更新日:2021/04/25
離婚したら学資保険の財産分与の対象になる?勝手に解約されるかや名義変更の必要性も解説
- 学資保険は財産分与の対象になる?
- 学資保険を財産分与する方法とは
- 離婚したら学資保険は継続すべき?それとも解約すべき?
- 名義変更しなかった場合の3つのリスク
- 学資保険における名義変更手続きの方法とは?
内容をまとめると
- 離婚のとき、学資保険は財産分与の対象になる
- 学資保険の財産分与には、解約し受け取った返戻金を分ける方法と、継続して解約返戻金の半分に当たる金額を相手に渡す方法がある
- 契約者を親権者に変更できないとき、保険料を支払い続けることが難しいときは学資保険を解約、最大の返戻率で受け取りたいときは継続することがおすすめ
- 契約者を親権者に変更しなかった場合、勝手に解約される、保険料を支払わずに保険が失効してしまう、満期金を渡してくれないなどのリスクがある
- 名義変更は、コールセンターや担当者に連絡する、またはインターネットで手続きすることが可能
- 離婚のとき、学資保険の継続や解約や名義変更について迷うときは、保険のプロへの相談もおすすめ
- 今ならスマホ1つで無料オンライン相談できるので、この機会に保険の悩みを解決しましょう!
目次を使って気になるところから読みましょう!
離婚後、学資保険は財産分与の対象になるの?
離婚のとき財産分与をはじめ、さまざまな手続きが行われます。このとき、学資保険は財産分与の対象になるのでしょうか。
子どものために加入している学資保険です。離婚したらどうなるのか、とても気になりますよね。
財産分与とは、夫婦が同居している期間中に築いた財産を分ける制度です。貯金や家など名義がどちらになっていてもわけなければなりません。そのため、夫婦が同居している期間に加入した学資保険は財産分与の対象となります。
しかし、学資保険の保険料を祖父が払ってくれたなど、夫婦の財産から支払っていなかった場合は、財産分与の対象にはなりません。
また、財産分与の請求権は2年と定められているので、離婚後2年を超えると請求権がなくなるため、注意しましょう。
離婚後、学資保険を財産分与する方法は?
財産分与の対象となる学資保険は、どのようにして離婚後財産分与するのでしょうか。
方法には2つあります。それは、
- 解約して解約返戻金を分ける方法
- 継続して、相手に解約返戻金の半額を支払う方法
です。これらの財産分与する方法について、これから詳しく解説していきます。
離婚時は、さまざまな手続きがあるので大変かと思います。そのため学資保険の財産分与は見逃しがちです。
子どものためを思って加入した学資保険なので、最適な方法を選んで忘れずに手続きをしてくださいね。
解約して解約返戻金を分ける
まず、学資保険を解約して受け取った解約返戻金を分ける方法について解説いたします。
この方法のメリットは、きれいに半分に分けることができることです。
解約返戻金を2で割ればよいだけなのでお互い同じ金額を受け取ることができ、不公平感も生まれにくい方法といえます。
しかし、この方法にはデメリットもあります。デメリットは、学資保険を中途解約することになる点です。
中途解約になると元本割れしてしまいます。払った金額よりも少ない金額しか戻ってこないのでもったいないと感じるでしょう。
また、一度解約してしまうと、次に学資保険に加入しようとしても年齢制限で加入が難しくなったり、条件が悪くなることもあります。
子どものために加入していたことを考えると、解約することに抵抗がある方も少なくないでしょう。
継続して、相手に解約返戻金の半額を支払う
学資保険を財産分与するもうひとつの方法は、学資保険の契約を続け、相手に解約返戻金の半額を支払うというものです。
解約返戻金は契約している保険会社に聞くことでわかるので、その金額をもとに計算を行います。
この方法であれば、学資保険を解約する必要はないため、加入したときの条件、返戻率は変わることはありません。
ただし、注意すべきこともあります。それは、
- 契約者=親権者にすること
- 保険料の支払いを契約者=親権者にすること
なぜなら、契約者が親権者でない方にすると親権者に無断で解約をしたり、満期金など受け取ったお金を親権者の方に渡さないという事が起きてしまうためです。
また、保険料の支払いについても、保険料を支払わないなど困った状態に陥ってしまいがちです。
これらのことを防ぐためにも、契約者=親権者にしておくことはとても大事なことといえるのです。もし離婚をすることで契約者が変わる場合、名義変更の手続きが必要になるので気をつけましょう。
離婚したら、学資保険は解約すべき?それとも継続すべき?
離婚したら学資保険を解約するべきなのか、それともこのまま継続するべきなのか、迷う方も多いことと思います。
解約すべきなのか継続すべきなのか、実は以下のように分けることができます。
- 親権者=契約者(受取人)に名義変更できないときは解約
- 親権者=契約者が保険料を払うのが難しいと感じるときは解約
- 最大の返戻率で返戻金を受け取りたいときは継続
それぞれについて、これから詳しく解説していきます。
自分の状況がどれにあてはまるのか改めて考えることが、解約するべきか継続するべきか決断につながりますね。
親権者=契約者(受取人)に名義変更出来ない場合は解約すべき
親権者=契約者に名義変更が不可能な場合、解約を行った方がよいでしょう。
学資保険ではほとんどの場合において、契約者が受取人となっています。つまり、母親が親権を持っていても、契約者を父親にしておくと保険金は父親の方に支払われるのです。
そのため、受取人が親権者でない場合、受け取った満期金など保険金を親権者に渡してくれないというトラブルも考えられます。
そこで、離婚をするときは必ず学資保険の契約者が誰になっているのかチェックをしましょう。
そして親権者が契約者になっていない学資保険で、名義変更ができない場合は解約を行うことをおすすめします。この場合、解約返戻金を分けた方がトラブルも少なくすっきりと財産分与ができるでしょう。
親権者=契約者が保険料を払うのが困難な場合は、解約すべき
親権者=契約者が保険料を払うのが難しいと考えられる場合、学資保険は解約を行った方がよいでしょう。
離婚をして、親権者が母親になり学資保険の契約者も母親にしたとき、ほとんどの場合において支払いも母親が行います。しかし離婚をし、母子家庭になると当然母親だけの収入で生活を行うことになるので、保険料を支払うことが難しくなってくることも考えられます。
学資保険を支払い続ける代わりに、他の支払いが滞ったり、生活費が足りずに借金をしてしまうと、現在の家計や生活が苦しくなってしまいます。
子どもの将来のことは、奨学金など他の手段を考えることもできるので、まず今の生活を守るためにも学資保険は解約することをおすすめします。
最大の返戻率で返戻金を受け取りたい場合は、継続すべき
最大の返戻率で返戻金を受け取りたいと考える場合は、学資保険は解約せずに継続した方がよいでしょう。
中途解約をするよりも、満期まで継続していた方がより高い返戻率で返戻金を受け取れるので、お得ですよね。
ただし、夫婦ともに満期に返戻金を受け取りたいと希望していて、受け取った後の分与についてもお互いに同意している場合に限られます。
また、学資保険の保険金を受け取るのは5年10年と、何年も先の事である場合が多いと思います。話し合ったときはお互い同じ考えを持ち同意したとしても長い期間に考えが変わる可能性もあります。
受け取ったとき揉めることのないよう、ほかの約束事も含めて離婚公正証書にしておくことをおすすめします。
離婚後、学資保険を継続する時は名義変更をしなければならない?
離婚をしたら、学資保険を継続するとき名義変更は必ずしなければならないのでしょうか。しなくても不都合がないなら、手間がかかるのでしたくないと思ってしまいますよね。
ここでは、名義変更をしなかった場合に考えられるリスクについて解説いたします。
考えられるリスクとは、以下の通りです。
- 離婚した後、学資保険を勝手に解約される
- 保険料を滞納され、学資保険が失効されてしまう
- 満期金を渡してくれない
離婚後、学資保険を勝手に解約されるリスクがある
名義変更をしなかった場合、離婚後学資保険を勝手に解約されるリスクがあります。
契約者であれば、学資保険は解約することが可能です。しかも、契約者が保険金の受取人に設定されている場合がほとんどなので、受け取った解約返戻金を持ち逃げされる、ということも考えられます。
契約者でない立場では、解約返戻金をいくら受け取ったのか、またいつ受け取ったのか知ることができません。そのため、親権者でない方が契約者であるのは危険なのです。
保険料を滞納され、学資保険が失効されてしまうリスクがある
名義変更をしなかった場合、契約者が保険料の支払いを行わず学資保険が失効されてしまうリスクもあります。
離婚のときは払おうと思っていても、収入の減少など経済的な変化、また心境の変化などから保険料を滞納することもあるようです。滞納が続くと学資保険は失効されてしまいます。
学資保険の失効とは、解約を意味します。
失効されると、学資保険が無効となります。そして祝い金や満期金を受け取ることができなくなってしまうのです。
満期金を渡してくれないリスクがある
名義変更をしなかった場合、契約者が親権者に満期金を渡してくれないリスクも考えられます。
基本的に満期金は契約者が受け取ります。離婚をするときこの満期金を親権者に渡す約束をしているかと思いますが、契約者が受け取った満期金を持ち逃げするという危険があるのです。
学資保険の満期金は100万円など高額な場合が多く、契約者がそのときお金に困っていたり、高額な金額を手にして欲に目がくらんでしまったために持ち逃げするということも考えられます。
学資保険は契約者変更で贈与税が発生する場合もある?
契約者を変更する際に気をつけることがあります。それは、贈与税が発生する場合があることです。
学資保険に贈与税が発生するのは、契約者と受取人が異なるときです。贈与税がいくらかかるのか、以下の式で求めることができます。
贈与税=(1年間に受け取った金額ー基礎控除110万円)×税率ー控除額
ここでの「1年間に受け取った金額」の1年間とは、1月1日から12月31日までを指します。
また、税率と控除額は以下の表の通りです。
基礎控除額後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
表と式からおおよその贈与税はわかるかと思います。契約者を誰にするかを考える際は、ぜひ贈与税がどのくらいかかるのか、計算してみることをおすすめします。
アフラックの学資保険は、離婚しても契約者変更が出来ない?
学資保険のなかには、離婚しても契約者の変更ができないものがあります。
契約者の変更ができない学資保険とは、契約者が病気や事故にあったときそれ以後の保険料は支払わなくてよいとする保険料払込免除特則がついているものが挙げられます。
具体的な例として、アフラックの学資保険ではこの保険料払込免除特則をつけた契約を行っていると、契約者の変更ができないことが約款に記されています。
そのほか、契約者の死亡保障がついている学資保険も契約者の変更はできません。
離婚を考え始めたら、学資保険の契約内容をしっかりと確認しておくことをおすすめします。確認したうえで、財産分与の際学資保険を継続するべきか解約するべきか考えるとよいでしょう。
学資保険の名義変更手続き方法は?
ここでは、学資保険における名義変更手続きの方法について
- 手続きの方法には3種類ある
- かんぽ(ゆうちょ)の学資保険の名義変更の手続き方法とは
を解説いたします。
手続き方法は3つあるので、自分のライフスタイルに合った方法を選ぶことができます。
また手続きには、書類の記入や郵送など少し面倒に感じる作業もありますが、必要なステップなので、指示に従ってもらさず行いましょう。
手続きの方法について具体的に解説いたしますので、ぜひ参考にしてくださいね。
3種類の手続き方法がある
手続き方法には、以下の3つの方法があります。
- 担当者に連絡
- コールセンターに連絡
- インターネットで手続き
加入している学資保険の担当者であれば、名義変更した後や離婚をした後などこれからについても相談できるかと思います。時間がある方であれば、おすすめできる方法です。
コールセンターに連絡する方法は、電話一本で名義変更について伝え書類を送ってもらうことができるので、とても簡単です。ただ、電話をできる時間が限られているので、忙しい方には不向きともいえます。
インターネットでも手続きを行うことができます。インターネットによる手続きは365日24時間利用できるので、時間を気にする必要がありません。忙しい方には最も適した方法です。
かんぽ(ゆうちょ)の学資保険の名義変更の手続き方法は?
かんぽ(ゆうちょ)の学資保険の名義変更の手続き方法は、一般の保険とは異なります。
かんぽの場合、名義変更を行うときの方法として、以下の2つがあります。
- 担当者に連絡
- 郵便局に出向く
一般の保険のように、コールセンターやインターネットによる手続き方法はありません。そのため、忙しい方は少し不便に感じるかもしれません。
手続きを行うとき必要なものは
- 契約者の変更を行う学資保険の保険証券(保険証書)
- 印鑑
- 契約者の本人確認書類
です。本人確認書類は運転免許証や各種健康被保険者証、パスポートおよびマイナンバーカードなどを準備しましょう。
また、新しく契約者になる方の本人確認書類も必要な場合があります。事前に問い合わせておくとよいでしょう。
相手が名義変更してくれない場合はどうする?
もし、離婚のとき学資保険の名義を相手が変更してくれない場合は、どうするのでしょうか。
すべての場合において話し合いがスムーズに進むとは限りませんよね。なかには名義変更を拒まれる場合もあるかと思います。
そんなときに取ることのできる対処方法は
- 保険の受取人を子どもにしておく
- 離婚公正証書に契約者を変更する旨と、変更手続きに協力することの約束を記載する
- 離婚公正証書に受け取った満期金は子どものために使用する記載をする
です。
名義はそのままで、受取人を子どもに変更し、満期金は子どもの銀行口座に入金されるようにしておくことも可能です。ただし、この方法は契約者が学資保険を中途解約しないことを前提としています。
また、離婚公正証書は離婚における約束事を記すものです。法的拘束力をもち強制執行が可能であるという特徴があります。
この離婚公正証書に、契約者を変更することや、満期金は子どものために使用するなど必ず守って欲しい約束事を記載しておくと、いざというときトラブルを回避できることが期待できます。
まとめ:離婚後に学資保険を解約する時は、必ず名義変更をしておく
離婚をするときの学資保険の財産分与ついて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事のポイントは、
- 学資保険は離婚の際、財産分与の対象になる
- 財産分与の方法は、解約し受け取った返戻金を分ける、継続して解約返戻金の半分に当たる金額を相手に渡す、などがある
- 契約者を親権者に変更できないとき、保険料を支払い続けることが難しいときは学資保険を解約、最大の返戻率で受け取りたいときは継続することがおすすめ
- 契約者を親権者に変更しなかった場合、勝手に解約される、保険料を支払わずに失効してしまう、満期金を渡してくれないなどのリスクがある
- 名義変更は、コールセンターや担当者に連絡する、またはインターネットで手続きすることが可能
学資保険の満期金は、ほとんどの場合契約者が受け取ります。そのため、離婚をする際は契約者を親権者に変更しておくと、トラブルを回避できます。さらに、離婚後に学資保険を解約しようと思っているときも必ず名義変更をしておきましょう。
子どもの将来のために加入している学資保険です。子どものためになるように考えて手続きを行いたいものですね。