者は、2012年にミュージカル「薄桜鬼」斎藤一篇にて初主演をつとめ、2.5次元舞台、本格派ミュージカルなど、幅広く数々の舞台作品に出演する一方、『仮面ライダー鎧武』や『男水!』など映像作品にも多数出演する松田凌と、2011年8月に乃木坂46第1期生オーディションに合格してメンバー入り、在籍中には初主演舞台「モマの火星探検記」、2018年に乃木坂46卒業後も映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』フィーニス役、舞台KERA CROSS「カメレオンズ・リップ」ドナ/エレンデイラ役など話題作・出演作が絶えない生駒里奈。奇しくも今年デビュー10周年を迎えた彼らが、それぞれが異なる脚本を元に舞台をつくりあげる。今回の企画について、松田は「ひとり芝居。正直、やるならまだまだ遠い先だろうと考えていましたが、これ以上にないご縁が重なり巡ってきまして、やろうと決断しました」とコメント。本作を“広大な宇宙で、愛を探す物語”と称し、「今の自分にはまだ愛がわかりません。一役者として、この芝居の中、板の上で探したいと思います。その一つの答えを観にいらしてください」と呼びかける。また、生駒は「エンターテイメントを通じて誰かを幸せにしたい」と語り、「『なにかどうなっているのかわからないけど最高!』と思って頂けるように、役者として自分を磨き、お客様を幸せにしたいです」と意気込みをあらわにした。公演やチケットなどの詳細は随時、本作の特設HPにて公開される。
2021年08月26日注目の若手俳優・有澤樟太郎と山下容莉枝、二人の俳優による二人芝居「息子の証明」が、東京・博品館劇場で8月25日いよいよ開幕を迎えた。開幕当日に開催されたゲネプロでは、開演前に主演の2人と脚本・演出の高羽彩が登壇。三者口をそろえて「緊張している」と切り出した、本作の魅力について語ってくれた。役者人生の中で初めての二人芝居に臨む有澤は「オリジナルの作品を1から創り上げていくことの難しさを最初に痛感した。家族をつなぐものとはなんなのかという、“家族”そして“つながり”というテーマを感じて欲しい。難しい役だったけど、ついにここまで来た。自信を持って、二人だけの空間を楽しみたい」と語った。母親役を演じる山下は「セリフが多く、現場では私語を交わす暇もほとんどなかった(笑)。とても見応えのあるよい物語。最後まで手を携え走り抜けたい」。「花開く瞬間を何度も見させてくれた有澤さんは、瞬発力と読解力のあるとても素敵な俳優。そして、そんな有澤さんを引っ張ってくれた山下さんにとても助けられた。逃げ場のない、たった二人の空間で創り出される独特の空気感が何よりのご馳走です」と演出の高羽。剛柔入り乱れるスピーディな展開、現実と虚構が一時入り混じるかような不思議な感覚、そして最後には、山下が言う「散らばったパズルが嵌っていき最後に形を成すとき、あなたならどんな選択をするか」という投げかけの意味が、きっとよくわかる。時間、感情、人間関係、データ、舞台転換のない閉ざされた空間での二人芝居であることを忘れさせられる奥深い物語を、ぜひ体感してほしい。【脚色・演出】 高羽彩【脚本】 下亜友美【出演】 有澤樟太郎 山下容莉枝期間:2021/8/25(水)~21/9/5(日) 会場:博品館劇場チケットは8/29(日)まで発売中。また、特典映像もうれしい配信公演は、9/5(日)のアーカイブ期間終了まで購入可能。
2021年08月26日5月のエリザベート王妃国際音楽コンクールでは第4位入賞という好成績に輝いたピアニスト阪田知樹。今秋、デビュー10周年の節目のリサイタルに挑む[10月14日(木)サントリーホール]。「今の自分が取り組みたいと思っているテーマを形にしたリサイタルになると思います」このシーズン、阪田がプログラムのテーマに掲げるのは「ファンタジー=幻想曲」にまつわる作品だ。当公演の演奏曲目は次のとおり。ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番《月光》シューマン:幻想曲リスト:ピアノ・ソナタリスト:《リゴレット》パラフレーズ「《月光》のもともとのタイトルは《幻想曲風ソナタ》。スローな第1楽章で始まり、第3楽章でようやくソナタ形式が出てくる、特殊な形のソナタです。調性の並びも非常に有機的で、全体が一筆書きのように書かれているのも、非常に幻想曲的です。シューマンの幻想曲は逆に、もともとソナタとして計画されていた作品。構築が非常に独創的な幻想曲ですが、全体をよく見通して構成されているという意味で、ソナタの要素を十分に内包しています。リストのソナタは、スコアを見て楽曲をしっかり知っている人間から見れば、どんなコンセプトのソナタなのか一目瞭然なのですが、普通に聴けば、まさにファンタジー的な要素が強い楽曲だと思います。ヘタに弾いてしまえば支離滅裂にもなりかねない。向き合うたびに新しい発見のある作品です。作曲技法、リストの意図やインスピレーションの背景など、毎回違うことに気づきます。《リゴレット》パラフレーズは、ロマン派のヴィルトゥオーゾたちが好んで作った、オペラのテーマを借りて書いた『ファンタジー』のひとつとして取り上げました」音楽用語としての「ファンタジー」はかなり多様な意味で用いられていて、説明も難しいが、その諸相をたっぷり味わうことができるプログラムだ。デビューは2011年4月。名ピアニストのニコライ・ペトロフに招待されて出演したモスクワ・クレムリン音楽祭でのオール・リスト・リサイタルだった。そこから10年。自分が奏でたいと思う音楽、自分が信じる音楽が、ようやくはっきり見えてきた気がすると語る。「今回は、音楽家として、そこからさらに歩む方向をお見せする場になると思っています。サントリーホールという特別な会場での初めてのリサイタル。ぜひ一人でも多くの方に、その思いの丈を聴き取っていただきたいです」(宮本明)
2021年08月26日ミュージカル『オリバー!』が2021年10月から東急シアターオーブほかで上演される。本作は、チャールズ・ディケンズの小説『オリバー・ツイスト』を原作に、『メリー・ポピンズ』や『レ・ミゼラブル』を生み出したキャメロン・マッキントッシュ率いるクリエイティブチームが贈る、超大作ミュージカル。1960年に英ウエストエンドで初演され、68年に映画化されるとアカデミー賞で6冠を獲得。日本では帝国劇場で68年に招聘版、90年に日本人キャスト版が上演され、約30年を経た今年、新演出版として上演される。8月23日、歌唱披露イベントと記者会見が都内で行われ、フェイギン役(Wキャスト)の市村正親、武田真治、ナンシー役(Wキャスト)の濱田めぐみ、ソニンほか、オーディションを勝ち抜いた子役たちが参加した。「Consider Yourself(信じてみなよ)」や「Where Is Love?(愛はどこに?)」など、劇中の5曲を披露。感染症予防対策のため、アクリル板の仕切りがあるなかではあったが、生パフォーマンスは見応えがあった。子役たちだけの場面も多かったが、堂々とした歌唱で、開幕への期待が高まった。今回、キャメロン・マッキントッシュ直々の指名を受けた市村は「子どもたちに『市村さんって大したことないじゃない』と言われないよう、お手本となるような演技がしたい。お客様を元気にできるような役づくりをしていきたい」と話す。その市村とWキャストを務める武田は「マッキントッシュの作品に出演するというのは、ミュージカルをやっている者にとってはひとつの“ゴール”」とした上で、「それと同じくらい市村さんと同じ役をやらせていただくことはすごいこと。背中をしっかり追う」と意気込む。役を演じる上で大切にしたいことを尋ねられると、濱田は「ナンシーが初めてオリバーに出会った時に感じた、真実を見つけたときのひらめき。そのポイントを自分の中でも探して、表現できたら」。ソニンは「子どもたちのナンシーに対する信頼感、母性、辛くても笑顔で乗り切るタフさ」を大切にしたいと語り、「稽古場で子どもたちとたくさんコミュニケーションをとって、毎日笑顔で過ごしている」と述べた。主人公のオリバー役を射止めたエバンズ隼仁、越永健太郎、小林佑玖、高畑遼大。そして、ギャングのリーダーであるドジャー 役の大矢臣、川口調、酒井禅功、本田伊織をはじめとする総勢54名の子役たちの活躍も含め、開幕が待ち遠しい。取材・文・撮影:五月女菜穂
2021年08月25日FIFTY-FIFTY inc.に所属する全グループが出演するライブイベント『50/50 LIVE』が、9月26日(日)に東京・表参道GROUNDにて開催されることが決定した。「50/50 LIVE」チケット情報公演は2部制となり、アーティストを中心とする1部とアイドルを中心とする2部で構成される。1部にはDEAR KISS、LANA、INTEGMAの3組、2部にはDEAR KISS、STRAY SHEEP CLAYMORE、BABYBEARDの3組が出演。チケットは、8月26日(木)12:00から31日(火)23:59まで先行抽選プレリザーブの受付を実施。
2021年08月25日ローザンヌを拠点に活動するモーリス・ベジャール・バレエ団(BBL)が、10月に日本公演を行う。4年ぶりの日本ツアーを前に開催された記者会見で、ジル・ロマン芸術監督が公演への熱い思いを語った。開口一番、「今回、世界バレエフェスティバルで観客と素晴らしい時間を分かち合えたことに感謝したい」とロマン。彼自身が会見前日まで出演していた舞台のことだが、3年に一度、世界各国のトップダンサーを招いて開かれる大規模公演ゆえに、コロナ禍での開催は危ぶまれた。今回のBBL日本公演も、本来であれば昨年5月の予定が、来日叶わず9月に延期、それもその後再延期に。「今度こそはと、準備を進めています」とロマンは前を見据える。予定されるプログラムは2つ。前半では、彼の近作『人はいつでも夢想する』が登場する。「ジョン・ゾーンの音楽が好きで、ニューヨークの彼を訪ねました。その時ちょっとしたソロを踊って見せたのですが、彼はそれを気に入ってくれた。そこで信頼関係が生まれ、2年かけて作品を完成させました」。レパートリーの柱である巨匠ベジャール(1927〜2007)による2作──人気作『ブレルとバルバラ』と不朽の名作『ボレロ』の上演も注目される。後半の日程の演目は、日本でもたびたび上演され話題となったベジャール振付『バレエ・フォー・ライフ』。クイーンの音楽でダンサーたちがパワー漲るパフォーマンスを展開するこの傑作を、ロマンは「この困難な時代だからこそ、強く訴えかけるものがある」と紹介。「ベジャールがテーマに据えたのは、若くして亡くなった人たちへの思いです。45歳で没した(BBL伝説的ダンサーの)ジョルジュ・ドン、クイーンのフレディ・マーキュリー、そしてモーツァルトも早逝した。作品のテーマはとても重い。それは人生に対する戦いでもある。この非常に困難な状況下で、その意味はさらに大きくなる」。本公演は、文化庁子供文化芸術活動支援事業として全日程で18歳以下を対象とした無招待席(合計3253席)が設けられるが、「子供たちの想像力を掻き立てる舞台になれば」とロマン。「彼らは私たちの未来。世界を築いていくのは彼らだから」と笑顔を見せた。『ボレロ』『人はいつでも夢想する』『ブレルとバルバラ』は10月9日(土)〜11日(月)、『バレエ・フォー・ライフ』は10月14日(木)〜17日(日)の上演。会場は東京文化会館、チケットは発売中。文:加藤智子
2021年08月25日演劇活動を休止していた根本宗子が、約1年の充電期間を経て復活。“ブランニューオペレッタ”と銘打った新作『Cape jasmine』を上演する。そこで根本とキャストのひとりであるAKB48の横山由依に、話を訊いた。コロナ禍という厳しい状況にも関わらず、精力的に活動してきた根本。中でも完全リモート作品『超、リモートねもしゅー』は話題を集めたが、「あれはまったく別物で、演劇ではないですね」と振り返る。「やっぱり演劇って自分へのご褒美であり、日常を忘れさせてくれるエンターテインメントの時間を買うものだと思うんです。この日、ここに来た人とだけ共有出来るもの、というか。だから今回はそういったことを再認識しつつ、作っていけたらと思っているんです」そのために根本が考えたのが、ブランニューオペレッタ。いわゆるグランドミュージカルとは違う、根本の作・演出とチャラン・ポ・ランタンの小春の音楽が融合して生まれる、真新しい喜歌劇だ。さらに演者は、アイドルに芸人、踊り子など、出自の異なる女性のみ7人。中でも横山のキャスティングについて根本は、「すごく柔らかくて、内面まで届くきれいな声を持っていらっしゃる。今回はそんな横山さんの声の特性に合うような作品にしたいと思っているんです」と明かすと、横山の顔がパッと明るくなり、「今の言葉で救われた気がします!」と意外なひと言が。実は横山、自身の高い声が悩みの種だったそうで、「でも今回は自分の声を活かしつつ、新しいお芝居や歌にトライ出来そうなので、とても嬉しいです!」と声を弾ませた。本作の上演は2日間で3公演のみ。さらに稽古期間も、新作ミュージカルとしては無謀とも言える2週間のみを予定している。根本本人も「かなり無謀です」と笑いつつ、「ミュージカルの概念をいい意味で壊しにいけたらなと。」と続ける。現在のプランとして、ユニゾン曲は少なめ、ひとり1曲ずつメインの曲があり、ミニマムながらもかなり贅沢な、盛りだくさんな内容になる、とのこと。そんな根本の言葉に横山は、「私にとってすごく大切な、学びの期間になると思います。今の時点で根本さんのことが大好きになってしまったので、すべて根本さんに委ね、自分の出来る最大限で頑張りたいと思います!」と目を輝かせた。最後に根本はこうアピールする。「ここまで読んで『何をやるんだろう?』と思われた方は、今後私が演劇を見せていきたい方だと思います。なのでぜひその引っかかりを信じて、劇場まで足を運んでもらえたらなと思います」公演は10月6日(水)・7日(木)の2日間。日本青年館ホール(東京都)にて上演。取材・文:野上瑠美子
2021年08月24日KAAT神奈川芸術劇場の新芸術監督に就任した長塚圭史が、メインシーズンの幕開けに選んだのは『近松心中物語』。境遇の異なるふた組の恋愛模様を描いた秋元松代の代表作で、亀屋忠兵衛と遊女梅川を田中哲司と笹本玲奈が、傘屋与兵衛と妻のお亀を松田龍平と石橋静河が演じる。そこで松田と石橋に話を訊いた。長塚の演出作品への参加は、今回で3度目となる松田。長塚との作品づくりについて、「心の動き、感情ってものをすごく大切にされている方ですよね。その人の情報や置かれている状況を整理した上で、ハートでセリフを言うってことを信じている。きっかけとなるアイデアもたくさんもらえるので、毎回助かっています」とその魅力を語る。石橋と長塚はこれが初の顔合わせ。稽古開始からまだ1週間とのことだが、「長塚さんの中で、なにか感覚的な世界が見えているのかな、というのはすごく感じます。理屈よりも、『なんかもっとわー!っと見えて欲しい』みたいなことをよくおっしゃるので(笑)。私自身、舞台で大事なのはそういうエネルギーだと思うので、毎日すごくワクワクしています」と期待を寄せる。タイトルにもあるように、本作で描かれるのは、ふた組の男女が心中に至るまでの顛末。「ただ同じ心中にでも、それぞれまったくトーンが違うと思います」とは松田。石橋も「忠兵衛と梅川、与兵衛とお亀で全然空気感が違うので、それが面白く出たらいいですよね」と続ける。その違いについて、「忠兵衛と梅川はひと目惚れで恋に落ちますが、与兵衛とお亀は幼馴染で夫婦。その温度差は大きいと思います」と松田が理由を挙げると、石橋は「忠兵衛と梅川は生きているうちにふたりが盛り上がっていくさまが描かれますが、与兵衛とお亀は逆。それがすごく切ないんです」と分析。すると松田から「とにかくお亀が切ないんですよ!辛い!」と、お亀への熱い想いが溢れた。その一方で松田からはこんな言葉も。「心中物語ということで暗いイメージが先行してしまう気もするんですが、実は明るさと暗さの塩梅がすごく素敵な作品。当時を想像出来るような世界観など、総合的に楽しんでもらえると思います」。石橋も「単に何百年前の話というのではなく、今と同じように一生懸命暮らしていた人がいる。それって、今のこの苦しい状況に縛りつけられてしまっている人たちにとっても力になると思いますし、このわー!っていう気持ちを楽しんでもらえたらと思います(笑)」と語った。取材・文:野上瑠美子
2021年08月24日『FM802 MINAMI WHEEL 2021』が、10月8日(金)から10日(日)までの3日間、大阪ミナミエリア一帯にて開催される。「FM802 MINAMI WHEEL 2021」チケット情報これからの日本の音楽シーンを担う新人・中堅アーティストを中心にジャンルを問わず350組以上のアーティストが20会場以上(予定)に出演。すでに発表されている第1弾出演アーティストに続き、第2弾出演アーティスト190組が発表になった。さらに出演日程も決定。詳細はオフィシャルサイトをチェック!チケットは9月1日(水)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、8月31日(火)23:59まで3DAYS PASS(全会場共通3日間通し券)のオフィシャルHP先行(先着)が実施されている。通常8500円のチケットが、500円お得な8000円で購入できるこの機会をお見逃しなく。
2021年08月20日サンリオの人気キャラクターが登場するアトラクション型ミュージカル Sanrio Kawaiiミュージカル『From Hello Kitty』の後期公演が2021年8月24日よりIHI ステージアラウンド東京にて開幕する。7月26日から開幕が予定されていた前期公演は、新型コロナウイルスの感染状況などから中止になってしまった。青年/いちごの王さま役(トリプリキャスト)の高崎翔太は「一生懸命稽古をしてきたのに、公演が中止になってしまう経験は何度かあるのですが、やはり慣れないですね」と正直な気持ちを明かしつつ、「後期公演は開催できるということが希望に思える。前期公演ができなかった分、さらに高みを目指して、お客様に自信をもって作品をお届けできたら、意味のある時間になるかなと思います」。今まであまり語られてこなかったハローキティの誕生物語を巨大スクリーンを使って、ダイナミックに表現する本作。なかよくハート役(ダブルキャスト)の橋本汰斗は「普段サンリオのキャラクターに触れている人たちでも、そのキャラクターたちがどう誕生したかを知る機会はなかなかないと思います。戦争という悲しい体験から、世界中の人たちがなかよくするためには、どうしたらよいだろうという思いから、あんなにキラキラしてかわいいキャラクターが生まれた。それはすごいエナジーが必要だったはず。今の苦しい状況とも重なるところもあるので、みなさんの日々の活力になったら」と見どころを語る。ハローキティはもちろん、シナモロールやマイメロディなど人気サンリオキャラクターが一堂に会するのも嬉しい。青年/いちごの王さま役の宮城紘大が好きなキャラクターはポムポムプリン。「シルエットもお尻の穴も、ポムプリダンスという踊りも、全部かわいい」。舞台上以外でもキャラクターと接する機会があるといい「出番を袖で待っている姿とか、めっちゃかわいいです」。最後に観客へのメッセージを尋ねると、おもいやりハート役(ダブルキャスト)の岩城直弥は「コロナ禍で気分が落ち込みやすい時期だと思うし、暗くなりがちなんですけど、そんなときだからこそ、“かわいい”をお届けして、少しでも幸せな気持ちになってもらえたらいいなと思います」と話した。後期公演では、ゆりやんレトリィバァや森三中など、よしもとの芸人たちが日替わりで「おわらいハート」として登場することも発表されている。ぜひ「ミラクルハートライト」を持参して、全力で観劇を楽しもう。取材・文:五月女菜穂
2021年08月20日