傷病手当金は土日祝(公休日)も含めて計算する?支給される?待機期間は?

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業務外の怪我や病気が原因で仕事を休んだ場合に申請できるのが、傷病手当金です。


とても重要なものである一方で、支給の要件や支給額に関しては、実際に申請が必要になるまで知らなかったという人が多いようです。


実は、傷病手当金は土日祝日もでることを知らずに申請してしまうだけで、もらえる金額に差が出てしまうこともあります。 


そこで、傷病手当金を正しく受け取るために、ここでは以下のことについてご紹介します。

  • 傷病手当金制度における待期期間、支給期間の考え方 
  • 支給日が土日祝日の場合の考え方  
  • 傷病手当金の申請・請求期間について 
  • 実際の支給額の計算方法 

誤った知識により損をしてしまわないためにも、ぜひ最後までお読みください。

内容をまとめると

  1. 業務外の怪我や病気により仕事を休んだときに、傷病手当金が支給される
  2. 傷病手当金は、連続する3日間の待期期間を経て4日目の休みから支給される
  3. 待期期間や支給日数は、土日祝日を含めて考える
  4. 傷病手当金の支給日が土日にあたる場合、前倒しで支給される
  5. 傷病手当金は、過去の標準報酬月額をもとに支給額が計算される
  6. あらかじめ支給日や支給額を把握しておくことで、休業期間中の生活設計が可能になる
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傷病手当金の計算に土日祝の公休日は含まれる?


傷病手当金は、業務外の怪我や病気を原因として仕事を休み、給与が貰えなくなった場合に支給されます。


傷病手当金が支給される要件には、以下の4つが挙げられます。

  • 業務外の事由による病気や怪我 
  • 実際に仕事につけないこと
  • 待期期間を含み4日以上仕事を休んでいること
  • 休んでいる期間中、給与が支給されていないこと

傷病手当金は、同一の傷病について最長で1年6ヶ月間支給されます。この期間の途中で一度復職した後、再度同一のしょうで休業した場合であっても、支給対象となります。ただし、復職した期間も1年6ヶ月の中に含めて考えることに注意が必要です。 


支給期間・支給日数については、ともに出勤日ベースではなく、歴日ベースで考えます。つまり、実際に出勤日であるにも関わらず出勤しなかった日ではなく、土日祝日といった公休日を含んだ暦日で考えることとなっています。


なお、待期期間は「待機期間」と表現することが多いですが、正しくは「待期期間」であることに注意してください。

【具体例】傷病手当金の支給期間は土日祝の公休日を含む

傷病手当金の「支給期間」と「支給日数」について、シミュレーションで数え方を確認していきましょう。


まずは、支給期間についてです。

  • 2019年1月1日〜 欠勤開始(支給開始) 
  • 2019年7月1日〜 出勤 
  • 2019年8月〜 同一の傷病により欠勤 

このケースの場合、支給期間は2020年7月1日までとなります。 


この日が土日祝の公休日であっても、7月1日で期間満了となります。

また、出勤していた期間の分だけ支給期間が延長されると考えがちですが、復職期間も傷病手当金の支給期間(1年6ヶ月)に含まれてしまうため、注意が必要です。 


次に、支給日数についてです。 

  • 月に出勤日が20日間のAさんが 待期期間完成後、1ヶ月間(30日間)仕事を休んだ場合


この場合は、支給日数は実際に仕事を休んだ20日間ではなく、期間中の土日祝も含めて計算されるため、計30日間となります。


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傷病手当金の3待期期間も土日祝の公休日が含まれる?


傷病手当金は、3日間の待期期間を経て4日目の休みから支給されます。この待期期間を正しく理解しないと、支給開始日にズレが生じてしまい、本来貰えるはずの金額に差が出てしまうことになってしまうので、注意が必要です。 


 待期期間を考えるうえでのポイントは、以下の三点です。 


  • 待期期間には土日や祝日、有給取得日も含める。
  • 待期期間の3日間は必ず連続していないといけない。
  • 待期期間完成後は、何日か出勤したとしてもその次の欠勤日が支給開始日となる。 
待期期間は、3日間出勤していない日があるということが重要なので、その内訳が土日祝や公休日であろうと有給であろうと、欠勤であろうと同じく1日とカウントされることを覚えておいてください。

【具体例】傷病手当金の待期期間には土日祝の公休日が含まれる?

ここでは、待期期間の考え方について具体例とともに考えてみましょう。


  • 月曜日~水曜日まで休み、木曜日に出勤し金曜日に再び休んだ場合

この場合、水曜日の時点で3日間の待期期間が完成します。連続した3日間の待期期間を経ていれば、木曜日に出勤したとしても、次に休んだ金曜日が支給開始日となります。


  • 金曜日 出勤せず 、土日の公休日を経て月曜日も休んだ場合こちらは、待期期間に土日祝を含む場合です。 

こちらは、待期期間に土日祝を含む場合です。


実際に仕事を休んだのは金曜日の1日のみですが、待期期間は土日祝日の公休日も含むため、日曜日をもって待期期間が完成します。のため、月曜日に欠勤した場合はその日が支給開始日となります。

傷病手当金の支給開始日が土日の場合はどうなる?


例えば水曜日から金曜日まで休んだ場合、金曜日をもって待期期間が完成します。その場合の傷病手当金の支給開始日はいつになるでしょうか。


支給開始日についても、待期期間の数え方と同様に土日を含めて考えるため土曜日が起算となります。申請にあたって、誤って週明けの月曜日を支給開始日として申請してしまうケースがあるので注意が必要です。


この支給開始日を土日を除く月曜日にしてしまうと、本来もらえるはずの土日の2日間分の傷病手当金を受け取ることができなくなります。たった2日分と思う人もいるかもしれませんが、金額に換算すると個人差はあるものの数千円~数万円程度になることもあるので、正しく理解して申請を行いたいですね。

傷病手当金の支給日が土日など会社休業日の場合も振り込まれる?


怪我や病気で仕事を休んでしまい、収入が途絶えてしまっても、日々の生活にはお金がかかりますよね。傷病手当金を毎月の生活費にあてる場合、その支給日が気になる人も多いと思います。


そこで、ここでは傷病手当金の支給日について、ご紹介します。 


傷病手当金は生活保障という意味合いがあることから、申請をすれば原則として月に一度支給されます。実際の支給日は加入する健康保険組合によって異なりますが、基本的には土日祝日を除く平日に振り込まれます。


なお、振込予定日が土日祝日などの場合は、その前日に前倒しで振り込まれます。家賃などの固定費の引き落としが振込予定日の近くにある場合は、よく確認しておくと良いでしょう。

【具体例】振り込みスケジュールを解説!

毎月月末最終日に傷病手当金が支給される場合を例に、振り込みスケジュールについて具体的に考えてみましょう。

30日が銀行営業日であれば、問題なく30日に振り込みがされます。しかし、30日が土曜日で銀行休業日に該当する場合、基本的にはその前営業日、つまり29日に支給されます。

銀行休業日については、基本的には土日祝日が休みだと考えればよいですが、そのほか銀行休業日で注意したいのが、年末年始です。

銀行では、多くの場合12月31日~翌年の1月3日までが銀行休業日となっています。年末年始の期間に支給予定日がある場合も、同様にその前営業日が支給日となりますので覚えておくとよいでしょう。

なお、家賃などの口座引き落としについては、引き落とし日が銀行休業日の場合は反対に後ろ倒しとなることが多いようですよ。

傷病手当金の申請・請求期間に注意しよう!


傷病手当金は、病気や怪我で休んだ場合に自動的に振り込まれるものではなく、申請に基づいて支給されるものです。そのため、制度や申請方法についてよく理解しておくことが大切です。


傷病手当金は、未来についての申請を行うことができません。実際に一定期間休んだ後に、医師による傷病の証明と事業主による欠勤の事実と期間中に給与が不支給であることの証明をする必要があるからです。 


傷病手当金の請求は休み始めた日の翌日から起算して2年以内であれば遡ることができ、請求のタイミングについての決まりはありません。そのため、数ヶ月分をまとめて申請することも可能ですが、その分支給日も遅くなってしまいます。 


毎月の生活費にあてる場合、いつまでにいくら必要かをしっかりと把握しておく必要がありますね。


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傷病手当金の申請・待期・支給期間から支給額を具体的に算出!

ここでは、気になる支給額の計算方法について、ご紹介します。


傷病手当金の支給額は以下のように計算します。 


傷病手当金支給額=1日あたりの支給金額×支給日数 

1日あたりの支給金額=(支給開始日以前の継続した12ヶ月間の隔月の標準報酬月額の平均)÷30日×2/3


過去12ヶ月分の連続する勤務実績がなく標準報酬月額が確認できない場合は、直近の連続標準報酬月額の平均と全保険者の標準報酬月額の平均を比較して、より少ない方の金額をもとに算出することになっています。




それでは、具体例をもとに計算方法を確認していきます。


Aさん(平成28年1月に入社)

  • 平成29年8月15日~平成29年9月15日の間休職(32日間)
  • 平成28年1月〜12月の標準報酬月額は28万円 
  • 平成29年1月からの標準報酬月額は30万円

こちらの場合の計算方法は、以下のとおりです。

(28万円× 4ヶ月+30万円×8ヶ月)÷12ヶ月÷30日間×2/3=9,780円×2/3=6,520円(1日あたりの金額)

休職期間(32日間)のうち、待期期間の3日間を除いた29日間が傷病手当金の支給対象期間となるので、Aさんの支給金額は

6,520円×29日間=189,080円

となります。

別の具体例を挙げます。

 Bさん(平成29年4月に入社)

  • 平成29年8月15日~平成9月15日の間休職(計32日間)
  • 平成29年4月からの標準報酬月額は30万円

Bさんは勤続期間が4か月のため、過去12か月の連続した標準報酬月額が算出できません。


そこで、Bさんの直近5ヶ月間の標準報酬月額平均(30万円)と、全被保険者の平均標準月額の平均(協会けんぽでは28万円(平成29年度の場合))を比較し、少ないほうの28万円をもとに計算します。 


 そのため、支給額は
 

28万円÷30日間×2/3=6,220円

となり、Aさん同様に、待期期間の3日間を除いた日数をかけると、傷病手当金の支給額は


6,220円×29日間=180,380円 

となります。


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まとめ 傷病手当金の支給期間・待期期間は土日祝も含まれる!


傷病手当金の期間の考え方と支給日、支給額についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。 


 今回のポイントをまとめると、以下の通りです。 

  • 傷病手当金は業務外の怪我や病気により労務不能となった場合に、支給開始日の翌日から最長で1年6ヶ月間支給される
  • 傷病手当金は連続する3日間の待期期間を経て、4日目の休みから支給される
  • 支給期間や待期期間については、土日祝を含めた暦日ベースで計算される
  • 支給予定日が土日祝の場合は、前倒しで支給される
  • 支給額は、過去の標準報酬月額(または全被保険者の標準報酬月額の平均)をもとに算出される 

傷病手当金は、働けなくなった場合の貴重な生活保障の一つです。正しく理解せず申請をすると、支給金額が少なくなってしまうこともあります。待期期間や支給期間について、正しく理解したいですね。

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