更新日:2023/07/06
あんしん就業不能保障保険のデメリットは?口コミ・評判も紹介
目次を使って気になるところから読みましょう!
あんしん就業不能保障保険のデメリット
あんしん就業不能保障保険のデメリットは以下の3つです。
- 支払い基準が厳しい
- 指定の病気、国の認定を受けないと保険金支払いの対象とならない
- 精神疾患で働けなくなる人の割合が多いのに精神疾患の支払い条件が精神障害1級と厳しい
支払い対象となるのが難しいというのがデメリットとなります。
保険金が大きいというメリットはあるものの、保障を受ける条件のハードルも高いのが特徴です。
支払い基準が厳しい
あんしん就業不能保障保険で保険金が支払われる条件はかなり厳しいです。
あんしん就業不能保障保険には以下の3つのプランがあります。
- Ⅰ型…障害・介護保障プラン
- Ⅱ型…5疾病保障プラン
- Ⅲ型…Ⅰ型+Ⅱ型
そして保障対象になる条件は下の表の通りです。
保障条件(どれかひとつ) | |
---|---|
Ⅰ型 | ・国民年金法の障害等級1~2級、 または精神障害等級1級の認定 ・身体障害者手帳1~3級の取得 ・上記の国民年金法に当てはまり、 回復の見込みがないと判断されるとき ・心臓移植や永続的な人工透析療法など ・要介護2以上の認定 ・要介護状態が180日以上継続 |
Ⅱ型 | がん、急性心筋梗塞、脳卒中、肝硬変、慢性腎不全の症状で 入院もしくは在宅療養が60日以上継続 |
このうちⅠ型の条件がとても厳しいものとなっています。
まずは日数に関して見てみましょう。
Ⅰ型の保障条件
障害によりⅠ型の保障を受けるに際して、障害年金の認定か身体障害者手帳の取得が必要です。
ですが、障害年金は初診日から1年6か月、障害者手帳の交付は3ヶ月以上かかります。
時間短縮のために国民年金法の内容と同じ「特定生活障害状態」が用意されているのですが、回復の見込みがない状態でなければいけません。
このように、Ⅰ型の条件は非常に厳しいのがデメリットです。
ただしそのぶん保険料は安めに設定されています。
Ⅱ型の保障条件
Ⅱ型は5疾病により入院か在宅療養を60日以上継続しなくてはいけません。
在宅療養は「医者の指示により休職し、自宅で5疾病の治療に専念する状態」をいいます。
この60日間というのが曲者で、病状や回復スピードにより保障が下りるかどうかが変わってくるのがⅡ型の難しいところでしょう。
5疾病はどれも重い病気なので大抵は休職期間が長くなるのですが、症状が軽いと2週間程度で退院してそのまま復職するパターンもあります。
医療保険とは違い、短期での医療保障をしてもらえないのはデメリットです。
また、条件を満たしていても60日経過するのを待つ必要があるのもデメリットといえます。
指定の病気、国の認定を受けないと保険金支払いの対象とならない
説明 (※あくまで大まかな目安です) | |
---|---|
国民年金法の障害等級 1級 | 日常生活全般で助けが必要な状態 |
同上 2級 | 日常生活の大部分で助けが必要な状態 仕事による収入を得られない |
障害者手帳 1級 | 心身の障害のため単独での日常生活が不可能 腕や足が機能しない、座位を維持できないなど |
同上 2級 | 日常生活が極度に制限される状態 耳が使えない、腕や足がほとんど動かない、 歩行不可能など |
同上 3級 | 日常生活の大部分で助けが必要な状態 耳元でなら大声が聞こえる、 親指と人差し指がない、歩行に制限など |
要介護2 | 介護時間が50分~70分 食事やトイレにも介護が必要で、 会話や行動に知能低下が見られる |
参考:日本年金機構「障害年金ガイド」、厚生労働省「身体障害者障害程度等級表」「要介護認定はどのように行われるか」
上記の通り、Ⅰ型は生活が困難になるほどの障害が出なければ国の認定がおりず、保険金が支払われないのがデメリットです。
対してⅡ型の条件である5疾病は、がん、急性心筋梗塞、脳卒中、肝硬変、慢性腎不全と、現代病といわれる生活習慣病が並んでいます。
これらの条件はかなりいいのですが、たとえば「急性腎不全は対象とならない」など、症状は同じでもわずかな違いで保障が受理されません。
指定の病気や国の認定が支払い条件になるのはわかりやすい反面、融通がききにくいのがデメリットです。
精神疾患で働けなくなる人の割合が多いのに精神疾患の支払い条件が精神障害1級と厳しい
精神疾患の支払い条件がけがや病気より厳しいのもあんしん就業不能保障保険のデメリットでしょう。
精神疾患で働けなくなる人は徐々に増えてきています。
厚生労働省による2020年11月~2021年10月の労働安全衛生調査では、「メンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業または退職した労働者のいる事務所は全体の10.1%にものぼる」との結果が出ています。
約10人に1人が精神疾患で休業や退職をしている現状において、精神障害の保障が厳しいのは惜しいところです。
ちなみに、あんしん就業不能保障保険での支払い条件は国民年金法の精神障害1級となっています。
精神障害1級と2級の差の目安は次の通りです。
- 1級 統合失調症や気分障害の症状により、常に援助が必要なもの
- 2級 統合失調症や気分障害の症状により、日常生活に著しい制限を受けるもの
参考:厚生労働省「認定基準第3第1章第8節」
「ほぼ自力で生活できない状態」が保障条件とのことで、かなり厳しいことがわかります。
あんしん就業不能保障保険の評判・口コミ
※口コミはインターネットアンケートで募集
募集期間:2022年1月~2023年2月
あんしん就業不能保障保険のメリット
あんしん就業不能保障保険のメリットは次の3つです。
- タバコを吸わない・健康状態が保険会社の規定値内だと保険料が割引になる
- 払込免除になる範囲が広い
- 働けないという最悪の状態で保険金が受け取れる
健康な暮らしをしている人に嬉しい割引制度や払込免除範囲を広げられる特則が用意されています。
また、けがや病気で収入がなくなったときの不安を減らせるのもこの保険の魅力です。
タバコを吸わない・健康状態が保険会社の規定値内だと保険料が割引になる
あんしん就業不能保障保険には、喫煙状況や健康状態によって保険料が安くなる制度があるのがメリットです。
具体的には以下の状況が当てはまれば、保険料の割引を受けられます。
- 非喫煙…過去1年喫煙をしていない。受動喫煙の検査結果が陰性の場合
- 優良体…BMI=18~21。血圧が最大~139mmHg、最小~89mmHg
保険料(円) | |
---|---|
非喫煙者/優良体 | 5,570 |
非喫煙者/標準料金 | 5,820 |
喫煙者/優良体 | 6,380 |
喫煙者/標準料金 | 6,640 |
払込免除になる範囲が広い
特則を入れることにより払込免除の範囲を広げられるのも、あんしん就業不能保障保険のメリットです。
もともと主契約に入っている払込免除は保険金支払条件と同じ、つまり保険が適用される段階で保険料が不要になります。
ですが、オプションで特定疾病保険料払込免除特則を付加すると、さらに以下の条件が足されます。
- 悪性がんと初めて診断確定したとき
- 心疾患や脳血管疾患で手術もしくは継続20日以上の入院治療を受けたとき
このように払込免除の範囲が広くなるのです。
簡単に説明するとⅡ型の支払い条件を緩めた内容となっており、免除段階を早めることができます。
ただし、5疾病より病状の範囲が狭いことや自宅療養は含まれないなど、Ⅱ型との微妙な違いがあるため注意しましょう。
働けないという最悪の状態で保険金が受け取れる
就業不能保険の大きなメリットはやはり「収入が減ったときの不安を解消してくれる」ところでしょう。
特に注目してほしいのは、自営業など会社の保障がない仕事をしている方です。
会社員や公務員の場合、けがや病気で休業するときには会社で入っている社会保険の傷病手当金がもらえます。
傷病手当金は最長1年6か月の間、給与の2/3を受け取れる公的保険です。
さらに有給休暇なども利用でき、しばらくの間は収入がなくなる心配はありません。
しかし自営業の場合、休んでいる間の収入は0に。公的な傷害年金も1年6ヶ月を待たなくては支給されません。
障害年金を受け取るまでは預金で生活費や医療費をまかなわなくてはならず、精神的にも追い込まれます。
そんな金銭的な不安をカバーしてくれるのが就業不能保険です。
しかもあんしん就業不能保障保険なら、一度保険金支払の対象になると治療が済んでも保険期間中は給付されつづけるというメリットがあります。
条件次第では生命保険よりも保険金額が大きくなりえるのもこの保険の面白いところです。
あんしん就業不能保障保険の基本情報
※2023年3月13日時点の情報です。最新情報は公式サイトでご確認ください。
あんしん就業不能保障保険の基本情報 | |
---|---|
加入年齢 | 15~70歳 |
保険期間 | ~80歳 |
払込方法 | 月、年払 前納 一部一括払 |
保障範囲 | ・5疾病(悪性がん・急性心筋梗塞・脳卒中・肝硬変・慢性腎不全) による入院や在宅療養 ・病気やけがによる障害や介護 |
特約 | 特定疾病保険料払込免除特則 |
参考:東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険 ご契約のしおり・約款」
あんしん就業不能保障保険はけがや病気で働けなくなった場合に備える保険です。
保障の対象になると、保険期間満期まであらかじめ決めた基本保険金額が毎月振り込まれます。
医療保険に近いですが、それだけではフォローしきれない収入低下による生活の困窮を支えることが目的です。
一度保険金が支払われれば、けがや病気の完治後も受け取りつづけることができます。
ただし支払い条件は厳しめに設定されており、やや高めな保険料もデメリットとなります。
ハイリスクハイリターンな保険といえるでしょう。
あんしん就業不能保障保険がおすすめな人
あんしん就業不能保障保険がおすすめな方は次の通りです。
- 社会保障の薄い職業の人
- 働けない時の生活防衛資金がない人
特定の職業の方や貯蓄が足りない方にちょうどいい保険といえます。
また、養育費のかかる子持ちの方やローンなどの定期的な出費がある方も、もしものときのために加入しておくと滞りがなくなるので安心です。
社会保障の薄い職業の人
あんしん就業不能保障保険がおすすめなのは、社会保障が整っていない職業に就いている方です。
自営業者など、社会保険の加入に該当しない方の場合、大きなけがや病気で長期間休業しなければいけなくなると収入がなくなってしまいます。
しかし就業不能保険に加入しておけば、自営業でも毎月の収入をカバーしてくれるので安心です。
また社会保障がある職業でも、独身者やひとり暮らしの方は代わりに働ける人がいないので、念のため保険に入っておくというケースもあります。
病気や事故はいつ起きるかわかりません。
その前に、現在の職場ではどのくらいの社会保障が出るか一度確認しておいたほうがいいでしょう。
働けない時の生活防衛資金がない人
生活防衛資金とは不測の事態に備えるためのお金、つまり非常事態用の貯金のことです。
休業する場合の生活防衛資金は3ヶ月~半年分、子持ちの家庭は半年~1年分が目途といわれています。
ここで、必要になる金額をそれぞれ家庭の人数別に割りだしました。
月の消費支出(万円) | 必要な資金(万円) | |
---|---|---|
1人暮らし | 約15.5 | 46.5~93 |
2人暮らし | 約25.5 | 76.5~153 |
3人家族 | 約30.5 | 183~366 |
4人家族 | 約33 | 198~396 |
参考:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」数字は2022年のもの
今持っている貯金額が上記の生活防衛資金に満たないという方は、就業不能保険の加入を考えてもいいかもしれません。
さらに住宅や車のローンを払っている方、借金をしている方は、収入が減ると返済が滞ってしまいます。
そんな場合でも就業不能保険の保障があれば安定した資金を得ることができるのでおすすめです。
あんしん就業不能保障保険をおすすめできない人
あんしん就業不能保障保険をおすすめできない人は以下があげられます。
- 働けない時の生活防衛資金がある人
- 公的保険が充実している人
「支払い条件が厳しい」「保険料が特別安いわけではない」というデメリットがある以上、出番の少ない保険はなくてもいいと考える方もいるでしょう。
堅実な生活を営んでいる方には向かない保険かもしれません。
働けない時の生活防衛資金がある人
休業時でも生活できるだけのお金がある方は、あんしん就業不能保障保険はおすすめしません。
上記『働けない時の生活防衛資金がない人』のなかで必要な生活防衛資金の目安を家庭別に表記しましたが、それと同等かそれ以上の蓄えがすでにある方はわざわざ保険に入る必要はないでしょう。
あんしん就業不能保障保険の保険料は、医療保険やがん保険と同じもしくはそれよりやや高めの料金となっています。
保険金を受け取ることができれば大きいですが、保障に達する基準が高くもらえるかどうかわからないデメリットがあるので、余裕のある方は加入しないほうが無難かもしれません。
保険に入るのであれば、医療保険など保障範囲の広いものに加入するといいでしょう。
もちろん余裕があるからこそ高いリターンを狙って加入しておくのも手ですが、結果だけに目を向けるのではなく保険のデメリットも考慮して選んでください。
公的保険が充実している人
公的保険が充実している職場で働いている方は、あんしん就業不能保障保険は必要ないかもしれません。
会社員や公務員などで社会保険や労災保険といった保障がきちんと整っている場合、休業しても手当金がもらえます。
また長期休業の一部を有給休暇にしたり、回復せずに退職となっても退職金が出るので、「保険での受給は絶対になくてはならない」という方は多くはないでしょう。
自営業者や社会保障のない仕事でなければある程度のお金は補助されるため、わざわざ就業不能保険に加入しなくても大丈夫です。
加えて、短期間の休業や特定の病気以外での休業は、あんしん就業不能保障保険の対象外となってしまうデメリットがあるので、むしろ余計な出費にもなりかねません。
なので公的保険が十分な環境であれば加入は控えてもよさそうです。
あんしん就業不能保障保険を他社商品と比較
あんしん就業不能保障保険の特徴を説明してきましたが、他社の似た性質のある保険と比べるとさらに理解が増します。
ためしに、あいおいニッセイ同和損保の所得補償保険と比べてみましょう。
●あんしん就業不能保障保険が優れている点
あんしん就業不能保障保険は加入するとそのときの保険料が固定されますが、あいおいニッセイ同和損保の所得補償保険は5歳刻みで保険料が上がっていきます。
保険料自体は所得補償保険のほうが安いのですが、年齢ごとに上がってしまうのはデメリットですね。
また、あんしん就業不能保障保険の支払保証期間は最短でも2年なのに対し、所得補償保険は長くて2年までとなっています。
これはあんしん就業不能保障保険が長期的な生活のサポートをもとにした保険ですが、あいおいニッセイ同和損保の所得補償保険は短期の収入減をフォローするための保険だからでしょう。
●あんしん就業不能保障保険が劣っている点
あいおいニッセイ同和損保の所得補償保険は、けがや病気で働けない状態であれば細かい理由や状態は問われず保険金が支払われます。
しかしあんしん就業不能保障保険は既定の状態や病気にならないと支払いの対象にはなりません。
また、所得補償保険は免責期間が7日なのに対し、あんしん就業不能保障保険は60日(Ⅱ型の場合)と長いスパンをとっています。
支払い条件の差は大きなデメリットですが、これは所得補償保険は気軽に入れる保険で、あんしん就業不能保障保険は重症のときのための保険だからです。
それぞれの特徴をくみ取ったうえで保険を選んでみてください。
まとめ:あんしん就業不能保障保険のデメリットは?口コミ・評判も紹介
あんしん就業不能保障保険は重度のけがや病気に対して生活を長期的にフォローしてくれる保険です。
長いスパンでの生活保障を目的とするため、どうしても支払い条件や支払保証期間が厳しくなるというデメリットがありました。
就業不能保険は働きざかりの方が大きな事故や病気で動けなくなった場合の、生命保険とのあいだを埋める保険としての役割もあります。
働けずに収入がなくなり、体も不自由になってしまうと、どうしても生活が苦しくなってしまいます。
そんなときに就業不能保険のような支えがあれば、不安にならず元気に人生を歩きつづけられるはずです。
ただ、なかなか出番の少ない保険でもあるので、入ろうか悩んでいるのであれば一度ファイナンシャルプランナーに無料相談してみることをおすすめします。
こちらのページの情報は当サイトが独自に調査したものになります。
加入を検討されている方は必ず約款などで保障内容をご確認ください。