がん保険は必要?必要性が高い人といらない・もったいない人を解説

医療保険に加入しているので、がん保険の必要性についてあまり考えたことがないと感じている人はたくさんいます。 


しかし、 

  • もし、がんになったら治療費はどれくらいかかるのだろう 
  • 医療保険ですべてをカバーできるの? 

このように、悩んでいる方も多いと思います。 


もし、家計を支えているご主人ががんになったと考えたら、後になってがん保険に加入しておけばよかったなんて不安は残したくないですよね。
 


そこで今回、この記事ではがん保険の必要性について、 

  • がん保険の必要性を加入率や公的医療保険制度から考察
  • ん保険の加入率はどのくらい? 
  • 年代別・男女別のがん保険の必要性は? 

などを解説します。 


がんにかかったときに、家族に不安を残したくないという方は、ぜひ最後までご覧くださいね。

がん保険の必要性とは?無駄じゃないの?


がん保険は医療保険の一種であり、保障内容ががんに特化しているものです。普通の医療保険でも「がん保障」があるので、入る必要があるのか悩む方も多いと思います。


日本には公的保険制度が充実していることから、がん保険は必要ないと言い切る方も多くいるのだとか。


しかし、がんは一度かかると治療に長い年月が必要となります。


公的保険制度のひとつである「高額療養費制度」は、

医療費の家計負担が重くならないように、病院や薬局で支払う医療費が1か月の限度額を超えたときに、その超えた額を支給する制度のことです。


この高額療養費制度を利用すれば、ほとんどの方が1か月の医療費を8万円ほどで抑えることができます。


しかし、それでも月に8万円ほどの医療費を支払い続けるのは、大きな負担であることに変わりはありません。


また、医療費以外にも差額ベット代がかかったり、日用品やお見舞いに行く交通費がかかったりと、がんの治療には多くの出費がかかる可能性があるのです。


このようなことからも、医療保険にがん保障があったとしても、万が一の備えのためにもがん保険に加入したほうが良いと言えるでしょう。

がん保険の必要性を加入率や公的医療保険制度から考察

がん保険はがんの保障に特化したものです。


国立がん研究センターの「がんに関する統計データ」によりますと、生涯でがんが発生する確率は、

  • 男性…62%
  • 女性…47%
※2014年のデータによる

男女ともに2人に1人程度の割合で、がんにかかる恐れがあることがわかっています。つまり、がんは誰でもかかる可能性がある、とても身近な病気だということです。

また、がんは年齢が50歳を超えるあたりから発症率が高くなることもわかっています。日本人の死因の第1位でもあることから、医療保険だけではなくがん保険も加入しておいたほうが安心です。

がん保険に加入しておけば、以下のメリットがあります。
  • がんであると診断されたときに、診断給付金を受け取ることができる
  • 長期治療に備えることができる
  • 働けない期間の収入を補うことができる
  • がん保険特有の手厚い保障が受けられる
診断給付金は、入院や治療を受けなくてもがんであると診断されたときに受け取れるお金です。

何に使っても大丈夫なので、医療費や生活費の備えなどに活用することが可能です。

がん保険の加入率はどのくらい?

がん保険は、がんの保障に特化している保険であり、民間保険に加入している世帯の約6割が加入しています。


しかも、加入率は年々増加傾向にあることがわかっています。

世帯加入率
2018年62.8%
2012年62.3%
2006年56.4%

※生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」より


加入率が増えていることの理由には、それだけ多くの方ががんという病気の恐ろしさを認識していることが挙げられます。


また、がん治療(手術法)が昔よりも進歩してきており、短期間・効果的な治療が望めるようになったことも影響しているかもしれません。


がん保険は、現在も改良を加えられており、多くの方々のニーズに答えようと各保険会社も頑張っています。もし、まだ加入をしていないという方は、ぜひ検討してみてください。

がん保険に加入せずに、公的医療保険制度だけでは足りないの?

がん治療の手術や放射線治療などの標準治療と呼ばれるものは、公的医療保険制度の対象となります。つまり、自己負担額が高額になった場合は、「高額療養制度」が利用できるということです。


1か月あたりの医療費の自己負担上限額は、多くの方が8万円程度となりますので、それ以上かかったとしても申請をすれば還付されます。


それ以外にも、会社を休んで治療を行った場合は「傷病手当金」が受けられる場合もあります。さらに、年間の医療費が10万円を超えれば「医療費控除」の対象となるなど、さまざまな制度が活用できるかもしれません。


しかし、治療費以外にかかる差額ベッド代や日用品・食費などの費用やお見舞いの交通費などは自己負担となります。


また、傷病手当金を受けたとしても収入は減るため、生活をするためのお金をどのように工面するかなどの対応も必要となります。


以上のことからも、公的医療保険制度だけではがん治療をしながら生活をするのは難しいことがわかります。

がん保険に加入している場合と、未加入の場合で比べてみよう

では、がんにかかってしまったときに、がん保険に加入している場合と未加入の場合ではどのような違いがあるのでしょうか。

  • 例・乳がんだと診断され、14日間の入院と乳房の切除手術を受けた

上記で挙げた例をもとに、治療費がいくらくらいになるのかを計算してみましょう。
  • 治療費…高額療養費の適用となり上限額が80,000円程度になる
  • 差額ベッド代…5,000円×14日間=70,000円
  • 食事代など…450円×14日間×3回=18,900円
  • その他(交通費など)…2,000円×14日間=28,000円
自己負担の合計額が196,900円となり、2週間程度の入院でも20万円前後の負担がかかります。

がん保険に加入していれば、
  • がん診断給付金…100万円
  • 入院給付金…日額1万円×14日間=140,000円
  • 女性がん入院給付金…日額1万円×14日間=140,000円
  • がん手術給付金…10万円
  • 退院後療養給付金…10万円
148万円が保険金として受け取れるため、十分に治療費をカバーすることが可能です。

がん保険のそれぞれの保障の必要性とは?

がん保険には、

  • 診断給付金
  • 先進医療特約
  • 手術給付金
  • 入院給付金
  • 通院給付金
  • 女性特約
上記で挙げた給付金や特約が保険金として受け取れます。

そのなかでも一般的な医療保険にはない「診断給付金」は、がん保険特有の給付金です。その名前のとおり、医師から「がん」であることを診断されたときにもらえる保険金です。

また、がん治療には公的医療保険制度が適用されない先進医療を受ける可能性があります。このようなときの備えになるのが先進医療特約です。

がんは長期入院する恐れがあり、その間に働くことができなくなれば治療費にプラスして生活費を工面しなくてはいけなくなります。

万が一がんにかかっても、生活が苦しくならないために、さまざまな保障が受けられるがん保険に加入しておくべきです。

年代別・男女別のがん保険の必要性は?

がんは年齢が上がるほどに罹患率が高くなります。そこでここでは、年齢別・男女別のがん保険の必要性について詳しく解説したいと思います。


生涯がんで死亡する確率は、

  • 男性…23.9%
  • 女性…15.1%
※国立がん研究センター「最新がん統計

男性の場合は4人に1人の確率でがんで死亡することがわかっています。女性の場合は7人に1人の確率となっています。

それぞれの年齢別・男女別の罹患率を知っておくことで、がん保険の必要性を改めて知ることができるでしょう。

20代・30代、独身・既婚の場合のがん保険の必要性

20代・30代のケースについて、がん保険の必要性を考えてみましょう。


まず20代の多くは独身であり、健康の方も多い傾向にあります。また、社会に出たばかりの方や学生の方も多く、金銭面が不安定であることから、がん保険に加入する余裕が無い方が多くいます。


そのため、がん保険の加入率も低いのですが、保険は病気にかかるリスクや年齢・性別に考慮して保険料が決められているため、若いころに加入しておけば保険料を安く抑えることができます。


がん保険は必要ないと思わずに、保険加入を検討したほうが良いと言えるでしょう。


次に30代のケースですが、20代に比べると結婚される方が増えてきます。そのため、新しい家族が増えることをきっかけに保険の見直しや加入を検討する方が多くなります。


しかし、30代ではまだがんにならないだろうと思い、医療保険は検討してもがん保険は検討しないという方も多いのが実情です。


30代の方も20代と同じで、罹患率は低いですが若いころに加入しておくことで保険料を安く抑えることができます。

働き盛りの40代・50代のがん保険の必要性

次に、40代・50代のケースについて、がん保険の必要性を考えてみましょう。


40代に入ると、徐々にがんの罹患率が高くなってきます。本人たちも健康に関して不安を感じるようになり、保険の見直しやがん保険を検討し始める方も多くなってきます。


40代男性の場合、胃がんや肺がんにかかる率が高くなると言われています。女性の場合は、女性特有の乳房や子宮頸部の罹患率が高くなる傾向にあります。


またがん保険に加入していないという方は、一度がんになると治療後一定期間はがん保険の加入ができなくなります。


がんを発症してからでは遅いので、健康なうちにがん保険についてしっかりと考えておくべきです。


「妻にがん保険は必要なのか?」と疑問に思われる人もいるかもしれませんが、女性のがんの罹患率は40代以降、一気に跳ね上がりますので、このタイミングで加入しておくことをおすすめします。  


次に、50代のがんの罹患率は、男女ともに約12人に1人と40代よりも高くなります。


参考:国立がん研究センター


現在がん保険に加入しているという方は、保障内容を見直して必要な保障を改めて考えることが大切です。


社会的な責任も大きい世代のため、元気で動けるうちにしっかりと備えておくことが大切です。

定年世代の60代のがん保険の必要性

定年世代の60代は、50代に比べるとがんの罹患率もさらに高くなりますが、がん保険の必要性はどうなってくるのでしょうか。


がんは発見されたときのステージがいくつなのか、また体調などによっても治療方法が変わってきます。


そのため、治療費や治療期間の予測がしにくい病気であり、がん保険に加入しておかないと思ってもいなかった費用がかかる恐れがあります。


60代になったら、病気のリスクが若かったころよりも高くなるため、医療保険・がん保険の見直しを行い保障を重視しましょう。


また、持病がある場合は持病がある方でも加入できるかどうかも、しっかりとチェックすることが大切ですよ。

高齢者の70代・80代のがん保険の必要性

70代・80代と高齢者になった場合は、がん保険の必要性はどうなるのでしょうか。


がんの罹患率は年齢とともに増加する傾向にあるため、70代以上となると確率も一気に上がってきます。

  • 男性…29%
  • 女性…14%
※国立がん研究センター「最新がん統計

ただし、現役世代と比べると医療費の自己負担割合が3割負担から1割負担になるため、医療費を抑えることが可能です。同様に、高額療養費制度も低めに設定されています。

また、高齢者になるとがん保険の月々の保険料も1万円以上と高額になります。持病がある方は保険料もさらに高くなることから、新たに加入する必要はないでしょう。

若いころからしっかりと預貯金をしており、ある程度生活に余裕があるという方であれば、がん保険に加入していなくても1割負担の医療費と高額療養費制度でまかなえると言えます。

しかし、先進医療特約は自己負担で高額となるため、治療によっては何百万もかかる恐れがあります。

何かあったときに先進医療を安心して受けたいという方は、保険料が高くなったとしてもがん保険に加入しておいたほうが安心でしょう。

特にがん保険に加入する必要性のある人とはどんな人?

がん保険に加入をしなくても、現在の日本の公的医療保険制度では、治療費の自己負担額が原則3割負担となっています。


また、高額療養費制度を利用すれば、自己負担額を大きく減らすことができるため、治療費が高くなりすぎることもないでしょう。


ですが、以下のような方は、がん保険に加入しておいたほうが良いでしょう。

  • 先進医療や自由診療を受けたい
  • 入院中の差額ベッド代や食事などにお金をかけたい
先進医療や自由診療は治療費が全額自己負担になるため、がん保険に加入しておけば保険金で治療費をカバーすることが可能です。

また、高額療養費制度は差額ベッド代、食事代、お見舞いにかかる交通費などは対象外となるため、余裕をもってお金を準備しておきたいという方もがん保険の必要性は高いと言えるでしょう。

がん保険がいらない・不要な人

がんは一生における罹患率が高いことから、加入しておけばがん保険が役に立つ可能性は高いと言えます。


しかし、必ずしもすべての人にがん保険の必要性があるのか言われると、そうとは言い切れません。


がん保険が不要な人は、主に以下のような人が当てはまります。

  • お金に余裕があって、治療費をご自身で払いきれる人
がん保険は不要だと言い切れる人は、貯蓄がしっかりとある人です。

しかし、治療費が高額になる「先進治療」や「抗がん剤治療(公的医療制度が適用されない治療)」などを受けた場合、費用が数千万円になる恐れがあります。

数千万円ものお金を払いきれるかどうかと言われると、そこまで貯蓄に余裕がある人はあまり多くないはずです。


そこで、改めてがん保険の必要性を見極めるポイントを見てみましょう。

  • 貯蓄や家計収支の状況
  • 気になる部位のがんの罹患率
  • 再発リスクや長期入院などの不確定要素
  • がんになった場合の経済的損失
  • がんになっても働くことは可能か
これらのことを総合的に考えて、検討してみてくださいね。

がん保険は最終的にはご自身の価値観によって加入するか・しないかが決まります。ただし、少しでもがんが不安だと思うのであれば、加入すべきだと言えるでしょう。

まとめ:がん保険の必要性は、治療の保障だけでなく収入減にも対応できることも考慮しよう

がん保険の必要性について、がん保険の加入率や保障の必要性、罹患率についてなどを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • がんは男女ともに2人に1人程度の割合でかかる恐れがある
  • がん保険は昔よりも加入率が高く、現在も増加傾向がみられる
  • がん治療は公的医療保険制度だけで補うのは難しい
  • がんは年齢が上がるほどに罹患率が高くなる 
以上となります。

がん保険は他の医療保険と比べると、がんだと診断されたときに受け取れる診断給付金があります。あまり備えがないときにがんだと診断された場合は、診断給付金で生活がカバーできるというメリットがあります。

がんは高齢になるにつれて罹患率が高くなるため、がん保険に加入する場合はできる限り若いうちがおすすめです。

ただし、高齢者になってから加入する場合は、医療費や高額療養費制度を利用すれば、かなり治療費を抑えることができることを知っておきましょう。先進医療や自由診療を受けたいという場合や、余裕ある生活を送りたい場合はがん保険に加入をしておくと安心ですよ。

今回の記事をきっかけにして、ぜひがん保険を検討してみてくださいね。

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