SOLOがお届けする新着記事一覧 (6/14)
ピクニックランチが華やぐ、春色弁当レシピby 太田みお好みのかたさに茹でて、八方だし(だし汁8:薄口醤油1:みりん1)にしばらく浸けて味をしみ込ませる。盛りつけるときに、花の中央に黒ごまを乗せると可愛い。以上、見た目華やかで、春らしいお弁当の出来上がり。一瞬で終わってしまう、うららかな春を、めいっぱい楽しんでくださいね!Text/太田みお次回記事<キャベツの甘さを活かすなら断然パスタ!「春キャベツとあさりのパスタ」>もチェック!今が旬の春キャベツを美味しく食べましょう!
2017年04月05日第11回:存在感がなくても「楽しみではあるのですが、うまくやっていけるか、心配です。」今回の読者投稿は4月から新社会人になる方から。なんかもう見ただけで若さや眩しさを浴びてしまうのは私だけではないはず。そんな不安を和らげられるか分からないけど、私の新社会人エピソードといえば「iPhoneの目覚まし」だ。数年前、新社会人として某社に就職した私は、本社で研修を受けていた。近くのホテルの各大部屋に約6人ずつ同期が割り振られ、4泊をそこで過ごす。もちろん研修が主なので、そこまで私語はできない。というか、そうでなくても私はあまり人と話すほうではなく、人との距離を図るまでの気まずさは、居心地の良いものではなかった。が、そういう気まずさは思いもしなかったきっかけで崩れる。1泊した朝。おそらく控えめに設定したであろう各々の携帯が鳴る中、私のiPhoneが鳴った。iPhoneをお持ちの方は目覚ましのサウンドでクラシックの中の「アラーム」を選択して聞いてほしい。そのけたたましいアラーム音が最大で鳴ったのだ。もはや警告音。「研修では存在感のなかったあの人がここにきて存在感を」というギャップと、「朝だし眠いし周りからどう思われようと知ったことか」という私の間違った“旅の恥はかき捨て”状態に同期は失笑せざるを得なかったようだ。2泊目以降は「その音なにさ〜」「そりゃ起きるわ〜」「あはは〜(私アラーム止めない)」みたいなやりとりが続いたが、思えば一番最初に「それうるさいって笑」と言ってきた同期は、その後同期の中で一番飲みに行った人だった。無理に存在感を出そうとしなくても、意外なところから出たものがその後の関係にちゃんと作用してくれる。今回は、一見存在感のないものがけたたましいものを放つ様子を描いた。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<決めなきゃいけない。「モラトリアムの終焉」は秒速でくる>もチェック!「モラトリアム」がテーマの爪です。
2017年04月03日忙しい日常の隙間にふと出来た自分だけの時間、誰かと約束をしておしゃべりをする時間、初めてお会いする方と仕事に関する打合せの時間。それぞれ色々な場面で純喫茶を利用することがあると思います。そんな時、飲み物の他に何か注文しますか?苦い珈琲に合う濃厚なチョコレートケーキ、爽やかな紅茶と頂きたいふんわりしたチーズケーキ、空腹であったならサンドイッチも…。思わず笑みがこぼれてしまう可愛い純喫茶今回は、思わず笑顔がこぼれてしまうメニューのある店を紹介したいと思います。JR中央線・総武線の御茶ノ水駅“聖橋口改札”を出て、明大通りを神保町方面に向かって坂を下ります。神田駿河台下交差点に差し掛かる少し手前、有名なカレー屋「エチオピア」や学生さんご用達の洋食屋が並ぶ通りの二階にその純喫茶が現れます。右手側上方向に見える鳥のイラストが可愛らしい看板が目印。横にある細くて急な階段が入口です。壁に描かれた不思議な絵や、「不思議の国のアリス」を思わせる陶器の人形たちに気を取られて転んでしまわないよう、足元にはお気をつけて。このお店だけで出会えるかわいい動物たち扉を開けると濃い茶色の家具で統一されたシックな空間が広がります。壁一面の大きな棚には色とりどりのコーヒーカップがずらり。カウンター席に座ると、自分好みのカップを選べるそう。店内の至るところにも陶器で作られた素敵なオブジェが飾られ、珈琲を待っている間もつい気になって周辺をきょろきょろ。そして、こちらで是非注文して頂きたいのは、自家製のシュークリーム、もしくはシフォンケーキ。他にもケーキのメニューはいくつかありますが、なぜこの2つをお薦めするかというと、この店のためだけに作られたという、他にはない特製の可愛らしいお皿に盛り付けられるから。リスやうさぎ、猫などの可愛らしい小動物たちが、まるでケーキを眺めるようなポーズでお皿の上に立っているのです。中には意外な動物もありますが、何種類かあるどれが運ばれてくるかを想像して待っているのも楽しく、何度見ても思わず「かわいい!」と声が出てしまう一品です。ついお皿にばかり気を取られてしまいますが、きちんと美味しいケーキたち。チーズ入りの濃厚なカスタードクリームは絶品で、いくつでも食べられてしまいそうなシュークリーム。時間によっては焼き立てが食べられることも。1人の時や誰かと一緒の時はもちろん、初めてお会いする方が甘いものをお好きならば、「ケーキを食べながら話しませんか?」とお誘いするのはいかがでしょう?マスターの淹れてくれる美味しい珈琲とママの作る絶品シュークリームやシフォンケーキはもちろん、運ばれてきたかわいい動物たちが緊張した雰囲気を一気にやわらげてくれるのではないでしょうか。Text/難波里奈前回記事<仕事帰りにひとり純喫茶リレー!「4/13喫茶店の日」を楽しむための最高の5軒>もチェック!会社帰りにほっと一息つける純喫茶ばかりです。
2017年03月31日男と女ってほんと違う生き物男と女ってほんと違う生き物かよってくらい、考え方が違いますよね。 たいていの「少女マンガに登場する男子はかなり繊細で女っぽいので、ファンタジーの生き物ですが、最近は割と「男子の生態」みたいな作品も増えてきましたね。その中でもダントツ面白いのが『僕と君の大切な話』です。『僕と君の大切な話』(ろびこ/講談社)1巻2年4組の東司朗くんと2組の相沢のぞみちゃんが、駅のホームでいろいろ語らうってだけの物語(2巻になると舞台は学校へ移動しますが)。で、1巻中ずーっと男女の考え方の違いについて述べ合ってます。その内容は、異性と付き合ったことのある人なら、誰もが「うんうん」とふかーくうなずくことでしょう。話はいきなり野菜になりますが、山芋を見るたびに、男の人のスネっぽいなあと思います。毛穴っぽいとこからもじゃもじゃしたむだ毛が生えてるし、肌色で無骨な感じがするし。あのガサガサした障り心地といい……。相沢さんは、靴下とズボンの間、5cmほどの隙間から見えた東くんのスネ毛に驚いて、しばらく口がきけなくなります。「東くんの男らしい下半身を見て私、ちょっとびっくりしたっていうか、なんか どん引きしたっていうか……」だそうです。ものすごいいかがわしい言い方だけど、わかる、わかります!!シュッと下あごのラインとか、腕の筋とか、骨張った手の甲とか、背中の筋肉とかは、男性の「かっこいいパーツ」ですよね。女にはない逞しさに加えて、繊細さを感じてキュンってします。ところがこのスネ毛ですよ。スネ毛って、めちゃくちゃ男っぽくないですか。繊細さも感じないし、あの毛深い感じが動物的だし。さすがに大人なんでどん引きはしないけど「わっ男の人だ!」って思います。かといって、無毛のつるんぴかんとしたスネも、ちょっと違うんですよね。あってもイヤだ、なくてもイヤだのたいへん微妙なパーツと言えそうです。どこかでスネ男子コンテストとかやってくれないかな。そうしたら理想のスネが見つかるかもしれないのに。さて話はスネ毛から離れますが、そうこうしているうちに、2人は東くんの友人、カフェインくん(コーヒ―屋の息子)の恋の相談を受けることになります。この返答が、男女できっちり別れていて面白い。男女でハッキリ異なる、恋愛のスタンス手作りの差し入れを持ってきてくれた彼女がカワイイというカフェインくんに、東「だいたい手作りなんて自己主張の激しい女のやりそうなことだ!」相沢「いいえ! 純粋な好意からだと思うわ!」友達の誰々とどこ行ったとか何して遊んだとか、あれ返信しなかったのがマズかったのかな…と不安になるカフェインくんに、相沢「それはカフェインくんが悪いわね。『よかったね』とか『どうだった?』とか答えてあげなきゃ」東「そんな会話に一体なんの意味があるんだ」相沢「あなたの愛を確かめているのです。愛があれば即答出来て当然です」東「無理難題すぎるだろ 男はエスパーか何かか!?」さて、みなさんはどちらの意見に共感しますでしょうか。『深夜のダメ恋図鑑』は、クソ男を容赦なくぶちのめして笑いたおす名作だけど、『僕と君の大切な話』は、特に悪者がいないので、どちらに肩入れすることなく楽しめます。テンポもよくて笑えますよ。これ、カップルで読んであれこれ意見を言い合うのも楽しそうだけど、おひとりさまで読むのもオススメです。過去の失敗の振り返りや、これから訪れるかもしれない新しい経験の際に役に立つかも。それよりも、マンガって最高の娯楽ですよね。深くうなずいて、ゲラゲラ笑って。おひとりタイムを元気よく過ごしましょう。ちなみに、作者のろびこさん、絵がめちゃくちゃかわいいです。東くんはサラ髪にメガネで、いつも本を読んでる読書家です。めっっちゃタイプです。サラ髪メガネ男子って少女漫画的人気キャラですよね。その上、個人的に本をいっぱい読む男性が大好きなので、もう東くん最高です。こうなると、彼の多少不器用なところも許せるっていうか……。いやー、ほんとに良質な少女マンガってホントストレス解消かつ癒やしです。Text/和久井香菜子前回記事<「自分に自信のある人はいない」『昭和元禄落語心中』 が心に響く名作である理由>もチェック!登場人物はみな、辛い。けど、一人ひとりが丁寧に描かれている名作です。
2017年03月29日「独身女性のロールモデル」について考えてみた昨年大ヒットしたドラマ、海野つなみさん原作の『逃げるが恥だが役に立つ』。私はあいにくドラマは見ていなかったんですが、原作となったマンガを読むことで、なんとか流行についていこうと悪あがきしました。こちらの作品、偽装夫婦となった主人公たちの物語も興味深いですが、SOLO的に注目したいのはやはり高齢処女で独身の、ドラマでは石田ゆり子が演じていた“百合ちゃん”だったのではないでしょうか。私が百合ちゃんの姿でいちばん印象に残ったのは、コミックス第8巻で年下の友人・風見さんに、「年をとって一人なのが怖いっていう人に、あの人がいるじゃないかって安心するような存在になれたらなって」と語るシーンでした。百合ちゃんは独身で子どももいないけど、バリバリ仕事をして一人で楽しく暮らしています。だから、結婚して子どもがいないと不幸なのではないかと悩む若い女性たちの救いになってあげたい。おお、なんだかこのままSOLOで連載を持っていただきたいですね。この百合ちゃんと風見さんのやり取りを読んで、私は「独身女性のロールモデル」についてちょっと考えてしまったんです。「尊敬できる憧れの女性」という枠みなさんは、自分より年上の40~50代の女性たちの中に、「将来こんなふうになれたら素敵だな」と思う女性はいるでしょうか。私は正直なところ、いません。それは、今を生きる40~50代の女性に魅力的な人がいないというわけではなくて、たぶん無意識のうちに、「お手本」を探さないようにしているんだと思います。「将来こんなふうになれたら素敵だな」と私が思う人は、なぜかいつも男性です。女性をお手本にしてしまうと距離が近すぎて、その人と自分の差異が一向に埋まらないことに焦って、落ち込んでしまいそうなんです。男性相手だと、差異が埋まらなくても、「まあ性別ちがうしな」と気にせずにいられる。……と書くと私がダメな奴みたいですが、女性に憧れを抱く女性ってやっぱりとても真面目なんだと思います。年上の女性が相手だと、彼女の考えで「それはちょっとちがうのでは?」と違和感を覚えても、私は言葉をぐっと飲み込んでしまいます。自分の考えのほうが間違っているのかな、ということにしてしまう。日常生活レベルではそれも大人の処世術の一つかもしれないけれど、人生レベルでそれが起こることを、私は避けているんだと思います。一方、憧れの人とはいえ相手が男性だと心理的な距離があるので、「いや、それはアンタの頭がおかしいだけでしょうよ」と突っぱねることができて、私にとってはラクなんです。だから年上の女性に憧れることはやめて男性にしましょう……って話では全然ないんですが(そもそも誰かに憧れる気持ちってコントロールできるものじゃないですから)、たとえ年上の、それも憧れの女性が相手でも、「この人の言ってることおかしくない?」という目線は常に持っていていいと私は思います。憧れの女性とはいえ、その人だって人間なのだから、弱い部分も間違っている部分も、自分とは合わない部分もあります。年齢を重ねた自分のイメージを一歩先に進んで作ってくれる女性がもたらしてくれる安心感や救済の言葉は、とてもありがたい。だけど、この人生を生きるのはやっぱりどうしたって自分です。他人のお手本になんかならなくてもいい翻って、冒頭の『逃げ恥』百合ちゃんの話です。自分が先導となって若い女の子たちを救ってあげられたらいいという百合ちゃんに対して、思わず「そんなこと言わないで」と言ってしまった風見さん。後日、「他人のお手本になんかならなくてもいいって思ったんですよ。だめだったり、恥ずかしいことしちゃっても、他人にあきれられてもいいじゃないですか」と百合ちゃんに伝えます。自分の生き方が、誰かの救いになったとしたら嬉しいです。だけどそれは結果論であるべきで、「誰かのお手本にならなきゃ」「なりたい」と思って、自分を枠の中に押し込めようとしてしまったら本末転倒です。だから、風見さんのこのセリフを持ってきた『逃げ恥』の展開は個人的にすごく好きだな、と私は思ったのでした。ちなみに私の憧れの人は、29歳でミャンマーのアヘン密造地帯に潜入し、地元の人と7カ月かけてケシ栽培をやったという探検家です。人生に対する考え方がとても素敵だなと思い真面目に憧れているのですが、どこからどう見ても真似できないので、これはこれで間違っている気が、しなくもありません。Text/ チェコ好き
2017年03月27日くさい! けど、うまーーーーーい!春を感じる食べものといえば、たけのこ、菜の花、あさり……。たしかにそれらも、ものすごーく春です。でも! 私が毎年しつこく「春の食材」と言い続けているのが、みなさんよくご存じの「ニラ」!一年中ある食材ですが、実は春のニラはひと味ちがう。去年も同じことを言っていましたが、今年ももうひと押し言わせてくださいー!(誰にも頼まれていないのですが啓蒙活動に余念がない…)いろんな野菜が甘くやわらかくなる春ですが、ニラも同様で、葉はやわらかく香りもマイルドな雰囲気に。この時期こそ、ぜひ「生で」食べてほしいのです。去年は「豆腐にかけて」とお伝えしていましたが、今年はぜひ「羊のしゃぶしゃぶとみそ味であえる」のをおすすめしたい。どうですか、好きな人にはもうたまらないこの組み合わせ…レストランで見たら、秒殺で頼まずにいられないやつですよ(はあはあ)。くさい(生ニラも羊も)! けど、うまーーーーーい!最近はスーパーでも「羊の冷凍ロール肉」を売っているので、ぜひその安い羊でお試しくださいませ。「しゃぶしゃぶ羊のニラみそあえ」<材料(1人分)>ラム肉(冷凍ロール肉) 160gにら 1把[みそだれ]にんにくのすりおろし 少々みそ 大さじ1酢 大さじ2卵黄(お好みで仕上げにのせる)1個※豆板醤なんかも入れるとうまい!<つくり方>1. にらを刻むにらを丸ごと1把、ひたすら刻みます。調味料を加えると縮むので、臆さず1把でぜひ!2. たれを混ぜてあえるボウルにみそだれの材料を混ぜ、にらを加えてよく混ぜる。鍋に湯を沸かし、羊肉を2~3枚ずつ入れて色が変わったら、水気を切り、ボウルに加えてあえる。できあがり!さあ、今夜も呑みましょう!Text/ツレヅレハナコ前回記事<じゃがいもひとつですぐ完成!中国の定番で今夜も呑もう「シャキシャキじゃがいも炒め」>もチェック!じゃがいもをせん切りにして炒めるだけの、中国伝統の家庭料理を伝授します。
2017年03月24日花粉症は食で症状を緩和しよう!by 太田みお3. 小さなスプーンで2. をすくいながら、大葉の上に乗せて包み、ごま油をひいたフライパンに並べ、弱火で蓋をして約5分焼く。4. ポン酢をかけて召し上がれ。みそ汁には、長ネギの白い部分をたっぷり入れましょう。他にもお好きなお野菜をたっぷり入れて栄養アップ。あとは、納豆、そしてデザートにバナナヨーグルト。緑茶も一緒にいただくとさらに効果アップ。見た目は地味ですが、この最強ごはんでムズムズ季節を乗り切りましょう!Text/太田みお
2017年03月22日第10回:モラトリアムの終焉今回の読者投稿は大学院生の男性から。「未来の自分が何をして働くか、誰といっしょにいるのか考えないようにしつつ、モラトリアムに甘えた今が楽しくてだらだらしてしまう」とのこと。モラトリアム期のだらだらは、何らかの形で自分に返ってくる。…と書くと、悪い意味に聞こえるかもしれないが、良い意味でもそう思っている。映画「モテキ」で真木よう子の「もっと自由にとか、もっと自分の思いのままにとか、そういうのは限られた人間にだけ許されてんの。お前は違うの。だから黙って働け、バカ」というセリフがあって、私はこのセリフが大好きだ。つべこべ言わずに目の前のことをちゃんとやれ、と喝を入れられているような気がする。特に努力もせず怠惰に過ごして、人のせいにしたり過去にしがみついたりする人に対する、喝。そして主人公はその喝や現実を受け入れ、苦悩を乗り越える場面に続く。今回の院生の方は「考えないようにしつつ」とあったが、意外と考えている暇はなくて、学生時代は秒速で終わり、決めなきゃいけない時は来る。モラトリアムを過ごしてきた人に対して、この喝はスカッとする。背中を押される。今回はそんな、モラトリアムが終焉する速さを描いた。余談だが、今回の読者投稿の冒頭に「周りに引かれない程度のメンズネイルってできますか」とあった。つめをぬるひとは男性用の爪デザインもあって、4月20日(木)の爪塗り企画(@千葉 空の家)は男女共に参加可能。予約制なので是非。詳細はホームページにて(がっつり宣伝させて頂きました)。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。
2017年03月20日皆さんは47都道府県のうち、どちらの土地に行かれたことがありますか? 私は現在までに34都道府県を訪れていました。逆を言えば、13県はまだ訪れたことがないので今後の楽しみとしています。昨年の秋頃にたてた「2017年は和歌山、鳥取、鹿児島へ必ず行こう」という目標も思いのほか早く叶い、12月には和歌山へ訪問してきました。とはいえ、一度訪れただけではまだまだ分からない魅力を探りたいので、再訪したいと考えています。そんな調子で、2017年は1月に大阪、2月には熱海と広島、と順調に旅ができて嬉しく思っていたところ、さらに福井新聞社の方から素敵なお誘いを頂き、先日初めて福井を訪れてきました。大変申し訳ないのですが、今まで「福井へ行こう」と積極的に思ったことがなく、なんとなく勝手なイメージで電車の乗継ぎが大変で時間がかかりそう、と思っていたことも原因かもしれません。しかし、「福井」と「純喫茶」を同時に耳にした時、以前写真で見た衝撃的な内装の店が脳裏に浮かびました。その店の名前は『王朝喫茶 寛山』。壁の一面を光らせる大きくて美しいステンドグラスのある純喫茶です。…が、今回はその前日に思いがけず出会えた『マロン三世』という純喫茶についてお話します。思わず色々注文したくなってしまう純喫茶東京駅から新幹線で米原駅へ、そこから特急しらさぎに乗り換えて目指すは福井駅。のはずでしたが、急遽“めがねのまち”として有名な鯖江駅で途中下車をしました。急がない旅であれば、思いついたままに行動するのはとても楽しいことです。駅から歩くこと10分程でしょうか。車道に面した一軒家が現れ、『マロン三世』と書かれた大きな看板を見つけました。建物に近付き入口周辺を観察していると、窓の向こう側にいらっしゃる方と視線が合い、にっこりと笑いかけて下さいました。店内はカウンター席とテーブル席に分かれ、ゆったりとした配置です。テーブル席のソファは腰掛けると深く沈み、もうこのまま立ち上がりたくないと思ってしまうほどの座り心地の良さ。メニューを一通り眺めていると、とても笑顔の素敵なやさしそうなママが注文を取りに来て下さいました。まずは、クリームソーダとフルーツワッフルを注文。楽しそうに談笑する、窓際の高齢男性たちのやり取りを微笑ましく眺めていた時に運ばれてきたクリームソーダを目にして、思わず声を上げてしまいました。一般的な緑色を想像していましたが、こちらでは青色だったのです。窓から差し込む夕暮れ時の光がグラスに反射して、泡もキラキラと弾けている様子に感動。ワッフルも瑞々しい果物がふんだんに乗せられ、思わず笑顔に。この日は朝からほとんど何も口にしていなかったこともあり、ナポリタンとアマランサスコーヒーも追加注文。「驚異の穀物」と呼ばれるアマランサスの粉が入った珈琲は、飲み進めていくと底の方にとろみがあり、初めての食感でした。ナポリタンはなんと下に卵焼きが敷かれた鉄板タイプ。注文した全てのメニューに想像を裏切る嬉しい驚きがあったのでした。すっかりこの店のファンになってしまい、今度福井に来るときはこちらへ寄ることが大きな目的になるだろう、と思ったのでした。Text/難波里奈
2017年03月17日せん切りにして、炒める…以上!どこの家の台所にもひとつは転がっている、じゃがいも。実は調理法によって、ガラリと表情を変える演技派な野菜です。ゆでれば「ホクホク」。つぶせば「ねっとり」。油で揚げれば「カリカリ」。すりおろして焼けば「もっちり」。どこでも買えるし、安いし、常温保存も効くし……好きだ! じゃがいも!!もちろん、おつまみにもぴったりのヘビロテ食材。私の晩酌にもよく登場しますが、「今日は、あんまりホクホクねっちりしたくないんだよな~」というときに、よくつくるのが「シャキシャキ」炒めです。調理法は、「せん切りにして、炒める」……以上!中国では伝統的に食べられているシンプルな炒めものですが、超簡単なのに、シャキシャキさっぱりうまーい!じゃがいもひとつあれば、できたも同然なのもうれしいですよね。ただし、シャキシャキにするには守らねばならないポイントが2つ。ひとつめは「炒める前に水にさらすこと」こと。ふたつめは「炒め始めたら、すぐに酢を加える」こと。(酢は加熱すると酸味が飛ぶので、さっぱりした風味だけが残ります)どちらも、じゃがいもに含まれるでんぷん質の働きを抑えることが目的。これをやらないと、「べたべたした謎の白い炒めもの」ができあがるのでご注意を~!ちなみに、でんぷん質を最大限に活用する真逆のメニューは、以前ご紹介した「じゃがいものガレット」。フランスの定番メニューですが、こちらは水にさらすのは厳禁!でんぷんの力でいも同士をくっつけて、ホクホクカリカリに仕上げてくれますよ。こちらも併せてお試しを!「シャキシャキじゃがいも炒め」中国の定番炒めもの。にんにくを加えたり、ごま油で炒めたりすると更に風味がアップ。ボリュームを出したいなら、豚こま切れ肉やひき肉などを一緒に炒めてもOK!<材料(1人分)>じゃがいも 2個輪切り唐辛子 1本分酢 大さじ1塩 小さじ1/4サラダ油 大さじ1<つくり方>1.じゃがいもは皮をむき、せん切りにする。ボウルに水をためてじゃがいもを入れ、5分ほどさらして水けをきる。2.フライパンにサラダ油、唐辛子を入れて中火で熱し、じゃがいもを加える。ざっと炒めて油が全体にまわったら、酢を加えて全体になじませる。2~3分炒めたら塩を加え、器に盛る。Text/ツレヅレハナコ
2017年03月16日ふらりと訪れた先での爆発的にステキな経験混雑した観光地でおひとり客が重宝されないなら、静かな街がいいですね。おひとり旅のオススメ先は、「オフシーズン」「非観光地」です。要は客(ライバル)のいないところに行きましょうということ。おひとり旅の場合、ツアーに参加すると追加料金が発生するなどして割高なので、基本的に個人で手配します。行き先を決めるのに便利なのはLCC。LCCは、成田を参考にすると、札幌や沖縄といった一大観光地のほか、四国や九州の各都市にも飛んでいます。こういうところへ行き先は選ばずに、安いチケットをポンっと買ってしまうんです。それから、どこへ行くかを考えます。そんなこんなで福岡に飛び、ふらりと立ち寄った対馬で、爆発的にステキな経験をしました。3日ほど宿坊に滞在する予定で、対馬の港町にいました。夜、なんとなく外装の気に入った店に入って、食事をしようとしたんです。せっかく離島に来たのだから、なにか島っぽいものが食べたいじゃないですか。だけどその店のメニューは、おでんやらカレーやらで大陸感満載でした。……これは、あんまり心惹かれない……かといって今さら出ていくのも申し訳ない。「あの……、なにか島っぽいものが食べたいです」ない、と言われたら出ていこうと思いました。そしたら、いろいろ提案してくれたんです。「こんなのはどうですか?」「うーん、それは島っぽいんですか?」「島っぽくはないですね……じゃあ、アコヤ貝は?」アコヤ貝って食べられるんですね! うっかり中に真珠が入ってないかしら。そんなこんなで、たいへんホスピタリティの高い特別メニューをいただいていたら、お店のお客さんに声をかけられました。おひとり旅では、現地の方とのこうした出会いも魅力です。どこから来たの、なにしに来たのという自己紹介的な質問に答えているうちに、「明日はなにをする予定なの?」と聞かれました。実はレンタカーを予約するつもりだったんですが、うかうかしているうちに最安値の車がなくなっちゃったので、「なら借りないもん!」と思い、島内はバスで観光するつもりだったんです。そうしたら、「バスだと本数少ないから大したところに行けないよ」と言われました。たしかに、行こうと思っていた、海の中に鳥居がある「和多都美神社」へは、バスだとたいそう時間がかかりそうでした。まー仕方ないよね~、レンタカー借りるには予算オーバーなんですよ~と言ったら、とんでもない提案がありました。おひとり旅が結んだ有難い縁「うちに使ってない車があるから、それに乗るといいよ」……はい?今、なんて……?あなたと私は、今さっきこの店で会ったばかりで、名前も教えたかどうだか覚えてないような仲ですよ。店に来てメニューにないものを頼むようなワガママな客ですよ。まして、和久井の運転スキルがどうなのか、ぜんぜん未知数ですよね……!いいんですかそんなこと言って!!「駐車場に置いてあるから。キーはバンパーの裏に隠してあるから、それで開けて」いちおう日本人らしく一度は辞退してみました、が、たいへんたいへん有難いお申し出だったので、素直にお受けしました。和久井はマイカーマニュアルの、たいそうな運転好きなので技術は心配ありません。翌日、指定の駐車場に行き、教わったナンバーの車を発見。バンパーの裏からキーを取り出し、車に乗り込みました。気分はもう車泥棒です。これで間違った車に乗ってたら、間違いなく捕まります。念のため、キーと車を写メして「お借りします」とメールしました。おかげで、和多都美神社だけでなく、絶滅の危機にある対州馬のいる「あそうベイパーク」や、日露戦争時代の遺産である要塞、温泉など、バスではとうてい行けなかった場所をいくつも楽しめました。とはいえ、保険がどうなってるかわからないので、運転はけっこう用心しましたが。おひとり旅の最中には、こんなドラマみたいなラッキーに出会うこともあります。車を貸して下さった方は、こう言っていました。「対馬でいい思いをして帰って欲しい」この一言で、車をお借りしようと心が決まりました。もうなるようになれ、存分に対馬を満喫して、この体験を口伝するんだ。どこかにこの体験を書こうと思ってたんですが、ようやく公開できてよかった。実際に現地に行くまで、対馬が鉄砲伝来の島だと思っていたことは、少々ヒミツです。Text/和久井香菜子
2017年03月15日この年齢でこの自分、どうなの?by jim jackson昨年の話です。某化粧品ブランドのCMの中にあった「25歳からは女の子じゃない」というメッセージが批判を浴び、CMの放送自体が中止になったことがありましたよね。一昔前だったら抗議の声すら上がらなかった(もしくは上がっても無視されていた)はずなので、女性の年齢に対する世間の反応は、徐々に変わってきているんだなあと思います。とはいえ、やはり「25歳」あるいは「30歳」という年齢は、女性の中である種の分水嶺のように考えられています。さらに、書店に行けば、「20代でやっておくべき◯個のこと」みたいなタイトルの本が平積みされているし、インターネットを見れば、「アラサーでこれをやったらイタイ」なんて書いてある記事がたくさんあります。世の中は、「この年齢でこの自分、どうなの?」とこちらを不安にさせる材料に事欠きません。加齢によって失ったもの、一個もなかった!このコラムを読んでいる人の中で、年齢を重ねることに対して不安を感じている女性がいたら、参考になるかどうかはわからないけど私自身の経験を少し書いてみます。まず率直に、見た目に関してですが、一般的には20代後半から30代、40代と年齢が上がっていくにつれて、容姿は衰えていくということになっています。肌は乾燥するようになるし、髪の毛は徐々にやせ細っていくし、匿名掲示板などでは年齢を重ねた女優やモデルを指して「劣化」なんて言ってみせる人だっています。だけどこれらの現象って、本当に「劣化」なのでしょうか。私の恥ずかしい容姿遍歴を晒すと、自分はもともと顔の肌質がオイリーに傾きやすいタイプで、20代前半なんて油田に胴が生えて歩いてるような有様だった気がします。おまけに、もとが剛毛でぶっとく、クセ毛という悲しい髪質。20代前半の頃の写真を自分で見返すとわりと「うわっ」と思います(そしてその直後に捨てる)。それがどうでしょう。25歳を過ぎた頃から徐々に顔の脂が落ち着き、ポーチの中から脂取り紙が消えました。髪がやせ細ってくれたおかげで、クセ毛は相変わらずだけど、剛毛が落ち着いて朝の時間がだいぶラクになりました。私にとっては加齢って、今のとこいいことずくめの大ハッピーです。人間関係も、私は妙に落ち着きのある性格だったせいか中学生の頃すでに女子大生に間違われていたくらいで、20代前半の頃は「若い女の子」という身の丈に合わないスーツを着せられているようですごく窮屈でした。だけど30歳が近付くにつれて、ようやくスーツのサイズが私の中身に合ってきたような気がして、なんだかとても過ごしやすくなったんです。「それはただあなたが昔から老けててカワイソウな奴だったからだけでは……?」と思われるかもしれませんが、すべての女性にとって加齢がマイナスなわけではありません。声を上げる人が少ないから目立たないけど、年齢を重ねることで逆にいい思いをしている女の人って、意外といっぱいいるんじゃないかなーと私は思います。人生論の99%は言ってる人のエゴだから年上の人の声って参考になる部分も確かにあるんだけど、99%は自分の成功体験を語っているだけです。「20代でやっておくべき◯個のこと」って、ちゃんと言い換えると「著者の私が(当時は特に意識してなかったけど)20代でやっておいて良かったなと今になって思うこと」だし、「アラサーでこれをやったらイタイ」みたいな話だって、その人のキャラによってはむしろアラサーでそれをやることこそが魅力だったりする場合もあります。はっきりいって、そこに普遍性はまったくありません。人間って一人一人、本当にバラバラです。容姿のピークですら、元オイリー剛毛の私には、よくいわれる女性の枠とはちょっとズレていた気がするし、仕事や恋愛のピークと来たらそれこそ千差万別です(それを言い出すとそもそもピークという概念自体がどうなんだと思うけど)。「◯歳だからこうしなきゃダメ」という話は、ほとんど言ってる人のエゴというか、「私はこうした」という話でしかありません。もちろん、私のこのコラムだってそうです。だからどうか、半分は聞き流すというか、あまり真面目に取りすぎて苦しくなってしまわないでくださいね。年齢に関することって、「ほー、あいつあんなこと言ってら」とナメた態度で聞くくらいでちょうどいいんじゃないかと、私はいつも思います。Text/ チェコ好き
2017年03月13日香り高い山菜を、美味しくいただきましょうby 太田みおText/太田みお前回記事<もしかして冬バテ?おひとりさまのための薬膳鍋レシピ>もチェック!冬の寒さで受けたストレスを解消できるレシピを紹介します!
2017年03月08日第9回:「やめられない」は本当に悪いことか今回の読者投稿は、KPOPアイドルが好きで月1回以上の海外遠征は当たり前という方から。体力やお金の限界が分かっているのに、やめようと思ってもやめられないという。分かっていてもやめられない。私が「分かっていてもやめられない」ことをいくつか挙げてみた。寝る前のスマホいじり。人が無意識に発してしまったダジャレに「ひゅ〜」とからかってしまうこと。電車で寝た人に隣の知らない人が寄りかかられ、肩を貸さざるをえなくなった状況を観察すること。改札の前で家の鍵を出し、家に着くなり定期を出してしまうこと。なんだかスケールが小さい。最後のやつはやめられないというか癖に近い。しかも、別にやめなくても人に迷惑がかからない。むしろ誰にも迷惑がかからないからやめられないのかもしれない(ダジャレいじりは迷惑か)。そうなると逆に今回の読者の方のように、「やめたいけどやめられない!」と強く言えることがある、ということが羨ましい。体力やお金が本当に底をついたらやめざるをえないだろうし(本当はその前にやめるべきなんだろうけど)、まだ続けていられるうちは続けても良いような気がする。そもそも、いくら厳しいとはいえ、月1回以上海外に行けてしまうそのポテンシャル。まぶしい。今回はそんな「やめられないもの」に突き進んで行くまぶしさを描いた。(こう無責任にポジティブなことを言ってしまったら余計やめられなくなってしまうだろうか)Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。
2017年03月06日寒さの中にもどこか春を感じるようになったこの頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか? もう少しすると、淡いピンク色の花びらが水色の空を舞うお花見の季節ですね。さて、お花見、といえばテレビなどの影響か、私は真っ先に京都を思い浮かべます。しかし、美しい景色には皆が集中するため、総じて賑わうもの。せっかく花見を楽しんだのなら、このまま珈琲を飲みながらのんびり過ごしたいと思っても、混雑した街中でひと息つける場所を確保するのは大変なことでしょう。そんな場合、桜の季節に限らず、年中観光客で賑わう祇園界隈で、わりと空席を見つけやすいおすすめの純喫茶を紹介します。祇園に佇む、高級感溢れる純喫茶店は四条通に面しているのに「知らなかった」という人が多いのは、眩しい天然石が並ぶ宝石店の中を抜けて、二階へ行く仕組みになっているから。そのため、祇園の真ん中という便利な立地にありながら、静かで高級感あふれる空間が保たれているのかもしれません。店内に入るとまず目に留まる、まるでシャボン玉のような透明で大きな丸い形の照明。木の板が何枚も連なった素晴らしいデザインの壁から、柔らかな明かりが照らしてくれます。そして、ゆったりとした低めのソファにひとたび腰をおろしてしまえば、その座り心地のよさになかなか離れられなくなるでしょう。もし窓の近くの席に座れたなら、祇園の街を眺めながら寛ぐのも楽しいです。メニューは定番の珈琲やアイスクリームなどの他に、京都らしく宇治抹茶を使用したプリンやパフェなども揃っています。そして、こちらのクリームソーダはブルーベリーソーダを使用した紫色の珍しいもの。実に美しい色合いで、店内のインテリア(えんじ色の絨毯、ベージュ色の椅子、茶色を基調とした壁)にすっと馴染みます。爽やかな味わいのレモンゼリーと珈琲のセットも珍しく、喉越しよくつるりと食べられるので、これからの暑くなる季節におすすめです。なんと3階に上がると、社長も「美味しい」とおすすめして下さった蕎麦屋(ぎおん石 祇園店)があるので、おなかが空いたらそのまま食事に赴くのも良いかもしれませんね。Text/難波里奈
2017年03月03日自分に自信のある人なんていない「自分に自信のある人なんていませんよ」と、お世話になっていたお姉さんに言われたことがあります。和久井が20代の頃だったかな。当時はそれが信じられなくて、「だってあの人はあんなに偉そうにしているじゃない」「この人はこんなにいい大学を出ていい企業に勤めているじゃない」なのに自信がないわけないでしょう? って。でも、今ならわかります。和久井は、端から見るととってもポジティブで自信満々に見えるみたいです。短大を卒業した後、銀座でバイトしてお金貯めて23歳で夜間の専門学校に行って、28歳で大学に入り直して、32歳でスペインにテニス留学して。なんだかすごく人生前向きに生きてる感じがするみたいです。だけど、あれこれやらざるを得なかった理由は、単純にコンプレックスです。自分に自信がなかったからです。自分を好きになれなかったから、なんとか好きになろうとしていたんです。知りあいの若い女子にそんな話をしたら「和久井さんでも迷ったり辛かったことがあるんですね」と言われました。今まで、よっぽどキラキラして見えてたらしいです。でもさ、人はそうそう自分の心の奥底で思っていることなんか、他人には言わないものですよ。気持ちがカタチで表現できないことも多いし。きっと、誰もがなにかを抱えていているのでしょう。恨み辛みを口に出して生きる人もいれば、つまらないことは口にしないという人もいる。口にしないからといって、その人に「いいこと」だけしか起きていないってわけじゃないんです。京都のお寺(どこだか忘れちゃったけど)で、門前の掲示板に「みな辛い、ただ言わぬだけ」って書いてあって、ガビーンとしました。そうか、みな辛いのか。『昭和元禄落語心中』は、すごい物語です。出だしが、刑務所から出所したばかりの若者が落語家に弟子入りを希望して押しかける、という派手な始まりなので、喜怒哀楽の激しい、わかりやすい事件やハプニングがたくさん起こるのかな、と思ってましたが、物語はひたすら淡々と語られていきます。そして、登場人物が「みな辛い」。『昭和元禄落語心中』(雲田はるこ/講談社)1巻元ヤクザでムショ帰りの与太郎、与太郎が弟子入りした昭和最後の大名人・八雲、八雲と同期だった助六、助六の娘で八雲に養女として育てられた小夏。しかし小夏は、自分の父親は八雲に殺されたと言っています。だけど花びらの舞う中泣き叫んだり、ショックを受けてカミナリが落ちたりという大仰な表現はありません。登場人物は、みんなものすごく人間くさいです。迷って、葛藤して、なんとなく目の前に現れた道を進んでいく。決して「名落語家に、おれはなる!」とか言って、まっすぐがんばって結果を出す人はいません。わかりやすく問題が解決して友情が深まることもありません。誰もがどこか足りないし、完璧じゃない自分にコンプレックスを抱いています。落ち度がなくても認めてもらえない物語は、ひとり一人の人生を丁寧に描いていきます。初めは、単に未熟な人に見えていた人物たちが、その葛藤や考えを知るうちに、どんどんと魅力的な存在に思えてきます。和久井は、八雲にもっとも感情移入してしまいます。てか好みです。細身で繊細で、同期の助六に猛烈な憧れとコンプレックスを抱いている。死ぬために生きているような後ろ向きなところがとても放っておけない感じです。ひとつ、とても印象的な設定があります。八雲は、子どもの頃に落語家の先生に弟子入りをして、順調に出世をしましたが、生まれは芸者の家でした。そこは女でなければ居場所のない世界です。しかも、足を故障したせいで踊りもできなくなり、家を出なければならなくなりました。決して前向きな理由で落語を目指したのではなかったのです。しかし落語は逆に、女の居場所がない世界です。小夏は、子どもの頃から落語に慣れ親しんでいながら、落語家になることはできません。八雲も小夏も、生まれた場所の違いから、自分の性別を肯定することができないのです。自分に落ち度がなくても、自分を認めてもらえないことがある。逆に、自分ですべてを壊してしまう人もいる。どうして人生ってこううまく行かないんだろう、などと思ってしまいます。そして、作中に産まれた赤ん坊、実はとある人の子どもかもしれない……という予測が語られます。その展開を読んだとき、ドドン! と心臓が鳴りました。こんな奇跡のような子どもがいるのかと。漫画を読み終えたとき、胸がずしんと重たくなり、頭はのろのろと動きが悪くなって、物語の中に自分が入り込んでしまうことがあります。それは間違いなく自分の人生を変えるような名作です。『昭和元禄落語心中』は、そんな物語でした。Text/和久井香菜子
2017年03月01日揚げ物ってもっと気楽に作れるよ『女ひとりの夜つまみ』(ツレヅレハナコ/幻冬舎)とにかく簡単! すぐできる!ひとり呑みの楽しみがぐっと広がる手作りつまみを紹介。一日の最後がちょこっと楽しくなるレシピとエッセイが満載です。『女ひとりの夜つまみ』(ツレヅレハナコ/幻冬舎)第1章 10分で飲みたい!第2章 最近、野菜が足りてない第3章 肉を食わせろ!第4章 魚だって食べたい第5章 果物で泡か白第6章 1回作って3回飲もう第7章 材料は少ないほどうれしい第8章 シメタンの誘惑第9章 大好きな店のアレ第10章 ホムパの神様、ありがとう!
2017年02月24日家で手軽に作れる!身体があたたまる薬膳鍋by 太田みお1.鍋に水を入れ、まず鶏の骨付き肉を20分ほど茹でる。アクがでてきたら丁寧にとる。2.●の材料をすべて鍋に加えて10分ほど煮こむ。3.野菜や豆腐も入れて10分ことこと。仕上げにごま油をまわしかける。4.★のゴマだれの材料を混ぜて、つけながら召し上がれ。まずはスープを飲んで、しみじみとした美味しさを味わってください♪身体がぽかぽかしてくる絶品薬膳鍋です。寒い冬もあと少し! このお鍋であたたまって、乗り切りましょう。働くおひとりさまにとっての毎日はめまぐるしくて、ゆっくり季節を感じる時間さえ取れないですよね。「休日のたった1時間でいいからほっとしたい…」元外資系バリキャリから一転、丁寧な生活を目指して料理研究家になった太田みおさんが、四季の彩りを簡単に楽しむ「レシピ=歳時記」をお届けします。Text/太田みお前回記事<忙しいあなたへ!45分で作れる特別バレンタインディナー>もチェック!少しだけ特別な日を誰かと楽しむためのレシピを紹介します!
2017年02月22日一人呑みの楽しみ今回の読者投稿は、一人呑みが好きだという方から。最近ドラマ「東京タラレバ娘」で「いい女はひとりで焼肉へ行く」というセリフが話題となった。私は一人カラオケや一人呑み、一人回転寿司はする。一人焼肉までもう一歩といったところか。1人で呑む時は、たいてい近所の居酒屋に行く。誰かと行くと大抵はお互いの近況か、そこに居ない誰かのことについて話すことが多い。それはそれで楽しいし、発散にもなるし、そこで分かることもあるけど、1人で呑むことの良さは、ある意味、何を考えて呑んでいても許されるところだと思う。「こんなことを人様に言ったらどんな顔をするだろうか」というようなことを考えても構わない。人に合わせたり流されたり、つい言わなくて良いことを人に言ってしまったりすることがない。「実は私、今こんなことを考えている」「むこうでこうなっていることをあっちは知らない」などといった含みのようなものを、自分の腹の中で好きに泳がせておけるのが楽しい(我ながら腹黒いこと書いているな、と思いながら筆が進んでいる)。「これは一生誰にも言わないぞ」「あれはいつかあの人に言ってみようか」など、次に誰かと会った時に自分はこうしようと脳内会議をするのも良い。また一人呑みに行こうかな。むしろ一人焼肉に挑戦してみようかな。と思ったが、今この時期に一人焼肉に行けば、高確率で「ドラマの影響」と思われるだろう…と怯んでしまった私は、まだまだおひとりさまとしてはひよっこだ。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。
2017年02月20日皆さまは、日帰り旅行をされることはありますか?宿泊するより慌ただしいのはたしかですが、思い立った時にすぐに出掛けることができ、かつ荷物が少ないので手軽なところがおすすめです。急な休みができたら、ふらりと出掛けたい場所として浮かぶのは、熱海か江の島です。熱海は一見遠いように感じますが、東京駅から新幹線に乗ってしまえば“こだま”でも片道40分ほど。窓の外を眺めたり、今日はどこへ行こうかと考えているうちにあっという間に到着してしまいます。つい先日も趣味の合う旧くからの友人と、よく晴れたあたたかな日曜日に熱海へ出掛けてきました。テーマは「日帰り逃避行」。私はいつも通りの身軽な格好でしたが、新幹線のホームで待ち合わせた友人は、レトロな柄のワンピースにトレンチコートを羽織り、大きな旅行鞄を持っていたので、なんだか長い旅に出掛けるかのようで気分も盛り上がりました。事前に作った旅のしおりを眺めながら、あれこれ話しているうちに海が見えてきて、いつもより気持ちもふわりと浮き立ちます。旅先で真っ先にするのは、近くの純喫茶でひと休みしながらその日の計画を練ること。昼食はどこで食べよう、純喫茶は何軒巡れるかしら、あのクラシックのシャンデリアの下で写真を撮ろう……。地元の人たちも入り混じった純喫茶で珈琲を飲みながら、はやる気持ちを落ち着かせます。さてこの日は、レストラン フルヤ(昼食)→ ホテル ニューアカオ(見学)→ 純喫茶 田園 → 純喫茶 くろんぼ、というコースを巡りました。訪れたいところはたくさんありますが、旅は少し名残惜しいくらいがきっとちょうど良いのでしょう。日が暮れてきて、でもまだ帰りたくない気持ちでソワソワしはじめた頃に訪れたのは、1冊目の書籍『純喫茶コレクション』からお世話になっている「くろんぼ」。特徴的なイラストに点る灯りに営業を確認してほっとし、地下への階段をするすると。重厚な石たちに囲まれた、でもどこかあたたかなイメージの店内は清潔に保たれ、カウンターにはママが活けた大きくて美しい花が。思わず目を惹かれ、花の名前を尋ねました。すると、「今日はコデマリよ。本当に花が好きでね、その時の直感で決めるの。季節によっても気分によっても欲しい色は違うでしょう?」と笑顔で教えてくれました。「少し前にもね、あなたの本を見て、遠くから来てくれた人がいたわよ。それで私のことを気に入ってくれたみたいで、またその後も来てくれたのよ。嬉しかったわぁ」と、ママは訪れる人たちのことをよく覚えていて、とても嬉しそうに話して下さいました。尽きない会話の中には、ぴりっと身の引き締まる人生論やこんな話も。「夏でも冬でもね、まず起きたら部屋の窓を全部開けるの。海が見えるから、今の季節に人が歩いていると、あぁ昨日よりあたたかいんだなって知るの」と情景がくっきりと浮かぶような、季節に寄り添った暮らしをしているママを羨ましく思いました。しかし、そんな気持ちを見透かされてしまったのか「でも観光で来るくらいがちょうどいいってこともあるかもしれないわよ。また来てね」といたずらっぽく笑うのでした。1年中ほぼ休むことなく営業し、夕食をとる時間だけ店を閉めるそう。ここを目指してくる人たちにいつまでも元気で出迎えてほしいと願い、駅までの夜道を軽い足取りで進むのでした。Text/難波里奈
2017年02月17日横柄な店員の態度で気づいたことby Unsplashおひとり旅のいいところは、誰に気兼ねすることなく、自分の好きな場所、好きな時間に行けることです。突然のスケジュール変更だって、自分さえOKならへっちゃら。だけど、おひとり旅であんまりお勧めしない、というか、和久井は「もうゼッタイ! 行かない」と思ってるところがあります。それは「インスタント観光地」です。普段は静かな町なんだけど「とあるお祭りの日だけ」とか「紅葉シーズンだけ」とか「桜の季節だけ」、評判を聞きつけた観光客がワンワン集まる場所です。日常的に観光地を担っているところならいいんです。だから、京都にはよく行きます。だけど「インスタント観光地」にはリピーター獲得という概念があんまりないようです。「とにかくこの時期に稼げるだけ稼いどけ!」って感じ。そのため、おひとり客は彼らの目に入りません。去年の秋に、紅葉を見に行ったんです。ここ10年くらいで突然人が増えた、という場所でした。川沿いの道路には土産物屋飲食店が並び、対岸には真っ赤に燃え上がる木々。それを眺めながらそぞろ歩く観光客。で、まあそこの飲食店がひどかった、という話です。店に入ったら「どうぞ」というので、店内に進んでいったら、店で偉そうにしている中年男性に「ちょっと待て!」と言われ、「あんたはこっち」と、入り口近くの席を指差されました。どうやら、対岸の紅葉がよく見える絶景をウリにしていた店だったようで、別に「いい席案内しろ」とは思いませんが、「ちょっと待て」はないんじゃないですか。どうぞと言われたから店内に進んだだけで。「さっきの言い方はないんじゃないですか」と言ったら、大声で、「この人、窓際の席じゃないのが気に入らないんだってよ!」と周りのお客さんに言いふらされました。こういう場合、こちらには仲間が誰もいないので、圧倒的に不利です。今、書きながら思い出し怒りがワンワン湧いています。誰もが行きたい場所は、誰かと一緒にたいへん誠意のないこちらの店は、食事もいわゆる「観光地値段」で、味は中の下。量も少なめ。「えっこれで1000円?」みたいな。なんだかもういろいろ納得いかなかったので、ちょっと仕返ししちゃいました。飲食店の対応に頭グラグラ沸騰させながら、今度は女性スタッフのいる、感じのよさそうな店に入りました。笑顔で店に入り、挨拶をします。そこでほがらかに世間話などしつつ和久井は、「ああ、このお店に来てよかった!」とため息をつきました。何があったのか、という顔をするスタッフの方。「さっき心底イヤな目に遭ったので、こんなところ、来なければよかったと思っていたんです」「こんなところ、来なければよかった」と言われたら、ただ事じゃないですよね。ほがらかに会話を楽しんでいたお客さんが言うのならなおさら。スタッフの方は驚いたように「どこの店ですか?」「何があったんですか?」と聞いてくれました。しめしめ。で、なるべく感情的にならないようにしながら「こういうことがあり、自分はとても不愉快になった」「店は××というところでした」と報告しました。そうしたら「観光協会にクレームを入れといた方がいいですよ」と教えてもらったので、電話をしました。客に対して横柄な店は、普段の態度も同じようで、店名を告げると、「ああ……、××さんね……」と誰もが深くうなずいていました。「なんだ、みんなに嫌われているから、ますます横柄なんだな、可愛そうに」と考えて(まあそのくらいじゃ怒りは収まりませんが)、その地を去りました。誰もが行きたい場所は、誰かと一緒に行けるチャンスが必ずあります。インスタント観光地はやたらカップルも多いし、はずれ店も多い。失敗した時にダメージの大きい場所は、仲間のいないおひとり旅にふさわしくない場所なのです。おひとり旅には、おひとり旅にふさわしい場所があるんですね。次回は、そんな話を。Text/和久井香菜子
2017年02月15日孤独な時間を楽しめますか?by Abiris「一人で生きていくために」なんていうと、妙に肩に力が入っちゃってなんかヤダ……と思う人もいるかもしれません。今は一人だけど、この先もずっと一人で生きていくと決めたわけじゃないし、とか。だけど、ものすごく端的な事実として、今一人だろうと一人じゃなかろうと、死ぬときばかりはみんな一人なんですよね。夫がいたとしても、平均寿命からすると女性のほうが長生きする確率が高いわけで、既婚の方であっても夫に先立たれた後の何年かを一人で過ごさなければならない可能性は十分にあります。子どもがいたとしても、今どきは、子供に老後の面倒を全部見てもらおうなんて考えの人は少ないはず。だから実は、「一人で生きていく」力を養わなくてもいい人なんていないんです。さて、では一人で生きていくために必要なことって、貯金とかそういう実務的なことをのぞくと、いったい何があるでしょう。私が思うに答えは二つあって、一つは「コミュニケーション能力」。夫に先立たれても子どもと離れて暮らしていても、まわりに友達がいれば寂しくないですよね。ただし綾小路きみまろみたいなことをいうと、その友達ですら時が経つにつれバタバタ死んでいくと思うので、一定の仲間と密な関係を築き上げられる力よりは、どんな国籍・年齢・境遇の人ともゆるく仲良くなれる力、みたいなものを想定しておいたほうがよさそうです。そしてもう一つは定番ですが、やっぱり「一人で孤独な時間を楽しむ力」ではないでしょうか。どのようにしたら、一人で孤独な時間を楽しめるのか。これについては、手を替え品を替え様々なことをいろいろな人が語っているので、いささか手垢がついた話題ではあります。そこで、これは一つの仮説なんですが、「ずっと継続してやっている何かを持つ」というのはどうなんだろうと思ったんです。時間と労力を捧げた先に実は私、数ヶ月前から、護身術を習い始めました。なぜ護身術だったのかというと、純粋に体力作りをしたかったのと、自分の身を自分で守れるようになりたかったんです。「いくら一人で生きていくとはいえ、暴漢を撃退できるまでに強くならなくてもいいのでは!?」という声も聞こえてきそうですが、なんかカッコイイかな、と思っちゃったんですよね……。護身術は、やってみると相当ハードでした。ストリートファイトを想定しているので、練習では首を絞められたり馬乗りになられたりおもちゃのナイフで襲われたりします。そして一瞬の気の緩みから攻撃をくらってしまい、腕に痣を作ったり、唇から血が出たりすることもしばしば。最初の頃は、何度も「今日こそ退会を申し出よう……」と思っていました。だけど、上級クラスの生徒さんたちを観察すると、その動きに一切の無駄がなく、フォームが整っていて美しいことがわかります。私の運動神経がもともと悪いのもあるけれど、へなちょこパンチやよろよろキックしか繰り出せないことが実際にやってみてわかったからこそ、彼らがどれだけの時間と労力をかけてそこまでたどり着いたかに、思いを馳せることができます。「継続」とは「孤独」と向き合う力好奇心から一回だけやってみる、というフットワークの軽さも素晴らしいけれど、同じことをずっとずっと継続するのってとにかく大変です。飽きるし、時間的にも金銭的にもコストがかかる。だけどそこで毎回、自分を飽きさせないような何かを発見して純度を高めていくことって、実はすごく「孤独」と向き合うことと繋がっているのではないかと思ったんです。最近私が読んだ本によると、外向的な人は外部からの刺激に鈍感で、内向的な人は外部からの刺激に敏感なんだそう。内向的な人が家に一人でいても退屈しないのは、小さなことからでもたくさん刺激を受けたり感動したりできるからなんですね。もう脳の構造がそうなっているらしい。なのでこれを今さらどうこうするのは難しそうではありますが、一人の時間を持て余しがちな人は、一つ継続してできる何かを見つけてそれにとことん向き合ってみると、小さな刺激や変化を見逃さない孤独に強い脳になれるかもしれません。かくいう私は思いっきり内向型なので、孤独と向き合うのは大得意なのですが、反対にコミュニケーション能力のほうが問題です。読者のみなさん、私に何か有効なアドバイスをください。それにしても、コラムに書いたことによって、護身術がますます辞めにくくなってしまいました……。Text/ チェコ好き
2017年02月13日ひたすら呑みながらつまむ!つまみながら呑む!『女ひとりの夜つまみ』(ツレヅレハナコ/幻冬舎)とにかく簡単! すぐできる!ひとり呑みの楽しみがぐっと広がる手作りつまみを紹介。一日の最後がちょこっと楽しくなるレシピとエッセイが満載です。『女ひとりの夜つまみ』(ツレヅレハナコ/幻冬舎)第1章 10分で飲みたい!第2章 最近、野菜が足りてない第3章 肉を食わせろ!第4章 魚だって食べたい第5章 果物で泡か白第6章 1回作って3回飲もう第7章 材料は少ないほどうれしい第8章 シメタンの誘惑第9章 大好きな店のアレ第10章 ホムパの神様、ありがとう!
2017年02月10日全部で45分!可愛くておしゃれなバレンタインディナーby 太田みお<18cm角型1つ分>ブラックチョコレート 140g無塩バター 80g薄力粉 70gピュアココア 20gココナッツシュガー(普通の砂糖でも) 65g卵 M2個松の実や胡桃などお好みのナッツ 40g1. チョコとバターをボウルに入れ、湯煎で溶かす。溶けたら、砂糖を入れて混ぜる。2. 1を湯煎からはずし、溶いた卵2個を入れて、泡立て器で照りがでるまでしっかりと混ぜ合わせる。3. 薄力粉とココアをふるいながら加えて、ヘラでさっくりと混ぜ合わせる。ナッツも入れ、さらに混ぜ合わせる。4. クッキングシートを敷いておいた型に3の生地を流し入れ、170℃のオーブンで20〜25分焼く。*パウンドケーキ型で焼こうとすると、厚みが出るので中まで火が通りません。オーブンの設定温度を上げたり、焼き時間をのばすなどして中まで火が通るように調整してください。Text/太田みお働くおひとりさまにとっての毎日はめまぐるしくて、ゆっくり季節を感じる時間さえ取れないですよね。「休日のたった1時間でいいからほっとしたい…」元外資系バリキャリから一転、丁寧な生活を目指して料理研究家になった太田みおさんが、四季の彩りを簡単に楽しむ「レシピ=歳時記」をお届けします。前回記事<寒さが極まる今が旬!春の七草・蕪が主役の和レシピ2選>もチェック!あまったお持ちと一緒に調理すべき旬のお野菜、「蕪」(かぶ)。を簡単に美味しく食べられる、和のおすすめレシピを2つご紹介します。
2017年02月08日第7回:多様性のある個と個今回の読者投稿は、「恋のわずらわしさより、関係性を築く喜びが勝つタイプだ」と前置きがある上で、「でも、既婚の友人の愚痴を聞いていると、単位が二人にするのでなく、『おひとりさまとおひとりさま』で居られないのかと思う」というご意見(要約させて頂きました)。「結婚していながらにしておひとりさまで居ること」にねじれが生じるのは何故だろう。そもそも、世間のおひとりさまに対するイメージは、人と関係を築くことよりも、自分を見つめる、自分を尊重する、どこか強く見える、といった感じ。しかし、実際のおひとりさまは、「一人でいること」にそこまで重きを置いていない。誰かと居たい、自分を見つめるとかよく分からない、強くない。そんなおひとりさまも居るのだ。しかし、どんなおひとりさまであろうと、結婚した途端にそれまで通りではいかなくなることがある。物事を相手と共有したい、甘えたい、分かってほしい、というごく当たり前に抱く思いと、「奥さん」「旦那さん」と周囲から呼ばれる慣習的な型。いつの間にかそれらが、“個"としての概念を霞ませてしまう。おひとりさまの多様性はある程度許されても、夫婦でいるとその多様性が許されなくなる時がある。それがねじれを生んでいるように感じる。人と一緒に居るということは、離れようと思えばいつでも離れられる脆さを含んでいる。それを意識し、相手のために気を遣ったり、自分のためにも気を遣わなかったりすることで、維持できる関係がある。誰かと一緒に居ながらおひとりさまでいる…というのは一見矛盾しているように見えるが、「おひとりさまが二人いる」という意識が、誰かと一緒に居るための秘訣ではないだろうかと思う。むしろ、そうであれば良いのに、と思う。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。
2017年02月06日身近であるゆえに後回しにしてしまう、というのは意外と多いのではないでしょうか? 見慣れたものへの安心感、なくなるはずはないという勝手な信頼感…。純喫茶にも同じことが言えるのですが、閉店してしまったらもう二度と訪れることはできないので、後悔しないためにも気になった店へは早めに訪れたほうが良いと考えるようになりました。そこで最近まで近さゆえに、なかなか足を運べずにいた純喫茶にさっそく出掛けてきました。それは地下鉄東西線の茅場町駅にある「珈琲家」という店です。現在、日本橋で勤務しているため、その気になれば徒歩で訪れることも可能なのですが、初めて行こうと思い立ってから10年近くが経っていたのでした。改札を出て歩くこと2、3分。目当ての店名の看板が視界に入りました。どうやら地下にあるようで少し緊張します。店内の様子が見えないため、席数はどのくらいだろうか、どのくらい混雑しているのだろうか、店主は気難しい人ではないだろうか、色々な不安や期待と一緒に階段を降ります。扉の向こうに見えたのは、可愛らしいデザインの赤い椅子たち。夕方遅くの訪問でしたので、先客も少なく、一番奥の端というとても好きな席を確保できました。水を運んできて下さった男性も、カウンターの中にいる女性もやさしそうな笑顔でほっとします。この日のお目当ては「とんでもないほど分厚い」と噂に聞いていたホットケーキ。飲み物は何にしようかとメニューを眺めると、<アレンジコーヒー>の欄にフランス風、オランダ風、アメリカ風、北欧風、イタリア風、アイルランド風と思いがけない楽しげな文字たちが。迷ったあげく、今回は「オランダ風」を注文。ココア入りの珈琲の上に生クリームが浮かべられたものでとても美味でした。それぞれ味の説明がされていますが、直感で頼んでみるのも面白いかもしれませんね。そして、お待ちかねのホットケーキが運ばれてきたのですが、この日一番の驚きの声を上げてしまいました。なんと直径は7インチレコード程もあり、1枚4㎝ほどの厚さです。1枚から注文可能ですが、おなかが空いていたので欲張って2枚注文してしまいました。もし、自分が手のひらサイズの大きさであったなら、ここで眠ってみたくなるほどふかふかで、圧倒的な存在感があります。思わず「すごいですね」と運んできてくれた男性に声を掛けると、「型で焼くわけではないので、どんどん大きくなってしまって」と笑顔。まずはたっぷりのバターで、2枚目はシロップを染み込ませながら美味しく完食。帰り際の「ビーフシチューも美味しいよ」という誘惑に近々の再訪を誓い、小麦粉とバターとシロップの甘い幸せにすっかり満たされたままあたたかい気持ちで帰りの電車に乗るのでした。Text/難波里奈
2017年02月03日祭りに命をかける八尾の人々『月影ベイベ』(小玉 ユキ/小学館)1巻和久井は風の盆どころか富山県にも(たぶん)行ったことがないのですが、動画を見る限り、「越中おわら節」の哀愁に満ちた音楽に乗せて、静かな水面を打つようにピシリピシリと振りを合わせて踊る、たいへん静謐な雰囲気の踊りでした。踊り手は笠をかぶっており顔が見えません。それがとても神秘的です。Wikipediaを読むと、「おわら」の起源は江戸時代。町外に持ち出されていた「町建御墨付文書」というなにやら大事な文書を町民が取り戻したことを大喜びして、やんややんや三日三晩踊り明かしたことから始まったそうです。なんともやんちゃな話で、今の風流なお祭り風景とはだいぶ事情が違うようですな。八尾地域の子どもたちは子どもの頃から「おわら」を習い、鍛錬を続けているのだとか。和久井は子どもの頃、運動会で「ソーラン節」やら「御神楽」やら踊らされましたが、ああいう「やらされダンス」ではなく、子どもたちが自ら大人たちの踊る「おわら」をかっこいいと思って習い始めるのだそうです。『月影ベイベ』は、その独特の雰囲気と、懐かしいような、せつないようなアンニュイなムードがたまらない作品です。蛍子は東京からの転入生。彼女は、母の繭子がなくなったことをきっかけに、その出身地である八尾にやってきました。転入した高校では「おわら」の練習まっ盛り。蛍子はなぜか現地の子に引けをとらないくらい「おわら」がとてもうまいのです。なぜ、彼女は「おわら」がうまいのか。なぜ、彼女は八尾にやって来たのか。序盤はいろいろと謎が多いです。聖地巡礼したくなる名作ところで世のおじさんには、「汚いおじさん」と「きれいなおじさん」の2種類しかいません。この作品に登場する円くんは、とても「きれいなおじさん」です。この円くんがストーリーのキモを握っているわけですが、彼は素朴で、ひたむきです。女子高生が性の象徴のようになって久しいですが、性的描写がないということも含めて、いろんな意味でこの作品にはいやらしさがまったくありません。ぶっちゃけ、作者・小玉ユキさんの前作である『坂道のアポロン』がたいへん好きだったので、「文化祭でダンス踊る話? フーン」とか思ってたわけですが(いろいろ理解してなかったみたいです)、ここにきてドはまりしました。若いというのは、いろんなことに不器用だということです。あまりに経験値が足りなくて、見えるものも偏っているし、柔らかい対応もできない。それが「赤っ恥体験」で済めば笑い話だけど、取り返しのつかないことになったら…。ちょうど去年、掲載誌の『フラワーズ』に40年ぶりの『ポーの一族』が掲載されました。アラフィフ狂喜乱舞の一大旋風が巻き起こりましたが、その同じ号で『月影ベイベ』もたいへんな展開になっており、いっそう世間を騒がせていました。ドキドキキュンキュンするだけが少女マンガじゃないし、青春ってわけでもない。小玉ユキさんの絵は目にキラキラ星がなく、線も割と太めで固いタッチです。それが妙に懐かしさを感じさせるのですよね。『月影ベイベ』を読んで「おわら」を知り、富山に行ってみようと思った人も多いでしょう。まさに和久井自身がそうです。作中、八尾の方言がたくさん出てくるので、行く前に語学の予習をしていきたいです。何気ない街の風景も実在の場所とのこと。聖地巡礼も楽しめます。なにかの出会いをくれる作品って、やっぱり名作なのだと思うのです。Text/和久井香菜子
2017年02月01日ひとり旅を続けて10年、約150カ国も訪れたという、旅ライター・旅写真家の黒水綾乃さん。一年の半分をひとり海外で過ごし、「ひとり旅はさみしいものではない」と明るく語った彼女ですが、実は既婚者。半年はひとり旅、もう半年は居住地である台湾で、旦那さんとふたり、夫婦生活を送っているそうですが、結婚しても「ひとり旅」をすることは可能なんでしょうか。決断した理由と、ひとりで、夫婦で過ごす秘訣を伺いました。結婚後の、半分ひとり半分ふたりの生活中央:黒水綾乃さん――ご結婚されてからも、半分ひとり旅、半分旦那さんと生活しているとのことですが、なぜ「ひとり旅」を選んだのか、またどんな工夫をしていますか?旦那はメーカーに勤める駐在員です。現在いる台湾は日本より少し休暇は多いですが、旦那と長期の旅に出るのはもちろん不可能。なので、年に二回ほど行きやすい欧米諸国などを一緒に旅行しています。「ひとりで旅なんて…」とよく言われますが、結婚前からこんな生活をしていたし、こんな私を受け入れてくれた人なので、ふつうの感覚ではないとは思いますよ(苦笑)。とはいえ、最初からそんな生活だったわけではないです。私にはひとり旅で世界一周をしたいという夢があったので、子どもを産む前に叶えたいと旦那に打診したんです。何度も話し合い、旦那は聞き入れてくれて、ついに実現しました。その後、数年間紆余曲折を経て、私たちは子どもを作らない選択をしました。お互い夢があって、それを実現させようと決めたからです。私の今の夢は、世界250ヶ国を訪ねて、それを一冊の本にまとめること。全世界訪問し、世界中の人に読んでもらいたいと思っています。その夢に近づくために、毎年10ヶ国以上を訪問して写真を撮る計画なので、半年はひとり旅をすることになりました。ただ、やっぱり旦那に会いたいし、彼もそう思ってくれているので、3ヶ月以上の長い旅はせず、一度は帰ってくる約束をしています。――お互いの夢を叶えるため、そして、納得した約束をしていて素敵だなと思いました。では、旦那さんと一緒にいるときは、どんな生活を送っているのですか?旦那の料理はまずいですが(苦笑)、お互い独身時代も長かったので、家事はなんでもできます。ふたりで過ごす半年間は、お互いの仕事以外はほとんど一緒に行動しています。平日は一緒にごはんを食べ、お笑いDVDを見たり、週末は台湾国内を食べ歩いたり散歩したり。ふたりでいる時に別行動というのはほとんどないです。なので、友人や親が日本から来ても、旦那を誘って一緒にでかけます。こうやって書くととても仲がいい夫婦みたいですが、、週に二度はケンカしてますし、昔は殴り合いのケンカもしていました(笑)。逆にひとり旅をしているときは、連絡は必要最低限に。ネットがない環境にいたり、時差が大きかったりするので、安否確認(?)としてスカイプにメッセージを残すくらいです。ネットが充実した環境にいるときは、お互いの近況を語ったりとゆっくり話していますこれらは”工夫”ということではなく、私たちにとって自然な流れ。これらでうまくバランスをとれているかどうか分かりませんが、おかげさまで結婚生活も早6年になりました。ひとり旅の最大のミッションを叶えるために――旦那さんと過ごす時間を、とても大切にされてると感じました。では「ひとり旅」を続けて、何か変化してことはありますか。リラックスして旅ができるようになったことでしょうか。若かりし頃は「こうせねばいけない」「こうあらねばならない」と自分で自分を縛り付けていたと思います。さらに年齢も経験を重ねたので、情報収集力や危険察知能力があがり、イヤな経験をすることも少なくなってきましたしね。ひとり旅での私の最大のミッションは、現地の人との触れ合うことです。若いときは話しかける勇気もなかったし怖がっていたけど、今は大阪のおばちゃんみたいに(笑)気軽に話しかけられるようになりましたよ。力まずに、現地の空気を楽しめるようになったのは大きいですね。その結果、旅の密度が濃くなりましたし、なかなか見れない、触れられない体験や楽しみが増えました。よくバックパッカーや旅人が、旅をすればするほど新鮮さがなくなって飽きてくると言いますが、私は全く思いません。つまらないと感じれば、より僻地に行き、違う経験をすればいいだけ。今より10年後のほうが旅を楽しめていると思いますし、私は歳をとることに一ミリも抵抗はないので、実年齢や旅の経験値をあげ、毎日を楽しくしたいと思っています。――最後に「ひとり旅」で気をつけたほうがいいことを教えてください。現地の方と知り合えたり、現地の文化に触れ合いやすいことは、ひとり旅でしか得られない経験です。私もそこに魅了されています。だからこそ、意識して気をつけてもらいたいのは、やはり女性のひとり旅は危険度が増す、ということ。私は人生で2回襲われそうになり、1回は強奪未遂を経験しました。もちろん私の不注意が原因ですが、襲われそうになったときは「女が一人」というのが多分に関係していると思いました。とにかく女のひとり旅は警戒が最重要です。でも、自分のルールをしっかり決めて、事前準備と注意を働かせ、警戒を怠らなければ防ぐことができます。また、現地の言葉や風習を予習して人に迷惑をかけないよう配慮することも、日頃から取り組んでいます。text /SOLO編集部特集「さみしさは敵か」の記事はこちら!・世界150カ国で言われた「ひとり旅ってさみしくない?」に私が出した答え/黒水綾乃さんインタビュー・美しいさみしさの奥にあるグロテスクな本音と向き合う/紫原明子
2017年01月30日第6回:ないものねだりを利用する「家にいるのも飽きてしまいました。どう過ごしたらいいのか分かりません」という読者投稿をいただいて、自分の過ごし方について考えてみた。私は、家に居ると外に出かけたくなってしまい、外に出ると家に帰りたくなってしまう。今度の休みはあれを食べに行こう、あの展示を見に行こうと外出欲が出ても、いざ休日になってある程度用事を済ませてしまうと、家にいる自分を想像してしまう。適当なおつまみを作ってベランダで昼からお酒を飲んだり、ずっと見たいと思っていた映画を部屋で見たり、作り置きを作って平日の楽しみにしたり。誰かと飲みに行くにしても、昔だったらオール明けにふらふらと始発に乗る感じが好きだったが、今は少なくとも終電で帰り、家の布団で寝ることの幸福感のほうが勝ってしまっている。“家が飽きたなら外に出よう”という単純な回答には聞き飽きたものだが、要は、ないものねだりをうまく利用するということだ。「描けない時は何もしない。すると自然と描きたくなる」と某ジブリ作品でも言っているように、煮詰まってたことからあえて遠ざかると、自然とその物事に戻ってしまうもの。家で楽しく過ごしたい人は、外に出てみるのが近道かもしれない。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。
2017年01月23日「ひとり純喫茶」をご覧下さっている皆さま、新年はもう純喫茶に行かれましたか?私は元旦に新宿三丁目にある、24時間営業の「珈琲貴族 エジンバラ」を訪問しました。こちらの名物は、店員さんが珈琲とミルクを高い位置から注いでくれるカフェ・オレ。カップに到着するまでの時間、空気を含んでミルクがやわらかくなる効果があると聞きますが、何よりもその圧倒的なパフォーマンスを見ているだけで楽しいのです。純喫茶へ行く理由はいくつか挙げられますが、人によって様々だと思います。例えば、店内のインテリアや建築に興味がある方、美味しいメニューや珈琲を求める方、個性あふれるマスターたちとの会話がお目当ての方…。色々な要素が組み合わさって楽しいひとときは成り立つもので、私もその時々の気分によって訪れる店を決めています。1700軒訪れた中で、初めて出会った「仏像のある純喫茶」さて、そんな私が新年早々に選んだのは、念願だった「店内の様子がかなり特殊である」純喫茶。大阪で暮らす知人たちから話を聞いて以来、気になって仕方がなかった「篝(かがり)」です。「かがり」とは、かがり火を焚く時に使用する“鉄製のカゴ”を指し、こちらの天井にも吊るされています。さらに、このお店を表す最も強烈なキーワードが「店内の至るところに仏像がある」ということ。全国1700軒ほどの純喫茶を訪れ、数えきれないほど個性的な店と出会いましたが、仏像があるお店は初めてでした。大阪の新大阪から御堂筋線でなんば駅へ行き、そこから千日前線に乗り換えて玉川駅へ。駅から少し歩き、商店街に入ると目当ての「篝」が見えてきます。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2017年01月20日