更新日:2021/05/12
個人年金はおすすめしないって本当?知っておきたい理由を解説
- 個人年金保険がおすすめしないと言われるようになった理由とは
- 老後資金の準備の方法にどうして個人年金保険が挙げられるのか
- 個人年金保険はだれにでもおすすめしない方法なのか
- 老後資金の準備方法としてiDeCo、終身保険、貯金について、特徴やメリットおよびデメリットについて紹介
- 個人年金保険をおすすめしたい人、おすすめしない人とはどんな人?
内容をまとめると
- 個人年金保険がおすすめしないといわれるのは、現在の日本がマイナス低金利だから
- 個人年金保険のメリットは、税金面で優遇される点
- 個人年金保険のデメリットは、中途解約が難しく、インフレに弱い点
- iDeCoと個人年金保険は、運用する人、受け取る年齢、掛け金の限度額に違いがある
- 貯金と個人年金保険は、出し入れの自由さ、手続きの手間に違いがある
- 個人年金保険がおすすめな人は、使う予定がない資金がある人、確実に増やしたい人、リスクを冒したくない人である
- 個人年金保険をおすすめしない人とは、大きく増やしたいと考える人、加入手続きがわずらわしい人、毎月保険料を支払い続けることが難しい人である
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目次を使って気になるところから読みましょう!
なぜ個人年金保険がおすすめしないと言われるようになったの?
一昔前では、元本が保証されている、満期になると積立した金額に加えて運用益も受取ることができるなどの利点から、個人年金保険は老後資金など将来に備える手段として多くの人に選ばれてきました。
- マイナス低金利の時代になったため、個人年金保険はおすすめしない
- 予定利率が低いと加入しても意味がないのか
という、2点が主に挙げられます。
現在行われているマイナス金利政策が、個人年金保険に大きな影響を与えているのです。
その答えは、マイナス低金利の時代になったから!
- 経済を活性化するため
- デフレから脱却するため
予定利率が低いと加入しても意味ないの?
予定利率とは、保険会社が約束する運用利回りのことです。予定利率が高い場合は、支払う保険料が安くなったり、将来受け取れる金額が多くなります。
しかしマイナス低金利という状況下では、個人年金保険の運用益が減少し、予定利率が下がります。
そのため、予定利率が低いときに加入しても意味がないのでは、と思いがちです。しかし、個人年金保険には、運用益以外の魅力もあります。
その魅力とは、
- 所得控除を受けられる
- 死亡した際には死亡保険金を受け取れ、生命保険としての役割を持つ
などが挙げられます。
将来の備えとして、十分に役割を果たすことができるため、個人年金保険への加入は意味がない訳ではありません。
そもそも、なぜ老後資金の準備といえば個人年金保険なの?
老後資金の準備など将来の備えとして、どうして個人年金保険の名前が挙がるのか、疑問に思われる方も多いかと思います。
そこで、個人年金保険について
- 個人年金保険で老後のための資金を準備する優れた点
- 個人年金保険料控除について
- 個人年金保険に加入するデメリット
以上のポイントを詳しく解説いたします。
個人年金保険の優れた点や加入したら受けることができる控除など、ご説明いたしますので、なぜ老後資金の備えとして個人年金保険が選ばれるのか理解できるかと思います。
老後資金の準備を個人年金保険でするメリットとは?
個人年金保険で老後資金の準備を行うメリットとして、
- 銀行の金利より高い返戻率
- 個人年金保険料控除を受けることができる
- 生命保険の役割も担う
ことが挙げられます。
現在、銀行の普通預金の金利は年0.001%、定期預金でも年0.02%前後です。しかし、個人年金保険の返戻率は105%から110%なので、マイナス低金利であっても個人年金保険の返戻率の方が高いことが分かります。
また、個人年金保険は支払った保険料に応じて控除を受けることができるので、住民税や所得税などを節税することが可能です。
さらに、個人年金は保険料金を積み立てるだけでなく、死亡保障の役割も担っています。被保険者が死亡した場合は遺族が死亡保険金を受取ることができるので、改めて生命保険に加入する必要がありません。
以上のような理由から、老後の貯蓄と言えば個人年金と言われてきたのです。
個人年金保険料控除とは?
個人年金保険料控除とは
個人年金保険料控除とは、1年間に支払った保険料の合計金額に見合った控除が受けられ、所得税や住民税が安くなるものです。
ただし、条件をクリアした個人年金保険に限ります。
個人年金保険料の控除額の算出方法
所得税の場合
1年間に支 払った 保険料 | 控除金額 |
---|---|
~20,000円 | 支払った保険料全額 |
20,001円~ 40,000円 | (支払った保険料×1/2)+10,000円 |
40,001円~ 80,000円 | (支払った保険料×1/4)+10,000円 |
80,001円~ | 一律40,000円 |
住民税の場合
1年間に支 払った 保険料 | 控除金額 |
---|---|
~12,000円 | 支払った保険料全額 |
12,001円~ 32,000円 | (支払った保険料×1/2)+6,000円 |
32,001円~ 56,000円 | (支払った保険料×1/4)+14,000円 |
56,001円~ | 一律28,000円 |
平成24年に生命保険料控除が改正されたので、いつ契約したかで算出方法は異なります。上の表は、平成24年1月1日から後に契約した保険に対する算出方法です。
個人年金保険に入るデメリットとは?
個人年金保険にはデメリットがあるのでしょうか。ここでは、個人年金保険に加入するデメリットについて、解説していきます。
個人年金保険のデメリットとして
- 途中で解約することが難しい
- インフレに弱い
ことが挙げられます。
個人年金保険は途中で解約すると、解約返戻金が支払われます。しかし、解約返戻金は支払った保険料すべてが返ってくることはないため、途中で解約するとお金は減ってしまうのです。特に3年以内の解約は返戻率が低くなっているので気をつけましょう。
また、個人年金は契約するときに予定利率は決まっています。そのため、金利がこの先上がっていくようなとき、貨幣の価値が下がるインフレに向かっているときであっても、低い予定利率のままです。
個人年金保険は本当にだれにでもおすすめしない?
老後の資金など将来に備える方法は、個人年金保険のほかiDeCoや投資信託、貯金など何種類もあります。
方法によって、リスクの大きさ、増え方など特徴は様々です。さらに経済状態、考え方なども人によって異なるため、ベストな方法は人によって違う、つまり向き不向きがあるのです。
そのため、個人年金保険もおすすめしないといわれますが、人によっては個人年金保険が向いている場合もあります。
老後資金の準備方法として代表的な、iDeCoと終身保険、貯金についてこれから紹介いたします。それぞれの特徴やメリットなどを知って自分に合った方法を選択しましょう。
老後資金の準備方法①iDeCo
老後資金を準備するための方法のひとつ、iDeCoについて詳しく解説していきます。
そこで、
- 個人年金保険とiDeCoは何が違う?
- iDeCoで優れているといわれている点
- iDeCoのデメリットといえる点
について解説していきます。
個人年金保険とiDeCoの違いは?
個人年金保険とiDeCoは、どんな点が異なるのか解説していきます。
それぞれの主な特徴を、以下の表にまとめました。
個人年金保険 | iDeCo | |
---|---|---|
特徴 | 保険料を支払い、定められた 年齢になったら年金が 受け取れる貯蓄型の保険 | 自分で掛け金を拠出し、 運用する年金制度 |
運用 | 保険会社が運用 | 自分で運用 |
受け取り方 | 一括または年金方式 | 一括または年金方式 |
受け取れる年齢 | 自由 | 60歳以降 |
保険料(掛け金) | 自由 | 5,000円以上(1,000円単位、 条件によって積立限度額は異なる) |
個人年金保険は受け取れる年齢、掛け金は契約時に設定を行います。保険会社の定めによりますが、自由に設定を行えることが多いようです。
iDeCoは自分で運用する商品を選び、自分で運用する点が大きな特徴です。そのため、自分のやり方次第では大きく資産を増やすことができます。
iDeCoのメリットは?
iDeCoのメリットを紹介いたします。
iDeCoのメリットは以下の点が挙げられます。
- 掛け金がすべて所得控除となるので、所得税と住民税の負担の軽減が期待できる
- 運用時の利益や利息も非課税
- 受け取るときも税が優遇される
iDeCoにおける最も大きなメリットは税金面です。個人年金保険も所得控除はありますが、その額に上限があります。しかしiDeCoには上限がないうえ、掛け金も受け取るときにも控除の対象となるのでiDeCoの方が所得控除において恩恵があるといえます。
さらに、運用しているとき、運用益や利息も非課税になります。通常、投資信託の取引で得られる利益や利息には20%の税金がかかります。しかし、iDeCoでは非課税なのですべて自分の資産となります。
iDeCoのデメリットは?
iDeCoのデメリットを紹介いたします。
iDeCoのデメリットは以下の点が挙げられます。
- 60歳にならないと受け取ることができない
- 口座を開設するときや運用時に手数料が必要
- 掛け金には限度額が定められている
老後資金の準備方法②終身保険
ここでは、終身保険について解説していきます。
終身保険とは、一生涯保障してくれる保険のことであり、死亡保障があるので残された家族にお金を残すことができる点が大きな特徴です。
また、中途解約した場合は解約返戻金を受取ることが可能なので、老後資金準備にも利用することができます。
そこで、終身保険について
- 個人年金保険と終身保険の違うところ
- 終身保険の優れているといわれている点
- 終身保険のデメリットといえる点
以上のポイントを詳しく解説していきます。
個人年金保険と終身保険の違いは?
個人年金保険と終身保険は、どんな点が異なるのか解説していきます。
それぞれの主な特徴を、以下の表にまとめました。
個人年金保険 | 終身保険 | |
---|---|---|
保障期間 | 設定した年齢まで | 一生涯 |
受け取る人 | 契約者または配偶者 | 契約者以外 |
解約返戻金 | 支払った保険料より 減る可能性が高い | 保険料を支払い終えた後は 支払った保険料より 多く金額を受け取ることが可能 |
個人年金保険と終身保険の大きな違いは、受取人に設定できる人です。個人年金保険は契約者または配偶者を受取人にすることができますが、終身保険では契約者本人が受取人になることはできません。なぜなら、終身保険では死亡保障があり、死亡保証金を本人が受取ることができないためです。
終身保険を老後資金の準備に利用するためには、保険料を支払った後に中途解約することが必要となります。払い込んだ後であれば、支払った保険料よりも多くの解約返戻金を受け取ることができます。
終身保険のメリットは?
終身保険のメリットを紹介いたします。
終身保険のメリットは以下の点が挙げられます。
- 死亡保障が手厚い
- 支払った保険料に対して生命保険料控除を受けることができる
- 払込年数が選べる
終身保険は、元々契約者の死亡に対して保障することを目的としているものです。そのため、死亡したときの保障は手厚く、充実しているといえます。
また、個人年金保険と同じように支払った保険料は、生命保険料控除の対象となるので、申請することで税金が軽減される可能性があります。
終身保険では保険料を何年で払い終えるのか、払込年数が自分で選ぶことができます。老後資金のためと考えるなら、必要になる年より少し前に払込年数を設定しておくと良いでしょう。
終身保険のデメリットは?
終身保険のデメリットを紹介いたします。
終身保険のデメリットは以下の点が挙げられます。
- 控除の恩恵を受けにくい可能性がある
- 支払った保険料より多くの解約返戻金を受け取った場合、増えた金額に税金がかかる
- 解約のタイミングが難しい
個人年金保険では控除の枠は別に算出されますが、終身保険では支払った保険料に対する控除は、他の保険に支払った保険料と合算されるため、支払った保険料すべてが控除されるとは限りません。そのため、個人年金保険と比べると控除される額は少なくなる可能性があります。
終身保険の解約返戻金は保険料をすべて払い込んだ後であれば、支払った保険料よりも多く受取ることができます。しかし、この増えた部分に税金がかかってしまう点もデメリットといえるでしょう。
また、解約返戻金は払込が終わった後、時間が経てば経つほど増えます。そのため、いつ解約をするのか、タイミングを決めるのはとても難しいといえます。
老後資金の準備方法③貯金
次に、一番私たちに身近な準備方法であり、手軽にできる貯金、預金について解説していきます。
貯金はしていない方はほとんどいないといえる程、ポピュラーな方法です。そのため、あまりメリットやデメリットなど意識して利用していない方もいるのではないでしょうか。
老後資金の準備方法に貯金は向いているのか、気になりますよね。
そこで、
- 個人年金保険と貯金の違うところ
- 貯金の優れているといわれている点
- 貯金のデメリットといえる点
について解説していきます。
個人年金保険と貯金の違いは?
個人年金保険と貯金は、どんな点が異なるのか解説していきます。
それぞれの主な特徴を、以下の表にまとめました。
個人年金保険 | 貯金(預金) | |
---|---|---|
支払い先 (預入先) | 保険会社 | 銀行、JA、 信用金庫など |
中途解約 (途中引き出し) | 可能、但し 元本割れすること が多い | 可能 |
安全性 | 高いが、保険会社が 破綻した場合 資金が減る可能性もある | 高い |
中途解約の際、貯金や預金は、預ける期間が定まっている定期預金であっても預け入れた金額よりも少なくなることはありません。しかし、個人年金保険では、中途解約を行うと支払った保険料よりも解約返戻金として戻ってくるお金が少なくなってしまいます。
銀行など金融機関にお金を預けた場合、万が一銀行が破綻しても元本1,000万円とその利息は保護されるため、安全性が高いと言えます。
貯金のメリットは?
貯金、預金のメリットを紹介いたします。
貯金、預金のメリットは以下の点が挙げられます。
- 預入、引き出しが自由に行える
- 口座があれば面倒な加入手続きは不要
銀行など金融機関での貯金や預金は、ATMで簡単に入金、出金を行うことができます。そのため、今月は余裕があるから多めに貯金しようということがそのときの状況に応じて容易に行うことができます。また、急にまとまった出費があるという場合、貯めた貯金から引き出すことも簡単に行えます。
さらに、口座を持っていれば貯金や預金を行うことができるので、わずらわしい手続きは不要です。また、口座も身分証明書や印鑑などを持っていれば簡単に作ることができます。
このように、貯金、預金は始めるハードルが低く、貯金を始めた後もそのときの状況に応じて臨機応変に対応できる点がメリットといえます。
貯金のデメリットは?
次に貯金、預金のデメリットを紹介いたします。
貯金、預金のデメリットは以下の点が挙げられます。
- 貯まりにくい
- 金利が低い
貯金や預金は、預ける期間の決まっている定期預金であっても中途解約は自由に行えます。また、元本より減ることがないので中途解約に対する精神的ハードルも低いと考えられます。そのため、お金が必要なときについ引き出してしまうということも起こりえるのです。
また、預け入れる金額もそのときの状況に応じて自由に決めることができますが、出費が多いときなど貯金を後回しにしてしまうことあり、貯まりにくいといえます。
この他、個人年金保険や他の運用方法と比べると、金利が低く預けた以上に増えることが期待できない点もデメリットといえます。
個人年金保険をおすすめしたい人は
個人年金保険はどんな人におすすめといえるのでしょうか。ここでは、個人年金保険がおすすめな人をご紹介いたします。
個人年金保険がおすすめな人とは、
- 使う予定の無い資金を持っている人
- 貯金よりも、もっと確実に資金を増やしたいと考える人
- 資金を減らす危険は冒したくないと考える人
です。
個人年金保険は中途解約はおすすめしません。そのため、確実に使う予定の無い資金を積み立てておくと、中途解約の心配をしなくてよいでしょう。
また、金利は貯金、預金よりも高く、また保険の支払いは口座引き落として行われるので、確実に資金は増えると考えられます。
中途解約しない限り、資金が減ることはほとんど考えられません。そのため、投資信託や株式投資よりも安全かつ確実といえるでしょう。
もし、自分が個人年金保険が向いているのかわからず迷ってしまう場合は、「ほけんROOM」など保険の無料相談サービスを利用することをおすすめします。保険とお金のプロであるファイナンシャルプランナーが適切にアドバイスしてくれるため、自分に合った老後資金準備の方法を見つけることができます。
個人年金保険をおすすめしない人は
それでは、個人年金保険をおすすめしない人とはどんな人でしょうか。
おすすめしない人とは、
- リスクを冒しても大きく資産を増やしたいと考える人
- 加入手続きがわずらわしいと感じる人
- 毎月同額の保険料を支払うことが難しい人
です。
おすすめしない人とは多少のリスクを冒しても大きく増やしたいと考える人です。なぜならリスクを冒すことを気にしない人であれば税金面でもメリットの大きいiDeCoを利用した方がより効率よく貯めることができるでしょう。
また個人年金保険の加入手続きでは、告知書が必要となる場合もあり、このような手続きが苦手な方やわずらわしいと感じる方にもおすすめしないと言えます。
中途解約をすると元本割れする可能性が高いので、毎月確実に保険料を支払えることがとても重要です。そのため、支払い続けることが不安に感じる人にはおすすめしないといえます。もし、個人年金保険に加入する場合は毎月支払う金額を少なく抑えるなど対処しましょう。