チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (60/342)
新型コロナに翻弄された2020年。その災いを祓うがごとく、“陰陽師”を題材にした今までにない舞台『INSPIRE 陰陽師』が、12月31日~2021年1月6日、東京・日生劇場で上演される。そこで陰陽師・安倍晴明を演じる大沢たかおに話を聞いた。本作を「今までにない」と表現したのは、実は大沢自身。その言葉に込められた思いをこう語る。「こんな時期でもありますし、単に役者さんが朗々と台詞を言うだけの舞台では、エネルギーが弱いかなと思うんです。なにかメーターを振り切るようなものでなければ、今舞台をやる意味はないというか。そこで今回取り入れようと思っているのがイリュージョン。さらに陰陽師というエネルギーを借りつつ、直接的ではないにしろ、“今の時代”みたいなものも反映させることが出来たら、今までにないエンターテインメントが作れるのではないか…、そんな気がしているんです」安倍晴明を題材にしてはいるものの、本作の舞台は平安時代にとどまらず、現代にまで及ぶと言う。「ネタバレになってしまうのではっきりとは申し上げられないのですが…。ただ安倍晴明という人物を演じるに当たっては、皆さんが想像するものから大きく変えたい、ということは特に考えていません。ひとつアイデアとしては、ファンタジーの中になにかリアルを入れられないかな、ということ。例えばこういう時代だからこそ、陰陽師の方が実際に使われている小道具なども、僕に託してくれる可能性が高いのではないかと思っていて。それによってより強いエネルギーが生まれ、観る方のプラスになるようなことがあれば、僕としてはすべて試してみたいと思っているんです」2020年から2021年の幕開けを飾る本作。大胆なサプライズと大沢演じる安倍晴明が、希望溢れる新年を呼び込んでくれる…かもしれない。「自分でも気づかないうちに悶々としていたり、モヤモヤしたものが体の中に溜まってしまうような1年だったと思います。でもそんな時でも楽しくするのが、僕らの仕事だと思っていて。視覚的にも、音楽的にも、最高のものを提供してくれるチームが揃いましたし、自分も自分なりに新しいことに挑戦出来たらなと。2020年、今まで経験したことのないような年の瀬と、2021年、なにかちょっと明るく光が差すような年の始まり。この舞台がなにかを祓う、わけではないかもしれないですけど、ちょっと空気を変えられるような、そんな新年を迎えられるような作品になればいいなと思います」。公演は20年12月31日~21年1月6日まで。チケットは発売中。また12月31日、1月3日のPIA LIVE STREAMでの動画配信も決定。配信視聴券の発売は12月18日10時より。取材・文:野上瑠美子
2020年12月18日宝塚歌劇花組で舞台化され、好評を博したミュージカル・ゴシック『ポーの一族』が来冬に蘇る。主人公エドガー・ポーツネル役を続投する明日海りお、今回新たにキャスティングされた千葉雄大、そして宝塚版に続いて脚本・演出を手がける小池修一郎の3人に話を聞いた。萩尾望都の人気マンガ『ポーの一族』を舞台に──と30年以上も企画を温め続けた小池によって2018年にミュージカル化され、再演が決定した本作。永遠に年を取らずに生き永らえるバンパネラ(吸血鬼)の一族となったエドガーが、千葉演じる少年アラン・トワイライトらを仲間に加え、孤独や哀しみを滲ませながら時空を超えた旅を続けるファンタジーだ。原作さながらのビジュアルと巧みな表現力が話題となった宝塚版を経て、「明日海エドガー復活を」という願いは小池と萩尾の共通項となった。2019年11月に退団し、代表作ともいえる『ポーの一族』で舞台復帰を迎える明日海は「永遠のお別れをしたはずのエドガーに、また巡り合えて嬉しい」と笑顔を見せ、「初演時に萩尾先生から頂戴した“夢のようでした”という言葉を糧に、その続きをご覧いただけるよう精進したい」と意気込む。ミュージカル作品に初挑戦となる千葉は、今から歌やバレエのレッスンに励むなど稽古前から準備を欠かさない。「恐れるもの、失うものは何もない」と新たなチャレンジに潔さを見せた千葉に対して、明日海は「シャッター音のたびにどんどん表情を変えて、活き活きとしたアランをつくり出していらっしゃいました」とビジュアル撮影時のエピソードを紹介。小池は「数多の中から選ばれし者の魅力を見せつけられました」と撮影での印象を振り返った。ストーリー展開も脚色も、宝塚版を活かして構成される本作。初演と異なるポイントを尋ねると、小池は「宝塚歌劇の華麗な虚構から離れ、男女キャストが織り成すリアルな世界で躍動する登場人物をご覧いただければ」と呼びかける。さらに「今度は現実の中に夢が入ることになる明日海エドガーと、千葉アランの未知なる初ミュージカル挑戦を楽しみにしている」とキャスト2人に期待を込めた。公演は2021年1月11日(月・祝)~26日(火)に、大阪・梅田芸術劇場 メインホールで。その後、2月3日(水)~17日(水)に、東京・東京国際フォーラム ホールCと巡演する。チケットの一般発売は、大阪公演が2020年12月12日(土)10時、東京公演が19日(土)10時にスタートする。取材・文:岡山朋代
2020年12月18日『成井豊と梅棒のマリアージュ』が、12月17日(木)に東京・サンシャイン劇場で開幕する。演劇集団「キャラメルボックス」の成井豊が手掛ける【plat de 成井豊】バージョンと、台詞を使わずダンスでストーリーを表現するダンスエンターテインメント集団「梅棒」による【plat d’ 梅棒】という2バージョンが上演される本作で、一足先に開幕を迎える【plat de 成井豊】の通し稽古を取材した。【plat de 成井豊】で上演される『彼女の空に雪が降るまで』は、成井にとって約2年ぶりのオリジナル新作で初の連作短編集。約15分×7作のストーリーで、「キャラメルボックス」原田樹里が演じる主人公・雪の人生を軸にした7つの出来事を描く。6作が二人芝居となり、原田×野田裕貴、筒井俊作×林貴⼦や、野田×石森美咲、原田×鍛治本⼤樹、阿部丈二×森めぐみと、組み合わせはさまざま。複数人が登場する1作には、「梅棒」の伊藤今⼈、遠⼭晶司、天野⼀輝、櫻井⻯彦も出演し、コラボレーション企画ならではの座組となっている。全編、15分間の出来事を15分間で描くという作品。セット転換はなく、小道具すらあまり出てこないシンプルな舞台なのだが、雪の両親の姿、雪の高校時代、20代の出来事など、その一作一作が「これで15分!」と驚くほど奥深く、豊かに描かれる。雪の父と母の最後の15分間は一組の夫婦の馴れ初めや今ある愛情が笑いも交えながら描かれ、雪と雪に恋をする和彦(野田)が出会う15分間の会話は「これは運命だ」と観客に予感させる何かがしっかりと伝わってきて、一作、一作、と進むにつれそのすべてが花束のように重なっていく。成井ならではの温かな世界観、「キャラメルボックス」ならではの全身から物語が届く芝居、さらに今回は「梅棒」らしいノンバーバルな芝居シーンも組み込まれ、「観たかったキャラメルボックス」、「観たことのないキャラメルボックス」、さらに「思わぬキャラメルボックス×梅棒」まで加わって、最高の“マリアージュ”が生まれていた。全編で使用される「SPIRAL LIFE」の楽曲も印象的。オープニングダンスは『ANOTHER DAY, ANOTHER NIGHT』に「梅棒」が振付し、成井の世界観を彩るダンスが披露されたが、「SPIRAL LIFE」ファンにも観てもらいたい心震えるダンスだ。一作目の『ラスト・フィフティーン・ミニッツ』は、「キャラメルボックス」や「梅棒」が出演したMrs. fictions『15 Minutes Made Anniversary』(’17/6団体が15分の作品を上演した企画公演)で上演された作品。当時の公演を観た人もぜひ注目を。【plat de 成井豊】バージョンは12月17日(木)から、【plat d’ 梅棒】バージョンは12月22日(火)から、共に12月27日(日)までサンシャイン劇場にて上演。12月17日(木)19:00公演はPIA LIVE STREAMでのライブ配信もあり。文:中川實穂
2020年12月17日2021年1月30日(土)、東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールにてさまざまなジャンルのダンサーが競演する「CHAINOF∞ INFINITY-DANCING TRANSFORMATION-」が開催される。世界的バレエダンサーとして日本のバレエ史に重要な軌跡を刻んだ草刈民代。コロナ禍の今、草刈自身の大きな意思のもと、ジャンルを超えて現代のダンスの先端を走る舞踊家が集結した。本公演では菅原小春、熊谷和徳、上野水香、辻本知彦、中村恩恵、平原慎太郎、石井則仁、柄本弾とともに、草刈が復活のステージに挑む。公演は2部構成となっており、第1部ではソロ作品および新作レパートリーを披露。第2部はオムニバス11作品で構成された新制作「CHAIN OF9」(仮称)を上演予定だ。奇跡的なダンサーの競演は、新たな時代に向けて芸術の限りない可能性を示してくれるだろう。なお、芸術監督と演出を草刈自身が務める。チケットはSS席9,800円、S席8,800円の2種類で展開し、12月15日より主催者特別先行を受付中。また本公演はGotoイベントキャンペーン対象となっており、チケット価格20%オフで購入可能だ。「CHAINOF∞ INFINITY-DANCING TRANSFORMATION-」2021年1月30日(土)昼の部14:00開演(終演16:00予定)、夜の部18:00開演(終演20:00予定)※新型コロナウイルス感染拡大防止対策を実施会場:Bunkamuraオーチャードホール(東京・渋谷)芸術監督・演出:草刈民代出演:菅原小春、熊谷和徳、上野水香、辻本知彦、中村恩恵、平原慎太郎、石井則仁、柄本弾、草刈民代ほか
2020年12月16日2020年はベートーヴェン誕生から250周年。これまでその正体がわからなかった、“不滅の恋人”をアントニー・ブレンターノとし、ベートーヴェンの姿に迫る音楽劇、『Op.110 ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』が東京・よみうり大手町ホールにて開幕した。本作は「エリザベート」などウィーン作品を日本上演する際のコーディネーター等も務める小熊節子が原案を担当。演出には現代日本を代表する演出家・栗山民也、脚本はDISCOVER WORLD THEATRE「罪と罰」で翻訳を務めた木内宏昌。舞台『Op.110 ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』の公演チケット情報ベートーヴェンが多数の手紙をしたためながら、出すことがなかった「不滅の恋人」への手紙。その宛先が、アントニー・ブレンターノとしたのが今作だ。アントニーは裕福な貴族家庭に生まれ、ベートーヴェンとは結婚前に出会う。ベートーヴェンの音楽に魅せられるも、父親から実業家フランツ・ブレンターノとの結婚を決められてしまう。その二人が数年を経てまた出会い、かくしてアントニーはベートーヴェンの不滅の恋人となったのか……ということが語られていく。17歳でのベートーヴェンとの出会いと禁断の恋、そして別れとその後の姿までが描かれるアントニー・ブレンターノを演じるのは一路真輝。少女から、様々な出来事を経て一人で立つ女性の姿を、繊細に演じている。また田代万里生が演じるのはベートーヴェンの弟子であり、後年その伝記を書くことになる若き音楽家フェルディナント・リース。今作のストーリーテラーでもあり、田代ならではの伸びやかな歌唱も見どころだ。また今作の大きな特徴ともいえるのが、タイトルにもあるベートーヴェン自身は出ないこと。彼の姿を映すのは登場人物たちの回想。アントニー、フェルディナントだけでなく、例えばベートーヴェンの弟子であり、彼を愛したジョゼフィーネ(演・前田亜季)、肖像画を描いたシュティラー画伯(演・石田圭祐)らとの会話、回想を元に、ベートーヴェンがどのような人であったかを舞台上に浮かび上がらせている。舞台の真ん中には一台のピアノが置かれ、音楽家・新垣隆が生演奏を行う。生演奏の力強さ、また役者たちのセリフのリフレインや、歌唱と合わさって生まれる機微も、改めて舞台だからこその喜びを感じさせてくれる。ぜひ今年だからこそ、劇場に響く歓喜の歌を体感してほしい。公演は12月26日(土)まで、東京・よみうり大手町ホールにて開催。チケットぴあでは座席指定券を、各公演開演時間まで販売中。
2020年12月15日作曲家、ピアニストの一柳慧。現代音楽の巨匠の軌跡を辿るプロジェクト「Toshi 伝説」が、2021年1~3月に開催される。12月9日、一柳本人と出演者らが出席してオンライン会見が開かれた。「共鳴空間(レゾナントスペース)」「エクストリームLOVE」の公演情報はこちらプロジェクトは一柳の神奈川芸術文化財団芸術総監督就任20周年を記念するもの。一柳は2月に満88歳になるので、日本流にいえば米寿祝いも重なる格好。タイトルの「Toshi 伝説」は、もちろん「都市伝説」と名前をかけたものだが、一柳の音楽が、時代とともに変遷はしても、東京とニューヨークを軸に、常に「都市=都会」の音楽であることを表している。ローマ字表記には、音楽界の重鎮ながら、まったく権威的でない人柄、自由でポップなありようを込めた。プロジェクトは一柳作品と関連作品を並べた3つのイベントからなる。(1)大山エンリコイサム展「夜光雲」内でのコンサート(1月17日・神奈川県民ホール・ギャラリー)。一柳は60年代から美術や建築とのコラボによる芸術表現の可能性を探ってきた。「音幻」と題するチェンバロと笙の共演。(2)一柳の管弦楽作品を3曲集めた「レゾナントスペース(共鳴空間)」(2月13日・神奈川県民ホール)。一柳は、日本人管弦楽作品の年度最優秀賞にあたる尾高賞を5度も受賞している。演奏曲は《ビトゥイーン・スペース・アンド ・タイム》(2002)、ヴァイオリン協奏曲《循環する風景》(1983・尾高賞)、交響曲第8番《リヴェレーション2011》。演奏は鈴木優人指揮東京フィルと成田達輝のヴァイオリン独奏。鈴木には新作のファンファーレ作曲も委嘱されている。(3)室内楽公演「エクストリームLOVE」(3月20日・神奈川県立音楽堂)は、一柳のさまざまな「顔」が見える3部構成。成田のヴァイオリンを中心に一柳が《クロイツェル・ソナタ》のピアノも弾く「Classical」。三味線の本條秀慈郎らの出演で邦楽作品を集めた「Traditional」。そしてピアニスト河合拓始が、一柳初期の前衛時代の代表作《ピアノ音楽》の全7曲を一挙に弾く「Experimental」。ロビーには卓球台をインターフェイスにして音楽を奏でるシステムも設置。試奏可。一柳は、「作曲家では一番強い」と自負する大の卓球好きだ。会見で「まとめ」を求められて一柳。「むしろまとまらない方向で。芸術音楽からジャズ、ロック、歌謡曲まで、演奏者のみなさんが新しい音楽の片鱗を感じさせてくれる。そういう音楽会になるといいなと思っている」と期待を述べた。一柳慧(いちやなぎ とし)●1933年生まれ。19歳で渡米、ジョン・ケージと出会う。1961年、ケージの音楽を最初に日本に紹介した衝撃は「ケージ・ショック」として伝説。徐々に、伝統的スタイルの西洋音楽や、東洋の音楽との接点を見出し、器楽曲、室内楽曲から交響曲、オペラまで、あらゆるジャンルに作品を書き続けている。(宮本明)
2020年12月15日12月26日(土)・27日(日)・28日(月)の3日間、インテックス大阪にて開催されるロックフェスティバル『FM802 RADIO CRAZY 2020』のタイムテーブルが発表された。「FM802 RADIO CRAZY 2020」チケット情報また、12月15日(火)18:00よりFM802 RADIO CRAZY公式フェスアプリへのチケット登録と指定ブロックの事前予約エントリーを開始。今年のレディクレのライブエリアは「指定ブロック」と「フリーブロック」に区分されており、「指定ブロック」はアプリでの事前抽選予約制となる。アプリを活用した感染症対策を行っているので、来場者は必ずダウンロードしてください。チケットは、12月18日(金)23:59まで先行先着プリセールを実施中!
2020年12月15日今年12月22日(火)東京国際フォーラム・ホールCにて開催される、レ・フレール クリスマスライブ「ノエル・ド・キャトルマン2020」の一部演奏曲目と、シンガーソングライター川島ケイジのゲスト出演が決定しました。レ・フレールの公演情報はこちら独自のプレイスタイルとエネルギッシュな演奏でファンを魅了しつづける斎藤守也(兄)と斎藤圭土(弟)によるピアノデュオ「レ・フレール」。毎年恒例となっているシーズナル公演「ノエル・ド・キャトルマン」では、レ・フレールならではの連弾アレンジで彩ったクリスマス楽曲を中心に、レ・フレール / 斎藤守也 / 斎藤圭土のオリジナル楽曲も楽しめるスペシャルプログラムをお届けします。ゲスト出演する川島ケイジは、2016年のメジャーデビュー以来、独特の歌声と圧倒的な歌唱力で、国内のみならず海外でもファンを増殖中の実力派アーティスト。富岡製糸場、高野山金剛峯寺、熊野大社をはじめとする世界遺産等での重厚感あふれるパフォーマンスが高い評価を得ています。(レ・フレールによる連弾演奏と、心に沁み入る川島ケイジの歌によるスペシャルコラボは必見です!特別なシーズン、大切な方と一緒にクリスマスの名曲を聴いて過ごしませんか!?レ・フレール ノエル・ド・キャトルマン2020【会場】東京国際フォーラム・ホールC【日時】2020年12月22日(火) 19:00開演(18:00開場)【出演】レ・フレール(斎藤守也・斎藤圭土)川島ケイジ(ゲストシンガー)【料金】全席指定 6,800円(税込)チケット好評発売中
2020年12月15日King&Princeの岸優太・神宮寺勇太が2年連続で出演する舞台「DREAM BOYS」が12月10日、初日を前に報道陣にゲネプロを公開した。本作は2004年の滝沢秀明主演の「ドリームボーイズ」以来、ジャニーズでも数々の先輩が演じ継いできた。初演以来の作・構成・演出をしていたジャニー喜多川氏をエターナル・プロデューサーとしてクレジットし、昨年より演出協力をしていた堂本光一が本作では演出に就任。堂本光一がプロデュースした新曲も披露。その中で岸は登場するロープを自身の筋力だけで昇るアクロバットに挑戦した。囲み取材ではこの技について岸は「力岸(りきし)」と名付け笑いに包まれた。ロープに近づくと緊張すると言いながらも何度も稽古を詰んだので見てほしいと語った。劇中ではアクロバットだけではなく、登場人物の気持ちを表現しつつ、ダンサブルなシーンも増え、堂本光一らしさも入ったショーアップされた「DREAM BOYS」が完成した。取材で初日を迎える思いとして岸は「今まで当たり前と思っていたが、生でエンターテイメントを届けられることに感謝をしています。沢山の人に支えられてできるステージなので感謝を感じながらステージに立ちたいと思います。」神宮寺は、344日ぶりのパフォーマンスに驚きつつも「初日までも油断ができずこれからも油断ができない。岸の言う通り改めて今までが当たり前ではなかったということを感じています。」と述べた。また神宮寺は初日の本日もよりよいものをお客様に届けるために修正点が入ったことを暴露し、ジャニー喜多川氏と堂本光一が重なる部分があると思いを馳せた。今回始めての「DREAM BOYS」で岸の弟役を演じた美少年の那須は演出の堂本光一から役を演じているうえで気づかなかった盲点などの指摘をもらい、舞台の動きからや痛みの表現など細かい部分もレクチャーがあったことを披露。同じく美少年の岩崎大昇もミュージカル全てに通じる役を演じる上での大切さを学んだと同意した。「DREAM BOYS」は年明け2021年1月27日まで東京・帝国劇場で上演中。
2020年12月15日エーゲ海に浮かぶ小島を舞台に、1970年代を代表するポップグループ“ABBA”のナンバーにのせて母娘の絆や友情を描くミュージカル『マンマ・ミーア!』。主人公ドナの娘・ソフィ役を演じるひとり、若奈まりえに舞台の見どころや、コロナ禍で舞台に立つ心境などを聞いた。「この作品は誰にでも共感できる身近な物語で、至るところに小さな“マンマ・ミーア!(なんてこった)”な出来事が潜んでいます。一番の魅力は、作品全体にポジティブなエネルギーがあふれているところ。“人生は何度でもやり直すことができる”と、いい意味で開き直ることができます。役者とお客様が一体となってそんな想いや空間を共有できるのが舞台ならではの魅力。役者もパワーをもらえる作品です」2011年から16年まで、リサ役で本作に出演。その後、『リトルマーメイド』のアリエル役等を経て、ソフィ役で出演した彼女。「最初、ソフィの候補にもなったのですがチャンスをつかめず、親友役で出演することに。ですから念願の役でした。舞台はソフィが歌う『夢があるから(I Have A Dream)』で始まって同じ曲で終わるのですが、私にとっても、まさに“I have a dream”。 夢のために勇気を出して一歩前に進む姿は、自分の9年間の成長にも重なります。今回、稽古に入る時、先輩たちがすごく応援してくれて。皆が家族のように見守ってくれていたことに改めて気づいて感激しました」ソフィ役を演じるのが、楽しくて仕方ないと語る若奈さん。お気に入りのナンバーは、母親のドナにドレスを着せてもらう時の『手をすり抜けて (Slipping Through My Fingers) 』。演じるたびに感極まってしまうシーンで、甘えたくなる自分の気持ちを抑えながら役と戦う苦労もあるそう。また、ドナ、ターニャ、ロージーが3人で『チキチータ』と『ダンシング・クイーン』を歌うシーンは、ドナを思う親友2人の友情をひしひしと感じて、稽古場でも観るたびに感動するのだとか。現在はコロナ対策でマスクを着用しての稽古。「肺活量は鍛えられましたが口元も荒れてきて大変。開口・発声(四季の訓練法)のためにはどのマスクが一番いいか?皆で情報交換しながらの日々です」と笑う。そんな苦労を経ての公演だからこそ、舞台に立てる喜びもひとしお。「舞台に立てることが当たり前ではないんですよね。舞台を通してお客様と共有できる時間は、何物にもかえがたい特別なものだと改めて実感しています」客席も一体となって盛り上がれる、本作ならではのカーテンコールも大きな魅力。「今は一緒に歌ってもらうことはできませんが、自分を解放して心から自由に楽しんでください!ペンライトを振ってくださる方も多いのですが、舞台の上から見ると本当に綺麗で役者にとって最高のご褒美。劇場でも販売していますので、ぜひ(笑)」公演は、福岡・キャナルシティ劇場にて来年1月3日(日)まで上演中。1月27日(水)から京都・京都劇場で上演。チケット発売中
2020年12月14日山口祐一郎、浦井健治、保坂知寿が出演する舞台『オトコ・フタリ』が12月12日、シアタークリエで開幕した。初日に先駆け11日には最終舞台稽古が報道陣に公開されるとともに、会見も行われた。「オトコ・フタリ」公演情報はこちら山口祐一郎と、浦井健治。ミュージカル界を牽引する帝王と大スターが共演する本作は、NHK大河ドラマ『篤姫』『江~姫たちの戦国~』の脚本家である田渕久美子が書き下ろした三人芝居だ。抽象画家の大家でありながらなぜか“愛”をテーマにした作品だけは描けない禅定寺恭一郎(山口)の屋敷に、須藤冬馬(浦井)と名乗る青年が「母を出せ」と踏み込んでくる……という物語。なぜ恭一郎は“愛”が描けないのか? 冬馬の真意は? ……と、次の展開が気になる物語がテンポよく進む。一方で、飄々とした大物画家感を出しながらも冬馬をおちょくる一面やムキになる顔がチャーミングな山口、思い込んだら一直線という冬馬の熱血漢っぷりと情にほだされやすそうな素直さが可愛らしい浦井と、田渕が俳優たち自身の魅力をキャラクターに落とし込んだような脚本がなんとも愉快で、その世界の中を泳ぐ俳優たち自身も心なしかテンションが高く楽しそう。さらにここに有能家政婦・中村好子役として保坂が加わる。保坂の小気味よい芝居とコメディエンヌっぷりも存分に発揮され、クスリとした笑いから爆笑まで、さまざまなグラデーションの可笑しさが次々と押し寄せる作品に。そして2幕では少しシリアスな展開もあり、それぞれのキャラクターの人生に思いを馳せるような妙味もブレンドされ、奥行きのあるものになっていた。会見では山口が「それぞれの役者のキャラクター、チャーミングなポイントをこれほど温かく書いていただいた本はない。それを、僕たちの色々な芝居を一緒に作ってきた演出の山田和也さんが、それぞれの個性をさらに伸ばしてくださるディレクションをしてくださった。めったにない素敵な作品」とアピール。浦井は「山口さんと保坂さんはミュージカル界をずっと牽引してきたレジェンドであり憧れ。稽古場で話してくださる過去のエピソードなどもすごく勉強になる」と共演を喜び、保坂は「軽いタッチのお話なのですが、実はけっこう深い。それぞれが人生で背負ってきたものが出ないと薄くなる作品ですが、そこを山田さんも丁寧に作っておられました」と話した。なおこの会見の場で、声の出演として大塚千弘が参加することも発表に。会見に出席した大塚は「親戚の集まりかな、と思うくらい居心地の良い稽古場だった」と話し、浦井も「演出家に『3人が仲が良すぎて、それが舞台上に出ちゃうのは作品的にちょっと…』と注意された」と明かしていた。なお、このミュージカル界の大スター3人を揃えて歌はナシ!? と残念に思うファンの方はご安心を。中島みゆきの『糸』、米津玄師の『Lemon』といった歌が劇中、意味をもって登場しているのでお楽しみに。東京公演は12月30日(水)まで同劇場にて。1月上演の大阪・愛知公演のチケットも発売中。(取材・文:平野祥恵)
2020年12月14日2020年は神奈川フィルが創立50周年を迎える節目の年。残念ながら新型コロナ感染症の影響により、オーケストラは約80公演の中止を余儀なくされ、ようやく対策を講じて8月から主催公演を再開した。50周年を記念し、予定していた神奈川県内巡回公演は今のところ横須賀公演の中止はあったものの、今のところ予定どおり実施されており、12月に演奏される「第九」公演もその巡回主催公演の一環だ。横浜、川崎、藤沢それぞれの地域で響く第九。この時期だからこそ生で聴きたい演奏会の一つだろう。チェリストであり、指揮者の鈴木秀美氏との「歓喜の調べ」がついに実現!年末の風物詩として、クラシック音楽の代名詞のように言われる第九。今年はコロナ禍において国内の演奏回数が例年の半分以下に落ち込み、様々な影響が懸念されるが、この「第九」は多くの人の心を揺さぶり、光を放ち続け、その音楽的魅力は増すばかり。合唱は「神奈川フィル合唱団」や「洗足学園大学合唱団」を予定していたが、感染症予防の観点からマエストロ自ら選んだ28名の「コーロ・リベロ・クラシコ・アウメンタート」の歌声が響く。ベートーヴェン作品では名作といわれる「運命」「田園」「英雄」などの交響曲を神奈川フィルと共演し、新たな魅力を引き出してきたマエストロ鈴木秀美の手腕に期待は高まるばかり。ソリストには国内外で活躍する実力派中江早希、布施奈緒子、中嶋克彦、氷見健一郎を迎え、2020年を締めくくる歓喜の歌を響かせてくれるだろう。会場となる横浜みなとみらいホールは、2021年1月から約1年10カ月におよぶ改修工事のため休館に入り神奈川フィルとしては休館前最後の演奏会。ミューザ川崎シンフォニーホールでは、来年度から新たに定期演奏会の会場として新たな神奈川フィルを川崎の聴衆に披露する場となり、藤沢市民会館ではオペラが盛んな藤沢ならではの神奈川フィルの新たな魅力を発信していくだろう。[公演情報]特別演奏会ベートーヴェン「第九」横浜みなとみらいホール:12月24日(木)19時開演ミューザ川崎シンフォニーホール:12月26日(土)14時開演藤沢市民会館:12月27日(日)14時開演チケット好評販売中。
2020年12月14日シンガーソングライター安本美緒が2021年1月11日(月・祝)に、東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで10周年記念コンサート「あふれる想いを花束に」を開催。ダンサーとしての活動を経て、音楽活動10周年を迎えた今年9月から延期となった公演の振替となる。「この会場は’15年に初のホールワンマンを行った場所です。ダンスで鍛えられたのも渋谷。大きな夢を抱えて下積みを重ねていた渋谷は私の人生を語るには欠かせないのです。最初は10年続くなんて思ってなくて、目の前の1回、1回のライブに全力投球していたら10年経っていた感じで。続けられたのは、応援してくださった皆さんのおかげでしかないです」10年の活動期間を振り返っての印象を尋ねると、「やっぱり今年のコロナのこと。今まで通りの活動ができなくなり、自宅からでも音楽を発信できるよう配信機材を買い集めて…今できることを精一杯やりたくて。トークやライブを配信して、ファンの方とのつながりを大切にしてきた半年間でした。逆に皆さんから励まされたり、音楽の素晴らしさを改めて感じました。それまでは『がんばろう!』と言う元気な歌詞が多かったんですけど、『おつかれさま』みたいな癒しや優しさ、心がホッとする言葉が多くなりました」当初開催予定の9月から時を経て、公演の内容も変更するという。「最近は朗読や語りのステージもあるので、そんな新たな表現を凝縮した内容に、と思ってたのですが、新たなものだけでなく10年間の要素を全部盛り込んだカーニバルにしたいなって思うようになって。なので、本気のダンスも踊ります。今までも歌いながらちょっと振りを付けるくらいはあったんですけど、今回はマイクを置いて完全にダンスだけのコーナー。盛りだくさんです!」さらに、当日会場ではニューシングルの発売も。「少し前のライブで発表した新曲を音源化したものです。新曲を披露すると、しばらく封印する癖があるんです(笑)。もっと煮詰めたくなって。この半年間でじっくり作りました。ほかにも今回が初披露になるまっさらな新曲も歌います」従来からのファンはもちろん、初めて彼女の音楽世界に触れる人にとっても、その10年分の魅力が全て伝わるコンサートになりそうだ。取材・文/青木孝司
2020年12月11日音楽劇『プラネタリウムのふたご』が2021年2月に上演される。演出・脚本のウォーリー木下、W主演の永田崇人と阿久津仁愛に話を聞いた。いしいしんじの小説を原作にした音楽劇で描かれるのは、星の見えない村にあるプラネタリウムで働く“星の語り部”の男に拾われた、ふたごの兄弟の物語。永田が「この作品には“人はだまされる才覚があるから、しあわせに生きていける”ということが描かれているのですが、僕もすごくそう思います。特に舞台をやりながら感じるし、舞台を観ながらも感じることです」、阿久津も「本を読んで、“うそ”や“人をだます”ということに対してのイメージが変わりました」と語る、“うそ”がキーになるストーリーだ。それを脚本にするうえでウォーリーは「小説はひとつのテーマにくくることができないような作品なのですが、その中の『僕らはどうやって“うそ”を“うそ”として受け止めて生きていくのか』というテーマに、僕は舞台人としてとても興味があって。そこはかなり深く掘って戯曲にしたつもりです。作品に出てくるプラネタリウムも、そこに本当の星があるわけじゃなくて、“光の点”を僕らは星だと思って見る。その原理は演劇ととても似ていて。そういうものが描かれる作品だからこそ、舞台で表現できることは多いと思います」トクマルシューゴの音楽を楽しみにしているという永田は「以前、ウォーリーさんがトクマルさんとつくられた『つながる音楽劇「麦ふみクーツェ」~everything is symphony!!~』(’15)を観てすごく感動したのを覚えています。なにか、わけがわからない感じで涙が出てきたんです。それは初めての体験でした」とうれしそう。その永田との共演を楽しみにしているのは阿久津。「ずっと崇人くんと共演したかった。先日、(ウォーリーが演出・脚本を手掛け、永田が出演する)演劇『ハイキュー!!』を観劇したときも感動しっぱなしでした。カッコよくて……すごく尊敬しています。W主演ではありますが、崇人くんからも学んでいきたいです」と目を輝かせる。そんなふたりにウォーリーは「ふたりが演じるふたごは“よくわからない感じ”が重要だなと思っているので、ふたりから出てくるものを見ながらやっていきたい」と話した。今年6月~7月に上演予定であったが新型コロナウイルスの影響で上演延期となった本作。「音楽も美術も衣裳も台本も揃った後に延期が決まったので、今回もっとできる部分が増えそうです」(ウォーリー)と更に楽しみな公演は、2021年2月6日(土)・7日(日)に東京・東京芸術劇場 プレイハウス、2月13日(土)・14日(日)に大阪・梅田芸術劇場 メインホール、2月19日(金)~23日(火・祝)に東京・日本青年館ホールにて上演。チケット一般発売は12月19日(土)より。チケットぴあでは12月12日(土)からチケット先行先着販売を実施。文:中川實穂
2020年12月11日俳優の小沢道成が、作・演出・美術までも手がける演劇プロジェクト「EPOCH MAN」。2019年に好評を博した田中穂先とのふたり芝居『夢ぞろぞろ』が、2021年2月に再演される。そこで小沢と、EPOCH MANのファンだという大人計画の宮崎吐夢に話を聞いた。小劇場に足繁く通い、自ら演劇について語るイベントも開催している宮崎。そんな彼が初めてEPOCH MANを観たというのが、2018年のひとり芝居『Brand new OZAWA mermaid!』だ。本作について宮崎はこう振り返る。「僕はひとり芝居、特に演者が台本も書いているひとり芝居が好きなんです。非常に私小説的というか、書いて演じる人の想いや人となりが、強く伝わってくるので。ただ小沢くんの『~mermaid!』に関しては、ひとり芝居とかそういうことを遥かに超えて圧倒されました」初演の『夢ぞろぞろ』についても、「小沢くんはもちろん、相手役の方もすごくよかった」と語る宮崎。その言葉に「嬉しい」と微笑む小沢に、本作の創作経緯について聞いた。「僕、樹木希林さんが大好きなんです。亡くなられたとニュースで知った時、込み上げてくるなんとも言えない感情が、この作品を作るうえで一番の動機になりました。きっと樹木さんって、『私のことなんていいのよ』と言いつつも、全部自分の話にしてしまうような、面白さと愛おしさのある方だったと思うんです。そういう方をモデルに、さらに駅の売店がクルクル回る美術をやってみたいと思って作ったのが、この『夢ぞろぞろ』なんです」駅の売店で働く60歳の女性を小沢が、突然電車に乗ることが出来なくなった青年を田中が演じる本作。改訂を予定しているかと聞くと、「1文字も変えていません」と小沢は言う。「僕の『鶴かもしれない』という舞台はどんどん練って、変えていく作品だと思うんですが、『夢ぞろぞろ』は変えちゃダメな作品ではないかと思っていて。僕が期待しているのは、2019年とは状況が変わっていることで、お客さん側の捉え方が変わること。今回そこが面白いんじゃないかと思っているんです」取材前に初演の映像を見返してきたという宮崎は、メモをめくりつつ、「こんないいセリフあったっけ?って忘れてたのがいくつもあって。たとえば青年を励ます時の『とりあえずチョコレート食べよう』」。またも「嬉しい」と微笑む小沢の口調からは、そこに至った苦労もにじむ。そして宮崎はこう続ける。「演劇を語る上で『わかりやすい』『間口が広くて誰でも楽しめる』は必ずしも誉め言葉ではないのですが、小沢くんの作品は非常にわかりやすいのに、すぐには言語化できない深い感動もじわじわ味わえる。ボヤボヤしていると伝説の舞台になってしまうかもしれないので、未見の方はお早めに」EPOCH MAN『夢ぞろぞろ』のチケットは12月11日(金)10時よりチケットぴあで先着先行販売。一般発売は2021年1月9日(土)10時より開始。文:野上瑠美子
2020年12月10日大竹しのぶが、古典劇『フェードル』再演に挑む──。義理の息子に対する狂おしい恋情に身を焦がすタイトルロールを続投するにあたって、ユーモアを交えつつ心境を語ってくれた。17世紀フランスの劇作家ジャン・ラシーヌが、ギリシャ悲劇『ヒッポリュトス』から想を得て創作した本作。アテネ王テゼの妻フェードルが抱く、義理の息子イッポリットへの禁断の想いや愛憎が描かれる。『ピアフ』で知られる主演・大竹と演出・栗山民也のタッグによって上演された2017年版で大竹は圧巻の演技を見せ、紀伊國屋演劇賞個人賞を獲得した。悲劇へ向かうキャラクターを際立たせるセリフの数々、ほとばしる破滅的な激情の応酬に、折に触れて「演劇の“原点”を感じられる作品」とその魅力を挙げてきた大竹。一方で「役者の声と肉体だけで登場人物の感情を増幅させ、同時に作品世界も成立させなきゃいけない」として、「自分の内側から言葉を発し、マグマのようなエネルギーをたぎらせて相手役に向き合わないと」と背筋を伸ばす。再演となる今回、フェードルから強い想いを向けられるイッポリットには、大竹&栗山と初顔合わせの林遣都がキャスティングされた。一挙手一投足を緻密に定める栗山の指導に「言う通りに動くと役がスッと降りてきて、すっごくおもしろくなるの!」と全幅の信頼を寄せる大竹は「初めての方は絶対、栗山さんの演出が勉強になります」「私にできるアドバイスならどんどん答えていきたいなぁ」と若い才能を率いる座長としての顔も覗かせる。神話的世界が見え隠れする一見難解な古典劇のセリフも、大竹によれば「人智を超越した力をもらえる感覚なんですよね」──。シェイクスピアの独白ゼリフが精神科の治療として使われていた過去を例に挙げつつ「あの特徴的な古典劇の長ゼリフには、人間を元気にする力が宿っているんじゃないかな」と考える。ギリシャ悲劇と言うと難しく感じるが「おばさんが、若い男の子を好きになって、でもその子はやっぱり若い女の子が好きで『あー、悔しい。何とかしよう』というシンプルなストーリーと思ったら笑えませんか?」と大竹。最後には「とにかく情熱的なフェードルの生き方を観て、最後に『あー、面白かった』ってスッキリしてもらえたら嬉しいです」と語り、インタビューを結んだ。公演は2021年1月8日(金)~26日(火)に、東京・Bunkamura シアターコクーンにて。その後、2月に地方巡演が予定されている。取材・文:岡山朋代
2020年12月10日ぴあが取り組む「エンタメ再興・再始動のための[re:START](リスタート)プロジェクト」の一環として、チャリティーグッズ企画の最新作が登場。人気イラストレーター・chocomoo、フクザワのデザインによるチャリティースウェットが12月7日より販売開始。売上金額(一部制作・販売経費除く)は、公益財団法人パブリックリソース財団に創設された、文化・芸術・スポーツ活動を行う方々、それを支える方々を支援する基金に寄付される。★[re:START](リスタート)プロジェクト“チャリティーグッズ企画”【寄付金額】販売枚数1枚につき1,760円(税込)が寄付金に充てられます。【寄付先】公益財団法人パブリックリソース財団に創設された、以下基金に寄付いたします。・ライブエンタメ従事者支援基金・コロナ給付金寄付プロジェクト(文化・芸術・スポーツ分野助成基金)【チャリティースウェット詳細】販売価格: 各4,950円(税込)販売開始: 2020年12月7日(月)正午12時~お届け:2021年1月下旬より順次販売場所:チケットぴあグッズ通販サイト・Chocomooコメントこのプロジェクトのタイトルでもある“ReSTART”の文字に明るい希望をイメージしながらデザインしました。全てがこれから良い方向に向かうように、願いを込めて。・Chocomooプロフィール京都出身イラストレーター。POPで独創的な作品全てモノトーンで描くのが特徴。日本をはじめ海外のアパレルブランドや企業とのコラボレーションや、様々なアーティストへのART提供をしている。また国内外でのART Showにも参加する等、幅広いシーンで活動中。・フクザワコメント部屋の中でもおもっきりおしゃれして贅沢してお祭りみたいに楽しんでいつかまたイベントなど外でも楽しめるようにと思い描きました。・フクザワプロフィール兵庫県出身。絵で音楽に携わるフクザワ。CDジャケット、バンド・アーティスト・イベントグッズなど、音楽関連のデザインが中心なイラストレーター。自身もライブステージに立ち、音楽アーティストの隣で、与えられた時間内に1枚の絵を仕上げるパフォーマンス(ライブペイント)で話題を呼んでいる。
2020年12月10日12月9日(水)より、浅草九劇にてショーライブ『I’ll Be Home For Christmas~クリスマスは家にいて~』が開催される。〈Family〉〈Couple〉〈Life〉の3チームに分かれた少人数のキャストが、それぞれ異なるストーリーの中でクリスマスソングを歌うショー。Coupleに出演する沙央くらま、Takayuki、舞羽美海の3人に話を聞いた。まだ稽古初期段階での取材にもかかわらず、3人の息の合った掛け合いや楽し気な笑顔に驚かされる。それもそのはず、沙央と舞羽は宝塚歌劇団在団中、同じ雪組で何度も相手役を務めた間柄。「しかも住んでいたマンションが一緒で、家族ぐるみで仲良くしていました。一緒に旅行へ行ったりも」と沙央が言えば、舞羽も「コマさん(沙央)は先輩なのですが、敬語を忘れちゃうくらい仲良くさせていただいています。もちろん礼儀はわきまえつつ、ですが(笑)」。そしてオペラ歌手としてボストン、ハワイを軸に活動しているTakayukiは沙央の実弟。「姉弟で共演したことがなかったので、すごく嬉しい。僕は子どものころからお姉ちゃんっ子だったのですが、姉は僕が小学生の時に宝塚に入ってしまったので、思春期を共にしていない。いい距離感だったのか、ずっと仲がいいんです。美海ともいつか共演できたらいいねと話していたので、実現するものなんだなと(笑)」(Takayuki)。「おふたりと歌うとすごく安心感があるし、最初の歌稽古から楽しかった。歌というのはやっぱり楽しいんだなって素直に感じられました」(舞羽)。ストーリー上は、沙央とTakayukiが夫婦、舞羽が沙央の後輩でTakayukiの元カノ…というちょっとアヤシイ三角関係。演出の菅野こうめいがそれぞれに当て書きしたと思われるキャラクターたちだ。舞羽は「独身女性の代表のような。私も思うようなことがそのまま言葉になっています。でもコマさんが大きな愛で包んでくれている…というストーリーは、本当に実際もそのまんまなんです!」と熱弁。沙央は「弟と夫婦役なので役に浸らないとやっていられないのですが(笑)、自然体でできるようにしないと」と話した。チームごとにアレンジャー、演奏家も異なるのも注目ポイント。Coupleは園田涼が音楽を手掛ける。「園田さんのアレンジは難しいけれど、本当にとってもお洒落。」(Takayuki)、「譜面をいただいた瞬間の3人の衝撃はすごかったよね(笑)。でもこれが綺麗にハマったらクリスマスならではの素敵な音階になると思います」(沙央)。色々あった2020年だけど、クリスマスはやっぱり楽しく、そして素敵な音楽とともに過ごしたい。そんな人にぴったりのこの公演は12月9日(水)から20日(日)まで。Couple、Lifeは生配信、またCouple、Life、Familyのアーカイブ配信も実施。配信はPIA LIVE STREAMにて。視聴券は発売中。取材・文:平野祥恵
2020年12月10日クリスマスの夜の夢の物語を描くバレエ『くるみ割り人形』の、上演ラッシュの季節だ。新国立劇場バレエ団で『くるみ割り人形』の王子役を演じている井澤駿、奥村康祐、渡邊峻郁ら3人のプリンシパルが、その魅力を語った。「新国立劇場のヴァージョンの王子は、主人公クララが初めて会う年上の男性。彼女の憧れが夢の世界から飛び出してきた、そんな存在なのです」と話す渡邊。同劇場が2017年より上演しているヴァージョンは、ウエイン・イーグリングによる独創的かつドラマティックな演出で人気だ。王子役のダンサーは、クララにくるみ割り人形を贈るドロッセルマイヤーの甥と、くるみ割り人形、王子の3役を演じ分け、少女の夢にずっと寄り添う──。その演技について奥村は「クララは、人形が好きな少女と、現実の男性を愛する大人の女性とのはざまにいる。彼女が大人になりかけた瞬間、その一瞬の独特の空気を出したい」と語る。井澤も「理想的な王子を演じなければ」と抱負を語りつつ、「この役は本当に休むところがなく、常に動いている。衣裳の早替えでは次の場面に間に合わなくなりそうになったことも(笑)」と体力的にハードな役柄であることも明かす。しかも3人とも、別日程ではねずみの王様としても登場。見た目は怖いけれど、「ドジをしたり、戦う相手を見失ったり(笑)」(奥村)と、アドリブを混えた愉快で見応えある戦闘シーンを期待させる。日本でもクリスマス・シーズンの風物詩として定着している作品だが、欧州で活躍した経験のある渡邊は、「劇場前のクリスマス・マーケットで楽しそうにしている子供たちをよく見かけました。皆そこから劇場に足を運ぶ伝統があり、僕もワクワクしながら本番に向かった。日本の皆さんも、この時期だけの特別な空気を感じていただけたら」という。前回の『ドン・キホーテ』に続いて、舞台映像の有料配信も実施されるが、「それによってより多くの人に親しんでいただけるようになれば!『くるみ割り人形』のチャイコフスキーの音楽はご存じの方が多いけれど、この機会に、バレエとともに演奏される、この音楽の本来の姿を体験していただきたい」と奥村。井澤も「リアルで立体的なセットはこの劇場ならでは。気球も登場する豪華さ!ここでしか味わえない雰囲気をぜひ楽しんでください」とアピールした。公演は12月12日(土)~20日(日)、新国立劇場オペラパレスにて。チケットは発売中。文:加藤智子
2020年12月08日テキサス州オースティンで行われている音楽を中心としたフェスティバル・SXSW(south by southwest)をモデルに大阪ならではのアイデアを盛り込みながら、毎年秋に大阪ミナミエリア一帯にて開催されてきた『FM802 MINAMI WHEEL』。今年は例年のサーキット形式で実施せず、月1回1会場で複数アーティストが出演するオムニバスショーケースライブイベントとして開催されている。「Eggs presents FM802 MINAMI WHEEL 2020 NEO EDITION vol.3」チケット情報11月から3月までの計5回開催予定で、毎月『FM802 MINAMI WHEEL』というイベントがライブハウスをサーキットする形式で、ガイドラインを守りライブハウスでの観覧と、オンライン配信での観覧から選べるハイブリッド方式で実施。2021年1月11日(月・祝)には、LIVE HOUSE Pangeaにて『Eggs presents FM802 MINAMI WHEEL 2020 NEO EDITION vol.3』の開催が決定した。出演アーティストは、クレナズム、THE CHARM PARK、竹内アンナ、DENIMS!EggsレコメンドアーティストThe Shiawaseも登場する。チケットは12月19日(土)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、12月13日(日)23:59までプレリザーブ受付中。
2020年12月07日映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の公開35周年を記念し「バック・トゥ・ザ・フューチャー」inコンサートが、2021年3月5日(金)に大阪国際会議場(グランキューブ大阪)メインホール、3月28日(日) に東京国際フォーラム・ホールAにて、開催することが決定しました。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」inコンサートは、1985年製作の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の1作目をノーカットで舞台上の大スクリーンで上映。そして全編のサウンドトラック部分を映画に合わせてオーケストラが生演奏するシネマ・オーケストラ・コンサートです。2015年5月の世界初演後、米・ハリウッドボール、ロンドン・アルバートホールをはじめ世界中で上演され、日本では2015年に東京と大阪、2019年4月に東京で、総勢21,000人を動員した大ヒット公演。このコンサートのために、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の音楽を担当したアラン・シルヴェストリが元々のオーケストラスコアに加えて、新たに約15分のスコアを作曲しました。映画の始まりからワクワクする音楽的演出が施されており、フルオーケストラが迫力の生演奏で、観客をタイムトラベルへ誘います。主人公マーティ達が登場する現代(1985年)と、タイムスリップ先の過去(1955年)が舞台となっている本作、ぜひ1950年代(70年前!)or 1980年代(40年前!)のファッションでコンサートに参加して、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の世界を思う存分楽しもう!巨大スクリーンとフルオーケストラの生演奏を、劇場で体感してみては!?「バック・トゥ・ザ・フューチャー」あらすじ1985年。友人の科学者ドク(クリストファー・ロイド)と知り合った高校生マーティ(マイケル・J・フォックス)は、彼が愛車デロリアンをベースに開発したタイムマシンを見せられる。試運転を始めようとしたところに、ドクに恨みを持つテロ集団が襲い掛かる。銃弾を浴びて倒れる彼を見たマーティはデロリアンで逃げ出し、そのまま1955年にタイムスリップ。デロリアンの燃料切れで1985年に戻れなくなったマーティはその時代に生きるドクに助けを求めて帰ろうとするが、まだ高校生である母親に惚れられてしまう。(Yahoo!映画より)大阪公演【会場】大阪国際会議場(グランキューブ大阪)メインホール【日時】2021年3月5日(金) 19:00開演(18:00開場)東京公演【会場】東京国際フォーラム・ホールA【日時】2021年3月28日(日) 14:00開演(13:00開場)※英語上映・日本語字幕あり ※上演時間:約2時間30分予定(休憩1回含む)※デロリアンの展示は中止とさせて頂きます。予めご了承ください。【出演】指揮:齊藤一郎管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団(東京公演)/大阪交響楽団(大阪公演)
2020年12月07日山田佳奈が主宰する「□字ック」の第十四回本公演 旗揚げ10周年企画『タイトル、拒絶』が2021年2月に上演される。脚本・演出の山田に話を聞いた。『タイトル、拒絶』は、2013年に□字ック第六回本公演として初演し、2019年には映画化(2020年11月公開/脚本・監督:山田佳奈、主演:伊藤沙莉)もされた劇団前期代表作だが、旗揚げ10周年企画に本作を選んだ理由を山田は「『タイトル、拒絶』は自分にとって転換期となった作品で。評価もしていただけたし、“エンターテインメント”というものは誰かの人生を一瞬でも変えられる力を持っているんだということを経験した作品になりました。それでそのときに、この作品は大事に温めておこうと思ったんです。それから7年経って、今私は映画監督と演劇の両軸で活動していますが、今回その『タイトル、拒絶』を映画化することになり、公開がちょうど劇団10周年のタイミングだとわかり、演劇でもこの大事な作品をやるべきなんじゃないかと思いました。同じ作品を“映画”と“演劇”という視点で見られる機会をつくりたかった。なぜならそれは自分にしかできないことだと思うから」と語る。デリヘルの事務所を舞台に、セックスワーカーとして生活をする女性たちがあらがえないものに向かって進んでいく姿を描いた本作。公開中の映画がヒットをしているが、演劇はまた違うものになるという。「そもそも7年前の作品なので、当時とは社会的な背景も違いますし、私自身が当時持っていた“女性”への感情も変わっていますし、そういう意味でも新しい視点でつくりますが、映画は、国際映画祭に出品したということもあり、海外を相当視野に入れたものなんです。日本の性産業って海外からしたら特殊なので、その不思議な部分を集約してつくりました。でも舞台は日本国内で上演するものなので、そういう意識はなく、改めて新作をつくるつもりでいます。ただ、7年前の初演がなければ今こうやって本多劇場という劇場で再演させてもらえることもなかったので、初演に敬意を持って、映画に感謝を持って、つくっていこうと思っています」□字ックの10周年記念であり、山田一人の新体制となって一作目となる本作。「□字ックはホームである、という意識があります。だけど一人になって背負うものがなくなったぶん、これまでの『□字ックはこうあらねばならない』というところから、自分のやりたいことをやらせてもらえる場になればいいかなと思っています。今作は、次の一歩目に向けての作品でありながら、10周年だからこそできる手管も持って臨みたいです」という公演は2021年2月4日(木)から10日(水)まで、東京・本多劇場にて上演。文:中川實穂
2020年12月07日劇場での主催公演を中心に、嵐やAKB48等のアーティストライブ、『今日から俺は!!』や『NHK紅白歌合戦』等のテレビメディア、宝塚歌劇団や2.5次元舞台等での振付・演出でも活躍するダンスエンターテインメント集団「梅棒」。2021年2~3月に東京・愛知・大阪の3都市で第11回公演、梅棒 11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』が開催される。梅棒 11th STAGE 『ラヴ・ミー・ドゥー!!』チケット情報作・総合演出を務める代表の伊藤今人を中心に梅棒メンバーは9名が出演。今年8月に新たに加わった多和田任益はメンバーとして初めての本公演となる。多和田も振付を担当する曲があり、公演制作面にも挑んでいる。ゲストは、『仮面ライダージオウ』、ABEMA『オオカミくんには騙されない』、MBSドラマ特区『社内マリッジハニー』等で話題の押田岳や、モーニング娘。の元メンバーでソロに転身後は舞台を中心に活躍する新垣里沙。さらに、NHK『ニャンちゅう!宇宙!放送チュー!』12代目おねえさんのほかテレビ・舞台等で幅広く活躍する鎮西寿々歌、過去の梅棒公演に幾度となく出演し、八面六臂の活躍をしている池田遼とYOU。また、アニソンでブレイクダンスを踊る一風変わったダンスチームRAB(リアルアキバボーイズ)のメンバーとしてブレイクダンス日本一に輝いたこともある涼宮あつき、第1回公演以来の出演となる、数々のダンスコンテンストを制した実力派ダンサーのJ、ダンスや歌の経験を活かしつつ、俳優をメインにフリーランスで活動中の野元空、TikTokの振付等で唯一無二の世界観を表現する話題のダンサーえりなっちと、バラエティ豊かで強力なゲスト陣の出演が決まっている。今作は2014~2015年に上演した梅棒 3rd STAGE『男なら、やってやれ!!』の数年後の世界線を描く。『男なら、やってやれ!!』を観劇した方はもちろん、今回が梅棒初見となる方も笑って泣ける作品になること必至!公演は、2021年2月19日(金)から28日(日)まで東京・サンシャイン劇場、3月6日(土)・7日(日)に愛知・ウィンクあいち、3月11日(木)から14日(日)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演。チケットは、12月5日(土)11:00よりプレイガイド最速先行の受付開始。
2020年12月04日2020年8月15日、コロナ禍での野外コンサートを開催し、生で音楽を伝える必要性をあらためて感じた宮沢和史が、この時期だからこそできるコンサートを、と10月から「詩の朗読と歌によるコンサートツアー」をスタートさせたが、ツアー終盤に新型コロナウイルス感染者数増大を受けて、山梨、札幌、小樽公演はやむなく断念…。【動画配信】宮沢和史 詩の朗読と歌によるコンサートツアー2020 ”未来飛行士” チケット情報中止したコンサートに来場予定だった方々、それ以外の会場に来場予定だったけれど断念された方々、行きたくても行けない環境におられるファンに対して、あらゆる場所で観られるよう、急遽、大阪市中央公会堂のコンサートを収録して動画配信することが決定した。また、2021年1月20日(水)にはニューアルバム『次世界』がリリースされる。“今”を宮沢和史の視点で捉えた上で、“未来”へ向けたメッセージとして新たに生み出された作品4曲や、1998年に発表され合唱などで歌われ続けている『旅立ちの時』の新録音源などが収録されている。動画配信は、12月6日(日)18:00から12月31日(木)23:59までPIA LIVE STREAMにて。チケットは発売中。この時期だからこそ胸に迫る楽曲、朗読、メッセージをお届けします。是非ご覧ください。
2020年12月04日「伝えたいことを伝えようという気持ちが強いです」音楽家にとってシンプルな、しかしとても大切な信条だろう。今あえてそれを口にするのは、今年活動45周年の節目を迎えているヴァイオリンの千住真理子だ。1995年から5年ごとに取り組んでいるJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ全曲演奏会に今年も挑む(横浜、大阪、東京の3公演)。彼女が伝えたいこと。それは公演のタイトルでもある「平和への祈り」だ。「このコロナ禍の中で聴衆の皆さんが集まってくださることを思う時の、心が震える感動。こんな気持ちは今までに味わったことがありません。バッハの音楽の中にある祈りや希望、そして絶望も。それらを通して、今生きていることを感じ合いたい。3時間のバッハの空間を一緒に過ごしたい。自分がバッハを弾き続けることの意味や挑戦という部分は、今回は非常に二次的なことのような気がしています」バッハを弾く時は自分を「無」にしなければならないと語る。「目を閉じて、ひたすら音を聴く。聴くというよりは見つめるという感覚。そうやって弾き進んで行くと、真空の世界に音が広がっていく。音だけの世界。宇宙と言ってもいいかもしれません。そこにすっぽりハマった時に、私というものがなくなって、音楽だけが進んでいく。それがベストの状態です」音は空気の振動だから、真空は無音だ。でも彼女はきっと、そんな物理現象ではない「音」を聴き、見ている。「音楽って、聴覚だけでなく、実は肌でも感じているのだという説があります。音は、そんな底知れない人間の五感で捉えられている。それを特に強く感じるのが、このバッハの無伴奏です、他の作曲家や、バッハでも他の作品だと、実世界の空気の中で伝わるメロディの語らいのようなものも感じるのですが、この作品にそれはありません」春からの長い活動休止を経て、ライブへの思いはいっそう強まった。「ステージの上はお客様の圧を感じます。波のようにわーっと寄せてきたり、すーっと引いたりする不思議な感覚があって、演奏家はそれによって弾かされているというようなところもある。それが心の対話、心の交流というものなのだろうと思います。だから、配信やCDでは伝わらないものも、コンサートでは確実に伝わるんですね。私というフィルターを通して鳴るバッハから、お聴きになったお一人お一人が感じるのは、たぶん私が想像がつかないようなものです。それこそが人間の、あるいは地球という惑星の素晴らしい文化だと思います」最後に「バッハの一番の魅力ってなんでしょうね?」と尋ねると、即座に「救いですね」とひと言。そして少し間を置いて加えた。「私自身にとっても。聴いてくださる方々にも」かつて自身もバッハに救われたという思いを強く持つ彼女。今度は彼女のバッハが、不安な日常をさまよう私たちを救ってくれるはずだ。取材・文:宮本明
2020年12月04日12/12(土)20時からオンラインにて行われる森本聡子監修『麺酒場』。「ラーメン女子博」やラーメンとの異色コラボを仕掛ける森本聡子が今回の意気込みを語る。コロナウイルス禍でいろいろなことを思い、模索していたことを今表現したいという彼女の熱意が詰まったインタビューとなった。●このイベントを開催しようと思ったきっかけは?森本:こんな時代だから新しいイベントの形にチャレンジしてみたかったのです。ラーメン×◯◯◯の新しいカルチャーを創る事は日頃から考えている事で。今回はラーメン×本音トーク、ラーメン×クラフトビール、ラーメン×プロ直伝講座、ラーメン×音楽など盛りだくさんの内容の予定です。こんな時代だからこそ「ラーメン」の面白さ・可能性を知ってもらい元気になってもらえるイベントを目指します。●出演者と森本さんの出会いを教えてください。森本:それぞれが超有名店だったので自ら食べに行ってご挨拶したのがきっかけです。その後、ラーメン女子会やラーメン女子博などのイベントを通じて絆がより深まっていきました。実は「ラーメン以外の話をしている時」も盛り上がる事が出来る!という共通点があります。個人的には話していて学びもあり居心地の良い方をゲストとしてお招きしました。●どんなイベントを目指していますか。森本:イベントをやる時に常に心がけていることは「自分自身が楽しめるかどうか?!」そうでないとお客様は楽しむことが出来ない。と考えているからです!今回は「ラーメンを食べる」を目的としたイベントから「好きなタイミングに観て聴く」が出来るイベントに変わった事が一番の大きな変化です!オフラインイベントでは、会場に収容できる人数に上限がありますが、オンラインイベントでは参加者がいつでもどこからでも天候関係なく視聴でき、地方や海外など遠方のお客様とも繋がれる未知なる体験が可能です。イベントに行きたくても行きにくかったであろう子育て世代、怪我や病気などで参加が難しくなってしまった方とも時間を共有出来ることを楽しみにしています!また見逃し配信機能があるので、当日仕事や予定で都合がつかない方も楽しむことが出来ます。初めてのことなので不安はありますが、最大限楽しめるように準備を進めています!「『麺酒場』森本聡子監修」は12/12(土)20:00より配信。「せたが屋」と「博多だるま」のラーメン(各1食)が自宅に届く視聴+ラーメンチケットは12/19(土)21:00まで発売中。
2020年12月04日壱「道成寺」左から 明星真由美 相葉裕樹 高橋和也 (撮影:細野晋司)『現代能楽集X『幸福論』~能「道成寺」「隅田川」より』が11月29日に東京・シアタートラムにて開幕。初日を迎えた作家・演出家・出演者のコメントが公開された。<現代能楽集X『幸福論』~能「道成寺」「隅田川」より>公演情報はこちら本作は、世田谷パブリックシアター芸術監督である野村萬斎の企画・監修により、能・狂言を基に現代演劇を創造するシリーズ「現代能楽集」の第10弾。今回は気鋭の劇作家・演出家の瀬戸山美咲と劇作家の長田育恵がタッグを組み、瀬奈じゅん、鷲尾真知子、相葉裕樹、清水くるみ、明星真由美、高橋和也の6名のキャスト共に、それぞれの幸福論を立ち上げる。初日を終え、「隅田川」を手がけた長田は「能の物語を借りて描き出す2020年の現在地は、生々しくも、どこか目に見えないものを信じられるような不思議な力に満ちています」と心境を語り、「この企画だからこその劇空間、ぜひ多くの方にご覧いただきたいです」とメッセージ。「道成寺」を書き下ろした瀬戸山も「初日を終えて、さまざまな時代、さまざまな局面で人の想いを鎮めてきた能の持つ力を改めて感じています。今年の終わりにふさわしい作品になっていると思います」と、演出を務めた本公演の魅力を語った。「今日シアタートラムの舞台に立てた事を幸せに感じています。行動の不自由を感じている中、劇場に足を運んでくださったお客様に感謝申し上げます」と感謝の気持ちを告げたのは、出演者の鷲尾。瀬奈は「舞台は、芝居は、お客様と共に作り上げていくものだと、改めて実感した初日です……」、相葉も「約半年ぶりにお客様と同じ空間、同じ時間を共有する事ができとても幸せでした」と語るように、それぞれが舞台に立つ喜びを噛み締めているようだ。さらに、清水は「千秋楽まで変わり続ける舞台でありたいし、その中でたくさん吸収していきたいです。正解があるのか分からない、人生みたいな道のりを、3週間、もがき進んでいきたいと思っています」と意気込みを語っている。『現代能楽集X『幸福論』~能「道成寺」「隅田川」より』は、シアタートラムにて12月20日(日)まで上演中。<ポストトーク開催>12月9日(水)19:00鷲尾真知子明星真由美野村萬斎(世田谷パブリックシアター芸術監督)12月10日(木)19:00長田育恵(作)瀬奈じゅん清水くるみ12月11日(金)19:00瀬戸山美咲(作・演出)高橋和也相葉裕樹
2020年12月04日歌手・和田アキ子の近年のライフワーク、そして真骨頂でもある「ブルーノート東京」公演が今年も12月8日と9日に開催される。リアルライブのチケットは即座に完売したが、このコロナ禍の中、ライブ現場に行きたくても行けないファンも多いはず。「より多くのひとに、現在の和田アキ子の充実したステージを伝えたい」ということで、最終日となる9日の公演の配信中継が決定した。公演情報はこちら1968年にデビュー以来、力強くエモーショナルな歌いっぷりで日本におけるリズム&ブルースの大衆化に貢献。30周年コンサートでは敬愛するレイ・チャールズと共演し、40周年コンサートをニューヨーク・ハーレムの「アポロ・シアター」で開催したことも話題を集めた。ブルーノート東京には2014年以来、ほぼ毎年登場。公演では数多くのヒット曲に加え、リズム&ブルースやジャズの古典的名曲、注目している気鋭の洋楽ミュージシャン(サム・スミスやファレル・ウィリアムス等)のナンバーを、軽妙なMCと共に楽しませてきた。今年のステージも、この二日間のために特別に用意された、他では決して味わうことのできないプログラムになるはずだ。和田アキ子のブルーノート東京公演は、バンド・メンバーにもジャズやポップス畑の凄腕が集まっている。配信では、卓越したカメラ・ワークにより、ライヴでは見ることの難しい楽器奏者の指先のアップ、ミュージシャン間の親密なアイコンタクトなども確認できること間違いなし。当然のことながら、歌手だけでライブは成立しない。バンドが一丸となり、最高のバックグラウンドを提供することによって、歌い手はいっそう伸び伸びと、エキサイティングなパフォーマンスを繰り広げてゆくのだ。歌手とバンドがケミストリーを与えあう、まさにその過程を、このプレミアム・ショウは余すところなく伝えることだろう。ジャパニーズR&B~ソウル・ミュージック・アーティストの先駆者として、数多くの後進からリスペクトを受ける和田アキ子。魂(ソウル)を震わせるエンターテイナーの最新ステージを、ハイクオリティなライブ・ビューイングで満喫したい。また、これを読んでいるあなたのご両親が和田アキ子のファンでありつつも、インターネットと無縁であるのなら、ぜひあなたがお持ちのシステムの前に招いて、一緒に現在の充実した歌唱を味わってはいかがだろうか。デビューから53年目に突入、ワン&オンリーの歌声には磨きがかかるばかりだ。【公演情報】ライブ配信:12月9日(水)19:00開場/19:30開演見逃し配信:12月9日(水)21:00~12月12日(土)23:59オンラインライブ視聴券 3,300円チケットぴあにて視聴券発売中!
2020年12月04日品川駅からほど近い「グランドプリンスホテル新高輪 大宴会場 飛天」で、今年も華やかなアーティストたちによるクリスマスディナーショー を開催。今年でデビュー40周年を迎える松田聖子のディナーショーは、グランドプリンスホテル新高輪のみで行われる。その他にも、セクシーヴォイスを心行くまで堪能できる石井竜也、今年YouTubeで話題をさらった冬の女王と称される広瀬香美、数々の名曲でクリスマスシーズンを飾る稲垣潤一、と豪華なラインナップ。新型コロナウイルス感染予防策としてプリンスホテルで独自に策定した「プリンスセーフティコミットメント」を導入し、来場者の安全・安心を第一に開催する。食事の会場とショーの会場は、感染防止の観点から別々に用意。ソーシャルディスタンスを保った会場で、安心してクリスマスディナーショーを楽しめるように準備されている。現在、チケット発売中。<クリスマスディナーショー 概要>■松田聖子2020/12/15(火) ~ 12/19(土)※12/17(木)は除く■石井竜也2020/12/20(日)■広瀬香美2020/12/21(月)■稲垣潤一2020/12/22(火)会場: グランドプリンスホテル新高輪
2020年12月03日男女の混声コーラスグループ「フォレスタ」が2020年12月10日(木)、Bunkamuraオーチャードホールでコンサートを開く。ニューアルバム『フォレスタ珠玉の名曲集vol.1~あなたといるとき~』に収録されている曲を中心に披露する予定だ。BS日テレ『BS日本・こころの歌』(毎週月曜夜7時から放映中)の出演などで知られるフォレスタ。男性5人、女性6人からなるコーラスグループで、メンバー全員が音大出身だ。これまで毎週のようにコンサートを行なってきたフォレスタだが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今年はコンサートが中止にせざるを得なかった。そのため今回のコンサートに懸ける思いは強く、メンバーの澤田薫は「3月から約半年間、皆様の前で歌う機会が全然なかった。全力で歌って皆様に楽しんでほしい」と意気込む。吉田明未は「初めてオーチャードのステージに立たせていただいた時のことをよく覚えている。また再びその場に立たせてもらえる喜びと、コンサートを通じてお客様とコミュニケーションがとれる嬉しさを感じながら、1曲1曲大切に歌いたい」。小笠原優子も「オーチャード公演は、フォレスタにとって、まさに毎年1年の締めくくる位置づけの公演だった。今年は誰しもが味わったことない経験をして、大変な1年だったし、これからどうなるかも分からないけれど、ウキウキしたり、ワクワクしたりするような気持ちをなくしたくない」と語っていた。本公演は、11月4日にリリースされたニューアルバム『フォレスタ珠玉の名曲集vol.1~あなたといるとき~』に収録されている曲を中心に披露。『浜辺の歌』や『紅葉』といった叙情歌、『イヨマンテの夜』や『琵琶湖周航の歌』、『高原列車は行く』といった歌謡曲、恒例のカンツォーネメドレーなどを歌うという。大野隆は「僕たちのコンサートではあらゆるジャンルをやっているので、老若男女、幅広い世代の方に楽しんでいただけると思う。どの世代の人にも刺さる曲が必ずあると思うので、ぜひ皆様の心の歌を見つけに来ていただけたら」と話した。公演は12月10日(木)14時開演、東京・Bunkamura オーチャードホールにて。チケットは全席指定7000円。本公演はPIA LIVE STREAMによる配信(視聴券3500円)も実施。配信は12月16日(水)23:59までアーカイブ視聴が可能となる。いずれもチケットは発売中。取材・文:五月女菜穂
2020年12月03日